JP2010231080A - スクリーン - Google Patents

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友之 岡村
Tamio Kawasumi
民生 川住
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Abstract

【課題】ぎらつき等のない、コントラストの高い画像を表示でき、かつ製造が容易であるスクリーンを提供する。
【解決手段】
偏光性拡散フィルムを含むスクリーンであって、前記偏光性拡散フィルムは、一軸延伸樹脂フィルムであって、該一軸延伸樹脂フィルムの可視光線に対する透過ヘイズが15〜90%であり、前記一軸延伸樹脂フィルムは、固有複屈折が0.1以上である1種類の結晶性樹脂からなり、前記一軸延伸樹脂フィルムの結晶化度が8〜30%であり、前記一軸延伸樹脂フィルム面の、延伸方向に対して垂直な切断面のTEM像(撮像範囲のフィルム厚さ方向の距離は0.1μm、かつ撮像面積は45μm)で海島構造が観察される、スクリーンを提供する。
【選択図】図1B

Description

本発明は、スクリーンに関し、特に、プロジェクタから投影される画像を表示するスクリーンに関する。
各種プロジェクタから出射された光をスクリーン上に投射して、画像を投影する投射型画像投影装置が開発されている。画像が投影されるスクリーンには、プロジェクタと同じ側から観察する反射型スクリーンと、スクリーンを挟んでプロジェクタと反対側から観察する透過型スクリーンと、がある。反射型スクリーンには、例えば、ショーウインドウなどに使用される、透明な反射型スクリーンも含まれる。
室内照明や太陽光などの外光が入射する明所において、スクリーンに表示された画像を観ることがある。この場合、外光が、プロジェクタから投射される光に重畳してスクリーンに入射するため、特に反射型スクリーンにおいて、画像のコントラストが低下し易くなる。このような使用環境下でも、コントラストの高い画像を表示できるスクリーンが望まれている。
これに対して、高分子マトリクス中に高分子微粒子を分散させた配向フィルムを含むスクリーンが提案されている(例えば、特許文献1)。この配向フィルムは、高分子マトリクス中に高分子微粒子を分散させたフィルムを延伸して得られる。この配向フィルムは、フィルム表面に入射する光のうち特定方向の直線偏光を選択的に透過させる性質(偏光選択性)を有する。これにより、プロジェクタから投射される光に重畳して入射する外光を除去し、画像のコントラストを高めている。
また、ヘイズ異方性を付与したライトガイド用のフィルムなども提案されている(特許文献2〜4を参照)。このフィルムは、フィラーを含有するか、またはフィラーを含有しないポリエチレンナフタレートなどのフィルムを一軸延伸して得られる。そして、フィルムの端面から入射された非偏光のうち、特定偏光のみを散乱出射させて、フィルム端面から入射された光の利用効率を高めている。
国際公開第2006/009293号パンフレット 特開平11−281975号公報 特開2001−264539号公報 特開2001−49008号公報
しかしながら、特許文献1の配向フィルムでは、高分子マトリクス中に高分子微粒子を均一に混合および分散させる必要があるため、製造方法が複雑であった。また、高分子微粒子を分散させた高分子フィルムを延伸するため、高分子マトリクスとの界面が剥離してボイドが生じ易い。このため、界面が剥離した部分で生じる光線散乱が強くなりすぎて、光線損失の原因となるなど、光の拡散性の制御が困難になるという問題があった。
特許文献2〜4のフィルムは、もともとフィルム端面から入射される光に対する偏光選択性を有する導光部材である。このため、フィルム表面から入射される光に対する偏光選択性や、その透過光を拡散させる機能はない。
すなわち、コントラストの高い画像を得るためには、フィルム表面から入射される光のうち特定方向の直線偏光を透過する一方、それと直交する直線偏光を効率よく反射する「偏光選択性」を有すること、かつ、ぎらつき等のない表示品位の高い画像を得るためには、透過光を均一に拡散させる「拡散性」を有することが望まれている。
本発明は、これらの偏光選択性と拡散性を有するスクリーンであって、ぎらつき等のない、コントラストの高い画像を表示でき、かつ製造が容易であるスクリーンを提供することを目的とする。
本発明の第1は、以下のスクリーンに関する。
[1] 偏光性拡散フィルムを含むスクリーンであって、前記偏光性拡散フィルムは、一軸延伸樹脂フィルムであって、該一軸延伸樹脂フィルムの可視光線に対する透過ヘイズが15〜90%であり、前記一軸延伸樹脂フィルムは、固有複屈折が0.1以上である1種類の結晶性樹脂からなり、前記一軸延伸樹脂フィルムの結晶化度が8〜30%であり、前記一軸延伸樹脂フィルム面の、延伸方向に対して垂直な切断面のTEM像(撮像範囲のフィルム厚さ方向の距離は0.1μm、かつ撮像面積は45μm)で海島構造が観察される、スクリーン。
[2] 前記海島構造の二値化画像における明部の面積分率が6〜80%である、[1]に記載のスクリーン。
[3] 前記偏光性拡散フィルムの厚さを100μmとしたときの透過偏光度は30〜90%である、[1]または[2]に記載のスクリーン。
[4] 前記スクリーンが、反射型スクリーンであって、前記偏光性拡散フィルムの反射偏光度は55〜90%である、[1]〜[3]のいずれかに記載のスクリーン。
[5] 前記偏光性拡散フィルムの、可視光線に対する全光線反射率が15%以上50%未満である、[4]に記載のスクリーン。
[6] 前記スクリーンが、透過型スクリーンであって、前記偏光性拡散フィルムの可視光線に対する全光線透過率が60〜85%であり、かつ、前記偏光性拡散フィルムの延伸方向に平行な偏光に対する透過ヘイズHpが30〜99.9%であり、前記延伸方向に垂直な偏光に対する透過ヘイズHvがHp/2以下である、[1]〜[3]のいずれかに記載のスクリーン。
[7] 前記結晶性樹脂が、ポリエチレンテレフタレートである、[1]〜[6]のいずれかに記載のスクリーン。
[8] 前記偏光性拡散フィルムの延伸方向が、該偏光性拡散フィルムに入射する直線偏光の偏光軸とほぼ平行に配置されて用いられる、[1]〜[7]のいずれかに記載のスクリーン。
[9] 前記偏光性拡散フィルムは、固有屈折率が0.1以上である結晶性樹脂からなる非晶状態のシートを加熱して、結晶化シートを得るステップ、および、前記結晶化シートを主として一軸方向に延伸するステップ、を含む製造方法により得られる、[1]〜[8]のいずれかに記載のスクリーン。
本発明の第2は、以下のスクリーンに関する。
[10] 反射層をさらに含む、[4]に記載のスクリーン。
[11] 色素層をさらに含む、[1]〜[10]のいずれかに記載のスクリーン。
[12] 前記色素層は、420nm〜530nmの波長領域に吸収極大を有する色素、および/または、530nm〜630nmの波長領域に吸収極大を有する色素を含む、[11]に記載のスクリーン。
[13] 前記色素層が、配向した二色性色素を含むことにより偏光性を有し、前記色素層の吸収軸と前記偏光性拡散フィルムの延伸軸とがほぼ垂直である、[11]または[12]に記載のスクリーン。
本発明によれば、偏光選択性と拡散性を有するスクリーンであって、ぎらつき等のない、コントラストの高い画像を表示でき、かつ製造が容易であるスクリーンを提供できる。
偏光性拡散フィルムの、延伸方向に平行な断面TEM像である。 偏光性拡散フィルムの、延伸方向に垂直な断面TEM像である。 図1Bに示されるTEM像の二値化画像である。 本発明のスクリーンを用いた実施形態の一例を示す図である。 本発明のスクリーンを用いた実施形態の他の例を示す図である。 実施例のフィルムの物性や評価結果を示す表である。 比較例のフィルムの物性や評価結果を示す表である。
本発明のスクリーンは、偏光性拡散フィルムを含み、必要に応じて基板を含んでもよい。
〔偏光性拡散フィルム〕
