JP2003191096A - プレス機械システム - Google Patents

プレス機械システム

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JP2003191096A
JP2003191096A JP2001394106A JP2001394106A JP2003191096A JP 2003191096 A JP2003191096 A JP 2003191096A JP 2001394106 A JP2001394106 A JP 2001394106A JP 2001394106 A JP2001394106 A JP 2001394106A JP 2003191096 A JP2003191096 A JP 2003191096A
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Japan
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speed
press machine
slide
press
work transfer
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JP2001394106A
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English (en)
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Hirohiko Oyamada
裕彦 小山田
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Aida Engineering Ltd
Original Assignee
Aida Engineering Ltd
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Publication date
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B30PRESSES
    • B30BPRESSES IN GENERAL
    • B30B15/00Details of, or accessories for, presses; Auxiliary measures in connection with pressing
    • B30B15/14Control arrangements for mechanically-driven presses
    • B30B15/148Electrical control arrangements

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Control Of Presses (AREA)
  • Press Drives And Press Lines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ワーク搬送装置と金型等との干渉回避を担保
しつつ生産タクト時間を大幅に短縮することができるク
ランク機構を用いたサーボモータ駆動方式のプレス機械
システムを提供する。 【解決手段】 各プレス機械の検出された当該各スライ
ド移動速度の中の一番低速な検出スライド移動速度を判
定可能かつ各プレス機械のスライド位置がワーク搬送動
作許容位置に至るまでの当該各スライド移動速度を一番
低速であると判定された一番低速スライド移動速度に合
わせるように低速化補正運転可能に形成され、各プレス
機械のスライド位置が当該各ワーク搬送動作許容位置に
同期して到達可能に形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、クランク軸の回転
によりスライドを昇降させつつプレス加工するプレス機
械の複数台をワーク搬送方向に配設し、ワーク搬送装置
でワークを各プレス機械に順次搬送可能に形成されたプ
レス機械システムに関する。
【0002】
【背景の技術】図7において、複数台(例えば、4台)
のプレス機械10A〜10Dをワーク搬送(X)方向に
直列配設するとともに、ワーク搬送装置100によって
ワーク(材料乃至製品)を各プレス機械10A〜10D
の金型に順次に搬送可能に構成されたプレス機械システ
ムが知られている。
【0003】各プレス機械10の駆動機構は、クランク
軸と,このクランク軸とプレスフレームに上下方向摺動
可能に設けられたスライドとを連結するコンロッド等か
ら構成されている。クランク軸への回転動力は、モータ
で駆動されるフライホイールに蓄積され、このフライホ
イールとクランク軸との間に介装されたクラッチ・ブレ
ーキ装置のブレーキOFF・クラッチON状態でフライ
ホイールから伝達される。クラッチOFF・ブレーキO
N状態では、クランク軸への回転動力が遮断される。
【0004】ところで、各プレス機械10の動作と各プ
レス機械10に共通なワーク搬送装置100の動作と
は、同期されなければならない。
【0005】具体的には、図8において、スライドは上
死点位置PTu(クランク角度θ0…時間t0)[クラ
ンク角度θ360…時間t360]と下死点位置PTd
(クランク角度θ180…時間t180)との間を、ス
ライドモーションカーブSMCにしたがって昇降され
る。
【0006】かくして、ワーク搬送装置100は、各プ
レス機械10のスライド位置がワーク搬送動作許容位置
PTx(クランク角度θx…時間tx)に到達した時点
(やワーク搬送動作許容位置に到達した以降)に同期さ
せて、ワーク搬送動作を開始しなければならない。
【0007】詳しくは、図7のワーク搬送装置100
は、手前のワーク(材料)をプレス機械10Aへ、プレ
ス機械10A,10B,10Cのワーク(半加工品)を
それぞれ次のプレス機械10B,10C,10Dへ、プ
レス機械10Dのワーク(製品)を先方へ同時搬送しな
ければならない。したがって、プレス機械10間でのス
ライド位置PTの同期ずれ発生は、ワーク搬送装置10
0を構成する機器(例えば、フィンガー)と金型(上
型)乃至ワークとの干渉を誘発する。つまり、この干渉
回避をしなければならないわけである。
【0008】しかるに、各プレス機械10間の同期性を
いかに慎重に調整したとしても、運用上の実際において
は、各プレス機械10間に動作遅速(同期ずれ)が発生
しかつクランク軸の回転数増大(運転時間の長期化)に
伴い遅速差がそれぞれに累積されてしまう。また、プレ
