JP2008110354A - サーボモータ駆動式タンデムプレスライン - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ワークを順次プレス加工するように配置された複数のサーボモータ駆動式機械プレス12と、機械プレスにワークを順次搬入及び/又は搬出する複数の搬送装置14と、機械プレス及び搬送装置を統合的に制御する統合制御装置16とを備える。機械プレスのうち少なくとも1台は、絞り加工を行うためのリンクプレスである。このリンクプレスは、好ましくは、互いに同期して作動する2組の4節リンクドライブ機構を備えた4節リンクプレスである。
【選択図】図1
Description
そのため機械プレスを用いた従来のタンデムプレスラインでは、搬送装置とプレス装置との同調制御が困難であり、かつ成形速度を低く抑えたままプレス速度を高めることができないため、プレスラインの生産速度(ライン速度)が遅い問題点があった。
また、本発明と関連するリンクプレスとして特許文献4が開示されている。
すなわち、特許文献1の制御方法は、複数台のプレス機を位相差をもって同期運転するに際して、ある一台のプレス機に生じた負荷変動を、他のプレス機に外乱として影響させないことを目的として、プレス機でのクラッチの接続後の同期駆動制御において、モータの実速度を検出する工程と、駆動軸の実回転位置を検出する工程と、その実回転位置と基準回転位置生成部からの基準回転位置情報とを比較し、比較結果に基づいて、基準速度情報生成部からの基準速度情報を各々のプレス機固有の基準速度情報に補正する工程と、固有の基準速度情報と実速度とに基づいて、モータを駆動制御する工程とを有し、位相設定部にて位相差が設定されたプレス機では、基準回転位置情報が位相差シフトされるものである。
すなわち、特許文献2の制御装置は、プレス成形の生産効率を向上させると共に、メンテナンスコストおよびメンテナンス頻度を低減させることを目的とし、スライド制御部が第1プレスのプレス角度と、第2プレスのプレス角度の角度差が一定になるように、第2プレスのメインモータの回転速度を制御し、角度差が変化した場合は、第2プレスのメインモータの回転速度を変化させることによって機械駆動式タンデムプレスラインの各プレスを連続運転させることを可能にするものである。
すなわち、特許文献3の装置は、スライドが下死点に位置させられるときだけでなく、必要なプレスストロークの全ての領域において充分なプレス荷重を発生させることを目的とし、プレス機械が、相互の機械的連結を遮断するように並列状に配置されかつスライドを昇降させる複数のエキセン機構と、各エキセン機構を個別に駆動する複数のサーボモータとを備えたものである。各エキセン機構は、主軸に固定された大歯車と、これに噛み合わされかつ対応するサーボモータの回転軸に固定された小歯車と、各サーボモータの回転角度および/または速度を検出する検出器と、各検出器の検出信号に基づいて、対応するサーボモータを制御する制御手段とを備えている。
該機械プレスにワークを順次搬入及び/又は搬出する複数の搬送装置と、
前記機械プレス及び搬送装置を統合的に制御する統合制御装置とを備え、
前記機械プレスのうち少なくとも1台は、絞り加工を行うためのリンクプレスである、ことを特徴とするサーボモータ駆動式タンデムプレスラインが提供される。
偏心円板は、サーボモータ駆動装置の出力軸に直交しかつ該出力軸に対し偏心した円形円板であり、
揺動板は、偏心円板の外周に嵌合する円形孔を有し、その間で摺動しながら鉛直面内で揺動するようになっており、
規制リンクは、一端が揺動板に他端がプレスの固定部分にそれぞれ回転可能に取り付けられ、揺動板の揺動を規制するようになっており、
駆動リンクは、一端が揺動板の規制リンク取付位置から離れた位置に、他端が上下動するプランジャの上端にそれぞれ回転可能に取り付けられている。
(A)ワークの搬入前にサーボモータ駆動装置の出力軸を、リンクプレスが搬送装置と干渉しない位置に停止、又は干渉しない範囲内で運転させ、
(B)ワークが搬入され搬送装置が一定の位置に達した時に、サーボモータ駆動装置を制御してプレスを起動し、メインギヤの回転速度を所定の高速まで加速し、
