JP2008094681A - 水素含有ガスの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】耐久性の向上した触媒を用いて効率的に水素含有ガス、特に、低コストで燃料電池用の水素含有ガスの製造する方法を提供する。
【解決手段】Ni、MgおよびAlを含むと共にPt、Pd、Ir、RhおよびRuの中から選ばれる少なくとも1種の貴金属元素を含む触媒を酸素含有ガスを用いて間欠的に再生処理しながら炭化水素の改質反応を行なうことを特徴とする水素含有ガスの製造方法である。
【選択図】なし

Description

本発明は、水素含有ガスの製造方法に関する。さらに詳しくは、特定の触媒を間欠的に再生処理しながら炭化水素の改質反応を行なう水素含有ガスの製造方法、特に燃料電池用の水素含有ガスの製造方法に関するものである。
近年、環境問題から新エネルギー技術が脚光を浴びており、この新エネルギー技術の一つとして燃料電池が注目を集めている。この燃料電池は、水素と酸素を電気化学的に反応させることにより、化学エネルギーを電気エネルギーに変換させるものであって、エネルギーの利用効率が高いという特徴を有しており、民生用、産業用または自動車用等として、実用化研究が積極的になされている。
この燃料電池には、使用する電解質の種類に応じて、リン酸型、溶融炭酸塩型、固体酸化物型および固体高分子型等のタイプが知られている。一方、水素源としては、メタノールおよびメタンを主体とする液化天然ガス、この天然ガスを主成分とする都市ガス、天然ガスを原料とする合成液体燃料、さらには、石油系のLPG、ナフサおよび灯油等の石油系炭化水素の使用の研究がなされている。
これらの石油系炭化水素を用いて水素を製造する場合、一般に、同炭化水素に対して、触媒の存在下に水蒸気改質処理、自己熱改質処理、部分酸化改質処理などがなされている。
このような炭化水素の改質触媒として、従来ルテニウム系触媒やニッケル系触媒が知られており、そして、ハイドロタルサイト(多孔性複合水酸化物の水和物)を経由して調製された触媒は、活性が高いことも知られている。
ハイドロタルサイト経由で調製された炭化水素改質触媒としては、例えば、ハイドロタルサイトを前駆体として、その構成元素(Mg、Al)の一部を活性金属である貴金属(RhまたはRu)または遷移金属元素で置換、焼成し、活性金属種を内部から表面に染み出させて高分散化した金属微粒子担持炭化水素改質用触媒、マグネシウムとアルミニウムとニッケルを含む、ハイドロタルサイト経由で調製した改質触媒等が知られている。
ところで、水素製造において、特に家庭用や業務用定置式燃料電池用の水素を製造する場合、夜間の電気使用量の少ない場合、燃料電池の運転を停止するというDSS運転方法が採用されるのが一般的である。この場合、安全上または水分の凝縮による触媒への損傷を抑えるため、および活性成分の変質、活性成分の揮散や溶出、シンタリング、毒物による被毒、触媒表面または内部での炭素質(コーク)の析出等で経時的に触媒活性が低下していくため、通常、改質器内に残った改質ガスや水分をパージすることが行われている。
この改質ガスや水分をパージする場合、不活性ガスである窒素を用いるのが理想的である(例えば、特許文献1、2参照)が、通常窒素ガスは備え付けられていないので、例えば燃料ガス(都市ガスなど)や水蒸気や空気を用いることが試みられている。しかしながら、燃料ガスをパージ用に用いると、発電に用いられるべき燃料としての利用がされないため結局トータルの発電効率が低下するし、水蒸気を用いる場合は、凝縮水による起動時の触媒への悪影響や、起動時間が長くなるという影響を避けられず、また空気を用いる場合は、触媒が空気により酸化劣化するため、触媒の寿命が低下するなどの問題があった。
