JP2005303132A - フェライト膜、その製造方法、及びその製造装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 フェライトメッキ法によって形成されたフェライト膜において、懸かる従来の欠点を解消して工業的な生産性を増し、均質な柱状結晶の集合体であるフェライト膜を製造するための装置を提供すること。
【解決手段】
結晶が柱状であるフェライト膜の製造装置であって、前記フェライト膜の製造装置は、少なくとも第一鉄イオン(Fe2+)を含む反応液を基体に接触させる第1の機構と、少なくとも酸化剤、もしくは少なくとも酸素を含んだ酸化媒体を基体3に接触させる第2の機構とを構成するノズル1と基体3を連続して供給する第3の機構とを具備している。
【選択図】 図1
【解決手段】
結晶が柱状であるフェライト膜の製造装置であって、前記フェライト膜の製造装置は、少なくとも第一鉄イオン(Fe2+)を含む反応液を基体に接触させる第1の機構と、少なくとも酸化剤、もしくは少なくとも酸素を含んだ酸化媒体を基体3に接触させる第2の機構とを構成するノズル1と基体3を連続して供給する第3の機構とを具備している。
【選択図】 図1
Description
本発明は、磁気記録媒体、光磁気記録媒体、磁気ヘッド、磁気光学素子、マイクロ波素子、磁歪素子、磁気音響素子、及び高周波領域において不要電磁波の干渉によって生じる電磁障害を抑制するために用いられる電磁干渉抑制体などに広く応用されているスピネル型フェライト膜と、その製造方法とその製造装置に関する。
フェライトメッキとは、例えば、特許文献1に示されているように、固体表面に、金属イオンとして少なくとも第1鉄イオン(Fe2+)を含む水溶液を接触させ、固体表面にFe2+またはこれと他の水酸化金属イオンを吸着させ、続いて吸着したFe2+を酸化させることにより第2鉄イオン(Fe3+)を得、これが水溶液中の水酸化金属イオンとの間でフェライト結晶化反応を起こし、これによって固体表面にフェライト膜を形成することをいう。
従来、この技術を基にフェライト膜の均質化、反応速度の向上を図ったもの(例えば、特許文献2、参照)、固体表面に界面活性を付与して種々の固体にフェライト膜を形成しようとするもの(例えば、特許文献3、参照)、フェライト膜の形成速度の向上に関するもの(例えば、特許文献4、特許文献5、及び特許文献6、参照)がある。
フェライトメッキは、謨を形成しようとする固体が前述した水溶液に対して耐性があれば何でも良い。更に、水溶液を介した反応であるため、温度が比較的低温(常温〜水溶液の沸点以下)でスピネル型フェライト膜を形成できるという特徴がある。そのため、他のフェライト膜作成技術に比べて、固体の限定範囲が小さい。
しかし、前述したように、これまで膜の生成速度の向上に対して種々の改善が提案されているが、工業的な生産性という観点からみるとまだまだ不十分であり、生産性という点に関して大きな課題があった。
また、フェライトメッキによって形成されたフェライト膜を磁気記録媒体、光磁気記録媒体、磁気ヘッド、磁気光学素子、マイクロ波素子、磁歪素子、磁気音響素子、及び電磁干渉抑胴体に用いる場合には、膜の均質性が重要なポイントとなる。膜の均質性が、各用途におけるフェライト膜の特性に大きく影響を与えるためである。
フェライトメッキによるフェライト膜は、前述のように固体表面を基点とした結晶成長によって形成される。その際、理想的な条件下で形成されたフェライト膜は、柱状結晶の集合体となる。しかし、従来は、固体表面以外で副次的に形成されたフェライトの微粒子が柱状結晶の成長を疎外することにより、また固体表面に吸着するFe2+の不均一性によって、均質な柱状結晶の集合体であるフェライト膜を得ることが困難であった。
