JP2008181915A - 多層プリント配線板及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】接続信頼性に優れた多層プリント配線板を簡易な工程で製造できる、生産性の高い多層プリント配線板及びそのの製造方法を提供すること。
【解決手段】基材、前記基材の一方の表面上に設けられた第一の導電層、及び前記基材の他方の表面上に設けられた第二の導電層を有し、第一の導電層の一部である第一のランド部と第二の導電層の一部である第二のランド部が、前記第二のランド部を底面とするブラインドビアホールに充填された導電性ペーストの硬化物で電気的に接続されている多層プリント配線板であって、
前記第一のランド部及び前記第二のランド部中に前記ブラインドビアホールを複数有することを特徴とする、多層プリント配線板。
【選択図】 図3
【解決手段】基材、前記基材の一方の表面上に設けられた第一の導電層、及び前記基材の他方の表面上に設けられた第二の導電層を有し、第一の導電層の一部である第一のランド部と第二の導電層の一部である第二のランド部が、前記第二のランド部を底面とするブラインドビアホールに充填された導電性ペーストの硬化物で電気的に接続されている多層プリント配線板であって、
前記第一のランド部及び前記第二のランド部中に前記ブラインドビアホールを複数有することを特徴とする、多層プリント配線板。
【選択図】 図3
Description
本発明は、複数の導電性配線層を有し、導電性ペーストで層間接続する多層プリント配線板、及びその製造方法に関する。
多層プリント配線板は部品の高密度の実装を可能とし、部品間を最短距離で接続(電気的に導通することを意味する。以下単に接続と言う。)できる技術として知られている。IVH(Interstitial Via Hole)は、より高密度の実装が要求される多層プリント配線板の製造に適用される技術であり、隣接層間に開けた孔(ビアホール)に導電性材料を充填して、隣接層同士を接続することを特徴とする。IVHによれば、必要な部分のみに層間接続を形成することができ、ビアホール上にも部品を搭載できるので、自由度の高い高密度配線が可能となる。
特許文献1には、ブラインドビアホールに導電性ペーストを充填して層間接続する多層プリント配線基板の製造方法が記載されている。図1及び図2は、この多層プリント配線板の製造プロセスを示す工程図である。
まず、片面に絶縁性基材1と配線層2(銅箔)を有する片面銅箔貼り基材3の銅箔面をエッチングして、配線層2を形成する。(図1b)。次に、絶縁性基材1の反対面に剥離用フィルム4をラミネート被着した後(図1c)、穴あけ加工を行い、ブラインドビアホール5を形成する(図1d)。このビアホール内に導電性ペースト6を充填した後、剥離用フィルム4を剥離して、絶縁性基材表面から導電性ペーストが突出した状態とする(図1f)。
これに金属フィルム7を積層し(図2a)、プレスして導電性ペーストを圧縮して金属フィルム7と配線層2とを電気的に接続すると同時に、金属フィルム7を基材1と接着する(図2b)。その後、金属フィルム7をエッチングして金属フィルム7の配線層を形成することで、配線層を2層有する多層プリント配線基板が得られる(図2c)。
特許文献2には、ブラインドビアホールを複数層積み重ねたスタックドビア構造を有する多層プリント配線板が記載されている。ブラインドビアホールによって接続される部分(ブラインドビアホールの上下部分)の配線層はランドと呼ばれ、一般に円形のパターンが用いられている。またブラインドビアホールはランドの中央部に設けられている(特許文献2、図6b)。
特開2001−345555号公報
特開2005−123397号公報
基材両面の配線層の電気的接続を良好にするためには、導電性ペーストをブラインドビアホールに確実に充填する必要がある。ブラインドビアホールへの導電性ペーストの充填は一般にスクリーン印刷により行うが、ビアホール径が小さいと印刷時の版の目詰まり等の原因で導電性ペーストの充填不良が起きることがある。一つの製品中にはブラインドビアホールによる接続部分(ランド部)が多数あり、そのうち一つでも充填不良があれば製品は不良となり、使用できない。不良品が多くなれば製品の歩留まりが悪くなり、製造コストが高くなる。