たとえば、改質器内のパージについて、水蒸気を流通させて可燃性ガスをパージした後、酸化温度以下になった時点で水蒸気を空気でパージすることが提案されている(たとえば、特許文献3)。しかし、酸化温度以下の温度で空気を導入することを必須としており、例えば、原料ガスとして都市ガスを用い、Ni系触媒(ハイドロタルサイトを経由しない触媒)を用い、改質触媒温度が330℃以下になった時点で空気を導入している。この方法は、温度の管理が複雑であり、また、触媒の寿命への影響についての記載はない。
また、改質器内のパージを燃料ガスにて行うことが開示されている(たとえば、特許文献4)。しかし、ハイドロタルサイト状層状化合物から調製された貴金属元素を含む触媒を使用することは記載されていない上、前述のように本来燃料ガスとして使用すべきガスをパージ用に使用することで、効率が低下するという欠点がある。
さらに、触媒の再生処理方法として、改質反応停止時の初期には改質に使用していた水蒸気にて改質器内をパージし、内部温度が結露温度またはその近傍付近になったときに、パージ流体を水蒸気から不活性ガスに切り替えることが提案されている(たとえば、特許文献5)。しかし、この場合、温度監視が複雑になり、また発電時には使用しない不活性ガスを具備する必要があるという欠点を有する上、ハイドロタルサイト状層状化合物を使用しているわけではない。
一方、ハイドロタルサイト状層状化合物を焼成して製造された、貴金属元素を含む改質触媒が開示されている(例えば、特許文献6〜10参照)。しかし、これらの公報のいずれにも触媒再生処理についての記載がない。
さらに、ハイドロタルサイト経由で調製したマグネシウム、アルミニウム、ニッケルおよびルテニウムを構成元素とする炭化水素分解用触媒が提案(例えば、特許文献11参照)されており、詳細な説明で「十分な触媒活性、耐久性、耐コーキング性、硫黄被毒性があり、DSSを導入した燃料電池システムにおいて最適な触媒である」という記載がある。しかし、触媒再生処理についての記載はない。
加えて、ハイドロタルサイト経由で調製したマグネシウム、アルミニウム、ニッケルを構成元素とし、かつアルカリ金属(Naを除く)、アルカリ土類金属(Mgを除く)、Zn、Co、Ce、Cr、FeおよびLaの中から選ばれる少なくとも1種の元素を含有する触媒が開示されている。(例えば、特許文献12参照)。しかし、触媒再生処理についての記載はない。
特開平7−6779号公報 特開平8−222259号公報 特開2002−8701号公報 特開2003−229149号公報 特開2004−137108号公報 特開2003−135967号公報 特開2003−290657号公報 特開2004−255245号公報 特開2005−224722号公報 特開2005−288259号公報 特開2006−061759号公報 特開2006−061760号公報
本発明は、このような状況下で、耐久性の向上した触媒を用いて効率的に水素含有ガス、特に、低コストで燃料電池用の水素含有ガスの製造する方法を提供することを目的とするものである。
本発明者らは、前記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、炭化水素を改質して水素含有ガス、特に、燃料電池用の水素含有ガスを製造するに当たり、ハイドロタルサイト状層状化合物を経由して得られる特定の触媒を酸素含有ガスを用いて間欠的に再生処理しながら反応を行なわせることにより、その目的を達成し得ることを見出した。本発明は、かかる知見に基づいて完成されたものである。
すなわち、本発明は下記(1)〜(12)
(1)Ni、MgおよびAlを含むと共にPt、Pd、Ir、RhおよびRuの中から選ばれる少なくとも1種の貴金属元素を含む触媒を酸素含有ガスを用いて間欠的に再生処理しながら炭化水素の改質反応を行なうことを特徴とする水素含有ガスの製造方法、
(2)前記触媒がハイドロタルサイト状層状化合物を経由して得られたものである上記(1)に記載の製造方法、
(3)前記触媒がハイドロタルサイト状層状化合物の焼成後に、貴金属成分を担持させることにより得られたものである上記(1)または(2)に記載の製造方法、
