JP2008101232A - 高Mn鋼の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】脱炭工程において、スロッピングの発生が防止されながら、高濃度のMnを含有する溶鋼中の炭素が安全に除去される、高Mn鋼の製造方法を提供する。
【解決手段】高Mn鋼の製造方法は、原材料を溶解し、第1の溶鋼を得る溶解工程S10と、前記第1の溶鋼に造滓剤を添加するとともに酸素ガス及び不活性ガスを吹き込んで前記第1の溶鋼中の炭素を除去し、第2の溶鋼を得る脱炭工程S20と、前記第2の溶鋼の成分を調整し、第3の溶鋼を得る成分調整工程S30と、前記第3の溶鋼を鋳込み、10質量%以上20質量%以下のMn及び0.15質量%以下のCを含有する鋳塊を得る鋳込み工程S40とを備える。前記第1の溶鋼は、0.20質量%以下のSiと0.30質量%以下のCとを含有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、鋼の製造方法に係わり、より詳しくは、高濃度のMnを含有する高Mn鋼の製造方法に関する。
ステンレス鋼として、Niの一部を比較的安価なMnに置換した高Mn鋼が知られており、高Mn鋼は、10質量%(wt.%)以上の高濃度のMnを含有する。高Mn鋼は、その高強度で非磁性という特性を活かして、例えばドリルカラーやハードディスク用トルクスねじ等の原材料として用いられる。
高Mn鋼の製造方法は、従来のステンレス鋼の製造方法を基礎としており、溶解、脱炭、成分調整及び鋳込み工程を有する。脱炭工程では、例えばAOD(argon-oxygen decarburizing)法が用いられ、AOD法によれば、転炉内の溶鋼及びスラグに対して、Ar(アルゴン)ガスのような不活性ガス及びO(酸素)ガスが吹き込まれ、これによって溶鋼中のC(炭素)が酸化除去される。そして、脱炭された溶鋼に対しては、例えば取鍋を用いて、還元を含む成分調整が行われ、成分調整された溶鋼が鋳込まれて鋳塊になる。
ここで、特許文献1は、Mnの質量濃度が5〜10質量%であるけれども、比較的多めのMnを含有するステンレス鋼の脱酸方法を開示している。この脱酸方法では、取鍋精錬炉内の所定組成の溶鋼に対して、Alが添加されるとともに、スラグが用いられる。該スラグにあっては、CaO/SiO比が1.5〜2.5の範囲にある。
特開2002-146429号公報
高Mn鋼の脱炭工程では、溶鋼中のMn濃度が高い場合、突沸が起こり、溶鋼とスラグの混合物が転炉の炉口から噴き出す。このような噴出はスロッピングと称されるが、スロッピングは、作業の安全性を低下させるのみならず、転炉の周辺設備の損傷を招く。
そこで、スロッピングを防止するため、転炉に供給される溶鋼中のMn濃度は、鋳塊でのMn濃度よりも低めに設定され、その不足分は、成分調整工程において、金属Mnを溶鋼に添加することで補われている。この場合、多量の金属Mnを添加する必要があり、金属Mnを調達するためのコストが嵩む。
一方、高Mn鋼の鋳塊の約半分は、その後の機械加工等によってスクラップになり、高Mn鋼のスクラップは、高Mn鋼の原材料として再利用されるべきである。しかしながら、高Mn鋼のスクラップは高濃度のMnを含むため、脱炭工程でのスロッピングを防止すべく、溶解工程において、原材料に占める高Mn鋼のスクラップの比率が制限される。この結果、高Mn鋼のスクラップの在庫量が増大の一途を辿っており、膨大になったその在庫の圧縮が強く望まれている。また、高Mn鋼のスクラップを有効に活用できないために、原材料としてNi、Cr及びMnを含む合金を調達する必要があり、原材料のコストが増大している。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、脱炭工程において、スロッピングの発生が防止されながら、高濃度のMnを含有する溶鋼中の炭素が安全に除去される、高Mn鋼の製造方法を提供することにある。
