JP2008119628A - 有害ガスの浄化剤及び浄化方法 - Google Patents

有害ガスの浄化剤及び浄化方法 Download PDF

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健二 大塚
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直樹 村永
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Abstract

【課題】 有害成分として塩化ケイ素類を含むガスの乾式浄化法において、浄化する際の浄化剤の温度が高温度になる虞がある条件の浄化処理であっても、安全に処理対象ガスから塩化ケイ素類を除去できる有害ガスの浄化剤及び浄化方法を提供する。
【解決手段】 塩基性炭酸銅と酸化亜鉛を合計で70wt%以上含有しかつ酸化亜鉛を5〜50wt%含有してなる浄化剤、塩基性炭酸銅と塩基性炭酸亜鉛を合計で70wt%以上含有しかつ塩基性炭酸亜鉛を5〜40wt%含有してなる浄化剤、または塩基性炭酸銅と水酸化亜鉛を合計で70wt%以上含有しかつ水酸化亜鉛を5〜50wt%含有してなる浄化剤を用いて浄化する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、有害ガスの浄化剤及び浄化方法に関し、さらに詳しくは、有害成分として、モノクロロシラン、ジクロロシラン、トリクロロシラン、四塩化ケイ素等の塩化ケイ素類を含む有害ガスを、浄化剤が充填された浄化筒に導入して、安全に前記の有害成分を除去することができる浄化剤及び浄化方法に関する。
従来から、半導体製造工業においては、絶縁膜等を形成するための原料としてジクロロシランが使用されている。例えば、ジクロロシランとアンモニアを用いて、CVD法によりシリコンウェハー等の半導体基板にシリコン窒化膜(Si)を形成する方法が行なわれている。また、ジクロロシランを使用し、ヘキサフルオロタングステン(WF)を還元することによりケイ化タングステン(WSi)を気相成長させる方法が実施されている。
また、液晶パネル基板等に有用なシリカガラスの原料としては、四塩化ケイ素が用いられている。
これらの塩化ケイ素類は、半導体製造工程において、通常は窒素、水素、ヘリウム等のキャリヤガスで希釈された状態で使用された後排出されるが、その排ガス中の濃度は一般的に1%以下である。しかし、塩化ケイ素類は毒性が強く、人体や環境に悪影響を及ぼすため、使用後、大気に放出するに先立って、これらを含有する有害ガスを浄化する必要がある。
塩化ケイ素類を含有する有害ガスを浄化する方法としては湿式浄化法と乾式浄化法があるが、湿式浄化法は塩化ケイ素類の除去率が低いという問題点のほか、装置が複雑で大型となり、設備、保守ともに費用を要するという問題点があった。
このため、塩化ケイ素類を含有する有害ガスを浄化する方法としては、塩化ケイ素類と反応してこれを捕捉できる浄化剤を浄化筒に充填し、有害ガスをこの浄化筒に導入して浄化剤と接触させることにより、ガスから有害成分を除去する乾式浄化法が多く実施されてきた。乾式浄化法に使用される浄化剤としては、酸化銅を主成分として含む浄化剤、水酸化銅を主成分として含む浄化剤、塩基性炭酸銅を主成分として含む浄化剤等が開発されている。
特開平6−319945号公報 特開平7−136451号公報 特開平7−171336号公報 特開平8−155259号公報 特開2001−38148号公報 特開2002−326017号公報
