JPH04224612A - 転炉精錬方法 - Google Patents
転炉精錬方法Info
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Abstract
(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。
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Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、上下両吹き転炉によ
り高い有価金属歩留でもって効率良く鋼を溶製する転炉
精錬方法に関するものである。 【0002】 【従来技術とその課題】現在、転炉吹錬法で炭素鋼を溶
製する場合に採用されている主流技術は、上下両吹き転
炉を用い、炉底羽口より溶銑トン当たり 0.3Nm3
/min 未満の吹き込み量でAr,N2 ,CO2
,CO,O2 等を主体とするガスを吹き込んで溶銑又
は溶鋼を攪拌しながら、上吹きランスから溶銑又は溶鋼
に酸素を吹き付ける精錬法である。一方、クロム或いは
マンガンを多く含むステンレス鋼([Cr]濃度:9〜
30wt%)や高マンガン鋼([Mn]濃度:14〜3
0wt%)等を転炉形式の炉で溶製する手段としては、
次の3種類の方法が挙げられる。 【0003】(a) AOD法 ”転炉形式の炉”の炉底付近の炉側に設置した複数の羽
口からArとO2 の混合ガスを吹き込み、このArに
よりCO分圧を低下させて脱炭を進める方法。 (b) 上下両吹き転炉吹錬法 特にステンレス鋼用等に限定した転炉を用い、その炉底
羽口から前記AODで用いるAr量と同程度のArを吹
き込んでCO分圧を低下させると共に、上吹きランスよ
り酸素を上吹きして脱炭を進める方法。 (c) CLU法 転炉の炉底に設置した羽口から水蒸気を吹き込み、生成
したH2 でCO分圧を低下させて脱炭を進める方法。 上記各方法は何れも、CO分圧を低下させることによっ
て下記 (1)式の[Cr]酸化反応よりも下記 (2
)式の脱炭反応を促進させようと図ったものである。 2[Cr]+3[O]→ (Cr2O3)
…(1) [C]+[O]→ CO
…(2) 【0004】ところで
、前述した「炭素鋼の転炉吹錬」においては、より少な
いスラグ中の酸化鉄量及び低い溶鋼中酸素量で脱炭する
ことが「鉄分歩留の向上」,「脱酸剤の節減」並びに「
炉体溶損(高T.Feスラグにより増加する)の低減」
面から望まれている。特に、近年は脱りん銑を吹錬する
機会が増えているが、この場合には脱りんが不要なため
一層厳しく使用スラグの低減が求められている。しかも
、最近では薄板材の低炭化傾向が高まっており、転炉内
での更なる脱炭促進も強く望まれるようになってきた。 【0005】しかしながら、従来の上下両吹き転炉吹錬
法ではこれらの要望を満たすのに限界があった。もっと
も、炭素鋼の溶製に前述のAOD法等を適用することも
考えられるが、AOD法で使用するArガスはコストが
高くて実用には向かないものであった。勿論、使用する
Ar量を少なくすればコスト的な不利は軽減される。し
かしながら、未脱りんの高炉銑を吹錬する場合には脱り
んを確保するためAr流量を低下させる必要があるが、
この場合Ar流量を低下し過ぎると羽口詰まり等が発生
しがちとなる。これらの問題より、この方法は採用でき
ない手段であった。これに対して、炭素鋼に比較すると
高級鋼種である“高クロム鋼”や“高マンガン鋼”の場
合には、前記AOD法或いはCLU法を適用すれば工業
ベ−スでの溶製は十分に分可能であったが、これらの炉
の準備が無い場合にはその溶製は不可能であった。なお
、上下両吹き転炉の炉底羽口からArを吹き込みながら
吹錬する方法では高クロム鋼や高マンガン鋼の溶製は可
能であったが、原料が高炉銑の場合、前述したように羽
口詰まりの懸念から実用にそぐわない程の高い吹き込み
Arガス量を確保しなければならないので問題であり、
同一の炉で炭素鋼と高クロム鋼や高マンガン鋼を吹き分
けることができないという問題があった。 【0006】このようなことから、本発明が目的とした
のは、製鋼上の最も一般的な設備である“従来の上下両
吹き転炉”を用い、出来るだけ低いコストでもって、a
) 高炉銑の効果的な脱りんと脱炭,b) 脱りん銑の
低「スラグ中酸化鉄(T.Fe)」,低「溶鋼酸素[O
]」下での脱炭促進, c) 高クロム鋼又は高マンガン鋼の低[Cr]ロス,
低[Mn]ロス下での脱炭,を可能とし、鋼種を問わず
により高能率,より低価格で鋼を溶製することができる
手段を確立することであった。 【0007】 【課題を解決するための手段】本発明者は、上記目的を
達成すべく、特に「前記a)項〜c)項に挙げた条件の
全てを満足させるためには、 従来の上下両吹き転炉の
炉底攪拌ガス用羽口から格別に特殊な設備を要すること
なく溶鋼トン当たり約 0.2Nm3/min の量で
吹き込んで溶鋼を攪拌することができると共に、 AO
