JP2008112040A - 高透明反射型スクリーン用フィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】視認者側から投影される投影光を散乱反射することによって散乱反射光による視認性を高め、高温熱処理後もその視認性が維持された高透明反射型スクリーン用フィルムを提供する。
【解決手段】熱可塑性樹脂を含むマトリックス相及び分散相からなる高分子フィルムであって、マトリックス相の屈折率と分散相の屈折率をフィルム平面内x方向及びy方向とフィルム厚みのz方向の屈折率の組合せ条件を規定し、y方向と平行な直線偏光をフィルム面に垂直に入射した際のフィルムの全光線透過率が85%以上、平行光線透過率が65%以上であり、無偏光状態の光をフィルム面に垂直に入射した際の全光線反射率が30%未満であって、かつ120℃、30分間加熱処理後のフィルムの熱収縮率が、x方向及びy方向のいずれも0%以上10%未満である高透明反射型スクリーン用フィルム。
【選択図】なし

Description

本発明は高透明反射型スクリーン用フィルムに関する。更に詳しくは、視認者側から投影される投影光を散乱反射することによって散乱反射光による視認性を高め、また高透明性を有することで視認者と反対側の映像についても優れた透過視認性を有し、高温熱処理後もその視認性が維持された高透明反射型スクリーン用フィルムに関する。
コンビニエンスストアなどの商店の窓、デパートなどのショウウインドウ、イベントスペースなどに設置された透明パーティションなどに、その透過視認性を保持したまま、商品情報、広告などのさまざまなコンテンツを投影表示することは、きわめて有用なディスプレイ手法である。具体的な実施形態として、例えば、窓、ショウウインドウに透明なプロジェクションスクリーンを貼合し、プロジェクターからコンテンツ画像を投影することが、近年行われている。
また、自動車、バイク、飛行機、ヘリコプター、船舶などの乗り物には、運転者(操縦者)などに各種情報を知らせるための様々な機器が設けられている。例えば自動車には、走行速度、回転数、燃料残量、時間、走行距離などを知らせるための機器が設けられている。自動車には、この他、ナビゲーション情報を知らせるためのナビゲーション装置が設けられることもある。
自動車においては、これらの情報表示のための機器の多くは、フロントウィンドウ下方に配置されているため、運転中に運転者がフロントウィンドウ下方の機器を見て情報を読み取る時は、視点を比較的大きく移動させている。そこで安全運転のために視点の移動距離を小さくすべく、ヘッドアップディスプレイ(HUD)装置と呼ばれる表示装置が提案されている。HUD装置としては、透明なプロジェクションスクリーンにプロジェクターからコンテンツ画像を投影して、情報を表示するものが提案されている。そのようなスクリーンをフロントウィンドウ下部のウィンドウガラス面や、ウィンドウ近くの運転席(操縦席)内部に配置することで、運転者は比較的小さな視点移動で情報を読み取ることができる。
従来のプロジェクションスクリーンは、プロジェクターからの投影光を強く散乱反射することで視野角依存性の少ない良好な投影画像を得るものであるが、上述のような使用形態の場合には、窓やショウウインドウ、透明パーティション、乗り物のフロントウインドウなどの透明基材が本来有している透過視認性を損なわずに、プロジェクションスクリーンとしての良好な散乱反射性を発現させる、という相反する特性が求められる。
投影光を強く散乱反射するタイプのフィルムとしては、例えば特許文献1において、少なくとも約0.05の複屈折率を有するポリマーの第1の相と該第1の相内に配置された第2の相とからなり、両相の屈折率差は第1の軸に沿って約0.05より大きく、第1の軸に直交した第2の軸に沿って約0.05より小さい屈折率特性を有するフィルムからなる偏光子が開示されている。しかしながら、かかる偏光子は少なくとも1つの偏光に対し、少なくとも1つの軸に沿って、拡散反射率が約30%を超える反射型の偏光子であり、散乱軸方向の偏光を前方散乱させることなく後方散乱させるために散乱因子を増やして多重散乱させているため、透過軸方向の透過率はそれほど高くはない。
また特許文献2では、明るい環境光の下でも映像を鮮明に表示すると共に、光源光の映り込みを防止することができる投影スクリーンが提案されており、スクリーンを構成する一部材として特定の偏光成分の光を拡散反射し、一部の偏光成分の光は透過させる偏光選択反射層が開示されている。しかし特許文献2で開示されている投影スクリーンは、観察側から投影された映像光を反射して映像を表示するタイプの投影スクリーンであり、光源光の映り込みを防止するために一部の光線は偏光選択反射層を透過させるものの、偏光選択反射層には反射層として観察側に強く後方散乱する機能が求められている。
特許文献3には、直線偏光に対する散乱異方性を維持しつつ拡散反射光を抑制して液晶表示装置等の光拡散板や視認側の偏光板として用いることができる光学フィルムが開示されているが、窓やショウウインドウ、透明パーティション、乗り物のフロントウインドウなどに貼り合わせて用いられるプロジェクションスクリーンについては何も検討されていない。
また特許文献4には、結晶性高分子化合物からなるマトリックス相と分散相とからなるフィルムで、マトリックス相と分散相との屈折率が一方向(x方向)において0.05より大きく、x方向と直交するy方向および厚み方向(z方向)とを含むy−z面において、マトリックス相と分散相の屈折率がほぼ一致し、さらに散乱パラメーターが規定された散乱異方性高分子フィルムが提案されている。特許文献4によると、該フィルムを偏光バックライトとして用いた場合に、面内の色ずれが少ない散乱異方性フィルムが得られることが開示されている。一方、特許文献4では偏光バックライト用の散乱異方性フィルム以外の用途については具体的に検討されていない。
本発明の高透明反射型スクリーンはその使用目的から、投影画像と、スクリーンの向こう側にある物体を同時に見る機能を有する必要があり、スクリーンには必然的に外光が入射することになる。しかしながら従来の高散乱タイプのスクリーンでは、外光についても投影光同様に散乱反射してしまうため、スクリーンの向こう側の画像の視認性が低下する一因となってしまう。
