JP2008114726A - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ギヤボックス部を車体に組み付ける際の作業性および搭載性を良好にすると共に、操作子の操作フィーリングが良好な電動パワーステアリング装置を提供すること。
【解決手段】電動パワーステアリング装置EPSは、ハンドル3からの入力に応じたモータ駆動力によって車両の転舵を行う。ハンドル3とコラム部4と中間伝達部72とギヤボックス部5とは、この順に連結されている。コラム部4およびギヤボックス部5には、モータ駆動力を発生するための第1および第2電動モータ11,21と、この第1および第2電動モータ11,21の回転を減速して倍力または推力に交換するための第1および第2減速機構13,23と、ステアリングシャフト7に加わるトルクを検出するための第1および第2トルクセンサ12,22と、がそれぞれ設けられている。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両に搭載される電動パワーステアリング装置に関する。
一般に、自動車に装備される電動パワーステアリング装置は、運転者のハンドル操作によってステアリングシャフトに加えられるトルクをトルクセンサによって検出している(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に開示されているように、電動パワーステアリング装置には、いわゆる磁歪式のトルクセンサが使用されているものもある。電動パワーステアリング装置は、このトルクセンサからの検出信号に応じて、運転者のハンドル操作に対して動力補助する(補助操舵力を付与する)ためのモータを駆動制御し、運転者の操舵力を軽減して快適な操舵フィーリングを与えるようになっている。
従来、車体の重量が重く、かつ、積載量の大きいトラックやミニバン等の大型の自動車に搭載されている電動パワーステアリング装置は、軽自動車や小型自動車に搭載される電動パワーステアリング装置と比較して、タイヤにかかる荷重が大きいので、ステアリングギヤボックス(以下、単に「ギヤボックス」という)に負荷される軸重が大きくなっている。
このような電動パワーステアリング装置では、モータの出力を大きくして、減速機構をそれに耐え得るだけの強度を持たせてアシストを満足させなくてはならない。
したがって、大型車両用の電動パワーステアリング装置は、モータや減速機構が大型で重量があってパワーのあるものを使用したり、または、特許文献2や特許文献3に開示されているように2つの電動モータを設置したりして、アシスト量を確保している。
特許文献2の電動パワーステアリング装置は、第1電動モータを備えた第1補助トルク機構と、第2電動モータを備えた第2補助トルク機構と、を車輪に連結したラック軸に設置して、ハウジングに収納している。
特許文献3の電動パワーステアリング装置は、コラム部に操舵補助用の大モータを配設し、ラック部に操舵補助用の小モータを配設して、例えば、高速走行中の低トルク時には小モータを使用し、低速走行中の大トルク時には、大モータを使用するものである。小モータおよび大モータは、ステアリングシャフトに取り付けられた1つのトルクセンサからの信号に基づいて制御する制御手段(ECU)によって駆動するようになっている。
特開2004−239652号公報(段落0024〜0034、図1) 特開2004−243995号公報(特許請求の範囲、図1、図2) 特開2005−247214号公報(段落0034、0025〜0028、0035、図1、図5、図12〜図17)
しかしながら、大型のモータおよび減速機構からなる前記電動パワーステアリング装置や、前記特許文献1のような2つのモータをラック軸に備えた電動パワーステアリング装置では、大重量化および大型化してギヤボックスを車両に組み付ける際に、作業員一人では重過ぎて組み付けることができないという問題点がある。
このようなギヤボックスは、自動車の組み立てラインでの車体への組み付け作業や、修理工場でのギヤボックスの調整作業や補修時の取り付け取り外し作業や、交換作業等を行う際に、重くて作業性が悪いという問題点がある。
また、特許文献3に記載の電動パワーステアリング装置は、ユニバーサルジョイントを介在してコラム部側とギヤボックス部側とにそれぞれ設けた電動モータが、ステアリングシャフトに取り付けた1つのトルクセンサに基づいて駆動するようになっている。ユニバーサルジョイントを介在したコラム部側とギヤボックス部側とは、厳密には等速に回転せず、コラム部側とギヤボックス部側との間に位相差があると共に、ステアリングシャフトやユニバーサルジョイントやピニオン軸にそれぞれ捩れによる伝達遅れも生じる。例えば、路面からの過大な外力が瞬時にアシスト機構に負荷された場合には、ギヤボックス部側の電動モータの方に大きな負荷がかかる。
このような場合には、特許文献3の電動パワーステアリング装置は、ステアリングシャフトのトルクセンサでトルクを検出して位相差をもつ2つの電動モータを駆動させているため、操作子の操作フィーリングが悪いという問題点があった。
そこで、本発明は、前記課題を解消すべく発明されたものであり、ギヤボックス部を車体に組み付ける際の作業性および搭載性を良好にすると共に、操作子(ハンドル)の操作フィーリングが良好な電動パワーステアリング装置を提供することを課題とする。
前記課題を解決するための手段として、請求項1に記載の電動パワーステアリング装置の発明は、操作子からの入力に応じたモータ駆動力によって車両の転舵を行う電動パワーステアリング装置であって、前記操作子と、コラム部と、中間伝達部と、ギヤボックス部とが、この順に連結され、前記コラム部および前記ギヤボックス部には、前記モータ駆動力を発生するためのモータと、このモータの回転を減速して倍力または推力に交換するための減速機構と、ステアリングシャフトに加わるトルクを検出するためのトルクセンサと、がそれぞれ設けられていることを特徴とする。