(4)前記貴金属元素が、Rhおよび/またはRuである上記(1)〜(3)のいずれかに記載の製造方法、
(5)前記酸素含有ガスが空気である上記(1)〜(4)のいずれかに記載の製造方法、
(6)前記酸素含有ガス中の酸素濃度を再生処理初期は低く抑え、徐々に高めていく上記(1)〜(5)のいずれかに記載の製造方法、
(7)前記酸素含有ガスの空間速度が500〜100,000h-1である請求項1〜6のいずれかに記載の製造方法。
(8)前記酸素含有ガスの供給停止後、水素還元処理する上記(1)〜(7)のいずれかに記載の製造方法、
(9)前記再生処理が400〜800℃で行なわれる上記(1)〜(8)のいずれかに記載の製造方法、
(10)前記炭化水素中の硫黄分が0.1質量ppm以下である上記(1)〜(9)のいずれかに記載の製造方法、
(11)前記炭化水素の改質が、水蒸気改質、自己熱改質または部分酸化改質である上記(1)〜(10)のいずれかに記載の製造方法、
(12)水素含有ガスが燃料電池用の水素含有ガスである上記(1)〜(11)のいずれかに記載の製造方法を提供するものである。
本発明によれば、再生処理触媒を用いることで、触媒の費用を低く抑えることが可能となる。また、オンサイトで触媒を再生処理する(改質器から触媒を抜き出さずに、改質器内で触媒を再生処理する)場合は、改質器の分解・触媒の抜き出しを行う必要がないため費用も節約できる。
本発明で用いる触媒は、Ni、MgおよびAlを含むと共に、Pt、Pd、Ir、RhおよびRuの中から選ばれる少なくとも1種の貴金属元素を含む、炭化水素を改質して水素含有ガスを製造する触媒(以下、炭化水素改質触媒と称することがある)であり、この炭化水素改質触媒は、特にハイドロタルサイト状層状化合物を経由して得られたものであることが、触媒活性及び耐久性の面から好ましい。
ハイドロタルサイトは、元来下記式(1)表される粘土鉱物である。
Mg6Al2(OH)16CO3・4H2O・・・・・(1)
近年になり、2価の金属陽イオン[M(II)2+] 、3価の金属陽イオン[M(III)3+]およびn価の層間陰イオン(An-)を含む下記式(2)で表される物質が、ハイドロタルサイト状物質、ハイドロタルサイト様化合物、ハイドロタルサイト構造体、あるいは単にハイドロタルサイトと呼称されるようになった。
[(M(II)2+1-X(M(III)3+x(OH-2X+(An- x/n)・mH2O
・・・・・式(2)
式(1)で表されるハイドロタルサイトは、「OH-(0.75Mg2+、0.25AI3+)OH-」がブルサイト層として面状の骨格をなし、その層間に負の電荷をもつ0.125CO3 2-と0.5H2Oとが挟まれた構造を有している。ブルサイト層内のMg2+とAl3+との比率は広い範囲で変えることができ、それにより、ブルサイト層内の正電荷の密度を制御することが可能である。
上記触媒における貴金属成分の含有量は、酸化に対する耐性、触媒活性および経済性のバランスなどの観点から、金属元素として好ましくは0.05〜3質量%、より好ましくは0.1〜2.0質量%、さらに好ましくは0.2〜1.0質量%である。なお、貴金属元素としては、触媒活性の観点から、特にRhおよび/またはRuであることが好ましい。
Ni成分の含有量は、触媒活性および経済性のバランスなどの観点から、金属元素として、好ましくは5〜25質量%、より好ましくは8〜20質量%、さらに好ましくは10〜20質量%である。
また、Mg元素およびAl元素の含有量については、Mg元素とAl元素との合計モル数を1とした場合、Mg元素は0.5〜0.85であることが好ましく、0.6〜0.8であることがより好ましい。Mg元素のモル数が0.5以上であれば多孔質担体としての特性が発揮され、また0.85以下であれば十分な強度が得られる。
上記触媒を構成する各元素源としては、以下に示す化合物を挙げることができる。