そこで、本発明の技術的課題は、フェライトメッキ法によって形成されたフェライト膜において、懸かる従来の欠点を解消して工業的な生産性を増し、均質な柱状結晶の集合体であるフェライト膜とその製造方法と、その製造装置とを提供することにある。
本発明者等は、種々検討の結果、少なくとも第一鉄イオンを含む反応液を基体に接触させる機構、少なくとも酸化剤、もしくは少なくとも酸素を含んだ酸化媒体を基体に接触させる機構、及び基体が連続して供給される機構を具備させることによって、生成速度を向上して工業的な生産性を増し、均質な柱状結晶の集合体であるフェライト膜が得られることを見出し、本発明を為すに至ったものである。また、本発明者らは、少なくとも第一鉄イオンを含む反応披、及び少なくとも酸化剤、もしくは少なくとも酸素を含んだ酸化媒体を基体に接触させる際、噴流によって基体に供給することによって、固体表面以外で副次的に形成されたフェライトの微粒子を効率的に除去し、フェライトメッキ膜柱状結晶の長軸aを01〜50μm、短軸bを01〜1μm、また長軸a、短軸bの比a/bを1〜100に制御することが可能であることを見出し、本発明を為すに至ったものである。
即ち、本発明によれば、結晶が柱状であるフェライト膜であって、柱状結晶の長軸aが0.1〜50μm、短軸bが0.1〜3μmであり、夫々の柱状結晶の高さが略一定に揃っていることを特徴とするフェライト膜が得られる。
また、本発明によれば、前記フェライト膜であって、前記フェライト膜は結晶が柱状であって、柱状結晶の長軸a、短軸bの比a/bが1〜100であることを特徴とするフェライト膜が得られる。
また、本発明によれば、前記フェライト膜において、フェライトメッキ膜からなることを特徴とするフェライト膜が得られる。
また、本発明によれば、前記いずれか一つのフェライト膜において、Ni−Znフェライトからなることを特徴とするフェライト膜が得られる。
また、本発明によれば、前記いずれか一つのフェライト膜において、長尺状の基体の一面に形成されていることを特徴とするフェライト膜が得られる。
また、本発明によれば、結晶が柱状であるフェライト膜を製造する方法において、少なくとも第一鉄イオン(Fe2+)を含む反応液を基体に接触させる第1の工程と、少なくとも酸化剤、もしくは少なくとも酸素を含んだ酸化媒体を基体に接触させる第2の工程とを具備していることを特徴とするフェライト膜の製造方法が得られる。
また、本発明によれば、前記フェライト膜の製造方法において、前記基体を連続して供給し、連続的もしくは断続的に移動させながら行うことを特徴とするフェライト膜の製造方法が得られる。
また、本発明によれば、前記いずれか一つのフェライト膜の製造方法であって、前記第1の工程及び第2の工程は、前記少なくとも第一鉄イオンを含む反応液及び少なくとも酸化剤、もしくは少なくとも酸素を含んだ酸化媒体を夫々噴流によって基体に接触させることを備えていることを特徴とするフェライト膜の製造方法が得られる。
また、本発明によれば、前記フェライト膜の製造方法において、前記第1の工程及び第2の工程は、前記少なくとも第一鉄イオンを含む反応液及び少なくとも酸化剤、もしくは少なくとも酸素を含んだ酸化媒体の夫々の供給口を備え、当該反応液及び当該酸化媒体を前記基体に噴流によって吹き付けるノズルを用いて行われることを特徴とするフェライト膜の製造方法が得られる。
また、本発明によれば、前記フェライト膜の製造方法において、前記第1及び第2の工程は同一のノズルを用いて行われることを特徴とするフェライト膜の製造方法が得られる。
また、本発明によれば、前記いずれか一つのフェライト膜の製造方法において、前記基体として長尺シート形状の物を用い、前記噴流に前記基体が衝突するように、前記基体の一面が対向するように連続的に供給されることを特徴とするフェライト膜の製造方法が得られる。
また、本発明によれば、前記フェライト膜の製造方法であって、前記フェライト膜として結晶が柱状であって、柱状結晶の長軸aが0.1〜50μm、短軸bが0.1〜3μmであるものを得ることを特徴とするフェライト膜の製造方法が得られる。