ここで、ステアリングシャフトとは、操作子とラック軸との間に設置される軸棒であって、いわゆるステアリングメインシャフトや、ステアリングインターミディエイトシャフトや、ピニオン軸や、アッパーシャフトや、ロアシャフトや、トーションバー等である。
請求項1に記載の電動パワーステアリング装置の発明によれば、コラム部とギヤボックス部は、モータと減速機構とトルクセンサと、がそれぞれ設けられている。このため、電動パワーステアリング装置は、コラム部とギヤボックス部とにそれぞれに負荷されるトルクを検出して、コラム部のトルクの大きさと、ギヤボックス部のトルクの大きさとに応じてそれぞれに適したアシストを行うことができる。即ちそれぞれ位相の異なる2つの電動モータをそれぞれのトルクセンサにて制御できる、その結果、操作子の操作フィーリングが良好になる。
また、モータと減速機構とトルクセンサとから主に構成されたアシスト機構を、コラム部とギヤボックス部とにそれぞれ設置したことにより、電動パワーステアリング装置全体のパワーを強力にしたとしても、各アシスト機構を小型化および軽量化できる。このため、ギヤボックス部の全体の荷重を小さくすることができる。その結果、ギヤボックスの重量を作業員一人で持ち運び可能な重さに軽量化できるので、ギヤボックスを車体に組み付ける作業性および搭載性が向上される。
請求項2に記載の電動パワーステアリング装置の発明は、請求項1に記載の電動パワーステアリング装置であって、前記コラム部に設けられた前記トルクセンサの出力値と、前記ギヤボックス部に設けられた前記トルクセンサの出力値に基づいて、電流を算出し、前記コラム部のモータと前記ギヤボックス部のモータの両方を駆動させる制御装置を備えたことを特徴とする。
請求項2に記載の電動パワーステアリング装置の発明によれば、制御装置は、コラム部のトルクセンサの出力値と、ギヤボックス部のトルクセンサの出力値に基づいて、電流を算出して、コラム部のモータとギヤボックス部のモータの両方を駆動させる。このため、電動パワーステアリング装置は、コラム部のモータとギヤボックス部のモータとによって、コラム部とギヤボックス部とにかかるトルクに基づいてそれぞれに適したアシストを行うことができるので、操作子の操作フィーリングが良好になる。
また、万が一どちらかのトルクセンサが故障しても、故障していないトルクセンサによってコラム部のモータとギヤボックス部のモータの両方を駆動してアシスト制御を継続できる。
さらに、万が一どちらか一方のアシスト機構が故障した場合であっても、どちらか他方を作動させて操作子の操作をアシストすることができる。このため、電動パワーステアリング装置は、コラム部のアシスト機構、または、ギヤボックス部のアシスト機構が故障しても、コラム部の電動モータ、または、コラム部の電動モータのどちらか一方が駆動するため、操作子の操作が重くなることを軽減することができる。
請求項3に記載の電動パワーステアリング装置の発明は、請求項1または請求項2に記載の電動パワーステアリング装置であって、前記コラム部および前記ギヤボックス部にそれぞれ設けられたトルクセンサは、少なくともどちらか一方が磁歪式トルクセンサからなることを特徴とする。
請求項3に記載の電動パワーステアリング装置の発明によれば、コラム部およびギヤボックス部の少なくともどちらか一方に磁歪式トルクセンサを設けたことによって、ステアリング全体での捩じり剛性を大きくでき事実上捩れをなくすことができる。その結果、トルクセンサを2つ用いても運転者による操作子の操作力によってステアリングシャフトが過度に捩れることを抑制して、操作フィーリングを向上させることができる。
本発明に係る電動パワーステアリング装置の発明によれば、ギヤボックス部を車体に組み付ける際の作業性および搭載性を良好にすると共に、操作子の操作フィーリングが良好な電動パワーステアリング装置を提供することができる。
次に、図1〜図3に基づき本発明の実施形態に係る電動パワーステアリング装置の一例を説明する。
なお、電動パワーステアリング装置は、設置する方向によって上下左右の方向が変化するものであり、図面の上側を上方向として説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る電動パワーステアリング装置を示す模式図である。図2は、本発明の実施形態に係る電動パワーステアリング装置のコラム部を示す模式図である。図3は、本発明の実施形態に係る電動パワーステアリング装置のギヤボックス部を示す模式図である。
≪電動パワーステアリング装置の構成≫
図1に示すように、電動パワーステアリング装置EPSは、運転者がハンドル(操作子)3を回転操作した際に、ハンドル3からの入力に応じた第1電動モータ11および第2電動モータ21のそれぞれのモータ駆動力によってハンドル3に連結されたステアリングシャフト7に補助トルクを付加して運転者の操舵力を軽減させる転舵のアシストを行うステアリング装置である。
この電動パワーステアリング装置EPSは、運転者が操作するハンドル3と、このハンドル3に連結されたステアリングシャフト7と、コラム部4に設置されて第1電動モータ11を有する第1アシスト機構1と、ギヤボックス部5に設置されて第2電動モータ21を有する第2アシスト機構2と、第1アシスト機構1と第2アシスト機構2とを接続するための継手(自在継手72)と、第1アシスト機構1の第1トルクセンサ12と第2アシスト機構2の第2トルクセンサ22とからトルクセンサ信号に基づいて第1電動モータ11と第2電動モータ21とを制御する制御装置6と、から主に構成されている。
このように電動パワーステアリング装置EPSには、いわゆるコラム型電動パワーステアリング装置を形成する第1アシスト機構1と、いわゆるラック型電動パワーステアリング装置を形成する第2アシスト機構2との2つの装置が備えられている。