ス加工態様(例えば、鍛造成形)およびワーク形態(例
えば、厚み)によっても、スライド下降速度に遅速差が
生じる。
【0009】かくして、従来は、クランク軸の1回転ご
とにクラッチ・ブレーキ装置を働かせることで、スライ
ド位置PTを上死点位置PTuに停止させ、各プレス機
械10の動作遅速差の累積が生じないようにしていた。
【0010】ところで、駆動機構が例えばクランク機構
でかつフライホイール,クラッチ・ブレーキ装置を具備
するプレス機械では、大きなスライド加圧力を得ること
ができるが、スライドモーション(時間t―スライド位
置PT乃至クランク角θ―スライド位置PT)カーブS
MCが図8に示すサイン波形状になるので、他の駆動機
構(例えば、ナックル機構,リンク機構等)の場合と同
様なスライドモーションカーブを採りえない。駆動機構
が例えばトグル機構(やリンク機構)の場合も、他の駆
動機構(例えば、クランク機構)の場合と同様なスライ
ドモーションカーブを採りえない。
【0011】ここに、クランク機構の利点(大加圧力発
生,構造簡単,堅牢,低コスト等)を活用しつつ、クラ
ンク軸をモータで回転駆動するいわゆるサーボモータ駆
動方式プレス機械が提案(例えば、特願2001−38
8835号)されている。かかるプレス機械によれば、
各種スライドモーションを切替え使用可能であるから、
プレス加工態様に対する適応性を拡大できるとともに、
従来クランク機構方式のプレス機械の場合に比較してフ
ライホイール,クラッチ・ブレーキ装置の一掃化ができ
るから、設備経済上や小型軽量化等の点でも優位であ
る。クラッチ・ブレーキ装置の頻繁動作による短命化問
題も生じることが無くなる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このサ
ーボモータ駆動方式のプレス機械においても、各プレス
機械間に動作の遅速差が生じないという保障はない。だ
からと言って、従来クランク機構方式のプレス機械の場
合と同様に、クランク軸の1回転ごとに上死点位置PT
uに停止させたのでは、生産タクト時間の短縮化を達成
することができない。
【0013】本発明の目的は、ワーク搬送装置と金型等
との干渉を確実に回避することができるクランク機構を
用いたサーボモータ駆動方式のプレス機械を配列したプ
レス機械システムを提供することにある。また、他の目
的は、ワーク搬送装置と金型等との干渉回避を担保しつ
つ生産タクト時間を従来例の場合に比較して大幅に短縮
することができるクランク機構を用いたサーボモータ駆
動方式のプレス機械を配列したプレス機械システムを提
供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】フライホイール,クラッ
チ・ブレーキ装置を有しかつクランク機構を用いる従来
型のプレス機械では上死点位置でのプレス停止および再
起動に煩雑な手間と長時間とを要する。対するサーボモ
ータ駆動方式では、スライド速度を何時でも迅速に増減
速できるから、プレス運転中でも(上死点位置でのプレ
ス停止および再起動をすることなく)、各プレス機械の
スライド移動速度を同期させることができる筈である。
【0015】ここに、従来プレス機械で公知の追従制御
方式を導入してサーボモータ駆動方式の各プレス機械を
同期運転を目論むことが考えられる。すなわち、特定さ
れた1台のプレス機械(マスタ機)からその他の各プレ
ス機械(スレーブ機)に共通の速度指令を出力すること
で、各スレーブ機のスライド移動速度をマスタ機のスラ
イド移動速度に合わせる制御方式である。
【0016】しかし、この従来追従制御方式では、実効
が上がらない。つまり、マスタ機のスライド下降速度が
低下した場合は問題ないが、いずれかのスレーブ機のス
ライド下降速度がマスタ機のスライド下降速度以下とな
った場合には一番低速なプレス機械のスライド下降速度
に合わせたプレス運転ができないばかりか、速度誤差が
累積されてしまうので強制してプレス機械システム全体
を停止させなければならない事態を引起す。これでは、
生産タクト時間の大幅な長期化を招来してしまう。
【0017】ここにおいて、本願発明は、各プレス機を
同格として取扱い、スライド位置がワーク搬送動作許容
位置に至るまでは各プレス機械のスライド移動速度をい
れかのプレス機械による最低速のスライド移動速度に合
わせつつ、各スライド位置が同時にワーク搬送動作許容
位置に到達可能に形成されたものである。
【0018】また、スライド位置がワーク搬送動作許容
位置以降にある場合には、各プレス機械のスライド移動
速度を低速化された速度から設定SPMに対応する速度
に戻してプレス運転し、あるいは各プレス機械のスライ
ド移動速度をクランク軸の1回転中は連続して設定SP
M相当速度で運転した場合の生産タクト時間を担保でき
るように高速でプレス運転する、ことができるように形
成されたものである。
【0019】すなわち、請求項1の発明は、駆動機構の
一部を構成するクランク軸の回転によりスライドを昇降
させつつプレス加工可能なプレス機械の複数台がワーク
搬送方向に配設され、スライド位置がワーク搬送動作許
容位置にある各プレス機械にワークを順次搬送可能なワ
ーク搬送装置を具備するプレス機械システムおいて、前
記各プレス機械がクランク軸をギヤを介して連結された
モータの回転制御により回転駆動可能に構成されかつ前
記クランク軸またはモータに連結されたエンコーダの検
出情報を利用してスライド移動速度を検出可能に形成さ
れ、前記各プレス機械の検出された当該各スライド移動
速度の中の一番低速な検出スライド移動速度を判定可能
かつ前記各プレス機械のスライド位置がワーク搬送動作
許容位置に至るまでの当該各スライド移動速度を一番低
速であると判定された一番低速スライド移動速度に合わ
せるように低速化補正運転可能に形成され、前記各プレ
ス機械のスライド位置が当該各ワーク搬送動作許容位置
に同期して到達可能に形成されたプレス機械である。
【0020】請求項1の発明に係るプレス機械では、各
プレス機械のモータを回転制御すると、このモータにギ
ヤを介して連結されたクランク軸を回転駆動することが
できる。この際のスライド移動(下降)速度は、スライ
ドモーション(モータ回転数)を規定する設定SPM
(スライドストローク数)相当速度である。スライド下
降中にクランク軸(または、モータ)に連結されたエン
コーダで検出された情報(検出情報)を利用して、各プ
レス機械の実際のスライド移動速度を検出する。
【0021】そして、各プレス機械の検出された当該各
スライド移動速度を比較しつつ、それらの中の一番低速