偏光性拡散フィルムとは、「偏光選択性」と「拡散性」を兼ね備えたフィルムである。偏光選択性とは、特定方向の直線偏光を、これと直交する直線偏光よりも多く透過させ、特定方向の直線偏光と直交する直線偏光をより多く反射する特性をいう。一方、拡散性とは、透過光または反射光を拡散させる特性をいう。すなわち、偏光性拡散フィルムは、特定方向の直線偏光を透過させて拡散させるが、これと直交する直線偏光は反射して光入射側へ戻すことができる。
偏光性拡散フィルムは、一定以上の、可視光線に対する全光線透過率または全光線反射率を有する。全光線透過率が高すぎると、偏光反射性が低い(偏光選択性が低い)ので、透過型スクリーンにおいては画像が見え難くなる。このため、偏光性拡散フィルムの、可視光線に対する全光線透過率は、85%以下であることが好ましく、80%以下であることがより好ましい。透過型スクリーンに用いられる偏光性拡散フィルムの、可視光線に対する全光線透過率は、透明性を確保する上で60%以上であることが好ましい。
一方、全光線反射率が高いほど、偏光反射性も高くなるため反射型スクリーンにおいては好ましいが、一方の偏光を全て反射したとしてもせいぜい(最大)50%程度である。反射型スクリーンに用いられる偏光性拡散フィルムの、可視光線に対する全光線反射率は、15%以上50%未満であることが好ましく、15%以上35%未満であることがより好ましい。
本願における可視光線に対する全光線透過率は、全光線透過率の視感平均値であって、以下の手順で求めることができる。
1)分光光度計の積分球の光線入射口側の試験片設置部の手前に偏光解消板をセットし、偏光解消板表面の法線方向から光を入射できるようにする。これにより、試験片であるフィルム表面の法線方向から無偏光の光を入射できるようにする。フィルム表面に、偏光解消板を透過した波長範囲380〜780nmの光を入射させて、10nm毎に全光線透過率を測定する。
2)前記1)で得られた全光線透過データから、JIS R−3106に基づいて、視感平均値の全光線透過率Ttotalを算出する。
3)算出された全光線透過率Ttotalを、フィルム厚さtを100μmとしたときの値(Ttotal@100μm)に変換してもよい。具体的には、以下の式(1)にあてはめればよい。
このように偏光解消板を使用することにより、分光光度計の分光光がある程度偏光しているとしても、それを補正し、フィルム本来の特性を評価することができる。あるいは、偏光解消板を使用しない場合、1)フィルム表面に、波長範囲380〜780nmの光を照射して、10nm毎に全光線透過率を測定した後、2)前記フィルムを、フィルム表面を含む平面内で90度回転させて、1)と同様にして全光線透過率を測定する。前記1)と2)で測定した全光線透過率データの、各波長での平均値を求めて、平均した全光線透過データを得る。この平均した全光線透過データから、視感平均値の全光線透過率Ttotalを算出してもよい。
可視光線に対する全光線反射率は、以下の手順にて測定できる。
1)分光光度計の積分球の光線入射口の試験片設置部の手前に偏光解消板をセットして、偏光解消板表面の法線方向から光を入射できるようにする。これにより、試験片であるフィルムの法線方向から無偏光の光を入射できるようにする。
2)フィルムを反射測定サンプル取り付け部に取り付けて、無偏光に対する全光線反射率を測定する。上記取り付け部には、副白板(アルミナの完全拡散反射板)が取り付けられている。
3)次いで、フィルム表面に、偏光解消板を透過した波長範囲380〜780nmの光を入射させて、波長10nm毎に全光線反射率を測定する。得られた全光線反射データから、JIS R−3106に基づいて、視感平均値の全光線反射率Rtotalを算出する。
偏光性拡散フィルムの偏光選択性を示す指標の例が「透過偏光度」または「反射偏光度」である。フィルムの透過偏光度とは、偏光Vと、偏光Vに直行する偏光Pのいずれかを、選択的に透過する性質を示す指標である。つまり、偏光性拡散フィルムは、後述するように一軸延伸樹脂フィルムを含むが、その延伸方向(延伸軸)に対して垂直な偏光Vを、延伸方向(延伸軸)に対して平行な偏光Pよりも選択的に透過する性質を有しうる。
透過偏光度は、下記式で示される。下記式において、「Tv」は延伸軸に対して垂直な偏光Vに対する、フィルムの全光線透過率(%)を示す。一方、「Tp」は延伸軸に対して平行な偏光Pに対する、フィルムの全光線透過率(%)を示す。
偏光性拡散フィルムの可視光線に対する透過偏光度は、20%以上であることが好ましく、30%以上であることがより好ましく、40%以上であることがさらに好ましい。また、透過偏光度は、拡散性との兼ね合いから90%以下である。
偏光性拡散フィルムにとって「単位厚み当たりのフィルムの透過偏光度」も重要なパラメータである。単位厚み当たりのフィルムの透過偏光度が低すぎると、偏光性拡散フィルムの性能を確保するために、フィルムを極端に厚くする必要が生じうる。そのため、フィルムの取り扱いや樹脂必要量の観点から好ましくない。従って、フィルム厚さを100μmとしたときの透過偏光度(透過偏光度@100μm)が、30%以上であることが好ましく、40%以上であることがより好ましい。フィルム厚さtを100μmとしたときの透過偏光度は、フィルム厚さtを100μmとしたときのTvおよびTp(Tv@100μmおよびTp@100μm)を式(3)と式(4)から算出して、算出されたTv@100μmおよびTp@100μmを、式(5)にあてはめて求めればよい。
特に、偏光性拡散フィルムを透明型スクリーンに適用する場合には、偏光Vに対するフィルムの全光線透過率Tvが、偏光Pに対するフィルムの全光線透過率Tpよりも、10%以上高いことが好ましい。それにより、優れた表示特性を付与することができる。
透過偏光度の測定は、以下の手順にて行えばよい。
1)分光光度計の積分球の試験片設置部の手前に偏光板をセットして、セットされた偏光板表面の法線方向から光を入射できるようにする。これにより、試験片に、偏光板の吸収軸に対して垂直な直線偏光を入射できる。
2)試験片であるフィルムを偏光板に密着させてセットして、偏光線に対する全光線透過率を測定する。
3)まず、試験片であるフィルムの延伸軸を、入射する直線偏光の偏光方向に対して平行とする。波長範囲380〜780nmの直線偏光を照射して、波長10nm毎に全光線透過率を測定する。測定値を、偏光板の全光線透過率で除し、JIS R−3106に基づいて、延伸軸に平行な偏光の全光線透過率Tpを求める。求めたTpを、Tp@100μmに変換してもよい。
4)次に、試験片であるフィルムを、フィルム表面を含む平面内で90度回転させて、試験片であるフィルムの延伸軸を、入射する直線偏光の偏光方向に対して垂直とする。3)と同様に、波長範囲380〜780nmの直線偏光を照射して、波長10nm毎に全光線透過率を測定する。3)と同様に、測定値を、偏光板の全光線透過率で除し、JIS R−3106に基づいて、延伸軸と垂直な偏光の全光線透過率Tvを求める。求めたTvを、Tv@100μmに変換してもよい。
5)得られた全光線透過率TpとTv、またはTp@100μmとTv@100μmを、前記式(2)または式(5)にあてはめて、透過偏光度を算出する。
フィルムの反射偏光度とは、偏光Vと、偏光Vに直行する偏光Pのいずれかを、選択的に反射する性質を示す指標である。つまり、偏光性拡散フィルムは、後述するように一軸延伸樹脂フィルムを含むが、その延伸方向(延伸軸)に対して平行な偏光Pを、延伸方向(延伸軸)に対して垂直な偏光Vよりも選択的に反射する性質を有しうる。
反射偏光度も、透過偏光度と同様に、下記式にて算出される。下記式において、「Rv」は延伸軸に対して垂直な偏光Vに対する、フィルムの全光線反射率(%)を示す。一方、「Rp」は延伸軸に対して平行な偏光Pに対する、フィルムの全光線反射率(%)を示す。
RpおよびRvの測定は、以下の手順にて行えばよい。
1)分光光度計の積分球の光線入射口の試験片設置部の手前に偏光板をセットして、セットされた偏光板表面の法線方向から光を入射できるようにする。これにより、試験片であるフィルムに、偏光板の吸収軸に対して垂直な直線偏光を入射できるようにする。
