JPH07234087A - 熱交換エレメント - Google Patents

熱交換エレメント

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JPH07234087A
JPH07234087A JP6026995A JP2699594A JPH07234087A JP H07234087 A JPH07234087 A JP H07234087A JP 6026995 A JP6026995 A JP 6026995A JP 2699594 A JP2699594 A JP 2699594A JP H07234087 A JPH07234087 A JP H07234087A
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JP
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liner
heat exchange
exchange element
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rib
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JP6026995A
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English (en)
Inventor
Katsuya Kasai
勝哉 葛西
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Daikin Industries Ltd
Original Assignee
Daikin Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】本熱交換エレメントは、複数の単位部材Uを9
0°ずつ向きをずらしながら交互に積層する。単位部材
Uは抄紙により成形された板状のライナ1と、ライナ1
の端縁に沿う遮蔽用のリブ2と、ライナ1同士間の間隔
を規制するスペーサ3とを有する。ライナ1の抄紙成形
時に、リブ2又はスペーサ3を一体に成形する。 【効果】一体成形なので強度が強い。しかも、ライナ等
を樹脂により一体成形する場合と比較して、透湿性に優
れたライナを得ることができ、全熱交換用に適した熱交
換エレメントが得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、熱交換換気装置その
他の空気調和装置に用いられ、板状のライナを挟んで熱
交換を行う熱交換エレメントに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、熱交換エレメントは製造コストの
低減が要求されている。従来、この種の熱交換エレメン
トとして、特公平6−10587号公報に示すものがあ
る。この熱交換エレメントは、図8に示すように、複数
の単位部材100を交互に90同ずつ向きをずらしなが
ら積層したものからなる。各単位部材100は、四角形
の板状のライナ101と、これの一の面に配される複数
の列状のリブ102とを樹脂にて一体成形したものから
なり、ライナ101の対向する端部に配されるリブ10
2を、ライナ101同士の端縁部分を密封するための遮
蔽リブ102aとして構成すると共に、遮蔽リブ102
a間に所定間隔毎に配されるリブ102をライナ101
同士間の間隔を規制するための間隔規制リブ(いわゆる
スペーサ)102bとして構成している。
【0003】上記の熱交換エレメントにおいては、ライ
ナ101とリブ102a,102bとが樹脂により一体
成形されるため、強度的に優れていると共に、これらを
別体に形成した場合のように接着する作業が不要であり
製造コストを安価にできるという利点がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
熱交換エレメントにおいては、下記の〜の問題があ
った。 ライナ101が樹脂にて形成されるため、紙と比較
して、透湿性に劣り、その結果、透湿度効率が悪く、こ
のため、潜熱と顕熱の双方を熱交換するいわゆる全熱交
換用のエレメントに適さないという問題があった。 また、間隔規制リブ102bがライナの端縁まで延