な検出スライド移動速度が判定される。任意のプレス機
械(例えば、前段側に配設されたプレス機械)のスライ
ド移動速度が一番低速な検出スライド移動速度となり得
る。
【0022】すると、各プレス機械のスライド位置がワ
ーク搬送動作許容位置に至るまでの当該各スライド移動
速度を一番低速であると判定された一番低速スライド移
動速度に合わせるように各プレス機械に低速化補正指令
する。つまり、各プレス機械のスライド位置が、当該各
ワーク搬送動作許容位置に同期して到達するように補正
運転させられる。
【0023】また、請求項2の発明は、前記各プレス機
械のワーク搬送動作許容位置から上死点側定位置までの
スライド移動速度が当該各設定SPMに従うようにする
復帰補正可能に形成されたプレス機械である。
【0024】請求項2の発明に係るプレス機械では、請
求項1の発明の場合に加え、さらに各プレス機械のスラ
イド位置がワーク搬送動作許容位置から上死点側定位置
までの間を通過する際は、それまで一番低速スライド移
動速度に合わせるように低速化補正運転していた各プレ
ス機械に、当該各設定SPMに従うようにする復帰補正
指令を出力する。すなわち、スライド位置がワーク搬送
動作許容位置以降では、各プレス機械のスライド移動速
度を設定SPMに則るスライド移動速度に戻せる。
【0025】また、請求項3の発明は、前記各プレス機
械のワーク搬送動作許容位置から上死点側定位置までの
スライド移動速度を、前記クランク軸の1回転終了時に
おいて予定生産タクト時間を維持できるように高速化補
正可能に形成されたプレス機械である。
【0026】請求項3の発明に係るプレス機械では、請
求項1の発明の場合に加え、さらに各プレス機械のスラ
イド位置がワーク搬送動作許容位置から上死点側定位置
までの間を通過する際は、例えば設定SPM以上高速化
運転指令出力制御手段が、それまで一番低速スライド移
動速度に合わせるように低速化補正運転していた各プレ
ス機械に、当該各設定SPM以上の高速なみなし設定S
PMに上げた高速化補正指令を出力する。したがって、
スライド位置がワーク搬送動作許容位置以降では、各プ
レス機械のスライド移動(昇降)速度を設定SPM以上
のみなし設定SPMに上げた高速化補正運転を行える。
つまり、途中でスライド下降速度を落とした場合ても、
当初より一貫して設定SPMに則るスライド移動速度で
スライド昇降した場合と同じ予定生産タクト時間を維持
できる。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
図面を参照して説明する。
【0028】(第1の実施形態)本プレス機械システム
は、従来例の場合(図7,図8)と同様に、図1に示す
駆動機構(クランク機構11)の一部を構成するクラン
ク軸12の回転によりスライド17を昇降させつつプレ
ス加工可能なプレス機械10の複数台(10A〜10
D)がワーク搬送(X)方向に配設され、スライド位置
PTがワーク搬送動作許容位置PTx(または、クラン
ク角度θx若しくは経過時間tx)にある各プレス機械
10にワークを順次搬送可能なワーク搬送装置100を
具備した構成である。
【0029】なお、駆動機構は、クランク機構に限定さ
れず、モータ30で回転駆動されるクランク軸相当回転
軸を含む限りにおいて他の機構(例えば、ナックル機
構,リンク機構,トグル機構等)を採用した場合も、本
発明は適応される。
【0030】このプレス機械システムを構成する各プレ
ス機械10(10A)[10B,10C,10Dも同一
構造である。]は、図1〜図5に示す如く、クランク軸
12をギヤ(13)を介して連結されたモータ30の回
転制御により回転駆動可能に構成されかつクランク軸1
2(または、モータ30)に連結されたエンコーダ37
A(または、35A)の検出情報を利用して検出された
当該各スライド移動速度の中の一番低速な検出スライド
移動速度を判定可能かつ各プレス機械10のスライド位
置PT(θ若しくはt)がワーク搬送動作許容位置PT
xに至るまでの当該各スライド移動速度を一番低速であ
ると判定された一番低速スライド移動速度に合わせるよ
うに低速化補正運転可能に形成され、各プレス機械10
のスライド位置が当該各ワーク搬送動作許容位置PTx
(tx若しくはθx)に同期して到達可能に形成してあ
る。
【0031】また、この第1の実施形態では、各プレス
機械のワーク搬送動作許容位置PTxから上死点側定位
置(この実施形態では、上死点位置PTu)までのスラ
イド移動速度が当該各設定SPMに従うようにする復帰
補正可能に形成されている。
【0032】すなわち、各プレス機械10のスライド位
置PTがワーク搬送動作許容位置PTxから上死点側定
位置PTuまでの間を通過する際は、それまで一番低速
スライド移動速度に合わせるように低速化補正運転して
いた各プレス機械10に、当該各設定SPMに従うよう
にする復帰補正指令を出力する。
【0033】つまり、スライド位置PTがワーク搬送動
作許容位置(PTx)以降では、各プレス機械10のス
ライド移動速度を設定SPMに則るスライド移動速度に
戻せる(復帰できる)ので、復帰速度制御が簡単でかつ
予定生産タクト時間の長期化に及ぼす影響が小さい(設
定SPMによる場合の予定生産タクト時間にほとんど同
一的である)。
【0034】図1において、プレス機械10(10A)
の駆動機構は、クランク軸12等を含むクランク機構1
1から構成されている。このクランク軸12は、軸受1
4,14に回転自在に支持されかつモータ30(30
A)にはギヤ(メインギヤ13,ピニオン30G…減速
機)を介して間接的に連結されている。かかるギヤ(減
速機30G,13)を介せば、一段と高いスライド加圧
力を得ることができる。
【0035】このモータ30(30A)は、サーボモー
タ駆動方式とするためのAC(交流)サーボモータから
形成され、冷却ファン30AFが一体的に設けられてい
る。モータ軸30Sは、停止状態保持ブレーキ19で回
転停止状態を保持(ロック)可能である。なお、モータ
30(30A)はDC(直流)サーボモータ等から形成
してもよい。
【0036】駆動機構(10)の一部を構成するコンロ
ッド16は、上端部がクランク軸12の偏心部に被嵌装
着され、下端部はスライド17内の球面軸受部材(図示
省略)に回転可能に嵌装されている。なお、従来クラン
ク機構を具備するプレス機械のようにコンロッド16と
スライド17との間に油圧放出型の過負荷防止装置を設
けてはいない。なぜならば、この実施形態では、モータ
30の駆動電流(Iu,Iv,Iw)を利用して算出し
たスライド加圧力を監視して加圧力過大に至る以前にプ
