JP2006265716A - めっき液および構造体の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 FePt合金をめっきするためのめっき液、該めっき液を用いた構造体の製造方法を提供する。
【解決手段】 少なくともFe及びPtを含み、Pt成分がシクロヘキサクロロ白金酸アンモニウムであるめっき液。Fe成分が錯化剤によりFe錯体としてめっき浴中で安定化し、錯化剤が酒石酸イオン又はクエン酸イオンである。めっき液のpHは6以上9.5以下である。上記のめっき液がはいった容器に電極とめっきされる対象物とを用意する工程と、前記電極に電圧を印加することによって、めっき液からFePtを含む磁性体を前記対象物にめっきして構造体を形成する工程とを備える構造体の製造方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、めっき液およびそのめっき液を用いた構造体の製造方法に関する。
パーソナルコンピュター(PC)の主記録装置であるハードディスク(HDD)の記録密度の向上は著しく、特に近年、HDDはPCのみならずデジタル家電や携帯末端用の記録装置として検討されており、更なる記録密度の増大が期待されている。
現在のHDDでは、ディスクの面内方向に磁化を保持する長手記録方式が採用されているが、長手記録方式では、磁区内の反磁界を抑え且つ媒体上方に強い磁界を出すために磁気記録層を薄くしていく必要がある。磁性層が薄くなると、その中に含まれる個々の磁性粒子の体積が減少し、粒子が保持する磁気エネルギーの大きさが熱エネルギーの大きさを無視できなり、記録された磁化が失われる超常磁性の効果(熱揺らぎ)が顕著になる。
一方、長手記録方式に対して、ディスクの面直方向に磁化を保持する垂直記録方式では、原理的には記録密度が増大するにつれて減磁界が小さくなり安定化するため、超常磁性が起こりにくいと考えられる。このため、近年、磁気記録の高記録密度化を実現する技術として、垂直磁気記録方式が注目されつつある。
垂直磁気記録媒体の記録層用の材料としては、現在主にCoCr系合金が使用されているが、より一層超常磁性効果を抑制するために、次世代記録膜材料として規則合金相を形成するFePt合金が注目されている。特に、L10 −FePt規則合金は、7x107 erg.cm-3の大きな異方性磁界、及び大きな保磁力を得ることが可能であり数多くの研究が行なわれている。また、Fe3 PtまたはFePt3 等の組成で形成されるL12 規則合金構造も、L10 構造よりは異方性磁界が小さいが、規則合金相を形成する温度が低いなどの利点を有しており、注目されている。
L10 −FePt規則合金の作成方法として、スパッタ法や蒸着法などの気相急冷法による作成方法が数多く検討されている。気相急冷法による作製されたFePt合金は、成膜直後は不規則相であるfcc相を形成し、成膜後600℃以上の高温熱処理を行うことにより、結晶粒の成長を伴いつつL10 構造が形成される。しかしながら、磁気記録媒体媒体ノイズを低くするためには結晶粒の微細化が不可欠である。また、高温熱処理を伴うプロセスは基板溶出等の問題があり、改善する必要がある。
600℃以下の熱処理プロセスによりL10 −FePt規則相を形成させる試みとして、分子線エピタキシー(MBE)法などによりFe及びPtの(001)層を交互に原子層づつ積層することで低いプロセス温度にてL10 −FePt規則相を形成する方法や、CuやAuなどの第3の添加元素により約5000 Oeの保磁力を400℃以下のプロセス温度で作製する方法等が報告されている。(特許文献1、特許文献2)
一方、FePt磁性体の作成方法として、電解めっきを用いる作成方法が検討されている。電解めっきはスパッタ法や蒸着法で必要とされる高価な真空装置が必要でないため、安価で大量生産が可能な工業化に適した手法である。
電解めっき法を用いたFePt磁性体に関しては、数例の報告がある(非特許文献1)。