上記の目的を達成するべく、本発明者等は種々検討を重ね、Mn濃度が高い溶鋼の脱炭を行っているときに発生するスロッピングの原因を究明した。
原因の一つとしては、溶鋼中の多量のMnが酸化してスラグ中に多量のMnOが発生した後、そのMnOが溶鋼中のCと反応し、多量のCOガスが発生することがあげられる。
また、もう一つの原因として、スラグが溶融(滓化)することがあげられる。溶鋼の表面が滓化したスラグによって覆われた状態にあると、スラグ中のMnO及びSiOの各々と溶鋼中のCとの反応面積が大きいため、COガスが急激に発生するとともに、発生したCOガスの放出が妨げられる。
これらの原因によって、溶鋼内に溜まったCOガスとともに溶鋼及びスラグの混合物が噴出し、スロッピングが発生するのである。
本発明者等は、これらの原因を考慮し、溶鋼中のCの濃度を低減すること、及び、スラグの滓化を防止することに着想した。そして、滓化を防止するべく更に種々検討を重ね、Mnの含有率が高い溶鋼の脱炭を行うときに、スラグの融点を高くするには、CaO-SiO2-MnOの三元系の状態図を考慮する必要があることを見出し、本発明に想到した。
すなわち、本発明によれば、原材料を溶解し、第1の溶鋼を得る溶解工程と、前記第1の溶鋼に造滓剤を添加するとともに酸素ガス及び不活性ガスを吹き込んで前記第1の溶鋼中の炭素を除去し、第2の溶鋼を得る脱炭工程と、前記第2の溶鋼の成分を調整し、第3の溶鋼を得る成分調整工程と、前記第3の溶鋼を鋳込み、10質量%以上20質量%以下のMn及び0.15質量%以下のCを含有する鋳塊を得る鋳込み工程とを備える高Mn鋼の製造方法において、前記第1の溶鋼は、0.20質量%以下のSiと0.30質量%以下のCとを含有することを特徴とする高Mn鋼の製造方法が提供される(請求項1)。
好ましくは、前記脱炭工程において、前記第1の溶鋼から前記第2の溶鋼に変化する過程の溶鋼の温度は、前記変化の過程で生成するスラグの溶融温度以下に保持される(請求項2)。
好ましくは、前記第1の溶鋼は、6質量%以上のMnを含有する(請求項3)。
本発明の請求項1の高Mn鋼の製造方法では、第1の溶鋼が0質量%以上0.20質量%以下のSiと0質量%以上0.30質量%以下のCとを含有する。
第1の溶鋼中のMnの濃度が高い場合、脱炭中に生成するスラグでのMnOの濃度が高くなる。そこで、この製造方法では、第1の溶鋼中のCの濃度を0.30質量%以下に規制して、脱炭工程でのスラグ中のMnOと溶鋼中のCとの反応によるCOガスの発生を抑制している。
また、脱炭中に生成するスラグでのMnOの濃度が高くなると、スラグの融点が低くなる。そこで、この製造方法では、第1の溶鋼中のSiの濃度を0.20質量%以下に規制して、脱炭中に生成するSiO2量を低減させ、スラグの融点を高くしている。これにより、第1の溶鋼の温度が例えば1700℃を超えてもスラグが滓化せず、スラグ中のMnO及びSiOと溶鋼中のCとの反応面積の増大が抑制され、COガスの急激な発生が抑制されるとともに、発生したCOガスがスラグを通過して放出され易い。
これらの結果、COガスが溶鋼中に溜まるのが防止され、スロッピング即ちCOガスとともに溶鋼及びスラグの混合物が炉口から噴出するのが防止される。そして、スロッピングが防止されることで、脱炭工程の安全性が向上し、且つ、周辺設備の損傷が防止される。
請求項2の高Mn鋼の製造方法では、脱炭工程での溶鋼の温度がスラグの溶融温度以下に保持されることで、スラグの滓化が防止され、スロッピングが確実に防止される。
請求項3の高Mn鋼の製造方法では、第1の溶鋼が6質量%以上のMnを含有していても、溶鋼の脱炭が安全に実施される。一方、前記第1の溶鋼が6質量%以上のMnを含有するように、原材料に占める高Mn鋼のスクラップの割合を増大することで、高Mn鋼のスクラップの在庫増大を抑制されるのみならず、既に溜まったその在庫も消費され、また、Ni、Cr及びMn等を含有する合金の調達コストも削減される。