D法の吹き込みAr量に相当するだけCO分圧を低下さ
せることが可能なガスを見出すことが不可欠である」と
の、種々の実験結果に基づいた認識の下に研究を重ねた
結果、「このようなガスとしては“水素”が最も適して
いる」との知見を得るに至ったのである。 【0008】即ち、水素はCO分圧を十分に低下できる
特性を有しているほか、密度が非常に小さいので同一羽
口であってもCO2 の 4.7倍もの量のガスを吹き
込むことができる。これは、ベルヌ−イの定理から「羽
口前後の差圧ΔP= 1/2ρv2 」と言う関係が導
き出されるように、密度ρの小さいH2 の場合には同
一差圧であれば流速vが速くなると言う原理が存在する
からである。 【0009】本発明は上記知見事項等を基にして完成さ
れたもので、「上下両吹き転炉を用いて溶鉄を精錬し鋼
を溶製するに当たり、 上吹きランスより酸素を上吹き
すると共に、 炉底羽口から水素を吹き込み、 この水
素によってCO分圧を低下させつつ精錬を行うことによ
り、効果的に脱炭を進行させ得るようにした点」に大き
な特徴を有している。 【00010】なお、上下両吹き転炉に装入される原料
「溶鉄」は一般的には通常の溶銑或いは粗溶鋼であるが
、高クロム鋼又は高マンガン鋼を溶製するために“クロ
ム或いはマンガンを5%以上(以降、 成分割合を表す
%は重量%とする)含有する溶銑或いは粗溶鋼を使用し
た場合には、少ない[Cr]ロス,[Mn]ロスで脱炭
を行うことができるので高クロム鋼又は高マンガン鋼を
溶製するためには極めて有利である。また、炉底羽口か
ら吹き込むガスは水素であるが、純水素だけでなくこれ
に少量のAr,N2,CO,CO2 或いは炭化水素が
混ざっていても良い。そして、水素の吹き込み量は溶銑
又は溶鋼トン当たり毎分 0.3Nm3以上とするのが
良い。以下、本発明を「炭素鋼を溶製する場合」と「高
クロム鋼,高マンガン鋼を溶製する場合」に別けてその
作用・効果と共により詳細に説明する。 【00011】 【作用】炭素鋼を溶製する場合 溶鉄中[C]が 0.5%より高い状態では、従来の
0.2Nm3/min ・ t 程度の攪拌ガス(Ar
, N2 ,CO2 ,CO等)でもスラグ中のT.F
e(酸化鉄量)は5%程度とそれほど高くならないので
、殊更に大量の水素を吹き込む必要はない。しかし、[
C]が 0.5%以下に低下し始めると、脱炭反応によ
るCO発生量が低減し、平衡関係より溶鋼中の[O]が
上昇して下記 (3)式のFeO生成反応が次第に活発
になり、スラグ中のT.Feが増加し始める。 Fe+[O]→ (FeO)
…(3) そこで、この時期から従来法での
攪拌ガスに替えて多量( 0.3〜1Nm3/min・
t )の水素ガスを吹き込み、脱炭を促進する。 【00012】そして、このような手段を講じることに
よって次のような効果が確保される。 (1) スラグ中のT.Feが低下する。従来法(炉
底吹き込み攪拌ガスとして 0.3Nm3/min ・
t 未満のAr, N2,CO2 ,CO等を用いた方
法)の場合、終点[C]:0.03%の時にスラグ中T
.Feが15〜20%であったものが、水素を大量に吹
き込む本発明法では10%以下となって鉄分歩留の向上
が達成される。しかも、炉体溶損はT.Feが高い程大
きいことから、スラグ中T.Feを低減できる本発明法
では炉体溶損が著しく軽減されることとなる。 【00013】(2) 終点溶鋼中[O]が低下する
。 従来法の場合、終点溶鋼が[C]:0.03%のときで
[O]:800ppm程度であったものが、本発明法で
は[O]:500ppm以下にまで低下する。従って、
脱酸用のAlやFe−Siの節減が可能となり、またこ
の結果として鋼中介在物が低減すると言う好ましい効果
も得られる。 【00014】(3) 終点[C]を従来よりも一段
と低下することができる。従来法の場合に終点[C]が
精々0.03%であったのが、本発明法によると[C]
:0.02%以下が可能となる。このため、低炭素材(
[C]:0.015 〜0.020 %)の転炉単独精
錬(RH処理の省略)が可能となる。(4) 以上に
示した効果は、脱りん銑を出発原料とした薄板材の転炉
溶製において特に顕著である。 しかし、[Mn]:1.5 %程度の厚板材の溶製に際
しては従来法でもFe−Mnの節減のため脱りん銑の転
炉吹錬時にマンガン鉱石等を添加して[C]で溶融還元
する方法が採用されていたが、この方法においても、本
発明法を適用した場合にはCO分圧低下により下記 (
4)式の如き脱炭反応が促進され、Mn鉱石の還元歩留
が向上する。 (MnO) +[C]→ CO+[Mn]
…(4) この場合、従来通り[C]が低下してから
上吹き酸素を段階的に少なくしていくと一段と効果が増
すことは言うまでもない。 【00015】なお、通常の上下両吹き転炉を用いた転
炉精錬での“炭素鋼の吹き込みパタ−ン例”を、本発明
法と従来法を対比させて図1及び図2に示す。ここで、
図1は厚板材用炭素鋼(Mn含有量が 1.5%)の吹
