JP2008103548A - 多層プリント配線板及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 接続信頼性に優れた多層プリント配線板を簡易な工程で製造できる、生産性の高い多層プリント配線板の製造方法を提供すること。
【解決手段】基材、前記基材の一方の表面上に設けられた第一の導電層、及び前記基材の他方の表面上に設けられた第二の導電層を有する両面基板を準備する工程、前記第一の導電層及び前記第二の導電層を選択的に除去して配線形成する工程、前記基材を選択的に除去することにより、前記第二の導電層を底面とし、前記基材及び前記第一の導電層を壁面とするブラインドビアホールを形成する工程、前記ブラインドビアホールの外周である第一の導電層表面と前記ブラインドビアホールの底面とに連続するように導電性ペーストを塗布する工程、を有し、前記第一の導電層と前記第二の導電層を電気的に接続することを特徴とする多層プリント配線板の製造方法。
【選択図】 図4

Description

本発明は、複数の金属配線層を有する多層プリント配線板、及びその製造方法に関する。
多層プリント配線板は、部品の高密度の実装を可能とし、部品間を最短距離で接続(電気的に導通することを意味する。以下単に接続と言う。)できる技術として知られている。IVH(Interstitial Via Hole)は、より高密度の実装が要求される多層プリント配線板の製造に適用される技術であり、隣接層間に開けた孔(ビアホール)に導電性材料を充填して、隣接層同士を接続することを特徴とする。IVHによれば、必要な部分のみに層間接続を形成することができ、ビアホール上にも部品を搭載できるので、自由度の高い高密度配線を可能にする。
特許文献1には、ブラインドビアホールに導電性ペーストを充填して層間接続する多層プリント配線基板の製造方法が記載されている。図1及び図2は、この多層プリント配線板の製造プロセスを示す工程図である。
まず、片面に絶縁性基材1と配線層2(銅箔)を有する片面銅箔貼り基材3の銅箔面をエッチングして、配線層2を形成する。(図1b)。次に、絶縁性基材1の反対面に剥離用フィルム4をラミネート被着した後(図1c)、穴あけ加工を行い、ブラインドビアホール5を形成する(図1d)。このビアホール内に導電性ペースト6を充填した後、剥離用フィルム4を剥離して、絶縁性基材表面から導電性ペーストが突出した状態とする(図1f)。
これに金属フィルム7を積層し(図2a)、プレスして導電性ペーストを圧縮して金属フィルム7と配線層2とを電気的に接続すると同時に、金属フィルム7を基材1と接着する(図2b)。その後、金属フィルム7をエッチングして金属フィルム7の配線層を形成することで、配線層を2層有する多層プリント配線基板が得られる(図2c)。
また特許文献2には、導電性ペーストを用いることなく、電気めっきによってブラインドビアホール内に金属を析出させる多層プリント配線板の製造方法が記載されている。図3はこの多層プリント配線板の製造プロセスを示す工程図である。
まず、基材8と、基材8の一方の面側に設けられた第一の金属層9と、他方の面側に設けられた第二の金属層10とを含む基板11を準備した後(図3a)、第一の金属層9と基材8を選択的に除去し、第二の金属層10に達する孔12を形成する(図3b)。
次に、第二の金属層10から電力を供給して電解めっきを行い、孔12の内部に金属を析出させて孔の内部を金属13で埋める(図3c)。その後、第一の金属層及び第二の金属層をエッチングして配線形成することで、配線層を2層有する多層プリント配線基板が得られる(図3d)。第一の金属層のエッチングは孔12の形成前に行うこともできる。
特開2001−345555号公報 特開2006−114787号公報
導電性ペーストは金属粉末等の導電性フィラーを樹脂バインダー中に分散させたものであり、樹脂を溶解するための溶剤を含んでいる。このため、導電性ペーストを塗布した後加熱や減圧等により溶剤を除去すると導電性ペーストの体積は減少する。また導電性ペーストは圧縮することで導電性フィラーの充填率が高まり、導電性が向上する。このためブラインドビアホール接続の接続信頼性を高めるためにはブラインドビアホールの体積よりも大きく導電性ペーストを塗布する必要があり、特許文献1のように、絶縁性基材表面から導電性ペーストが突出した状態となるように導電性ペーストを塗布する必要がある。