第1アシスト機構1と第2アシスト機構2との2つの装置を備えた電動パワーステアリング装置EPSは、運転者がハンドル3を回転操作した際に、ステアリングメインシャフト71に作用する操舵トルクの大きさおよび方向を第1トルクセンサ12で検出し、その検出結果と車速センサSからの車速信号とに応じた補助トルクを第1電動モータ11で発生させる。そして、第1電動モータ11で発生した補助トルクを第1減速機構13で倍力してステアリングメインシャフト71に伝達して、自在継手72を介してピニオン軸73に伝える。さらに、そのピニオン軸73に作用する操舵トルクの大きさおよび方向を第2トルクセンサ22で検出し、その検出結果と車速センサSからの車速信号とに応じた補助トルクを第2電動モータ21で発生させる。そして、第2電動モータ21で発生した補助トルクを第2減速機構23で倍力してピニオン軸73に伝達することにより、第1アシスト機構1と第2アシスト機構2との位相差を解消して、ステアリングシャフト7の2箇所で補助トルクを付加し、運転者の操舵力を軽減するようになっている。
≪ハンドル(操作子)の構成≫
ハンドル3は、車両を操舵するための操作部材である。このハンドル3と、コラム部4と、自在継手(中間伝達部)72と、ギヤボックス部5と、タイロッドTと、ナックル(図示せず)と、車輪Wとが、この順に連結されている。
<コラム部の構成>
図2に示すコラム部4は、略筒状のステアリングコラム(図示せず)であって、ステアリングメインシャフト71と、第1アシスト機構1とを有している。すなわち、このコラム部4には、モータ駆動力を発生するための第1電動モータ(モータ)11と、この第1電動モータ11の回転を減速して倍力または推力に交換するための第1減速機構(減速機構)13と、ステアリングメインシャフト71に加わるトルクを検出するための第1トルクセンサ12と、が設けられている。
≪第1アシスト機構の構成≫
図2に示すように、第1アシスト機構1は、ハンドル3に連結されたステアリングメインシャフト71の周辺部位に設置された第1電動モータ11によってハンドル3の操舵のアシストを行う装置である。この第1アシスト機構1は、運転者がハンドル操作した際に、ステアリングメインシャフト71(ステアリングシャフト7)に作用する操舵トルクの大きさおよび方向を検出する第1トルクセンサ12と、運転者の操舵に対して補助操舵力を付与する第1電動モータ11と、この第1電動モータ11の回転トルクを増大させる第1減速機構13と、第1トルクセンサ12および車速センサS等からの検出信号に応じて第1電動モータ11を駆動制御する第1ECU(Electrical Control Unit)14と、から主に構成されている。その他に、この第1アシスト機構1には、ステアリングメインシャフト71を軸支する軸受15,16,17や、第1アシスト機構1の各部材を覆う第1ハウジング18とが備えられている。
<第1電動モータ(モータ)の構成>
図2に示す第1電動モータ11は、第1トルクセンサ12からの操舵信号に基づく制御装置6からの入力信号によって第1減速機構13を介してステアリングメインシャフト71を回転させるものである。第1電動モータ11は、第1減速機構13の第1ウォームギヤ13aを設けたロータ軸11aを備え、電気的に第1ECU14に接続されている。この第1電動モータ11および後記する第2電動モータ21は、例えば、ブラシレスモータからなる。
<第1トルクセンサの構成>
図2に示す第1トルクセンサ12は、ステアリングメインシャフト71に直接的に磁歪膜12a,12bが設けられ、互いに異なる異方性が付与されている。ハンドル3からの操舵トルクが作用したときに、ステアリングメインシャフト71に生じる捩れに応じた磁歪膜12a,12bの逆磁歪効果による磁気特性の変化を、検出コイル12c,12d等を用いて電気的に検出することによって2つの磁歪特性曲線が得られ、これらの2つの磁歪特性曲線の差を算出することにより、ステアリングメインシャフト71に加えられる操舵トルクの方向と大きさを検出する磁歪式トルクセンサである。この第1トルクセンサ12は、ステアリングメインシャフト71に設けられた磁歪膜(磁気特性変化部)12a,12bに対向して設けられた複数の検出コイル12c,12dと、この検出コイル12c,12dの外周に設けられたヨーク12e,12fと、から主に構成されている。
このように、第1トルクセンサ12は、例えば、1つのトルクセンサを構成する第1コイルユニット12Aと、この第1コイルユニット12Aと同じ構造の第2コイルユニット12Bと、を備えてなる。
<第1トルクセンサ磁歪膜の構成>
図2に示す第1トルクセンサ12の磁歪膜12a,12bは、ステアリングメインシャフト71に操舵トルクが印加されることによって発生する歪により磁気特性(透磁率)を変化させるものである。この磁歪膜12a,12bは、ステアリングメインシャフト71の外周面に、軸方向に所定間隔を介して上下に複数配置されて構成されている。この磁歪膜12a,12bは、例えば、Fe−Ni系や、Fe−Cr系の合金膜等からなる磁歪材をメッキや蒸着によってステアリングメインシャフト71に一体的に固定されている。この磁歪膜12a,12bは、互いに逆方向の異方性が付与されている。この異方性付与により操舵トルクの方向を感知する。
<第1トルクセンサの第1コイルユニットおよび第2コイルユニットの構成>