図1は、一実施形態に係る高Mn鋼の製造方法の概略を示す。
この高Mn鋼の製造方法によれば、原材料から高Mn鋼の鋳塊が製造される。高Mn鋼の組成は特には限定されないが、高Mn鋼は、好適な例示として、主成分としてのFe(鉄)と、10質量%以上20質量%以下のMn(マンガン)と、0質量%以上10質量%以下のNi(ニッケル)と、10質量%以上20質量%以下のCr(クロム)と、0質量%以上0.15質量%以下のC(炭素)と、0質量%以上0.5質量%以下のSi(シリコン)と、0質量%以上0.50質量%以下のN(窒素)と、不可避的不純物とを含有する。
なお更に、鋳塊(高Mn鋼)は、Nb(ニオブ)、V(バナジウム)、W(タングステン)、Co(コバルト)、Ti(チタン)、B(ボロン)、Zr(ジルコニウム)、Al(アルミニウム)、Ca(カルシウム)及びS(硫黄)のうち一種又は二種以上の元素を、各元素毎に0質量%以上1.0質量%以下含有していてもよい。
上記組成の高Mn鋼は、高強度且つ非磁性という特性を有し、ドリルカラー(掘削管)やHDD用のトルクスねじ等に使用される。
この高Mn鋼の製造方法は溶解工程S10を備え、溶解工程S10では、電気炉としてのアーク炉を用いて、原材料が溶解されて第1の溶鋼になる。原材料には、例えば、高Mn鋼のスクラップとともに、金属Fe及びNi、Cr及びMnを含む合金が使用される。
溶解工程S10で得られる第1の溶鋼は、0質量%以上0.20質量%以下のSiと0質量%以上0.30質量%以下のCとを含有する。このように、第1の溶鋼におけるSi濃度が0質量%以上0.20質量%以下になり、C濃度が0質量%以上0.30質量%以下になるよう、溶解工程S10で使用される原材料が決定される。
第1の溶鋼は、アーク炉から流出させられ、図2に例示した転炉内2に流入させられる(出鋼)。転炉2を用いて、脱炭工程S20が実行される。具体的には、転炉2内の第1の溶鋼には、造滓剤と、必要に応じて第1の追加原材料とが添加され、それから、転炉2内には、O(酸素)ガス及び不活性ガスが吹き込まれる。
脱炭工程S20の造滓剤としては、例えば、石灰(CaO)を用いることができ、軽焼ドロマイト(MgO・CaO)を合わせて用いてもよい。第1の追加原材料の種類及び量は、第1の溶鋼の組成と、目的の鋳塊の組成とを考慮して適宜選択することができる。第1の追加原材料としては、例えば、RNi(リターンニッケル)を用いることができ、RNiはNiを多く含む鋼種のスクラップである。
また、不活性ガスとしては、例えば、N2(窒素)ガスを用いることができる。O2ガス及び不活性ガスを所定時間吹き込むことで、第1の溶鋼中のCが酸化して除去され、第1の溶鋼は、C濃度が低減された第2の溶鋼になる。なお、図2の溶鋼4は、第1の溶鋼から第2の溶鋼に変化する過程にあり、溶鋼4の表面には、第1の溶鋼中のMnやSi等の成分と造滓剤との反応生成物であるスラグ6が存在する。すなわち、スラグ6は、CaO、MnO、Cr2O3及びSiO等を含む。
第2の溶鋼は、還元を含む成分調整工程S30に供される。成分調整工程S30は、例えば、転炉2内で行われる粗調整ステップと、粗調整ステップ後に取鍋内で行われる微調整ステップとからなる。
粗調整ステップでは、転炉2内の第2の溶鋼に対して、造滓剤、還元剤、融剤、及び必要に応じて第2の追加原材料が添加される。
粗調整ステップの造滓剤としては、例えばCaOを用いることができ、還元剤としては、例えば、FSi(フェロシリコン)を用いることができ、そして、融剤としては、例えばCaF2(弗化カルシウム)を用いることができる。第2の追加原材料の種類及び量は、第2の溶鋼の組成と、目的の鋳塊の組成とを考慮して適宜選択することができる。第2の追加原材料として、例えば、金属MnやFCrL4(フェロクロム)を用いることができる。
また粗調整ステップでは、造滓剤等が添加された第2の溶鋼に対して、不活性ガスの吹き込みが行われる。不活性ガスとしては、例えば、窒素ガスを用いることができる。