錬パタ−ンを、図2は薄板材用炭素鋼の吹錬パタ−ンを
それぞれ示している。 【00016】高クロム鋼,高マンガン鋼を溶製する場
合 従来のAOD精錬におけるAr吹き込みと同様、脱炭初
期より水素の底吹きを始め、[C]の低下と共に底吹き
水素量を増加させる(例えば 0.3→ 1.0m3/
min・ t)と同時に、上吹き酸素の量を低下させる
(例えば 3→ 0.5Nm3/min ・ t )こ
とによりステンレス鋼や高マンガン鋼の脱炭が可能であ
る。なお、この場合、還元期は炉底ガスをH2 からA
rに変えることが得策である。なぜなら、これによって
鋼中水素(即ち[H])の上昇が抑えられるからである
。このように、本発明法によると、通常使用されている
転炉によってステンレス鋼や高マンガン鋼の溶製が可能
となる。図3は、通常の上下両吹き転炉を用いた転炉精
錬での“ステンレス鋼の吹錬パタ−ン例”である。 【00017】なお、高クロム鋼,高マンガン鋼の精錬
に適用される転炉装入原料としては、予め電気炉でスク
ラップ,チャ−ジクロム或いはFe−Mnを溶解して目
標成分に近い[Cr],[Mn]に調整したものも使用
できるが、脱りん銑のみを転炉にまず装入し、上吹き酸
素で脱炭・昇温しながらチャ−ジクロム或いはFe−M
nを添加して溶解し所定の[Cr],[Mn]を含む母
溶鋼を溶製してから、例えば図3のような吹錬パタ−ン
で精錬することもできる。また、高マンガン鋼の中には
、高マンガン非磁性鋼のように14〜25%程度のMn
以外に例えば5%程度のCrをも含有する鋼もあるが、
これらの溶製も同様に行えることは言うまでもない。 【00018】次に、本発明法を実施する際の“水素の
底吹き手法”について詳述する。本発明法で使用する上
下両吹き転炉は基本的には従来の上下両吹き転炉と同じ
で、従来のそれを適用することができる。即ち、従来の
底吹きガス吹き込み装置を用いて水素を吹き込むだけで
良い。従って、使用する炉底羽口は単管又は2重管で良
く、その本数は従来と同様に1本以上必要であるが、経
験的には2〜6本程度が良好である。また、内径1mm
φ程度の細管を50〜100本程度集めた多孔(mul
tiple hole)タイプでも良い。 【00019】吹き込みガスとしては基本的にはH2
であるが、前述したようにこれに少量のAr,N2,C
O,CO2 或いは炭化水素が混ざっていても良い。な
お、特にガス切替え時でH2 の吹き込み量が従来攪拌
ガス使用量と同程度の時には水素だけでは羽口前圧力が
低くなってしまうが、これによって羽口の詰まり(溶鋼
の侵入)が問題になる場合には、水素にAr,N2 ,
CO,CO2 と言った従来の攪拌ガスを併用・混入し
て羽口前圧力を確保することもできる。水素ガス吹き込
み量は、従来攪拌ガスの吹き込み量で決定される。前に
も述べた如く、攪拌ガスが例えばCO2 の場合には水
素ではその 4.7倍の量を吹き込めることになるが、
吹き込み圧力を調整することにより吹き込み量の更なる
増減は可能である。具体的なH2 吹き込み量は溶鋼ト
ン当たり 0.3〜2.0 m3/min 程度である
。 【00020】ところで、本発明法においては、鋼中[
H]が5〜12ppm程度にまで上昇する場合がある。 この場合には、上吹き酸素の吹き込み停止後に底吹きガ
スをH2 からAr,N2 ,CO2 ,CO等に切替
えて溶鋼のリンスを行えば、鋼中[H]を5ppm 以
下にまで低減することができる。勿論、その後にRH等
の真空脱ガス処理を行う場合にはこのようなリンスは不
要である。続いて、本発明を実施例によって更に具体的
に説明する。 【00021】 【実施例】実施例 1 表1に示す化学成分組成の脱りん銑(1300℃)の1
00ton を、スクラップ5tonを事前装入した4
本の炉底羽口を有する上下両吹き転炉に装入し、CO2
:0.2 Nm3/min ・ t の攪拌ガスで攪拌
しながら造滓剤として生石灰12kg/t,硅石3kg
/tを添加すると共に、4孔ラバ−ルノズルを有する上
吹きランスより3Nm3/min ・ t の酸素を上
吹きして脱炭吹錬を実施した。表1 そして、溶鉄中
の[C]濃度が 0.5%になった時点で炉底吹き込み
ガスをH2:0.8 Nm3/min ・ t に切替
え、その後溶鋼中[C]濃度が0.03%となるまで吹
錬を続けた。 【00022】一方、比較実験として、終点に至るまで
炉底ガスとしてCO2: 0.2Nm3/min・ t
を使用する従来の吹錬も実施した。表2 上記各吹錬において“スラグ中T.Fe”,“溶鋼[O
]”及び“終点温度”を調査したが、その結果を表2に
対比させて示す。第2表に示される結果からも明らかな
ように、本発明法では、同一終点[C]であってもスラ
グ中T.Feや溶鋼[O]が低下していることが分かる
。なお、その結果、鉄分歩留が 0.2%向上すると共
に、脱酸剤Alの使用量が 1.5kg/tから1.0
kg/tに節減できたことも確認された。 【00023】実施例 2 実施例1と同様であるが、スクラップ装入量を8ton