貴金属元素(Ru)源であるルテニウム化合物としては、例えばRuCl3・nH2O、Ru(NO33、Ru2(OH)2Cl4・7NH3・3H2O、K2(RuCl5(H2O))、(NH42(RuCl5(H2O))、K(RuCl5(NO))、RuBr3・nH2O、Na2RuO4、Ru(NO)(NO33、(Ru3O(OAc)6(H2O)3)OAc・nH2O、K4(Ru(CN)6)・nH2O、K2(Ru(NO24(OH)(NO))、(Ru(NH36)Cl3、(Ru(NH36)Br3、(Ru(NH36)Cl2、(Ru(NH36)Br2、(Ru32(NH314)Cl6・H2O、(Ru(NO)(NH35)Cl3、(Ru(OH)(NO)(NH34)(NO32、RuCl2(PPh33、RuCl2(PPh34、RuClH(PPh33・C78、RuH2(PPh34、RuClH(CO)(PPh33、RuH2(CO)(PPh33、(RuCl2(cod))n、Ru(CO)12、Ru(acac)3、(Ru(HCOO)(CO)2n、Ru24(p−cymene)2、[Ru(NO)(edta)]-等のルテニウム塩を挙げることができる。
これらの成分を1種単独でも、2種以上を併用してもよい。
好ましくは、取扱い上の観点からRuCl3・nH2O、Ru(NO33、Ru2(OH)2Cl4・7NH3・3H2Oが用いられる。
貴金属元素(Rh)源であるロジウム化合物としては、例えば、Na3RhCl6、(NH42RhCl6、Rh(NH35Cl3、Rh(NO33、RhCl3等を挙げることができる。
貴金属元素(Pt)源である白金化合物としては、例えば、PtCl4、H2PtCl6、Pt(NH34Cl2、(MH42PtCl2、H2PtBr6、NH4[Pt(C24)Cl3]、Pt(NH34(OH)2、Pt(NH32(NO22等を挙げることができる。
貴金属元素(Pd)源であるパラジウム化合物としては、例えば、(NH42PdCl6、(NH42PdCl4、Pd(NH34Cl2、PdCl2、Pd(NO32等を挙げることができる。
貴金属元素(Ir)源であるイリジウム化合物としては、例えば、(NH42IrCl6、IrCl3、H2IrCl6等を挙げることができる。
Ni元素源であるニッケル化合物としては、例えばNi(NO32・6H2O、NiO、NiOH)2、NiSO4・6H2O、NiCO3、NiCO3・2Ni(OH)2・nH2O、NiCl2・6H2O、(HCOO)2Ni・2H2O、(CH3COO)2Ni・4H2Oなどを挙げることができる。
Mg元素源であるマグネシウム化合物としては、例えばMg(NO32・6H2O、MgO、Mg(OH)2、MgC24・2H2O、MgSO4・7H2O、MgSO4・6H2O、MgCl2・6H2O、Mg3(C6572・nH2O、3MgCO3・Mg(OH)2、Mg(C65COO)2・4H2Oなど挙げることができる。
Al元素源であるアルミニウム化合物としては、例えばAl(NO33・9H2O、Al23、Al(OH)3、AlCl3・6H2O、AlO(COOCH3)・nH2O、Al2(C243・nH2Oなどを挙げることができる。
上記触媒はハイドロタルサイト状層状化合物の焼成後に、貴金属成分を担持させることにより得られたものであることが好ましい。
このような触媒は、例えば以下に示す方法により、調製することができる。
硝酸ニッケルなどのNi源、硝酸マグネシウムなどのMg源、硝酸アルミニウムなどのAl源を水に溶かした水溶液と、水酸化ナトリウム水溶液を、炭酸ナトリウム水溶液中に同時にゆっくり滴下し、滴下中常にpHが一定となるように調整する。pHは9〜13程度がよい。次いで、生成した沈殿物を40〜100℃程度で30分ないし80時間程度、好ましくは1〜24時間程度熟成したのち、ろ過し、さらに80〜150℃程度で乾燥処理する。