しかしながら、半導体製造工程から排出される排ガスに含まれる塩化ケイ素類を除去する場合には、排ガス中に水素ガスが多量に含まれていることが多く、酸化銅については約110℃以上の温度、水酸化銅及び塩基性炭酸銅については約150℃以上の温度で水素還元されるため、高濃度の前記有害成分を除去する際には浄化反応熱によって浄化剤が前記温度に達して水素との反応により大きな熱を発生する虞があった。また、水酸化銅は浄化反応により水が発生しやすいという不都合があった。
さらに、本発明者らの研究により、銅を含む前記のいずれの浄化剤においても、塩化ケイ素類を捕捉していく過程で、高温で極めて高い反応性を有する化合物が生成することが解明された。そのため、例えば水素還元の影響により浄化反応済の浄化剤が300℃以上の高温になった場合は、浄化筒内でさらに急激な発熱反応が起こる虞があった。
従って、本発明が解決しようとする課題は、浄化する際の浄化剤の温度が高温度になる虞がある条件の浄化処理であっても、安全に処理対象ガスから塩化ケイ素類を除去できる有害ガスの浄化剤及び浄化方法を提供することである。
本発明者らは、これらの課題を解決すべく、塩化ケイ素類を捕捉した反応済浄化剤について鋭意検討した結果、このような反応済浄化剤は、不活性ガス雰囲気下であっても一部分が特定の温度に達すると、周囲に大きなエネルギーを放出しながら内部反応を起こし、これが反応済浄化剤全体に伝播してさらに大きな温度上昇を引き起こすことを見出した。また、銅を含む浄化剤に不活性物質を添加することにより、前記のような反応伝播性を防止できることを見出したが、新たに塩化ケイ素類を除去する能力(浄化剤単位量当たりに対する塩化ケイ素類の除去量)が大幅に低下するという問題が発生した。
このような状況下、さらに銅を含む浄化剤に種々の化合物を添加して実験を繰返した結果、浄化剤として塩基性炭酸銅を主成分とし、これに特定量の酸化亜鉛、塩基性炭酸亜鉛、あるいは水酸化亜鉛を添加することにより、塩化ケイ素類の除去能力が低下することなく、反応伝播性を防止できることを見出し、本発明の浄化剤及び浄化方法に到達した。尚、これらの亜鉛化合物以外の金属化合物であっても、反応伝播性を防止し得るものが存在したが、いずれも効果が期待できる添加量の範囲が狭いという不都合、あるいは製造過程においてPH条件が極めて微妙であるという不都合等があり、安定して反応伝播性を防止できる浄化剤は製造できなかった。また、銅を含む浄化剤であっても、例えば、酸化銅を主成分とし、これに特定量の亜鉛化合物を添加した浄化剤は、反応伝播性を防止することができなかった。また、水酸化銅を主成分とし、これに特定量の亜鉛化合物を添加した浄化剤は、充分な除去能力が得られなかった。
すなわち本発明は、塩基性炭酸銅と酸化亜鉛を合計で70wt%以上含有し、かつ酸化亜鉛を5〜50wt%含有してなることを特徴とする塩化ケイ素類を含む有害ガスの浄化剤である。
また、本発明は、塩基性炭酸銅と塩基性炭酸亜鉛を合計で70wt%以上含有し、かつ塩基性炭酸亜鉛を5〜40wt%含有してなることを特徴とする塩化ケイ素類を含む有害ガスの浄化剤である。
また、本発明は、塩基性炭酸銅と水酸化亜鉛を合計で70wt%以上含有し、かつ水酸化亜鉛を5〜50wt%含有してなることを特徴とする塩化ケイ素類を含む有害ガスの浄化剤である。
また、本発明は、有害成分として塩化ケイ素類を含むガスを、塩基性炭酸銅と酸化亜鉛を合計で70wt%以上含有しかつ酸化亜鉛を5〜50wt%含有してなる浄化剤、塩基性炭酸銅と塩基性炭酸亜鉛を合計で70wt%以上含有しかつ塩基性炭酸亜鉛を5〜40wt%含有してなる浄化剤、または塩基性炭酸銅と水酸化亜鉛を合計で70wt%以上含有しかつ水酸化亜鉛を5〜50wt%含有してなる浄化剤と接触させて、該ガスに含まれる塩化ケイ素類を除去することを特徴とする有害ガスの浄化方法である。