また、本発明によれば、前記いずれか一つのフェライト膜の製造方法であって、前記フェライト膜として、結晶が柱状であって、柱状結晶の長軸a、短軸bの比a/bが1〜100であるものを得ることを特徴とするフェライト膜の製造方法が得られる。
また、本発明によれば、結晶が柱状であるフェライト膜の製造装置であって、前記フェライト膜の製造装置は、少なくとも第一鉄イオン(Fe2+)を含む反応液を基体に接触させる第1の機構と、少なくとも酸化剤、もしくは少なくとも酸素を含んだ酸化媒体を基体に接触させる第2の機構と、基体を連続して供給する第3の機構とを具備していることを特徴とするフェライト膜の製造装置が得られる。
また、本発明によれば、前記フェライト膜の製造装置であって、前記第1の機構及び第2の機構は、前記少なくとも第一鉄イオンを含む反応液及び少なくとも酸化剤、もしくは少なくとも酸素を含んだ酸化媒体を夫々噴流によって基体に接触させる接触手段を備えていることを特徴とするフェライト膜の製造装置が得られる。
また、本発明によれば、前記フェライト膜の製造装置において、前記接触手段は、前記少なくとも第一鉄イオンを含む反応液及び少なくとも酸化剤、もしくは少なくとも酸素を含んだ酸化媒体の夫々の供給口を備え、当該反応液及び当該酸化媒体を前記基体に噴流によって吹き付けるノズルからなることを特徴とするフェライト膜の製造装置が得られる。
また、本発明によれば、前記フェライト膜製造装置において、前記第1及び第2の機構は一体に形成されていることを特徴とするフェライト膜の製造装置が得られる。
また、本発明によれば、前記いずれか一つのフェライト膜の製造装置において、前記基体は長尺シート形状であり、前記第3の機構は、前記基体を前記第1及び第2の機構に一面が対向するように連続的に供給する搬送手段を備えていることを特徴とするフェライト膜製造装置が得られる。
また、本発明によれば、前記フェライト膜の製造装置であって、前記フェライト膜は結晶が柱状であって、柱状結晶の長軸aが0.1〜50μm、短軸bが0.1〜3μmであることを特徴とするフェライト膜の製造装置が得られる。
さらに、本発明によれば、前記いずれか一つのフェライト膜の製造装置であって、前記フェライト膜は結晶が柱状であって、柱状結晶の長軸a、短軸bの比a/bが1〜100であることを特徴とするフェライト膜の製造装置が得られる。
本発明によれば、少なくとも第一鉄イオンを含む反応液、及び少なくとも酸化剤、もしくは少なくとも酸素を含んだ酸化媒体を、噴流によって基体に接触させる機構、及び基体が連続して供給される機構を具備させることによって、生成速度を向上して工業的な生産性を増し、均質な柱状結晶の集合体であるフェライト膜と、その製造方法と、その製造装置を提供することができる。
また、本発明によれば、少なくとも第一鉄イオンを含む反応液を基体に接触させ、また少なくとも酸化剤、もしくは少なくとも酸素を含んだ酸化媒体を基体に接触させ、及び基体を連続して供給してフェライトメッキ膜を生成する際、少なくとも第一鉄イオンを含む反応液、少なくとも酸化剤、もしくは少なくとも酸素を含んだ酸化媒体を基体に供給する時間を制御することでフェライトメッキ膜柱状結晶の長軸aを0.1〜50μm、短軸bを0.1〜1μm、また長軸a、短軸bの比a/bを1〜100に制御することが可能であるフェライト膜と、その製造方法とその製造装置とを提供することができる。
本発明について更に詳細に説明する。
本発明において、フェライト膜の製造方法は、結晶が柱状であるフェライト膜を製造する方法であって、基体を連続して供給しながら、少なくとも第一鉄イオン(Fe2+)を含む反応液を基体に接触させる第1の工程と、少なくとも酸化剤、もしくは少なくとも酸素を含んだ酸化媒体を基体に接触させる第2の工程と、基体を連続して供給する第3の機構とを具備している構成である。