そこで、窓ガラスやショウウインドウ、透明パーティション等のガラスや透明プラスチック建材に配置されるスクリーン、あるいは自動車、バイク、飛行機、ヘリコプター、船舶などの操縦者用のヘッドアップディスプレイ(HUD)装置のスクリーンに適した高透明反射型スクリーン用フィルムとして、視認者側から投影される投影光を散乱反射し、かつ外光による視認性の低下が十分に防止されており、外光による映像も該フィルムを通じて視認できる高透明性を有するといった優れた散乱反射性と透過視認性とを有しており、かつこれらスクリーン用フィルムには、透明基材に貼合するための粘着・接着剤加工や、反射防止その他のフィルムが更に加工される工程で高温加工が施されることから、被熱によってこれらの散乱反射性と透過視認性が変化しないことが望まれている。
特表2000−506990号公報 特開2005−107096号公報 特開2001−166112号公報 特開2003−43258号公報
本発明の目的は、かかる従来技術の課題を解消し、視認者側から投影される投影光を散乱反射することによって散乱反射光による視認性を高め、また高透明性を有することで視認者と反対側の映像についても優れた透過視認性を有し、高温熱処理後もその視認性が維持された高透明反射型スクリーン用フィルムを提供することにある。
本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意検討した結果、光を投影するソースとしては、輝度や消費電力の少なさ等の観点で小型の液晶表示装置(LCD)を透過させた光を投影する、いわゆる液晶プロジェクター(LCP)が用いられており、LCPから出射する光は直線偏光であることから、散乱反射性はLCPから出射した直線偏光に対して有していればよいこと、一方で外光による視認性を高めるためには、該直線偏光と直交する直線偏光について透過性を高めるとともに、外光は無偏光であるため、スクリーン平面状のすべての方向にわたって全光線反射率をある程度低くすることが必要であることを見出した。また、かかる散乱反射性と透過視認性を有するフィルムは被熱による寸法変化が大きいため、透明基材と貼り合わせる加工や、反射防止層その他のフィルムを更に加工する工程で高温加工を行った場合、これらの散乱反射特性と透過視認特性とが変化してしまうことを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明によれば、本発明の目的は、熱可塑性樹脂を含むマトリックス相及び分散相からなる高分子フィルムであって、マトリックス相の屈折率と分散相の屈折率とが下記式(1)(2)を満たし、
|(Ny+Nz)/2−(n+n)/2|≦0.05 ・・・(1)
|n−N|>0.05 ・・・(2)
(ここで、nはマトリックスの屈折率、Nは分散相の屈折率をそれぞれ表し、nはフィルム平面内でもっとも屈折率が高い方向のマトリックス屈折率、nはフィルム平面内でx方向と直交するy方向のマトリックス屈折率、nはフィルム厚み方向のマトリックス屈折率、Nはx方向の分散相屈折率、Nはフィルム平面内でx方向と直交するy方向の分散相屈折率、Nはフィルム厚み方向の分散相屈折率をそれぞれ表す)
y方向と平行な直線偏光をフィルム面に垂直に入射した際のフィルムの全光線透過率が85%以上、平行光線透過率が65%以上であり、無偏光状態の光をフィルム面に垂直に入射した際の全光線反射率が30%未満であって、かつ120℃、30分間加熱処理後のフィルムの熱収縮率が、x方向及びy方向のいずれも0%以上10%未満である高透明反射型スクリーン用フィルムによって達成される。
また本発明の高透明反射型スクリーン用フィルムは、好ましい態様として、y方向と平行な直線偏光に対するヘーズ値Hyとx方向と平行な直線偏光に対するヘーズ値Hxとの比R=Hy/Hxが0.7未満であること、x方向のフィルムの破断強度が150MPa以上、y方向のフィルムの破断強度が15MPa以上であること、マトリックス相に含まれる熱可塑性樹脂がポリエステル樹脂であること、分散相が微粒子の凝集体であること、分散相がマトリックス相と異なる熱可塑性樹脂であること、分散相を構成する物質の含有量がフィルムの重量を基準として0.01〜30重量%であること、の少なくともいずれか1つを具備するものも好ましい態様として包含する。
また、本発明の高透明反射型スクリーン用フィルムは、具体的に建材用高透明反射型プロジェクションスクリーン用またはヘッドアップディスプレイプロジェクションスクリーン用に用いることができる。
本発明の高透明反射型スクリーン用フィルムは、視認者側から投影される投影光を散乱反射し、かつ外光による映像も該フィルムを通じて視認できる高透明性を有すること、さらに高温熱処理後もその視認性が維持されることから、視認者側から両映像を良好に視認することができ、建材用高透明反射型プロジェクションスクリーン用またはヘッドアップディスプレイプロジェクションスクリーン用等の高透明反射型スクリーン用フィルムを提供することができる。
以下、本発明を詳しく説明する。
本発明のフィルムは、一方の光源、すなわち視認者側から投影される直線偏光に対して散乱反射性を有し、該直線偏光と直交する直線偏光については反射することなく高い透過性を有するとともに、該光源とフィルムを介して反対側からの外光に対して面内方向全てに渡って全光線反射率がある程度低い光学特性を有することで、視認者側から両映像を良好に視認することができ、高透明反射型スクリーン用途に適したフィルムである。本発明のフィルムの具体的態様について、以下に詳述する。
(屈折率特性)
本発明のフィルムは、熱可塑性樹脂を含むマトリックス相及び分散相からなる構造を有し、かつマトリックス相の屈折率と分散相の屈折率とが下記式(1)(2)
|(Ny+Nz)/2−(n+n)/2|≦0.05 ・・・(1)
|n−N|>0.05 ・・・(2)
(ここで、nはマトリックスの屈折率、Nは分散相の屈折率をそれぞれ表し、nはフィルム平面内でもっとも屈折率が高い方向のマトリックス屈折率、nはフィルム平面内でx方向と直交するy方向のマトリックス屈折率、nはフィルム厚み方向のマトリックス屈折率、Nはx方向の分散相屈折率、Nはフィルム平面内でx方向と直交するy方向の分散相屈折率、Nはフィルム厚み方向の分散相屈折率をそれぞれ表す)
を満たす必要がある。
本発明のフィルムは、x、y、z方向のマトリックス相および分散相の屈折率がそれぞれ式(1)、(2)を満たす場合に、x方向と平行な直線偏光を強く散乱し、一方y方向と平行な直線偏光は散乱せずに透過させるという光学特性を発現する。上式中、nはマトリックスの屈折率、Nは分散相の屈折率をそれぞれ表す。nはフィルム平面内でもっとも屈折率が高い方向のマトリックス屈折率を表し、本発明においては高延伸倍率方向と一致する。nはフィルム平面内でx方向と直交するy方向のマトリックス屈折率、nはフィルム厚み方向のマトリックス屈折率、Nはx方向の分散相屈折率、Nはフィルム平面内でx方向と直交するy方向の分散相屈折率、Nはフィルム厚み方向の分散相屈折率をそれぞれ表す。またx方向と平行な直線偏光は、x方向の振動面をもつ直線偏光と同義であり、y方向と平行な直線偏光はy方向の振動面をもつ直線偏光と同義である。また本発明のフィルムのx方向は、一方の光源、すなわち視認者側から投影される直線偏光と平行に配置される。
