JP2008103194A - 硫化リチウム系固体電解質 - Google Patents

硫化リチウム系固体電解質 Download PDF

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【課題】リン酸結合(PO4−x:xは1〜4の整数)を所定量含有しても、イオン伝導性が実用上問題なく使用できる硫化リチウム系固体電解質を提供する。
【解決手段】硫化物系固体電解質中に存在する、31PNMRスペクトルの70〜−20ppmの領域に観測されるリン酸結合(PO4−x:xは1〜4の整数)のピーク面積が、スペクトルの170〜−20ppmの領域に観測される全リン元素のピーク面積の0%よりも大きく20%以下である硫化リチウム系固体電解質。
【選択図】なし

Description

本発明は、硫化リチウム系固体電解質に関する。さらに詳しくは、リチウムイオン二次電池に使用する固体電解質として好適な硫化リチウム系固体電解質に関する。
近年、携帯情報端末、携帯電子機器、家庭用小型電力貯蔵装置、モーターを動力源とする自動二輪車、電気自動車、ハイブリッド電気自動車等に用いられる高性能リチウム電池等二次電池の需要が増加している。
使用される用途が広がるのに伴い、二次電池の更なる安全性の向上及び高性能化が要求されている。
リチウム電池の安全性を確保する方法としては、有機溶媒電解質に代えて無機固体電解質を用いることが有効である。
無機固体電解質としては、リチウム元素、リン元素及びイオウ元素を主成分とする硫化物系ガラスを熱処理したものが高いイオン伝導性を有することが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
ところで、硫化リチウム系固体電解質は空気中の水分により急速に劣化し、イオン伝導性が低下することが知られている。具体的に、硫化リチウム系固体電解質を貯蔵又はハンドリングする際、ドライルームでの保存やトルエン等を用いるスラリー化操作等において、イオン伝導度が低下するという問題があった。そのため、固体電解質の製造や保管は、グローブボックス等を使用し、水分を完全に遮断して行っていた。
特開2002−109955号公報
本発明らは、硫化リチウム系固体電解質の水分による劣化について、鋭意研究した。その結果、固体電解質中に含まれるチオリン酸結合が、水分によりリン酸結合に変化することにより、イオン伝導性が低下することがわかった。また、発生するリン酸結合(PO4−x:xは1〜4の整数)の量と硫化リチウム系固体電解質のイオン伝道度の関係を精査した結果、意外にも所定量のリン酸結合を含有する固体電解質では、むしろ固体電解質のイオン伝導性が向上することがわかった。
本発明は、上記の知見に基づいて、リン酸結合(PO4−x:xは1〜4の整数)を所定量含有しても、イオン伝導性が実用上問題なく使用できる硫化リチウム系固体電解質を提供することを目的とする。
本発明によれば、以下の硫化リチウム系固体電解質が提供できる。
1.硫化リチウム系固体電解質中に存在する、31PNMRスペクトルの70〜−20ppmの領域に観測されるリン酸結合(PO4−x:xは1〜4の整数)のピーク面積が、前記スペクトルの170〜−20ppmの領域に観測される全リン元素のピーク面積の0%よりも大きく20%以下である硫化リチウム系固体電解質。
2.硫化リチウムと五硫化二リンを原料とする1に記載の硫化リチウム系固体電解質。
3.正極と、負極と、前記正極及び負極の間に挟持された固体電解質層を有し、前記正極、負極及び固体電解質層のいずれか1以上が1又は2に記載の固体電解質を含む全固体二次電池。
本発明によれば、リン酸結合(PO4−x:xは1〜4の整数)を含有しても、イオン伝導性が実用上問題なく使用できる硫化リチウム系固体電解質が提供できる。
また、所定量のリン酸結合(PO4−x:xは1〜4の整数)を含有することで、イオン伝導性が向上した硫化リチウム系固体電解質が提供できる。
本発明の硫化リチウム系固体電解質は、31PNMRスペクトルの70〜−20ppmの領域に観測されるリン酸結合(PO4−x:xは1〜4の整数)のピーク面積が、スペクトルの170〜−20ppmの領域に観測される全リン元素のピーク面積の0%よりも大きく20%以下であることを特徴とする。