びているので、隣接するライナ101同士間から流出す
る気流が急拡大したり、ライナ101同士間から流入す
る気流が急縮小したりし、その結果、圧力損失が増大す
るという問題があった。また、上記のように間隔規制リ
ブ102bがライナ101の端縁まで延びていると、一
の単位部材のライナ101を他の単位部材の遮蔽リブ1
02aに接着する場合に、間隔規制リブ102bを介し
てライナ101をリブ遮蔽リブ102aに加圧すること
になる。したがって、ライナ101と遮蔽リブ102a
との接着面を全面にわたって一様に加圧することができ
ない結果、接着後の両者間に密封性の悪い部分がででく
るおそれがある。その結果、気流漏れを発生し熱交換効
率の低下を招くという問題があった。 さらに、間隔規制リブ102bが中実体からなるの
で、素材量が多くて製造コストが高くなるという問題が
あった。 また、間隔規制リブ102bが直方体からなるの
で、端部の断面積が非常に広く、気流の圧力損失が大き
かった。 一方、熱交換効率の向上のために、特開平4−27
3993号公報に示すように、型による一体成形後に、
プレス成形によって略半球状の絞り部を設け、この絞り
部によってライナどうし間隔を規制すると共に乱流を起
生しようとするものがあるが、下記の理由で絞り部を採
用することが困難であった。というのは、肉厚の薄いラ
イナをあまり深く絞ると、伸びによって破断等を生ずる
ため、絞り部の高さをあまり高くできない。その結果、
ライナ同士の間隔をあまり広く確保できず、圧力損失を
増大してしまうといった新たな問題を生じる。このた
め、上記のような絞り部を採用することができない。
【0005】上記の課題に鑑み、本発明の第1の目的
は、強度が強くしかも透湿性に優れて全熱交換用として
適した熱交換エレメントを提供することである。上記
の課題に鑑み、本発明の第2の目的は、気密性に優れ高
い熱交換効率を得ることのできる熱交換エレメントを提
供することである。上記の課題に鑑み、本発明の第3
の目的は、素材量が少なく製造コストの安い熱交換エレ
メントを提供することである。
【0006】上記の課題に鑑み、本発明の第4の目的
は、圧力損失の少ない熱交換エレメントを提供すること
である。上記の課題に鑑み、本発明の第5の目的は、
より高い熱交換効率を達成することができる熱交換エレ
メントを提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段及び作用】
(1) 上記第1の目的を達成するため、請求項1に係る
熱交換エレメントは、単位部材を交互に90°ずつ向き
をずらしながら多段に積み重ねることによって形成さ
れ、熱交換すべき気体を互いに交差する方向に流す熱交
換エレメントにおいて、上記単位部材は、紙材を含む板
状のライナと、上記ライナの少なくとも一方の面の対向
する縁部に設けられ、単位部材の積層状態で隣接するラ
イナ同士の対向縁部間を密封する一対のリブと、上記ラ
イナの一方の面に設けられ、単位部材の積層状態で隣接
するライナ同士の間隔を規制するスペーサとを含み、上
記ライナは抄紙により成形されたものからなり、上記リ
ブ及びスペーサの少なくとも一方は上記ライナの抄紙時
に一体に成形されたものからなることを特徴とするもの
である。
【0008】上記構成によれば、ライナ等が抄紙により
成形された紙材を含むものからなるので、ライナ等を樹
脂による一体成形品とする場合と比較して、透湿性に優
れたライナを得ることができる。また、抄紙(紙を抄
く)というライナの素材形成の段階でリブ(又はスペー
サ)が形成されるので、ライナのリブ(又はスペーサ)
との一体性が強く、強度の強い単位部材を得ることがで
きる。 (2) 上記第2の目的を達成するため、請求項2に係る
熱交換エレメントは、請求項1記載の熱交換エレメント
において、上記スペーサは、上記リブと平行に所定間隔
毎に配列され且つ流体の流れ方向に沿う凸条からなり、
この凸条の端部は、ライナの端縁から所定距離離されて
いることを特徴とするものである。
【0009】上記構成によれば、凸条からなるスペーサ
の端部を、ライナの端縁から所定距離離してあるので、
ライナ同士の間から流出される気流の急拡大を防止し且
つライナ同士の間へ流入する気流の急縮小を抑制し、急