2)フィルムを反射測定サンプル取り付け部に取り付けて、直線偏光に対する全光線反射率を測定する。
3)まず、フィルムの延伸軸を、入射する直線偏光の偏光方向に対して平行とする。波長範囲380〜780nmの直線偏光を照射して、波長10nm毎に全光線反射率を測定する。測定値を、偏光板の全光線透過率で除し、JIS R−3106に基づいて、延伸軸に平行な偏光に対する全光線反射率Rpを求める。
4)次に、フィルムを、該フィルム表面を含む平面内で90度回転させて、フィルムの延伸軸を、入射する直線偏光の偏光方向に対して垂直とする。3)と同様に、波長範囲380〜780nmの直線偏光を照射して、波長10nm毎に全光線反射率を測定する。3)と同様に、測定値を、偏光板の全光線透過率で除し、JIS R−3106に基づいて、延伸軸と垂直な偏光に対する全光線反射率Rvを求める。
偏光性拡散フィルムの拡散性を示す指標の例が「透過ヘイズ」および「反射ヘイズ」である。透過ヘイズは、透過した光の拡散性を示す指標であり、反射ヘイズは、反射した光の拡散性を示す指標である。偏光性拡散フィルムの可視光線に対する透過ヘイズは、15%以上であることが好ましく、25%以上であることがより好ましい。透過光の拡散を均一にすることで、スクリーンに投影される画像のぎらつきをなくし、均一な明るさを与えるためである。また、透過ヘイズは、90%以下であることが好ましい。透過ヘイズが高すぎるフィルムは、光線損失などにより画像を暗くするからである。
偏光性拡散フィルムにとって「単位厚み当たりのフィルムの透過ヘイズ」も重要なパラメータである。単位厚み当たりのフィルムの透過ヘイズが低すぎると、偏光性拡散フィルムの性能を確保するために、フィルムを極端に厚くする必要が生じうる。そのため、フィルムの取り扱いや樹脂必要量の観点から好ましくない。一方、単位厚み当たりのフィルムの透過ヘイズが高すぎると、所望の厚みのフィルムの透過ヘイズが高くなりすぎ、光線損失などにより画像を暗くしてしまう場合もある。従って、フィルム厚さを100μmとしたときの透過ヘイズ(透過ヘイズ@100μm)が、20〜90%であることが好ましく、30〜80%であることがより好ましい。
透過ヘイズおよび透過ヘイズ@100μmの測定は、以下の手順で行えばよい。
1)分光光度計の光線入射口の試験片設置部の手前に偏光解消板をセットし、偏光解消板表面の法線方向から光を入射できるようにする。これにより、試験片であるフィルム表面の法線方向から無偏光の光を入射できるようにする。フィルム表面に、波長範囲380〜780nmの光を照射して、波長10nm毎に平行光線透過率を測定する。
2)前記1)で得られた平行光線透過データから、JIS R−3106に基づいて、視感平均値の平行光線透過率Tparaを算出する。
3)前記2)算出された平行光線透過率Tparaと、前述の全光線透過率Ttotalから、透過へイズを以下の式(7)から算出する。
4)前記2)で算出された平行光線透過率Tparaを、フィルム厚さtを100μmとしたときの値(Tpara@100μm)に変換する。具体的には、以下の式(8)にあてはめればよい。
5)前記4)で算出されたフィルム厚さtを100μmとしたときの平行光線透過率(Tpara@100μm)と前述のフィルム厚さtを100μmとしたときの全光線透過率(Ttotal@100μm)から、フィルム厚さtを100μmとしたときの透過へイズ(透過ヘイズ@100μm)を以下の式(9)から算出する。
反射ヘイズは、下記式にて算出される。下記式において、「Rd」は拡散反射率を示し、「Rtotal」は全光線反射率を示す。
全光線反射率Rtotalは、前記したように測定される。拡散反射率Rdは、積分球にライトトラップを取り付けた以外は、全光線反射率Rtotalと同様に測定される。つまり、積分球にライトトラップを取り付けずに測定される全光線反射率は、フィルム表面に入射角6°(本実施形態で用いた分光光度計の場合)で入射して「正反射した」成分と、フィルム表面で「拡散反射」した成分と、を含んでおり、ライトトラップは前記「正反射した」成分を取り除く部材である。
特定の直線偏光に対する拡散反射性を高めるためには、特定の直線偏光に対する反射ヘイズが適切な範囲にあるとよい。特定の直線偏光に対する反射ヘイズは、RpおよびRvの測定方法において、積分球にライトトラップを取り付けて、それぞれの直線偏光に対する拡散反射率を求め、これを式(10)のRdに当てはめることで、それぞれの直線偏光に対する反射ヘイズを求めることができる。
以上の通り、偏光性拡散フィルムは、光学特性においては主に、可視光線に対する「透過偏光度」または「反射偏光度」、「透過ヘイズ」または「反射ヘイズ」および「全光線透過率」または「全光線反射率」の3つの光学特性で特徴付けられうる。つまり、偏光性拡散フィルムにおいて、3つの光学特性が高次元でバランスされていること、特に「単位厚み当たりの透過ヘイズ」と「透過偏光度」または「反射偏光度」との両立に利点がある。この利点は、後述のフィルムの結晶化度や「結晶性が相対的に高い部分」と「結晶性が相対的に低い部分」との混在状態により実現されていると考えることができる。
反射型スクリーンに用いられる偏光性拡散フィルムにおいては「反射偏光度」が、画像の見えやすさやコントラストに大きく影響すると考えられる。よって、反射偏光度は、55〜90%の範囲であることが好ましい。
透過型スクリーンに用いられる偏光性拡散フィルムにおいては「特定の直線偏光に対する透過ヘイズ」が、画像の見えやすさやコントラストに大きく影響すると考えられる。特定の直線偏光に対する透過ヘイズ、具体的には、フィルムの延伸軸に平行な直線偏光に対する透過ヘイズHpは、前述の透過偏光度の測定を、積分球を使用しないで行うことによって得られる「延伸軸に平行な偏光に対する平行光線のTp」を式(7)のTparaに;積分球を使用して測定して得られる「延伸軸に平行な偏光に対する全光線のTp」を式(7)のTtotalに;それぞれ当てはめることによって算出される。同様に、フィルムの延伸軸に垂直な直線偏光に対する透過ヘイズHvも、前述の透過偏光度の測定を積分球を使用しないで行うことによって得られる「延伸軸に垂直な偏光に対する平行光線のTv」を式(7)のTparaに;積分球を使用して測定して得られる「延伸軸に垂直な偏光に対する全光線のTv」を式(7)のTtotalに;それぞれ当てはめることによって算出される。フィルムの延伸方向に平行な偏光に対する透過ヘイズHpは、30〜99.9%であり、延伸方向に垂直な偏光に対する透過ヘイズHvは、Hp/2以下であることが好ましい。
透過偏光度、透過ヘイズ、および全光線透過率の測定は、例えば、日立ハイテクノロジーズ社製分光光度計U−4100と、必要に応じて150φ積分球付属装置を用いて行えばよい。反射偏光度、反射ヘイズ、および全光線反射率の測定についても、同様に行うことができる。
偏光性拡散フィルムは、結晶性樹脂の樹脂フィルムを含み、好ましくは一軸延伸樹脂フィルムを含む。偏光性拡散フィルムは、ボイドの発生を抑制する点で、1種類の結晶性樹脂からなる一軸延伸樹脂フィルムであることがさらに好ましい。一軸延伸樹脂フィルムが、複数種の樹脂からなる樹脂アロイであると、異なる種類の樹脂同士の間に界面が発生して相分離し易くなるためである。特に、複数種の樹脂同士の相溶性が低いと、前記界面の接着力が弱いため、延伸時に界面が剥離してボイドが生じ易くなる。ボイドが生じると、ボイドにおける光線散乱が強くなりすぎて光線損失の原因となり、光拡散性の制御が困難となる。このようなボイドは、相溶性の高い樹脂の組合せを選択したり、いずれの樹脂にも相溶性の高い接着剤を用いたりすることである程度抑制できるが、製法が複雑であるだけでなく高コストである。
結晶性樹脂とは結晶性高分子を含む樹脂であり、結晶質領域の形成が多い樹脂材料である。ここで結晶性樹脂の固有複屈折が、一定以上の値であることが好ましい。
固有複屈折とは「高分子の分子配向性の高さを示すパラメータ」であり、以下の式で示される。下記式において、Δnは固有複屈折;nは平均屈折率;Nはアボガドロ数;ρは密度;Mは分子量;αは分子鎖方向の分極率;αは分子鎖と垂直方向の分極率を示す。