本発明の浄化剤及び浄化方法においては、塩化ケイ素類を除去する際に浄化剤が水素還元開始温度を超えて大きな発熱を発生し、万一浄化筒内が300℃以上の高温になっても、塩化ケイ素類を捕捉した浄化反応済の浄化剤が急激な発熱反応を起こす虞がないので、有害成分として塩化ケイ素類を含むガスを安全に浄化することが可能である。また、塩化ケイ素類の除去処理後の後処理においても、反応済浄化剤の取扱い方法を誤る等により、万一浄化筒内の一部が300℃以上の高温になっても危険性がない。
本発明の浄化剤及び浄化方法は、窒素、アルゴン、ヘリウム、及び水素等のガス中に、有害成分としてモノクロロシラン、ジクロロシラン、トリクロロシラン、四塩化ケイ素等の塩化ケイ素類の1種以上を含有する有害ガスの浄化に適用される。
本発明の第1の形態の浄化剤は、有効成分として塩基性炭酸銅と酸化亜鉛が用いられ、該有効成分は合計で通常は浄化剤全体の70wt%以上、好ましくは浄化剤全体の90wt%以上であり、酸化亜鉛は通常は浄化剤全体の5〜50wt%(5wt%及び50wt%を含む、以下同じ)、好ましくは浄化剤全体の6〜40wt%、さらに好ましくは浄化剤中の銅と亜鉛の原子数比(Cu:Zn)が1:0.08〜0.48となるように調製された浄化剤である。
本発明の第2の形態の浄化剤は、有効成分として塩基性炭酸銅と塩基性炭酸亜鉛が用いられ、該有効成分は合計で通常は浄化剤全体の70wt%以上、好ましくは浄化剤全体の90wt%以上であり、塩基性炭酸亜鉛は通常は浄化剤全体の5〜40wt%、好ましくは浄化剤全体の6〜35wt%、さらに好ましくは浄化剤中の銅と亜鉛の原子数比(Cu:Zn)が1:0.07〜0.40となるように調製された浄化剤である。
本発明の第3の形態の浄化剤は、有効成分として塩基性炭酸銅と水酸化亜鉛が用いられ、該有効成分は合計で通常は浄化剤全体の70wt%以上、好ましくは浄化剤全体の90wt%以上であり、水酸化亜鉛は通常は浄化剤全体の5〜50wt%、好ましくは浄化剤全体の6〜40wt%、さらに好ましくは浄化剤中の銅と亜鉛の原子数比(Cu:Zn)が1:0.07〜0.45となるように調製された浄化剤である。
前記の亜鉛化合物の含有量において、亜鉛化合物の量が少ない場合は、前述の反応伝播性を防止できなくなり、亜鉛化合物の量が多い場合は、塩化ケイ素類の除去能力が低下する。
尚、例えば塩基性炭酸銅が92wt%、酸化亜鉛が4wt%、塩基性炭酸亜鉛が4wt%の浄化剤は、本発明の請求項の範囲外のように見えるが、本発明の第1の形態の浄化剤(塩基性炭酸銅:92wt%、酸化亜鉛:8wt%)と、本発明の第2の形態の浄化剤(塩基性炭酸銅:92wt%、塩基性炭酸亜鉛:8wt%)を混合して得られるものなので、本発明の実施の範囲内である。
本発明の浄化剤は、種々の方法により調製することができ、製造方法について特に制限されることはない。例えば、硫酸銅と硫酸亜鉛の混合水溶液を、炭酸ナトリウムの水溶液に添加し、PHを調整して沈殿物を生成させ、この沈殿物を洗浄、乾燥することにより塩基性炭酸銅((CuCO)m・(Cu(OH))n)と塩基性炭酸亜鉛((ZnCO)m・(Zn(OH))n)を含む浄化剤を得ることができる。また、例えば、硫酸銅の混合水溶液を炭酸ナトリウムの水溶液に添加し、PHを調整して沈殿物を生成させ、さらに酸化亜鉛、塩基性炭酸亜鉛、あるいは水酸化亜鉛を添加し、得られる固体化合物を洗浄、乾燥することにより浄化剤を得ることができる。