ここで、前記第1の工程及び第2の工程は、前記少なくとも第一鉄イオンを含む反応液及び少なくとも酸化剤、もしくは少なくとも酸素を含んだ酸化媒体を夫々噴流によって基体に接触させることを備え、前記少なくとも第一鉄イオンを含む反応液及び少なくとも酸化剤、もしくは少なくとも酸素を含んだ酸化媒体の夫々の供給口を備え、当該反応液及び酸化媒体を前記基体の一面に噴流によって吹き付けるノズルを用いて行うことが好ましく、第1及び第2の工程は、この一つノズルを用いて行うことが好ましい。
また、本発明のフェライト膜の製造方法において、前記基体は長尺シート形状であり、前記基体の供給は、前記基体を前記ノズルに一面が対向するように連続的に供給し、連続的又は断続的に搬送されることが好ましく、この搬送には、送りローラを用いることが好ましい。
また、本発明において、フェライト膜の製造装置は、上記製造方法を実施するための具体的構成であって、結晶が柱状であるフェライト膜を製造する装置であって、少なくとも第一鉄イオン(Fe2+)を含む反応液を基体に接触させる第1の機構と、少なくとも酸化剤、もしくは少なくとも酸素を含んだ酸化媒体を基体に接触させる第2の機構と、基体を連続して供給する第3の機構とを具備している構成である。
ここで、前記第1の機構及び第2の機構は、前記少なくとも第一鉄イオンを含む反応液及び少なくとも酸化剤、もしくは少なくとも酸素を含んだ酸化媒体を夫々噴流によって基体に接触させる接触手段を備え、この接触手段は、前記少なくとも第一鉄イオンを含む反応液及び少なくとも酸化剤、もしくは少なくとも酸素を含んだ酸化媒体の夫々の供給口を備え、当該反応液及び酸化媒体を前記基体の一面に噴流によって吹き付けるノズルからなることが好ましく、第1及び第2の機構は、一体に形成されていることが好ましい。
また、本発明のフェライト膜の製造装置において、前記基体は長尺シート形状であり、前記第3の機構は、前記基体を前記第1及び第2の機構に一面が対向するように連続的に供給する搬送手段を備えていることが好ましく、この搬送手段は送りローラを備えていることが好ましい。
また、前記フェライト膜の製造方法及び装置によって製造されるフェライト膜は結晶が柱状であって、柱状結晶の長軸aが0.1〜50μm、短軸bが0.1〜3μmであることが好ましく、また、フェライト膜は結晶が柱状であって、柱状結晶の長軸a、短軸bの比a/bが1〜100であることが好ましい。
本発明においては、少なくとも第一鉄イオンを含む反応液、及び少なくとも酸化剤、もしくは少なくとも酸素を含んだ酸化媒体を、噴流によって基体に接触させる機構、及び基体が連続して供給される機構を具備させることによって、生成速度を向上して工業的な生産性を増し、均質な柱状結晶の集合体であるフェライト膜の製造装置が得られるものである。
また、本発明においては、少なくとも第一鉄イオンを含む反応液を基体に接触させ、また少なくとも酸化剤、もしくは少なくとも酸素を含んだ酸化媒体を基体に接触させ、及び基体を連続して供給してフェライトメッキ膜を生成する際、少なくとも第一鉄イオンを含む反応液、少なくとも酸化剤、もしくは少なくとも酸素を含んだ酸化媒体を基体に供給する時間を制御することでフェライトメッキ膜柱状結晶の長軸aを01〜50μm、短軸bを01〜1μm、また長軸a、短軸bの比a/bを1〜100に制御したフェライト膜が得られるものである。
本発明における反応液、少なくとも酸化剤、もしくは少なくとも酸素を含んだ酸化媒体を噴流によって供給する構造が、フェライトメッキ膜の生成速度を向上し、かつ均質な柱状結晶とすることの原因の詳細は明らかとなっていない。しかし、噴流によってフェライトメッキ膜形成に寄与しない少なくとも第一鉄イオンを含む反応液、少なくとも酸化剤、もしくは少なくとも酸素を含んだ酸化媒体が効率的に除去され、固体表面以外での副次的なフェライト微粒子の形成を抑制、除去し、また固体表面に均一にFe2+を吸着させるものと考えられる。