特開平08−186022号公報 特開2002−216330号公報 "Journal of Applied Physics"95,7268、2004年
従来のめっき液では、FeイオンやPtイオンの状態が不安定でありFeイオンやPtイオンが比較的安定な化合物を形成しやすい。この場合、形成した化合物が、析出し良好なFePt合金を得ることが難しい。また、複数の小さな穴を有する細孔体にFePt磁性体を充填することで磁気記録媒体等への応用が図れるが、L10 構造及びL12 構造の所望のFePt合金を細孔体に充填することが望ましい。故に、細孔体への充填に適したFePtめっき浴の開発が必要とされている。
このような背景に鑑み、本発明では、FePt合金をめっきするためのめっき液を提供するものである。
また、本発明は、FePt合金をめっきするためのめっき液を用いた構造体の製造方法を提供するものである。
上記の課題は以下に記載した手段により解決される。
すなわち、本発明は、少なくともFe及びPtを含み、Pt成分がシクロヘキサクロロ白金酸アンモニウムであることを特徴とするめっき液である。
更に、Fe成分が錯化剤によりFe錯体としてめっき浴中で安定化していることを特徴とするめっき液であり、前記錯化剤が、酒石酸イオン又はクエン酸イオンであることが好ましい。
又、めっき液のpHは6以上9.5以下であることが好ましい。
また、本発明は、上記のめっき液がはいった容器に電極とめっきされる対象物とを用意する工程と、前記電極に電圧を印加することによって、めっき液からFePtを含む磁性体を前記対象物にめっきして構造体を形成する工程とを備えることを特徴とする構造体の製造方法である。
前記めっきされる対象物が、複数の孔を有する構造体であり、前記孔にFePtを充填するのが好ましい。
本発明は、FePt合金をめっきするためのめっき液を提供することができる。
また、本発明は、FePt合金をめっきするためのめっき液を用いて、複数の孔を有する構造体の孔にFePtを充填した構造体を製造する方法を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態に関して説明する。
本発明のFePt合金は、Feイオン及びPtイオンの金属イオンを含み、前記金属イオンがめっき浴中にて錯体として安定化することを特徴とする。上記記載のFePt合金は、組成比に応じてCuAu型(L10 構造)及びCu3Au型(L12 構造)の規則合金相を形成し、L10 −FePt,L12 −Fe3Pt,L12 −FePt3を形成する。特に組成比1:1付近で形成されるL10 −FePt規則合金は次世代磁気記録媒体材料として注目されており、多くの研究が行なわれている。本発明においては、組成にとらわれない場合はFePt合金と示し、特別な組成及び構造を示す場合はその都度区別して記載する。
本発明では、Pt成分としてヘキサクロロ白金(IV)酸アンモニウムを用いている。このヘキサクロロ白金酸アンモニウム水溶液は、室温付近にて沈殿物を形成しやすいが、温度上昇により溶解度が増し、完全に溶解すると透明な液体が得られる。ヘキサクロロ白金酸(IV)アンモニウム形成のための出発材料は塩化白金(PtCl2 )に塩酸を添加し、更にアンモニウムイオンを添加する方法や、ヘキサクロロ白金酸にアンモニウムイオンを添加する方法等が挙げられる。ヘキサクロロ白金酸は、水酸化物イオン濃度等の影響によりPt原子に配位している塩化物イオンがH2 O及びOH- に置換して経時変化することが知られている。このヘキサクロロ白金(IV)酸塩を本発明のめっき液中で安定化させるために、めっき液中に塩化物イオンが過剰に存在することが好ましい。
塩化物イオン濃度はヘキサクロロ白金(IV)酸塩と等モル濃度以上含む事が必要であり、めっき液の安定性には過剰量の塩化物イオンの存在が適する。めっき時におけるFePt膜の特性を考慮すると、15倍程度までが良好である。