次に、このようにして得られたハイドロタルサイト状層状化合物を、400〜1500℃程度の温度で焼成処理することにより、NiMgAlの複合酸化物を得ることができる。次いで、この複合酸化物に、Ru源であるRu(NO33のような貴金属化合物を含む水溶液を含浸させ、所定量の貴金属元素を担持させる。この際、貴金属元素がアニオン錯体の中に存在する場合には、イオン交換により貴金属元素を担持することも可能である。イオン交換を行う場合、NiMgAlの複合酸化物を水溶液中に入れると、メモリー効果により、ハイドロタルサイト構造に戻り、層間にアニオンサイトができるためである。貴金属元素を担持後、さらに400〜1500℃程度の温度で焼成処理する。
また、貴金属元素は、最初の沈殿生成反応中に、例えばニッケル源、マグネシウム源およびアルミニウム源と共に、貴金属源となる貴金属化合物を水溶液として導入することも可能である。
上記のように、ハイドロタルサイト状層状化合物を経由して調製された触媒の比表面積は通常5〜250m2/g、好ましくは7〜200m2/gである。比表面積が5m2/g未満の場合には、個々の粒子の板面径及び厚みが共に大きいため、触媒は、成形が困難である。250m2/gを越える場合には、個々の粒子があまりに微細であるため、水洗工程、濾別工程上の問題がある。
この改質反応に用いられる原料炭化水素としては、例えば、メタン、エタン、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン等の炭素数が1〜16程度の直鎖状または分岐状の飽和脂肪族炭化水素、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、シクロオクタン等の脂環式飽和炭化水素、単環および多環芳香族炭化水素、都市ガス、LPG、ナフサ、灯油等の各種の炭化水素を挙げることができる。
また、一般に、これらの原料炭化水素中に硫黄分が存在する場合には、脱硫工程を通して、通常、硫黄分が0.1質量ppm以下になるまで脱硫を行うことが好ましい。原料炭化水素中の硫黄分が0.1質量ppm程度より多くなると、炭化水素改質触媒が失活する原因になることがある。脱硫方法は特に限定されないが、水添脱硫、吸着脱硫等を適宜採用することができる。
炭化水素改質触媒を用いて行う炭化水素の改質としては、水蒸気改質、自己熱改質および部分酸化改質を好ましく挙げることができる。
次に、炭化水素の各改質反応について説明する。
[水蒸気改質反応]
反応条件としては、通常、スチーム/カーボン比(モル比)が1.5〜10、好ましくは1.5〜5、より好ましくは2〜4となるように炭化水素量と水蒸気量を決定すればよい。このようにスチーム/カーボン比(モル比)を調整することにより、水素含有量の多い生成ガスを効率よく得ることができる。
反応温度は、通常、200〜900℃、好ましくは250〜900℃、さらに好ましくは300〜800℃である。反応圧力は、通常0〜3MPa・G、好ましくは0〜1MPa・Gである。
灯油またはそれ以上の沸点を有する炭化水素を原料とする場合、炭化水素改質触媒層の入口温度を630℃以下、好ましくは600℃以下に保って水蒸気改質を行うのがよい。入口温度が630℃を超えると、炭化水素の熱分解が促進され、生成したラジカルを経由して触媒または反応管壁に炭素が析出して、運転が困難になる場合がある。
触媒層出口温度は特に制限はないが、650〜800℃の範囲が好ましい。出口温度が650℃以上であれば、水素の生成量が充分であり、また800℃以下であれば、反応装置は耐熱材料を用いなくてもよく、経済的に好ましい。
なお、水蒸気改質反応に使用する水蒸気としては特に制限はない。
[自己熱改質反応]
自己熱改質反応は炭化水素の酸化反応と炭化水素と水蒸気の反応が同一リアクター内または連続したリアクター内で起こり、通常、反応温度は200〜1,300℃、好ましくは400〜1,200℃、より好ましくは500〜900℃である。
スチーム/カーボン比(モル比)は、通常、0.1〜10、好ましくは0.4〜4である。酸素/カーボン比(モル比)は、通常、0.1〜1、好ましくは0.2〜0.8である。