しかし、特許文献1の方法では、剥離フィルム4の貼り合わせと剥離が必要であり、複雑な工程となる。また、配線層2のエッチングと金属フィルム7のエッチングは別々の工程で行う必要がある。配線層2と金属フィルム7との層間接続性を高めるためには、導電性ペーストのプレス時に均等に加圧する必要があり、あらかじめエッチング処理した金属フィルム7を使用することができないからである。
特許文献2の方法では剥離フィルムは必要ない。しかし、電気めっきで金属を析出させる際に、ブラインドビアホールの下部から成長しためっきが第一の金属層9の表面に接触すると、第一金属層9にも電力が供給されて第一金属層9の表面に金属が析出して金属層9の厚さが厚くなり、細線配線の形成が困難となる。これを防ぐために金属層9の表面に被覆層を形成することができるが、その分工程が複雑となる。また金属層10から電力を供給して電気めっきを行うためには金属層10が連続している必要があり、ブラインドビアホールの形成前に金属層10をエッチングして配線形成することは難しい。
本発明は上記の問題に鑑み、接続信頼性に優れた多層プリント配線板を簡易な工程で製造できる、生産性の高い多層プリント配線板の製造方法を提供することを目的とする。また、接続信頼性に優れた多層プリント配線板を提供することを目的とする。
本発明は、(1)基材、前記基材の一方の表面上に設けられた第一の導電層、及び前記基材の他方の表面上に設けられた第二の導電層を有する両面基板を準備する工程、(2)前記第一の導電層及び前記第二の導電層を選択的に除去して配線形成する工程、(3)前記基材を選択的に除去することにより、前記第二の導電層を底面とし、前記基材及び前記第一の導電層を壁面とするブラインドビアホールを形成する工程、(4)前記ブラインドビアホールの外周である第一の導電層表面と前記ブラインドビアホールの底面とに連続するように導電性ペーストを塗布する工程、を有し、前記第一の導電層と前記第二の導電層を電気的に接続する多層プリント配線板の製造方法である(請求項1)。
図4は本発明の多層プリント配線板の製造方法の一例を示す工程図である。基材14、前記基材の一方の表面上に設けられた第一の導電層15、及び前記基材の他方の表面上に設けられた第二の導電層16を有する両面基板17を準備する(図4a)。次に、エッチング等の方法により第一の導電層15及び第二の導電層16を選択的に除去して配線形成する(図4b)。
次に基材14を選択的に除去して、ブラインドビアホール18を形成する。ブラインドビアホール17は、第二の導電層16を底面とし、基材14及び第一の導電層15を壁面としている。さらに、形成されたブラインドビアホールに導電性ペースト19を塗布する。図4dに示すように、導電性ペーストはブラインドビアホール18の外周である第一の導電層15の表面と、ブラインドビアホールの底面とに連続するように塗布される。その後、必要に応じて導電性ペースト19を加熱して硬化させる。導電性ペーストをプレスしながら硬化させても良い。以上の工程により第一の導電層15と第二の導電層16とを電気的に接続する。
導電性ペーストをブラインドビアホールの外周である第一の導電層15の表面にも塗布するため、ブラインドビアホールの壁面のみでなく、第一の導電層15の表面も第二の導電層16と接続することになる。よってブラインドビアホールの導電性が向上し、接続信頼性に優れた多層プリント配線板が得られる。また剥離フィルムの貼り合わせや剥離といった工程を必要とせず、簡易な工程で多層プリント配線板を製造可能となる。
また第一の導電層15と第二の導電層16の配線形成をした後にブラインドビアホール17を形成することができるので、第一の導電層15と第二の導電層16を同時にエッチングして配線形成することも可能である。さらに、あらかじめ配線形成していることにより、図4dに示す導電性ペーストを塗布した基板と別の基板とを一括積層して3層以上の導電層を有する多層プリント配線板を製造することも可能である。尚、多層プリント配線板とは導電層が二層以上あるプリント配線板を指し、両面板も含むものとする。