以下、本発明について、具体例を挙げてより詳細に説明する。
図1は本発明のフェライトメッキ膜の製造装置の概略構成の一例を示す概略断面図である。図1を参照すると、メッキ装置101は、基板3を一端側に収容して、フェライトメッキ膜を形成するための反応槽2と、反応槽2の他端側に設けられ、少なくとも第一鉄イオンを含む反応液、及び少なくとも酸化剤、もしくは少なくとも酸素を含んだ酸化媒体を、噴流によって基体に供給するためのノズル1とを備えている。ノズル1には、少なくとも第一鉄イオンを含む反応液、及び少なくとも酸化剤、もしくは少なくとも酸素を含んだ酸化媒体の供給口1a,1cが具備される。また、図1においては、ノズル1に少なくとも第一鉄イオンを含む反応液、及び少なくとも酸化剤、もしくは少なくとも酸素を含んだ酸化媒体を効率的に基体に供給するための温水供給口1bが具備される。従って、ノズルは少なくとも第一鉄イオンを含む反応液を噴流によって基体3に供給するための第1の機構、少なくとも酸化剤、もしくは少なくとも酸素を含んだ酸化媒体を噴流によって基体3に供給するための第2の機構として働く。尚、温水供給口1bは省略しても構わない。
ノズル1から噴流によって供給された少なくとも第一鉄イオンを含む反応液、及び少なくとも酸化剤、もしくは少なくとも酸素を含んだ酸化媒体は、基体3の表面でフェライトメッキ膜を形成する。その際、フェライトメッキ膜形成に寄与しない反応液、少なくとも酸化剤、もしくは少なくとも酸素を含んだ酸化媒体、及び固体表面以外での副次的なフェライト微粒子は、排出口4から効率的に排出される。
図2は図1のメッキ装置の斜視方向概略図である。図2を参照すると、フェライトメッキ膜が形成される基体3は、送りロール14〜17によって反応槽2へ図示の白抜きの矢印11で示すように、連続的に供給される。少なくとも第一鉄イオンを含む反応液、及び少なくとも酸化剤、もしくは少なくとも酸素を含んだ酸化媒体は、ノズル1から噴流によって基体に供給される。第3の機構は、この送りロール14〜17を配置した搬送手段を備えている。
(例1)
純水1L(リットル)に対してFeCl2・4H2Oを3.3g、NiCl2・6H2Oを1.25g、ZnCl2を0.025g、それぞれ溶解した反応液を作製した。別の溶液として、純水1Lに対してNaNO2を0.3g、CH3COONH4を5g溶解した酸化液を作製した。
純水1L(リットル)に対してFeCl2・4H2Oを3.3g、NiCl2・6H2Oを1.25g、ZnCl2を0.025g、それぞれ溶解した反応液を作製した。別の溶液として、純水1Lに対してNaNO2を0.3g、CH3COONH4を5g溶解した酸化液を作製した。
これらの溶液を用いて、図1及び図2に示したような装置を用いてフェライト膜を作製した。
フェライト膜の作製は、以下の手順で行った。
まず、ノズル1から供給される反応液、酸化液及び温水の流量を30mL/分に調整した。その後メッキ膜を形成する基体の温度を、支持部材のヒータを用いて90°Cに調節した。また、反応槽内部には窒素ガスを1.51/分で供給して、非酸化性雰囲気を得た。
メッキ膜の形成は反応槽内で1時間行い、基体3の送り速度は反応槽2内に1分滞留するように調節した。
(例2)
反応液、酸化液の調整、及びメッキ装置、メッキ条件は、前記例1と同様に行った。メッキ膜の形成は反応槽2内で5時間行い、基体3の送り速度は反応槽2内に10mm滞留するように調節した。
反応液、酸化液の調整、及びメッキ装置、メッキ条件は、前記例1と同様に行った。メッキ膜の形成は反応槽2内で5時間行い、基体3の送り速度は反応槽2内に10mm滞留するように調節した。
(例3)
反応液、酸化液の調整、及びメッキ装置、メッキ条件は、前記例1と同様に行った。メッキ膜の形成は反応槽2内で1時間行い、基体3の送り速度は反応槽2内に60mm滞留するように調節した。