粗調整ステップを経た第2の溶鋼は、微調整ステップに供される。すなわち、粗調整ステップでは、粗調整ステップを経た第2の溶鋼が転炉2から取鍋に移され、取鍋ごと還元雰囲気下に配置される。そして、取鍋内の第2の溶鋼には、例えば三相アーク加熱による加熱が行われ、且つ、成分を最終的に微調整するための第3の追加原材料が添加される。この加熱中、第2の溶鋼中の酸素が除去されるとともにその成分が調整され、第2の溶鋼が、所望組成の第3の溶鋼になる。
そして、第3の溶鋼の鋳込み工程S40が実行される。具体的には、第3の溶鋼が取鍋から鋳型に流し込まれ、鋳塊が得られる。
ここで、図3は、脱炭工程S20及び成分調整工程S30の粗調整ステップでの、溶鋼中のCr、Mn及びCの濃度変化の一例を示している。この一例の脱炭工程S20では、転炉2に供給されるO2ガスと不活性ガスとしてのNガスとの体積比(O/N2)が、時間の経過とともに5段階に変化させられている。成分調整工程S30の粗調整ステップでは、不活性ガスとしてのNガスのみが転炉2内の溶鋼に供給される。なお、図3には、脱炭工程S20の第1から第3段階までであるが、溶鋼4の温度も示されている。
上記した高Mn鋼の製造方法では、第1の溶鋼が0質量%以上0.20質量%以下のSiと0質量%以上0.30質量%以下のCとを含有する。
第1の溶鋼中のMnの濃度が高い場合、脱炭中に生成するスラグ6でのMnOの濃度が高くなる。そこで、この製造方法では、第1の溶鋼中のCの濃度を0.30質量%以下に設定することで、脱炭工程でのスラグ中のMnOと溶鋼中のCとの反応によるCOガスの発生を抑制している。
また、第1の溶鋼中のMn濃度が高い場合、脱炭中に生成するスラグ6でのMnOの濃度が高くなり、スラグ6の融点が低くなる。そこで、この製造方法では、第1の溶鋼中のSiの濃度を0質量%以上0.20質量%以下に設定し、脱炭中に生成するスラグ6の融点を高くしている。
これについて、図4を用いて具体的に説明すると、図4は、CaO-SiO2-MnOの三元系状態図の概略を示している。図4から、1500℃の液相線a、1600℃の液相線b及び1700℃の液相線cを考慮すると、スラグ6の組成が領域Aの範囲にある場合、融点が低くなってしまうことがわかる。これに対し、スラグ6の組成が領域Bの範囲にあれば、領域Aに比べて融点が高くなることがわかる。
上記した高Mn鋼の製造方法では、第1の溶鋼が含有するSiの濃度を0質量%以上0.20質量%以下に設定することで、脱炭中に生成するスラグ6の組成が図4の領域Bの範囲に概ね入るようにし、これによって、スラグ6の融点を高くしているのである。具体的には、領域Bは、図4の線C及び線Dとの間にあり、SiOの質量をXとし、CaOの質量をYとしたときに、質量比X/Yが0以上0.2以下の範囲に入っている。
このように、Mnの濃度が高い溶鋼の脱炭を行う場合、スラグ6の融点を高くするには、CaO-SiO2-MnOの三元系状態図を考慮する必要がある。
かくして、上記した高Mn鋼の製造方法では、脱炭中の溶鋼4の温度が例えば1700℃を超えてもスラグ6が滓化せず、スラグ6中のMnO及びSiOと溶鋼4中のCとの反応面積の増大が抑制され、COガスの急激な発生が抑制されるとともに、発生したCOガスがスラグ6を通過して放出され易い。
このようにCOガスの発生を抑制し且つ発生したCOガスを速やかに放出させることで、COガスが溶鋼4中に溜まるのが防止され、スロッピング即ちCOガスとともに溶鋼4及びスラグ6の混合物が転炉2の炉口から噴出するのが防止される。そして、スロッピングが防止されることで、脱炭工程S20の安全性が向上するとともに、周辺設備の損傷が防止される。
更に、この高Mn鋼の製造方法によれば、原材料に占める高Mn鋼のスクラップの割合を増大し、第1の溶鋼中のMn濃度が高くなっても、脱炭工程S20にて溶鋼4の脱炭が安全に実施される。この結果として、高Mn鋼のスクラップの在庫増大が抑制されるのみならず、すでに溜まった在庫も消費され、また、Ni、Cr及びMn等を含有する合金の調達コストも削減される。