本発明の浄化剤の形態についても特に制限されることはないが、BET比表面積が10m/g以上の浄化剤が好ましく、さらに30〜200m/gの浄化剤がより好ましい。BET比表面積が10m/g未満の浄化剤を使用した場合は高い浄化能力が得られない虞がある。また、BET比表面積が200m/g以上の浄化剤を使用しても高い浄化能力が得られるが、実質的に製造が困難であるという制約がある。
本発明の浄化剤は、成型性や成型強度を高めるために、前記有効成分にバインダーを加えてもよい。このようなバインダーとしては、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等の有機系バインダー、珪藻土、珪酸ナトリウム、硫酸水素ナトリウム等の無機系バインダーを挙げることができる。これらのバインダーを加える場合は、例えば浄化剤を調製する際に粉末状または固体状の前記有効成分に添加、混練される。バインダーの添加量は、成型条件などによって異なり一概には特定できないが、少なすぎる場合はバインダーとしての効果が得られず、多すぎる場合は浄化能力が低下することから、通常は浄化剤全重量に対して0.1〜10wt%であり、好ましくは0.5〜5wt%である。
また、浄化剤は塩化ケイ素を含有する有害ガスの浄化に悪影響を及ぼさない金属化合物、不純物、不活性物質等を少量含んでいてもよい。さらに、浄化剤は乾燥状態でも優れた浄化能力を発揮するが、15wt%以下の水分を含んでいてもよい。これらのバインダー、金属化合物、不純物、不活性物質、水分等を含んだ場合においても、浄化剤中の前記有効成分の含有量は、通常は70wt%以上、好ましくは90wt%以上である。
浄化剤の大きさ及び形状は特に限定されないが、例えば球状、円柱状、円筒状及び粒状等が挙げられる。その大きさは球状であれば直径0.5〜10mm、ペレットやタブレットなどの円柱状であれば直径0.5〜10mm、高さ2〜20mm程度が好ましく、粒状等不定形のものであれば、ふるいの目の開きで0.84〜5.66mm程度のものが好ましい。浄化剤を浄化筒に充填したときの充填密度は、浄化剤の形状及び調製方法により異なるが通常は0.4〜2.0g/ml程度である。
本発明の浄化方法は、有害成分として塩化ケイ素類を含むガスを、前述の浄化剤と接触させて、該ガスに含まれる塩化ケイ素類を除去する浄化方法である。浄化剤は、通常は有害ガスの浄化筒に充填され、固定床として用いられるが、移動床、流動床として用いることも可能である。充填される浄化剤の充填長は、実用上通常は10〜2000mmとされる。充填長が10mmよりも短い場合、塩化ケイ素類の除去率が低下する虞があり、また、2000mmよりも長い場合、圧力損失が大きくなり過ぎる虞が生じる。
本発明の浄化方法において、浄化剤と処理対象ガスとの接触温度は150℃以下に設定される。不活性ガス中の塩化ケイ素類を浄化する場合には、熱処理工程などからの排ガスのように高い温度(150℃以下)のガスをそのまま浄化剤と接触させることもできるが、浄化するために特に加熱や冷却を必要としないことから、一般的には100℃以下であり、通常は室温付近の温度(10〜50℃)で操作される。また、浄化時の圧力にも特に制限はなく、通常は常圧で行なわれるが、10KPa(絶対圧力)のような減圧下あるいは1MPa(絶対圧力)のような加圧下で操作することも可能である。
本発明が適用される処理対象ガスは、有害成分として塩化ケイ素を含む窒素、アルゴン、ヘリウム、及び水素等のガスであるが、処理対象ガスは乾燥状態であっても、また湿度の高い状態であっても結露を生じない程度であればよい。
