JP2008098094A - リチウム二次電池用負極およびその製造方法 - Google Patents

リチウム二次電池用負極およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】高容量で、サイクル特性に優れたリチウム二次電池を提供する。
【解決手段】集電体と、集電体上のCu拡散防止層と、Cu拡散防止層上の活物質層と、を含み、集電体は、Cuを含み、集電体の平均算術表面粗さRaは、0.3μm〜1μmであり、Cu拡散防止層は、Niを含み、活物質層は、複数の凝集粒子を含み、凝集粒子は、複数の微粒子を含み、微粒子は、Snを含み、凝集粒子の高さは、15μm以上であり、凝集粒子の周囲には空隙が形成されている、リチウム二次電池用負極。
【選択図】図2

Description

本発明は、サイクル特性に優れたリチウム二次電池に関し、特に、リチウム二次電池用負極とその製造方法に関する。
近年、携帯機器等の電子機器の発達に伴い、電子機器に対する高機能化および小型化のニーズが高まっている。電子機器の電源に用いられるリチウム二次電池に対しても、更なる高容量化とサイクル特性の向上が求められている。
そこで、特許文献1は、集電体と、その表面に形成されたSn皮膜と、を有するリチウム二次電池用負極を用いることを提案している。Sn皮膜は、電気メッキ法により形成される。このような負極は、電流密度とエネルギー密度が高く、充放電サイクル特性に優れたリチウム二次電池を与える。
特許文献2、3は、銅箔と、その表面に形成されたSn合金もしくはSnを含む金属間化合物と、を含む負極を提案している。Sn合金は、電気メッキもしくは無電解メッキにより形成される。金属間化合物は、メッキ後の熱処理により生成する。このような負極は、高容量で、ハイレートでの充放電(高率充放電)が可能な非水電解質二次電池を与える。
特許文献4、5は、集電体の表面に形成されたSn、Sn合金またはSnを含む金属間化合物に、空隙を形成することを提案している。空隙は、充放電サイクルの際に、負極の膨張および収縮に伴う応力を緩和する。空隙は、SnまたはSn合金を、メッキにより集電体に電着させる際に形成される。
特開2001−68094号公報 特開2001−256967号公報 特開2001−256968号公報 特開2004−178970号公報 特開2002−373647号公報
従来の円筒型または角型リチウム二次電池の負極は、カーボン材料を含む合剤層を50μm〜80μmの厚さで集電体上に担持させたものである。Snを含む活物質層により従来と同様の容量を得るためには、活物質層の厚さは15μm以上が必要となる。本発明は、このような負極の膨張および収縮に伴う応力を従来よりも効果的に緩和することにより、サイクル特性に優れたリチウム二次電池を提供することを目的とする。
負極において、Snを含む活物質層の厚さが15μm以上、さらには20μm以上である場合、サイクル特性は、集電体と活物質層との界面状態や、Snを含む微粒子の凝集状態に大きく影響される。
上記を鑑み、本発明は、集電体と、集電体上のCu拡散防止層と、Cu拡散防止層上の活物質層と、を含み、集電体は、Cuを含み、集電体の平均算術表面粗さRaは、0.3μm〜1μmであり、Cu拡散防止層は、Niを含み、活物質層は、リチウムの吸蔵および脱離が可能な複数の凝集粒子を含み、凝集粒子は、複数の微粒子を含み、前記微粒子は、Snを含み、凝集粒子の平均高さは、15μm以上(好ましくは15μm以上、30μm以下)であり、凝集粒子の周囲には空隙が形成されている、リチウム二次電池用負極に関する。凝集粒子は、例えば、柱状もしくは略角状(角の取れた立方体状もしくは直方体状)である。
集電体の平均算術表面粗さRaが0.3μm未満では、活物質層が平滑状に成長してしまう。一方、Raが1μmを超えると、活物質層に空隙を設けることはできるが、活物質量が少なくなり過ぎる。活物質の膨張のための空間と、容量とを兼ね備える観点からは、Raを0.3μm〜1μmとすることが有効である。