本発明は上記の問題に鑑み、生産性が高く、接続信頼性に優れた多層プリント配線板及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、基材、前記基材の一方の表面上に設けられた第一の導電層、及び前記基材の他方の表面上に設けられた第二の導電層を有し、第一の導電層の一部である第一のランド部と第二の導電層の一部である第二のランド部が、前記第二のランド部を底面とするブラインドビアホールに充填された導電性ペーストの硬化物で電気的に接続されている多層プリント配線板であって、前記第一のランド部及び前記第二のランド部中に前記ブラインドビアホールを複数有することを特徴とする多層プリント配線板である(請求項1)。
図3は本発明の多層プリント配線板の一例を示す模式図であり、図4は図3のA−A’断面を示す模式図である。基材10の一方の表面上に第一の導電層の一部である第一のランド部8が設けられている。第一のランド部は略円形状である。基材10の他方の表面上には第二の導電層の一部である第二のランド部11が設けられている。第二のランド部11と第一のランド部8は基材10を介して対向している。
第一のランド部8と基材11を壁面とし、第二のランド部11を底面とするブラインドビアホールが形成されている。ブラインドビアホールには導電性ペーストの硬化物9が充填され、この導電性ペーストの硬化物を介して第一のランド部9と第二のランド部11が電気的に接続される。
第一のランド部及び第二のランド部中にブラインドビアホールを複数有することで、ランド部間の接続信頼性を高めることができる。また一つのビアホールで導電性ペーストの充填不良が起こっても、残りのビアホールに充填された導電性ペーストによってランド部間の接続を行うことができ、ビア充填性不良による製品の不良数を減らすことができる。また、同一ランド内に複数のブラインドビアホールを設けているため、一つのブラインドビアホールが破壊したとしても残りのブラインドビアホールでランド間の接続を確保することができ、接続信頼性が向上する。
尚、多層プリント配線板とは導電層が二層以上あるプリント配線板を指し、両面板も含むものとする。本発明の多層プリント配線板には図4のような二層の導電層を持つ両面プリント配線板、及びこのような両面接続構造を持ち、導電層が三層以上の多層プリント配線板を含む。
請求項2に記載の発明は、前記第一のランド部及び第二のランド部は、直径が500μm以下の略円形状又は長径が500μm以下の略楕円形状であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の多層プリント配線板である。多層プリント配線板の実装密度を高めるためにはランド部の直径を500μm以下とすることが好ましい。このような多層プリント配線板においては一つの製品中にランド部が多数存在するが、一つのランドで接続不良が起こると製品は不良となり、製造時の歩留まりが悪くなる。本発明では同一ランド中に複数のビアホールを設けているため、このような製品においても生産性を向上することができる。また接続信頼性も高くなる。
請求項3に記載の発明は、前記ブラインドビアホールが、前記第一のランド部及び前記第二のランド部の中心を避けて配置されていることを特徴とする、請求項1に記載の多層プリント配線板である。ランド部に部品を実装する場合、ランドの中央部分に部品が実装されることが多い。部品に荷重がかかった場合、ランドの中心に応力が集中するため、ブラインドビアホールが中心にあると、ブラインドビアホール内にある導電性ペーストの硬化物が破断する可能性がある。中心を避けてブラインドビアホールを配置することにより、ブラインドビアホールの破壊を防ぐことができ、接続信頼性が向上する。
なお中心を避けて配置されている、とは円形状又は楕円形状のランドの中心にブラインドビアホールが存在しないことをいい、図5に示すような、ランド部8の中心12がブラインドビアホール9の一部に含まれる構造は中心を避けて配置されているとは言えない。また通常、ランド部は配線部13と連続しているが、ランド部の形状とは配線部13が無いと想定した時の形状(ランド部8の外周と、ランド部8と配線部分13の境界の点線で囲まれた部分)をいう。
請求項4に記載の発明は、前記ブラインドビアホールの径が30μm以上200μm以下であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の多層プリント配線板である。ブラインドビアホールの径を30μm以上200μm以下とすることで、接続信頼性と高密度実装性とを両立することができる。なお前記ブラインドビアホールの形状は円形、楕円形等、任意の形状とすることができ、円形以外の形状の場合は、開口部の最大長さをブラインドビアホールの径とする。
