JP2005191098A - フェライト薄膜及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】フェライトメッキ法により形成されるフェライト膜における形成速度が向上されると共に、組織制御されて薄膜化された広い周波数帯域で高い透磁率を有するフェライト薄膜の製造方法を提供すること。
【解決手段】このフェライト薄膜の製造方法は、少なくとも第一鉄イオンを含む反応液を基体表面上に接触させる液接触工程と、少なくとも酸化剤を含んだ酸化液を基体表面上に接触させて反応液を接触させた基体表面上でフェライトメッキ法によりフェライト薄膜を形成する膜形成工程と、反応液及び酸化液のうちのフェライト薄膜の形成に寄与しない残分を基体表面上から除去する残分除去工程とを繰り返し行い、更に、液接触工程では、反応液として組成の異なる2種類以上のものを用い、膜形成工程では、フェライト薄膜を2種類以上の構成要素を有して成るものとして形成するものである。
【選択図】なし

Description

本発明は、主としてインダクタンス素子,インピーダンス素子,磁気ヘッド,マイクロ波素子,磁歪素子、或いは高周波領域における不要な電磁波干渉によって生じる電磁ノイズ障害を抑制するための電磁干渉抑制体等に広く適用されているフェライト薄膜及びその製造方法に関する。
近年、電子機器の小型化の進展により、それを構成する電子部品への小型化の要求も年々高まっている。こうした要求に伴い、例えばインダクタンス素子,インピーダンス素子,磁気ヘッド,マイクロ波素子,磁歪素子、或いは高周波領域における不要な電磁波干渉によって生じる電磁ノイズ障害を抑制するための電磁干渉抑制体等に用いられる軟磁気特性を有するフェライト薄膜の材料には応用されるデバイスに適した透磁率の周波数特性及び小型化(シート化又は薄膜化を示す)が求められている。ここで、透磁率の周波数特性は、特に広い周波数帯域で高い透磁率を有することが望まれている。
そこで、固体表面にフェライト膜を形成する周知技術としては、例えばフェライトメッキ法を適用したもの(特許文献1参照)が知られている。ここでのフェライトメッキ法とは、固体表面に金属イオンとして少なくとも第一鉄イオンを含む水溶液を接触させ、固体表面にFe2+又はこれと他の水酸化金属イオンを吸着させ、続いて吸着したFe2+を酸化させてFe3+を得ておき、このFe3+が水溶液中の水酸化金属イオンとの間でフェライト結晶化反応を起こして固体表面にフェライト膜(尚、以下も同様であるが、フェライトメッキ法を適用して得られたフェライト膜は、フェライトメッキ膜と呼ばれても良い)を形成するものである。
又、このフェライトメッキ法に基づく応用技術としては、フェライト膜の均質化、反応速度の向上を図ったもの(特許文献2参照)、固体表面に界面活性を付与して種々固体にフェライト膜を形成しようとするもの(特許文献3参照)、フェライト膜の形成速度を向上させたもの(特許文献4,特許文献5,及び特許文献6参照)等が知られている。
即ち、フェライトメッキ法によれば、フェライト膜を形成しようとする固体が上述した水溶液に対して耐性を持つものであれば何でも良い。又、水溶液を介した反応であるため、温度が比較的低温(常温〜水溶液の沸点以下)でもスピネル型フェライト膜を形成できるという利点がある。このため、他のフェライト膜を形成(成膜)する技術と比べて対象とされる固体が限定される範囲が非常に小さくなっている。
特許第1475891号(第2頁) 特許第1868730号(第3頁〜第4頁) 特開昭61−030674号公報(第3頁) 特許第1774864号(第3頁〜第5頁) 特許第1979295号(第5頁) 特開平02−116631号公報(第2頁)