固有複屈折が高い樹脂は、延伸やその他の手段で加工したときに、分子が配向して、その複屈折が大きくなる特性を示す。
種々の樹脂の固有複屈折は、例えば特開2004−35347号公報などに記載されている。偏光性拡散フィルムに含まれる一軸延伸樹脂フィルムの結晶性樹脂の固有複屈折は、0.1以上であることが好ましい。固有複屈折が0.1以上である結晶性樹脂の例には、ポリエステル系樹脂、芳香族ポリエーテルケトン樹脂および液晶性樹脂が含まれる。
固有複屈折が0.1以上であるポリエステル系樹脂の具体例には、ポリエチレンレテフタレート、ポリエチレン-2,6-ナフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどが含まれる。固有複屈折が0.1以上であるポリエステル系樹脂の具体例には、さらに、前記ポリエステル樹脂の共重合体や、前記ポリエステル樹脂にコモノマーとしてイソフタル酸、シクロヘキサンジメタノール、ジメチルテレフタレートなどが0.1mol%以上含まれたものも含まれる。
固有複屈折が0.1以上である芳香族ポリエーテルケトン樹脂の具体例には、ポリエーテルエーテルケトンが含まれる。固有複屈折が0.1以上である液晶性樹脂の具体例には、エチレンテレフタレートとp−ヒドロキシ安息香酸の重縮合体が含まれる。
偏光性拡散フィルムは、結晶性樹脂の一軸延伸フィルムを含むことが好ましい。一軸延伸によりフィルム化された結晶性樹脂は、それに含まれる結晶性高分子の分子鎖が配向されたり、結晶相と非晶相とが混在していたりすると思われる。
結晶性樹脂の一軸延伸フィルムは例えば、(1)結晶性樹脂からなる結晶化シートを準備するステップ、(2)結晶性樹脂からなる結晶化シートを主として一軸方向に延伸するステップ、を含むフローにて製造されうる。
前記の通り、結晶性樹脂は、その固有複屈折が0.1以上である結晶性樹脂であることが好ましい。加工性、光学特性に優れ、かつ低コストであるため、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートが好ましい。結晶性樹脂からなるシートは、市場から入手可能なものでもよく、押出成形などの公知のフィルム成形手段で作製されてもよい。結晶性樹脂からなるシートは、単層であっても、多層であっても構わない。
結晶性樹脂からなる結晶化シートは、一定の結晶化度(例えば、3〜20%)を有していればよい。過剰に高い結晶化度を有するシートには、大きい結晶粒が含まれることがあるため、一軸延伸させて得られたフィルムに、偏光性拡散フィルムとしての所望の光学特性が付与できなかったり、結晶化度が高すぎて延伸自体が困難になったりすることがある。
結晶性樹脂からなる結晶化シートは、非晶状態の樹脂シートを加熱処理して結晶化させて得ることができる。1)非晶状態の樹脂シートを加熱処理により結晶化したシートを、延伸装置にセットして、延伸加工をしてもよいし(オフラインによる加熱処理)、または2)加熱処理により結晶化されていない非晶状態の樹脂シートを、延伸装置にセットして、延伸装置にて加熱処理して、その直後に延伸加工をしてもよい(インラインによる加熱処理)。
非晶状態の樹脂シートを結晶化するための加熱処理温度(T)は、特に限定されず、ガラス転移温度Tgと結晶性樹脂の融解温度Tmとの間の温度範囲に設定されるか、または以下の式の関係を満たすことが好ましい。下記式において、Tcは結晶性樹脂の結晶化温度であり、Tmは結晶性樹脂の融解温度である。
Tc−30℃≦T<Tm−10℃
結晶性樹脂の結晶化温度(Tc)は、シートまたは結晶化していない状態の(過冷却状態にある)結晶性樹脂の示差走査熱量分析(DSC)により求めることが好ましい。示差走査熱量分析(DSC)は、JIS K7122に準拠して行えばよい。結晶性樹脂の融解温度(Tm)も、JIS K7122に従って示差走査熱量分析により求めることが好ましい。
結晶性樹脂からなるシートの、延伸直前での結晶化度は、延伸処理後の樹脂フィルムの結晶化度が8〜30%となるように設定されることが好ましい。そのため、通常は3〜20%であることが好ましい。結晶性樹脂からなる結晶化シートの結晶化度は、密度法による測定やX線回折法による測定から求めることができ、結晶粒の大きさは、偏光顕微鏡による観察により求めることができる。具体的には、後述の一軸延伸フィルムの結晶化度の測定と同様に行えばよい。
結晶性樹脂からなる延伸前のシートの厚みは、(2)の工程の延伸により得ようとする偏光性拡散フィルムの厚みと延伸倍率によって主に決められるが、50〜2000μm程度である。偏光性拡散フィルムの厚みは、20〜500μmであり、好ましくは30〜300μmである。薄すぎる偏光性拡散フィルムは、十分な剛性を有さず、平面性を保持し難くなり、取り扱いが困難になる場合がある。一方、厚すぎる偏光性拡散フィルムは、ロール形態に巻くことが困難であったり、必要樹脂量が増えて生産性を低下させたりする場合がある。
結晶性樹脂からなる結晶化シートを、一軸延伸する手段は特に限定されない。「一軸延伸」とは、一軸方向の延伸を意味するが、本発明の効果を損なわない程度に、当該一軸方向とは異なる方向に延伸されていてもよい。用いる延伸設備などによっては、一軸方向に延伸しようとしても、当該一軸方向とは異なる方向にも、実質的に延伸されることがある。前記「一軸延伸」には、このような延伸も含む。
例えば、所望とする延伸方向に対して垂直な方向にも、シートが延伸されることがある。通常、純然たる一軸延伸とは、延伸前のシート原反4辺のうちの相対する2辺だけを固定して、延伸方向に垂直な方向の両端をフリーな状態にして延伸する(「横フリー一軸延伸」ともいう)。横フリー一軸延伸では、延伸に伴い延伸方向に垂直な方向はポアソン変形により収縮する。よって、延伸方向に垂直な方向には延伸されない。
一方、バッチ延伸機を用いて延伸する場合、原反の4辺を固定(クランプ)する。このため、一方向にのみ原反を延伸しても、延伸方向に垂直な方向の端部は固定されている(「横固定一軸延伸」ともいう)ため収縮できず、延伸方向に垂直な方向にも、僅かではあるが実質的に延伸されたことになる。
前記「一軸延伸」は、横フリー一軸延伸および横固定一軸延伸を含む。横フリー一軸延伸の例には、ロール延伸法等が含まれ、横固定一軸延伸には、上記以外にテンター法による横一軸延伸が含まれる。
一軸延伸をする直前に、結晶性樹脂からなるシートを予熱してもよい。予熱温度は、通常ガラス転移温度Tgから融点Tmまでの温度で任意選択できるが、前記延伸前のシートの結晶化度を3〜20%に調整するため、Tc−30℃≦T<Tm−10℃で行なうことが好ましい。例えば、ポリエチレンテレフタレートからなるシートの場合は、予熱温度を100〜240℃とする。
予熱時間は、(1)で得られたシートを所定の温度まで加熱できるに十分な時間以上であればよい。一方で、長時間の予熱は、結晶化度を過剰に(例えば、30%超に)高め、延伸を困難にすることがある。したがって予熱時間は、所望の結晶化度となるように適宜調整される。例えば、ポリエチレンテレフタレートからなるシートの場合は、予熱時間は0.1〜10分が好ましい。
一軸延伸の延伸速度は特に限定されないが、10〜500%/秒とすることが好ましく、より好ましくは20〜300%/秒である。延伸速度とは、初期のサンプル長さをLoとし、時間t後における延伸されたサンプルの長さをLとしたとき、以下の式で表される。
延伸速度(%/sec)=(L−Lo)/Lo/t×100
延伸速度が速すぎると、延伸応力が増大して設備への負担が大きくなり、結果として均一に延伸しにくいことがある。一方、延伸速度が遅すぎると、生産速度が極端に遅くなるため、生産性が低下することがある。
延伸倍率も、選択する樹脂に応じて選択され、特に限定されない。ポリエステル系樹脂の場合は2〜10倍が好ましい。延伸倍率が大きすぎると、延伸切れが発生する可能性が高くなることがあり、小さすぎると十分な分子配向状態が得られないことがある。