請求項5に記載の発明は、基材、前記基材の一方の表面上に設けられた第一の導電層、及び前記基材の他方の表面上に設けられた第二の導電層を有する両面基板を準備する工程、
前記第一の導電層及び前記第二の導電層を選択的に除去して配線形成し、第一の導電層の一部である第一のランド部と第二の導電層の一部である第二のランド部を形成する工程、
前記基材を選択的に除去することにより、前記第二のランド部を底面とし、前記基材及び前記第一のランド部を壁面とするブラインドビアホールを複数形成する工程、
前記ブラインドビアホールの外周である第一のランド部表面と前記ブラインドビアホールの底面とに連続するように導電性ペーストを塗布する工程、
を有し、前記第一のランド部と前記第二のランド部を電気的に接続することを特徴とする、多層プリント配線板の製造方法である。
前記第一の導電層及び前記第二の導電層を選択的に除去して配線形成し、第一の導電層の一部である第一のランド部と第二の導電層の一部である第二のランド部を形成する工程、
前記基材を選択的に除去することにより、前記第二のランド部を底面とし、前記基材及び前記第一のランド部を壁面とするブラインドビアホールを複数形成する工程、
前記ブラインドビアホールの外周である第一のランド部表面と前記ブラインドビアホールの底面とに連続するように導電性ペーストを塗布する工程、
を有し、前記第一のランド部と前記第二のランド部を電気的に接続することを特徴とする、多層プリント配線板の製造方法である。
導電性ペーストをブラインドビアホールの外周である第一のランド部表面にも塗布するため、ブラインドビアホールの壁面のみでなく、第一のランド部の表面もブラインドビアホールの底面と接続することとなる。よってブラインドビアホールの導電性が向上し、接続信頼性に優れた多層プリント配線板が得られる。また剥離フィルムの貼り合わせや剥離といった工程を必要とせず、簡易な工程で多層プリント配線板を製造可能となる。
本発明は、接続信頼性に優れた多層プリント配線板を簡易な工程で製造できる、生産性の高い多層プリント配線板の製造方法を提供する。また、接続信頼性に優れた多層プリント配線板を提供する。
図6は本発明の多層プリント配線板の製造方法の一例を示す工程図である。基材14、前記基材の一方の表面上に設けられた第一の導電層15、及び前記基材の他方の表面上に設けられた第二の導電層16を有する両面基板17を準備する(図6a)。次に、エッチング等の方法により第一の導電層15及び第二の導電層16を選択的に除去して配線形成し、第一のランド部20と第二のランド部21を形成する(図6b)。
次に基材14を選択的に除去して、ブラインドビアホール18を一つのランド部中に複数形成する。ブラインドビアホール18は、第二の導電層16を底面とし、基材14及び第一の導電層15を壁面としている。形成されたブラインドビアホールに導電性ペースト19を塗布する。その後、必要に応じて導電性ペースト19を加熱して硬化させる。導電性ペーストをプレスしながら硬化させても良い。以上の工程により第一の導電層15と第二の導電層16とを電気的に接続する。
図6dに示すように、導電性ペーストは、ブラインドビアホール18の外周である第一の導電層15の表面と、ブラインドビアホールの底面とに連続するように塗布すると好ましい。導電性ペーストをブラインドビアホールの外周である第一の導電層15の表面にも塗布するため、ブラインドビアホールの壁面のみでなく、第一の導電層15の表面も第二の導電層16と接続することになり、ブラインドビアホールの導電性が向上し、接続信頼性に優れた多層プリント配線板が得られる。
また第一の導電層15と第二の導電層16の配線形成をした後にブラインドビアホール17を形成することができるので、第一の導電層15と第二の導電層16を同時にエッチングして配線形成することも可能である。さらに、あらかじめ配線形成していることにより、図6dに示す導電性ペーストを塗布した基板と別の基板とを一括積層して3層以上の導電層を有する多層プリント配線板を製造することも可能である。
本発明に用いる基材としては絶縁性の樹脂フィルムを使用でき、ポリエチレンテレフタレートやポリイミド等が例示される。耐熱性を考慮するとポリイミドを主体とする樹脂フィルムが好ましい。基材の厚みは多層プリント配線板の用途に応じて適宜選択でき、一般的には5μm〜50μm程度のものを使用する。