上述した特許文献1〜6に係るフェライトメッキ法により形成されるフェライト膜の場合、インダクタンス素子,インピーダンス素子,磁気ヘッド,マイクロ波素子,磁歪素子、或いは高周波領域における電磁干渉抑制体等への適用という観点からみると、こうしたデバイスに適した磁性体としての適性ある透磁率の周波数特性や小型化(シート化又は薄膜化)が求められているという点を留意すれば、フェライト薄膜の透磁率の周波数特性を制御するためにその薄膜の組織制御が不可欠と考えられるものの、こうした点が何等技術的に考慮されておらず、結果として高特性が得られないため、現状では工業的にまだまだ不十分であるという問題がある。
本発明は、このような問題点を解決すべくなされたもので、その技術的課題は、フェライトメッキ法により形成されるフェライト膜における形成速度が向上されると共に、組織制御されて薄膜化された広い周波数帯域で高い透磁率を有するフェライト薄膜及びその製造方法を提供することにある。
本発明によれば、組成の異なる2種類以上の構成要素を有して成るフェライト薄膜が得られる。このフェライト薄膜において、少なくともNi,Zn,Fe,Oを含有していることは好ましい。
又、本発明によれば、少なくとも第一鉄イオンを含む反応液を基体表面上に接触させる液接触工程と、少なくとも酸化剤を含んだ酸化液を基体表面上に接触させて反応液を接触させた該基体表面上でフェライトメッキ法によりフェライト薄膜を形成する膜形成工程と、反応液及び酸化液のうちのフェライト薄膜の形成に寄与しない残分を基体表面上から除去する残分除去工程とを繰り返し行い、更に、液接触工程では、反応液として組成の異なる2種類以上のものを用い、膜形成工程では、フェライト薄膜を2種類以上の構成要素を有して成るものとして形成するフェライト薄膜の製造方法が得られる。このフェライト薄膜の製造方法において、2種類以上の構成要素を有して成るフェライト薄膜は、少なくともNi,Zn,Fe,Oを含有していることは好ましい。
本発明のフェライト薄膜の製造方法の場合、少なくとも第一鉄イオンを含む反応液を基体表面上に接触させる液接触工程と、少なくとも酸化剤を含んだ酸化液を基体表面上に接触させて反応液を接触させた該基体表面上でフェライトメッキ法によりフェライト薄膜を形成する膜形成工程と、反応液及び酸化液のうちのフェライト薄膜の形成に寄与しない残分を基体表面上から除去する残分除去工程とを繰り返し行い、更に、液接触工程では、反応液として組成の異なる2種類以上のものを用い、膜形成工程では、フェライト薄膜を2種類以上の構成要素を有して成るものとして形成しているので、フェライト薄膜の形成速度が向上して工業的な生産性を増すことが可能となり、しかも組織制御された広い周波数帯域で高い透磁率を有する高特性なフェライト薄膜が得られるようになる。又、これらの各工程の繰り返しにより形成される2種類以上の構成要素を有して成るフェライト薄膜は、少なくともNi,Zn,Fe,Oを含有する2種類以上の構成要素を有して成ることにより、例えばインダクタンス素子,インピーダンス素子,磁気ヘッド,マイクロ波素子,磁歪素子,及び高周波領域における電磁干渉抑制体等への応用が期待できるので、工業的な利用価値が大きい。
本発明者等は、種々検討の結果、フェライト膜の製造方法において、少なくとも第一鉄イオンを含む反応液を基体表面上に接触させる液接触工程と、少なくとも酸化剤を含んだ酸化液を基体表面上に接触させて反応液を接触させた基体表面上でフェライトメッキ法によりフェライト薄膜を形成する膜形成工程と、反応液及び酸化液のうちのフェライト薄膜の形成に寄与しない残分を基体表面上から除去する残分除去工程とを繰り返し行い、更に、液接触工程では、反応液として組成の異なる2種類以上のものを用い、膜形成工程では、フェライト薄膜を2種類以上の構成要素を有して成るものとして形成すれば、フェライト薄膜の形成速度が向上して工業的な生産性を増すことが可能となり、しかも組織制御されて薄膜化された広い周波数帯域で高い透磁率を有する高特性なフェライト膜が得られることを見い出した。又、これらの各工程の繰り返しにより形成される2種類以上の構成要素を有して成るフェライト薄膜は、少なくともNi,Zn,Fe,Oを含有するものであることを見い出した。