拡大や急縮小に伴う圧力損失を減少させることができ
る。また、ライナの上記端縁部分には、隣接する単位部
材のリブが接着されることになるが、この接着に際しラ
イナとリブとを全面にわたって一様に加圧することがで
き、その結果、一の単位部材のライナとこれに隣接する
他の単位部材のリブとの間に隙間を生じさせることがな
く緊密に接着することができる。したがって、この隙間
からの気流漏れに起因した熱交換効率の低下を防止する
ことができる。 (3) 上記第3の目的を達成するため、請求項3に係る
熱交換エレメントは、請求項2記載の熱交換エレメント
において、上記ライナの他方の面には、上記凸条の断面
形状に沿って窪む断面形状を有する凹条に形成されてい
ることを特徴とするものである。
【0010】上記構成によれば、スペーサの素材量を少
なくすることができるので、製造コストを安価にでき
る。また、凸条が気流方向に沿うので、凹条は気流方向
と交差することになる。このため、凹条が乱流を生成さ
せ、気流のライナへの接触量を増加させることができる
結果、熱交換効率を向上させることができる。しかも、
上記の凸条がライナの端縁まで延びていないことから凹
条もライナの端縁まで延びておらず、ライナは、その端
縁と凹条の端部との間の部分に、隣接する単位部材のリ
ブと密着するための面を確保できる結果、気流漏れを防
止することができる。 (4) 上記第4の目的を達成するため、請求項4に係る
熱交換エレメントは、請求項1ないし3の何れかに記載
の熱交換エレメントにおいて、上記凸条の少なくとも一
方の端部は、先細り状に形成されていることを特徴とす
るものである。
【0011】上記構成によれば、スペーサに沿って流さ
れる気流の圧力損失を低減することができる。 (5) 上記第5の目的を達成するため、請求項5に係る
熱交換エレメントは、請求項1,2又は4記載の熱交換
エレメントにおいて、上記ライナの他方の面には、上記
凸条の断面形状に沿って窪む断面形状を有する凹条に形
成されており、上記ライナの上記一方の面には、上記凸
条の延びる方向と直交する方向に延びる多数のしわが形
成されていることを特徴とする。
【0012】上記構成によれば、ライナの凹条が形成さ
れた側の面では、気流が凹条と交差して流れるため、乱
流を生成することができる。しかも、ライナの凸条が形
成された面では、凸条に沿って流れる気流に対してしわ
が交差することになるので、しわにより乱流を生成する
ことができる。したがって、ライナの両側とも気流を乱
流にすることができ、非常に高い熱交換効率を得ること
ができる。
【0013】
【実施例】以下実施例を示す添付図面によって詳細に説
明する。図1はこの発明の一実施例の熱交換エレメント
の要部の概略分解斜視図であり、図2はそのII-II 線に
沿う概略断面図である。図1を参照して、この熱交換エ
レメントは、熱交換すべき流体が、互いに直交する方向
に流れる直交流型であり、単位部材Uが90°ずつ交互
に向きを変えて複数積層されている。
【0014】図1及び図2を参照して、単位部材Uは、
方形平板状のライナ1と、ライナ1の上面1aの対向す
る端縁に一体に形成された一対のリブ2と、ライナ1の
上面1aに上記リブ2と平行に所定間隔毎に配列され、
ライナ1と一体に形成された複数のスペーサ3とを有し
ている。上記のライナ1を挟んで熱交換される2つの気
流のうち、上面1a(ライナ1のスペーサ3側の面)に
沿って流される一の気流は、スペーサ3の長手方向に沿
って流され、ライナ1の下面(スペーサ3が設けられて
いない面)に沿って流される気流は、上記スペーサ3の
長手方向と直交する方向に(すなわち下段の単位部材の
スペーサ3の長手方向に)流されることになる。
【0015】単位部材Uを構成するライナ1,リブ2及
びスペーサ3は、図5に示すような製法により抄紙によ
り成形された紙からなる。すなわち、上記ライナ1,リ
ブ2及びスペーサ3を一体で成形するための金網からな
る成形面(図示せず)を有する上型50と下型51との
間に、繊維を含む原料液を供給し、繊維を所定の形状の
紙として形成すると共に、吸引により脱水した後、これ
をテーブル52上で加熱板53にて乾燥させ、単位部材
Uを得るようにしている。なお、抄紙については、他の
公知の抄紙方式を採用することも可能である。また、単
位部材Uを構成する素材としては、紙材に限られるもの