第一の導電層及び第二の導電層としては、金属箔を使用することができる。導電性、耐久性を考慮すると銅を主体とする金属箔が好ましく、銅、又は銅を主成分とする合金が例示される。銅以外にも、銀、アルミ、ニッケル等を用いても良い。導電層の厚みは多層プリント配線板の用途に応じて適宜選択でき、一般的には5μm〜50μm程度のものを使用する。導電層と基材とは直接又は接着剤を介して貼り合わされる。ポリイミド樹脂フィルムの両面に銅箔が貼り合わされた市販の両面銅貼基板を使用しても良い。
第一の導電層及び第二の導電層を、エッチング加工等によって選択的に除去して配線形成を行い、ランド部を形成する。エッチング加工としては、導電層上に、レジスト層等の配線パターンを形成した後、導電層を浸食するエッチャントに浸漬して、配線パターン以外の部分を取り除き、その後レジスト層を除去する化学エッチング(浸式エッチング)が例示される。第一の導電層と第二の導電層を同時にエッチング加工するとエッチング工程を一回とすることができ、製造コストを低減できる。
ブラインドビアホールの形成は、レーザ加工等の方法で基材、又は基材と第一の導電層を選択的に除去することで行う。レーザ加工には、UV−YAGレーザ等のレーザを用いることができ、又レーザ加工以外の方法によりブラインドビアホールを形成することも可能である。ブラインドビアホールの直径は30μm〜200μmとすることが好ましい。径が30μmよりも小さいと接続面積が小さくなり、第一の導電層と第二の導電層との接続抵抗が大きくなる。また径を200μmよりも大きくすると、配線幅に比べてビアホールが大きくなり、高密度実装を行えなくなる。更に好ましいブラインドビアホールの径は50μm〜150μmである。
レーザ加工後のスミア除去は、アルカリと過マンガン酸カリウムによる湿式デスミア、ブラスト処理、液中に無機粒子を分散させて行うウエットブラスト処理、プラズマ処理等が用いられる。
本発明に使用する導電性ペーストは、金属粉末等の導電性フィラーをバインダー樹脂中に分散させたものである。金属種類は白金、金、銀、銅、パラジウム等が例示されるが、その中でも特に銀粉末や銀コート銅粉末を使用すると優れた導電性を示すので好ましい。
バインダー樹脂としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂等を使用することができる。導電性ペーストの耐熱性を考慮すると熱硬化性樹脂を使用することが好ましく、特にエポキシ樹脂を使用することが好ましい。エポキシ樹脂の種類は特に限定されないが、ビスフェノールA、F、S、AD等を骨格とするビスフェノール型エポキシ樹脂等の他、ナフタレン型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂等が例示される。また高分子量エポキシ樹脂であるフェノキシ樹脂を用いることもできる。
バインダー樹脂は溶剤に溶解して使用することができ、エステル系、エーテル系、ケトン系、エーテルエステル系、アルコール系、炭化水素系、アミン系等の有機溶剤が溶剤として使用できる。導電性ペーストはスクリーン印刷等の方法でブラインドビアホールに充填されるため、印刷性に優れた高沸点溶剤が好ましく、具体的にはカルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテートなどが特に好ましい。またこれらの溶剤を数種類組み合わせて使用することも可能である。これらの材料を3本ロール、回転撹拌脱泡機などにより混合、分散して均一な状態とし、導電性ペーストを作製する。
上記の導電性ペーストをスクリーン印刷等の方法で塗布し、前記ブラインドビアホール内に導電性ペーストを充填する。前記ブラインドビアホールの外周である第一の導電層表面と前記ブラインドビアホールの底面とに連続するように導電性ペーストを塗布すると、第一の導電層と第二の導電層が導電性ペーストを介して電気的に接続する。導電性ペーストがブラインドビアホールの外周及び底面全てを被覆することが好ましいが、電気的に接続できれば一部に欠けがあっても良い。