レス停止可能に形成してあるからである。過負荷防止装
置の一掃化は、プレス機械10自体の機械軽量化,小型
化およびコスト低減に大きく貢献できる。
【0037】スライド17は、プレスフレーム1に上下
方向に摺動自在に装着されている。必要によって、ウエ
イトバランス装置に係合させてもよい。クランク軸12
を回転駆動すれば、コンロッド16を介してスライド1
7を昇降駆動することができる。金型はスライド17側
の上型とボルスタ2側の下型とからなる。この実施形態
の金型では、例えば鍛造成形(コイニング等)を主目的
としている。
【0038】ACサーボモータ(30)の図3に示す各
相U,V,Wのモータ駆動電流Iu,Iv,Iwに対応
する各相電流信号Ui,Vi,Wiは、電流検出部73
によって検出される。また、モータ30(30A)に
は、図1,図2に示すエンコーダ35(35A)が連結
されている。
【0039】このエンコーダ35(35A)は、原理的
には多数の光学的スリットと光学式検出器とを有し、図
3のモータ30(クランク軸12)の回転角度(クラン
ク角度)θを出力するが、この第1の実施形態では、ク
ランク角度θ(パルス信号)をスライド17の上下方向
位置PT(パルス信号)に変換して出力する信号変換器
(図示省略)を含むものとされている。
【0040】図1,図2に示すように、プレス機械10
Aのクランク軸12には、モータ30Aとクランク軸1
2との間に減速機(30G,13)が介装されているこ
とから、これに対応させるために検出軸12Sを介して
エンコーダ37Aを設けてある。このエンコーダ37A
の基本的構成・機能は、エンコーダ35Aの場合と同様
である。
【0041】そして、主に、エンコーダ35A,35
B,35C,35Dはモータ回転駆動制御用として、エ
ンコーダ37A,37B,37C,37Dはスライド位
置(スライド移動速度)検出用として使用される。
【0042】図2,図3において、プレス機械10(1
0A,10B,10C,10D)の設定選択指令駆動制
御部は、設定選択指令部(50)と位置速度制御部60
とモータ駆動制御部70とから形成されている。なお、
位置速度制御部60とモータ駆動制御部70とを一体形
成することもできる。
【0043】図2において、コンピュータ80(例え
ば、80A)は、CPU(時計機能を含む)81,RO
M82,RAM83,操作パネル(PNL)84,表示
部(IND)85および複数のインターフェイス(I/
F)86,88,89,91,92を含み、プレス機械
10Aについての設定選択指令部(50A)等を構成す
るとともに、この実施形態ではプレス機械システム(1
0A,10B,10C,10D)全体の監視部を形成す
る。
【0044】各コンピュータ80A,80B,80C,
80Dには、自機(10A,10B,10C,10D)
の状況判断便宜のために各表示部(IND)85に各種
情報(例えば、クランク角度θ,スライド位置PT,ス
ライド移動速度,加速度,荷重値等)の全てまたは操作
パネル(PNL)84を用いて選択された一部を、表示
出力可能に形成されている。
【0045】クランク軸12の回転角度(クランク角
度)θはエンコーダ37Aで検出され、スライド位置P
Tはクランク軸12の偏心量,コンロッド16の長さ,
クランク角度θ等を利用し算出される。また、スライド
移動速度や加速度は、スライド位置(PT)情報を利用
して算出され、荷重値はモータ30の駆動電流を換算し
て求められる。なお、この荷重値はプレスフレーム1あ
るいはコンロッド16に設けた荷重計(例えば、ひずみ
計)から直接検出するようにしてもよい。
【0046】表示部85への表示出力態様は、デジタル
数値やグラフィック曲線等として行える。かくして、プ
レス運転中の成形状況を迅速かつ正確に把握できるの
で、高品質製品を能率よく、しかも安全に生産すること
に大きく貢献できる。
【0047】かかる各表示出力情報はメモリ(RAM8
3乃至いずれも図示省略したフラッシュメモリやハード
ディスク装置)に記憶保持しておくことができる。さら
に、各値に対する閾値を設定しておき、警告やプレス停
止させるように利用することができる。
【0048】なお、監視部は、各コンピュータ80A,
80B,80C,80Dとは異なりかつこれらに共通な
上位コンピュータやロジック回路,シーケンサ等から構
成してもよい。
【0049】監視部を形成しないその他のコンピュータ
80B,80C,80Dは、CPU(時計機能を含む)
81,ROM82,RAM83,操作パネル(PNL)
84,表示部(IND)85および複数のインターフェ
イス(I/F)86,87,88,91を含み、プレス
機械10B,10C,10Dの各設定選択指令部(50
B,50C,50D)を構成する。
【0050】各コンピュータ(80A,80B,80
C,80D)のインターフェイス(I/F)86は図2
に示す位置指令信号(PTsa,PTsb,PTsc,
PTsd)出力用で、インターフェイス(I/F)88
は自機速度(スライド位置)信号(θak,θbk,θ
ck,θdk)検出用で、インターフェイス(I/F)
91は各停止状態保持ブレーキ19の制御信号用であ
る。
【0051】他機速度検出用インターフェイス89は、
他機速度(スライド位置)信号(θθbk,θck,θ
dk)検出用で、プレス機械システム(10A,10
B,10C,10D)全体の監視部を形成するプレス機
械10A用のコンピュータ80Aにのみ設けられてい
る。ワーク搬送装置100を駆動制御するワーク搬送装
置制御信号用インターフェイス92も同様である。いず
れも他の各コンピュータ80B,80C,80Dには設
けられていない。
【0052】これとは逆に監視部(10A)を形成しな
い他の各コンピュータ80B,80C,80Dには、監
視部(10A)から送信された当該各位置指令信号(P
Tsb,PTsc,PTsd)の受信用インターフェイ
ス87が設けられている。コンピュータ80Aには設け
られていない。
【0053】なお、以下では、各種の固定情報,制御プ
ログラム,演算(算出)式等は、ROM82に固定的に
格納されているものとして説明するが、これらは書替え
可能なフラッシュメモリやハードディスク装置(HD
D)等に格納させておくように形成してもよい。
【0054】各設定選択指令部50(50A,50B,
50C,50D)は、速度設定器(51…図面上では符
号省略),モーションパターン選択器(52…図面上で
は符号省略)およびモーション指令部(53…図面上で
は符号省略)を含み、位置速度制御部60に図3に示す
設定スライド位置信号(設定選択モーション指令信号)