本発明では、凝集粒子の平均高さが15μm以上であることから、活物質層はかなり厚くなる。よって、高容量のリチウム二次電池を得ることができる。
本発明は、また、リチウムを吸蔵および放出可能な正極と、上記の負極とを含む、リチウム二次電池に関する。
本発明は、また、(i)平均算術表面粗さRaが0.1μm〜0.3μmのCuを含む箔上に、電解メッキ法でCuをメッキして、平均算術表面粗さRaが0.3μm〜1μmの集電体を形成し、(ii)集電体上に、電解メッキ法または無電解メッキ法でNiをメッキして、厚さ0.5μm〜2μmのCu拡散防止層を形成し、(iii)Cu拡散防止層上に、電解メッキ法でSnをメッキして、複数のSnの微粒子を含む平均高さ15μm以上の凝集粒子を形成する、工程を含む、リチウム二次電池用負極の製造方法に関する。
本発明は、更に、(i)平均算術表面粗さRaが0.1μm〜0.3μmのCuを含む箔に、化学エッチングもしくは電解エッチングを施して、平均算術表面粗さRaが0.3μm〜1μmの集電体を形成し、(ii)集電体上に、電解メッキ法または無電解メッキ法でNiをメッキして、厚さ0.5μm〜2μmのCu拡散防止層を形成し、(iii)Cu拡散防止層上に、電解メッキ法でSnをメッキして、複数のSnの微粒子を含む平均高さ15μm以上の凝集粒子を形成する、工程を含む、リチウム二次電池用負極の製造方法に関する。
Cuを含む集電体とSnを含む活物質層との間に、Niを含むCu拡散防止層を配置することにより、Cuの活物質層への拡散を防止することができる。よって、高容量を維持することができる。また、活物質層を構成する凝集粒子が、その周囲に空隙を有することにより、活物質層の厚さ(すなわち凝集粒子の平均高さ)が15μm以上の場合でも、負極の応力を十分に緩和することが可能となる。よって、優れたサイクル特性を得ることができる。以上より、高容量で、サイクル特性に優れたリチウム二次電池が得られる。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を例示するが、本発明は以下に限定されない。
本発明のリチウム二次電池用負極は、集電体と、集電体上のCu拡散防止層と、Cu拡散防止層上の活物質層とを含む。集電体の形状は、一般にシート状もしくは帯状である。活物質層は、集電体の片面だけに設けられていてもよく、両面に設けられていてもよい。Cu拡散防止層は、集電体と、その片面または両面の活物質層との間に介在している。
集電体には、Cuを含む箔を用いることができる。例えば、銅箔または銅合金箔を集電体として用いることができる。集電体の厚さは、例えば9〜24μmである。集電体の平均算術表面粗さRaは、0.3〜1μmであることが好ましく、0.6〜1μmであることが更に好ましい。集電体が厚すぎると、負極の容量密度が減少する場合があり、薄すぎると、負極の強度が低下する場合がある。
集電体は、Cuを含む箔と、その上にメッキされたCu層とを含むものでもよい。この場合、下地のCuを含む箔の平均算術表面粗さRaは、特に限定されない。例えば、下地のCuを含む箔として、Raが0.1〜0.3μmもしくは0.1〜0.2μmの圧延銅箔を用いることができる。メッキによるCu層の厚さは0.2〜2μmが好適である。
Cu拡散防止層は、Niを含み、集電体から活物質層へのCuの拡散を防止する機能を果たす。この機能を十分に確保する観点から、Cu拡散防止層の厚さは、0.5〜2μmが好ましく、0.5〜1μmが更に好ましい。Cu拡散防止層の厚さが0.5μm未満では、集電体から活物質層へのCuの拡散を十分に防止できない場合があり、2μmをこえると、負極の厚さが大きくなり、負極の容量密度が低下する場合がある。