反応圧力は、通常、0〜10MPa・G、好ましくは0〜5MPa・G、より好ましくは0〜3MPa・Gである。
炭化水素としては、水蒸気改質反応と同様なものが使用される。
[部分酸化改質反応]
部分酸化改質反応は炭化水素の部分酸化反応が起こり、通常、反応温度は350〜1,200℃、好ましくは450〜900℃である。酸素/カーボン比(モル比)は、通常、0.4〜0.8、好ましくは0.45〜0.65である。
反応圧力は、通常、0〜30MPa・G、好ましくは0〜5MPa・G、より好ましくは0〜3MPa・Gである。
炭化水素としては、水蒸気改質反応と同様なものが使用される。
以上の改質反応の反応方式としては、連続流通式、回分式のいずれの方式であってもよいが、連続流通式が好ましい。
連続流通式を採用する場合、炭化水素の液時空間速度(LHSV)は、通常、0.1〜10h-1、好ましくは、0.25〜5h-1である。
また、炭化水素としてメタン等のガスを用いる場合は、ガス時空間速度(GHSV)は、通常、200〜100,000h-1である。
反応形式としては、特に制限はなく、固定床式、移動床式、流動床式いずれも採用できるが、固定床式が好ましい。
反応器の形式としても特に制限はなく、例えば、管型反応器等を用いることができる。
上記のような炭化水素改質触媒を用いて、炭化水素の水蒸気改質反応、自己熱改質反応、部分酸化改質反応を行わせることにより水素を含む混合物を得ることができ、特に燃料電池の水素製造プロセスに好適に使用される。
上記のような炭化水素の各改質反応中においては、触媒中の活性成分の変質、活性成分の揮散や溶出、シンタリング、毒物による被毒、触媒表面または内部での炭素質(コーク)の析出等で経時的に触媒活性が低下していくのを現実的には避けることができない。
活性成分の変質というのは、使用中に触媒活性成分の相変化が生じたり、活性成分同士や活性成分と担体との間の相互作用によるものである。活性成分の揮散や溶出というのは、活性成分が蒸発して気相へ散逸したり、液相に溶解したりすることにより起きる。反応条件によっては、原料や生成物と反応して蒸発や溶解が起き易くなることがある。
シンタリングというのは、触媒を高温で長時間使用すると、微粒子の融合成長が起き、表面積が低下して活性点が減少することによるものである。ちなみに、還元雰囲気下での金属のシンタリングは金属の融点が低いほど起き易く、酸素雰囲気下では酸化物の蒸気圧が高いほど起き易い。シンタリングの起こり易さは温度だけでなく、雰囲気の条件に依存する。たとえば、シンタリングは一般的に水蒸気存在下で促進される。シンタリングにより、触媒活性が低下してしまうと再生処理が困難であるので、極力シンタリングが起きないように注意する必要がある。
毒物による被毒というのは、原料に含まれている毒物質が触媒の活性点に吸着して活性点が被毒を受けることにより起きる。原料や生成物よりも強く化学吸着しやすい窒素や硫黄を含んだ分子が毒物質になり易い。前記のように、原料炭化水素を脱硫工程を通して、硫黄分が0.1質量ppm以下になるまで脱硫を行うことが好ましいということはこの毒物質を除去することを目的としている。
炭素質(コーク)の析出というのは、原料である炭化水素が触媒表面や細孔入り口に析出し、活性点に近づけないために起きる。炭化水素の析出には、有機物の重合、脱水素環化反応により縮合多環芳香族化合物を経てグラファイトに至る経路と金属炭化物に至る経路があるといわれている。炭素質(コーク)の析出による触媒活性の低下を緩和するには酸強度の弱い、すなわち、酸量の少ない担体を選び、かつ担体の酸点をアルカリ(土類)金属酸化物の添加により中和させることが有効である。
本発明の特徴は上記のような種々の原因で経時的に触媒活性が低下していくのを酸素含有ガスを用いて間欠的に再生処理しながら上記各改質反応を行なわせることにある。