PTsを出力可能に形成されている。
【0055】操作パネル84,スライドモーションパタ
ーンやパターン選択制御プログラムを格納させたROM
82およびCPU81から形成されたモーションパター
ン選択器(52)を用いて予め設定記憶された複数のモ
ーションパターン(経過時間t−スライド位置PT)
[または、クランク角度θ−スライド位置PT]の中か
ら希望のモーションパターン(t−PTカーブSMC)
を選択することができる。選択されたモーションパター
ン(t−PTカーブ)は、速度設定器(51)を用いて
設定されたモータ回転速度(乃至rpm…スライド速
度)[または、スライドストローク数(SPM)]とと
もにモーション指令部(53)に出力される。
【0056】速度設定器(51)は、操作パネル84か
ら形成され、モータ30の回転速度[例えば、100r
pm(×減速比)]を“手動”で設定することができ
る。“自動”を選択した場合には、予め選択設定されて
いた最高回転速度[例えば、120rpm(×減速
比)]が選択されたものとして取扱われる。なお、速度
設定器(51)をSPM設定器としてSPMを直接設定
するように形成してもよい。
【0057】モーション指令プログラムを格納させたR
OM82およびCPU81から形成されたモーション指
令部(53)は、位置パルスの払出し方式構造で、選択
されたモーションパターン(t−PTカーブSMC)に
則り位置指令パルスPTsを出力する。
【0058】例えば、速度設定器(51)を用いて設定
されたモータ回転速度が120rpmで、エンコーダ3
5から1回転(360度)当りに出力されるパルス数が
100万パルスで、払出しサイクルタイムが5mSであ
る場合は、1サイクル(5mS)毎に出力されるパルス
数は、10000パルス[=(1000000×12
0)/(60×0.005)]となる。
【0059】なお、速度設定器(51),モーションパ
ターン選択器(52)およびモーション指令部(53)
は、各コンピュータ80に接続可能なセッター,ロジッ
ク回路,シーケンサ等から構成してもよい。
【0060】図3において、位置速度制御部60(例え
ば、60A)は、位置比較器61,位置制御部62,速
度比較器63,速度制御部64を含み、電流制御部71
に電流指令信号Siを出力可能に形成されている。な
お、速度検出器36は、図示上の便宜性から位置速度制
御部60に含めた形で表現した。
【0061】まず、位置比較器61は、モーション指令
部(53)[81,82]の位置指令信号出力用インタ
ーフェイス86から入力された設定スライド位置信号
(目標値信号)PTsaとエンコーダ37A(減速比を
勘案すれば、35Aを利用しても実施することができ
る。)で検出された実際のスライド位置フィードバック
信号FPT(θak)とを比較して、位置偏差信号△P
Tを生成出力する。
【0062】位置制御部62は、入力された位置偏差信
号△PTを累積し、それに位置ループゲインを乗じ、速
度信号Spを生成出力する。速度比較器63は、この速
度信号Spと速度検出器36からの速度信号(速度フィ
ードバック信号)FSとを比較して、速度偏差信号△S
を生成出力する。
【0063】速度制御部64は、入力された速度偏差信
号△Sに速度ループゲインを乗じ電流指令信号Siを生
成して電流制御部71に出力する。この電流指令信号S
iは、実質的にはトルク信号であるが、スライド下降中
はプレス負荷が加わらないのでモータトルクがほぼ一定
で回転速度の増減をするために必要なものでよいから、
加圧力制御中の場合に比較して信号レベルは小さい。
【0064】モータ駆動制御部70(例えば、70A)
は、電流制御部71とPWM制御部(ドライバー部)7
2と相信号生成部40とから構成されている。
【0065】電流制御部71は、各相(U,V,W)用
電流制御部からなる。例えばU相電流制御部は、電流指
令信号(トルク信号相当)SiとU相信号Upとを乗算
してU相目標電流信号Usiを生成し、引続きU相目標
電流信号Usiと実際のU相電流信号Uiとを比較して
電流偏差信号(U相電流偏差信号)Siuを生成出力す
る。他のV,W相電流制御部でも、V,W相電流偏差信
号Siv,Siwが生成出力される。
【0066】この電流制御部71に入力される相信号U
p,Vp,Wpは、相信号生成部40で生成される。7
3は、相モータ電流検出器で、各相電流(値)信号U
i,Vi,Wiを検出して電流制御部71へフィードバ
ックする。
【0067】PWM制御部(ドライバー部)72は、パ
ルス幅変調を行う回路とアイソレーション回路とドライ
バーとからなり、電流制御部71から出力される各相の
電流偏差信号Siu,Siv,SiwからPWM変調さ
れ、PWM信号Spwmu,Spwmv,Spwmwを
生成する。
【0068】ドライバーは、各相用の各1対のトランジ
スタ,ダイオードを含むスイッチング回路からなり、各
PWM信号Spwmでスイッチング(ON/OFF)制
御され、各相モータ駆動電流Iu,Iv,Iwをモータ
各相にそれぞれ出力することができる。
【0069】ここにおいて、監視部(80A)は、各コ
ンピュータ80A,80B,80C,80Dからの指令
で当該プレス機械10A,10B,10C,10Dがプ
レス運転開始されると、図4に示す監視動作をスタート
する。
【0070】監視部(80A)内の自機スライド移動速
度検出制御手段(CPU81,ROM82)がインター
フェイス88を介して自機(10A,80A)のエンコ
ーダ37Aからクランク角度θakを検出(図4のST
10)し、RAM83に一時記憶する。クランク角度θ
akの設定単位時間内での変化からスライド移動速度を
検出することができ、当該時点のクランク角度θakは
スライド位置PTaを検出したことになる。
【0071】なお、他機(10B,80B、10C,8
0C、10D,80D)とのスライド移動速度の高低比
較の段階では、現時点におけるスライド位置(θak→
PTa)を検出すれば、一定時間経過後の結果として、
スライド移動速度の高低を検出したことになる。下死点
位置PTdに至るまでは、低速(高速)なプレス機械の
スライド位置は高い(低い)ことから明白である。
【0072】引続き、他機スライド移動速度読込制御手
段(CPU81,ROM82)は、インターフェイス8
9を介して他機(10B,80B、10C,80C、1
0D,80D)が各インターフェイス88を介して当該
各エンコーダ37B,37C,37Dから検出したクラ
ンク角度θbk,θck,θdkを読み込み(ST1
1)、RAM83に一時記憶する。
【0073】ここに、一番低速判定手段(CPU81,