Cu拡散防止層の厚さは、集電体の表面の平均線から、Cu拡散防止層の表面の平均線までの距離に相当する。なお、「平均線」は、表面粗さRaを定義するJIS規格で用いられている用語であり、粗さ曲線の平均値から求めた直線を意味する。具体的には、負極を樹脂埋めし、集電体の表面に対して垂直な断面が得られるように、樹脂埋めされた負極を研磨する。研磨された断面をSEMで観察し、集電体の表面およびCu拡散防止層の表面を示す平均線を求める。ただし、簡易的には、一般的な厚さ測定装置を用いて、集電体の厚さを計測し、Cu拡散防止層を形成した後の集電体の厚さを計測し、これらの差を求めれば、Cu拡散防止層の厚みを算出することができる。この場合の算出結果は、平均線を用いて厳密に測定した厚みとほぼ一致することが、実験上明らかとなっている。
Cu拡散防止層は、例えば、ニッケルメッキ(Ni層)、ニッケル−リン層(ニッケル−リンメッキ)であればよい。ただし、高温での耐酸化性に優れ、熱膨張係数の小さいニッケル−ホウ素層(ニッケル−ホウ素メッキ)が特に好ましい。例えば、ホウ素を0.5〜1.2重量%含むCu拡散防止層(ニッケル−ホウ素層)を用いることにより、集電体と活物質層との接合抵抗を、長期的に亘って安定に維持することができる。
活物質層は、例えば柱状もしくは略角状の複数の凝集粒子を含み、凝集粒子は、複数の微粒子を含み、微粒子は、Snを含む。微粒子は、Snの他に、例えば、Cu、Fe、Ni、Co、Mo、W、Taなどの遷移金属を含んでいてもよい。この場合、活物質層に含まれるSnの含有量は、例えば60重量%以上である。
微粒子の平均粒径は、0.2〜5μmであることが好ましく、1〜3μmであることが更に好ましい。このような微粒子は、例えば電解メッキ法でSnをCu拡散防止層上にメッキすることにより得ることができる。微粒子の平均粒径が0.2μm未満では、凝集粒子内の微粒子界面の増大に伴い、凝集粒子が高抵抗となる。微粒子の平均粒径が5μmをこえると、リチウムの挿入脱離に伴う膨張収縮により、凝集粒子が微粉化され、集電性が低下する。
微粒子の平均粒径は、例えば、活物質層の表面のSEM写真を撮影し、任意の100個の微粒子を選択し、それらの微粒子の直径を平均することにより求められる。各微粒子の直径は、その微粒子の最大径と最小径とを平均することにより求められる。
本発明では、高容量を確保する観点から、凝集粒子の高さを15μm以上としている。より高容量を確保する観点から、凝集粒子の高さは20μm以上であることが好ましい。凝集粒子の高さが15μm未満では、負極全体に占める集電体とCu拡散防止層の体積割合が大きくなりすぎる。
凝集粒子の高さは、例えば、負極の断面SEM写真から求めることができる。具体的には、負極を集電体の表面に対して垂直に切断し、断面SEM写真を撮影し、任意の10個の凝集粒子を選択する。それらの凝集粒子の高さを平均することにより、平均高さが求められる。凝集粒子の平均高さは、活物質層の厚さに相当する。あるいは、断面SEM写真において、空隙を除外して、活物質層の表面の平均線を求める。そして、活物質層の表面の平均線からCu拡散防止層の表面の平均線までの距離を求める。得られた距離は、凝集粒子の平均高さ(活物質層の厚さ)に相当する。
凝集粒子の平均直径は、例えば5μm〜30μmである。凝集粒子の平均直径が大きすぎると、リチウムの挿入脱離に伴う膨張収縮により、集電体が変形する場合がある。凝集粒子の平均直径が小さすぎると、空隙率が高くなるため、容量の低下を招く場合がある。平均直径は、活物質層の上面のSEM写真を撮影し、任意の20個の凝集粒子を選択し、それらの凝集粒子の直径を平均することにより求められる。各凝集粒子の直径は、その凝集粒子の最大径と最小径とを平均することにより求められる。
凝集粒子の周囲には、空隙が形成されている。よって、活物質層は高い空隙率を有する。活物質層の空隙率は、例えば25〜60%であり、40〜50%であることが好ましい。空隙率が小さすぎると、良好な充放電サイクル特性が得られず、大きすぎると、高容量が得られない。
