JP5985437B2 - 高マンガンクロム含有鋼の溶製方法 - Google Patents
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Description
特許文献1では、製鋼炉で低炭素、低燐の溶鋼を溶製し、除滓後取鍋に出鋼し、つづいて真空アーク脱ガス装置によりアーク加熱撹拌を行いつつ、合金鉄を添加して[C]=1.5質量%以下、[Si]=0.1〜1.5質量%、[Mn]=5〜30質量%、[N]=0.005〜0.5質量%の所定成分に成分調整することにより高マンガン非磁性鋼を製造している。
そこで、本発明は上記問題点を鑑み、MnやCrのバラツキを抑制することができて且つ生産性も向上させることができる高マンガンクロム含有鋼の溶製方法を提供することを目的とする。
本発明に係る高マンガンクロム含有鋼の溶製方法は、成分として[C]=0.6〜0.7質量%、[Si]=0.6〜0.9質量%、[Mn]=13.0〜15.0質量%、[Cr]=1.5〜2.5質量%、残部Fe及び不可避不純物からなる高マンガンクロム含有鋼を溶製するにあたって、転炉においてMn及びCrを含有する合金鉄を添加すると共に溶銑の脱炭精錬を行う第1工程と、脱炭精錬後の溶鋼を転炉から取鍋へ出鋼する際に前記合金鉄を添加する第2工程と、二次精錬設備において第2工程後の溶銑に前記合金鉄を添加すると共に二次精錬を行う第3工程とを有しており、前記第1工程から第3工程に亘って添加する全体の合金鉄を100%としたとき、前記第1工程においては前記全体の合金鉄に対して30〜45%の合金鉄を添加し、前記第2工程においては前記全体の合金鉄に対して30〜45%の合金鉄を添加し、前記第3工程においては全体の合金鉄に対して10〜40%の合金鉄を添加することを特徴とする。
図1は、高マンガンクロム含有鋼、即ち、非磁性鋼の溶製方法の流れを示したものである。
図1に示すように、高クロムマンガン含有鋼を溶製(製造)するにあたっては、溶銑1を上底吹き転炉(転炉)2に装入して溶銑1の脱炭処理(第1工程)を行い、脱炭処理を終了した溶鋼を取鍋3に出鋼する(第2工程)。取鍋3に溶鋼を出鋼した後は、取鍋3を二次精錬設備4に搬送して、当該二次精錬設備4にて二次精錬処理を行う(第3工程)を行う。
以下、高マンガンクロム含有鋼の溶製について詳しく説明する。
高マンガンクロム含有鋼は、[C]=0.6〜0.7質量%、[Si]=0.6〜0.9質量%、[Mn]=13.0〜15.0質量%、[Cr]=1.5〜2.5質量%を含んでいると共に、残りの残部はFe及び不可避不純物を含有している。
5質量%以上であり、より好ましくは0.60質量%以上としている。一方、C量が過剰になるとオーステナイト地の加工硬化性を増大させ、鍛造性や被削性が大幅に低下するとともに、粗大な炭窒化物が生成することによって非磁性特性と靭性の劣化を招く。C量は好ましくは0.75質量%以下であり、より好ましくは0.70質量%以下である。溶製においては、上記性質を満足し、かつチャージ毎の成分ばらつきを抑えつつも調整可能な規格範囲として[C]=0.6〜0.7質量%の範囲に定めている。
第1工程においては、溶鋼に酸素ガスを供給することによって脱炭反応が進行していく。ここで、脱炭反応が進行することによって、溶鋼中の[C]が溶鋼中の[Mn]や[Cr]より少なくなると、転炉(炉内)に供給した酸素は溶鋼中のCとの反応に寄与する以外にMnやCrの酸化に寄与する比率が次第に増加することになり、第1工程における溶鋼中の[Mn]及び[Cr]の微調整は難しい。しかしながら、第1工程において合金鉄を添加しないと、第2工程や第3工程における合金鉄の溶解の負荷、成分調整の負荷が掛かることから、第1工程では、添加する合金鉄は、少なくとも30%以上にする必要がある。一方、第1工程において、添加する合金鉄が45%以下である場合は転炉における脱炭処理に影響がなく、溶鋼中の[Mn]及び[Cr]のバラツキを抑えることができる。しかしながら、添加する合金鉄が45%を超えてしまうと、転炉(炉内)で合金鉄を溶解するのに時間が掛かって吹錬時間が長くなると共に、溶鋼中の[Mn]及び[Cr]のバラツキが大きくなる。このようなことから、第1工程では、添加する合金鉄を全合金鉄の30%〜45%としている。
脱りん処理における溶銑温度は1325℃〜1350℃とした。脱りん処理前の溶銑の[C]=4.5〜4.8質量%、[P]=0.10〜0.12質量%、[Si]=0.2〜1.0質量%とした。脱りん処理では、脱珪吹錬も行うこととし、この際のCaO等の副原料は当業者常法通りに決定した。例えば、CaO等の副原料の量は、脱珪吹錬後スラグの塩基度を考慮して決定した。また、脱りん処理時には固体酸素源として酸素含有量が0.22質量%のミルスケールを用いた。
図2は、溶製した高マンガンクロム含有鋼のMn濃度([Mn]鋼材成分%)の実績値の分布を示したものである。図3は、溶製した高マンガンクロム含有鋼のCr濃度([Cr]鋼材成分%)の実績値の分布を示したものである。
Cr濃度に関し、実施例I及びI+IIでは、図3(a)に示すように、Cr濃度の標準偏差σは0.06質量%とすることができ、狙いとする2.25質量%付近にすることができた。一方、比較例では、図3(b)に示すように、Mn濃度のバラツキが見られた。
以上、本発明によれば、高マンガンクロム含有鋼を溶製するにあたって、MnやCrのバラツキを抑制することができ、生産性も向上させることができた。
2 上底吹き転炉(転炉)
3 取鍋
4 二次精錬設備
5 上吹きランス
Claims (2)
- 成分として[C]=0.6〜0.7質量%、[Si]=0.6〜0.9質量%、[Mn]=13.0〜15.0質量%、[Cr]=1.5〜2.5質量%、残部Fe及び不可避不純物からなる高マンガンクロム含有鋼を溶製するにあたって、
転炉においてMn及びCrを含有する合金鉄を添加すると共に溶銑の脱炭精錬を行う第1工程と、脱炭精錬後の溶鋼を転炉から取鍋へ出鋼する際に前記合金鉄を添加する第2工程と、二次精錬設備において第2工程後の溶銑に前記合金鉄を添加すると共に二次精錬を行う第3工程とを有しており、
前記第1工程から第3工程に亘って添加する全体の合金鉄を100%としたとき、前記第1工程においては前記全体の合金鉄に対して30〜45%の合金鉄を添加し、前記第2工程においては前記全体の合金鉄に対して30〜45%の合金鉄を添加し、前記第3工程においては全体の合金鉄に対して10〜40%の合金鉄を添加する
ことを特徴とする高マンガンクロム含有鋼の溶製方法。 - 前記第2工程において添加する合金鉄の粒径に関して、粒径が1〜5mmであるものを粉状合金Aとし、粒径が10〜50mmであるものを塊状合金Bとしたとき、粉状合金Aと塊状合金Bとの添加比率(質量%での比率)が「60:40」〜「50:50」の範囲となるように、前記合金鉄を添加することを特徴とする請求項1に記載の高マンガンクロム含有鋼の溶製方法。
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