ROM82)は、各プレス機械[10A,10B,10
C,10D…(80A,80B,80C,80D)]で
検出された当該各スライド移動速度の中の一番低速な検
出スライド移動速度がいずれであるのかを判定(ST1
2)する。
【0074】この第1の実施形態では、各プレス機械
[10A,10B,10C,10D…(80A,80
B,80C,80D)]の構成が同じで、スライドモー
ションおよび設定SPMも同じとされているので、検出
したクランク角度θak,θbk,θck,θdkのう
ち値の一番小さいクランク角度θk(例えば、θbk)
であるプレス機械10Bのスライド移動速度が一番低速
であると判定(ST12)される。
【0075】すると、低速化補正運転指令作成手段(C
PU81,ROM82)が、プレス機械10Bのスライ
ド移動速度を基準として他のプレス機械10A,10
C,10Dの各スライド移動速度をそれまでよりも低速
とするための低速化補正運転指令を作成する(ST1
3)。
【0076】具体的には、クランク角度(θ)差を考察
して(あるいは、今までに検出した複数のクランク角度
θbkを利用して)、プレス機械10Bのスライド移動
速度を求め、同様に他のプレス機械10A,10C,1
0Dの各スライド移動速度を求め、各プレス機械10
A,10C,10Dのスライド移動速度をそれまでより
も低速とする低速化補正運転指令(PTsa,PTs
c,PTsd)を生成する。
【0077】この低速化補正運転指令(PTsa,PT
sc,PTsd)の生成方法は、上記場合に限定されな
い。つまり、この場合で言えば、プレス機械10Bのス
ライド位置PTbが図8に示すワーク搬送動作許容位置
PTx(Tx若しくはθx)に到達した場合に同期して
各プレス機械10A,10C,10Dの各スライド位置
PTa,PTc,PTdが当該各ワーク搬送動作許容位
置PTx(Tx若しくはθx)に到達させることができ
る値を求められればよいわけである。
【0078】低速化補正運転指令出力制御手段(CPU
81,ROM82)は、作成された低速化補正運転指令
(PTsc,PTsd)をインターフェイス86を介し
て他のプレス機械10C,10Dのそれぞれに出力する
(ST14)。自機(10A)にも低速化補正運転指令
(PTsa)をも出力(ST14)する。
【0079】なお、低速機(10B)には、低速化補正
運転指令は出力されない。但し、元のスライド移動速度
相当信号(PTsb)を低速化補正運転指令とみなして
監視部(80…86)から出力するように形成してもよ
い。情報処理上の統一化・簡素化のためである。
【0080】各プレス機械10A,10B,10C,1
0Dでは、当該各コンピュータ80A,80B,80
C,80D(各速度設定器51)で設定されたSPMに
従うスライド移動速度でプレス運転していた(図5のS
T30)が、自機(80A)内またはインターフェイス
87を介して当該各低速化補正運転指令[PTsa,
(PTsb),PTsc,PTsd]を受信(ST31
でYES)すると、減速運転(ST32)がなされる。
【0081】すなわち、低速化補正運転制御手段(CP
U81,ROM82)が、自機内の速度設定器(51)
の設定値(SPM)に対応しかつ選択されたモーション
パターン(t−PTカーブSMC)に基づきモーション
指令部53に設定されるとともにモーション指令部(5
3)から出力(払出し)されていた各スライド位置信号
(位置パルス)PTsに代えて、監視部(80A)から
受信した当該各低速化補正運転指令[PTsa,(PT
sb),PTsc,PTsd]を各インターフェイス8
6から位置速度制御部60に出力(払出し)する(ST
32)。
【0082】以上の検出・読込・判定・補正出力は、こ
の実施形態の場合は、プレス機械10Aのスライド17
が図8に示すワーク搬送動作許容位置PTx(θx)に
到達(図4のST15でYES)するまで、設定サイク
ルタイム(例えば、5mSec)毎に繰り返される(S
T15でNO、ST10〜ST14)。
【0083】スライド17が図8に示すワーク搬送動作
許容位置PTx(θx)に到達(ST15でYES)す
ると、優先判断手段(CPU81,ROM82)が、予
めSPM優先の旨が選択されているか否かを判断(ST
16)する。
【0084】設定SPM運転復帰指令出力制御手段(C
PU81,ROM82)が、それまで一番低速スライド
移動速度に合わせるように低速化補正運転していた各プ
レス機械[10A,(10B),10C,10D]に、
当該各設定SPMに従うようにとの指示(設定SPM運
転復帰指令)を出力する(ST17)。
【0085】各プレス機械10A,10B,10C,1
0Dでは、設定SPM運転復帰指令を受信(図5のST
33でYES)すると、設定SPM運転復帰制御手段
(CPU81,ROM82)が、自機内の速度設定器
(51)の設定値(SPM)に対応しかつ選択されたモ
ーションパターン(t−PTカーブ)に基づきモーショ
ン指令部(53)に設定されるとともにモーション指令
部53から出力(払出し)されていたスライド位置信号
(位置パルス)PTsに戻す(ST30)。
【0086】ここに、減速運転(ST32)が解除され
かつ上死点側低位置(上死点位置PTu)に至るまで設
定SPMで運転される(図4のST18でNO、ST1
6でYES,ST17)から、予定生産タクト時間の長
期化に及ぼす影響が小さく、復帰速度制御も簡単であ
る。
【0087】なお、オペレータによりプレス停止指令が
出される(ST19でYES)までは、ST10〜ST
17が繰り返される(ST19でNO)。
【0088】かかる第1の実施形態に係るプレス機械シ
ステム(10A,10B,10C,10D)では、各プ
レス機械のモータ30を回転制御すると、このモータ3
0にギヤ(30G,13)を介して連結されたクランク
軸12を回転駆動することができる。この際のスライド
移動(下降)速度は、設定SPM相当速度(図5のST
30)である。
【0089】監視部(80A)では、スライド下降中に
クランク軸12(または、モータ30)に連結されたエ
ンコーダ37(35)で検出された情報(検出情報)を
利用して、各プレス機械10A,10B,10C,10
Dの実際のスライド移動速度を検出する(図4のST1
0,ST11)。
【0090】そして、一番低速判定手段(81,82)
は、各プレス機械[10A,10B,10C,10D…
(80A,80B,80C,80D)]で検出された当
該各スライド移動速度の中の一番低速な検出スライド移
動速度を判定(ST12)する。任意のプレス機械(例