この間欠的な再生処理を行なう時期の判断基準としては、触媒の劣化状態があげられる。すなわち、活性の低下により原料の転化率がある値以下になった場合であるとか、あるいは、触媒層の反応温度分布の経時変化を測定する等により転化率が100%を下回る直前の状態を検知し、その時に再生をする場合がある。又は、触媒の劣化状態に関係なく決められた時間に再生を行なうこともできる。
本発明の特徴である酸素含有ガスを用いて間欠的に再生処理を施すことは炭素質(コーク)成分の析出による触媒活性の低下に対して特に有効である。
主として炭素質(コーク)の析出に起因する再生処理は反応器が閉塞してしまった場合を除き下記のように容易に行なうことができる。
すなわち、まず、反応器内を不活性ガス(スチームや窒素が通常用いられる)で充分にパージした後、不活性ガス中に少量づつ酸素含有ガスを流通させながら昇温し、発熱反応を監視しながら同時に反応器出口ガス中の二酸化炭素の濃度を測定する。急激な反応が起きると、シンタリング等を起こして触媒が不可逆的に失活してしまうこともあるので、ゆっくり再生処理する必要がある。
酸素含有ガスの空間速度は500〜100,000h-1である好ましくは1,000〜50,000h-1、さらに好ましくは1000〜40,000h-1程度である。500h-1以上とすることにより、再生効率を確保し、100,000h-1以下とすることにより経済性を確保する。
酸素含有ガスの混合も均一でないと局部的にホットスポットを形成してしまうので注意が必要である。析出した炭素質(コーク)成分は二酸化炭素として除去され触媒活性がほぼ元に戻る。また、本発明ではシンタリングした活性金属も元の状態に戻ると考えられる。
再生処理を行なう頻度は、通常10〜10,000時間の改質反応ごと、好ましくは20〜5,000時間ごと、さらに好ましくは20〜1,000時間ごとである。
再生処理の頻度を10時間ごと以上とすることにより生産性の低下を防ぎ、10,000時間ごと以下とすることにより、触媒活性の不可逆的な低下を防止する。
再生処理を行なう時間は通常0.5〜50時間、好ましくは1〜10時間、さらに好ましくは1〜3時間である。再生処理時間を50時間以内とすることにより、生産性の低下を防ぎ、再生処理時間を1時間以上とすることにより触媒活性を充分に回復させることができる。
再生処理は、いわゆるオンサイト(反応器から触媒を取り出さずに行う)でもオフサイト(反応器から触媒を取り出し別の場所で再生処理を行い、それを再充填する)でも可能である。
再生処理温度は通常400℃〜800℃、好ましくは、500〜750℃程度である。400℃以上とすることにより炭素質(コーク)成分の燃焼や活性成分の再生処理が十分に行なわれ、800℃以下とすることにより、活性成分のシンタリングが起こり活性が十分に回復しなくなるのを防止する。
急なデコーキング(コーク成分を燃焼させて二酸化炭素として除去する)の際に大きな発熱が起こると、局部的に温度が最適範囲を超える場合がある。最初は低温でデコーキングを行い、ある程度発熱が治まった時点で温度を上げることもシンタリングを避ける方法として有効である。また、酸素含有ガスの酸素濃度を再生処理初期は低く抑え、徐々に高くすることも有効な手段である。
燃焼により発生した二酸化炭素を出口でモニタリングすれば、デコーキングの状況は把握できる。酸素含有ガスとしては、酸素以外に窒素、ヘリウム、アルゴンなどの不活性ガスを含むことができる。また、経済性を重視して空気を使用することもできる。
以上の改質反応の方式としては、連続流通式、回分式のいずれの方式であってもよいが、連続流通式が好ましい。
連続流通式を採用する場合、炭化水素の液時空間速度(LHSV)は、通常、0.1〜10h-1、好ましくは、0.25〜5h-1である。
反応形式としては、特に制限はなく、固定床式、移動床式、流動床式いずれも採用できるが、固定床式が好ましい。
反応器の形式としても特に制限はなく、例えば、管型反応器等を用いることができる。
上記のような条件で、改質触媒を用いて、炭化水素の水蒸気改質反応、自己熱改質反応、部分酸化改質反応を行わせることにより水素を含む混合物を得ることができ、特に、燃料電池の水素製造プロセス用の水素含有ガスとして好適に使用される。