実施例1,2及び比較例1,2として、表1に示した組成の各溶鋼(第1の溶鋼)について、石灰(CaO)及び軽焼ドロマイト(MgO・CaO)を添加した後、図2に示したように、酸素ガス及び不活性ガスとしての窒素ガスを吹き込み、脱炭を行った。そして、この脱炭のとき、スロッピングの発生及びスラグの性状(滓化)を観察し、その結果を合わせて表1に示した。
表1から明らかなように、第1の溶鋼におけるSiの濃度が0.20質量%以下に規制され、且つ、Cの濃度が0.30質量%以下に規制されている実施例1,2では、スロッピングが発生せず、スラグの滓化も認められなかった。
Figure 2008101232
本発明は上記した実施形態及び実施例に限定されることはなく、種々の変形が可能である。
上記した実施形態において、脱炭工程S20での溶鋼4の温度は、特に限定されることはないが、スラグ6の溶融温度以下に保持されるのが好ましい。具体的には、溶鋼4の温度は、約1750℃以下に保たれるのが好ましい。溶鋼4の温度がスラグ6の溶融温度以下であれば、スラグ6の滓化が確実に防止され、スロッピングが確実に防止されるからである。一方、脱炭工程S20での溶鋼4の温度は、脱炭の効率を確保するため、1650℃以上であるのが好ましい。なお、溶鋼4の温度は、吹き込む酸素ガスの量を増大することによって上昇するため、酸素ガスの量を制限することで、溶鋼4の温度がスラグ6の溶融温度以下に保持される。
上記した実施形態の一例では、図3に示したように、不活性ガスに対する酸素ガスの体積比が5段階で変化させられていたけれども、酸素ガス及び不活性ガスの供給パターンは、この一例に限定されることはない。ただし、図3に示したように、最初の段階で、酸素ガスの比率を高くして溶鋼4の温度を適当な温度まで上昇させ、その後の段階で、酸素ガスの比率を小さくしてCを低減するのが好ましい。
上記した実施形態において、第1の溶鋼におけるMnの濃度は、特には限定されないけれども、高Mn鋼のスクラップを消費し且つ原材料のコストを低減するという観点から、40質量%以上であるのが好ましい。
一実施形態の鋼の製造方法を概略的に説明するフローチャートである。 図1の製造方法における脱炭工程を説明するための概略図である。 図1の製造方法における脱炭工程及び成分調整工程の粗調整ステップの一例を説明するためのグラフであり、横軸は時間、縦軸は、Nガスに対するOガスの体積比、溶鋼温度、又は、質量濃度である。 CaO-SiO2-MnOの三元系状態図の概略を示す図である。
符号の説明
S10 溶解工程
S20 脱炭工程
S30 成分調整工程
S40 鋳込み工程

Claims (3)

  1. 原材料を溶解し、第1の溶鋼を得る溶解工程と、
    前記第1の溶鋼に造滓剤を添加するとともに酸素ガス及び不活性ガスを吹き込んで前記第1の溶鋼中の炭素を除去し、第2の溶鋼を得る脱炭工程と、
    前記第2の溶鋼の成分を調整し、第3の溶鋼を得る成分調整工程と
    前記第3の溶鋼を鋳込み、10質量%以上20質量%以下のMn及び0.15質量%以下のCを含有する鋳塊を得る鋳込み工程と
    を備える高Mn鋼の製造方法において、
    前記第1の溶鋼は、
    0.20質量%以下のSiと
    0.30質量%以下のCと
    を含有する
    ことを特徴とする高Mn鋼の製造方法。
  2. 前記脱炭工程において、前記第1の溶鋼から前記第2の溶鋼に変化する過程の溶鋼の温度は、前記変化の過程で生成するスラグの溶融温度以下に保持されることを特徴とする請求項1に記載の高Mn鋼の製造方法。
  3. 前記第1の溶鋼は、6質量%以上のMnを含有することを特徴とする請求項1又は2に記載の高Mn鋼の製造方法。
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