偏光性拡散フィルムに含まれる結晶性樹脂からなる一軸延伸樹脂フィルムの結晶化度は、8〜30%であることが好ましい。結晶化度は、延伸前の結晶性樹脂からなるシートの結晶化度と同様に、密度法による測定やX線回折法による測定から求めることができる。密度法とは、樹脂の密度から結晶化度を求める方法である。基準とする樹脂の密度は、例えば以下の文献に記載されている。
R.de.P.Daubeny,C.W.Bunn,C.J.Brrown,Proc.Roy.Soc.,A226,531(1954)
樹脂の密度の測定の好ましい例には、密度勾配管法による測定が含まれる。密度勾配管法とはJIS−7112に規定されており、測定溶液の調製以外はJIS−7112に準じて行うことができる。密度勾配管法による密度測定は、例えば、密度勾配管法比重測定用水槽(OMD−6/池田理化工業株式会社)を用いて行えばよい。
結晶性樹脂からなる結晶化シートを一軸延伸することによって得たフィルム内には、結晶相と非晶相とが混在する。偏光性拡散フィルムにおいて、「結晶性が相対的に高い部分」と「非晶性が相対的に高く結晶性が相対的に低い部分」との混在状態は、フィルムを薄切片化して観察したTEM画像により観察されうる。偏光性拡散フィルムのTEM像における「明部」が、結晶性が相対的に高い部分であり;「暗部」が、結晶性が相対的に低い樹脂で部分であると考えられる。TEM像における「明部」と「暗部」の結晶性の比較は、顕微ラマン分析(分解能1μm)で明部と暗部との両方横切るようにスキャンして、ラマンスペクトルを分析して確認されうる。
延伸方向に平行なフィルム断面TEM像には、延伸方向に伸びた構造の明部が見られる(図1A参照)。一方、延伸方向に対して垂直なフィルム断面TEM像には、方向性のない島状の明部か、またはフィルム表面と平行な方向に若干伸びた明部が見られる(図1B参照)。このような島相の大きさに特に制限はないが、光学的な効果を実現する観点からは100nm以上、特に好ましくは100nm〜20μmである。なお、100nm未満の島相がともに存在していても差し支えない。
さらに、偏光性拡散フィルムは、延伸方向に対して垂直な断面のTEM像(図1B参照)の二値化処理画像(図1C参照:図1BのTEM像を二値化処理した画像)における「明部の面積分率」が、6〜80%であることが好ましく、10〜75%であることがより好ましく、30〜60%であることがさらに好ましい。
TEM像における「明部」と、「暗部」とは、必ずしも明らかではいないが、その部分の樹脂の密度や結晶性が異なると考えられる。密度や結晶性が相違するために、その屈折率や、配向性や、複屈折も相違すると考えられる。
フィルムの断面TEM像において、明部が、暗部に分散している場合には、それぞれを構成する樹脂の屈折率の違いから、フィルムの界面反射あるいは光散乱が生じる。したがって、フィルムの断面TEM像において、適度な量の明部が分散していれば、フィルムの透過ヘイズが好適な範囲に調整されうる。
TEM像における「明部」と、「暗部」とは、その樹脂の配向性が異なり、複屈折に差が生じる。複屈折に差が生じる結果、延伸方向に対して平行な方向と垂直な方向とでは、異なる屈折率差が発生する。そのため、延伸方向に対して平行な偏光に対する反射率や光散乱と、垂直な偏光に対する反射率や光散乱に差が生じる。ポリエチレンテレフタレートのように、正の複屈折を有する結晶性樹脂では、延伸方向に対して平行方向の屈折率差が、垂直方向の屈折率差よりも大きくなるため、延伸方向に対して平行な偏光がより反射、散乱されやすい。
フィルムの断面TEM像における明部と暗部との界面が多いほど、延伸方向に対して平行な偏光と垂直な偏光とで、反射量や散乱量の差が大きくなり、フィルムの透過偏光度が大きくなる。各明部の面積が大きすぎたり、明部が連結して互いに分離していなかったりすると、暗部との界面が少なくなる。一方、明部と暗部との界面が多すぎると、散乱しすぎて光線損失が増えたり偏光が乱れたりする。従って、フィルムの断面TEM像における明部が、適度な量、適度な形状で分散していることが重要である。
一軸延伸樹脂フィルムの断面のTEM画像を得るには、まず一軸延伸樹脂フィルムを切断して薄切片試料を得る。前記切断面を、一軸延伸樹脂フィルムの延伸方向に対して垂直として、かつフィルムの厚み方向に対して平行とする。薄切片試料は、一般的な手法で得ることができ、例えば樹脂包理されたフィルムサンプルを、ウルトラミクロトームの試料ホルダーに固定し;剃刀刃を用いてトリミングを行い;ガラスナイフあるいは人工サファイヤナイフで面出しをして;ウルトラミクロトームのダイヤモンドナイフで0.1〜1μm厚みの薄切片を切り出す、ことにより得ることができる。
得られた薄切片試料は、任意に染色をされてもよい。例えば、四酸化ルテニウム結晶の入った染色容器に切片試料を入れて、常温で約2時間蒸気染色してもよい。
染色された、または染色されていない薄切片試料の切断面を、透過電子顕微鏡装置にて撮像して、TEM像(エンドビュー像)を得る。透過電子顕微鏡装置の例には、日立ハイテクノロジーズ社製H−7650が含まれる。加速電圧を、数10〜100kV程度に設定することが好ましい。観察倍率を、例えば、約1000〜4000倍とし;観察視野範囲を5〜10000μmとすることが好ましく、10〜1000μmとすることがより好ましい。約5000〜50000倍で画像を出力する。
出力されたTEM画像のピクセル(画素)ごとの明るさと、画像全体の明るさの平均とを得る。全ピクセルの数に対する、平均よりも明るいピクセルの数の比率を「明部の面積分率」とする。
画像処理は、一般に利用されている画像解析ソフト(例えば WayneRasband作成のImageJ 1.32S)を用いて行うことができる。具体的には、TEM画像をJPEGなどの一般的な画像デジタルファイル(グレースケール、例えば256階調)として;ピクセル毎に階調を求めて、ピクセル数と階調とをヒストグラム化して、画像全体の平均階調を求めて;平均階調を閾値として二値化処理を行い、閾値以上の階調(明るい)のピクセルを1、閾値未満の階調(暗い)のピクセルを0として;全ピクセル数に対する、値1のピクセルの数を算出して、明部の面積分率とする。
なお、TEM観察状態あるいは画像出力における要因により、実際には同一の明るさを有するにも係わらず、出力された画像においては異なる明るさとして出力されることがある。例えば、画像の左側領域と右側領域とで、実際には同一の明るさを有するにも係わらず、異なる明るさとして出力されたり;画像の左側から右側にいくに従って、実際には同一の明るさを有するにも係わらず、徐々に明るくなる結果として出力されたりすることがある。このような場合には、バックグランド補正を行ってから、ヒストグラム化および平均階調算出、二値化処理をして、明部の面積分率を算出することが好ましい。
偏光性拡散フィルムは、前述の結晶性樹脂の樹脂フィルム、好ましくは一軸延伸樹脂フィルムを含むが、当該樹脂フィルムには、紫外線をカットするための公知の紫外線吸収剤、難燃性向上のための公知の難燃剤、耐光性向上のための公知の耐光剤、表示装置の画質を調整するための色剤などが適量含まれていてもよい。また、前記一軸延伸樹脂フィルムの表面に、公知の易接着処理や易滑処理を施して、偏光性拡散フィルムとしてもよい。さらに、前記一軸延伸樹脂フィルムに、公知の処理方法により反射防止処理やアンチニュートンリング処理、帯電防止処理、ハードコート処理を施して、偏光性拡散フィルムとしてもよい。
〔基板〕
本発明のスクリーンは、必要に応じて基板を含んでもよい。基板は、偏光性拡散フィルムを支持する部材であるほか、反射層や色素層として機能する部材であってもよい。基板は、透過型スクリーンまたは反射型スクリーンなどのスクリーンの種類や、スクリーンの構成に応じて適宜選択されればよく、特に限定されない。基板の例には、樹脂基材、ガラス基材などが含まれる。基板の厚みは、例えば0.1〜10mmである。これらの基板には、巻き取り可能な薄さのスクリーン等も含まれる。