図2に示す第1コイルユニット12Aと第2コイルユニット12Bは、磁歪膜12a,12bと所定距離をおいて対向して第1ハウジング18の内面に配置され、磁歪膜12a,12bの磁気特性変化を検出することによって、ステアリングメインシャフト71に印加されたトルクを検出する検出部である。第1コイルユニット12Aと第2コイルユニット12Bは、例えば、スペーサ等によって第1コイルユニット12Aと第2コイルユニット12Bと各部材間を一定に保った状態で、樹脂によってモールド成形された第1ハウジング18に収納されて一体化されている。この第1コイルユニット12Aと第2コイルユニット12Bは、磁歪特性の変化に合わせて検出コイル12c,12dが交番通電されて発信されるトルク検出電圧を検出する検出回路を備えた第1ECU14に電気的に接続されている。
第1コイルユニット12Aは、磁歪膜12aに対向して配置されて、リング状に束ねて巻回された検出コイル12cと、この検出コイル12cの外側および上下側を覆うように設けられ保持する断面コ字状のヨーク12eと、からなる。
第2コイルユニット12Bは、磁歪膜12bに対向して設置される検出コイル12dと、この検出コイル12dを覆うヨーク12fと、からなる。
<第1トルクセンサの検出コイルの構成>
図2に示すように、検出コイル12c,12dは、磁歪膜12a,12bに通電して、操舵トルク入力時に、磁歪膜12a,12bの磁歪特性である透磁率の変化を検出する検出用の励磁コイルからなる。この検出コイル12c,12dは、第1ハウジング18の内周側に、ヨーク12e,12fを介在し、かつ、上下に離間して配設されている。検出コイル12c,12dは、例えば、ボビン(図示せず)に巻回されて各ヨーク12e,12f内に配設されている。
<第1トルクセンサのヨークの構成>
図2に示すように、ヨーク12e,12fは、検出コイル12c,12dの外枠を構成する部材であり、例えば、断面が略コ字状の軟磁性の鋼板製の環状部材からなる。
<第1減速機構の構成>
第1減速機構13は、第1電動モータ11の回転を減速回転させてステアリングメインシャフト71に伝達するための歯車伝達機構である。この第1減速機構13は、例えば、ロータ軸11aに設けられた第1ウォームギヤ13aと、この第1ウォームギヤ13aに噛合されステアリングメインシャフト71に設けられた第1ウォームホイールギヤ13bと、から構成されている。
<第1ECUの構成>
図2に示す第1ECU14は、第1トルクセンサ12および車速センサS等からの検出信号に応じて第1電動モータ11を駆動制御する電子制御ユニットである。この第1ECU14は、磁歪膜12a,12bに交流電圧を印加して磁歪膜12a,12bを励磁する励磁回路と、磁歪膜12a,12bの透磁率の変化を電気的に検出するトルク検出回路と、車速センサSからの車速信号を検出する車速検出回路と、この車速検出回路とトルク検出回路からの信号に基づいて第1電動モータ11を駆動制御する駆動回路と、を備えている。第1ECU14は、検出コイル12c,12dと、車速センサS(図1参照)とにそれぞれ電気的に接続されている。
≪ステアリングシャフトの構成≫
ステアリングシャフト7は、ハンドル3の回転をギヤボックス部5のラック軸8に伝達するための操舵伝達軸であり、ステアリングメインシャフト71と、自在継手72と、ピニオン軸73とを連設して構成されている。
<ステアリングメインシャフトの構成>
図2に示すように、ステアリングメインシャフト71は、上端にハンドル3が設置されてハンドル3と共に回動する操舵軸であり、コラム部4内に回転自在に配置されている。このステアリングメインシャフト71は、例えば、クロムモリブデン鋼材(例えば、SCM822)から形成されて、磁歪膜12a,12bをスパッタリングやイオンプレーティング等のPVD法、メッキ法、プラズマ溶射法等を用いて被着している。このステアリングメインシャフト71には、上端のハンドル3から順に、磁歪膜12a,12b、第1ウォームホイールギヤ13bが固定されて、その下端に自在継手72が設けられている。また、このステアリングメインシャフト71には、上側から順に、軸受15、第1コイルユニット12A、第2コイルユニット12B、軸受16、軸受17が挿設されている。
<自在継手(中間伝達部)の構成>
図2に示す自在継手72は、直線状のステアリングメインシャフト71に対して直線状のピニオン軸73を傾けた状態に連結することが可能な継手部材であり、第1アシスト機構1のステアリングメインシャフト71の回転を第2アシスト機構2のピニオン軸73に等速に伝達するための部材である。自在継手72は、ステアリングメインシャフト71の下端部に設けられた上部継手部72aと、ピニオン軸73の上端部に設けられた下部継手部72bと、上部継手部72aと下部継手部72bとの間に設けられた継手軸72cと、から主に構成されている。
なお、自在継手72は、ステアリングメインシャフト71の軸線とピニオン軸73の軸線とが一致している場合、単なる継手部材であってもよい。
上部継手部72aは、例えば、ステアリングメインシャフト71の下端に設けられたヨーク部材(図示せず)と、継手軸72cの上端に設けられたヨーク部材(図示せず)と、を十字状の軸支ピン(図示せず)によって傾倒自在に連結した継手要素である。
下部継手部72bは、継手軸72cの下端に設けられたヨーク部材(図示せず)と、ピニオン軸73の上端に設けられたヨーク部材(図示せず)と、を十字状の軸支ピン(図示せず)によって傾倒自在に連結した継手要素である。
継手軸72cは、いわゆるインターメディエイトシャフトと呼ばれている軸棒である。
<軸受の構成>
図2に示す軸受15,16,17は、ステアリングメインシャフト71を回転自在に軸支するためのものであって、例えば、ボールベアリングからなり、ステアリングメインシャフト71に装着されると共に第1ハウジング18に内設されている。
<第1ハウジングの構成>
第1ハウジング18は、第1トルクセンサ12および第1減速機構13等を収納するためのケースであり、この第1ハウジング18において、少なくとも上側半分の第1トルクセンサ12を収納するアッパケース部分は樹脂によって形成されている。この第1ハウジング18は、コラム部4のステアリングコラムカバー(図示せず)内に設置されている。