えば、プレス機械10B)のスライド移動速度が一番低
速な検出スライド移動速度となり得る。
【0091】すると、低速化補正運転指令出力制御手段
(81,82)が、各プレス機械のスライド位置がワー
ク搬送動作許容位置PTxに至るまでの当該各スライド
移動速度を一番低速であると判定された一番低速スライ
ド移動速度に合わせるようにするための低速化補正運転
指令を各プレス機械に出力する(ST12,ST1
3)。
【0092】各プレス機械10A,10B,10C,1
0Dでは、各低速化補正運転指令[PTsa,(PTs
b),PTsc,PTsd]を受信(図5のST31で
YES)すると、当該各コンピュータ80A,80B,
80C,80D(各速度設定器51)で設定されたSP
Mに従うスライド移動速度でのプレス運転(ST30)
に代えて減速運転(ST32)に入る。コンピュータ8
0Bの場合は、そのままである。
【0093】つまり、各プレス機械のスライド位置が、
当該各ワーク搬送動作許容位置PTxに同期して到達す
るように低速化補正運転する。各スライド位置が当該各
ワーク搬送動作許容位置PTxに同期して到達すると、
ワーク搬送制御手段(CPU81,ROM82)がワー
ク搬送装置100に搬送指令する。
【0094】したがって、各プレス機械のスライド位置
をワーク搬送動作許容位置PTxに同時に到達させるこ
とことができるので、ワーク搬送装置100と各スライ
ド17乃至金型との干渉を確実に回避させることができ
る。
【0095】また、クラッチ・ブレーキ装置,フライホ
イールを有しかつクランク機構を用いた従来例の場合に
比較して、上死点側定位置(上死点位置PTu)でスラ
イド停止状態とした位置同期化を必要としないので、生
産タクト時間を大幅に短縮することができる。しかも、
従来クラッチ・ブレーキ装置の頻繁なON・OFF動作
による運転中止時間を一掃化できかつ連続運転時間の長
期化を図れる。さらに、各プレス機械を並列的に監視す
るのでマスタ機とスレーブ機との従来追従制御方式によ
る場合でかつスレーブ機が低速である場合の制御不能化
事態を引起す心配がない。
【0096】また、各プレス機械10A,10B,10
C,10Dのスライド位置がワーク搬送動作許容位置P
Txから上死点側定位置(PTu)までの間を通過する
際は、設定SPM運転復帰補正指令出力制御手段(8
1,82)が、それまで一番低速スライド移動速度に合
わせるように低速化補正運転していた各プレス機械に当
該各設定SPMに従うようにする設定SPM運転復帰指
令を出力する(図4のST17)。
【0097】つまり、スライド位置PTがワーク搬送動
作許容位置(PTx)以降では、各プレス機械10のス
ライド移動速度を設定SPMに則るスライド移動速度に
戻せる(図5のST33でYES,図4のST10)。
したがって、復帰速度制御が簡単でかつ予定生産タクト
時間の長期化に及ぼす影響が小さい。
【0098】なお、上死点側定位置(初期位置)は、上
死点位置(PTu…θ0)ではなく任意の角度(例え
ば、θ0+α)に設定してプレス運転することができ
る。
【0099】(第2の実施形態)この第2の実施形態
は、基本的構成が第1の実施形態の場合(図1〜図5…
但し、図4のST16,ST17および図5のST33
を除く。)と同様とされているが、各プレス機械10の
ワーク搬送動作許容位置PTxから上死点側定位置(上
死点位置PTu)までのスライド移動速度を、クランク
軸12の1回転終了時において予定生産タクト時間(設
定SPMに対応する生産タクト時間)を維持できるよう
に高速化補正可能に形成してある。
【0100】つまり、ワーク搬送動作許容位置PTxか
ら上死点側定位置(上死点位置PTu)に至るまでのス
ライド移動速度を、設定SPM相当速度よりも高速でプ
レス運転可能として、低速化補正運転による生産タクト
時間の長期化を相殺させることで、予定生産タクト時間
を担保することができるわけである。
【0101】具体的には、図4のST10〜ST15お
よびST18,ST19は第1の実施形態の場合と同じ
であるが、ST16およびST17に代えて高速化運転
指令作成工程とその出力工程を設ける。
【0102】高速化運転指令作成工程は、高速化運転指
令作成手段(CPU81,ROM82)によって、ワー
ク搬送動作許容位置PTxから上死点側定位置(上死点
位置PTu)までのスライド移動速度を、低速化補正運
転指令に基づく速度を勘案した設定SPM相当速度より
も高速のスライド移動(上昇)速度とする高速化運転指
令を作成する。高速化運転指令出力工程は、高速化運転
指令出力制御手段(CPU81,ROM82)によっ
て、作成された高速化運転指令を各プレス機械10に出
力する。
【0103】また、図5のST30〜ST32は第1の
実施形態の場合と同じであるが、ST33に代えて高速
化運転指令受信判別工程と高速化運転工程とを設ける。
【0104】高速化運転工程は、高速化運転制御手段
(CPU81,ROM82)によって、高速化運転指令
受信判別工程[高速化運転指令受信判別手段(CPU8
1,ROM82)による判定。]で監視部(80A)か
ら高速化運転指令を受信したと判別された場合に、各プ
レス機械10に高速化運転指令を出力して高速化運転さ
せるものである。
【0105】したがって、この第2の実施形態によれ
ば、ワーク搬送動作許容位置PTx以降から上死点側定
位置(PTu)に至るまでの間のスライド上昇速度を高
速化してクランク軸12の1回転終了時に設定SPMに
従い一貫運転した場合の予定生産タクト時間を担保する
ことができるから、生産性を確実に保証することができ
る。
【0106】(第3の実施形態)この第3の実施形態
は、基本的構成が第1(第2)の実施形態の場合(図1
〜図3)と同様とされているが、図6に示す如く監視部
が各コンピュータ80A,80B,10C,10Dの組
合わせとして構築されている。
【0107】すなわち、第1(第2)の実施形態におけ
る自機スライド移動速度検出制御手段(81,82),
他機スライド移動速度読込制御手段(81,82),低
速化補正運転指令作成手段(81,82),低速化補正
運転指令出力制御手段(81,82),低速化補正運転
制御手段(81,82),優先判断手段(81,8
2),設定SPM運転復帰指令出力制御手段(81,8
2)および設定SPM運転復帰制御手段(81,82)
は、監視部または各プレス機械用のコンピュータ80
A,80B,10C,10Dとして、各コンピュータ8
0A,80B,80C,80Dに設けられている。
【0108】そして、第1の実施形態でいう一番低速判
定手段(81,82)は、各コンピュータ80A,80