基板と、偏光性拡散フィルムとは、例えば接着剤や粘着剤などで貼り合わされてもよいし、予め粘着性を有する基板と直接張り合わされてもよい。基板は、ショーウインドウ等のガラス板であってもよい。その場合、偏光性拡散フィルムを直接ショーウインドウのガラス板上に粘着剤などで貼り付ければよい。接着剤や粘着剤の例には、アクリル系樹脂、シリコン系樹脂、ウレタン系樹脂などが含まれ、透明性、耐候性の良好なアクリル系樹脂が好ましい。これらの接着剤や粘着剤からなる層は、さらに色素を含む色素層であってもよいし、さらに拡散反射体(有機微粒子や無機微粒子等)を含む反射層であってもよい。
以下、本発明のスクリーンを用いた画像投影システムの例について説明する。図2は、本発明の反射型スクリーンを用いた画像投影システムの例を示す図である。
画像投影システム10は、投射光を出射するプロジェクタ12と、プロジェクタ12からの投射光を反射することで画像を投影する反射型スクリーン14と、を有する。この場合、観察者Aは、プロジェクタ12と同じ側から反射型スクリーン14に投影された画像を観察する。
反射型スクリーン14は、基板16と、その上に形成された偏光性拡散フィルム18と、を有している。反射型スクリーン14は、観察者A側に偏光性拡散フィルム18が面するように配置される。
基板16は、偏光性拡散フィルム18が配置された面に反射性(拡散反射性、正反射性、またはそれらの中間的な反射性)を有することが好ましい。このような基板16の例には、アルミ、銀等の金属薄膜;金属および/または誘電体の多層薄膜;金属箔を積層した、フィルム状または板状の樹脂基材やガラス基材;および金属板等が含まれる。公知の拡散反射性を有する白色の樹脂基材、または該白色樹脂基材に上記金属薄膜を形成したもの等も含まれる。基板16が、偏光性拡散フィルム18が配置された面に反射性を有しない場合、偏光性拡散フィルム18と基板16との間に、さらに別途反射層を有していてもよい。偏光性拡散フィルム18は、前述の偏光性拡散フィルムである。
プロジェクタ12は、3板式液晶プロジェクタやDLP方式のプロジェクタあるいはCRT方式のプロジェクタなどでありうる。プロジェクタ12から出射される投射光は、直線偏光であることが好ましい。
直線偏光の偏光軸は、偏光性拡散フィルム18の延伸方向に対して平行であることが好ましい。偏光性拡散フィルム18は、延伸方向に対して平行な偏光Pを、延伸方向に対して垂直な偏光Vよりも選択的に拡散反射(反射および拡散)する性質を有するためである。つまり、反射型スクリーン14に画像を映し出すには、プロジェクタ12からの直線偏光を効率よく反射させる必要があるためである。
直線偏光の偏光軸が、偏光性拡散フィルム18の延伸方向と平行である場合の作用について説明する。
反射型スクリーン14には、プロジェクタ12から出射された直線偏光に、室内照明や太陽光等の外光が重畳された状態で入射する。偏光性拡散フィルム18の延伸方向に対して平行な直線偏光は、偏光性拡散フィルム18で選択的に拡散反射されると共に、画像に寄与しない外光は無偏光であるため、多くは反射されるよりも透過する。このように、偏光性拡散フィルム18は、画像に寄与する直線偏光のみを選択的に拡散反射させることができる。このため、偏光性拡散フィルム18を有する反射型スクリーン14は、ぎらつきがなく、明所においてもコントラストの高い画像を表示できる。特に、偏光拡散フィルム18を透過した外光を吸収する色素層を、偏光拡散フィルム18の背面側(基板16側)に設けることで、明所における画像のコントラストを一層高めることができる。
上記反射型スクリーン14は、透明であってもよい。この場合、基板16は、透明であることが好ましく、具体的には後述する透過型スクリーンにおける基板と同様のものが用いられる。基板16は、反射型スクリーンの部材の一つとして構成されてもよいし、既存のガラス窓やショーウインドウであってもよい。
このように構成された、透明な反射型スクリーンにおいても、前述と同様に、偏光性拡散フィルムの延伸方向に対して平行な直線偏光は、偏光性拡散フィルムで選択的に拡散反射されると共に、画像に寄与しない外光は無偏光であるため、多くは反射されるよりも透過する。このように、偏光性拡散フィルムは、画像に寄与する直線偏光のみを選択的に拡散反射させることができる。このため、偏光性拡散フィルムを有する反射型スクリーンは、ぎらつきがなく、明所においてもコントラストの高い画像を表示できる。
なお、反射型スクリーン14は、観察者Aにとって左右方向の広い視野角で画像を観やすくする上で、プロジェクタ12から投射される直線偏光の偏光軸と、偏光性拡散フィルム18の延伸軸とがほぼ平行である状態を保てるのであれば、偏光性拡散フィルム18の延伸方向がほぼ鉛直になるように配置されてもよい。偏光性拡散フィルム18は、透過した光を、延伸方向(延伸軸)に対して垂直方向に拡散させ易いためである。
図3は、本発明の透過型スクリーンを用いた画像投影システムの例を示す図である。同図において、図2と同一の部材には同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。
画像投影システム20は、投射光を出射するプロジェクタ12と、プロジェクタ12からの投射光を透過および拡散させて画像を投影する透過型スクリーン24と、を有する。この場合、観察者Aは、透過型スクリーン24を介してプロジェクタ12と反対側から画像を観察する。
透過型スクリーン24は、偏光性拡散フィルム28を有し、必要に応じて基板26を有してもよい。透過型スクリーン24は、プロジェクタ12側に偏光性拡散フィルム28が面するように配置される。
基板26は、透明であることが好ましい。このような基板26の例には、ガラス板、アクリル板などが含まれる。偏光性拡散フィルム28は、前述の偏光性拡散フィルムである。基板26は、既にあるガラス窓やショーウインドウであって、偏光性拡散フィルム28が、これらにロールカーテンのように展張されてもよい。この場合、偏光性拡散フィルム28は、ガラス窓やショーウインドウに貼り付けられる前の、片面に粘着層が形成された状態(粘着層の表面には、離型フィルムが付与されてもよい)で提供されてもよい。このようにして用いられる偏光性拡散フィルム28は、比較的良好な剛性を有する点から、厚み0.1mm以上の厚手のフィルム(PETやPC)等であることが好ましい。
プロジェクタ12から出射される直線偏光の偏光軸は、偏光性拡散フィルム28の延伸方向(延伸軸)に対して平行であることが好ましい。延伸方向に対して垂直な偏光Vの透過ヘイズよりも、延伸方向に対して平行な偏光Pの透過ヘイズのほうが大きく、投射画像が散乱されて、投射方向以外の位置からも視認できるようになるためである。
直線偏光の偏光軸が、偏光性拡散フィルム28の延伸方向と平行である場合の作用について説明する。
透過型スクリーン24には、プロジェクタ12から出射された直線偏光に、室内照明や太陽光等の外光が重畳された状態で入射する。偏光性拡散フィルム28の延伸方向と平行な直線偏光は、偏光性拡散フィルム28において多くが拡散透過あるいは拡散反射されるが、残りは画像に寄与しない無偏光の外光とともに透過する。したがって、偏光性拡散フィルム28を透過した画像に寄与する直線偏光は、外光よりも選択的に拡散透過される。これにより、偏光性拡散フィルム28を含む透過型スクリーン24は、明所においてもコントラストの高い画像を表示できる。
なお、透過型スクリーン24は、前述と同様の理由から、観察者Aにとって左右方向の広い視野角で画像を観やすくする上で、プロジェクタ12から投射される直線偏光の偏光軸と、偏光性拡散フィルム28の延伸軸とがほぼ平行である状態を保てるのであれば、偏光性拡散フィルム28の延伸方向がほぼ鉛直になるように配置されることが好ましい。
本発明のスクリーンは、透過型スクリーンおよび反射型スクリーンのいずれにおいても、必要に応じて色素層、波長板、偏光板などの任意の機能層をさらに有してもよい。
色素層は、420nm〜530nmの波長領域に吸収極大を有する色素、および/または、530nm〜630nmの波長領域に吸収極大を有する色素を含む層であることが好ましい。色素層は、1層であってもよいし、多層であってもよい。