ではなく、各種の繊維質素材を用いることも可能であ
り、また、構造を補強するため、紙材に適量の樹脂繊維
を混入したものを用いることもできる。
【0016】ライナ1の厚みとしては、0.1mm程度
のものを例示することができ、ライナ1の一方の面1a
には、スペーサ2の延びる方向と直交する方向に延びる
多数のしわ11が、上記の抄紙成形時に同時に形成され
ている。しわ11の高さとしては、紙厚の0.1mmを
含んで例えば0.5mm程度以下に設定することができ
る。多数のしわ11は、スペーサ3に沿って流される気
流と直交することになる。
【0017】リブ2は、直方体形状をしており、リブ2
の高さとしては2mm程度のものを例示することができ
る。リブ2の上面は平坦面に形成されており、隣接する
単位部材Uのライナ1の他方の面と密着されることにな
る。図2の要部拡大断面図である図3を参照して、ライ
ナ1とリブ2との間に形成されるコーナ部12は、R形
状に肉盛りされた形状を呈しており、強度向上が図られ
ている。また、スペーサ3の部分の肉厚t1は他のライ
ナ1部分の肉厚t2よりも厚くされており、スペーサ3
の部分の強度向上が図られている。
【0018】図1及び一部破断平面図である図4を参照
して、スペーサ3は、両端部が先細り状に形成された凸
条からなる。これは、スペーサ3の強度としては、スペ
ーサ3の幅(気流と直交する方向の幅)を広くした方が
良いが、これでは、スペーサ3の端部の部分で気流の圧
力損失が増大してしまう。そこで、スペーサ3の端部を
先細り状とすることにより、上記圧力損失を低減しつつ
且つスペーサ3の強度を確保したものである。スペーサ
3は型により一体成形されるので、上記のように端部形
状を設定することによるコスト上昇はない。なお、スペ
ーサ3の先細り状とされる端部は、一方の端部のみとし
ても良い。一方の端部のみ先細り状とする場合には、気
流の上流側の端部を先細り状とすることが圧力損失を低
減するうえで好ましい。また、スペーサ3の少なくとも
端部をいわゆる流線形状とすることもできる。
【0019】図2及び図3を参照して、ライナ1の下面
1bにおいてスペーサ3の裏側は、凸条の断面形状に沿
う断面形状の凹条4に形成されている。なおスペーサ3
の部分の肉厚は、ライナ1の他の部分の肉厚よりも厚め
に設定されており、スペーサ3の部分の強度向上が図ら
れている。スペーサ3の頂部は図3に示すように鋭角と
することが、隣接する(上方の)ライナ1の伝熱面に対
して、スペーサ3が接触する面積を少なくし、ライナ1
の広い伝熱面積(気流と接触することのできる面積)を
確保するうえで好ましい。
【0020】また、図1及び図4を参照して、各スペー
サ3の端部は、ライナ1の端縁から所定距離d(図4参
照)だけ離されている。これにより、ライナ1の端縁部
分の下面と、これに接着される単位部材Uのリブ2と
を、気流漏れが発生しないように緊密に接着することが
できる。これは、ライナ1の端縁部分を下方のリブ2に
接着する場合に両者を互いに押圧すること(接着圧を負
荷すること)が必要であるが、ライナ1の端縁部分にス
ペーサ3が無いので、ライナ1の端縁部分をリブ2側へ
全面にわたって一様に押圧することができ、その結果、
接着に際しライナ1の端縁部分の全面をリブ2に対して
緊密に接着することができるからである。これに対し
て、仮にスペーサ3がライナ1の端縁まで延びていた場
合には、スペーサ3を介してライナ1を下方のリブ2に
押圧する部分と直接ライナ1を押圧する部分ができ、そ
の結果、ライナ1を一様に押圧することができなくな
り、ライナ1の端縁部分をリブ2に緊密に接着できない
部分が生じてしまう。これに対して、本実施例では、ス
ペーサ3の端部の位置をライナ1の端縁から所定距離離
すことにより、ライナ1の端縁部分の全面をリブ2に対
して緊密に接着できるので、ライナ1とこれに接着され
るリブ2との間を確実に密封することができる。
【0021】特に、本実施例のようにスペーサ3の裏面
側が成形上及び乱流生成のために凹条4に形成されてい
る場合において、仮にスペーサ3の端部がライナ1の端
縁まで延びている場合には、ライナ1の端縁の下面とこ
れに接着されるリブ2との間に、上記凹条4の一部が存
在することになる結果、ライナ1とこれに接着されたリ
ブ2との間の密封性が、上記凹条4によって阻害される