ヘキサクロロ白金酸(IV)アンモニウムは水溶液の温度に応じて溶解度が異なる。沈殿物が生じた場合は、めっき浴作製途中に適宜加熱処理を施せばよい。
Feイオンを含むめっき液は、多くの場合、2価のイオンとして供給される。しかしながら、水溶液中で2価のFeイオンは容易に3価に酸化される。更に、この3価のFeイオンは水酸化物イオンと反応しFe(OH)3 の沈殿物を生じる。即ち、Feイオンを含むめっき液は沈殿を生じやすく不安定化しやすい。上記沈殿物の生成を抑制するためには、金属イオンを錯体として浴中で安定化させることが考えられるが錯化剤の添加には鋭意検討が必要である。
即ち、金属イオンと金属錯体の還元電位が異なるため、安易な錯化剤の添加は金属の析出の妨げとなる。また、錯化剤添加により不純物が膜中に取り込まれる可能性や、浴温度やpH等に対する金属錯体の安定性等も考慮する必要がある。また、目的とする組成比のFePt合金を作製する場合、組成制御が可能な錯化剤を選択する必要がある。また、複数の金属イオンを含む錯体を形成していても可能である。例えば、FeイオンとPtイオンがFe錯体及びPt錯体の複錯体を形成するものがある。
めっき液に添加する錯化剤としては、酒石酸、クエン酸、コハク酸、マロン酸、リンゴ酸、グルコン酸や、これらの塩が考えられるが、特に酒石酸もしくはその塩および/またはクエン酸もしくはその塩、更には、酒石酸ナトリウムおよび/または酒石酸アンモニウムを用いることが好ましいことを見出した。例えば、Feイオンが存在する溶液中に添加した酒石酸ナトリウムおよび/または酒石酸アンモニウムはFeイオンと結合して酒石酸鉄を形成し溶液中で安定化する。
2価のFeイオンとして硫酸鉄及び塩化鉄などを用いることができるが、その他の2価のFeイオンを供給する原料を使用することも可能である。2価のFeイオンと酒石酸イオンより酒石酸鉄が形成されるが、過剰な酒石酸鉄はめっき液中で不安定化し沈殿が生じる。このため、酒石酸イオンとFeイオンの濃度が同じである事が好ましい。更に、酒石酸鉄が溶媒である水中で溶解するために、0.1mol/L以下とすることが必要である。また、好ましくは、Feイオン含有量は0.05mol/L以下である。特に、0.05mol/L以下のFeイオン濃度ならばめっき液が非常に安定となる。一方、極端に低いFeイオン濃度の場合は、めっき諸条件の許容範囲亜が狭くなりFePt組成比の再現性に劣る。そのため、Feイオン濃度は0.005mol/L以上とすることことが好ましい。
その他、めっき液中には界面活性剤等の添加剤を用いても構わない。
上記白金及び鉄材料の混合によりFePtめっき液を作製するが、上記酒石酸鉄とヘキサクロロ白金(IV)酸アンモニウムが結合して複錯体を形成することが、ESI−MS分析結果より示唆される。ここで、ESI−MS(Electrospray Ionization Mass Spectroscopy)とは、大気圧下でLC(液体クロマトグラム)からの液体流を、高電圧をかけたキャピラリーから放出させることによりイオン化し、そのイオン成分を質量分析する装置である。
FePt合金の組成を制御するためには、めっき液中に加えた原料である化合物の割合と、撹拌条件及び温度、pH等のめっき条件に強く依存する。また、めっきの際の電位制御も重要である。また、めっき膜の膜質も考慮に入れると、適度な電析速度とする必要もある。大きな負の過電圧は、作用電極上での水素イオンの還元による水素の発生が生じるため電析速度に影響し膜質が劣化する。そのため適度な電位設定が必要となる。
本発明のめっき液の場合、pH6.0未満及びpH9.5より大きい場合は、めっき浴の劣化が生じる。そのため、pH6.0以上9.5以下が好ましく、更にはpH7以上9以下がより好ましい。PH調整剤には水酸化ナトリウム等を用いると良い。
めっき液の温度は、好ましくは25〜65℃、より好ましくは40〜55℃である。白金材料のヘキサクロロ白金酸アンモニウムは、温度上昇に伴い溶解度が上昇する。そのため、ヘキサクロロ白金酸アンモニウムの添加量が多い場合は、比較的高い40−55℃にて安定なめっき液となる。一方、必要以上に高い温度はめっき浴の劣化を引きおこす。
