JP2008108901A - フェライト薄膜の製造装置および製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 フェライト薄膜は膜を構成する個々の結晶粒が柱状結晶から生成されると均一な薄膜が得られるが、成膜温度を一定条件下に保たないと結晶の柱状が崩れ、粒状の結晶に成膜されやすく、均一なフェライト薄膜の製造は困難であった。そこで、全体にわたって均質で、かつ優れた軟磁気特性を有するフェライト薄膜の製造装置および製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】 側面ヒーター5が基体7の側面に配置され、側面の斜め上方向から基体表面が加熱される。基体上にフェライト結晶が成膜されるが、基体表面に充分に熱が照射されることにより、フェライト結晶の上面は常に初期の基体上面の温度と同程度の温度に保つことができるため、均一な柱状結晶を得ることが可能である。
【選択図】 図1
【解決手段】 側面ヒーター5が基体7の側面に配置され、側面の斜め上方向から基体表面が加熱される。基体上にフェライト結晶が成膜されるが、基体表面に充分に熱が照射されることにより、フェライト結晶の上面は常に初期の基体上面の温度と同程度の温度に保つことができるため、均一な柱状結晶を得ることが可能である。
【選択図】 図1
Description
本発明は、磁気記録媒体、光磁気記録媒体、磁気ヘッド、磁気光学素子、マイクロ波素子、磁歪素子、磁気音響素子及び高周波領域において不要電磁波の干渉によって生じる電磁障害を抑制するために用いられる電磁干渉抑制体などに、広く応用が期待されるスピネル型フェライト薄膜に関する。
フェライト薄膜の製造方法としては、例えば、特許文献1に示されているように、固体表面に、金属イオンとして少なくとも第1鉄イオンを含む水溶液を接触させ、固体表面にFeOH+またはこれと他の水酸化金属イオンを吸着させ、続いて吸着したFeOH+を酸化させることによりFeOH2+を得、これが水溶液中の水酸化金属イオンとの間でフェライト結晶化反応を起こし、これによって固体表面にフェライト薄膜を形成する方法が知られている。
従来技術において、特許文献2には、この技術を基にフェライト薄膜の均質化、反応速度の向上を図った内容が記載されており、特許文献3には、固体表面に界面活性を付与して種々の固体にフェライト薄膜を形成しようとする内容が記載されており、特許文献4、特許文献5、特許文献6および特許文献7には、フェライト薄膜の形成速度の向上に関する内容が記載されている。
背景技術で述べたように、これまでフェライト薄膜の均質化および成膜速度の向上に対して種々の改良技術が提案されているが、高周波領域における電磁干渉抑制体への応用という観点からみると軟磁気特性、膜の均質化、膜厚がまだ不十分であり、そのためこの分野では各種電子部品等への応用はなされていない。
従来のめっき方法によるフェライト薄膜の成膜の際には、基体下の回転台中に設置されるヒーターのみによって成膜に必要な熱が与えられていた。フェライト薄膜は膜を構成する個々の結晶粒が柱状結晶から生成されると均一な結晶のフェライト薄膜を得ることができるが、結晶が成長するにつれて、基体下の回転台中に設置されるヒーターのみからしか熱が伝わらないため、フェライト結晶の上面の温度は下がってしまう。成膜温度が下がることによってフェライト結晶の上面は柱状が崩れ、粒状の結晶に成膜されやすくなり、特に5μm以上の膜厚のものでは、均質で、かつ優れた軟磁気特性を有するフェライト薄膜を製造するのは困難であった。
本発明は、係る従来の課題を解決し、生産性を向上し、極めて均質で優れた軟磁気特性を有するフェライト薄膜の製造装置および製造方法を提供するものである。
本発明では、少なくとも第一鉄イオンを含む反応液を基体に接触させる機構と、少なくとも酸化剤もしくは酸素を含んだ酸化液を基体に接触させる機構および反応液及び酸化液の内フェライト薄膜生成に寄与しない残分を基体から除去する機構と基体の側面に成膜温度を得るための加熱装置を具備してなることを特徴とするフェライト膜の製造装置が得られる。