本発明の浄化方法が適用される処理対象ガス中に含有する塩化ケイ素類の濃度及び流速には特に制限はないが、一般に濃度が高いほど流速を小さくすることが望ましい。塩化ケイ素類の濃度は通常は1%以下であるが、流量が小さい場合にはさらに高濃度の塩化ケイ素類の処理も可能である。
浄化筒は処理対象ガスの流量、塩化ケイ素の濃度等に応じて設計されるが、塩化ケイ素類の濃度が0.1%以下のような比較的低濃度では空筒線速度(LV)は0.5〜50cm/sec、塩化ケイ素類の濃度が0.1〜1%程度ではLVは0.05〜20cm/sec、塩化ケイ素類の濃度が1%以上のような高濃度では10cm/sec以下の範囲で設計することが好ましい。
次に、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明がこれらにより限定されるものではない。
(浄化剤の調製)
市販の硫酸銅5水和物2030gを水に溶解した硫酸銅水溶液(13wt%)と市販の炭酸ナトリウム900gを水に溶解した炭酸ナトリウム水溶液(10wt%)を混合し、PHを調整して沈殿物を生成させた後、酸化亜鉛100gを添加した。得られた固体化合物を洗浄、乾燥し、バインダーとしてメチルセルロースを5g添加して押出し成型することにより、塩基性炭酸銅と酸化亜鉛を合計で95wt%以上含有し、酸化亜鉛を10wt%(銅と亜鉛の原子数比1:0.15)含有する円柱状(直径2mm、長さ3mm)の浄化剤を調製した。
(浄化試験)
前記の浄化剤を内径40mmの浄化筒に充填長が50mmとなるように充填し、有害成分として10000ppmのジクロロシランを含有する水素を、20℃、常圧下で1L/minの流量で流通させた。この間、浄化筒の出口ガスの一部を一定時間毎にサンプリングし、コンゴーレッドを変色成分とするジクロロシランの検知剤を用いて、検知剤が変色する時点の時間を測定して、浄化剤1L(リットル)当たりに対するジクロロシランの除去量(L)(除去能力)を求めた。その結果を表1に示す。
(反応伝播性試験)
前記の反応済浄化剤のうち45gを取出し、3個に分けて試験用の容器に収納した後、窒素雰囲気下で、各々300℃、400℃、500℃に加熱された金属棒に接触させて、反応済浄化剤が反応性を示すか否か、また反応性を示した場合、反応済浄化剤の金属棒が接触した部分から、反応済浄化剤の全体へ反応が伝播するか否か調査した。その結果を表1に示す。尚、反応済浄化剤が反応しない場合は「反応性なし」、反応するが反応が周囲に伝播しない場合は「反応性あり」、反応しさらに反応が周囲に伝播する場合は「伝播性あり」と表した。
[実施例2〜5]
実施例1の浄化剤の調製において、酸化亜鉛の添加量を変えたほかは実施例1と同様にして、酸化亜鉛の含有量が、各々7wt%、20wt%、30wt%、40wt%である円柱状の浄化剤を調製した。
これらの浄化剤を用いたほかは実施例1と同様にして浄化試験及び反応伝播性試験を行なった。その結果を表1に示す。
[実施例6〜8]
実施例1の浄化試験において、有害成分としてジクロロシランの替わりに各々モノクロロシラン、トリクロロシラン、四塩化ケイ素を用いたほかは実施例1と同様にして浄化試験を行なった。その結果を表1に示す。また、これらの浄化試験から得られた反応済浄化剤を用いたほかは実施例1と同様にして反応伝播性試験を行なった。その結果を表1に示す。
[実施例9]