微小な細孔、特に15nm以下の細孔を有するポーラス構造体材料へFePt合金を充填する場合には、pHや浴温度の制御が重要となる。微細な細孔へ被めっき物を充填する場合の詳細なメカニズムは明らかではないが、めっき液の温度が高いほど電極表面へのめっき原料の供給が容易となると考えられ、充填に優位に働く。めっき浴の安定性及び組成制御等も考慮に入れつつ、上記40〜55℃に設定することが適当である。
上記FePtめっき液を用いることにより、所望のFePt合金を作製することができる。FePt組成は蛍光X線分析(XRF)及び高周波誘導プラズマ結合分析(ICP)などにより確認することができる。
上記のようにして作製されるFePt合金のうち、組成が1:1近辺である場合、熱処理によりL10 −FePt規則合金の形成が可能である。めっき直後はfcc相を有する合金であり磁気記録媒体に適する高い保磁力(Hc)は得られないが、成膜後400℃の熱処理によりL10 構造形成が始まり、450℃以上に熱処理することで4000 Oeを超える保磁力を得ることができる。温度としては、450℃以上750℃以下が好ましい。
更に、水素存在下で熱処理することにより、350℃以上でL10 構造が形成され、4000 Oeを超える保持力を得る事ができる。保持力については、AGM(Alternating Gradient Magnetometer)により測定を行った。
一方、めっき物から得られるFePt合金には不純物として水素や酸素や炭素などが微量含まれるが、多量の不純物を含む場合は、FePt磁性体を用いた磁気記録媒体の特性は劣化するため、これら不純物は少ない方が好ましい。特にめっき浴の自然酸化等の影響を軽減するために、めっき浴作成時、めっき浴保存時、及びめっき中等には、極力N2 雰囲気下等を用いて自然酸化の影響を排除することが好ましい。
次に、本発明のFePt磁性体を直径100nm以下の細孔に充填する場合について説明する。
図1は本発明の磁性体を細孔に充填した磁気記録媒体の構成を示す模式図である。
図1において、10は基板、11は下地電極層、12は記録層、13は保護層、14は潤滑層、15は磁性体である。
また、本発明に用いる基板10は、ガラス基板、石英基板、シリコン基板など、平滑なものであれば用いることが可能である。
次に、図2は微細な細孔を有する構造体を示す模式図であり、図2(a)は平面図、図2(b)はAA’断面図である。図2に示すような記録層の母体となる微細な細孔を有する構造体としては、アルミニウムの陽極酸化による方法や円柱状アルミニウムの周りを取り囲むように配置されるシリコン(またはゲルマニウム、シリコンゲルマニウム)からなるAlSi(またはAlGe、AlSiGe)構造体を用いた細孔の形成法がある。以下これらの詳細を説明する。また、ブロックコポリマー等の構造体を用いても良い。
まず、アルミニウムの陽極酸化で得られる微細な細孔を有する構造体についての特徴を記載する。
基板上に配置されたアルミニウム膜において、微細な細孔20を形成したい部分をリン酸、蓚酸、硫酸等の水溶液中に浸漬し、それを陽極として電圧を印加することで自己組織的に細孔が形成される。このとき形成される細孔間の間隔23は、印加した電圧で決まり、2.5×電圧[V](nm)の関係が知られている。
また、アルミニウム膜の表面に規則的な窪みをつけることで、そこを基点に規則的な細孔がハニカム状や正方状に形成されることも特徴であり、特にパターンドメディアに対して大きな可能性を有していることが特徴である。
上記のアルミニウムの陽極酸化で得られる微細な細孔を有する構造体の具体例は、特開平11−200090号公報に記載されている。