請求項2に記載の発明は、前記ブラインドビアホールの径が30μm以上200μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の多層プリント配線板の製造方法である。前記ブラインドビアホールの径を30μm以上200μm以下とすることで、接続信頼性と高密度実装性とを両立することができる。なお前記ブラインドビアホールの形状は円形、楕円形等、任意の形状とすることができ、円形以外の形状の場合は、開口部の最大長さをブラインドビアホールの径とする。
請求項3に記載の発明は、前記導電性ペーストの塗布は、前記ブラインドビアホールの外周全体を被覆するように塗布することを特徴とする、請求項1又は2に記載の多層プリント配線板の製造方法である。前記ブラインドビアホールの外周全体を被覆するように導電性ペーストを塗布することで、第一の導電層15と第二の導電層16が良好に接続し、接続信頼性に優れた多層プリント配線板を得ることができる。
請求項4に記載の発明は、前記導電性ペーストの塗布径をAとし、前記ブラインドビアホールの径をBとしたとき、AとBの差が20μm以上200μm以下であることを特徴とする、請求項3に記載の多層プリント配線板の製造方法である。このように導電性ペーストを塗布することで、接続信頼性と高密度配線とを両立することができる。なお導電性ペーストの塗布形状は円形、楕円形等、任意の形状とすることができ、円形以外の形状の場合は、塗布部の最大長さを導電性ペーストの塗布径とする。
請求項5に記載の発明は、さらに前記両面基板の少なくとも一方の表面を被覆する絶縁層を積層する工程を含み、前記導電性ペーストを塗布する工程の後、前記絶縁層を積層し、その後プレスし、前記絶縁層を前記両面配線基板に接着させることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の多層プリント配線板の製造方法である。
図5は、請求項5に記載の発明の多層プリント配線板の製造方法の一例を示す工程図である。絶縁性基材20と接着層21を有する絶縁層(カバーレイフィルム)22を、導電性ペーストを塗布した両面基板17に積層する(図5a)。必要に応じて、積層前に導電性ペーストを予め加熱、乾燥する。その後、絶縁層と両面基板の積層体をプレスすると接着層21によって絶縁層が両面基板17に接着される。プレスは加熱条件で行われることが多く、この工程により導電性ペーストの熱硬化と絶縁層の接着を一度に行うことができる。よって生産性に優れる多層プリント配線板の製造方法を提供することができる。絶縁層(カバーレイフィルム)は両面基板17の反対側(第二の導電層16を被覆する側)に積層しても良く、また両面に積層して同時にプレスすることも可能である。この場合はさらに生産性が向上する。
請求項6に記載の発明は、基材、前記基材の一方の表面上に設けられた第一の導電層、及び前記基材の他方の表面上に設けられた第二の導電層を有し、前記第一の導電層と前記第二の導電層が導電性ペーストの硬化物で電気的に接続されている多層プリント配線板であって、前記第二の導電層を底面とし、前記基材及び前記第一の導電層を壁面とするブラインドビアホールを有し、前記ブラインドビアホールの外周である第一の導電層表面と、前記ブラインドビアホールの底面とに連続するように導電性ペーストの硬化物で被覆されていることを特徴とする多層プリント配線板である。前記ブラインドビアホールの外周である第一の導電層表面と、前記ブラインドビアホールの底面とに連続するように導電性ペーストの硬化物で被覆されているため、第一の導電層と第二の導電層とが良好に接続し、接続信頼性に優れた多層プリント配線板が得られる。
本発明は、接続信頼性に優れた多層プリント配線板を簡易な工程で製造できる、生産性の高い多層プリント配線板の製造方法を提供する。また、接続信頼性に優れた多層プリント配線板を提供する。
以下に、本発明を詳細に説明する。本発明に用いる基材としては絶縁性の樹脂フィルムを使用でき、ポリエチレンテレフタレートやポリイミド等が例示される。耐熱性を考慮するとポリイミドを主体とする樹脂フィルムが好ましい。基材の厚みは多層プリント配線板の用途に応じて適宜選択でき、一般的には5μm〜50μm程度のものを使用する。