上記式(1)において、|(Ny+Nz)/2−(ny+nz)/2|>0.05の場合は、yz平面内において、マトリックス相と分散相の屈折率差が大きいため、x方向以外での散乱が増加してしまい、外光による映像をフィルムを通じて明瞭に視認できなくなる。なお|(Ny+Nz)/2−(ny+nz)/2|は、0.025以下であることが好ましい。
また上記式(2)において、|nx−Nx|≦0.05の場合は、x方向の散乱性能が不十分となり、視認者側から投影される直線偏光に対する散乱反射性に乏しくなるため、視認者側から投影される映像の視認性が低下する。|nx−Nx|は0.05を超える範囲で屈折率差が大きい方がよりx方向の散乱性能が高まり、好ましくは0.10以上である。一方、|nx−Nx|の上限は延伸倍率や機械特性などの点で0.35以下であることが好ましい。
本発明のフィルムは、yz平面内でマトリックス相と分散相の屈折率の平均がほぼ一致し((1)式)、かつx方向においてマトリックス相と分散相の屈折率の差が大きく、差の絶対値が0.05を越えることにより、フィルム中を透過する光の中で多く存在するフィルム面内に対して斜め入射する偏光に対しても高い散乱異方性を示す。したがって、マトリックス相の屈折率は、yz平面内においては等方的に近いほど好ましく、下記式(3)を満足することがより好ましい。
0.95<ny/nz≦1.05 ・・・(3)
かかる屈折率特性は、マトリックス相および分散相の構成物質を含む熱可塑性樹脂組成物を溶融押出法により未延伸シートを作成し、該未延伸シートを後述する製膜条件で少なくとも一方向に延伸して一軸延伸に近い延伸を行うことにより得られる。さらに、マトリックス相および分散相の構成物質として、後述の組み合わせから選択することが好ましい。
(光線透過率及び光線反射率)
本発明のフィルムは、屈折率特性が上式(1)(2)を満たすだけでなく、全光線透過率、平行光線透過率および全光線反射率がそれぞれ後述の特性をも満たすことによって、初めて視認者側から両映像を視認することが可能となる。
すなわち本発明のフィルムは、y方向と平行な直線偏光をフィルム面に垂直に入射した際のフィルムの全光線透過率が85%以上であることが必要である。ここで全光線透過率とは、JISK7105に準拠して、積分球式測定装置を用いて全光線透過量を測定することによって求められる。
また本発明のフィルムは、y方向と平行な直線偏光をフィルム面に垂直に入射した際の平行光線透過率が65%以上であることが必要である。ここで平行光線透過率とは、入射光線と同一正線上で測定される平行光線透過率であり、JISK7105に準拠して、全光線透過率から拡散透過率を差し引いて求められる。なお、該平行光線透過率は70%以上が好ましい。
さらに本発明のフィルムは、無偏光状態の光をフィルム面に垂直に入射した際の全光線反射率が30%未満であることが必要である。ここで全光線反射率とは、JISK7105に準拠して求められ、入射光に対する鏡面反射率と拡散反射率とを合わせたものである。また無偏光状態とは、該測定において用いられる光源を偏光成分に分解することなく、そのまま用いることを意味する。
y方向と平行な直線偏光、すなわち視認者側から投影される直線偏光と直交する直線偏光については視認者側から投影される映像は含まないため、散乱反射することなく高い透過性を有することによって、フィルムを通じて外光による映像をより明瞭に視認することが可能となる。これらの光線透過率が上述の範囲を下回る場合、フィルムを通じて外光による映像を明瞭に視認しにくくなる。かかる光線透過率は、マトリックス相と分散相のy方向、z方向の屈折率特性が式(1)を満たすこと、分散相の含有量がフィルムの重量を基準として上限を超えないこと、及び熱固定処理における熱固定温度が所定の温度範囲であることによって達成される。
また無偏光状態の光をフィルム面に垂直に入射した際の全光線反射率は、30%未満の範囲内であり、小さければ小さい程、フィルムを通じた外光映像の視認性を高めることができる。該全光線反射率の下限は3%であり、好ましくは5%以上、さらに好ましくは10%以上、特に好ましくは15%以上である。かかる全光線反射率が30%以上の場合、視認者側から投影される映像と関係のない外光をも散乱反射させてしまい、映像投影時にコントラストが低下する一因となる他、非投影時にはスクリーンが白っぽく透明性に劣るため、フィルムを通じた外光映像の透過視認性に乏しくなる。かかる全光線反射率が下限に満たない場合、外光映像の視認性は高いものの、視認者側から投影される映像の視認性が低下する。
該全光線反射率をかかる範囲にするためには、分散相の含有量によって制御することができ、含有量が少ない程、該全光線反射率を小さくすることができる。
これらの光線透過率及び光線反射率は、フィルムの一方の面についての特性ではなく、フィルム両面について同様の特性が得られる。
(マトリックス相)
本発明のフィルムのマトリックス相に含まれる熱可塑性樹脂は、フィルムを延伸したときの高分子鎖が配向しやすい結晶性あるいは半結晶性の透明高分子である。非晶性高分子の場合、フィルムを延伸する際の高分子鎖の配向が難しいため、後述する延伸方法に従って、例えば一方向に延伸を行った場合、未延伸方向(y方向、z方向)のマトリックス相と分散相との屈折率差が式(1)を満たしても、延伸方向(x方向)におけるマトリックス相と分散相との屈折率差を大きくして式(2)を満たすような散乱フィルムを得ることが難しい。
結晶性あるいは半結晶性の透明高分子である熱可塑性樹脂として、例えばポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレート等のポリエステル、シンジオタクチックポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレンなどを挙げることができる。かかる熱可塑性樹脂の中でも、製膜性および延伸による各方向の屈折率特性を制御しやすい点で、好ましくはポリエステルであり、中でも耐熱性、透明性、強度に優れたポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等の芳香族ポリエステルが好ましい。
(分散相)
本発明のフィルムの分散相は(i)1次粒子径が0.01〜10μmである微粒子、(ii)微粒子の凝集体または(iii)マトリックス相と異なる熱可塑性樹脂のいずれかであることが好ましい。