次に、基板垂直方向に立ったアルミニウムを成分とする柱状アルミニウム部分と柱状アルミニウム部分の側面を囲むように配置されるSi、GeまたはSiGeを成分とする構造体について説明する。ここではSiを例に用いるが、GeまたはSiGeでも同様である。これら構造体の特徴は、図2における細孔の直径22と細孔間の間隔23で特徴付けられる。
まず、柱状Al部分が基板垂直方向に真直ぐ立っており、その円柱の側面を囲むようにSi部分が構造体の母材21として配置された構造を有することが特徴である。なお、Al部分にはSiが、Si部分にはAlが僅かに混入している。また、この構造体を形成するには、AlとSiの非平衡状態における同時成膜を行うことが好ましい。また、柱状Al部分は基板垂直方向に真直ぐ立っており、柱状Al部分が溶解するような酸やアルカリに浸漬することで柱状Al部分のみ溶解、除去できることが特徴である。それには、リン酸、硫酸、アンモニア水など複数の酸またはアルカリが該当する。
また、このAlSi構造体を硫酸等の水溶液中で陽極酸化することでも柱状Al部分を除去することが可能である。このとき、Si部分は陽極酸化中に酸化され、(Alx Si1-xz1-z となる。そこで、xの範囲は0<x≦0.2で好ましくは、0<x≦0.1である。また、酸化状態は0.334≦z≦1の範囲であり、酸化していない状態も含まれる。また、酸化する場合には、陽極酸化等を行えばよく、その陽極酸化の終了は、下地層へ細孔が到達した時点から30秒〜60秒の間に終了することが好ましい。または、陽極酸化の電流値が極小値に達する時点まで陽極酸化を行っても良い。さらに、酸化は酸素雰囲気中でのアニールでも良い。
このAlを除去したAlSi構造体は、組成にも依存するが細孔の直径22の範囲が1nm〜15nmで、細孔間の間隔23の範囲が3nm〜20nmであることを特徴とする。以上からAl部分の除去の手段によっては、微細な細孔20を取り囲む壁はSiまたはその酸化物で構成されることが特徴である。
上記のSi,GeまたはSiGeを成分とする構造体の具体例は、特開2004−237431号公報に記載されている。
微細な細孔に磁性体を充填する方法は、細孔底部に電極を配置することで電着法により行うことができる。
めっき方法は連続的に一定の電位をかける通常の電解めっき以外にも、電位制御、及び必要に応じて電位をかける時間を制御するパスルめっきを用いる事も可能である。特に、パスルめっきでは、めっき時における核発生密度を促進する事が可能であり、細孔内へのめっきにおいて有効に働く。
また、充填した磁性体をL10 規則合金化する方法は、500℃以下の温度でアニール処理することにより行うことができる。
本発明の磁気記録媒体は垂直磁気記録媒体として有効である。
以下に実施例をあげて、本発明を説明する。
実施例1
本実施例はめっき浴の製造方法に関する。
250mLの水に、ヘキサクロロ白金(IV)酸0.011mol/L、塩化アンモニウム酸0.011mol/L、塩化ナトリウム0.1mol/Lを添加し、ヘキサクロロ白金酸(IV)アンモニウムを含む白金溶液を用意する。ここで、ヘキサクロロ白金酸アンモニウムは各温度において溶解度が異なるため、沈殿物が生じる場合は速やかに溶液を加熱し溶解させることが好ましい。上記濃度では、若干量の沈殿物が形成されるため、50℃程度に液温を上げる事により完全に溶解し透明な溶液が得られる。
次に、250mLの水に、塩化鉄0.02mol/L、酒石酸アンモニウムを錯化剤として0.02mol/Lを添加し、鉄イオンが錯体として安定化した酒石酸鉄を含む鉄溶液を用意する。
上記白金溶液250mL及び鉄溶液250mLを混合して水酸化ナトリウムにてpH8.0に調整する。調整後めっき液はpH減少を伴うが、2.8%アンモニア水及びNaOHを適宜添加することによりpH調整を行い、浴温45℃に維持する事により安定なめっき液Aをとなる。
上記めっき浴と同様の原料及び濃度にて、pH6.0のめっき液Bを作製する。本めっき液も安定なめっき液である。
上記めっき浴Aと同様の原料及び濃度にて、pH9.5のめっき液Cを作製する。本めっき液も安定なめっき液である。