導電性ペーストはブラインドビアホールの外周全体を被覆するように塗布すると、接続信頼性が高くなり好ましい。また導電性ペーストの塗布径をAとし、前記ブラインドビアホールの径をBとしたとき、AとBの差が20μm以上200μm以下とすることが好ましい。導電性ペーストの塗布径がこの値より小さいと、第一の導電層と第二の導電層との接続抵抗が高くなり、接続信頼性が低くなる。また導電性ペーストの塗布径がこの値よりも大きいと配線に対して接続部が大きくなり、高密度実装は行い難い。さらに導電性ペーストがブラインドビアホールの内部全体に充填されるように塗布すると、第一の導電層と第二の導電層との接続抵抗を低くすることができる。
塗布した導電性ペーストを予備乾燥し、導電性ペースト中に含まれる溶剤を除去することが好ましい。導電性ペースト中の残留溶剤を除去することで、ブラインドビアホール内でのボイドが発生を防止でき、接続抵抗値を低くすることができる。また減圧雰囲気中で予備乾燥を行うと、予備乾燥温度を低くしても効率良く溶剤を除去でき、予備乾燥中のバインダー樹脂の硬化反応を抑えることができる。
その後、導電性ペーストを硬化させる。導電性ペーストの硬化は熱硬化が一般的であるが、紫外線硬化等の方法で行うことも出来る。また熱可塑性樹脂をバインダー樹脂とした導電性ペーストの場合は溶剤を乾燥するだけでペーストが固化するが、本発明においてはこのようなものも導電性ペーストの硬化物、と称する。
導電性ペーストをプレスしながら硬化させると導電性が向上し、好ましい。プレスすることで導電性ペーストは圧縮され、第一の導電層と第二の導電層との接続抵抗が小さくなる。またブラインドビアホール内にも圧縮した導電性ペーストが充填されることとなる。
導電性ペーストを塗布した両面基板のみをプレスすると、ブラインドビアホールを介して第一の導電層(ランド部)と第二の導電層(ランド部)が接続した多層プリント配線板が得られる。この配線板と他の配線板を積層して、三層以上の配線層を有する多層プリント配線板を作成することもできる。また導電性ペーストを塗布した両面基板の片面、または両面に、絶縁層(カバーレイフィルム)を積層し、カバーレイフィルムの接着と導電性ペーストのプレスを一度に行うこともできる。
プレスは加熱下で行うことが好ましい。また真空状態で加熱プレスすると、導電性ペースト中のボイド発生を防ぐことができ更に好ましい。加熱温度は導電性ペーストの種類により適宜選択できるが、通常100℃〜280℃である。
次に発明を実施例に基づいて説明する。ただし本発明の範囲は実施例にのみ限定されるものではない。
(実施例1)
ポリイミドフィルムの両面に、接着剤を用いずに銅箔を貼り合わせた両面銅貼基板(ポリイミドフィルム厚み:25μm、銅箔厚み:12μm)を準備し、両面の銅箔をエッチング加工して配線形成し、直径500μmのランド部を形成する。さらにYAGレーザにより有底のブラインドビアホール(開口径100μm)を開け、ウエットブラスト処理を施す。ブラインドビアホールは一つのランド部中に二個ずつ形成する。
ポリイミドフィルムの両面に、接着剤を用いずに銅箔を貼り合わせた両面銅貼基板(ポリイミドフィルム厚み:25μm、銅箔厚み:12μm)を準備し、両面の銅箔をエッチング加工して配線形成し、直径500μmのランド部を形成する。さらにYAGレーザにより有底のブラインドビアホール(開口径100μm)を開け、ウエットブラスト処理を施す。ブラインドビアホールは一つのランド部中に二個ずつ形成する。
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量7000〜8500)70質量部と、ビスフェノールF型エポキシ樹脂(エポキシ当量160〜170)30質量部をブチルカルビトールアセテートに溶解する。これにイミダゾール系の潜在性硬化剤12質量部を添加し、さらに銀粒子を全固形分の55体積%となるように添加して導電性ペーストを作製する。
スクリーン印刷により、導電性ペーストをそれぞれのブラインドビアホールに充填する。導電性ペーストはブラインドビアホール全体を被覆するように塗布し、塗布径は150μmとする。その後、減圧下(1.3kPa以下)で70℃に加熱して予備乾燥し、導電性ペースト中の溶剤を除去する。
導電性ペーストを塗布した両面基板を温度200℃、圧力2.0MPaで真空プレスして、多層プリント配線板1を作製する。
(実施例2)
一つのランド部中に開口径100μmのブラインドビアホールを3個形成すること以外は実施例1と同様の条件で多層プリント配線板2を作製する。
一つのランド部中に開口径100μmのブラインドビアホールを3個形成すること以外は実施例1と同様の条件で多層プリント配線板2を作製する。