(i)(ii)で表される微粒子としては、1次粒子径が0.01〜10μmである微粒子が例示される。微粒子は透明な有機粒子あるいは無機粒子であれば特に制限は無い。好ましくはフィルムを延伸したときにボイドの生じにくい有機粒子である。ここで1次粒径とは粒子の最小単位の大きさである。1次粒径が0.01μm以下の場合は散乱反射性能が生じない可能性が高く、10μmを越える場合は延伸時にボイドが生じやすくなる。かかる微粒子は、延伸後のマトリックス相のy方向、z方向の屈折率と同じか屈折率差が0.035以下である屈折率を有することがさらに好ましい。
有機系の微粒子の種類として、例えばアクリル微粒子、スチレン微粒子、シリコーン微粒子、スチレン−ブタジエンゴム微粒子、アクリル−アクリルコアシェル型微粒子、アクリル−スチレン−ブタジエンコアシェル微粒子が挙げられる。特にコアシェル型微粒子はシェル部がゴム弾性を有するため延伸によるボイド生成をさらに抑制することができ、本発明の諸光学特性を得やすい。
例えばマトリックス相としてポリエチレンナフタレートを用いた場合、分散相に用いる微粒子の種類としては、ポリスチレン、シンジオタクチックポリスチレン、メタクリレート−スチレン共重合体、アクリロニトリル−スチレン共重合体等を例示できる。またマトリックス相がポリエチレンテレフタレートの場合、分散相に用いる微粒子の種類としては、ポリメチルメタクリレート等のアクリル樹脂、メタクリレート−スチレン共重合体等が例示できる。
(iii)マトリックス相と異なる熱可塑性樹脂としては、高透明でマトリックス相を形成する熱可塑性樹脂と非相溶の熱可塑性樹脂であれば特に制限されないが、延伸後のマトリックス相のy方向、z方向の屈折率と同じか屈折率差が0.035以下となるような屈折率を有することが好ましい。 例えばマトリックス相としてポリエチレンナフタレートを用いた場合、分散相に用いる熱可塑性樹脂としては、ポリスチレン、シンジオタクチックポリスチレン、メタクリレート−スチレン共重合体、アクリロニトリル−スチレン共重合体等を例示できる。またマトリックス相がポリエチレンテレフタレートの場合、分散相に用いる熱可塑性樹脂としては、ポリメチルメタクリレート等のアクリル樹脂、メタクリレート−スチレン共重合体等が例示できる。
本発明の分散相は、上述の(i)〜(iii)の中でも、分散相がフィルム延伸方向に変形することによってボイドが生じない点で(ii)微粒子の凝集体または(iii)マトリックス相と異なる熱可塑性樹脂であることが好ましく、特に(ii)微粒子の凝集体で構成されることが好ましい。特に1次粒径がサブミクロンオーダーの微粒子の場合、表面エネルギーの影響で凝集体になりやすく、フィルムを延伸したときにその凝集体が変形することによりボイドが生じにくいため、本発明の屈折率特性、光線透過率、ヘーズを得ることができる。また(ii)微粒子の凝集体は、(iii)マトリックス相と異なる熱可塑性樹脂に較べて分散相のサイズコントロールがしやすいため、散乱強度をコントロールしやすく、また波長依存性をなくすことができるため散乱光の着色を防ぐことができる。
フィルムの分散相を構成する物質の含有量は、フィルムの重量を基準として0.01〜30重量%であることが好ましい。分散相の含有量はかかる範囲内において増加するに従い、散乱光を多重に散乱して散乱反射光が正面方向になりやすくなる。また分散相の含有量はかかる範囲内において減少するに従い、多重散乱を減らしシャープな反射パターンを得ることが可能となる。
ただし分散相の含有量が上限を超える場合は、過度に多重散乱するため偏光分離効果が低下する傾向にある。また分散相の含有量が下限に満たない場合は散乱が著しく少なく、この場合も偏光分離性能を確保することが難しくなる。分散相の含有量は、y方向の直線偏光を十分に透過させ、非偏光状態の全光線反射率を小さくして透明性を確保する目的から、下限はさらに好ましくは0.05重量%以上、特に好ましくは0.1重量%以上であり、上限は好ましくは28重量%以下である。
本発明のフィルムの分散相は、下記式(4)を満たしていることがより好ましい。
10≦α≦200 ・・・(4)
(上式中、αはπ・d/λで表される散乱パラメータを表す。dは分散相の長径、λは可視光の波長である。)
本発明のフィルムは、好ましくは少なくとも一方向に延伸して一軸延伸に近い延伸を行うことにより得られることから、本発明の分散相は、延伸方向に長軸を有する楕円球状(以下島状と称することがある)であることが好ましい。上式(4)中、dは高延伸倍率方向、すなわちx方向における分散相の粒径を指し、楕円球状の長径に相等する。
一般に散乱効率には波長依存性があるため、例えばサブミクロンオーダーの非常に小さい粒子の場合、短波長の光ほど散乱されやすい。したがって、光の入射角の違いによりフィルム中の光路長が異なる際に散乱光の波長分布が異なってくる可能性があり、甚だしい場合にはスクリーン上の投影範囲内で色味がずれる(色ずれ)結果となる。色ずれは、特にナビゲーション装置のような比較的複雑な画像を扱う場合には認識しずらくなることがある。そこで散乱パラメータαが上式(4)の範囲を満たすことが好ましい。
なお分散相が(ii)微粒子の凝集体または(iii) マトリックス相と異なる熱可塑性樹脂である場合、分散相の長径の平均値は0.1〜400μmであることが好ましい。長径の平均値は、より好ましくは0.5〜50μmである。長径の平均径が下限に満たない場合は、光学的な作用を生じないことがあり、また上限を超える場合は散乱の異方性が不十分となることがある。
(その他成分)
本発明のフィルムには、本発明の趣旨を超えない範囲で安定剤、紫外線吸収剤、加工助剤、難燃剤、帯電防止剤等を添加することができる。
(熱寸法安定性)
本発明のフィルムは、120℃、30分間加熱処理後の熱収縮率が、x方向及びy方向のいずれも0%以上10%未満である必要がある。フィルムの熱収縮率はx方向及びy方向のいずれも5%未満であることがさらに好ましい。
未延伸方向の分子鎖あるいは延伸されたフィルム中の配向した分子鎖のうち、非結晶性のものは、マトリックス相のガラス転移温度以上において、その配向を解いてランダム状態になりやすいため収縮が起き易い。
本発明のフィルムは、透明基材と貼り合わせる加工や、反射防止層その他のフィルムを更に加工する工程で高温加工を行うことがあり、工程中の被熱により上記範囲を超える収縮が生じると散乱反射特性と透過視認特性とが変化してしまい、高透明反射型スクリーン用フィルムとして光学機能が発現しなくなる。これらの熱寸法安定性は、得られたフィルムに熱固定処理を行うことにより達成される。
(ヘーズ)
本発明のフィルムは、y方向と平行な直線偏光に対するヘーズ値Hyとx方向と平行な直線偏光に対するヘーズ値Hxとの比R=Hy/Hxが0.7未満であることが好ましい。