本発明において、リン酸結合(PO4−x)の量は固体電解質の固体31P−NMRスペクトルの積分値から算出する。具体的には、リン酸結合(PO4−x)に起因するピークは、70〜−20ppmに観測されるので、このピークの積分値と、スペクトル全体(ピークは、170〜−20ppm)の積分値、即ち、固体電解質中に存在するリン元素全体の値からリン酸結合の含有量(%:積分比)を算出する。詳細については、実施例にて説明する。
尚、リン酸結合(PO4−x)は、具体的には、POS、PO、POS、POである。
本発明の硫化リチウム系固体電解質は、固体電解質中に存在するリン酸結合(PO4−x)の量が0より大きく20%以下である。この範囲であれば、固体電解質のイオン伝導度は実用上問題ない値を示す。一方、20%より多くなると、固体電解質のイオン伝導度は急激に低下し、実用に耐えられない値となる。尚、イオン伝導度の実用値は用途や仕様により異なるが、おおよそ1×10−4S/cm以上が好ましい。
本発明においては、固体電解質中に存在するリン酸結合(PO4−x)の量が0より大きく1%以下であることが好ましい。この範囲であれば、リン酸結合を全く含有しない固体電解質よりもイオン伝導性が高くなる。
本発明の硫化リチウム系固体電解質は、固体電解質中に存在するリン酸結合(PO4−x)の量が上記に範囲にあれば特に限定されない。例えば、LiSとSiS、GeS、P、Bの組合せから成る無機固体電解質に、適宜、LiPOやハロゲン、ハロゲン化合物を添加した固体電解質を用いることができる。
リチウムイオン伝導性が高いことから、硫化リチウムと五硫化二燐(P)、又は硫化リチウムと単体燐及び単体硫黄、さらには硫化リチウム、五硫化二燐、単体燐及び/又は単体硫黄から生成する硫化リチウム系固体電解質を使用することが好ましい。
固体電解質中に存在するリン酸結合(PO4−x)の量を上記範囲にするには、製造時の条件、具体的には、熱処理中の空気中の水分量を調整(製造時の環境の露点を−20〜−60℃)したり、微粒子状の固体電解質を形成するための湿式粉砕や、固体二次電池の部材として使用する固体電解質層の形成のためのスラリー化時に使用する溶剤、例えば、トルエンの水分量を調整する方法がある。また、固定電解質をグローブボックス等、水分のない環境で製造した後、一定の露点に調整した空気下で所定時間養生する方法もある。
硫化リチウム系固体電解質は、硫化リチウムと、五硫化二燐及び/又は単体燐及び単体硫黄から製造することができる。具体的には、これらの原料を溶融反応させた後、急冷することにより製造できる。また、これらの原料をメカニカルミリング法(MM法)により処理して得ることができる。このようにして得られた硫化物ガラスを加熱処理してもよい。
本発明において固体電解質としては、ガラス状固体電解質(硫化物ガラス)及び硫化物ガラスを熱処理して得られる固体電解質(ガラスセラミック)の両方が使用できる。必要とする特性に合わせて種類を選定すればよい。また、両方を使用してもよい。
硫化リチウム系固体電解質を製造するための硫化リチウムは、特に制限なく工業的に入手可能なものが使用できるが、高純度のものが好ましい。
硫化リチウムは、少なくとも硫黄酸化物のリチウム塩の総含有量が、好ましくは0.15質量%以下、より好ましくは0.1質量%以下であり、かつN−メチルアミノ酪酸リチウムの含有量が好ましくは0.15質量%以下、より好ましくは0.1質量%以下である。硫黄酸化物のリチウム塩の総含有量が0.15質量%以下であると、高イオン伝導度の固体電解質を得ることができない場合がある。
また、N−メチルアミノ酪酸リチウムの含有量が0.15質量%以下であると、N−メチルアミノ酪酸リチウムの劣化物がリチウム電池のサイクル性能を低下させることがない。
このように不純物が低減された硫化リチウムを用いると、高イオン伝導性電解質が得られる。
高イオン伝導性電解質の製造に用いられる硫化リチウムの製造法としては、少なくとも上記不純物を低減できる方法であれば特に制限はない。
例えば、以下の方法で製造された硫化リチウムを精製することにより得ることができる。
以下の製造法の中では、特にa又はbの方法が好ましい。
a.非プロトン性有機溶媒中で水酸化リチウムと硫化水素とを0〜150℃で反応させて水硫化リチウムを生成し、次いでこの反応液を150〜200℃で脱硫化水素化する方法(特開平7−330312号公報)。