活物質層の空隙率Pは、活物質の密度Dと、活物質層の重量Wと、活物質層の厚さTと、活物質層の面積Sから計算で求めることができる(P(%)=100〔{ST−(W/D)}/ST〕)。ただし、活物質層の面積Sは、凝集粒子と空隙とを含めた活物質層の、上面からの投影面積である。
図1は、本発明の一実施形態に係る負極の表面状態を示すSEM写真である。図1は、複数の微粒子1を含む凝集粒子2の周囲に、空隙3が形成されている様子を示している。一方、図2は、負極の断面概念図である。集電体6は、Cu箔4と、その上にメッキで形成されたCu層5とを含む。Cu層5の上には、Cu拡散防止層7が形成されており、その上に複数の柱状の凝集粒子2が形成されている。凝集粒子2は複数の微粒子1を含んでいる。凝集粒子2の周囲には、空隙3が形成されている。空隙3は、主に負極に発生する応力を緩和する役割を果たす。
次に、本発明の負極の製造方法について例示する。
まず、平均算術表面粗さRaが0.1μm〜0.3μmのCuを含む箔上に、電解メッキ法もしくは無電解メッキ法でCuをメッキして、平均算術表面粗さRaが0.3μm〜1μmの集電体を形成する。なお、Raが0.1μm〜0.3μmのCuを含む箔は、入手が容易であり、安価である。
特に表面粗さを制御する観点からは、無電解メッキよりも、電解メッキ法の方が好適である。例えば、陰極電流密度2〜4A/dm2で、0.5〜1μm/分の成膜速度で、1〜2分間の電解メッキを行うことが望ましい。メッキ液の温度は、30℃以下、更には30〜25℃であることが好ましい。液温が30℃をこえると、平均算術表面粗さRaが0.3μm未満になりやすい。
電解メッキ法で用いるメッキ液は、硫酸銅と硫酸とを含むことが好ましい。メッキ液における硫酸銅の濃度は、0.24〜0.36モル/リットルが好適である。メッキ液における硫酸の濃度は、1.7〜2.2モル/リットルが好適である。メッキ液は、更に、リン酸および塩素イオンを、それぞれ5000〜15000ppmおよび30〜75ppm含むことが好ましい。
下地となるCuを含む箔に、電解メッキもしくは無電解メッキを施す代わりに、化学エッチングもしくは電解エッチングを施して、平均算術表面粗さRaが0.3μm〜1μmの集電体を形成してもよい。
次に、集電体上に、電解メッキ法または無電解メッキ法でNiをメッキして、厚さ0.5μm〜2μmのCu拡散防止層を形成する。ここでは、0.1〜0.12μm/分の成膜速度で、5〜20分間の無電解メッキを行うことが好ましい。メッキ液の液温は、60〜65℃が好ましい。
無電解メッキ法で用いるメッキ液は、例えばニッケル−ホウ素メッキを行う場合には、ニッケル化合物とジメチルアミンボラン還元剤とを含む溶液(例えば上村工業(株)のBEL801(商品名))が好適である。ニッケル−リンメッキを行う場合には、ニッケル化合物と次亜リン酸ナトリウムとを含む溶液(例えば日本カニゼン(株)のS−780(商品名))が好適である。
次に、Cu拡散防止層上に、電解メッキ法でSnをメッキして、複数のSnの微粒子を含む高さ15μm以上の凝集粒子を形成する。このとき、陰極電流密度は0.05〜0.5A/dm2が好ましく、0.1〜1μm/分の成膜速度で、15〜150分間の電解メッキを行うことが望ましい。メッキ液の液温は、25〜38℃が好ましい。
電解メッキ法で用いるメッキ液は、硫酸第一スズ、硫酸、アンモニア水を含むことが好ましい。メッキ液における第一硫酸スズの濃度は0.1〜0.3モル/リットルが好適である。
次に、リチウム二次電池について説明する。
本発明のリチウム二次電池は、リチウムを吸蔵および放出可能な正極と、上記の負極と、電解質とを含むこと以外、特に限定されない。例えば、本発明のリチウム二次電池の形状は限定されず、円筒型、角型、コイン型、ボタン型、扁平型、シート型などのいずれでもよい。正極、電解質、セパレータなども特に限定されず、公知のものを適用可能である。