なお、第1ハウジング18の下側半分のロアケース部側は、例えば、樹脂によって形成されるが、金属で形成しても構わない。
≪ギヤボックス部の構成≫
図1に示すギヤボックス部5は、後記する第2減速機構23とピニオンギヤ74とラックギヤ81等のいわゆるステアリングギヤが配設される部位であって、第2ハウジング28によって覆われている。このギヤボックス部5には、前記コラム部4と同様に、モータ駆動力を発生するための第2電動モータ(モータ)21と、この第2電動モータ21の回転を減速するための第2減速機構(減速機構)23と、ピニオン軸(ステアリングシャフト7)73に加わるトルクを検出するための第2トルクセンサ(トルクセンサ)22と、が設けられている。
≪第2アシスト機構の構成≫
第2アシスト機構2は、運転者のハンドル3の操作によって回転したステアリングメインシャフト71に連動するピニオン軸73に作用する操舵トルクの大きさおよび方向を検出する第2トルクセンサ22と、運転者の操舵に対して補助操舵力を付与する第2電動モータ21と、この第2電動モータ21の回転トルクを増大させる第2減速機構23と、第2トルクセンサ22および車速センサS等からの検出信号に応じて第2電動モータ21を駆動制御する第2ECU(Electrical Control Unit)24と、から主に構成されている。
その他に、この第2アシスト機構2には、ピニオン軸73を軸支する軸受25,26,27と、第2アシスト機構2の各部材等を覆う第2ハウジング28と、ピニオン軸73に設けられたピニオンギヤ74と、このピニオンギヤ74に噛合して伝達方向を直交する車幅方向に変換するラックギヤ81と、ラックギヤ81を有して車幅方向に移動自在に設置されたラック軸8と、ラック軸8の動きをナックル(図示せず)を介在して車輪Wに伝えてタイヤの向きを変えるタイロッドTとが備えられている。
<ピニオン軸(ステアリングシャフト)の構成>
図1に示すように、ピニオン軸73は、上端を自在継手72を介在してステアリングメインシャフト71に連結してハンドル3に連動回転するようにした操舵軸である。このピニオン軸73は、下端部にピニオンギヤ74が一体的に設けられ、軸受25,26,27を介在して第2ハウジング28に、軸心を略上下方向に向けて回転自在に収納されている。後記する検出コイル22c,22dに対向するピニオン軸73の外周面には、磁歪膜22a,22bが2箇所に配設されている。ピニオン軸73は、上端部が第2ハウジング28に穿設された軸孔から突出した状態に設けられ、下端部のピニオンギヤ74がラック軸8に直交した状態に重なるように配置され、略中央部に第2減速機構23の第2ウォームホイールギヤ23bが設けられている。
<第2電動モータ(モータ)の構成>
図1に示す第2電動モータ21は、第2トルクセンサ22からのトルク信号に基づく第2ECU24(制御装置6)からの入力信号によって第2減速機構23を介在してピニオン軸73を回転させるアシストを行うものである。第2電動モータ21は、第2減速機構23の第2ウォームギヤ23aを設けたロータ軸21aを備え、電気的に第2ECU24に接続されている。
<第2トルクセンサの構成>
図3に示す第2トルクセンサ22は、前記第1トルクセンサ12(図2参照)と略同じ構造のセンサをピニオン軸73の周部に設置したものである。すなわち、第2トルクセンサ22は、ハンドル3からステアリングメインシャフト71を介在して伝達された操舵トルクがピニオン軸73に作用したときに、ピニオン軸73に生じる捩れに応じた磁歪膜22a,22bの逆磁歪効果による磁気特性の変化を、検出コイル22c,22d等を用いて電気的に検出することによって2つの磁歪特性曲線が得られ、これらの2つの磁歪特性曲線の差を算出することにより、ピニオン軸73に加えられる操舵トルクの方向と大きさを検出する磁歪式トルクセンサである。
この第2トルクセンサ22は、ピニオン軸73に設けられた磁歪膜22a,22bに対向して設置された複数の検出コイル22c,22dと、この検出コイル22c,22dの外周に設置されたヨーク22e,22fと、から主に構成されている。
このように、第2トルクセンサ22は、例えば、1つのトルクセンサを構成する第1コイルユニット22Aと、この第1コイルユニット22Aと同じ構造の第2コイルユニット22Bと、から主に構成されている。その他に、この第2トルクセンサ22には、第2トルクセンサ22を収納する第2ハウジング28と、この第2ハウジング28に内設されて支持する軸受25,26,27とが備えられている。
<第2トルクセンサの磁歪膜の構成>
図3に示す第2トルクセンサ22の磁歪膜22a,22bは、前記第1トルクセンサ12の磁歪膜12a,12b(図2参照)と同一または同様のものから形成されている。すなわち、第2トルクセンサ22は、ピニオン軸73にトルクが印加されることによって発生する歪により磁気特性(透磁率)を変化させるものである。この磁歪膜22a,22bは、ピニオン軸73の外周面(外方面)に、軸方向に所定間隔を介して上下に複数配置されたFe−Ni系の合金膜の磁歪材をメッキして一体的に固定されている。
<第2トルクセンサの第1コイルユニットおよび第2コイルユニットの構成>
第2トルクセンサ22の第1コイルユニット22Aと第2コイルユニット22Bは、図2に示す前記第1トルクセンサ12の第1コイルユニット12Aと第2コイルユニット12Bと同様に構成されている。すなわち、図3に示すように、第1コイルユニット22Aと第2コイルユニット22Bは、磁歪膜22a,22bと所定距離をおいて対向して配置され、磁歪膜22a,22bの磁気特性変化を検出することによって、ピニオン軸73に印加されたトルクを検出する検出部である。第1コイルユニット22Aと第2コイルユニット22Bは、共にピニオン軸73の軸方向に配置されて略円筒状のものからなる。第1コイルユニット22Aと第2コイルユニット22Bは、例えば、スペーサによって第1コイルユニット22Aと第2コイルユニット22Bと各部材間を一定に保った状態で第2ハウジング28収納されている。この第1コイルユニット22Aと第2コイルユニット22Bは、磁歪特性の変化に合わせて検出コイル22c,22dが交番通電されて発信されるトルク検出電圧を検出する検出回路を備えた第2ECU24に電気的に接続されている。