第一の導電層及び第二の導電層としては、金属箔を使用することができる。導電性、耐久性を考慮すると銅を主体とする金属箔が好ましく、銅、又は銅を主成分とする合金が例示される。銅以外にも、銀、アルミ、ニッケル等を用いても良い。導電層の厚みは多層プリント配線板の用途に応じて適宜選択でき、一般的には5μm〜50μm程度のものを使用する。導電層と基材とは直接又は接着剤を介して貼り合わされる。ポリイミド樹脂フィルムの両面に銅箔が貼り合わされた市販の両面銅貼基板を使用しても良い。
第一の導電層及び第二の導電層を、エッチング加工等によって選択的に除去し、配線形成を行う。エッチング加工としては、導電層上に、レジスト層等の配線パターンを形成した後、導電層を浸食するエッチャントに浸漬して、配線パターン以外の部分を取り除き、その後レジスト層を除去する化学エッチング(浸式エッチング)が例示される。第一の導電層と第二の導電層を同時にエッチング加工するとエッチング工程を一回とすることができ、製造コストを低減できる。
配線形成した両面基板にレーザ加工等の方法で基材、又は基材と第一の導電層を選択的に除去し、ブラインドビアホールを形成する。レーザ加工には、UV−YAGレーザ等のレーザを用いることができ、又レーザ加工以外の方法によりブラインドビアホールを形成することも可能である。ブラインドビアホールの直径は30μm〜200μmとすることが好ましい。径が30μmよりも小さいと接続面積が小さくなり、第一の導電層と第二の導電層との接続抵抗が大きくなる。また径を200μmよりも大きくすると、配線幅に比べてビアホールが大きくなり、高密度実装を行えなくなる。更に好ましいブラインドビアホールの径は50μm〜150μmである。
レーザ加工後のスミア除去は、アルカリと過マンガン酸カリウムによる湿式デスミア、ブラスト処理、液中に無機粒子を分散させて行うウエットブラスト処理、プラズマ処理等が用いられる。
本発明に使用する導電性ペーストは、金属粉末等の導電性フィラーをバインダー樹脂中に分散させたものである。金属種類は白金、金、銀、銅、パラジウム等が例示されるが、その中でも特に銀粉末や銀コート銅粉末を使用すると優れた導電性を示すので好ましい。
バインダー樹脂としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂等を使用することができる。導電性ペーストの耐熱性を考慮すると熱硬化性樹脂を使用することが好ましく、特にエポキシ樹脂を使用することが好ましい。エポキシ樹脂の種類は特に限定されないが、ビスフェノールA、F、S、AD等を骨格とするビスフェノール型エポキシ樹脂等の他、ナフタレン型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂等が例示される。また高分子量エポキシ樹脂であるフェノキシ樹脂を用いることもできる。
バインダー樹脂は溶剤に熔解して使用することができ、エステル系、エーテル系、ケトン系、エーテルエステル系、アルコール系、炭化水素系、アミン系等の有機溶剤が溶剤として使用できる。導電性ペーストはスクリーン印刷等の方法でブラインドビアホールに充填されるため、印刷性に優れた高沸点溶剤が好ましく、具体的にはカルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテートなどが特に好ましい。またこれらの溶剤を数種類組み合わせて使用することも可能である。これらの材料を3本ロール、回転撹拌脱泡機などにより混合、分散して均一な状態とし、導電性ペーストを作製する。
上記の導電性ペーストをスクリーン印刷等の方法で塗布し、前記ブラインドビアホール内に導電性ペーストを充填する。前記ブラインドビアホールの外周である第一の導電層表面と前記ブラインドビアホールの底面とに連続するように導電性ペーストを塗布すると、第一の導電層と第二の導電層が導電性ペーストを介して電気的に接続する。導電性ペーストがブラインドビアホールの外周及び底面全てを被覆することが好ましいが、電気的に接続できれば一部に欠けがあっても良い。
導電性ペーストはブラインドビアホールの外周全体を被覆するように塗布すると、接続信頼性が高くなり好ましい。また導電性ペーストの塗布径をAとし、前記ブラインドビアホールの径をBとしたとき、AとBの差が20μm以上200μm以下とすることが好ましい。導電性ペーストの塗布径がこの値より小さいと、第一の導電層と第二の導電層との接続抵抗が高くなり、接続信頼性が低くなる。また導電性ペーストの塗布径がこの値よりも大きいと配線に対して接続部が大きくなり、高密度実装は行い難い。さらに導電性ペーストがブラインドビアホールの内部全体に充填されるように塗布すると、第一の導電層と第二の導電層との接続抵抗を低くすることができる。