(C)スライドが絞り成形領域に近づいた時に、サーボ制御によってメインギヤを減速し、スライド速度を成形に適した値まで下げ、
(D)スライドが下死点を通過して成形が完了した後、メインギヤを加速し、スライドを高速で上昇させる、ことが好ましい。
また前記統合制御装置は、プレス間時間差制御を行う、ことが好ましい。
このように、加圧能力や低い成形速度が必要な絞り加工の場合にはリンクドライブ機構、加圧能力や低い成形速度を必要としない打抜き、縁切り加工の場合にはエキセンドライブ機構を使い分けることで、経済的なプレスラインを実現することができる。
さらに、サーボモータの速度制御によって、成形速度を変更することなくプレスタクトタイムを短縮することができ、プレスラインを高速化できる。
なお、リンクプレスは、最上流位置に限定されず、その他の位置でもよい。また、1台に限定されず2台以上でもよい。
なお、本発明はこれに限定されず、4節リンクドライブ機構の代わりに、6節、8節など、絞りに適した他のリンクドライブを用いてもよい。
なお、本発明はこの構成に限定されず、エキセンドライブ機構の代わりに、クランクドライブ機構、トグルドライブ機構、またはナックルドライブ機構を用いてもよい。
なお、隣接する2台の機械プレスの間に、アイドルステーションを設け、その前後に2台の搬送装置を備えてもよい。
なお、本発明はこれに限定されず、例えば、サーボ式ローダ・アンローダ、サーボ式シャトルコンベア、或いは産業用ロボットを用いることができる。
4節リンクドライブ機構20は、偏心円板22、揺動板24、規制リンク26、及び駆動リンク28からなる。2組の4節リンクドライブ機構20は、互いに左右対称に構成されている。
各サーボモータ駆動装置30は、出力軸32と、これと同心に回転する大歯車のメインギヤ34と、メインギヤ34と歯合する小歯車の駆動ギヤ36と、駆動ギヤ36を回転駆動するサーボモータ38とからなる。
また、2つのメインギヤ34が互いに歯合し、相互に動力を伝達できるとともに、互いに同期して反対方向に回転するようになっている。この構成により、複数のサーボモータ38のいずれかの出力が不足しても、相互に動力を伝達して安定した作動を確保することができる。
従って、この構成により、スライド2を水平に保持しながら上下動させ、スライド2の下面に固定された上金型(図示せず)を上下動させて、図示しない下金型との間でワークをプレス加工することができる。
図4(A)から、同一の絞り深さに対して、リンクドライブの作業域は、クランクドライブの作業域よりも広いことがわかる。
また、図4(B)から、リンクドライブの作業域における下降速度は、クランクドライブよりも遅く、かつほぼ一定であることがわかる。
さらに、図4(C)から、リンクドライブの作業域における圧下力は、クランクドライブよりも大きく、かつほぼ一定であることがわかる。
(1)最初、リンクプレス(この例では機械プレス12A)は搬送装置14と干渉しない位置(一般には上死点)で停止している。
ワーク(被加工材料)の搬入後、搬送装置14が一定の位置(プレス起動しても干渉しない位置として、予め計画される)に達すると、サーボモータの制御によりプレスが起動する。このとき、メインギヤ34の回転数を従来の機械プレス以上の値まで加速する。
(2)スライド2が絞り成形領域に近づくと、サーボ制御によってメインギヤ34を減速し、スライド速度を成形に適した値まで下げる。下死点を通過して成形が完了すると、再びメインギヤ34を加速し、スライド2をすばやく上昇させる。
スライド2が、予め計画した位置まで上昇すると、搬送装置14に起動指令が送られ、製品の搬出と材料の搬入が行われる。搬送装置の作動中、スライド2は上死点近傍で停止している。なお、低速で作動しても差し支えない。搬出された材料は、次工程のプレスに送られる。
以上のように、成形領域とそれ以外でメインギヤ34の回転数(回転速度)を変化させることで、成形速度を抑制したままラインタクトタイムを短縮することができる。
基準位置は例えば下死点などであり、1サイクル中に複数の基準位置を設けても良い。