色素層は、例えば色素を樹脂中に分散させた層である。色素層は、フィルムであってもよいし、粘着剤であってもよい。粘着剤タイプの色素層は、例えば、特開2006−63195号公報に記載されているものであってもよい。樹脂の例には、アクリル系樹脂、シリコン系樹脂、ウレタン系樹脂などが含まれる。透明性、耐光性等の点から、アクリル系樹脂が好ましい。色素の含有量は、色素の吸収係数、色素層の厚み、光学特性により異なるが、例えば樹脂成分の1ppm〜30質量%である。
色素の例には、キサンテン系、スクアリリウム系、シアニン系、オキソノール系、アゾ系、ピロメテン系、ポルフィリン系の化合物などが含まれ、好ましくはポルフィリン系化合物である。
420nm〜530nmの間の波長領域に吸収極大を有する色素を含有させることにより、この間に存在する波長の光を除去して、青色および/または緑色の色純度を高めることができる。また、530nm〜630nmの間の波長領域に吸収極大を有する色素を含有させることにより、この間に存在する波長の光を除去して、赤色および/または緑色の色純度を高めることができる。これにより、プロジェクタからの投射光または外光に含まれる、不要な波長領域の光を効果的に除去し、スクリーンに表示される画像の色純度を向上させ、かつコントラストを一層高めることができる。
色素層は、配向した二色性色素を含むことで、偏光性を有することが好ましい。この場合、色素層の吸収軸と、偏光性拡散フィルムの延伸軸とがほぼ直交するように、色素層が配置されることが好ましい。これにより、色素層が、偏光性拡散フィルムの延伸軸に対して垂直な偏光V(画像に寄与しない偏光)を、一層効率的に吸収および除去することができ、明所におけるコントラストを向上できる。
二色性色素の例には、偏光能が高い芳香族系環構造を有する化合物が含まれる。このような芳香族系環としては、ベンゼン、ナフタリン、アントラセン、フェナントレン等の芳香環;チアゾール、ピリジン、ピリミジン、ピリダジン、ピラジン、キノリン等の複素環あるいはこれらの4級塩;芳香環と複素環との縮合環が好ましい。二色性色素の他の例には、アゾ系色素;シアニン系色素;インダンスロン等の縮合系を含むアントラキノン系色素;スチルベン系色素;ピラゾロン系色素;ペリレン系色素;ナフタルイミド系色素;トリフェニルメタン系色素;キノリン系色素;オキサジン系色素;チアジン系色素;キノフタロン系色素;インジゴ系色素;チオインジゴ系色素等が含まれる。
配向した二色性色素を含む色素層は、任意の方法で得られる。たとえば、規則的に形成された凹凸面を有する基材上に、前述の色素および二色性色素を含む溶液を塗布、乾燥する方法;二色性色素を練り込んで溶融押出、あるいは二色性色素を溶剤に溶解させた溶液から無延伸フィルムを製膜した後、一軸延伸して配向させる方法;無延伸の高分子フィルムに二色性色素を含浸させた後、一軸延伸して配向させる方法等が含まれる。二色性色素の含有量は、二色性色素を含む溶液全体に対して、例えば0.1質量%以上50質量%以下である。
色素の例には、ニュートラルグレー(黒顔料のみ)も含まれる。これにより、画像に寄与しない外光を吸収させてもよい。そのほか、色素の例には、スクリーンの色調を調整するための、公知の有機染料や顔料も含まれる。色素層は、これらの色素、すなわち黒顔料、調色色素、前記二色性色素、前記特定の波長領域において吸収極大を有する色素等を、複数組合せて含んでもよいし、必要に応じて、公知の紫外線吸収剤や耐候剤等を含んでもよい。
色素層が、配向した二色性色素を含む代わりに、別に偏光板を設けてもよい。偏光板は、公知の偏光板、例えば二色性偏光板であってよい。
波長板は、公知の波長板であってもよく、特に限定されない。波長板の例には、1/4波長板、1/2波長板などが含まれる。これらの波長板は、プロジェクタから投射される直線偏光の向きを回転させる(例えば、1/2波長板で直線偏光の偏光軸を90°回転させる)必要がある場合に、適宜用いられうる。
色素層および偏光板等の各部材は、スクリーンの種類や用途に応じて、任意に配置されうる。
反射型スクリーンでは、色素層および偏光板は、偏光性拡散フィルムと、基板および/または反射層との間に配置されることが好ましい。偏光性拡散フィルムを透過した光から外光を吸収除去するためである。透明な反射型スクリーンでは、透明性を確保する点で、色素層および偏光板は配置されないことが好ましい。
具体的には、反射型スクリーンの場合、各部材は、観察者側(プロジェクタ側)より1)または2)で示される順に配置されることが好ましい。透明な反射型スクリーンの場合、各部材は、観察者側(プロジェクタ側)より3)で示される順に配置されることが好ましい。
1)偏光性拡散フィルム/色素層(偏光板)/反射層(/基板)
2)偏光性拡散フィルム/色素層(偏光板)/基板
3)偏光性拡散フィルム(/基板)
透過型スクリーンでは、透明性を確保する点で、色素層および偏光板は配置されないことが好ましい。具体的には、透過型スクリーンの場合、各部材は、観察者側より4)で示される順に配置されることが好ましい。基板を、偏光性拡散フィルムよりもプロジェクタから遠い側に配置するのは、基板が光学異方性を有する場合に、プロジェクタから投射される直線偏光の偏光状態を乱すためである。
4)(基板/)偏光性拡散フィルム
(実施例1)
帝人化成社製A−PETシート FR(表面処理なし、厚み330μm)を、70×70mmの大きさに裁断し、一軸延伸用原反とした。この原反の4辺をクランプに挟んで、高分子フィルム二軸延伸装置(岩本製作所社製BIX−703型)にセットした。原反のMD方向を、延伸方向とした。セットされたフィルムを予熱した。予熱温度を118℃、予熱時間を8分30秒とした。延伸直前の原反に白みが生じていた。その後、延伸倍率5倍に延伸速度48mm/秒で一軸延伸して、偏光性拡散フィルムを得た。延伸は、フィルムの延伸方向に垂直な端を固定して行う、いわゆる横固定延伸とした。得られたフィルムの厚さは75μmであった。
(実施例2)
実施例1で原料として用いたA−PETシートを、80×80mmの大きさに裁断した。裁断されたシートが加熱により収縮しないよう四辺を固定治具で挟んだ(挟みしろ5mm)。次に、固定されたフィルムを、ギヤオーブン(ISUZU製作所社製そよかぜSSR−113S)に装入し、温度120℃で4分20秒間加熱し、延伸前の原反を得た。加熱後の原反は白みが生じており、原反の透過ヘイズを、日本電色工業社製濁度計NDH2000にて測定したところ、7.7%であった。
この原反の前記挟みしろ部分を裁断して70×70mmの大きさにした後、実施例1と同様にして、一軸延伸した。その際、予熱温度を116℃、予熱時間を2分とし、延伸速度を24mm/秒、延伸倍率を5倍とした。得られた偏光性拡散フィルムの厚さは72μmであった。
(実施例3)
ギヤオーブンによる加熱時間を4分50秒間とした以外は、実施例2と同様にして偏光性拡散フィルムを得た。ギヤオーブンによる加熱後の原反の透過ヘイズは19.4%であった。得られた偏光性拡散フィルムの厚さは72μmであった。
(実施例4)
原反を大阪樹脂化工製A−PETシート(PET26P、表面処理なし、厚み200μm)とし、ギヤオーブンによる加熱時間を2分20秒間とし、延伸時の予熱温度を117℃とした以外は、実施例2と同様にして偏光性拡散フィルムを得た。ギヤオーブンによる加熱後の原反の透過ヘイズは8.2%であった。得られた偏光性拡散フィルムの厚さは44μmであった。
(実施例5)
原反を大阪樹脂化工社製A−PETシート(PET26P、表面処理なし、厚み200μm)とし、ギヤオーブンによる加熱時間を5分間とした以外は、実施例2と同様にして偏光性拡散フィルムを得た。ギヤオーブンによる加熱後の原反の透過ヘイズは21.4%であった。得られた偏光性拡散フィルムの厚さは44μmであった。
(実施例6)
三井化学社製ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂(三井PET SA135)を原料とし、フルフライトスクリューを備えたL/D=32の40mmφ単軸押出機にて、Tダイ製膜してキャスティングシートを得た。押出温度を270℃とした。得られたキャスティングシートの厚さは300μmであった。