比較例として、上記めっき浴Aと同様の原料及び濃度にて、pH5.5及びpH10.0に調整しためっき液D、及びめっき液Eを用意する。めっき液D、Eは作成後短時間で浴状態が変化し、浴中に沈殿物が析出する不安定なめっき液である。
250mLの水に、ヘキサクロロ白金(IV)酸0.007mol/L、塩化アンモニウム酸0.007mol/L、塩化ナトリウム0.1mol/Lを添加し、ヘキサクロロ白金酸アンモニウムを含む白金溶液を用意する。
次に、250mLの水に、塩化鉄0.02mol/L,酒石酸アンモニウムを錯化剤として0.02mol/Lを添加した錯体の酒石酸鉄を含む鉄溶液を用意する。
上記白金溶液250mL及び鉄溶液250mLを混合して水酸化ナトリウムにてpH8.0に調整する。調整後めっき液はpH減少を伴うが、2.8%アンモニア水及びNaOHを適宜添加してpH調整を行い、浴温45℃に維持する事により安定なめっき液Fとなる。
250mLの水に、ヘキサクロロ白金(IV)酸0.02mol/L、塩化アンモニウム酸0.02mol/L、塩化ナトリウム0.1mol/Lを添加し、ヘキサクロロ白金酸(IV)アンモニウムを含む白金溶液を用意する。白金溶液は調整後ヘキサクロロ白金酸(IV)アンモニウムの沈殿物を形成するが、50℃以上に温度を上げる事により、完全に溶解し透明な溶液が得られる。
次に、250mLの水に、塩化鉄0.02mol/L,酒石酸アンモニウムを錯化剤として0.02mol/Lを添加した錯体の酒石酸鉄を含む鉄溶液を用意する。
上記白金溶液250mL及び鉄溶液250mLを混合して水酸化ナトリウムにてpH8.0に調製する。調整後めっき液はpH減少を伴うが、2.8%アンモニア水及びNaOHを適宜添加してpH調整を行い、浴温45℃に維持する事により安定なめっき液Gとなる。
めっき液A、F、Gでは白金原料であるヘキサクロロ白金酸(IV)アンモニウムの濃度を変化させて、鉄原料である酒石酸鉄の濃度を固定した、鉄及び白金原料比が異なるめっき浴である。以下実施例2に示すように、上記めっき液からは、異なる組成比のFePt合金めっき物を形成する事が可能である。また、鉄溶液中に酒石酸鉄が安定に溶解する範囲ならば、上記濃度以外でも安定なめっき液とする事が可能である。
実施例2
本実施例は、安定なめっき液を用いたFePtめっき物の製造方法に関する。
上記めっき液A、F、Gに、界面活性剤を添加することで、被めっき物に対する濡れ性の向上しためっき液を作ることができる。ドデシル硫酸ナトリウムやノニオン性界面活性剤であるToriton−X100を添加することで上記効果が見出せるが、この他の界面活性剤の利用も可能であり、ここでは、ノニオン性界面活性剤を用いている。
上記めっき液A,F,Gを用いて、FePt磁性体を作製する。作用極としてSi基板に電極下地層としてRuをスパッタ法にて50nm成膜した基板を用いる。補助電極には白金板、基準電極にはAg/AgClを用いている。めっき時の電位を−1.3Vとする。被めっき物のXRFによる組成分析から、めっき液A,F,Gそれぞれの浴より、50atomic%−FePt、75atomic%−FePt、25atomic%−FePtのめっき物が得られることが分かる。尚、組成はめっき諸条件により変動し、安定な温度及びpH範囲で条件を変更する事によりそれぞれ、±5atomic%程度の組成変動が生じる。
上記FePt磁性体を1x10-3Pa以下の真空下にて450℃にて加熱処理し、X銭回折装置(XRD)にて結晶構造を観察すると、50atomic%−FePtのFePt合金からはL10 構造、75atomic%−FePt、25atomic%−FePtのFePt合金からはL12 構造に特徴的な回折ピークが観察され、各組成に応じて異なる規則合金を作成することが可能である。特に、L10 −FePtの場合、AGMにて4000 Oe以上の大きな保磁力が得られる事がわかる。