塗布した導電性ペーストを予備乾燥し、導電性ペースト中に含まれる溶剤を除去することが好ましい。導電性ペースト中の残留溶剤を除去することで、ブラインドビアホール内でのボイドが発生を防止でき、接続抵抗値を低くすることができる。また減圧雰囲気中で予備乾燥を行うと、予備乾燥温度を低くしても効率良く溶剤を除去でき、予備乾燥中のバインダー樹脂の硬化反応を抑えることができる。
その後、導電性ペーストを硬化させる。導電性ペーストの硬化は熱硬化が一般的であるが、紫外線硬化等の方法で行うことも出来る。また熱可塑性樹脂をバインダー樹脂とした導電性ペーストの場合は溶剤を乾燥するだけでペーストが固化するが、本発明においてはこのようなものも導電性ペーストの硬化物、と称する。
導電性ペーストをプレスしながら硬化させると導電性が向上し、好ましい。プレスすることで導電性ペーストは圧縮され、第一の導電層と第二の導電層との接続抵抗が小さくなる。またブラインドビアホール内にも圧縮した導電性ペーストが充填されることとなる。
導電性ペーストを塗布した両面基板のみをプレスすると、ブラインドビアホールを介して第一の導電層と第二の導電層が接続した多層プリント配線板が得られる。この配線板と他の配線板を積層して、三層以上の配線層を有する多層プリント配線板を作成することもできる。また導電性ペーストを塗布した両面基板の片面、または両面に、絶縁層(カバーレイフィルム)を積層し、カバーレイフィルムの接着と導電性ペーストのプレスを一度に行うこともできる。
プレスは加熱下で行うことが好ましい。また真空状態で加熱プレスすると、導電性ペースト中のボイド発生を防ぐことができ更に好ましい。加熱温度は導電性ペーストの種類により適宜選択できるが、通常100℃〜280℃である。
次に発明を実施例に基づいて説明する。ただし本発明の範囲は実施例にのみ限定されるものではない。
(実施例1)
ポリイミドフィルムの両面に、接着剤を用いずに銅箔を貼り合わせた両面銅貼基板(ポリイミドフィルム厚み:25μm、銅箔厚み:12μm)を準備し、両面の銅箔をエッチング加工して配線形成した。さらにYAGレーザにより有底のブラインドビアホール(開口径100μm)を開け、ウエットブラスト処理を施した。ブラインドビアホールは1296個形成した。
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量7000〜8500)70質量部と、ビスフェノールF型エポキシ樹脂(エポキシ当量160〜170)30質量部をブチルカルビトールアセテートに溶解した。来れにイミダゾール系の潜在性硬化剤12質量部を添加し、さらに銀粒子を全固形分の55体積%となるように添加して導電性ペーストを作製した。
スクリーン印刷により、導電性ペーストをそれぞれのブラインドビアホールに充填した。導電性ペーストはブラインドビアホール全体を被覆するように塗布し、塗布径は150μmとした。その後、減圧下(1.3kPa以下)で70℃に加熱して予備乾燥し、導電性ペースト中の溶剤を除去した。
導電性ペーストを塗布した両面基板を真空プレスして、1296個のビアホールがデイジーチェーン構造で接続された多層プリント配線板1を作製した。なお、プレス条件は温度200℃、圧力2.0MPaである。
(実施例2)
導電性ペーストを塗布した両面基板の両面に、カバーレイフィルム(厚み20μmの接着剤層が片面に積層された厚み12μmのポリイミドフィルム)を積層し、真空プレスを行ったこと以外は実施例1と同様の条件で、1296個のビアホールがデイジーチェーン構造で接続された多層プリント配線板2を作製した。
(実施例3)
導電性ペーストを塗布した両面基板の両面に、カバーレイフィルム(厚み20μmの接着剤層が片面に積層された厚み12μmのポリイミドフィルム)を積層し、導電性ペーストの塗布径を100μmとした以外は、真空プレスを行ったこと以外は実施例1と同様の条件で、1296個のビアホールがデイジーチェーン構造で接続された多層プリント配線板2を作製した。
(実施例4)