正極は、正極活物質を含む。正極活物質には、例えば、リチウムと遷移金属とを含む複合酸化物や複合硫化物が用いられる。遷移金属は、Ti、Mn、Fe、Ni、Co等であることが好ましい。正極活物質は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。その他、有機導電性材料(共役系ポリマー)、シェブレル相化合物なども正極活物質として用いることができる。
電解質は、固体電解質、液体電解質およびポリマー電解質のいずれでもよい。液体電解質としては、非水溶媒にリチウム塩を溶解させた非水電解液が好ましい。非水溶媒としては、例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネートなどの炭酸エステル類、γ―ブチロラクトンなどのγ−ラクトン類、1,2―ジメトキシエタン、1,2―ジエトキシエタン、エトキシメトキシエタンなどの鎖状エーテル類、テトラヒドロフランなどの環状エーテル類、アセトニトリルなどのニトリル類を用いることができる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。リチウム塩としては、例えば、LiBF4、LiPF6などが好ましい。これらは単独で用いてもよく、組み合わせて用いてもよい。
セパレータには、ポリプロピレンやポリエチレンなどのポリオレフィンを含む微多孔膜、ガラスフィルタ、不織布などを用いることができる。
次に、本発明を実施例に基づいて具体的に説明する。
《実施例1》
図1および2に示すような構造を有する負極を作製した。
(i)集電体の作製
厚さ10μmの圧延Cu箔(Ra:0.15μm)上に、電解メッキ法でCuをメッキした。具体的には、圧延Cu箔を陰極に用い、リン含有量0.02〜0.06重量%の銅板を陽極に用いた。陰極電流密度3A/dm2、メッキ液の液温28〜30℃の条件で、電流を印加して、約0.6μm/分の成膜速度で、3分間の電解メッキを行った。その結果、平均厚さ約2μmのCu層が形成され、Raが0.8μmの集電体が得られた。
電解メッキ法で用いるメッキ液は、以下の要領で調製した。
純水に、硫酸銅五水和物(和光純薬工業(株)製)75g、98%硫酸(和光純薬工業(株)製)190g、リン酸(和光純薬工業(株)製)12mg、カパーグリームST−901AM(日本リーロナール(株)製)2ml、および、カパーグリームST−901BM(日本リーロナール(株)製)20mlを添加し、全量が1リットルの混合液を得た。更に、混合液に、塩素イオン濃度が50ppmとなるように36%塩酸(和光純薬工業(株)製)を滴下し、メッキ液を得た。なお、日本リーロナール(株)製の上記試薬は、錯化剤と還元剤とを含む。
(ii)Cu拡散防止層の形成
得られた集電体上に、無電解メッキ法でNiをメッキした。具体的には、集電体をメッキ液に浸漬し、メッキ液の液温を63〜65℃に設定し、約0.1μm/分の成膜速度で、5分間の無電解メッキを行った。成膜速度はメッキ液の組成と温度で制御した。その結果、平均厚さ約0.5μmのNi層が形成された。
無電解メッキ法で用いるメッキ液は、以下の要領で調製した。
純水に、BEL801−S(上村工業(株)製)60ml、BEL801−R(上村工業(株)製)60ml、および、BEL801−M(上村工業(株)製)60mlを添加し、全量が1リットルのメッキ液を得た。メッキ液におけるNi元素濃度は0.1モル/リットルで、ホウ素元素の濃度は約0.001モル/リットルであった。
Ni層に含まれるホウ素の含有量は0.8重量%であった。
(iii)活物質層の形成
Cu拡散防止層上に、電解メッキ法でSnをメッキした。具体的には、Ni層を形成した集電体を陰極に用い、Sn板を陽極に用いた。陰極電流密度0.2A/dm2、メッキ液の液温30〜32℃の条件で、電流を印加して、約0.2μm/分の成膜速度で、75分間の電解メッキを行った。その結果、Sn層が形成された。
メッキ液には、ハートボンダーSN22(キザイ(株)製)を用い、メッキ液におけるSn濃度は約0.1モル/リットルとした。