また、本発明では、少なくとも第一鉄イオンを含む反応液を基体に接触させる工程と、反応液を基体から除去する工程と、酸化剤もしくは酸素を含む酸化液を基体に接触させる工程および酸化液を基体から除去する工程を繰り返して製膜する際に、基体を側面より加熱することを特徴とするフェライト膜の製造方法が提案される。
また、本発明では、フェライト膜を構成する結晶粒が基体に対し垂直に立った柱状形状であって、柱状結晶の長軸を0.1〜50μmとすることを特徴とするフェライト薄膜の製造方法が提案される。
本発明によれば、基体の側面に加熱装置を設けて基体表面を加熱することにより、結晶成長面の温度を一定に保つことができるので、薄膜の厚さに関わらず、均一な柱状結晶から構成される均質なフェライト薄膜が得られる。特に、従来は困難であった5μm以上の成膜でも供給時間を長くするのみで、個々の結晶粒が均一な柱状結晶から構成される極めて均質なフェライト薄膜が得られる。
以下、更に詳細に本発明について説明する。
本発明のフェライト膜の製造方法においては、フェライトを構成する、次のような金属イオン、例えばMn、Ni、Zn、Cu等と、少なくとも第一鉄イオンが溶解された反応液を基体に接触させる工程と、反応液を基体から除去する工程と、少なくともKNO2、NaNO2等の酸化剤または酸素を含む酸化液を基体に接触させる工程および酸化液を基体から除去する工程を繰り返して製膜する際に、基体を熱するために、側面より加熱することに最大の特徴がある。
図1は、本発明におけるメッキ装置の一例の概略構成図である。図1に装置概要を示すように、反応液タンク3に貯蔵された反応液は反応液ノズル1を介して、酸化液タンク4に貯蔵された酸化液は酸化液ノズル2を介して基体7に供給される。その際、反応液ノズル1を介して基体7に反応液が供給された後、供給された反応液が回転による遠心力で除去され、酸化液ノズル2を介して基体7に供給された酸化液が、回転による遠心力で除去されることを繰り返す。このように余分な溶液を除去しながら、吸着・反応を行わせることで均一なフェライト結晶を成長させる。
図3は、回転台を上面側から見た図である。回転台6の内部にはヒーター9が内蔵されている。従来であればヒーター9のみで基体を加熱し成膜していたが、本発明においては、さらに側面ヒーター5が基体7の側面に配置され、側面の斜め上方向から基体表面が加熱される。加熱された基体にフェライト結晶が成膜されるが、基体表面、特にフェライト結晶が成長中の個所に充分に熱が照射されることにより、フェライト結晶の上面は常に初期の基体上面の温度と同程度の温度に保つことができる。従って、温度低下による粒状結晶の成膜は起こらないので、均一な柱状結晶を得ることが可能となる。なお、使用する側面ヒーター5は赤外線ヒーターを使用すると良い。また、耐熱性、耐薬品性を考えると、赤外線ヒーター表面をセラミックで覆ったものを用いるのが望ましい。
次に、本発明のフェライト薄膜製造の実施例について説明する。
回転台6上に、基体7としてプラズマ処理により親水化処理をしたガラス板を設置し、150rpmで回転させながら、また、脱酸素イオン交換水を供給しながら基体表面をヒーター9と側面ヒーター5を用いて90℃まで加熱した。次いで、装置内にN2ガスを導入し、非酸化性雰囲気の状態にした。反応液は、脱酸素イオン交換水中にFeCl2・4H2O、NiCl2・6H2O、ZnCl2をそれぞれ3.3,1.3,0.03g/L溶かしたものを用いた。酸化液は、脱酸素イオン交換水中にNaNO2とCH3COONH4をそれぞれ0.3,5.0g/L溶かしたものを用いた。反応液ノズル1と酸化液ノズル2により、反応液と酸化液のそれぞれを基体7上に30ml/minの流量で約60分供給した。その後、取り出したガラス基板の板上には黒色鏡面膜が形成されており、試料の化学分析と走査電子顕微鏡により、Ni,Zn,Fe,Oからなるスピネル型フェライトであることを確認した。
図2は、本発明におけるメッキ装置によって成膜されたフェライト膜の断面図である。本製造方法にて得られた膜は、走査電子顕微鏡にて観察すると、図2に示すような均一な柱状結晶であった。反応液および酸化液の供給時間を60分とした場合は、柱状結晶8の長軸を測定したところ7.0〜7.5μmであった。