ここで、ヘーズ値とは、JISK7105に準拠して下記式により求められる。
H=(拡散透過率/全光線透過率)×100
y方向と平行な直線偏光に対するヘーズ値Hy、x方向と平行な直線偏光に対するヘーズ値Hxは、それぞれの方向の直線偏光について上式により求められる。
ヘーズ値の偏光成分ごとの比Rが0.7以上の場合は、x方向のマトリックス相と分散相との屈折率差が式(2)より小さくなるか、および/または、yz平面内においてマトリックス相と分散相の屈折率差が式(1)より大きくなるため、x方向と平行な直線偏光の散乱性能が不十分となったり、y方向と平行な直線偏光の透過性能が不十分となることがあり、映像の鮮鋭性が十分でないことがある。かかるヘーズ値特性は、マトリックス相と分散相のx方向、y方向、z方向の屈折率がそれぞれ式(1)、式(2)を満たすこと、すなわちマトリックス相と分散相の屈折率特性に着目したそれぞれの材料の組み合わせと、後述する製膜条件で少なくとも一方向に延伸して一軸延伸に近い延伸を行うことにより得られる。
(機械特性)
本発明のフィルムは、フィルム平面内における延伸倍率の高い方向、すなわちx方向のフィルム破断強度が150MPa以上であり、該方向に直交した方向、すなわちy方向のフィルムの破断強度が15MPa以上であることが好ましい。
本発明のフィルムは、上記の光学特性を発現させるために一軸延伸に近い延伸を施すことが好ましく、延伸倍率の高くない方向(y方向)は分子鎖の配向の割合が少ないため強度が低くなり、工程中のフィルム破断などによる生産性の低下が起きる可能性がある。
フィルム破断強度は、より好ましくは延伸倍率の高い方向(x方向)のフィルム破断強度が160MPa以上、該方向に直交した方向(y方向)のフィルム破断強度が18MPa以上である。
本発明のフィルムにおけるこれらの機械特性は、後述するフィルムの製造方法により達成される。
<フィルムの製膜方法>
(溶融押出キャスティング)
本発明のフィルムは、マトリックス相及び分散相の構成成分を含む樹脂組成物を溶融押出キャスティングにより製膜した後、少なくとも一方向に延伸を行うことによって得られる。本発明のフィルムは、映像の視認性を高めるために、一軸延伸に近い延伸を行うことが好ましい。
溶融押出には、従来公知の手法を用いることができる。具体的には、乾燥した前述の樹脂組成物ペレットを押出機に供給し、Tダイなどのスリットダイより溶融樹脂を押出す方法や、樹脂ペレットを供給した押出機にベント装置をセットし、溶融押出時に水分や発生する各種気体成分を排出しながら、同じくTダイなどのスリットダイより溶融樹脂を押出す方法が挙げられる。
スリットダイより押出された溶融樹脂は、キャストされ冷却固化させる。冷却固化の方法は、従来公知のいずれの方法をとっても良いが、回転する冷却用ロール上に溶融樹脂をキャストし、シート化する方法が例示される。
冷却用ロールの表面温度は、マトリックス相を形成する熱可塑性樹脂のガラス転移点(Tg)に対して、(Tg−100)℃〜(Tg+20)℃の範囲に設定するのが好ましい。また冷却用ロールの表面温度は、マトリックス相を形成する熱可塑性樹脂のガラス転移点(Tg)に対して、(Tg−30)℃〜(Tg−5)℃の範囲に設定するのがさらに好ましい。冷却ロールの表面温度が上限を超える場合、溶融樹脂が固化する前に該ロールに粘着することがある。また冷却ロールの表面温度が下限に満たない場合、固化が速すぎて該ロール表面を滑ってしまい、得られるシートの平面性が損なわれることがある。
冷却ロールへのキャスティングの際に、溶融樹脂が冷却ロール上へ着地する位置近傍に金属ワイヤーを張り、電流を流して静電場を発生させ樹脂を帯電させて、冷却ロールの金属表面上への密着性を高めることも、フィルムの平面性を高める観点から有効である。その際、樹脂組成物中に、本発明の趣旨を超えない範囲で電解質性物質を添加してもよい。
(延伸)
溶融押出キャスティングにより得られたシート状物は、少なくとも一方向に延伸を行うことによってフィルムの光学特性などを本発明の目的と合致させることができ、さらに視認性を高めるためには一軸延伸に近い延伸を行うことが好ましい。
かかる延伸の方法は、逐次延伸機または同時延伸機を用いて行うことができる。また高い生産性を得るためには、本発明のフィルムは、上述のシート製造に引続く連続的工程にて製造されることが好ましい。以下、延伸方法を例示する。
例えば、縦方向(製膜方向、長手方向、MDと記載することがある。)に延伸する場合は、2個以上のロールの周速差を用いて延伸する方法や、オーブン中で延伸する方法が挙げられる。
ロールを用いる延伸方法において、シート状物(未延伸フィルム)の加熱方法は、熱媒を通したロールで誘導加熱する方法、赤外加熱ヒーターなどで外部から加熱する方法が例示され、一つないし複数の方法をとってよい。またオーブン中で延伸する方法において、シート状物の加熱方法は、フィルム両端をクリップなどにより把持するテンター式オーブンでクリップ間隔を延伸倍率にしたがって広げる方法、オーブン中にロール系を設置しフィルムをパスさせて延伸する方法、オーブン内で幅方向をまったくフリーにして入側と出側の速度差のみで延伸する方法が例示され、一つないし複数の方法をとってよい。
また、幅方向(製膜方向と垂直な方向、横方向、TDと記載することがある。)に延伸する場合は、クリップなどにより端部を把持する方式のテンターオーブン中で入側と出側のクリップ搬送レール間隔に差をつけて延伸する方法が挙げられる。
(延伸温度)
本発明におけるフィルム延伸温度(Td)は、Tg〜(Tg+40℃)の温度とするのが好ましい。フィルムの延伸温度がTg(マトリックス相の熱可塑性樹脂のガラス転移点温度)に満たない場合は、延伸自体が困難であり、一方延伸温度が(Tg+40℃)を超える場合は、延伸に要する応力が極端に低くなってしまうため、分子鎖の配向が不足し、得られたフィルムの高延伸方向(x方向)におけるマトリックス相と分散相との屈折率バランスがとりにくくなったり、機械特性、特に破断強度が確保できなくなることがある。
延伸温度のより好ましい範囲は、Tg〜(Tg+20℃)である。
(延伸倍率)
延伸倍率のコントロールは、本発明の屈折率特性、および好ましくはヘーズ特性をも発現する上で一軸延伸に近い延伸フィルムとすることが好ましい。