反応液、酸化液の調整、及びメッキ装置、メッキ条件は、前記例1と同様に行った。メッキ膜の形成は反応槽2内で1時間行い、基体3の送り速度は反応槽2内に60mm滞留するように調節した。
(例4)
反応液、酸化液の調整、及びメッキ装置、メッキ条件は、前記例1と同様に行った。メッキ膜の形成は反応槽2内で1時間行い、基体3の送り速度は、反応槽内に500mm滞留するように調節した。
反応液、酸化液の調整、及びメッキ装置、メッキ条件は、前記例1と同様に行った。メッキ膜の形成は反応槽2内で1時間行い、基体3の送り速度は、反応槽内に500mm滞留するように調節した。
(比較例1)
純水1Lに対してFeCl2・4H2Oを3.3g、NiCl2・6H2Oを1.25g、ZnCl2を0.025g,それぞれ溶解した反応液を作製した。別の溶液として、純水1Lに対してNaNO2を0.3g、CH3COONH4を5g溶解した酸化液を作製した。
純水1Lに対してFeCl2・4H2Oを3.3g、NiCl2・6H2Oを1.25g、ZnCl2を0.025g,それぞれ溶解した反応液を作製した。別の溶液として、純水1Lに対してNaNO2を0.3g、CH3COONH4を5g溶解した酸化液を作製した。
これらの溶液を用いて、図3に示したような装置を用いてフェライト膜を作製した。
図3は比較例に係るメッキ装置の要部を示す正面図である。図3を参照すると、回転台51上の基体52が載置され、基体52の上部にノズル53,54が配置された構成である。
図3の装置を用いてフェライト膜を以下の手順で作製した。
まず、反応液、酸化液の流量を30mL/分に調整した。その後メッキ膜を形成する基体52の温度を、ヒータを用いて90℃に調節した。また、メッキ装置には窒素ガスを1.5L/分で供給して、非酸化性雰囲気を得た。
メッキ膜の形成は、ノズル21より反応液を、ノズル22より酸化液を上記流量にて基体23に供給しながら、回転台24を150rpmで回転させながら行った。また、メッキ膜の形成は、噴霧時間を1分とすることで行った。
(比較例2)
図3と同様の装置を用い、反応液、酸化液の調整、及びメッキ条件は、比較例1と同様に行った。また、メッキ膜の形成は、噴霧時間を10分とすることで行った。
図3と同様の装置を用い、反応液、酸化液の調整、及びメッキ条件は、比較例1と同様に行った。また、メッキ膜の形成は、噴霧時間を10分とすることで行った。
(比較例3)
図3と同様の装置を用い、反応液、酸化液の調整、及びメッキ条件は比較例1と同様に行った。また、メッキ膜の形成は、噴霧時間を60分とすることで行った。
図3と同様の装置を用い、反応液、酸化液の調整、及びメッキ条件は比較例1と同様に行った。また、メッキ膜の形成は、噴霧時間を60分とすることで行った。
(比較例4)
図3と同様の装置を用い、反応液、酸化液の調整、及びメッキ条件は比較例1と同様に行った。また、メッキ膜の形成は、噴霧時間を500分とすることで行った。
図3と同様の装置を用い、反応液、酸化液の調整、及びメッキ条件は比較例1と同様に行った。また、メッキ膜の形成は、噴霧時間を500分とすることで行った。
下記表1に、本発明の例1〜4及び比較例1〜4いて生成したメッキ膜の、結晶の長軸a、短軸bの値、及び長軸a、短軸bの比a/b、及び成膜速度を示した。
上記表1から分かるように、本発明例1〜4ではメッキ時間の増加に伴って結晶の長軸a、短軸bの値、及び長軸a、短軸bの比a/bが増加している。このことは、即ち、本発明例において結晶の長軸a、短軸bの値、及びa/bを制御したフェライトメッキ膜が得られたことを示している。これに対して、比較例1〜4では、メッキ時間を増加させても結晶の長軸a、短軸bの値、及びa/bにバラツキがあり、長軸a、短軸bの値、及びa/bが制御されていない。