このように、組成の異なる2種類以上の構成要素を有して成るフェライト薄膜が広い周波数帯域で高い透磁率を有する原因は、特性の異なる構成要素を持つ薄膜が膜全体として各構成要素の特性を融合した特性を発現するためであると考えられる。又、残分除去工程で反応液及び酸化液の残分を除去することがフェライト膜の形成速度を向上させ、しかも均質な結晶構造が得られるようになることの詳細な原因は明らかでないが、反応液及び酸化液の残分が除去されることにより、固体表面以外での副次的なフェライト微粒子の形成が抑制され、又固体表面に均一にFe2+を吸着させるものと考えられる。
図1は、本発明のフェライト薄膜が有する組成の異なる構成要素を具体的に例示した模式図であり、同図(a)は柱状フェライト膜に関するもの,同図(b)は粒状フェライト膜に関するもの,同図(c)は層状フェライト膜に関するものである。
具体的に言えば、図1(a)では、基板4上に柱状のフェライト結晶11が均質に成膜されて成る柱状フェライト膜を示している。図1(b)では、基板4上に粒状のフェライト結晶12がほぼ均質に成膜されて成る粒状フェライト膜を示している。図1(c)では、基板4上に膜面に対して垂直な方向へ組成の異なる層状のフェライト層13がほぼ均質に成膜されて成る層状フェライト膜を示している。
ここでは、図1(c)に示す層状フェライト膜の場合について、組成の異なる2種類の構成要素として、組成の異なるフェライト層13を2層積層した構造を示しているが、更に反応液の種類を増やすことにより3種類以上の構成要素から成る層状フェライト膜を作製することができ、しかも透磁率の周波数特性を所望の特性に制御することができる。又、構成要素の並び方は図1(a)や図1(b)に示した形態に適用させても構わない。
即ち、本発明のフェライト薄膜は、こうした図1(c)に示したものや、或いは図1(a)〜(c)に示した組成の異なる構成要素のものを2種以上組み合わされた結晶構造を持つものである。
図2は、本発明のフェライト薄膜を製造するためのフェライトメッキ法を導入した製造装置の一例を示した概略構成図である。
この製造装置は、回転台3上にフェライト薄膜を形成するための基体4が設置されており、反応液を貯溜したタンク5から延在する反応液を噴出するためのノズル1と酸化液を貯溜したタンク6から延在する酸化液を噴出するためのノズル2とが回転台3上の基体4表面近傍に設置されている。
このように、フェライト薄膜の形成を効率良く高品質が得られるように行うため、必要な液を幾つかに分けて貯溜するための専用のタンクを準備し、それらの液を噴出するためのノズルもそれらのタンクから個別に延在するように設置することが好ましい。
この製造装置の場合、タンク5,6に貯溜された反応液,酸化液がノズル1,2を介して基体4表面に供給される。このとき、例えば最初にノズル1を介して基体4表面に反応液が供給された後、供給された反応液が回転による遠心力で除去されるようにし、次にノズル2を介して基体4表面に酸化液が供給された後、供給された酸化液が回転による遠心力で除去されるような工程を繰り返す。
尚、この製造装置では反応液及び酸化液を基体から除去する際、遠心力を用いる構成となっているが、専用の除去液を用いた上で重力を利用して反応液及び酸化液に付与される流動性により除去するような構成を採用しても構わない。
以下は、図2に示した製造装置を用いて実施例1並びに比較例1〜3に係るフェライト薄膜を作製した場合を具体的に説明する。
実施例1では、先ず製造装置の回転板3上にプラズマ処理により親水化処理をしたガラス製の基板4を設置し、150rpmで回転させながら脱酸素イオン交換水を供給しながら90℃まで加熱した。
次に、製造装置内にNガスを導入して脱酸素雰囲気を形成した。又、フェライト薄膜の形成に必要な反応液を2種類準備し、脱酸素イオン交換水中にFeCl・4HO,NiCl・6HO,ZnClをそれぞれ3.3,1.3,0.03g/リットル溶かしたものを反応液Aとし、脱酸素イオン交換水中にFeCl・4HO,NiCl・6HO,ZnClをそれぞれ3.3,1.3,0.07g/リットル溶かしたものを反応液Bとした。更に、脱酸素イオン交換水中にNaNOとCHCOONHとをそれぞれ0.3,5.0g/リットル溶かしたものを酸化液とした。