図3に示す第2トルクセンサ22の第1コイルユニット22Aは、磁歪膜22aに対向して設置される検出コイル22cと、この検出コイル22cの周部に設けられ覆って保持するヨーク22eと、を備えてなる。
第2トルクセンサ22の第2コイルユニット22Bは、磁歪膜22bに対向して設置される検出コイル22dと、この検出コイル22dを覆うヨーク22fと、を備えてなる。
<第2トルクセンサの検出コイルの構成>
図3に示すように、第2トルクセンサ22の検出コイル22c,22dは、磁歪膜22a,22bに通電して、操舵トルク入力時に、磁歪膜22a,22bの磁歪特性である透磁率の変化を検出する検出用の励磁コイルからなる。この検出コイル22c,22dは、略円筒状の第2ハウジング28の内周側に、上下方向に所定間隔に離間して配設されている。検出コイル22c,22dは、ボビン(図示せず)に巻回されて各ヨーク22e,22f内に配設され、磁歪膜22a,22bに所定間隔を介してそれぞれ対向させて配置される。
<第2トルクセンサのヨークの構成>
図3に示すように、第2トルクセンサ22のヨーク22e,22fは、検出コイル22c,22dの外枠を構成する部材であり、例えば、断面が略コ字状の軟磁性の鋼板製の環状部材からなる。ヨーク22e,22f間のピニオン軸73の軸方向には、スペーサ等が介在されて、ヨーク22e,22f間の距離が一定に保たれている。
<第2減速機構の構成>
図1に示す第2減速機構23は、前記第1減速機構13と同じ構造をしている。すなわち、第2減速機構23は、第2電動モータ21の回転を減速回転させてピニオン軸73に伝達するための歯車伝達機構である。この第2減速機構23は、例えば、ロータ軸21aに設けられた第2ウォームギヤ23aと、この第2ウォームギヤ23aに噛合されピニオン軸73に設けられた第2ウォームホイールギヤ23bと、から構成されている。
<ピニオン軸の構成>
図3に示すピニオン軸73は、自在継手72とラック軸8との間に介在されるステアリングシャフト7の1つであり、ハンドル3(図1参照)の回転操作によって、自在継手72を介してステアリングメインシャフト71に連動する操舵軸である。このピニオン軸73は、ステアリングメインシャフト71と同様に、例えば、クロムモリブデン鋼材から形成されて、磁歪膜22a,22bを被着している。このピニオン軸73には、上端の自在継手72から順に、設定した間隔で磁歪膜22a,22b、第2ウォームホイールギヤ23bが固定されて、その下端にピニオンギヤ74が形成されている。また、このピニオン軸73には、上側から順に、軸受25、第1コイルユニット22A、第2コイルユニット22B、軸受26、軸受27が挿設されている。
<第2ハウジングの構成>
図1に示すように、第2ハウジング28は、第2アシスト機構2の各部材と、ピニオンギヤ74と、ラックギヤ81とラック軸8等を覆うためのケースである。この第2ハウジング28は、例えば、上側の第2トルクセンサ22の設置部位が樹脂によって形成されて、この他の部位(下側)がアルミ合金等の金属によって軽量に形成されている。第2トルクセンサ22やラック軸8等を車両に組み付ける際には、それらの部材をこの第2ハウジング28内に収納した状態で、例えば、一人の作業員によって車体に取り付けられる。
図3に示すラックギヤ81は、ピニオン軸73の回転を、ラック軸8を車幅方向の直線移動に変換させるための歯車である。このラックギヤ81は、ピニオンギヤ74に略直交する向きに噛合して配置され、この噛合状態をスプリングSPに付勢されたラックガイド82によって支持されて、第2ハウジング28に収納されている。
図1に示すラック軸8の左右には、タイロッドT、ナックル(図示せず)、および車輪Wが連設されている。
タイロッドTは、ラック軸8と車輪Wを軸支したナックル(図示せず)とを連結するための連結棒である。
≪制御装置の構成≫
図1に示す制御装置6は、コラム部4に設けられた第1トルクセンサ12の出力値と、ギヤボックス部5に設けられた第2トルクセンサ22の出力値に基づいて、電流を算出し、コラム部4の第1電動モータ11とギヤボックス部5の第2電動モータ21の両方を駆動させる装置である。制御装置6は、第1ECU14と第2ECU24を備えている。
<第2ECUの構成>
第2ECU24は、第2トルクセンサ22および車速センサS等からの検出信号に応じて第2電動モータ21を駆動制御する電子制御ユニットである。この第2ECU24は、磁歪膜22a,22bに交流電圧を印加して磁歪膜22a,22bを励磁する励磁回路と、磁歪膜22a,22bの透磁率の変化を電気的に検出するトルク検出回路と、車速センサSからの車速信号を検出する車速検出回路と、この車速検出回路とトルク検出回路からの信号に基づいて第2電動モータ21を駆動制御する駆動回路と、を備えている。第2ECU24は、検出コイル22c,22dと、車速センサSとにそれぞれ電気的に接続されている。
≪電動パワーステアリング装置の組み付けと動作≫
次に、図1〜図3を参照しながら本発明の実施形態に係る電動パワーステアリング装置EPSの車体への組み付けと動作について説明する。
<第2アシスト機構の組み付け>