b.非プロトン性有機溶媒中で水酸化リチウムと硫化水素とを150〜200℃で反応させ、直接硫化リチウムを生成する方法(特開平7−330312号公報)。
c.水酸化リチウムとガス状硫黄源を130〜445℃の温度で反応させる方法(特開平9−283156号公報)。
硫化リチウムの精製方法としては、特に制限はない。好ましい精製法としては、例えば、国際公開WO2005/40039号等に記載の方法が挙げられる。
具体的には、硫化リチウムを、有機溶媒を用い、100℃以上の温度で洗浄する。洗浄に用いる有機溶媒は、非プロトン性極性溶媒であることが好ましく、さらに、硫化リチウムの製造に使用する非プロトン性有機溶媒と洗浄に用いる非プロトン性極性有機溶媒とが同一であることがより好ましい。
洗浄に好ましく用いられる非プロトン性極性有機溶媒としては、例えば、アミド化合物、ラクタム化合物、尿素化合物、有機硫黄化合物、環式有機リン化合物等の非プロトン性の極性有機化合物が挙げられ、単独溶媒、又は混合溶媒として好適に使用することができる。特に、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)は、良好な溶媒として選択される。
洗浄に使用する有機溶媒の量は特に限定されず、また、洗浄の回数も特に限定されないが、2回以上であることが好ましい。洗浄は、窒素、アルゴン等の不活性ガス下で行うことが好ましい。
洗浄された硫化リチウムを、洗浄に使用した有機溶媒の沸点以上の温度で、窒素等の不活性ガス気流下、常圧又は減圧下で、5分以上、好ましくは約2〜3時間以上乾燥することにより、好適に用いられる硫化リチウムを得ることができる。
は、工業的に製造され、販売されているものであれば、特に限定なく使用することができる。尚、Pに代えて、相当するモル比の単体リン(P)及び単体硫黄(S)を用いることもできる。単体リン(P)及び単体硫黄(S)は、工業的に生産され、販売されているものであれば、特に限定なく使用することができる。
硫化リチウムと、五硫化二燐及び/又は単体燐及び単体硫黄の混合モル比は、通常50:50〜80:20、好ましくは60:40〜75:25である。
特に好ましくは、LiS:P=68:32〜74:26(モル比)程度である。
ガラス状電解質である硫化物ガラスの製造方法としては、例えば、溶融急冷法やメカニカルミリング法(MM法)が挙げられる。
溶融急冷法による場合、PとLiSを所定量乳鉢にて混合し、ペレット状にしたものをカーボンコートした石英管中に入れ真空封入する。一定の反応温度で反応させた後、氷中に投入し急冷することにより、硫化物ガラスが得られる。
この際の反応温度は、好ましくは400℃〜1000℃、より好ましくは800℃〜900℃である。また、反応時間は、好ましくは0.1時間〜12時間、より好ましくは1〜12時間である。上記反応物の急冷温度は、通常10℃以下、好ましくは0℃以下であり、その冷却速度は通常1〜10000K/sec程度、好ましくは1〜1000K/secである。
MM法による場合、PとLiSを所定量乳鉢にて混合し、メカニカルミリング法にて一定時間反応させることにより、硫化物ガラスが得られる。
上記原料を用いたメカニカルミリング法は、室温で反応を行うことができる。MM法によれば、室温でガラス状電解質を製造できるため、原料の熱分解が起らず、仕込み組成のガラス状電解質を得ることができるという利点がある。また、MM法では、ガラス状電解質の製造と同時に、ガラス状電解質を微粉末化できるという利点もある。
MM法は種々の形式の粉砕法を用いることができるが、遊星型ボールミルを使用するのが特に好ましい。遊星型ボールミルは、ポットが自転回転しながら、台盤が公転回転し、非常に高い衝撃エネルギーを効率良く発生させることができる。
MM法の回転速度及び回転時間は特に限定されないが、回転速度が速いほど、ガラス状電解質の生成速度は速くなり、回転時間が長いほどガラス質状電解質ヘの原料の転化率は高くなる。
例えば、遊星型ボールミル機を使用した場合、回転速度を数十〜数百回転/分とし、0.5時間〜100時間処理すればよい。
以上、溶融急冷法及びMM法による硫化物ガラスの具体例を説明したが、温度条件や処理時間等の製造条件は、使用設備等に合わせて適宜調整することができる。
その後、得られた硫化物ガラスを熱処理することにより、結晶成分を含有する固体電解質が生成する。