導電性ペーストを塗布した両面基板の両面に、カバーレイフィルム(厚み20μmの接着剤層が片面に積層された厚み12μmのポリイミドフィルム)を積層し、導電性ペーストの塗布径を350μmとした以外は、真空プレスを行ったこと以外は実施例1と同様の条件で、1296個のビアホールがデイジーチェーン構造で接続された多層プリント配線板2を作製した。
(接続抵抗の評価)
得られた多層プリント配線板について、接続抵抗を測定した。測定はデイジーチェーンの両端から、4端子法により、抵抗を測定することにより実施した。なお、抵抗値は1296個のビアホール内に充填された導電性ペーストの抵抗、導電層の抵抗、及び導電性ペーストと導電層の接触抵抗の合計と考えられる。
(信頼性評価)
さらに、多層プリント配線板をピーク温度260℃のリフロー炉に6回通した後接続抵抗を測定し、抵抗上昇率を求めた。
Figure 2008103548
表1からわかるように、実施例1〜4の多層プリント配線板はリフロー後の抵抗上昇率が5%以下と低く、接続信頼性に優れることがわかる。
従来の多層プリント配線基板の製造工程を示す、断面模式図である。 従来の多層プリント配線基板の製造工程を示す、断面模式図である。 従来の多層プリント配線基板の製造工程を示す、断面模式図である。 本発明の多層プリント配線基板の製造工程を示す、断面模式図である。 本発明の多層プリント配線基板の製造工程を示す、断面模式図である。
符号の説明
1 絶縁性基材
2 配線層
3 片面銅箔貼り基材
4 剥離用フィルム
5 ブラインドビアホール
6 導電性ペースト
7 金属フィルム
8 基材
9 第一の金属層
10 第二の金属層
11 基板
12 孔
13 金属
14 基材
15 第一の導電層
16 第二の導電層
17 両面基板
18 ブラインドビアホール
19 導電性ペースト
20 絶縁性基材
21 接着層
22 絶縁層(カバーレイフィルム)

Claims (6)

  1. 基材、前記基材の一方の表面上に設けられた第一の導電層、及び前記基材の他方の表面上に設けられた第二の導電層を有する両面基板を準備する工程、
    前記第一の導電層及び前記第二の導電層を選択的に除去して配線形成する工程、
    前記基材を選択的に除去することにより、前記第二の導電層を底面とし、前記基材及び前記第一の導電層を壁面とするブラインドビアホールを形成する工程、
    前記ブラインドビアホールの外周である第一の導電層表面と前記ブラインドビアホールの底面とに連続するように導電性ペーストを塗布する工程、
    を有し、前記第一の導電層と前記第二の導電層を電気的に接続することを特徴とする、多層プリント配線板の製造方法。
  2. 前記ブラインドビアホールの径が30μm以上200μm以下であることを特徴とする、請求項1に記載の多層プリント配線板の製造方法。
  3. 前記導電性ペーストの塗布は、前記ブラインドビアホールの外周全体を被覆するように塗布することを特徴とする、請求項1又は2に記載の多層プリント配線板の製造方法。
  4. 前記導電性ペーストの塗布径をAとし、前記ブラインドビアホールの径をBとしたとき、AとBの差が20μm以上200μm以下であることを特徴とする、請求項3に記載の多層プリント配線板の製造方法。
  5. さらに、前記両面基板の少なくとも一方の表面を被覆する絶縁層を積層する工程を含み、
    前記導電性ペーストを塗布する工程の後、前記絶縁層を積層し、その後プレスし、前記絶縁層を前記両面配線基板に接着させることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の多層プリント配線板の製造方法。
  6. 基材、前記基材の一方の表面上に設けられた第一の導電層、及び前記基材の他方の表面上に設けられた第二の導電層を有し、前記第一の導電層と前記第二の導電層が導電性ペーストの硬化物で電気的に接続されている多層プリント配線板であって、
    前記第二の導電層を底面とし、前記基材及び前記第一の導電層を壁面とするブラインドビアホールを有し、
    前記ブラインドビアホールの外周である第一の導電層表面と、前記ブラインドビアホールの底面とに連続するように導電性ペーストの硬化物が設けられていることを特徴とする、多層プリント配線板。
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