おそれがある。これに対して、本実施例ではスペーサ3
の端部をライナ1の端縁から所定距離離してあるので、
スペーサ3の裏面側の凹条4がライナ1とリブ2との間
の密封性を妨げることがない。
【0022】本実施例によれば、ライナ1等が抄紙によ
り成形された紙材を含むものからなるので、ライナ1等
を樹脂による一体成形品とする場合と比較して、透湿度
効率の高いライナを得ることができる結果、潜熱と顕熱
の双方を熱交換する全熱交換換気への適用に適した熱交
換エレメントを得ることができる。また、抄紙(紙を抄
く)というライナ1の素材形成の段階でリブ2やスペー
サ3が形成されるので、ライナ1とリブ2やスペーサ3
との一体性が強く、したがって強度の強い単位部材Uを
得ることができ、ひいては、強度に優れた熱交換エレメ
ントを実現することができる。このように、高い強度と
高い熱交換効率を両立する熱交換エレメントを得ること
ができる。
【0023】また、凸条からなるスペーサ3の端部を、
ライナ1の端縁から所定距離離してあるので、ライナ1
同士の間から流出される気流の急拡大を防止し且つライ
ナ1同士の間へ流入する気流の急縮小を抑制し、急拡大
や急縮小に伴う圧力損失を減少させることができる。ま
た、上述したように、一の単位部材Uのライナ1の端縁
部分とこれに接着される他の単位部材Uのリブ2とを、
接着に際して全面にわたって一様に加圧することができ
る結果、ライナ1の端縁部分とこれに接着されたリブ2
との間に隙間を生じさせることがなく、この隙間からの
気流漏れに起因した熱交換効率の低下を防止することが
できる結果、より高い熱交換効率を得ることができる。
【0024】特に、スペーサ3を形成する凸条の裏面側
が凸条の断面形状に沿う断面形状を持つ凹条4になって
いるので、スペーサ3が中実である場合と比較してスペ
ーサ3に要する素材量を減じて製造コストを安価にする
ことができる。また、この凹条4が気流方向と交差する
ことになる結果、凹条4が乱流を生成させる。その結
果、熱交換効率を向上させることができる。しかも、上
述したように、上記のスペーサ3がライナ1の端縁まで
延びていないことから凹条4もライナ1の端縁まで延び
ておらず、ライナ1は、その端縁と凹条4の端部との間
の部分に、隣接する単位部材のリブ2と密着するための
面を確保できる結果、気流漏れを防止することができ
る。したがって、気流漏れに起因した熱交換効率の低下
を防止でき、より高い熱交換効率を得ることができる。
【0025】加えて、スペーサ3の端部が先細り状に形
成されているので、スペーサ3に沿って流される気流の
圧力損失を低減することができる。したがって、この熱
交換エレメントを熱交換換気機に適用した場合に、圧力
損失を補うためにファンの風量を増大させる必要もな
く、これに伴う振動や騒音の増大を回避することができ
る。
【0026】しかも、上述したように、ライナ1の凹条
4が形成された側の面では、気流が凹条4と交差して流
れるため、乱流を生成することができる。しかも、ライ
ナ1の凸条が形成された面では、凸条に沿って流れる気
流に対してしわ11が交差することになるので、しわ1
1により乱流を生成することができる。したがって、ラ
イナ1の両側とも気流を乱流にすることができ、気流の
ライナ1への接触量を多く確保できる結果、非常に高い
熱交換効率を得ることができる。
【0027】図6はこの発明の他の実施例を示してい
る。同図を参照して、本実施例が図1の実施例と異なる
のは、前述した実施例では、スペーサ3と同一高さのリ
ブ2をライナ1の一方の面のみに設けているのに対し、
本実施例では、スペーサ3の高さの半分の高さのリブ2
1をライナ1の上面の対向する端部に設け、同様のリブ
22をライナ1の下面の対向する端部(上面のリブの対
向方向と交差する方向に対向する端部)に設けたことで
ある。他の構成については図1の実施例と同様である。
本実施例においても図1の実施例と同様の作用効果を奏
することに加えて、ライナ1の四辺がリブ21,22で
補強されることになる結果、より強度の高い単位部材U
を得ることができ、ひいては強度のある熱交換エレメン
トを得ることができる。また、単位部材Uの積層に際し
て形状維持性の高いリブ21,22同士を接着するの
で、接着作業性が良い。
【0028】図7は図6の実施例の変更例を示してい