にした転炉吹錬によって[C]をどこまで吹き下げら
れるかの実験を行った。この結果を表3に示す。表3
表3の結果に示されるように、本発明法によると従来
レベルのT.Feで[C]:0.012 %にまで脱炭
が進行することが明らかである。 【00024】実施例 3 前記表1に示す化学成分組成の脱りん銑(1300℃)
の70kg/tを、実施例1と同様の転炉に装入し、C
O2: 0.3Nm3/min ・ t の攪拌ガスで
攪拌しながら生石灰15kg/tを添加すると共に、上
吹きランスより3Nm3/min ・ t の酸素を上
吹きし、脱炭昇温吹錬を実施した。なお、この際[C]
が 0.8%,温度が1550℃になった時点より、チ
ャ−ジクロム(Cr:60%)を溶鋼中[Cr]が18
%となるのに必要な量だけ添加して溶解した。そして、
[C]が 0.5%になった時点から、それまで炉底羽
口から吹き込んでいたCO2 をH2 :1Nm3/m
in ・ t に切り換えると共に、上吹き酸素量を0
.7Nm3/min ・ t に低下させた。 【00025】この吹錬(ト−タルで約55分間)にお
いて、[C]:0.025%まで脱炭した時の溶鋼温度
は1650℃,[Cr]は15.5%であった。この後
、更に炉底ガスをAr: 0.3Nm3/min ・
t に切り換えると共に上吹き酸素を中止し、Fe−S
i20kg/tと生石灰60kg/tを添加して還元期
(10分間)に導入した。その結果、[C]: 0.0
25%,[Cr]:17.8%で、温度が1700℃の
ステンレス鋼が溶製できた。また、比較実験として、前
記[C]:0.5%の時点での底吹きガスの切替えを行
わないで吹錬を続けた結果、[Cr]のみが酸化されて
脱炭が進行せず、精錬はできなかった。 【00026】実施例 4 電気炉で表4に示す化学成分組成の高Mnの溶鋼(15
00℃)を溶解し、実施例1と同様の転炉に注湯した。 表4 【00027】この転炉において、生石灰15kg/t
を添加して吹錬を行い、[C]が1%にまで低下した時
点より、実施例1の場合と同様、底吹きガスをH2 :
1Nm3/min・ t に切り換えると共に、上吹き
酸素を 0.7Nm3/min ・ t に低下させて
脱炭を続けた。そして、[C]が 0.4%まで低下し
た時点(計56分)に上吹き酸素をストップした。この
時の溶鉄温度は1700℃で、[Mn]は12.2%ま
で低下していた。この後、底吹きガスをAr: 0.3
Nm3/min ・ t に切換えると共に、Fe−S
i21kg/tと生石灰65kg/t添加し、還元期(
10分間)に導入した。その結果、[C]:0.41%
,[Mn]:15%で、温度が1730℃の高Mn非磁
性鋼が溶製できた。また、比較実験として、前記[C]
:1%の時点の底吹きガスの切替えを実施しないで吹錬
を続けたところ、[Mn]のみが酸化されて脱炭は進行
しなくなり、精錬はできなかった。 【00028】 【効果の総括】以上に説明した如く、この発明によれば
、通常の上下両吹き転炉を用いた吹錬によって一段と低
コスト,高能率で炭素鋼の溶製ができるようになるばか
りか、転炉での高クロム鋼,高マンガン鋼の溶製も可能
となるなど、産業上極めて有用な効果がもたらされる。
り高い有価金属歩留でもって効率良く鋼を溶製する転炉
精錬方法に関するものである。 【0002】 【従来技術とその課題】現在、転炉吹錬法で炭素鋼を溶
製する場合に採用されている主流技術は、上下両吹き転
炉を用い、炉底羽口より溶銑トン当たり 0.3Nm3
/min 未満の吹き込み量でAr,N2 ,CO2
,CO,O2 等を主体とするガスを吹き込んで溶銑又
は溶鋼を攪拌しながら、上吹きランスから溶銑又は溶鋼
に酸素を吹き付ける精錬法である。一方、クロム或いは
マンガンを多く含むステンレス鋼([Cr]濃度:9〜
30wt%)や高マンガン鋼([Mn]濃度:14〜3
0wt%)等を転炉形式の炉で溶製する手段としては、
次の3種類の方法が挙げられる。 【0003】(a) AOD法 ”転炉形式の炉”の炉底付近の炉側に設置した複数の羽
口からArとO2 の混合ガスを吹き込み、このArに
よりCO分圧を低下させて脱炭を進める方法。 (b) 上下両吹き転炉吹錬法 特にステンレス鋼用等に限定した転炉を用い、その炉底
羽口から前記AODで用いるAr量と同程度のArを吹
き込んでCO分圧を低下させると共に、上吹きランスよ
り酸素を上吹きして脱炭を進める方法。 (c) CLU法 転炉の炉底に設置した羽口から水蒸気を吹き込み、生成
したH2 でCO分圧を低下させて脱炭を進める方法。 上記各方法は何れも、CO分圧を低下させることによっ
て下記 (1)式の[Cr]酸化反応よりも下記 (2
)式の脱炭反応を促進させようと図ったものである。 2[Cr]+3[O]→ (Cr2O3)
…(1) [C]+[O]→ CO
…(2) 【0004】ところで
、前述した「炭素鋼の転炉吹錬」においては、より少な
いスラグ中の酸化鉄量及び低い溶鋼中酸素量で脱炭する