そこで、反応液A及び酸化液をノズル1,2によりそれぞれ30ミリリットル/分の流量で約15分間供給した後、反応液Aのみを反応液Bに切り換えて反応液B及び酸化液をノズル1,2によりそれぞれ30ミリリットル/分の流量で約15分間供給して実施例1に係るフェライト薄膜を作製した。
取り出したガラス製の基板4上には黒色鏡面膜が形成されており、この実施例1に係るフェライト薄膜はNi,Zn,Fe,Oを含有するものであることを確認できた。SEMを用いた組織観察の結果、実施例1に係るフェライト薄膜では膜厚が均一である組織が形成されており、膜厚は約0.5μmだった。TEM−EDXを用いて分析した結果、実施例1に係るフェライト薄膜の場合、膜断面の基板4に近い部分、表面に近い部分の組成はそれぞれNi0.2Zn0.3Fe2.5、Ni0.2Zn0.6Fe2.2だった。
この実施例1に係るフェライト薄膜(反応液A+Bを持つもの)について、周波数20MHz,200MHz,500MHzに対する透磁率μの実数部μ′,虚部数μ″を測定したところ、周波数20MHzでは実数部μ′=120,虚部数μ″=30、周波数200MHzでは実数部μ′=50,虚部数μ″=30、周波数500MHzでは実数部μ′=25,虚部数μ″=50であった。
以上により、実施例1に係るフェライト薄膜は、形成速度が向上されると共に、組織制御されて広い周波数帯域で高い透磁率を有することが判った。
[比較例1]
比較例1では、先ず製造装置の回転板3上にプラズマ処理により親水化処理をしたガラス製の基板4を設置し、150rpmで回転させながら脱酸素イオン交換水を供給しながら90℃まで加熱した。
次に、製造装置内にNガスを導入して脱酸素雰囲気を形成した。又、フェライト薄膜の形成に必要な反応液を2種類準備し、脱酸素イオン交換水中にFeCl・4HO,NiCl・6HO,ZnClをそれぞれ3.3,1.3,0.03g/リットル溶かしたものを反応液Aとし、脱酸素イオン交換水中にFeCl・4HO,NiCl・6HO,ZnClをそれぞれ3.3,1.3,0.07g/リットル溶かしたものを反応液Bとした。
そこで、これらの反応液A,Bの何れか一方と脱酸素イオン交換水中にNaNOとCHCOONHとをそれぞれ0.3,5.0g/リットル溶かした酸化液をノズル1,2によりそれぞれ30ml/minの流量で約30分供給して比較例1に係るフェライト薄膜を作製した。
取り出したガラス製の基板4上には反応液A、Bの何れを用いた場合にも黒色鏡面膜が形成されており、この比較例1に係るフェライト薄膜はNi,Zn,Fe,Oを含有するものであることを確認できた。SEMを用いた組織観察の結果、比較例1に係るフェライト薄膜では膜厚が均一である組織が形成されており、膜厚は反応液A、Bの何れを用いた場合にも約0.5μmだった。TEM−EDXを用いて分析した結果、比較例1に係るフェライト薄膜の場合、反応液A,Bを用いた場合の組成はそれぞれNi0.2Zn0.3Fe2.5、Ni0.2Zn0.6Fe2.2だった。
この比較例1に係るフェライト薄膜(反応液A,Bの何れか一方を持つもの)について、周波数20MHz,200MHz,500MHzに対する透磁率μの実数部μ′,虚部数μ″を測定したところ、反応液Aを用いたものの場合、周波数20MHzでは実数部μ′=180,虚部数μ″=50、周波数200MHzでは実数部μ′=10,虚部数μ″=50、周波数500MHzでは実数部μ′=5,虚部数μ″=30であり、反応液Bを用いたものの場合、周波数20MHzでは実数部μ′=80,虚部数μ″=2、周波数200MHzでは実数部μ′=80,虚部数μ″=10、周波数500MHzでは実数部μ′=40,虚部数μ″=60であった。