B,80C,80Dに設けられ、隣接する他のコンピュ
ータ80とからスライド位置(スライド移動速度)相当
信号θak,θbk,θck,θdkを受信して自機
(例えば、80B…10B)が隣接機(80A…10
A、80C…10C)に比較して低速か否かを判定す
る。
【0109】例えば、自機(例えば、80B…10B)
の方が低速であると判定した場合は、その他のプレス機
(10D)用のコンピュータ80Dにも、中間のコンピ
ュータ80Cを通じてその判定結果(乃至プレス機10
Bのスライド移動速度)を通知する。したがって、この
第3の実施形態の場合でも第1の実施形態の場合と同様
に一番低速判定機能を発現することができる。各コンピ
ュータ80A,80B,80C,80Dの格納プログラ
ムが同一でよい。ただし、第1の実施形態の場合に比較
して、隣接相互間通信をするので、判定時間がやや長く
なる。
【0110】また、第2の実施形態でいう監視部として
の高速化運転指令作成手段(81,82)および高速化
運転指令出力制御手段(81,82)並びに各プレス機
械10用としての高速化運転指令受信判別手段(81,
82)および高速化運転制御手段(81,82)も、各
コンピュータ80A,80B,80C,80Dに設けら
れている。したがって、この第3の実施形態の場合でも
第2の実施形態の場合と同様に機能することができる。
【0111】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、次のような優
れた効果を奏することができる。 サーボモータ駆動方式の各プレス機械のスライド位
置がワーク搬送動作許容位置に到達するまでは各プレス
機械の当該各スライド下降速度をいずれかのプレス機械
の最低速に同期させてプレス運転させることができるか
ら、各プレス機械のスライド位置をワーク搬送動作許容
位置に同時に到達させることことができる。よって、ワ
ーク搬送装置と各スライド(乃至金型)との干渉を確実
に回避させることができる。 クラッチ・ブレーキ装置,フライホイールを有しか
つクランク機構を用いた従来例の場合に比較して、上死
点側定位置でスライド停止状態とする位置同期化運転を
必要としないので、生産タクト時間を大幅に短縮するこ
とができる。 従来クラッチ・ブレーキ装置の頻繁なON・OFF
動作による運転中止時間を一掃化できるから、連続運転
時間の長期化を図れる。 各プレス機械を並列的に監視するので、ホスト機と
スレーブ機との従来追従制御方式による場合に生じる制
御不能化事態を招くことがない。
【0112】また、請求項2の発明によれば、請求項1
の発明の場合と同様な効果を奏することができることに
加え、さらにワーク搬送動作許容位置以降のスライド上
昇速度を設定SPMに従うように復帰されるので、復帰
速度制御が簡単でかつ予定生産タクト時間の長期化に及
ぼす影響が小さい。
【0113】また、請求項3の発明によれば、請求項1
の発明の場合と同様な効果を奏することができることに
加え、さらにワーク搬送動作許容位置以降から上死点側
定位置に至るまでの間のスライド上昇速度を高速化して
クランク軸の1回転終了時に設定SPMによる場合の予
定生産タクト時間を担保することができるから、生産性
を一段と安定して保証することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態を説明するためのプレ
ス機械の概略側面図である。
【図2】同じく、各プレス機械の設定選択指令駆動制御
部等を説明するためのブロック図である。
【図3】同じく、位置速度制御部およびモータ駆動制御
部を説明するための回路図である。
【図4】同じく、監視部の監視動作を説明するためのフ
ローチャートである。
【図5】同じく、各プレス機械の低速化補正運転を説明
するためのフローチャートである。
【図6】本発明の第2の実施形態に係る各プレス機械の
設定選択指令駆動制御部等を説明するためのブロック図
である。
【図7】従来例を説明するための図である。
【図8】従来例の問題点を説明するための図である。
【符号の説明】
10 プレス機械 11 クランク機構(駆動機構) 12 クランク軸 13 メインギヤ(ギヤ) 17 スライド 19 停止状態保持ブレーキ 30 ACサーボモータ(モータ) 30G ピニオン 35 モータ軸用エンコーダ 37 クランク軸用エンコーダ 40 相信号生成部 50 設定選択指令部 60 位置速度制御部 70 モータ駆動制御部 80 パソコン(設定選択指令駆動制御部) 81 CPU 82 ROM 84 操作部(PNL) 85 表示部 100 ワーク搬送装置

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 駆動機構の一部を構成するクランク軸の
    回転によりスライドを昇降させつつプレス加工可能なプ
    レス機械の複数台がワーク搬送方向に配設され、スライ
    ド位置がワーク搬送動作許容位置にある各プレス機械に
    ワークを順次搬送可能なワーク搬送装置を具備するプレ
    ス機械システムおいて、 前記各プレス機械がクランク軸をギヤを介して連結され
    たモータの回転制御により回転駆動可能に構成されかつ
    前記クランク軸またはモータに連結されたエンコーダの
    検出情報を利用してスライド移動速度を検出可能に形成
    され、 前記各プレス機械の検出された当該各スライド移動速度
    の中の一番低速な検出スライド移動速度を判定可能かつ
    前記各プレス機械のスライド位置がワーク搬送動作許容
    位置に至るまでの当該各スライド移動速度を一番低速で
    あると判定された一番低速スライド移動速度に合わせる
    ように低速化補正運転可能に形成され、 前記各プレス機械のスライド位置が当該各ワーク搬送動
    作許容位置に同期して到達可能に形成された、プレス機
    械。
  2. 【請求項2】 前記各プレス機械のワーク搬送動作許容
    位置から上死点側定位置までのスライド移動速度が当該
    各設定SPMに従うようにする復帰補正可能に形成され
    ている、請求項1に記載されたプレス機械。
  3. 【請求項3】 前記各プレス機械のワーク搬送動作許容
    位置から上死点側定位置までのスライド移動速度を、前
    記クランク軸の1回転終了時において予定生産タクト時
    間を維持できるように高速化補正可能に形成されてい
    る、請求項1に記載されたプレス機械。
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