ことが「鉄分歩留の向上」,「脱酸剤の節減」並びに「
炉体溶損(高T.Feスラグにより増加する)の低減」
面から望まれている。特に、近年は脱りん銑を吹錬する
機会が増えているが、この場合には脱りんが不要なため
一層厳しく使用スラグの低減が求められている。しかも
、最近では薄板材の低炭化傾向が高まっており、転炉内
での更なる脱炭促進も強く望まれるようになってきた。 【0005】しかしながら、従来の上下両吹き転炉吹錬
法ではこれらの要望を満たすのに限界があった。もっと
も、炭素鋼の溶製に前述のAOD法等を適用することも
考えられるが、AOD法で使用するArガスはコストが
高くて実用には向かないものであった。勿論、使用する
Ar量を少なくすればコスト的な不利は軽減される。し
かしながら、未脱りんの高炉銑を吹錬する場合には脱り
んを確保するためAr流量を低下させる必要があるが、
この場合Ar流量を低下し過ぎると羽口詰まり等が発生
しがちとなる。これらの問題より、この方法は採用でき
ない手段であった。これに対して、炭素鋼に比較すると
高級鋼種である“高クロム鋼”や“高マンガン鋼”の場
合には、前記AOD法或いはCLU法を適用すれば工業
ベ−スでの溶製は十分に分可能であったが、これらの炉
の準備が無い場合にはその溶製は不可能であった。なお
、上下両吹き転炉の炉底羽口からArを吹き込みながら
吹錬する方法では高クロム鋼や高マンガン鋼の溶製は可
能であったが、原料が高炉銑の場合、前述したように羽
口詰まりの懸念から実用にそぐわない程の高い吹き込み
Arガス量を確保しなければならないので問題であり、
同一の炉で炭素鋼と高クロム鋼や高マンガン鋼を吹き分
けることができないという問題があった。 【0006】このようなことから、本発明が目的とした
のは、製鋼上の最も一般的な設備である“従来の上下両
吹き転炉”を用い、出来るだけ低いコストでもって、a
) 高炉銑の効果的な脱りんと脱炭,b) 脱りん銑の
低「スラグ中酸化鉄(T.Fe)」,低「溶鋼酸素[O
]」下での脱炭促進, c) 高クロム鋼又は高マンガン鋼の低[Cr]ロス,
低[Mn]ロス下での脱炭,を可能とし、鋼種を問わず
により高能率,より低価格で鋼を溶製することができる
手段を確立することであった。 【0007】 【課題を解決するための手段】本発明者は、上記目的を
達成すべく、特に「前記a)項〜c)項に挙げた条件の
全てを満足させるためには、 従来の上下両吹き転炉の
炉底攪拌ガス用羽口から格別に特殊な設備を要すること
なく溶鋼トン当たり約 0.2Nm3/min の量で
吹き込んで溶鋼を攪拌することができると共に、 AO
D法の吹き込みAr量に相当するだけCO分圧を低下さ
せることが可能なガスを見出すことが不可欠である」と
の、種々の実験結果に基づいた認識の下に研究を重ねた
結果、「このようなガスとしては“水素”が最も適して
いる」との知見を得るに至ったのである。 【0008】即ち、水素はCO分圧を十分に低下できる
特性を有しているほか、密度が非常に小さいので同一羽
口であってもCO2 の 4.7倍もの量のガスを吹き
込むことができる。これは、ベルヌ−イの定理から「羽
口前後の差圧ΔP= 1/2ρv2 」と言う関係が導
き出されるように、密度ρの小さいH2 の場合には同
一差圧であれば流速vが速くなると言う原理が存在する
からである。 【0009】本発明は上記知見事項等を基にして完成さ
れたもので、「上下両吹き転炉を用いて溶鉄を精錬し鋼
を溶製するに当たり、 上吹きランスより酸素を上吹き
すると共に、 炉底羽口から水素を吹き込み、 この水
素によってCO分圧を低下させつつ精錬を行うことによ
り、効果的に脱炭を進行させ得るようにした点」に大き
な特徴を有している。 【00010】なお、上下両吹き転炉に装入される原料
「溶鉄」は一般的には通常の溶銑或いは粗溶鋼であるが
、高クロム鋼又は高マンガン鋼を溶製するために“クロ
ム或いはマンガンを5%以上(以降、 成分割合を表す
%は重量%とする)含有する溶銑或いは粗溶鋼を使用し
た場合には、少ない[Cr]ロス,[Mn]ロスで脱炭
を行うことができるので高クロム鋼又は高マンガン鋼を
溶製するためには極めて有利である。また、炉底羽口か
ら吹き込むガスは水素であるが、純水素だけでなくこれ
に少量のAr,N2,CO,CO2 或いは炭化水素が
混ざっていても良い。そして、水素の吹き込み量は溶銑
又は溶鋼トン当たり毎分 0.3Nm3以上とするのが
良い。以下、本発明を「炭素鋼を溶製する場合」と「高
クロム鋼,高マンガン鋼を溶製する場合」に別けてその
作用・効果と共により詳細に説明する。 【00011】 【作用】炭素鋼を溶製する場合 溶鉄中[C]が 0.5%より高い状態では、従来の
0.2Nm3/min ・ t 程度の攪拌ガス(Ar
, N2 ,CO2 ,CO等)でもスラグ中のT.F
e(酸化鉄量)は5%程度とそれほど高くならないので
、殊更に大量の水素を吹き込む必要はない。しかし、[
C]が 0.5%以下に低下し始めると、脱炭反応によ