還元雰囲気下である水素1気圧下にて熱処理を行なうと、真空雰囲気下での熱処理よりも低温にて規則合金が形成することが明らかになり、水素存在下で熱処理を行なう事が効果的であることが分かる。
実施例3
本実施例は、安定なめっき液を用いたFePtめっき物の製造方法に関する。
実施例2の界面活性剤を添加しためっき液A,F,Gを用いて微細なナノ細孔へFePt磁性体を充填する。
細孔を有する構造体は以下のようにして作製する。
下地電極層としてRu30nmと、Al56Si44組成のスパッタリングターゲットから成膜されたAlSi構造体50nmを順次成膜する。ここで用いたAlSi構造体は、円柱状のアルミニウム部分とそれを取り囲むSi部分から形成されることが特徴である。このAlSi構造体のアルミニウム部分を除去して微細な細孔を形成するために室温で2.8mol%のアンモニア水に10分浸漬する。ここでは、細孔の平均直径は8nmであり、細孔間の間隔は平均10nmとなる。
次に、この細孔に本発明のFePt磁性体を充填する。めっき時の電位を1.4Vと−0.85V、それぞれ0.1秒づつかけるパスルめっきを採用し、めっき時に逆電流がかからない電位設定としている。例えば、逆電位がかかるような電位設定を用いる場合は、めっき中に析出するFeがめっき液中に溶解する。このような電位設定とする事も可能であるが、得られるFePt合金のFe組成は小さくなる。従って、予め白金と鉄の原料比を調整する事により、所望の組成のFePt合金が得られるようにすることが必要である。
各めっき浴A,F,Gを用いてめっきを行い、めっき後加熱処理することによりれめっき液AからはL10 、めっき液F,GからはL12 構造を有するFePt規則合金が細孔内に充填された構造体を作製することができる。
構造観察においては、FePt磁性体部分は平均直径8nmで、磁性体の間隔はれ均10nmであり、磁性体はシリコン酸化物を主成分とする非磁性体で分離されていることが確認される。このような硬磁性体が均一に分散したものは、磁気記録媒体の記録層としての要求を満たす構造であり、本実施例で示す構造体の製造方法を用いる事により磁気記録媒体の記録層を作成する事が可能である。
本発明のめっき液は、FePt合金をめっきすることができるので、複数の孔を有する構造体の孔にFePtを充填した磁気記録媒体等の製造に利用することができる。
本発明の磁性体を用いた磁気記録媒体の一例を示す模式図である。 微細な細孔を有する構造体を示す模式図である。
符号の説明
10 基板
11 下地電極層
12 記録層
13 保護層
14 潤滑層
15 磁性体
20 微細な細孔
21 構造体の母材
22 細孔の直径
23 細孔間の間隔

Claims (7)

  1. 少なくともFe及びPtを含み、Pt成分がヘキサクロロ白金酸アンモニウムであることを特徴とするめっき液。
  2. 前記Fe成分が錯化剤によりFe錯体としてめっき浴中で安定化していることを特徴とする請求項1記載のめっき液。
  3. 前記錯化剤が酒石酸イオン又はクエン酸イオンであることを特徴とする請求項1または2記載のめっき液。
  4. 前記めっき液のpHが6以上9.5以下であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかの項に記載のめっき液。
  5. 構造体の製造方法であって、請求項1乃至4のいずれかに記載のめっき液がはいった容器に電極とめっきされる対象物とを用意する工程と、前記電極に電圧を印加することによって、めっき液からFePtを含む磁性体を前記対象物にめっきして構造体を形成する工程とを備えることを特徴とする構造体の製造方法。
  6. 前記めっきされる対象物が複数の孔を有する構造体であることを特徴とする請求項5記載の構造体の製造方法。
  7. 前記構造体の孔にFePtを充填することを特徴とする請求項5または6記載の構造体の製造方法。
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