る。本実施例が図6の実施例と異なるのは、図6の実施
例では、リブ21,22が団塊状のものであるのに対し
て、本実施例では、上記リブ21,リブ22に相当する
リブ210,220が比較的厚みの薄いものをL字状に
折り曲げ形状に形成されている点である。リブ210
は、ライナ1の端縁から直角に立ち上がる壁面部21
0aと、この壁面部201aの上端縁から外方へ直角
に折り曲げられた形状の接着面部210bと、上記壁
面部210a及び接着面部210bの長手方向端部に連
続し両部210a,210bと直交する逆三角形の端面
部210cとを有している。
【0029】また、リブ220は、ライナ1の端縁か
ら下方へ直角に折り曲げられた形状の壁面部220a
と、上記壁面部220aの下端縁から外方へ直角に折
り曲げられた形状の接着面部220bと、上記壁面部
220a及び接着面部220bの長手方向端部に両部2
20a,220bと直交するように連続し、且つ上記リ
ブ210の端面部210cと直交状態に連続する逆三角
形の端面部220cとを有している。 本実施例によれ
ば、図6の実施例と同様の作用効果を奏することに加え
て、リブ210,220の素材量を少なくすることがで
きるので、製造コストを安価にすることができる。ま
た、折り曲げ状のリブ210,220であっても、十分
な強度を得ることができる。これは、各リブ210,2
20が相直交する3面(周壁部,接着面部及び端面部)
を連結したものからなり、加えて、上記端面部210
c,220c同士を連結させることにより、両リブ21
0,220相互に強度を補完させることができる結果、
より強い強度が得られるからである。
【0030】本発明は上記各実施例に限定されるもので
はなく、例えば、しわ11には、抄紙成形時に形成した
エンボス状の微小な凹凸や波形形状のものも含まれる。
また、しわに代えて、例えば繊維を含むライナ1の表面
をケバ立たせたりすることもでき、この場合にも、乱流
の生成を促進することができる。また、スペーサ3はラ
イナ1間を支えるものであれば、半円柱状、円柱状、角
柱状、円錐状及び角錐状など、特に形状は問わない。
【0031】さらに、上記各実施例においては、リブ
2,21,22,210,220及びスペーサ3の双方
をライナ1の抄紙時に一体成形したが、少なくとも一方
のみをライナ1と一体成形すれば良い。その他、本発明
の要旨を変更しない範囲で種々の設計変更を施すことが
できる。
【0032】
【発明の効果】請求項1に係る発明によれば、ライナ等
が抄紙により成形された紙材を含むものからなるので、
ライナ等を樹脂による一体成形品とする場合と比較し
て、透湿性に優れたライナを得ることができる結果、潜
熱と顕熱の双方を熱交換する全熱交換換気への適用に適
した熱交換エレメントを得ることができる。また、抄紙
(紙を抄く)というライナの素材形成の段階でリブ(又
はスペーサ)が形成されるので、ライナのリブ(又はス
ペーサ)との一体性が強く、したがって強度の強い単位
部材を得ることができ、ひいては、強度に優れた熱交換
エレメントを実現することができる。このように、高い
強度と高い熱交換効率を両立する熱交換エレメントを得
ることができる。
【0033】請求項2に係る発明によれば、凸条からな
るスペーサの端部を、ライナの端縁から所定距離離して
あるので、ライナ同士の間から流出される気流の急拡大
を防止し且つライナ同士の間へ流入する気流の急縮小を
抑制し、急拡大や急縮小に伴う圧力損失を減少させるこ
とができる。また、ライナの上記端縁部分には、隣接す
る単位部材のリブが接着されることになるが、この接着
に際しライナとリブとを全面にわたって一様に加圧する
ことができ、その結果、一の単位部材のライナとこれに
接着される他の単位部材のリブとの間に隙間を生じさせ
ることがなく緊密に接着することができる。したがっ
て、この隙間からの気流漏れに起因した熱交換効率の低
下を防止することができ、より高い熱交換効率を得るこ
とができる。
【0034】請求項3に発明によれば、凸条が気流方向
に沿うので、凹条は気流方向と交差することになる。こ
のため、凹条が乱流の生成を促し、その結果、熱交換効
率を向上させることができる。しかも、上記の凸条がラ
イナの端縁まで延びていないことから凹条もライナの端
縁まで延びておらず、ライナは、その端縁と凹条の端部