得られた活物質層(Sn層)をSEMで分析したところ、活物質層は、Sn微粒子を含む柱状の凝集粒子で構成されていることが判明した。微粒子の平均粒径は1.8μmであった。凝集粒子の平均高さは15μmであり、上面から見た平均直径は12μmであった。活物質層の空隙率は45%であった。
《比較例1》
集電体を作製する工程(i)において、メッキ液の液温を39〜42℃に設定して電解メッキを行ったこと以外、実施例1と同様に、負極を作製した。得られた負極の表面SEM写真を図4に示す。活物質層の全域にわたって微粒子1が密集しており、活物質層に空隙が形成されていないことが確認できる。なお、Cuをメッキした後の集電体のRaは0.2μmであり、実施例1の場合より小さいことが確認された。
比較例1では、微粒子の平均粒径は2μmであった。凝集粒子の平均高さは10μmであり、平均直径は40μmであった。活物質層の空隙率は20%であった。
《比較例2》
工程(ii)を省略し、Ni層を形成しなかったこと以外、実施例1と同様に、負極を作製した。得られた負極の表面状態をSEMで観察したところ、実施例1とほとんど同じ表面状態であった。
比較例2では、微粒子の平均粒径は1.7μmであった。凝集粒子の平均高さは15μmであり、平均直径は13μmであった。活物質層の空隙率は48%であった。
[評価セルの作製]
得られた負極を、直径11.3mmの円盤状に切り出した。この円盤状の負極を作用電極に用い、直径11.5mmの円盤状の金属リチウム箔を対極に用いて、図3に示すような評価セル8を作製した。評価セル8は、外径18mm、高さ2mmのコイン形とした。
評価セル8は、以下の要領で組み立てた。
電池缶からなるケース9の内底面に負極10を配置した。負極10の上面を覆うようにセパレータ11を配置した。セパレータ11の上から非水電解液をケース9内に注液した。ポリプロピレン製のガスケット13を周縁部に配した封口板14を作製した。封口板14の内面に金属リチウム箔12を圧着した。その後、封口板14でケース9の開口を封口することにより、評価セルを完成させた。
非水電解液は、以下の要領で調製した。
エチレンカーボネートと、メチルエチルカーボネートと、ジエチルカーボネートとを、体積比3:5:2で混合した。得られた混合溶媒に、LiPF6を1モル/リットルの濃度で溶解させ、非水電解液とした。
[評価]
評価セルの充放電を繰り返し、サイクル数と容量比率(%)との関係を測定した。ここで、容量比率(%)とは、実施例1の評価セルの初期容量(100%)に対する、各評価セルの各サイクルで得られる実測容量の割合をいう。実測容量は、負極からLiが放出される際の容量であり、実施例1の初期容量は、負極の1cm3あたり1720mAhである。
充放電条件は、充電電流0.5mA、放電電流0.5mA、充電停止電圧1V、放電停止電圧0V、充電と放電との間の休止時間10分、計測環境温度20℃とした。
表1に、サイクル数と容量比率との関係を示す。
表1において、実施例1と比較例1の結果を比較すると、実施例1のサイクル特性が顕著に優れていることがわかる。よって、集電体の平均算術表面粗さRaは0.3μm〜1μmが好ましい。
表1において、実施例1と比較例2の結果と比較すると、実施例1の初期容量およびサイクル特性が顕著に優れていることがわかる。よって、Niを含むCu拡散防止層が、初期容量およびサイクル特性に、有効に寄与していることがわかる。なお、Cu拡散防止層が0.5μm未満では、集電体からCuが活物質層に拡散する。また、Cu拡散防止層が2μmをこえると、負極の厚さが大きくなり、初期容量が低下する。よって、Cu拡散防止層の暑さは0.5μm〜2μmの範囲が好ましい。
なお、集電体を作製する工程(i)において、圧延Cu箔にCuメッキを施す代わりに化学エッチングもしくは電解エッチングを施して、Raが0.8μmの集電体を形成したこと以外、実施例1と同様に負極を作製した。得られた負極を用いて上記と同様の評価を行ったところ、実施例1と同程度の初期容量とサイクル特性が得られた。