このような固体電解質を生成させる熱処理温度は、好ましくは190℃〜340℃、より好ましくは195℃〜335℃、特に好ましくは200℃〜330℃である。190℃より低いと高イオン伝導性の結晶が得られにくい場合があり、340℃より高いとイオン伝導性の低い結晶が生じる恐れがある。
熱処理時間は、190℃以上220℃以下の温度の場合は、3〜240時間が好ましく、特に4〜230時間が好ましい。また、220℃より高く340℃以下の温度の場合は、0.1〜240時間が好ましく、特に0.2〜235時間が好ましく、さらに0.3〜230時間が好ましい。熱処理時間が0.1時間より短いと、高イオン伝導性の結晶が得られにくい場合があり、240時間より長いと、イオン伝導性の低い結晶が生じる恐れがある。
尚、上述したとおり、固体電解質中に所定量のリン酸結合(PO4−x)を生成するため、熱処理中の空気中の水分量を調整(製造時の環境の露点を−20〜−60℃)することが好ましい。
また、グローブボックス等を利用し、水分の存在しない環境下にて固体電解質を製造したあとで、空気中の水分量を調整(製造時の環境の露点を−20〜−60℃)した環境内で10分〜10時間養生して、固体電解質中のリン酸結合(PO4−x)量を調整してもよい。
尚、固定電解質を製造した後は、保存環境に存在する水分により不要なリン酸結合ができないように、グローブボックス等、水分のない環境で保存したり、製造後、すぐに使用するか、シール等をして水分を遮断しておく必要がある。
この硫化リチウム系固体電解質は、X線回折(CuKα:λ=1.5418Å)において、2θ=17.8±0.3deg,18.2±0.3deg,19.8±0.3deg,21.8±0.3deg,23.8±0.3deg,25.9±0.3de
g,29.5±0.3deg,30.0±0.3degに回折ピークを有することが好ましい。このような結晶構造を有する固体電解質が、極めて高いリチウムイオン伝導性を有する。
本発明の硫化リチウム系固体電解質は、全固体二次電池の固体電解質層や、正極合材に混合する固体電解質等として使用できる。
例えば、正極と、負極と、正極及び負極の間に本発明の固体電解質層を形成することで、全固体二次電池となる。
正極材としては、電池分野において正極活物質として使用されているものが使用できる。例えば、硫化物系では、硫化チタン(TiS)、硫化モリブデン(MoS)、硫化鉄(FeS、FeS)、硫化銅(CuS)及び硫化ニッケル(Ni)等が使用できる。好ましくは、TiSが使用できる。
また、酸化物系では、酸化ビスマス(Bi)、鉛酸ビスマス(BiPb)、酸化銅(CuO)、酸化バナジウム(V13)、コバルト酸リチウム(LiCoO)、ニッケル酸リチウム(LiNiO)、マンガン酸リチウム(LiMnO)等が使用できる。尚、これらを混合して用いることも可能である。好ましくは、コバルト酸リチウムが使用できる。
尚、上記の他にはセレン化ニオブ(NbSe)が使用できる。
負極材としては、電池分野において負極活物質として使用されているものが使用できる。例えば、炭素材料、具体的には、人造黒鉛、黒鉛炭素繊維、樹脂焼成炭素、熱分解気相成長炭素、コークス、メソカーボンマイクロビーズ(MCMB)、フルフリルアルコール樹脂焼成炭素、ポリアセン、ピッチ系炭素繊維、気相成長炭素繊維、天然黒鉛及び難黒鉛化性炭素等が挙げられる。又はその混合物でもよい。好ましくは、人造黒鉛である。
また、金属リチウム、金属インジウム、金属アルミ、金属ケイ素等の金属自体や他の元素、化合物と組合わせた合金を、負極材として用いることができる。
以下、本発明の硫化リチウム系固体電解質を実施例により具体的に説明する。尚、各例で作製した固体電解質のリン酸結合(PO4−x)量の測定方法は以下のとおりである。
(1)固体31P−NMRスペクトルの測定条件
装置 :日本電子株式会社製 JNM−CMXP302NMR装置
観測核 :31
観測周波数:121.339MHz
測定温度 :室温
測定法 :MAS法
パルス系列:シングルパルス
90°パルス幅:4μs
マジック角回転の回転数:8600Hz
FID測定後、次のパルス印加までの待ち時間:100〜2000s
(最大のスピン−格子緩和時間の5倍以上になるよう設定)
積算回数 :64回
化学シフトは、外部基準として(NHHPO(化学シフト1.33ppm)を用い決定した。
試料充填時の空気中の水分による変質を防ぐため、乾燥窒素を連続的に流しているドライボックス中で密閉性の試料管に試料を充填した。