得られたキャスティングシートを、80×80mmの大きさに裁断し、一軸延伸用原反とした。次いで、ギヤオーブンによる加熱を120℃で5分20秒間としたこと以外は、実施例2と同様にして加熱原反を得た。加熱原反の透過ヘイズは、8.4%であった。
この原反の押出時MD方向を延伸方向とし、実施例2と同様にして一軸延伸して偏光性拡散フィルムを得た(ただし、延伸速度を48mm/秒とした)。得られた偏光性拡散フィルムの厚さは72μmであった。
(実施例7)
三井化学社製ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂(三井PET J125)を原料とし、フルフライトスクリューを備えたL/D=32の40mmφ単軸押出機にて、Tダイ製膜してキャスティングシートを得た。押出温度を270℃とした。得られたキャスティングシートの厚さは300μmであった。
得られたキャスティングシートを80×80mmの大きさに裁断し、一軸延伸用原反とした。次いで、ギヤオーブンによる加熱を120℃で2分50秒間としたこと以外は、実施例2と同様にして加熱原反を得た。加熱原反の透過ヘイズは9.3%であった。
この原反の押出時MD方向を延伸方向とし、実施例2と同様にして一軸延伸して偏光性拡散フィルムを得た(ただし、延伸速度を48mm/秒とした)。得られた偏光性拡散フィルムの厚さは63μmであった。
(実施例8)
ギヤオーブンによる加熱時間を4分40秒間とし、いわゆる「横フリー延伸(フィルムの延伸方向に垂直な端を固定しないで延伸する)」とした以外は、実施例2と同様にして偏光性拡散フィルムを得た。ギヤオーブンによる加熱後の原反の透過ヘイズは8.9%であった。得られた偏光性拡散フィルムの厚さは134μmであった。
実施例1〜8にて得られた延伸樹脂フィルムの、全光線透過率(Ttotal)およびフィルム厚さを100μmとしたときの全光線透過率(Ttotal@100μm);透過偏光度およびフィルム厚さを100μmとしたときの透過偏光度;反射偏光度;透過ヘイズおよびフィルム厚さを100μmとしたときの透過ヘイズ;延伸樹脂フィルムの延伸軸に平行または垂直な直線偏光に対する透過ヘイズ;延伸樹脂フィルムの延伸軸に平行な直線偏光に対する反射ヘイズを、それぞれ測定した。これらの測定は、日立ハイテクノロジーズ社製分光光度計U−4100と、150φ積分球付属装置を用いて行った。
延伸樹脂フィルムの結晶化度を求めた。具体的には、密度勾配管法比重測定用水槽(OMD−6/池田理化工業株式会社)を用いて、密度勾配管法に準じて密度を求め、求めた密度から結晶化度を算出した。
次に、延伸樹脂フィルムの断面のTEM画像における、明部の面積分率を測定した。
実施例1〜8で得られた延伸樹脂フィルムについて、それぞれの測定結果を図4の表1にまとめた。
(比較例1)
延伸時の予熱温度を124℃、予熱時間を2分、延伸倍率を4.5倍とした以外は、実施例1と同様にして一軸延伸樹脂フィルムを得た。得られた一軸延伸樹脂フィルムの厚さは70μmであった。
(比較例2)
延伸時の予熱温度を118℃、予熱時間を6分、延伸倍率を6倍とした以外は、実施例1と同様にして一軸延伸樹脂フィルムを得た。得られた一軸延伸樹脂フィルムの厚さは53μmであった。
(比較例3)
延伸時の予熱温度を117℃、延伸速度を200mm/秒とした以外は、実施例2と同様にして一軸延伸樹脂フィルムを得た。得られた一軸延伸樹脂フィルムの厚さは73μmであった。
(比較例4)
延伸時の延伸速度を200mm/秒とした以外は、実施例4と同様にして一軸延伸樹脂フィルムを得た。得られた一軸延伸樹脂フィルムの厚さは79μmであった。
(比較例5)
帝人化成社製A−PETシート(実施例1と同様)を用い、予熱温度を100℃、予熱時間を2分として、かつ延伸倍率を3.6倍、延伸速度を48mm/秒とした以外は、実施例1と同様にして一軸延伸樹脂フィルムを得た。得られた一軸延伸樹脂フィルムの厚さは99μmであった。
(比較例6)
帝人化成社製A−PETシート(実施例1と同様)を用い、予熱温度を100℃、予熱時間を2分として、かつ延伸倍率を3倍、延伸速度を48mm/秒とした以外は、実施例1と同様にして一軸延伸樹脂フィルムを得た。得られた一軸延伸樹脂フィルムの厚さは141μmであった。
(比較例7)
帝人化成社製A−PETシート(実施例1と同様)を用い、予熱温度を100℃、予熱時間を2分として、かつ延伸倍率を4倍、延伸速度を48mm/秒とした以外は、実施例1と同様にして一軸延伸樹脂フィルムを得た。得られた一軸延伸樹脂フィルムの厚さは82μmであった。
比較例1〜7で得られた延伸樹脂フィルムについて、実施例1と同様の物性をそれぞれ測定した。その結果を図5の表2に示す。
本発明により、広視野角でぎらつき等のない、高品位かつコントラストが高い画像を表示できるスクリーンを提供できる。
10、20 画像投影システム
12 プロジェクタ
14 反射型スクリーン
16、26 基板
18、28 偏光性拡散フィルム
24 透過型スクリーン

Claims (13)

  1. 偏光性拡散フィルムを含むスクリーンであって、
    前記偏光性拡散フィルムは、一軸延伸樹脂フィルムであって、該一軸延伸樹脂フィルムの可視光線に対する透過ヘイズが15〜90%であり、
    前記一軸延伸樹脂フィルムは、固有複屈折が0.1以上である1種類の結晶性樹脂からなり、
    前記一軸延伸樹脂フィルムの結晶化度が8〜30%であり、
    前記一軸延伸樹脂フィルム面の、延伸方向に対して垂直な切断面のTEM像(撮像範囲のフィルム厚さ方向の距離は0.1μm、かつ撮像面積は45μm)で海島構造が観察される、スクリーン。
  2. 前記海島構造の二値化画像における明部の面積分率が6〜80%である、請求項1に記載のスクリーン。
  3. 前記偏光性拡散フィルムの厚さを100μmとしたときの透過偏光度は30〜90%である、請求項1または2に記載のスクリーン。
  4. 前記スクリーンが、反射型スクリーンであって、
    前記偏光性拡散フィルムの反射偏光度は55〜90%である、請求項1または2に記載のスクリーン。
  5. 前記偏光性拡散フィルムの、可視光線に対する全光線反射率が15%以上50%未満である、請求項4に記載のスクリーン。
  6. 前記スクリーンが、透過型スクリーンであって、
    前記偏光性拡散フィルムの可視光線に対する全光線透過率が60〜85%であり、かつ、
    前記偏光性拡散フィルムの延伸方向に平行な偏光に対する透過ヘイズHpが30〜99.9%であり、前記延伸方向に垂直な偏光に対する透過ヘイズHvがHp/2以下である、請求項1または2に記載のスクリーン。
  7. 前記結晶性樹脂が、ポリエチレンテレフタレートである、請求項1または2に記載のスクリーン。
  8. 前記偏光性拡散フィルムの延伸方向が、該偏光性拡散フィルムに入射する直線偏光の偏光軸とほぼ平行に配置されて用いられる、請求項1または2に記載のスクリーン。
  9. 前記偏光性拡散フィルムは、
    固有屈折率が0.1以上である結晶性樹脂からなる非晶状態のシートを加熱して、結晶化シートを得るステップ、および、
    前記結晶化シートを主として一軸方向に延伸するステップ、
    を含む製造方法により得られる、請求項1または2に記載のスクリーン。
  10. 反射層をさらに含む、請求項4に記載のスクリーン。
  11. 色素層をさらに含む、請求項1または2に記載のスクリーン。
  12. 前記色素層は、420nm〜530nmの波長領域に吸収極大を有する色素、および/または、530nm〜630nmの波長領域に吸収極大を有する色素を含む、請求項11に記載のスクリーン。
  13. 前記色素層が、配向した二色性色素を含むことにより偏光性を有し、
    前記色素層の吸収軸と前記偏光性拡散フィルムの延伸軸とがほぼ垂直である、請求項11に記載のスクリーン。
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