るCO発生量が低減し、平衡関係より溶鋼中の[O]が
上昇して下記 (3)式のFeO生成反応が次第に活発
になり、スラグ中のT.Feが増加し始める。 Fe+[O]→ (FeO)
…(3) そこで、この時期から従来法での
攪拌ガスに替えて多量( 0.3〜1Nm3/min・
t )の水素ガスを吹き込み、脱炭を促進する。 【00012】そして、このような手段を講じることに
よって次のような効果が確保される。 (1) スラグ中のT.Feが低下する。従来法(炉
底吹き込み攪拌ガスとして 0.3Nm3/min ・
t 未満のAr, N2,CO2 ,CO等を用いた方
法)の場合、終点[C]:0.03%の時にスラグ中T
.Feが15〜20%であったものが、水素を大量に吹
き込む本発明法では10%以下となって鉄分歩留の向上
が達成される。しかも、炉体溶損はT.Feが高い程大
きいことから、スラグ中T.Feを低減できる本発明法
では炉体溶損が著しく軽減されることとなる。 【00013】(2) 終点溶鋼中[O]が低下する
。 従来法の場合、終点溶鋼が[C]:0.03%のときで
[O]:800ppm程度であったものが、本発明法で
は[O]:500ppm以下にまで低下する。従って、
脱酸用のAlやFe−Siの節減が可能となり、またこ
の結果として鋼中介在物が低減すると言う好ましい効果
も得られる。 【00014】(3) 終点[C]を従来よりも一段
と低下することができる。従来法の場合に終点[C]が
精々0.03%であったのが、本発明法によると[C]
:0.02%以下が可能となる。このため、低炭素材(
[C]:0.015 〜0.020 %)の転炉単独精
錬(RH処理の省略)が可能となる。(4) 以上に
示した効果は、脱りん銑を出発原料とした薄板材の転炉
溶製において特に顕著である。 しかし、[Mn]:1.5 %程度の厚板材の溶製に際
しては従来法でもFe−Mnの節減のため脱りん銑の転
炉吹錬時にマンガン鉱石等を添加して[C]で溶融還元
する方法が採用されていたが、この方法においても、本
発明法を適用した場合にはCO分圧低下により下記 (
4)式の如き脱炭反応が促進され、Mn鉱石の還元歩留
が向上する。 (MnO) +[C]→ CO+[Mn]
…(4) この場合、従来通り[C]が低下してから
上吹き酸素を段階的に少なくしていくと一段と効果が増
すことは言うまでもない。 【00015】なお、通常の上下両吹き転炉を用いた転
炉精錬での“炭素鋼の吹き込みパタ−ン例”を、本発明
法と従来法を対比させて図1及び図2に示す。ここで、
図1は厚板材用炭素鋼(Mn含有量が 1.5%)の吹
錬パタ−ンを、図2は薄板材用炭素鋼の吹錬パタ−ンを
それぞれ示している。 【00016】高クロム鋼,高マンガン鋼を溶製する場
合 従来のAOD精錬におけるAr吹き込みと同様、脱炭初
期より水素の底吹きを始め、[C]の低下と共に底吹き
水素量を増加させる(例えば 0.3→ 1.0m3/
min・ t)と同時に、上吹き酸素の量を低下させる
(例えば 3→ 0.5Nm3/min ・ t )こ
とによりステンレス鋼や高マンガン鋼の脱炭が可能であ
る。なお、この場合、還元期は炉底ガスをH2 からA
rに変えることが得策である。なぜなら、これによって
鋼中水素(即ち[H])の上昇が抑えられるからである
。このように、本発明法によると、通常使用されている
転炉によってステンレス鋼や高マンガン鋼の溶製が可能
となる。図3は、通常の上下両吹き転炉を用いた転炉精
錬での“ステンレス鋼の吹錬パタ−ン例”である。 【00017】なお、高クロム鋼,高マンガン鋼の精錬
に適用される転炉装入原料としては、予め電気炉でスク
ラップ,チャ−ジクロム或いはFe−Mnを溶解して目
標成分に近い[Cr],[Mn]に調整したものも使用
できるが、脱りん銑のみを転炉にまず装入し、上吹き酸
素で脱炭・昇温しながらチャ−ジクロム或いはFe−M
nを添加して溶解し所定の[Cr],[Mn]を含む母
溶鋼を溶製してから、例えば図3のような吹錬パタ−ン
で精錬することもできる。また、高マンガン鋼の中には
、高マンガン非磁性鋼のように14〜25%程度のMn
以外に例えば5%程度のCrをも含有する鋼もあるが、
これらの溶製も同様に行えることは言うまでもない。 【00018】次に、本発明法を実施する際の“水素の
底吹き手法”について詳述する。本発明法で使用する上
下両吹き転炉は基本的には従来の上下両吹き転炉と同じ
で、従来のそれを適用することができる。即ち、従来の
底吹きガス吹き込み装置を用いて水素を吹き込むだけで
良い。従って、使用する炉底羽口は単管又は2重管で良
く、その本数は従来と同様に1本以上必要であるが、経
験的には2〜6本程度が良好である。また、内径1mm
φ程度の細管を50〜100本程度集めた多孔(mul
tiple hole)タイプでも良い。 【00019】吹き込みガスとしては基本的にはH2
であるが、前述したようにこれに少量のAr,N2,C
O,CO2 或いは炭化水素が混ざっていても良い。な