図4に、本発明の例におけるフェライトメッキ膜の断面の模式図を、図5に、比較例におけるフェライトメッキ膜の断面の模式図を示した。図4及び図5の比較から、本発明の例に係るスピネル型フェライトメッキ膜5は、結晶粒5aが柱状であり、その高さ(長さ)は一定であるが、比較例に係るスピネル型フェライトメッキ膜55は結晶粒は柱状であるが、その高さ(長さ)は長短様々なものが、混在していることが判明した。
更に、上記表1から分かるように、本発明例1〜4で得られたフェライトメッキ膜の成膜速度は、比較例1〜4の約10倍となっている。このことは、即ち、本発明の例において生成速度が向上したフェライトメッキ膜が得られることを示している。
本発明において、柱状結晶の長軸a、短軸bの値が0.1μmを下回った場合均質なフェライトメッキ膜が得られないために本発明の範囲から除外される。また、長軸aの値が50μmを上回った場合、短軸bの値が1μmを上回った場合、得られるフェライトメッキ膜の実質的な機械的強度が低下するために本発明の範囲から除外される。
本発明に係るフェライト膜は、磁気記録媒体、光磁気記録媒体、磁気ヘッド、磁気光学素子、マイクロ波素子、磁歪素子、磁気音響素子、及び高周波領域において不要電磁波の干渉によって生じる電磁障害を抑制するために用いられる電磁干渉抑制体等に適用でき、フェライト膜の製造方法及び製造装置は、前述したフェライト膜の製造に適用される。
1 ノズル
1a,1c 反応液、酸化媒等の供給口
1b 温水供給口
2 反応槽
3 基板
4 排出口
5,55 フェライトメッキ膜
5a,55a 結晶粒
14〜17 送りロール
51 回転台
52 基体
53,54 ノズル
101 メッキ装置
1a,1c 反応液、酸化媒等の供給口
1b 温水供給口
2 反応槽
3 基板
4 排出口
5,55 フェライトメッキ膜
5a,55a 結晶粒
14〜17 送りロール
51 回転台
52 基体
53,54 ノズル
101 メッキ装置
Claims (20)
- 結晶が柱状であるフェライト膜であって、柱状結晶の長軸aが0.1〜50μm、短軸bが0.1〜3μmであり、夫々の柱状結晶の高さが略一定に揃っていることを特徴とするフェライト膜。
- 請求項1記載のフェライト膜であって、前記フェライト膜は結晶が柱状であって、柱状結晶の長軸a、短軸bの比a/bが1〜100であることを特徴とするフェライト膜。
- 請求項1又は2記載のフェライト膜において、フェライトメッキ膜からなることを特徴とするフェライト膜。
- 請求項1から3の内のいずれか一つに記載のフェライト膜において、Ni−Znフェライトからなることを特徴とするフェライト膜。
- 請求項1から4の内のいずれか一つに記載のフェライト膜において、長尺状の基体の一面に形成されていることを特徴とするフェライト膜。
- 結晶が柱状であるフェライト膜を製造する方法において、少なくとも第一鉄イオン(Fe2+)を含む反応液を基体に接触させる第1の工程と、少なくとも酸化剤、もしくは少なくとも酸素を含んだ酸化媒体を基体に接触させる第2の工程とを具備していることを特徴とするフェライト膜の製造方法。
- 請求項6記載のフェライト膜の製造方法において、前記基体を連続して供給し、連続的もしくは断続的に移動させながら行うことを特徴とするフェライト膜の製造方法。
- 請求項6又は7記載のフェライト膜の製造方法であって、前記第1の工程及び第2の工程は、前記少なくとも第一鉄イオンを含む反応液及び少なくとも酸化剤、もしくは少なくとも酸素を含んだ酸化媒体を夫々噴流によって基体に接触させることを備えていることを特徴とするフェライト膜の製造方法。
- 請求項7記載のフェライト膜の製造方法において、前記第1の工程及び第2の工程は、前記少なくとも第一鉄イオンを含む反応液及び少なくとも酸化剤、もしくは少なくとも酸素を含んだ酸化媒体の夫々の供給口を備え、当該反応液及び当該酸化媒体を前記基体に噴流によって吹き付けるノズルを用いて行われることを特徴とするフェライト膜の製造方法。
