JP4911298B2 - 高Mn鋼の製造方法 - Google Patents
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Description
高Mn鋼の製造方法は、従来のステンレス鋼の製造方法を基礎としており、溶解、脱炭、成分調整及び鋳込み工程を有する。脱炭工程では、例えばAOD(argon-oxygen decarburizing)法が用いられ、AOD法によれば、転炉内の溶鋼及びスラグに対して、Ar(アルゴン)ガスのような不活性ガス及びO2(酸素)ガスが吹き込まれ、これによって溶鋼中のC(炭素)が酸化除去される。そして、脱炭された溶鋼に対しては、例えば取鍋を用いて、還元を含む成分調整が行われ、成分調整された溶鋼が鋳込まれて鋳塊になる。
そこで、スロッピングを防止するため、転炉に供給される溶鋼中のMn濃度は、鋳塊でのMn濃度よりも低めに設定され、その不足分は、成分調整工程において、金属Mnを溶鋼に添加することで補われている。この場合、多量の金属Mnを添加する必要があり、金属Mnを調達するためのコストが嵩む。
原因の一つとしては、溶鋼中の多量のMnが酸化してスラグ中に多量のMnOが発生した後、そのMnOが溶鋼中のCと反応し、多量のCOガスが発生することがあげられる。
また、もう一つの原因として、スラグが溶融(滓化)することがあげられる。溶鋼の表面が滓化したスラグによって覆われた状態にあると、スラグ中のMnO及びSiO2の各々と溶鋼中のCとの反応面積が大きいため、COガスが急激に発生するとともに、発生したCOガスの放出が妨げられる。
本発明者等は、これらの原因を考慮し、溶鋼中のCの濃度を低減すること、及び、スラグの滓化を防止することに着想した。そして、滓化を防止するべく更に種々検討を重ね、Mnの含有率が高い溶鋼の脱炭を行うときに、スラグの融点を高くするには、CaO-SiO2-MnOの三元系の状態図を考慮する必要があることを見出し、本発明に想到した。
好ましくは、前記第1の溶鋼は、6質量%以上のMnを含有する(請求項3)。
第1の溶鋼中のMnの濃度が高い場合、脱炭中に生成するスラグでのMnOの濃度が高くなる。そこで、この製造方法では、第1の溶鋼中のCの濃度を0.30質量%以下に規制して、脱炭工程でのスラグ中のMnOと溶鋼中のCとの反応によるCOガスの発生を抑制している。
請求項2の高Mn鋼の製造方法では、脱炭工程での溶鋼の温度がスラグの溶融温度以下に保持されることで、スラグの滓化が防止され、スロッピングが確実に防止される。
この高Mn鋼の製造方法によれば、原材料から高Mn鋼の鋳塊が製造される。高Mn鋼の組成は特には限定されないが、高Mn鋼は、好適な例示として、主成分としてのFe(鉄)と、10質量%以上20質量%以下のMn(マンガン)と、0質量%以上10質量%以下のNi(ニッケル)と、10質量%以上20質量%以下のCr(クロム)と、0質量%以上0.15質量%以下のC(炭素)と、0質量%以上0.5質量%以下のSi(シリコン)と、0質量%以上0.50質量%以下のN(窒素)と、不可避的不純物とを含有する。
上記組成の高Mn鋼は、高強度且つ非磁性という特性を有し、ドリルカラー(掘削管)やHDD用のトルクスねじ等に使用される。
溶解工程S10で得られる第1の溶鋼は、0質量%以上0.20質量%以下のSiと0質量%以上0.30質量%以下のCとを含有する。このように、第1の溶鋼におけるSi濃度が0質量%以上0.20質量%以下になり、C濃度が0質量%以上0.30質量%以下になるよう、溶解工程S10で使用される原材料が決定される。