さらに、上記と同じ条件で、反応液および酸化液の供給を6時間行った場合は50μmの均一な柱状結晶が得られた。また、供給時間を60分より短くした30分間の場合には4μmの均一な柱状結晶が得られた。このように、同じ条件で供給時間を長くする、即ち、製造時間を長くすることでフェライト膜の膜厚を厚くすることができ、逆に、供給時間を60分より短くすることで5μm以下の薄い膜を成膜することができる。これらのフェライト薄膜は、電磁干渉抑制体として充分な磁気特性と膜厚を示していた。従って、本願発明により、電磁干渉抑制体としての優れた軟磁気特性を有するフェライト薄膜を得ることができる。
1 反応液ノズル
2 酸化液ノズル
3 反応液タンク
4 酸化液タンク
5 側面ヒーター
6 回転台
7 基体
8 柱状結晶
9 ヒーター
10 回転方向
2 酸化液ノズル
3 反応液タンク
4 酸化液タンク
5 側面ヒーター
6 回転台
7 基体
8 柱状結晶
9 ヒーター
10 回転方向
Claims (3)
- 少なくとも第一鉄イオンを含む反応液を基体に接触させる機構と、少なくとも酸化剤若しくは酸素を含んだ酸化液を基体に接触させる機構と、前記反応液及び酸化液の内、フェライト薄膜生成に寄与しない残分を基体から除去する機構と、基体の側面に成膜温度を得るための加熱装置を具備してなることを特徴とするフェライト薄膜の製造装置。
- 少なくとも第一鉄イオンを含む反応液を基体に接触させる工程と、反応液を基体から除去する工程と、酸化剤を含む酸化液を基体に接触させる工程および酸化液を基体から除去する工程を繰り返してフェライト薄膜を製造する方法であって、基体を側面より加熱することを特徴とするフェライト薄膜の製造方法。
- 請求項2記載のフェライト薄膜の製造方法において、前記フェライト薄膜を構成する結晶粒が基体に対し垂直に立った柱状形状であって、柱状結晶の長軸を0.1〜50μmとすることを特徴とするフェライト薄膜の製造方法。
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JP2006290224A JP2008108901A (ja) | 2006-10-25 | 2006-10-25 | フェライト薄膜の製造装置および製造方法 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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Publications (1)
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Family
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Family Applications (1)
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JP (1) | JP2008108901A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010278031A (ja) * | 2009-05-26 | 2010-12-09 | Nec Tokin Corp | フェライト薄膜の製造装置 |
WO2013011971A1 (ja) * | 2011-07-15 | 2013-01-24 | 日本電気株式会社 | 磁性体素子用の積層体及びこの積層体を備えた熱電変換素子並びにその製造方法 |
WO2014087749A1 (ja) * | 2012-12-06 | 2014-06-12 | 日本電気株式会社 | 熱電変換素子とその使用方法とその製造方法 |
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2006
- 2006-10-25 JP JP2006290224A patent/JP2008108901A/ja active Pending
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JPWO2014087749A1 (ja) * | 2012-12-06 | 2017-01-05 | 日本電気株式会社 | 熱電変換素子とその使用方法とその製造方法 |
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