との間の部分に、隣接する単位部材のリブと密着するた
めの面を確保できる結果、気流漏れを防止することがで
きる。したがって、気流漏れに起因した熱交換効率の低
下を防止でき、より高い熱交換効率を得ることができ
る。
【0035】請求項4に発明によれば、スペーサに沿っ
て流される気流の圧力損失を低減することができる。し
たがって、この熱交換エレメントを熱交換換気機に適用
した場合に、圧力損失を補うためにファンの風量を増大
させる必要もなく、これに伴う振動や騒音の増大を回避
することができる。請求項5に係る発明によれば、ライ
ナの凹条が形成された側の面では、気流が凹条と交差し
て流れるため、乱流を生成することができる。しかも、
ライナの凸条が形成された面では、凸条に沿って流れる
気流に対してしわが交差することになるので、しわによ
り乱流を生成することができる。したがって、ライナの
両側とも気流を乱流にすることができ、気流のライナへ
の接触量を多く確保できる結果、非常に高い熱交換効率
を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る熱交換エレメントの要
部の概略分解斜視図である。
【図2】図1のII−II線に沿う概略断面図である。
【図3】図2の要部の拡大断面図である。
【図4】単位部材の要部の一部破断平面図である。
【図5】抄紙成形の工程を示す概略図である。
【図6】本発明の他の実施例を示し、ライナの両面にリ
ブを設けた単位部材の斜視図である。
【図7】本発明のさらに他の実施例を示し、折り曲げ状
のリブを設けた単位部材を含む熱交換エレメントの分解
斜視図である。
【図8】従来の熱交換エレメントの要部の概略斜視図で
ある。
【符号の説明】
U 単位部材 1 ライナ 1a 上面 11 しわ 2,21,22,210,220 リブ 3 スペーサ 4 凹条

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】単位部材(U)を交互に90°ずつ向きを
    ずらしながら多段に積み重ねることによって形成され、
    熱交換すべき気体を互いに交差する方向に流す熱交換エ
    レメントにおいて、 上記単位部材(U)は、 紙材を含む板状のライナ(1)と、 上記ライナ(1)の少なくとも一方の面の対向する縁部
    に設けられ、単位部材(U)の積層状態で隣接するライ
    ナ(1)同士の対向縁部間を密封する一対のリブ(2)
    と、 上記ライナ(1)の一方の面に設けられ、単位部材の積
    層状態で隣接するライナ(1)同士の間隔を規制するス
    ペーサ(3)とを含み、 上記ライナ(1)は抄紙により成形されたものからな
    り、 上記リブ(2)及びスペーサ(3)の少なくとも一方は
    上記ライナ(1)の抄紙時に一体に成形されたものから
    なることを特徴とする熱交換エレメント。
  2. 【請求項2】請求項1記載の熱交換エレメントにおい
    て、 上記スペーサ(3)は、上記リブ(2)と平行に所定間
    隔毎に配列され且つ流体の流れ方向に沿う凸条からな
    り、この凸条の端部は、ライナ(1)の端縁から所定距
    離離されていることを特徴とする熱交換エレメント。
  3. 【請求項3】請求項2記載の熱交換エレメントにおい
    て、 上記ライナ(1)の他方の面には、上記凸条の断面形状
    に沿って窪む断面形状を有する凹条(4)に形成されて
    いることを特徴とする熱交換エレメント。
  4. 【請求項4】請求項1ないし3の何れかに記載の熱交換
    エレメントにおいて、 上記凸条の少なくとも一方の端部は、先細り状に形成さ
    れていることを特徴とする熱交換エレメント。
  5. 【請求項5】請求項1,2又は4記載の熱交換エレメン
    トにおいて、 上記ライナ(1)の他方の面には、上記凸条の断面形状
    に沿って窪む断面形状を有する凹条(4)に形成されて
    おり、上記ライナ(1)の上記一方の面には、上記凸条
    の延びる方向と直交する方向に延びる多数のしわ(1
    1)が形成されていることを特徴とする熱交換エレメン
    ト。
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