(比較例1)
一つのランド部中に開口径100μmのブラインドビアホールを1個形成すること以外は実施例1と同様の条件で多層プリント配線板3を作製する。
一つのランド部中に開口径100μmのブラインドビアホールを1個形成すること以外は実施例1と同様の条件で多層プリント配線板3を作製する。
表1は、上記実施例及び比較例において、導電性ペーストの印刷時の目詰まり発生確率を0.0001(0.01%)とした時の、一製品での不良率の計算値である。比較例1では、一製品あたりのランド数が200個程度であれば、製品の不良率は2%と少ないが、ランド数が増えると不良率は大きくなり、ランド数が20000個になるとほとんどが不良となってしまう。
これに対し、ランド部中に2個のブラインドビアホールを形成した実施例1や、ランド部中に3個のブラインドビアホールを形成した実施例2では、一製品あたりのランド数が増えても不良率を少なくすることができる。
1 絶縁性基材
2 配線層
3 片面銅箔貼り基材
4 剥離用フィルム
5 ブラインドビアホール
6 導電性ペースト
7 金属フィルム
8 第一のランド部
9 ブラインドビアホール
10 基材
11 第二のランド部
12 ランド部の中心
13 配線部
14 基材
15 第一の導電層
16 第二の導電層
17 両面基板
18 ブラインドビアホール
19 導電性ペースト
20 第一のランド部
21 第二のランド部
2 配線層
3 片面銅箔貼り基材
4 剥離用フィルム
5 ブラインドビアホール
6 導電性ペースト
7 金属フィルム
8 第一のランド部
9 ブラインドビアホール
10 基材
11 第二のランド部
12 ランド部の中心
13 配線部
14 基材
15 第一の導電層
16 第二の導電層
17 両面基板
18 ブラインドビアホール
19 導電性ペースト
20 第一のランド部
21 第二のランド部
Claims (5)
- 基材、前記基材の一方の表面上に設けられた第一の導電層、及び前記基材の他方の表面上に設けられた第二の導電層を有し、第一の導電層の一部である第一のランド部と第二の導電層の一部である第二のランド部が、前記第二のランド部を底面とするブラインドビアホールに充填された導電性ペーストの硬化物で電気的に接続されている多層プリント配線板であって、
前記第一のランド部及び前記第二のランド部中に前記ブラインドビアホールを複数有することを特徴とする、多層プリント配線板。 - 前記第一のランド部及び第二のランド部は、直径が500μm以下の略円形状又は長径が500μm以下の略楕円形状であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の多層プリント配線板。
- 前記ブラインドビアホールが、前記第一のランド部及び前記第二のランド部の中心を避けて配置されていることを特徴とする、請求項2に記載の多層プリント配線板。
- 前記ブラインドビアホールの径が30μm以上200μm以下であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の多層プリント配線板。
- 基材、前記基材の一方の表面上に設けられた第一の配線層、及び前記基材の他方の表面上に設けられた第二の導電層を有する両面基板を準備する工程、
前記第一の導電層及び前記第二の導電層を選択的に除去して配線形成し、第一の導電層の一部である第一のランド部と第二の導電層の一部である第二のランド部を形成する工程、
前記基材を選択的に除去することにより、前記第二のランド部を底面とし、前記基材及び前記第一のランド部を壁面とするブラインドビアホールを複数形成する工程、
前記ブラインドビアホールの外周である第一のランド部表面と前記ブラインドビアホールの底面とに連続するように導電性ペーストを塗布する工程、
を有し、前記第一のランド部と前記第二のランド部を電気的に接続することを特徴とする、多層プリント配線板の製造方法。
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2007
- 2007-01-23 JP JP2007012229A patent/JP2008181915A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
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