お、特にガス切替え時でH2 の吹き込み量が従来攪拌
ガス使用量と同程度の時には水素だけでは羽口前圧力が
低くなってしまうが、これによって羽口の詰まり(溶鋼
の侵入)が問題になる場合には、水素にAr,N2 ,
CO,CO2 と言った従来の攪拌ガスを併用・混入し
て羽口前圧力を確保することもできる。水素ガス吹き込
み量は、従来攪拌ガスの吹き込み量で決定される。前に
も述べた如く、攪拌ガスが例えばCO2 の場合には水
素ではその 4.7倍の量を吹き込めることになるが、
吹き込み圧力を調整することにより吹き込み量の更なる
増減は可能である。具体的なH2 吹き込み量は溶鋼ト
ン当たり 0.3〜2.0 m3/min 程度である
。 【00020】ところで、本発明法においては、鋼中[
H]が5〜12ppm程度にまで上昇する場合がある。 この場合には、上吹き酸素の吹き込み停止後に底吹きガ
スをH2 からAr,N2 ,CO2 ,CO等に切替
えて溶鋼のリンスを行えば、鋼中[H]を5ppm 以
下にまで低減することができる。勿論、その後にRH等
の真空脱ガス処理を行う場合にはこのようなリンスは不
要である。続いて、本発明を実施例によって更に具体的
に説明する。 【00021】 【実施例】実施例 1 表1に示す化学成分組成の脱りん銑(1300℃)の1
00ton を、スクラップ5tonを事前装入した4
本の炉底羽口を有する上下両吹き転炉に装入し、CO2
:0.2 Nm3/min ・ t の攪拌ガスで攪拌
しながら造滓剤として生石灰12kg/t,硅石3kg
/tを添加すると共に、4孔ラバ−ルノズルを有する上
吹きランスより3Nm3/min ・ t の酸素を上
吹きして脱炭吹錬を実施した。表1 そして、溶鉄中
の[C]濃度が 0.5%になった時点で炉底吹き込み
ガスをH2:0.8 Nm3/min ・ t に切替
え、その後溶鋼中[C]濃度が0.03%となるまで吹
錬を続けた。 【00022】一方、比較実験として、終点に至るまで
炉底ガスとしてCO2: 0.2Nm3/min・ t
を使用する従来の吹錬も実施した。表2 上記各吹錬において“スラグ中T.Fe”,“溶鋼[O
]”及び“終点温度”を調査したが、その結果を表2に
対比させて示す。第2表に示される結果からも明らかな
ように、本発明法では、同一終点[C]であってもスラ
グ中T.Feや溶鋼[O]が低下していることが分かる
。なお、その結果、鉄分歩留が 0.2%向上すると共
に、脱酸剤Alの使用量が 1.5kg/tから1.0
kg/tに節減できたことも確認された。 【00023】実施例 2 実施例1と同様であるが、スクラップ装入量を8ton
にした転炉吹錬によって[C]をどこまで吹き下げら
れるかの実験を行った。この結果を表3に示す。表3
表3の結果に示されるように、本発明法によると従来
レベルのT.Feで[C]:0.012 %にまで脱炭
が進行することが明らかである。 【00024】実施例 3 前記表1に示す化学成分組成の脱りん銑(1300℃)
の70kg/tを、実施例1と同様の転炉に装入し、C
O2: 0.3Nm3/min ・ t の攪拌ガスで
攪拌しながら生石灰15kg/tを添加すると共に、上
吹きランスより3Nm3/min ・ t の酸素を上
吹きし、脱炭昇温吹錬を実施した。なお、この際[C]
が 0.8%,温度が1550℃になった時点より、チ
ャ−ジクロム(Cr:60%)を溶鋼中[Cr]が18
%となるのに必要な量だけ添加して溶解した。そして、
[C]が 0.5%になった時点から、それまで炉底羽
口から吹き込んでいたCO2 をH2 :1Nm3/m
in ・ t に切り換えると共に、上吹き酸素量を0
.7Nm3/min ・ t に低下させた。 【00025】この吹錬(ト−タルで約55分間)にお
いて、[C]:0.025%まで脱炭した時の溶鋼温度
は1650℃,[Cr]は15.5%であった。この後
、更に炉底ガスをAr: 0.3Nm3/min ・
t に切り換えると共に上吹き酸素を中止し、Fe−S
i20kg/tと生石灰60kg/tを添加して還元期
(10分間)に導入した。その結果、[C]: 0.0
25%,[Cr]:17.8%で、温度が1700℃の
ステンレス鋼が溶製できた。また、比較実験として、前
記[C]:0.5%の時点での底吹きガスの切替えを行
わないで吹錬を続けた結果、[Cr]のみが酸化されて
脱炭が進行せず、精錬はできなかった。 【00026】実施例 4 電気炉で表4に示す化学成分組成の高Mnの溶鋼(15
00℃)を溶解し、実施例1と同様の転炉に注湯した。 表4 【00027】この転炉において、生石灰15kg/t
を添加して吹錬を行い、[C]が1%にまで低下した時
点より、実施例1の場合と同様、底吹きガスをH2 :
1Nm3/min・ t に切り換えると共に、上吹き
酸素を 0.7Nm3/min ・ t に低下させて
脱炭を続けた。そして、[C]が 0.4%まで低下し
た時点(計56分)に上吹き酸素をストップした。この
時の溶鉄温度は1700℃で、[Mn]は12.2%ま