延伸倍率は、RMD>RTDまたはRTD>RMDであることが好ましい。RMDは縦延伸倍率、RTDは横延伸倍率を示す。これは、RMDとRTDとが等しくなく、どちらか一方の延伸倍率が他方の延伸倍率よりも大きいことを意味する。また、これは必ずしも二軸延伸のみを意味するものではなく、延伸直交方向がフリーの状態で一軸延伸により直交方向が実質的に収縮する場合、具体的にはRMD>RTDであるときのRTD、あるいはRTD>RMDであるときのRMDの値が1未満になる場合を包含する。さらには、テンター方式延伸装置などを用いてむしろ積極的に直交方向を収縮させる場合をも包含する。なお、フィルム特性で定義されるx方向は高延伸方向に相当する。従って、RMD>RTDの場合には、製膜時のMD方向がフィルムのx方向に、TD方向がy方向に該当する。またRTD>RMDの場合には、製膜時のTD方向がフィルムのx方向に、MD方向がy方向に該当する。
延伸倍率は、さらに好ましくは、RMD>RTDの場合にはRMD/RTDが1.0を超え7.0以下であり、かつRTDが0.7以上2.0以下の範囲である。またRTD>RMDの場合にはRTD/RMDが1.0を超え7.0以下であり、かつRMDが0.7以上2.0以下の範囲であることが好ましい。
MD/RTDまたはRTD/RMDが1.0、すなわちRMD=RTDの場合、得られたフィルムのマトリックス相と分散相との屈折率の関係は式(1)(2)の関係を満足するものの、ヘーズ特性が低下することがある。
MD>RTDの場合のRMD/RTD、あるいはRTD>RMDの場合のRTD/RMDが、7.0を超える場合、本発明の屈折率特性が得られなくなり、また延伸倍率の低い方向の機械特性が低下して脆くなる可能性がある。
MD>RTDの場合のRTD、あるいはRTD>RMDの場合のRMDが0.7に満たない場合、すなわち延伸直交方向がフリーな場合に、延伸直交方向が極端に収縮すると、フィルムの平面性や均一性を損なうばかりか、この場合も延伸倍率の低い方向の機械特性が低下し脆くなる可能性がある。一方、RMD>RTDの場合のRTD、あるいはRTD>RMDの場合のRMDが2.0を超える場合、マトリックス相の屈折率バランスのうち、特にny/nzの値が本発明に規定した範囲にならないことがある。
延伸倍率の相互関係は、より好ましくはRMD>RTDの場合にはRMD/RTDが、またはRTD>RMDの場合にはRTD/RMDが3.0以上5.5以下である。またそれぞれの延伸方向の好ましい範囲は、RMD>RTDの場合にはRMDが3.0以上6.0以下、かつRTDが0.95以上1.75以下の範囲、またはRTD>RMDの場合にはRTDが3.0以上6.0以下、かつRMDが0.95以上1.75以下の範囲である。
(延伸速度)
延伸速度は5〜500000%/分であることが好ましい。
(熱固定処理)
本発明のフィルムは、熱寸法安定性を付与させるために熱固定処理を施すことが必要である。熱固定処理は、延伸したフィルムに一定の張力をかけて寸法を所定の条件にて固定した状態で、樹脂が十分結晶化しうる温度で熱処理を行うものである。
具体的な手法として多く用いられるものとして、テンター式オーブンにて延伸した後、クリップを把持して寸法を所定の値に固定したまま、熱処理温度に設定したゾーンにフィルムを導く方法を例示することができる。寸法固定する条件として、延伸直後の幅を保つ方法、幅を縮めて弛緩させる方法、または逆に幅を広げて更なる緊張を与える方法、のいずれの方法を用いてもよく、所望する物性により適宜選択すればよい。また縦方向の寸法安定性を向上させるためには、上記熱処理ゾーン内で、フィルムを把持したクリップの間隔を所定の値に制御する方法、熱処理ゾーン内でフィルムをクリップ把持から開放し、入/出側の速度比を微調整して所望する物性を得る方法、などを例示することができる。
該熱処理温度は、マトリックス相の熱可塑性樹脂の結晶融解温度より20℃以上低い温度で行う必要があり、30℃以上低いことが好ましい。熱処理による結晶化は、被熱による樹脂中分子鎖運動の活性化とそれに引続く結晶化との共奏過程であり、処理温度が高すぎると分子鎖運動が活発になりすぎて延伸により生成した配向も損なわれてしまうため、屈折率特性が変動し、透過率特性や反射率特性が低下することがある。一方、熱固定処理温度の下限はマトリックス相を形成する熱可塑性樹脂のガラス転移点(Tg)より50℃以上であることが好ましい。
必要に応じ、この熱固定処理に加え、熱弛緩処理などの更なる熱寸法安定化処理を施してもよい。
(フィルムの後加工)
延伸したフィルムは、他基材との貼合時の接着性向上などの必要に応じて、表面活性化処理(コーティング、コロナ放電、プラズマ処理など)などの後加工を施しても良い。この後加工はフィルム延伸工程中に行っても良く、また別工程で行っても良い。
(高透明反射型スクリーン)
本発明のフィルムは、良好な透過視認性と良好な散乱反射性とを兼備しており、かつ、耐熱寸法安定性に優れており、被熱によってこれらの散乱反射性と透過視認性が変化しないことから、各種の高透明反射型スクリーン用フィルムとして好適に使用することができる。具体的には本発明の高透明反射型スクリーン用フィルムの少なくとも片面に粘着剤または接着剤加工を施し、ガラス板、透明樹脂シートなどの透明基材に貼合して、窓、パーティションなどの透明建材に、広告、案内・情報、芸術、装飾などの映像コンテンツを投影する高透明反射型プロジェクションスクリーンとして使うことができる。
また本発明の高透明反射型スクリーン用フィルムは、ヘッドアップディスプレイ(HUD)プロジェクションスクリーン機能を持った自動車などのフロント、リア、サイドといった各種ウィンドウ用の表面貼合フィルムや合せガラス用中間膜として好適に使用することができる。合せガラス用中間膜として用いる場合には、例えば本発明の高透明反射型スクリーン用フィルムの両面に、ポリビニルブチラールやエチレン−酢酸ビニル共重合樹脂のような公知の合せガラス中間膜用素材を配し、2枚のガラスの間に挿入して圧着貼合する方法によって製造することができる。
以下、実施例により本発明を詳述するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、各特性値は以下の方法で測定した。また、実施例中の部および%は、特に断らない限り、それぞれ重量%および重量%を意味する。
(1)屈折率
得られたフィルムを用い、波長473nm、633nm、830nmの3種のレーザー光を使用し、屈折率計(Metricon社製、プリズムカプラ)によって3方向における屈折率nx、ny、nzを測定した。この屈折率を下記のCauchyの屈折率波長分散フィッティング式
ni(λ)=a/λ+b/λ+c
(ここで、ni(λ):波長λ(nm)における各方向の屈折率(i=x、y、z)、a、b、c:定数、をそれぞれ示す。添字j(j=1,2)は、本測定時に観測される2種類の屈折率値に便宜的につけた番号である)
に代入し、得られた3つの式からa、b、cの定数を求めた。しかる後に589.3nmにおける屈折率(nx(589.3)、ny(589.3)、nz(589.3))を算出した。