本発明のリチウム二次電池用負極を用いたリチウム二次電池は、高容量で、サイクル特性に優れている。本発明は、例えば、携帯情報端末、携帯電子機器、家庭用小型電力貯蔵装置、自動二輪車、電気自動車、ハイブリッド電気自動車等の電源として用いられるリチウム二次電池に適用することができる。
本発明の一実施形態に係るリチウム二次電池用負極の表面状態を示すSEM写真である。 本発明の一実施形態に係るリチウム二次電池用負極の断面図概念図である。 本発明の実施例に係る評価セルの概略断面図である。 比較例に係るリチウム二次電池用負極の表面状態を示すSEM写真である。
符号の説明
1 微粒子
2 凝集粒子
3 空隙
4 Cu箔
5 Cu層
6 集電体
7 Cu拡散防止層
8 評価セル
9 ケース
10 負極
11 セパレータ
12 金属リチウム箔
13 ガスケット
14 封口板

Claims (10)

  1. 集電体と、前記集電体上のCu拡散防止層と、前記Cu拡散防止層上の活物質層と、を含み、
    前記集電体は、Cuを含み、前記集電体の平均算術表面粗さRaは、0.3μm〜1μmであり、
    前記Cu拡散防止層は、Niを含み、
    前記活物質層は、リチウムの吸蔵および脱離が可能な複数の凝集粒子を含み、前記凝集粒子は、複数の微粒子を含み、前記微粒子は、Snを含み、
    前記凝集粒子の平均高さは、リチウム脱離時で15μm以上であり、前記凝集粒子の周囲には空隙が形成されている、リチウム二次電池用負極。
  2. 前記集電体は、Cuを含む箔と、前記Cuを含む箔上のCuメッキと、を含み、前記Cuを含む箔の平均算術表面粗さRaは、0.1μm〜0.3μmである、請求項1記載のリチウム二次電池用負極。
  3. 前記Cu拡散防止層の厚さが、0.5μm〜2μmである、請求項1記載のリチウム二次電池用負極。
  4. 前記Cu拡散防止層が、0.5重量%〜1.2重量%のホウ素を含む、請求項1記載のリチウム二次電池用負極。
  5. 前記微粒子の平均粒径が、0.2μm〜5μmである、請求項1記載のリチウム二次電池用負極。
  6. 前記凝集粒子を前記活物質層の上面から見たときの平均直径が、5μm〜30μmである、請求項1記載のリチウム二次電池用負極。
  7. リチウムを吸蔵および放出可能な正極と、請求項1〜6のいずれかに記載のリチウム二次電池用負極と、を含むリチウム二次電池。
  8. (i)平均算術表面粗さRaが0.1μm〜0.3μmのCuを含む箔上に、電解メッキ法でCuをメッキして、平均算術表面粗さRaが0.3μm〜1μmの集電体を形成し、
    (ii)前記集電体上に、電解メッキ法または無電解メッキ法でNiをメッキして、厚さ0.5μm〜2μmのCu拡散防止層を形成し、
    (iii)前記Cu拡散防止層上に、電解メッキ法でSnをメッキして、複数のSnの微粒子を含む平均高さ15μm以上の凝集粒子を形成する、工程を含む、リチウム二次電池用負極の製造方法。
  9. 前記工程(i)において、硫酸銅と硫酸とを含む液温30℃以下のメッキ液を用いて、前記Cuを含む箔上に、電解メッキ法でCuをメッキする、請求項8記載のリチウム二次電池用負極の製造方法。
  10. (i)平均算術表面粗さRaが0.1μm〜0.3μmのCuを含む箔に、化学エッチングもしくは電解エッチングを施して、平均算術表面粗さRaが0.3μm〜1μmの集電体を形成し、
    (ii)前記集電体上に、電解メッキ法または無電解メッキ法でNiをメッキして、厚さ0.5μm〜2μmのCu拡散防止層を形成し、
    (iii)前記Cu拡散防止層上に、電解メッキ法でSnをメッキして、複数のSnの微粒子を含む平均高さ15μm以上の凝集粒子を形成する、工程を含む、リチウム二次電池用負極の製造方法。
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