電動パワーステアリング装置EPSを車体に組み付ける場合には、まず、図1に示す第2アシスト機構2、即ちギヤボックス部5と第2電動モータ21と第2ウォームギヤ23aとラック軸8とピニオン軸73と第2トルクセンサ22などが第2ハウジング28内に収容され、ラック軸8の両端にタイロッドTが取り付けられた状態で第2ハウジング28との間に可撓性を有するブーツを取り付け気密性を保持した形態で車体のビームに組み付ける。
次に、第2アシスト機構2から突出するタイロッドTの雄ねじ部が、図示されないナックルの雌ねじ部に螺合、連結され、このねじ部の長さを調整することによって、両前輪W,Wのトー角を正確に調整部してタイロッドTに設けられたロックナットによりしっかり固定される。
このようにして第2アシスト機構2の各部材は、図1に示すようにユニット化された状態で自動車やトラックに組み付けられる。第1電動モータ11と第2電動モータ21の2個のモータを備えた大型車両用の電動パワーステアリング装置EPSにおいて、このように組み立てられた第2アシスト機構2は、重量物である第2電動モータ21および第2減速機構23等がそれぞれ1つからなり第2トルクセンサ22を有することによって、独立したユニットとしてアシストできるので、この第2アシスト機構2に重量物を集中させずに、第1アシスト機構1に分けて配設することができる。
これにより、第2アシスト機構2は、軽自動車や小型自動車等に使用されモータを1つ備えた小型電動パワーステアリング装置と同等の重量および強度となり、全体の重量が大型自動車用電動パワーステアリング装置の重量の約半分程度と軽く、一人の作業員によって持ち上げることが可能な重量にすることができる。
このため、第2アシスト機構2は、一人作業員によって車体に取り付けることができるので、組み付け作業や交換作業や調整作業や補修作業等の作業性および搭載性が良く、それらの作業を容易に行うことができる。
<第1アシスト機構の組み付け>
次に、図1に示すコラム部4の第1アシスト機構1、即ちステアリングメインシャフト71と第1トルクセンサ12と第1電動モータ11と第1ウォームギヤ13aと軸受け類を収容する第1ハウジング18を車体のコラムハンガーに取り付ける。
これにより、第1アシスト機構1の各部材は、図2に示すようにユニット化された状態で組み付けられる。
電動パワーステアリング装置EPSにおいて、このように組み立てられた第1アシスト機構1は、第1電動モータ11および第1減速機構13等がそれぞれ1つからなり第1トルクセンサ22を有すことによって独立してアシストできる。このため、第1アシスト機構1の全体の重量は、一般の大型車両用の電動パワーステアリング装置と比較して半減されて軽く、一人の作業員によって持ち上げて組み付け作業を行うことができるので、作業性および搭載性が良好である。
さらに、前記第2アシスト機構2のピニオン軸73に、自在継手72を介在させて、その自在継手72に、第1アシスト機構1のステアリングメインシャフト71を連結する。そのステアリングメインシャフト71に、不図示のコンビネーションスイッチのベース、操舵角センサ、スパイラルケーブルを挿通してハンドル3を取り付けることによって組み付けが完了する。
図1に示すように、電動パワーステアリング装置EPSは、第1アシスト機構1と第2アシスト機構2とからなる2つのパワーステアリング装置が独立した状態に設置されて、自在継手72で連結されている。このため、例えば、第2アシスト機構2を車体に組み付ける際には、第2アシスト機構2の取り付けと確認のみで作業が完了する。すなわち、第1アシスト機構1と第2アシスト機構2とは、それぞれを取り付けた段階で確認作業ができるため、第1アシスト機構1も組み付けて電動パワーステアリング装置EPS全体の組み付けが完了するまで確認作業ができないということが解消されて、確認作業が容易となる。
さらに、電動パワーステアリング装置EPSは、第1アシスト機構1と第2アシスト機構2とが独立した状態で、調整作業や故障診断や部品交換や補修作業等をそれぞれ行うことができるため、作業の効率化を図ることができる。
<電動パワーステアリング装置の動作>
次に、図1〜図3を参照して、電動パワーステアリング装置EPSの動作を説明する。
図1に示すように、電動パワーステアリング装置EPSでは、例えば、運転者がハンドル3を操作したときのステアリングメインシャフト71の操舵トルクを、第1アシスト機構1の第1トルクセンサ12を用いて検出すると共に、第1ECU14により第1トルクセンサ12からのトルク検出信号、車速センサSからの車速検出信号等に応じて第1ECU14が第1電動モータ11を駆動制御し、このときの第1電動モータ11のトルクを、第1減速機構13により増大させると共にステアリングメインシャフト71、自在継手72を介在して第2アシスト機構2のピニオン軸73に伝えている。
さらに、電動パワーステアリング装置EPSでは、第1アシスト機構1でアシストされたピニオン軸73の操舵トルクを、第2トルクセンサ22を用いて検出すると共に、第2ECU24により第2トルクセンサ22からのトルク検出信号、車速センサSからの車速検出信号等に応じて第2ECU24が第2電動モータ21を駆動制御し、このときの第2電動モータ21のトルクを、第2減速機構23により増大させると共にピニオンギヤ74、ラック軸8を介在して車輪W,Wに伝えている。
一般の電動パワーステアリング装置では、ステアリングメインシャフトとピニオン軸との間に継手部材が介在されているため、厳密には等速でなく、コラム部とギヤボックス部との間に位相差が生じてハンドルの操作フィーリングに問題があった。
本発明の電動パワーステアリング装置EPSでは、第1アシスト機構1と第2アシスト機構2との間に自在継手72が介在されているが、第1アシスト機構1の第1トルクセンサ12と第1電動モータ11により第2アシスト機構2に位相差が生じても位相差を解消するように制御することができる。