- 請求項6記載のフェライト膜の製造方法において、前記第1及び第2の工程は同一のノズルを用いて行われることを特徴とするフェライト膜の製造方法。
- 請求項6から10の内のいずれか一つに記載のフェライト膜の製造方法において、前記基体として長尺シート形状の物を用い、前記噴流に前記基体が衝突するように、前記基体の一面が対向するように連続的に供給されることを特徴とするフェライト膜の製造方法。
- 請求項6記載のフェライト膜の製造方法であって、前記フェライト膜として結晶が柱状であって、柱状結晶の長軸aが0.1〜50μm、短軸bが0.1〜3μmであるものを得ることを特徴とするフェライト膜の製造方法。
- 請求項6から12の内のいずれか一つに記載のフェライト膜の製造方法であって、前記フェライト膜として、結晶が柱状であって、柱状結晶の長軸a、短軸bの比a/bが1〜100であるものを得ることを特徴とするフェライト膜の製造方法。
- 結晶が柱状であるフェライト膜を製造するための装置であって、前記フェライト膜の製造装置は、少なくとも第一鉄イオン(Fe2+)を含む反応液を基体に接触させる第1の機構と、少なくとも酸化剤、もしくは少なくとも酸素を含んだ酸化媒体を基体に接触させる第2の機構と、基体を連続して供給する第3の機構とを具備していることを特徴とするフェライト膜の製造装置。
- 請求項14記載のフェライト膜の製造装置であって、前記第1の機構及び第2の機構は、前記少なくとも第一鉄イオンを含む反応液及び少なくとも酸化剤、もしくは少なくとも酸素を含んだ酸化媒体を夫々噴流によって基体に接触させる接触手段を備えていることを特徴とするフェライト膜の製造装置。
- 請求項15記載のフェライト膜の製造装置において、前記接触手段は、前記少なくとも第一鉄イオンを含む反応液及び少なくとも酸化剤、もしくは少なくとも酸素を含んだ酸化媒体の夫々の供給口を備え、当該反応液及び当該酸化媒体を前記基体に噴流によって吹き付けるノズルからなることを特徴とするフェライト膜の製造装置。
- 請求項15記載のフェライト膜製造装置において、前記第1及び第2の機構は一体に形成されていることを特徴とするフェライト膜の製造装置。
- 請求項14から17の内のいずれか一つに記載のフェライト膜の製造装置において、前記基体は長尺シート形状であり、前記第3の機構は、前記基体を前記第1及び第2の機構に一面が対向するように連続的に供給する搬送手段を備えていることを特徴とするフェライト膜製造装置。
- 請求項14記載のフェライト膜の製造装置であって、前記フェライト膜は結晶が柱状であって、柱状結晶の長軸aが0.1〜50μm、短軸bが0.1〜3μmであることを特徴とするフェライト膜の製造装置。
- 請求項14から19の内のいずれか一つに記載のフェライト膜の製造装置であって、前記フェライト膜は結晶が柱状であって、柱状結晶の長軸a、短軸bの比a/bが1〜100であることを特徴とするフェライト膜の製造装置。
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JP2010278031A (ja) * | 2009-05-26 | 2010-12-09 | Nec Tokin Corp | フェライト薄膜の製造装置 |
WO2017110545A1 (ja) * | 2015-12-24 | 2017-06-29 | 株式会社デンソー | 圧粉磁心用粉末およびその製造方法ならびに圧粉磁心およびその製造方法 |
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2004
- 2004-04-14 JP JP2004119178A patent/JP2005303132A/ja not_active Withdrawn
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