以上の結果を実施例1に示したものと比べると、比較例1の場合、反応液Aを用いたものは低周波数領域における実数部μ′は高い値であるものの、200MHzでは減衰が顕著であり、反応液Bを用いたものは高い周波数まで高い実数部μ′を有するが、実施例1の場合と比べると低周波数領域における実数部μ’が低い値となっており、周波数に対する透磁率の特性は実施例1の場合よりも劣っていることが判る。
[比較例2]
比較例2では、製造装置の回転板3上にプラズマ処理により親水化処理をしたガラス製の基板4を設置し、回転板3の回転数を15rpmとした以外は実施例1の場合と同一な条件で比較例2に係るフェライト薄膜を作製した。
取り出したガラス製の基板4上には膜が形成されており、SEMを用いた組織観察の結果、比較例2に係るフェライト薄膜では膜厚の均一性が著しく劣化していることが判った。又、透磁率の特性は実施例1の場合よりも著しく劣化していることが判った。
即ち、図2に示した製造装置において、回転台3の回転数は基体4表面に遠心力を加える効果をもつことを考慮すれば、比較例2の結果は、少なくとも第一鉄イオンを含む反応液を基体表面上に接触させる液接触工程と、少なくとも酸化剤を含んだ酸化液を基体表面上に接触させて反応液を接触させた基体表面上でフェライトメッキ法によりフェライト薄膜を形成する膜形成工程と、反応液及び酸化液のうちのフェライト薄膜の形成に寄与しない残分を基体表面上から除去する残分除去工程とを繰り返すことが均一な組織を有するフェライト薄膜を製造するために不可欠であることを示唆している。
[比較例3]
比較例3では、製造装置の回転板3上にプラズマ処理により親水化処理をしたガラス製の基板4(表面粗さRa<0.1μm)を設置し、反応液の組成以外は実施例1の場合と同一な条件で比較例3に係るフェライト薄膜を作製した。ここでの反応液は、脱酸素イオン交換水中にFeCl・4HO,ZnClをそれぞれ3.3,0.03g/リットル溶かしたものを用いた。
取り出したガラス製の基板4上には黒色膜が形成されており、この比較例3に係るフェライト薄膜はZn,Fe,Oを含有するものであることを確認できた。SEMを用いた組織観察の結果、比較例3に係るフェライト薄膜では膜厚が均一性である組織が形成されていることが判った。又、透磁率の特性は殆ど1に近い値となっており、実施例1の場合よりも著しく劣化していることが判った。
本発明のフェライト薄膜が有する組成の異なる構成要素を具体的に例示した模式図であり、(a)は柱状フェライト膜に関するもの,(b)は粒状フェライト膜に関するもの,(c)は層状フェライト膜に関するものである。 本発明のフェライト薄膜を製造するためのフェライトメッキ法を導入した製造装置の一例を示した概略構成図である。
符号の説明
1,2 ノズル
3 回転台
4 基体
5,6 タンク
11,12 フェライト結晶
13 フェライト層

Claims (4)

  1. 組成の異なる2種類以上の構成要素を有して成ることを特徴とするフェライト薄膜。
  2. 請求項1記載のフェライト薄膜において、少なくともNi,Zn,Fe,Oを含有していることを特徴とするフェライト薄膜。
  3. 少なくとも第一鉄イオンを含む反応液を基体表面上に接触させる液接触工程と、少なくとも酸化剤を含んだ酸化液を前記基体表面上に接触させて前記反応液を接触させた該基体表面上でフェライトメッキ法によりフェライト薄膜を形成する膜形成工程と、前記反応液及び前記酸化液のうちの前記フェライト薄膜の形成に寄与しない残分を前記基体表面上から除去する残分除去工程とを繰り返し行い、更に、前記液接触工程では、前記反応液として組成の異なる2種類以上のものを用い、前記膜形成工程では、前記フェライト薄膜を2種類以上の構成要素を有して成るものとして形成することを特徴とするフェライト膜の製造方法。
  4. 請求項3記載のフェライト膜の製造方法において、前記2種類以上の構成要素を有して成る前記フェライト薄膜は、少なくともNi,Zn,Fe,Oを含有していることを特徴とするフェライト膜の製造方法。

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