市販の硫酸銅5水和物2030gを水に溶解した硫酸銅水溶液(13wt%)、市販の硫酸亜鉛7水和物250gを水に溶解した硫酸亜鉛水溶液(13wt%)、及び市販の炭酸ナトリウム1000gを水に溶解した炭酸ナトリウム水溶液(10wt%)を混合し、PHを調整して沈殿物を生成させた。この沈殿物を、洗浄、乾燥し、バインダーとしてメチルセルロースを5g添加して押出し成型することにより、塩基性炭酸銅と塩基性炭酸亜鉛を合計で95wt%以上含有し、塩基性炭酸亜鉛を10wt%含有する円柱状の浄化剤を調製した。
この浄化剤を用いたほかは実施例1と同様にして浄化試験及び反応伝播性試験を行なった。その結果を表1に示す。
[実施例10〜12]
実施例9の浄化剤の調製において、硫酸亜鉛7水和物の量を変えたほかは実施例9と同様にして、塩基性炭酸亜鉛の含有量が、各々7wt%、20wt%、30wt%である円柱状の浄化剤を調製した。
これらの浄化剤を用いたほかは実施例1と同様にして浄化試験及び反応伝播性試験を行なった。その結果を表1に示す。
[実施例13]
実施例1の浄化剤の調製において、酸化亜鉛の替わりに水酸化亜鉛を用いたほかは実施例1と同様にして、塩基性炭酸銅と水酸化亜鉛を合計で95wt%以上含有し、水酸化亜鉛を10wt%含有する円柱状の浄化剤を調製した。
この浄化剤を用いたほかは実施例1と同様にして浄化試験及び反応伝播性試験を行なった。その結果を表1に示す。
[実施例14〜17]
実施例13の浄化剤の調製において、水酸化亜鉛の添加量を変えたほかは実施例13と同様にして、水酸化亜鉛の含有量が、各々7wt%、20wt%、30wt%、40wt%である円柱状の浄化剤を調製した。
これらの浄化剤を用いたほかは実施例1と同様にして浄化試験及び反応伝播性試験を行なった。その結果を表1に示す。
[比較例1、2]
実施例1の浄化剤の調製において、酸化亜鉛の添加量を変えたほかは実施例1と同様にして、酸化亜鉛の含有量が、各々3wt%、60wt%である円柱状の浄化剤を調製した。
これらの浄化剤を用いたほかは実施例1と同様にして浄化試験及び反応伝播性試験を行なった。その結果を表1に示す。
[比較例3、4]
実施例9の浄化剤の調製において、硫酸亜鉛7水和物の量を変えたほかは実施例9と同様にして、塩基性炭酸亜鉛の含有量が、各々3wt%、50wt%である円柱状の浄化剤を調製した。
これらの浄化剤を用いたほかは実施例1と同様にして浄化試験及び反応伝播性試験を行なった。その結果を表1に示す。
[比較例5、6]
実施例13の浄化剤の調製において、水酸化亜鉛の添加量を変えたほかは実施例13と同様にして、水酸化亜鉛の含有量が、各々3wt%、60wt%である円柱状の浄化剤を調製した。
これらの浄化剤を用いたほかは実施例1と同様にして浄化試験及び反応伝播性試験を行なった。その結果を表1に示す。
[比較例7]
市販の硫酸銅5水和物2030gを水に溶解した硫酸銅水溶液(13wt%)と市販の炭酸ナトリウム900gを水に溶解した炭酸ナトリウム水溶液(10wt%)を混合し、PHを調整して沈殿物を生成させた後、酸化亜鉛71gを添加した。得られた固体化合物を、洗浄、乾燥した後、200〜300℃で5時間焼成して粉砕した。さらにバインダーとしてメチルセルロースを4g添加して押出し成型することにより、酸化銅と酸化亜鉛を合計で95wt%以上含有し、酸化亜鉛を10wt%含有する円柱状の浄化剤を調製した。
この浄化剤を用いたほかは実施例1と同様にして浄化試験及び反応伝播性試験を行なった。その結果を表1に示す。
[比較例8〜11]
比較例7の浄化剤の調製において、酸化亜鉛の添加量を変えたほかは比較例7と同様にして、酸化亜鉛の含有量が、各々7wt%、20wt%、30wt%、40wt%である円柱状の浄化剤を調製した。
これらの浄化剤を用いたほかは実施例1と同様にして浄化試験及び反応伝播性試験を行なった。その結果を表1に示す。