で低下していた。この後、底吹きガスをAr: 0.3
Nm3/min ・ t に切換えると共に、Fe−S
i21kg/tと生石灰65kg/t添加し、還元期(
10分間)に導入した。その結果、[C]:0.41%
,[Mn]:15%で、温度が1730℃の高Mn非磁
性鋼が溶製できた。また、比較実験として、前記[C]
:1%の時点の底吹きガスの切替えを実施しないで吹錬
を続けたところ、[Mn]のみが酸化されて脱炭は進行
しなくなり、精錬はできなかった。 【00028】 【効果の総括】以上に説明した如く、この発明によれば
、通常の上下両吹き転炉を用いた吹錬によって一段と低
コスト,高能率で炭素鋼の溶製ができるようになるばか
りか、転炉での高クロム鋼,高マンガン鋼の溶製も可能
となるなど、産業上極めて有用な効果がもたらされる。
【図1】厚板材用炭素鋼(Mn 1.5%)の吹錬パタ
−ンを、本発明法と従来法とで比較したグラフである。
−ンを、本発明法と従来法とで比較したグラフである。
【図2】薄板材用炭素鋼の吹錬パタ−ンを、本発明法と
従来法とで比較したグラフである。
従来法とで比較したグラフである。
【図3】通常の上下両吹き転炉によるステンレス鋼の吹
錬パタ−ンを示したグラフである。
錬パタ−ンを示したグラフである。
Claims (1)
- 【請求項1】 上下両吹き転炉を用いて溶鉄を精錬し
鋼を溶製するに当たり、上吹きランスより酸素を上吹き
すると共に、炉底羽口から水素を吹き込み、この水素に
よってCO分圧を低下させつつ精錬を行うことを特徴と
する、転炉精錬方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP41377090A JP3309395B2 (ja) | 1990-12-25 | 1990-12-25 | 転炉精錬方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP41377090A JP3309395B2 (ja) | 1990-12-25 | 1990-12-25 | 転炉精錬方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04224612A true JPH04224612A (ja) | 1992-08-13 |
JP3309395B2 JP3309395B2 (ja) | 2002-07-29 |
Family
ID=18522340
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP41377090A Expired - Fee Related JP3309395B2 (ja) | 1990-12-25 | 1990-12-25 | 転炉精錬方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3309395B2 (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008101232A (ja) * | 2006-10-17 | 2008-05-01 | Daido Steel Co Ltd | 高Mn鋼の製造方法 |
CN109097522A (zh) * | 2018-09-30 | 2018-12-28 | 武钢集团昆明钢铁股份有限公司 | 一种中高锰高磷低硅铁水提高终点钢水残锰的转炉冶炼方法 |
JPWO2022249798A1 (ja) * | 2021-05-26 | 2022-12-01 |
-
1990
- 1990-12-25 JP JP41377090A patent/JP3309395B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2008101232A (ja) * | 2006-10-17 | 2008-05-01 | Daido Steel Co Ltd | 高Mn鋼の製造方法 |
CN109097522A (zh) * | 2018-09-30 | 2018-12-28 | 武钢集团昆明钢铁股份有限公司 | 一种中高锰高磷低硅铁水提高终点钢水残锰的转炉冶炼方法 |
CN109097522B (zh) * | 2018-09-30 | 2020-04-10 | 武钢集团昆明钢铁股份有限公司 | 一种中高锰高磷低硅铁水提高终点钢水残锰的转炉冶炼方法 |
JPWO2022249798A1 (ja) * | 2021-05-26 | 2022-12-01 | ||
WO2022249798A1 (ja) * | 2021-05-26 | 2022-12-01 | Jfeスチール株式会社 | 溶鉄の精錬方法 |
TWI817507B (zh) * | 2021-05-26 | 2023-10-01 | 日商杰富意鋼鐵股份有限公司 | 鐵水的精煉方法 |
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