この場合、成形加工中も計画通りの速度が得られるため、位相差に誤差が発生しない。従って搬送装置側に誤差補正のためのマージンが不要となり、ライン速度を高め、ラインを高速化できる。
またフライホイールのある従来の機械プレスは、エネルギーをフライホイールから取り出すため、成形時にスローダウンが発生し位相差を変動させるが、サーボプレスではモータから直接エネルギーを発生するのでスローダウンがない。
さらに、サーボモータの速度制御によって、成形速度を変更することなくプレスタクトタイムを短縮することができ、プレスラインを高速化できる。
例えば、上流側から2台のプレスを4節リンクプレス、3台目以降をエキセンドライブ機構を備えるプレスとし、絞りを2工程に分けることで、プレス1台当りの加圧能力を抑制することができる。
10 サーボモータ駆動式タンデムプレスライン、
12,12A,12B,12C,12D サーボモータ駆動式機械プレス、
14,14A,14B,14C,14D,14E 搬送装置、
16 統合制御装置、
20 4節リンクドライブ機構、22 偏心円板、
24 揺動板、26 規制リンク、28 駆動リンク、
30 サーボモータ駆動装置、32 出力軸、
34 メインギヤ、36 駆動ギヤ、38 サーボモータ
Claims (8)
- ワークを順次プレス加工するように配置された複数のサーボモータ駆動式機械プレスと、
該機械プレスにワークを順次搬入及び/又は搬出する複数の搬送装置と、
前記機械プレス及び搬送装置を統合的に制御する統合制御装置とを備え、
前記機械プレスのうち少なくとも1台は、絞り加工を行うためのリンクプレスである、ことを特徴とするサーボモータ駆動式タンデムプレスライン。 - 前記リンクプレスは、互いに同期して作動する2組の4節リンクドライブ機構を備えた4節リンクプレスである、ことを特徴とする請求項1に記載のサーボモータ駆動式タンデムプレスライン。
- 前記4節リンクドライブ機構は、偏心円板、揺動板、規制リンク、及び駆動リンクからなり、
偏心円板は、サーボモータ駆動装置の出力軸に直交しかつ該出力軸に対し偏心した円形円板であり、
揺動板は、偏心円板の外周に嵌合する円形孔を有し、その間で摺動しながら鉛直面内で揺動するようになっており、
規制リンクは、一端が揺動板に他端がプレスの固定部分にそれぞれ回転可能に取り付けられ、揺動板の揺動を規制するようになっており、
駆動リンクは、一端が揺動板の規制リンク取付位置から離れた位置に、他端が上下動するプランジャの上端にそれぞれ回転可能に取り付けられている、ことを特徴とする請求項1に記載のサーボモータ駆動式タンデムプレスライン。 - 前記統合制御装置によりサーボモータ駆動装置を制御し、
(A)ワークの搬入前にサーボモータ駆動装置の出力軸を、リンクプレスが搬送装置と干渉しない位置に停止、又は干渉しない範囲内で運転させ、
(B)ワークが搬入され搬送装置が一定の位置に達した時に、サーボモータ駆動装置を制御してプレスを起動し、メインギヤの回転速度を所定の高速まで加速し、
(C)スライドが絞り成形領域に近づいた時に、サーボ制御によってメインギヤを減速し、スライド速度を成形に適した値まで下げ、
(D)スライドが下死点を通過して成形が完了した後、メインギヤを加速し、スライドを高速で上昇させる、ことを特徴とする請求項3に記載のサーボモータ駆動式タンデムプレスライン。 - 前記リンクプレス以外の機械プレスは、エキセンドライブ機構又はクランクドライブ機構を備える、ことを特徴とする請求項1に記載のサーボモータ駆動式タンデムプレスライン。
- 前記統合制御装置は、複数の機械プレスにおける下降タイミングをずらす全体制御を行う、ことを特徴とする請求項1に記載のサーボモータ駆動式タンデムプレスライン。
- 前記複数の搬送装置は、サーボ式搬送装置である、ことを特徴とする請求項1に記載のサーボモータ駆動式タンデムプレスライン。
- 前記統合制御装置は、プレス間時間差制御を行う、ことを特徴とする請求項7に記載のサーボモータ駆動式タンデムプレスライン。
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