各方向それぞれにおいて、niおよびniのいずれかがマトリックス相の屈折率n、他方が分散相の屈折率Nであるが、これらは下記の方法により各相単独の屈折率n’i、N’を測定し、これに近い値を選択することにより判別した。
(1−1)マトリックス相の屈折率
各実施例、比較例で使用したマトリックス相の熱可塑性樹脂を用いて、各実施例、比較例と同じ条件でフィルムを作成し、上記(1)と同じ方法で3方向における屈折率n’i(i=x、y、z)を測定した。
(1−2)分散相の屈折率
(1−2a)分散相が微粒子あるいはその凝集体からなる場合
浸液法にて、微粒子あるいはその凝集体単独の屈折率N’を直接測定した。屈折率が既知の標準液を準備し、スライドガラスとカバーガラス間に少量のサンプル粉体とともに挟んで液膜とし、アナライザーをはずした偏光顕微鏡にセットする。光源としてNaD線を用い、光量を絞った状態で観察すると、サンプルと標準液の屈折率が異なる場合、サンプル粉体の周囲にBecke線が観測される。顕微鏡のサンプルステージを下から上にごくわずかに動かした際に、サンプルの屈折率の方が標準液のものより高い場合はBecke線がサンプル粉体から標準液の方に移動し、逆の場合は、Becke線は逆方向に移動する。各実施例、比較例で使用した分散相の種類に応じて順次標準液の屈折率を変えながら測定を繰り返し、Becke線が観測されなくなったときの標準液の屈折率を分散相単独の屈折率N’とした。
(1−2b)分散相が熱可塑性樹脂である場合
該熱可塑性樹脂単独の板状サンプルを作成し、上記(1)と同じ方法で3方向における屈折率N’i(i=x、y、z)を測定し、さらにこれらを平均して分散相単独の屈折率N’を算出した。
該熱可塑性樹脂単独の板状サンプルは、該熱可塑性樹脂の樹脂ペレット少量を2枚のテフロン(登録商標)シート間に挟んで加熱ステージのついたプレス機にセットし、該熱可塑性樹脂の熱分解温度より10℃以上低く、かつガラス転移温度または融点より十分高い温度で、0.5MPaの圧力で1分プレスした後、ガラス転移温度以下に急冷して作成した。
(2)フィルムの光線透過率(全光線透過率、平行光線透過率)、ヘーズ
市販の偏光フィルムを用い、偏光フィルムの透過軸を得られたフィルムの最大屈折率方向(x方向)およびその直交方向(y方向)と平行になるように重ね合せて、それぞれの積層サンプルを作成した。
得られた積層サンプルを、ヘーズメーター(日本精密光学(株)製、POICヘーズメーター SEP−HS−D1)内に、偏光フィルムを光源側に、かつ偏光フィルムの透過軸方向が鉛直となるようにセットし、JISK7105に準拠して、全光線透過率(%)、平行光線透過率(%)及びヘーズ(%)を測定した。
(3)フィルムの全光線反射率
得られたフィルムを用い、JISK7105に準拠して全光線反射率(%)を測定した。
(4)フィルムの熱収縮率
温度120℃に設定されたオーブン中に予め正確な長さを測定した長さ約30cm四方のフィルムを懸垂し、無荷重下、30分間保持処理した後取り出し、室温に戻してからその寸法の変化を読み取る。熱収縮率は下記式(5)で定義される。熱収縮率は、フィルムのx方向およびy方向それぞれについて測定した。
熱収縮率=((|L−L|)/L)×100(%) ・・・(5)
(上式中、Lは熱処理前のフィルムの長さ、Lは熱処理後のフィルムの長さをそれぞれ表す)
(5)フィルムの破断強度
測定装置として、25℃、50%RHの室内に設置された引張試験機(東洋ボールドウィン社製、「テンシロン(登録商標)」)を用い、得られたフィルムから測定方向が長片となるように100mm×10mmのサンプルを採取し、50mm間隔にセットしたチャックに挟んで固定した後50mm/分の速度で引張り、試験機に装着されたロードセルで荷重を測定した。そして、フィルムが破断した時点の荷重を読取り、引張前のサンプル断面積で割って応力(MPa)を計算した。フィルムの破断強度はフィルムのx方向およびy方向それぞれについて測定した。
(6)合せガラスの透過視認性、散乱反射性
厚さ3mm、寸法1100mm×900mmの2枚のフロートガラス板を対向させ、該ガラス板と同寸法の以下3枚の中間膜を重ね合せてガラス板間に挿入した。
第一中間膜:エチレンビニルアセテート共重合体(積水化学製 S−LEC EN Film フィルム厚み0.4mm)
第二中間膜:下記実施例および比較例で得られたフィルム(フィルム厚み0.1mm)
第三中間膜:エチレンビニルアセテート共重合体(積水化学製 S−LEC EN Film フィルム厚み0.4mm)
これらの3枚の中間膜を挿入したガラス板を700mmHg、120℃の条件下で熱圧着し、合せガラスとした。
明るい室内にて、得られた合せガラスを垂直に設置し、手前45°下方より、市販の液晶プロジェクターから画像(黒字に緑色の文字)を投影し、同時に、2m先の物体を観察した。
参照サンプルとして、第二中間膜を用いない以外は上記方法に従って合せガラスを作成し、下記の基準にて評価した。
◎: 参照サンプルと較べて投影画像がより鮮鋭に認識でき、かつ2m先の物体も十分視認できる。
○: 投影画像の認識は可能だが鮮鋭さに欠ける、および/または2m先の物体を視認可能だが鮮鋭さに欠ける。
×: 投影画像が参照サンプルと同様に殆ど認識できない、および/または2m先の物体を視認できない。
(7)フィルム中の粒子の分散状態
フィルムの小片をエポキシ樹脂(リファインテック(株)製の商品名「エポマウント」)中に包埋し、Reichert−Jung社製Microtome2050を用いて高延伸方向(x方向)と平行なフィルム断面を切り出す。得られた断面をO2プラズマを用いてエッチングし、走査型顕微鏡(日立ハイテクノロジース S−4700)を用いて個々の凝集粒子の分散状態が確認できる倍率で観察した。
[実施例1]
固有粘度(オルトクロロフェノール、25℃)0.6dl/gのポリエチレンテレフタレート(以下、PETと記載)のペレット97.0重量%を170℃で3時間乾燥後、分散相を構成する成分としてアクリル微粒子(ロームアンドハース製、商品名「パラロイドBTA712」)3.0重量%と混合し、一軸混練押出機に供給し、溶融温度285℃で溶融後、フィルターで濾過し、ダイから押出した。この溶融物を表面温度をPETのTgより低くした回転冷却ドラム上に押出し、厚み400μmの未延伸フィルムを得た。
得られた未延伸フィルムをテンターに供給し、縦方向には延伸することなく、85℃の温度条件で幅方向に500%/分の延伸速度で4.0倍に延伸し、引き続き、テンター内で定幅を保ったまま、150℃にて1分間の熱固定処理を施し、100μm厚みの延伸フィルム(E1)を得た。得られたフィルムの特性を表1に示す。得られた延伸フィルムはアクリル粒子が凝集状態で分散していた。