[比較例12]
比較例7の浄化剤の調製において、酸化亜鉛の替わりに塩基性炭酸亜鉛を用いたほかは比較例7と同様にして、酸化銅と塩基性炭酸亜鉛を合計で95wt%以上含有し、塩基性炭酸亜鉛を10wt%含有する円柱状の浄化剤を調製した。
この浄化剤を用いたほかは実施例1と同様にして浄化試験及び反応伝播性試験を行なった。その結果を表1に示す。
[比較例13]
比較例7の浄化剤の調製において、酸化亜鉛の替わりに水酸化亜鉛を用いたほかは比較例7と同様にして、酸化銅と水酸化亜鉛を合計で95wt%以上含有し、水酸化亜鉛を10wt%含有する円柱状の浄化剤を調製した。
この浄化剤を用いたほかは実施例1と同様にして浄化試験及び反応伝播性試験を行なった。その結果を表1に示す。
[比較例14]
市販の硫酸銅5水和物2.5kgを水に溶解した硫酸銅水溶液(15wt%)と水酸化ナトリウム水溶液(20wt%)2kgを混合し、PHを調整して沈殿物を生成させた後、酸化亜鉛105gを添加した。得られた固体化合物を洗浄、乾燥し、バインダーとしてメチルセルロースを5g添加して押出し成型することにより、水酸化銅と酸化亜鉛を合計で95wt%以上含有し、酸化亜鉛を10wt%含有する円柱状の浄化剤を調製した。
この浄化剤を用いたほかは実施例1と同様にして浄化試験及び反応伝播性試験を行なった。その結果を表1に示す。
Figure 2008119628
以上のように、本発明の実施例の浄化剤及び浄化方法は、塩化ケイ素類の除去能力を充分に有し、塩化ケイ素類を捕捉した浄化反応済の浄化剤が300℃以上の高温度になっても、急激な発熱反応や周囲に伝播する反応を起こす虞がなく安全であることが確認された。

Claims (5)

  1. 塩基性炭酸銅と酸化亜鉛を合計で70wt%以上含有し、かつ酸化亜鉛を5〜50wt%含有してなることを特徴とする塩化ケイ素類を含む有害ガスの浄化剤。
  2. 塩基性炭酸銅と塩基性炭酸亜鉛を合計で70wt%以上含有し、かつ塩基性炭酸亜鉛を5〜40wt%含有してなることを特徴とする塩化ケイ素類を含む有害ガスの浄化剤。
  3. 塩基性炭酸銅と水酸化亜鉛を合計で70wt%以上含有し、かつ水酸化亜鉛を5〜50wt%含有してなることを特徴とする塩化ケイ素類を含む有害ガスの浄化剤。
  4. 有害成分として塩化ケイ素類を含むガスを、塩基性炭酸銅と酸化亜鉛を合計で70wt%以上含有しかつ酸化亜鉛を5〜50wt%含有してなる浄化剤、塩基性炭酸銅と塩基性炭酸亜鉛を合計で70wt%以上含有しかつ塩基性炭酸亜鉛を5〜40wt%含有してなる浄化剤、または塩基性炭酸銅と水酸化亜鉛を合計で70wt%以上含有しかつ水酸化亜鉛を5〜50wt%含有してなる浄化剤と接触させて、該ガスに含まれる塩化ケイ素類を除去することを特徴とする有害ガスの浄化方法。
  5. 塩化ケイ素類が、モノクロロシラン、ジクロロシラン、トリクロロシラン、及び四塩化ケイ素から選ばれる少なくとも1種以上の化合物である請求項4に記載の有害ガスの浄化方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN102049236A (zh) * 2009-11-06 2011-05-11 北京三聚环保新材料股份有限公司 一种铜锌常温脱硫剂及其制备方法
CN102658189A (zh) * 2012-04-24 2012-09-12 北京化工大学 铜、钴、镍复合碱式碳酸锌及衍生复合氧化物及制备方法

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