脱炭工程S20の造滓剤としては、例えば、石灰(CaO)を用いることができ、軽焼ドロマイト(MgO・CaO)を合わせて用いてもよい。第1の追加原材料の種類及び量は、第1の溶鋼の組成と、目的の鋳塊の組成とを考慮して適宜選択することができる。第1の追加原材料としては、例えば、RNi(リターンニッケル)を用いることができ、RNiはNiを多く含む鋼種のスクラップである。
粗調整ステップでは、転炉2内の第2の溶鋼に対して、造滓剤、還元剤、融剤、及び必要に応じて第2の追加原材料が添加される。
粗調整ステップを経た第2の溶鋼は、微調整ステップに供される。すなわち、粗調整ステップでは、粗調整ステップを経た第2の溶鋼が転炉2から取鍋に移され、取鍋ごと還元雰囲気下に配置される。そして、取鍋内の第2の溶鋼には、例えば三相アーク加熱による加熱が行われ、且つ、成分を最終的に微調整するための第3の追加原材料が添加される。この加熱中、第2の溶鋼中の酸素が除去されるとともにその成分が調整され、第2の溶鋼が、所望組成の第3の溶鋼になる。
ここで、図3は、脱炭工程S20及び成分調整工程S30の粗調整ステップでの、溶鋼中のCr、Mn及びCの濃度変化の一例を示している。この一例の脱炭工程S20では、転炉2に供給されるO2ガスと不活性ガスとしてのN2ガスとの体積比(O2/N2)が、時間の経過とともに5段階に変化させられている。成分調整工程S30の粗調整ステップでは、不活性ガスとしてのN2ガスのみが転炉2内の溶鋼に供給される。なお、図3には、脱炭工程S20の第1から第3段階までであるが、溶鋼4の温度も示されている。
第1の溶鋼中のMnの濃度が高い場合、脱炭中に生成するスラグ6でのMnOの濃度が高くなる。そこで、この製造方法では、第1の溶鋼中のCの濃度を0.30質量%以下に設定することで、脱炭工程でのスラグ中のMnOと溶鋼中のCとの反応によるCOガスの発生を抑制している。
これについて、図4を用いて具体的に説明すると、図4は、CaO-SiO2-MnOの三元系状態図の概略を示している。図4から、1500℃の液相線a、1600℃の液相線b及び1700℃の液相線cを考慮すると、スラグ6の組成が領域Aの範囲にある場合、融点が低くなってしまうことがわかる。これに対し、スラグ6の組成が領域Bの範囲にあれば、領域Aに比べて融点が高くなることがわかる。
かくして、上記した高Mn鋼の製造方法では、脱炭中の溶鋼4の温度が例えば1700℃を超えてもスラグ6が滓化せず、スラグ6中のMnO及びSiO2と溶鋼4中のCとの反応面積の増大が抑制され、COガスの急激な発生が抑制されるとともに、発生したCOガスがスラグ6を通過して放出され易い。
S20 脱炭工程
S30 成分調整工程
S40 鋳込み工程
Claims (3)
- 原材料を溶解し、第1の溶鋼を得る溶解工程と、
前記第1の溶鋼に造滓剤を添加するとともに酸素ガス及び不活性ガスを吹き込んで前記第1の溶鋼中の炭素を除去し、第2の溶鋼を得る脱炭工程と、
前記第2の溶鋼の成分を調整し、第3の溶鋼を得る成分調整工程と
前記第3の溶鋼を鋳込み、10質量%以上20質量%以下のMn及び0.15質量%以下のCを含有する鋳塊を得る鋳込み工程と
を備える高Mn鋼の製造方法において、
前記第1の溶鋼は、
0.20質量%以下のSiと
0.30質量%以下のCと
を含有する
ことを特徴とする高Mn鋼の製造方法。 - 前記脱炭工程において、前記第1の溶鋼から前記第2の溶鋼に変化する過程の溶鋼の温度は、前記変化の過程で生成するスラグの溶融温度以下に保持されることを特徴とする請求項1に記載の高Mn鋼の製造方法。
- 前記第1の溶鋼は、6質量%以上のMnを含有することを特徴とする請求項1又は2に記載の高Mn鋼の製造方法。
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