また、一般の電動パワーステアリング装置では、トルクセンサにステアリングメインシャフトやピニオン軸の約1/2の外径のトーションバーを用いて、このトーションバーの捩じり角を計測してこの捩れ角に比例したトルクに変換しているので、この捩れによる伝達遅れも生じている。
本発明の電動パワーステアリング装置EPSは、ステアリングメインシャフト71に磁歪膜12a,12bを有する磁歪式の第1トルクセンサ12を設け、さらに、ピニオン軸73に磁歪膜22a,22bを有する第2トルクセンサ22を設置したことによって、センサ部分の占有スペースを小さくしてステアリングシャフト7を太くすることができる。その結果、ハンドル操作によるステアリングシャフト7の捩れを実際に使用する上でゼロといえるほど抑制することができる。したがって、第1トルクセンサ12と第2トルクセンサ22のうち少なくともどちらか一方が磁歪式であれば良い。
また、運転者がハンドル3の操作を行った際に、路面から過大な入力が急峻に生じたときには、ギヤボックス部5側の第2トルクセンサ22の検出の方が早く、大きな検出値を検出する。この場合、電動パワーステアリング装置EPSは、ギヤボックス部5側の第2アシスト機構2のアシスト力(抵抗力)を大きくして、過大な反力が運転者側に伝わらないようにすることが可能である。つまり、電動パワーステアリング装置EPSは、適正なアシストを確保したまま、ハンドル3の操作フィーリングを向上させることができる。さらに、磁歪式の第2トルクセンサ22を用いれば事実上捩れ角を伴わないでトルクを検出できるので、さらに、応答性を高め操作フィーリングを向上させることができる。したがって、第2トルクセンサ22に磁歪式を用いれば高い操舵フィールを得ることができる。
また、ステアリング機構に対して補助操舵力を付与する電動パワーステアリング装置EPSにおいて、磁歪式の第1トルクセンサ12をコラム部4に使用すると共に、磁歪式の第2トルクセンサ22をギヤボックス部5に使用したことによって、ステアリングシャフト7全体における操舵トルクの検出精度を高めることができるため、電動パワーステアリング装置EPSの性能、信頼性等を高めることができる。
さらに、本発明の電動パワーステアリング装置EPSは、第1トルクセンサ12および第2トルクセンサ22のそれぞれの磁歪膜12a,12b,22a,22b、ステアリングメインシャフト71およびピニオン軸73の外周面に直接設けて捩じり歪を検出しているので、従来のトーションバーと比べると、直径を大きくすることができ、約16倍に捩じり剛性を大きくすることができる。このことによって、ステアリング装置の捩り剛性(ばね定数)が大きくなるため、ハンドル3による車両の操縦性を大幅に向上させることができる。
本発明の電動パワーステアリング装置EPSは、第1アシスト機構1と第2アシスト機構2とがそれぞれ独立した状態で設けられているので、万が一どちらかのトルクセンサが故障しても、故障していないトルクセンサによってコラム部のモータとギヤボックス部のモータの両方を駆動してアシスト制御を継続できる。
さらに、万が一どちらか一方のアシスト機構が故障した場合であっても、どちらか他方を作動させてハンドル3の操作をアシストすることができる。このため、電動パワーステアリング装置EPSは、第1アシスト機構1、または、第2アシスト機構2が故障しても、第1電動モータ11、または、第2電動モータ21が駆動するため、ハンドル3の操作が重くなることを軽減することができる。
なお、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、その技術的思想の範囲内で種々の改造および変更が可能であり、本発明はこれら改造および変更された発明にも及ぶことは勿論である。
本発明の実施形態に係る電動パワーステアリング装置を示す模式図である。 本発明の実施形態に係る電動パワーステアリング装置のコラム部を示す模式図である。 本発明の実施形態に係る電動パワーステアリング装置のギヤボックス部を示す模式図である。
符号の説明
1 第1アシスト機構
2 第2アシスト機構
3 ハンドル(操作子)
4 コラム部
5 ギヤボックス部
6 制御装置
7 ステアリングシャフト
8 ラック軸
11 第1電動モータ(モータ)
12 第1トルクセンサ(トルクセンサ)
13 第1減速機構(減速機構)
21 第2電動モータ(モータ)
22 第2トルクセンサ(トルクセンサ)
23 第2減速機構(減速機構)
71 ステアリングメインシャフト
72 自在継手(中間伝達部)
73 ピニオン軸
EPS 電動パワーステアリング装置

Claims (3)

  1. 操作子からの入力に応じたモータ駆動力によって車両の転舵を行う電動パワーステアリング装置であって、
    前記操作子と、コラム部と、中間伝達部と、ギヤボックス部とが、この順に連結され、
    前記コラム部および前記ギヤボックス部には、前記モータ駆動力を発生するためのモータと、このモータの回転を減速して倍力または推力に交換するための減速機構と、ステアリングシャフトに加わるトルクを検出するためのトルクセンサと、がそれぞれ設けられていることを特徴とする電動パワーステアリング装置。
  2. 前記コラム部に設けられた前記トルクセンサの出力値と、前記ギヤボックス部に設けられた前記トルクセンサの出力値に基づいて、電流を算出し、前記コラム部のモータと前記ギヤボックス部のモータの両方を駆動させる制御装置を備えたことを特徴とする請求項1に記載の電動パワーステアリング装置。
  3. 前記コラム部および前記ギヤボックス部にそれぞれ設けられたトルクセンサは、少なくともどちらか一方が磁歪式トルクセンサからなることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電動パワーステアリング装置。
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