[実施例2]
分散相を構成する成分として、110℃で10時間乾燥したポリメチルメタクリレート樹脂(旭化成製、商品名「デルペット60N」)を用い、横方向の延伸倍率を5.0倍とした以外は、実施例1と同様にして延伸フィルム(E2)を得た。得られたフィルムの特性を表1に示す。
[実施例3]
未延伸フィルムの厚みを500μmとし、未延伸フィルムを80℃に予熱し、低速ローラーと高速ローラーの間で15mm上方より800℃の表面温度の赤外線ヒーター1本にて加熱して縦方向に10000%/分の延伸速度にて1.25倍に延伸し、さらに、続いてテンターに供給し、延伸温度85℃、横方向に500%/分の延伸速度にて4.0倍に逐次延伸した以外は、実施例1と同様の操作を繰り返して延伸フィルム(E3)を得た。得られたフィルムの特性を表1に示す。
[実施例4]
マトリックスを構成する熱可塑性樹脂成分として、固有粘度(オルトクロロフェノール、25℃)0.6dl/gのポリエチレン−2,6−ナフタレート(以下PENと記載)のペレット99.4重量%を170℃で3時間乾燥後、分散相を構成する成分として、90℃で10時間乾燥したシンジオタクチックポリスチレン樹脂(出光石油化学製、商品名「ザレック81AC」)0.6重量%と混合して用い、横方向の延伸温度を140℃とし、横延伸倍率を4.5倍、熱固定温度を180℃とした以外は、実施例1と同様の操作を繰り返して延伸フィルム(E4)を得た。得られたフィルムの特性を表1に示す。
[実施例5]
未延伸フィルムの厚みを300μmとし、横延伸倍率を3.0倍とした以外は実施例1と同様の操作を繰り返して延伸フィルム(E5)を得た。得られたフィルムの特性を表1に示す。
[実施例6]
未延伸フィルムの厚みを1024μmとし、縦延伸倍率を3.2倍、横延伸倍率を3.2倍とした以外は、実施例1と同様の操作を繰り返して延伸フィルム(E6)を得た。得られたフィルムの特性を表1に示す。
[実施例7]
マトリックスを構成する熱可塑性樹脂成分としてPET 75重量%に、分散相を構成する成分としてアクリル微粒子(ロームアンドハース製、商品名「パラロイドBTA712」)25重量%を用いた以外は実施例1と同様の操作を繰り返して延伸フィルム(E7)を得た。得られたフィルムの特性を表1に示す。
[比較例1]
マトリックスを構成する熱可塑性樹脂成分としてPET 99.7重量%に、分散相を構成する成分として平均粒径2.0μmの塊状シリカ粒子0.3重量%を用いた以外は実施例1と同様の操作を繰り返して延伸フィルム(C1)を得た。得られたフィルムの特性を表1に示す。
[比較例2]
マトリックスを構成する熱可塑性樹脂成分としてPET 65重量%に、分散相を構成する成分としてアクリル微粒子(ロームアンドハース製、商品名「パラロイドBTA712」)35重量%を用いた以外は実施例1と同様の操作を繰り返して延伸フィルム(C2)を得た。得られたフィルムの特性を表1に示す。
[比較例3]
熱処理の温度を240℃とした以外は実施例1と同様の操作を繰り返して延伸フィルム(C3)を得た。得られたフィルムの特性を表1に示す。
[比較例4]
未延伸フィルムの厚みを150μmとし、横延伸倍率を1.5倍とした以外は実施例1と同様の操作を繰り返して延伸フィルム(C4)を得た。得られたフィルムの特性を表1に示す。
[比較例5]
テンターで延伸した後に室温まで急冷し、熱処理を行わなかった以外は実施例1と同様の操作を繰り返して延伸フィルム(C5)を得た。得られたフィルムの特性を表1に示す。
Figure 2008112040
本発明の高透明反射型スクリーン用フィルムは、視認者側から投影される投影光を散乱反射し、かつ外光による映像も該フィルムを通じて視認できる高透明性を有すること、さらに高温熱処理後もその視認性が維持されることから、視認者側から両映像を良好に視認することができ、建材用高透明反射型プロジェクションスクリーン用、ヘッドアップディスプレイプロジェクションスクリーン用等の高透明反射型スクリーン用フィルムを提供することができる。

Claims (8)

  1. 熱可塑性樹脂を含むマトリックス相及び分散相からなる高分子フィルムであって、マトリックス相の屈折率と分散相の屈折率とが下記式(1)(2)を満たし、
    |(Ny+Nz)/2−(n+n)/2|≦0.05 ・・・(1)
    |n−N|>0.05 ・・・(2)
    (ここで、nはマトリックスの屈折率、Nは分散相の屈折率をそれぞれ表し、nはフィルム平面内でもっとも屈折率が高い方向のマトリックス屈折率、nはフィルム平面内でx方向と直交するy方向のマトリックス屈折率、nはフィルム厚み方向のマトリックス屈折率、Nはx方向の分散相屈折率、Nはフィルム平面内でx方向と直交するy方向の分散相屈折率、Nはフィルム厚み方向の分散相屈折率をそれぞれ表す)
    y方向と平行な直線偏光をフィルム面に垂直に入射した際のフィルムの全光線透過率が85%以上、平行光線透過率が65%以上であり、無偏光状態の光をフィルム面に垂直に入射した際の全光線反射率が30%未満であって、かつ120℃、30分間加熱処理後のフィルムの熱収縮率が、x方向及びy方向のいずれも0%以上10%未満であることを特徴とする高透明反射型スクリーン用フィルム。
  2. y方向と平行な直線偏光に対するヘーズ値Hyとx方向と平行な直線偏光に対するヘーズ値Hxとの比R=Hy/Hxが0.7未満である請求項1に記載の高透明反射型スクリーン用フィルム。
  3. x方向のフィルムの破断強度が150MPa以上、y方向のフィルムの破断強度が15MPa以上である請求項1または2に記載の高透明反射型スクリーン用フィルム。
  4. マトリックス相に含まれる熱可塑性樹脂がポリエステル樹脂である請求項1〜3のいずれかに記載の高透明反射型スクリーン用フィルム。
  5. 分散相が微粒子の凝集体である請求項1〜4のいずれかに記載の高透明反射型スクリーン用フィルム。
  6. 分散相がマトリックス相と異なる熱可塑性樹脂である請求項1〜4のいずれかに記載の高透明反射型スクリーン用フィルム。
  7. 分散相を構成する物質の含有量がフィルムの重量を基準として0.01〜30重量%である請求項1〜6のいずれかに記載の高透明反射型スクリーン用フィルム。
  8. 建材用高透明反射型プロジェクションスクリーン用またはヘッドアップディスプレイプロジェクションスクリーン用である請求項1〜7のいずれかに記載の高透明反射型スクリーン用フィルム。
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