(2)PO4−x構造の定量
図1に硫化リチウム系固体電解質の31P−NMRスペクトルの例を示す。
このスペクトルにおいて、70〜−20ppmのピークは、PO4−x構造に起因する。また、170〜−20ppmに全てのリン元素のピークが出現している。
70〜−20ppmにあるピーク面積(積分値:図1においてAで示す。)を、170〜−20ppmにあるピーク面積(積分値:図1においてBで示す。)で除することでPO4−x構造を定量している。
尚、70〜−20ppmの範囲には、主に固体電解質中のチオリン酸結合に起因する120〜70ppmのピークの低磁場側のスピニングサイドバンドのピークも含まれている(図中、矢印で示す。)。そのため、このピークの高磁場側に現れるサイドバンドのピーク(170〜150ppm、図中、矢印で示す。)と、低磁場側のサイドバンドのピーク面積は等しいとして、70〜−20ppmにあるピーク面積から高磁場側のサイドバンドのピーク面積(積分値:図1においてCで示す。)を差し引く補正をしている。
実施例1
露点を−60℃に調整したドライボックス内で固体電解質を製造した。
高純度硫化リチウム(出光興産社製、純度:99.9%)を0.6508g(0.01417mol)と五硫化二燐(アルドリッチ社製)を1.3492g(0.00607mol)をよく混合し、これらの粉末をアルミナ製ポットに投入し完全密閉した。
このポットを遊星型ボールミル機に取り付け、メカニカルミリングを行なった。この際、はじめの数分間は出発原料を十分に混合する目的で、低速回転(85rpm)でミリングを行った。その後、徐々に回転数を上げ370rpmで20時間メカニカルミリングを行った。
得られた粉末をX線測定により評価した結果、ガラス化(硫化物ガラス)していることが確認できた。
得られた硫化物ガラスを粉末状態で、300℃で2時間熱処理し、ガラスセラミック化することによって、固体電解質を作製した。
この固体電解質を成形して測定用ペレットとして、イオン伝導度を交流インピーダンス法(測定周波数100Hz〜15MHz)により測定したところ、室温で3×10−3S/cmを示した。
また、リン酸結合(PO4−x)の量を固体31P−NMRスペクトルの積分値から算出した結果、0.5%であった。
尚、参考として、実質的に水分の存在しないグローブボックス内で製造した他は、実施例1と同様にして固体電解質を製造し、イオン伝導度を測定した。その結果、イオン伝導度は室温で2×10−3S/cmであった。尚、この固体電解質のリン酸結合(PO4−x)は固体31P−NMRスペクトルでは観測されなかった。
実施例2−3
製造時におけるドライボックス内の露点を−40℃又は−20℃に調整した他は、実施例1と同様にして固体電解質を製造した。
リン酸結合(PO4−x)の量及びイオン伝導度を表1に示す。
Figure 2008103194
比較例1
製造時におけるドライボックス内の雰囲気を大気(20℃、湿度20%:露点−5℃)とした他は、実施例1と同様にして固体電解質を製造した。
リン酸結合(PO4−x)の量及びイオン伝導度を表1に示す。
本発明の硫化リチウム系固体電解質は、リチウム二次電池用固体電解質に適している。
また、本発明の全固体リチウム電池は、携帯情報末端、携帯電子機器、家庭用小型電力貯蔵装置、モーターを動力源とする自動二輪車、電気自動車、ハイブリッド電気自動車等で使用するリチウム二次電池として使用できる。
硫化リチウム系固体電解質の31P−NMRスペクトルの例である。

Claims (3)

  1. 硫化リチウム系固体電解質中に存在する、31PNMRスペクトルの70〜−20ppmの領域に観測されるリン酸結合(PO4−x:xは1〜4の整数)のピーク面積が、前記スペクトルの170〜−20ppmの領域に観測される全リン元素のピーク面積の0%よりも大きく20%以下である硫化リチウム系固体電解質。
  2. 硫化リチウムと五硫化二リンを原料とする請求項1に記載の硫化リチウム系固体電解質。
  3. 正極と、負極と、前記正極及び負極の間に挟持された固体電解質層を有し、
    前記正極、負極及び固体電解質層のいずれか1以上が請求項1又は2に記載の固体電解質を含む全固体二次電池。

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