次に、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
比較調製例1
Ni(NO32・6H2Oの16.414g、Mg(NO32・6H2Oの70.813gおよびAl(NO33・9H2Oの41.492gを、水150ミリリットルに溶解してA液を調製し、Na2CO3・10H2Oの15.816gを水100ミリリットルに溶解してB液を調製した。
次いで、前記B液中にA液を滴下する。この際、液のpHが10になるように、1モル/リットル濃度のNaOH水溶液を適宜滴下する。A液の滴下が終了したのち、90℃で40分間攪拌し、その後90℃にて20時間静置後、放冷し、吸引ろ過により沈殿物を取り出した。
次に、沈殿物を2リットルの水で洗浄後、105℃にて9時間乾燥処理したのち、0.83℃/分の速度で850℃まで昇温し、その温度で5時間焼成処理することにより、触媒X−1(spc−Ni/Mg−Al)を得た。
触媒X−1中のNi含有量は14質量%、Mg含有量は28質量%、Al含有量は13質量%であった。
なお、spcはsolid phase crystallization(固相晶析法)の略である。
調製例1
50g/リットル濃度のRu(NO33水溶液0.5ミリリットルを、水200ミリリットルで希釈して、C液を調製した。このC液に、比較調製例1で得た触媒X−1の5.0gを投入し、室温で12時間攪拌したのち、攪拌しながら90℃に加熱し、沈殿物を蒸発乾固した。
次いで、乾固物を0.83℃/分の速度で850℃まで昇温したのち、その温度で5時間焼成処理することにより、触媒Y−1(spc−Ru−Ni/Mg−Al)を得た。
触媒Y−1中のRu含有量は0.5質量%であった。
調製例2
調製例1において、50g/リットル濃度のRu(NO33水溶液0.5ミリリットルの代わりに、4.5質量%濃度のRh(NO33水溶液0.55ミリリットルを用いた以外は、調製例1と同様な操作を行い、触媒Y−2(spc−Rh−Ni/Mg−Al)を得た。
触媒Y−2中のRh含有量は0.5質量%であった。
比較調製例2
(1)担体の調製
Mn(CH3COO)2・4H2Oの5.45gを水11.5ミリリットルに溶解し、含浸液Aを調製した。次に、予め十分に乾燥させたγ−アルミナ担体30gに、前記含浸液Aをポアフィリング法にて含浸させたのち、120℃で3時間乾燥処理し、次いで800℃で3時間焼成処理することにより、Mn担持担体を得た。
(2)触媒の調製
RuCl3 0.39gを水1.8ミリリットルに溶解し、含浸液Bを調製した。予め十分に乾燥させた前記(1)のMn担持担体5.0gに、上記含浸液Bをポアフィリング法にて含浸させたのち、5モル/リットル濃度のNaOH水溶液100ミリリットルで1時間アルカリ分解した。次いで、一昼夜かけて水洗後、120℃にて5時間乾燥処理することにより、触媒X−2(Ru/Mn/Al23)を得た。
触媒X−2中のRu含有量は3.0質量%、Mn含有量は3.7質量%であった。
比較調製例3
50g/リットル濃度のRu(NO33水溶液0.60gと、Ni(NO32・6H2Oの4.12gを、極少量の水に溶解して含浸液Cを調製した。予め十分に乾燥させた比較調製例2の(1)で得たMn担持担体5.0gに、上記含浸液Cをポアフィリング法にて含浸させたのち、5モル/リットル濃度のNaOH水溶液100ミリリットルで1時間アルカリ分解した。次いで一昼夜かけて水洗後、120℃にて5時間乾燥処理することにより、触媒X−3(Ru−Ni/Mn/Al23)を得た。
触媒X−3中のRu含有量は0.5質量%、Ni含有量は14質量%、Mn含有量は2.8質量%であった。
比較調製例4
4.5質量%濃度のRh(NO33水溶液0.65gと、Ni(NO32・6H2Oの4.12gを、極少量の水に溶解して含浸液Dを調製した。予め十分に乾燥させた比較調製例2の(1)で得たMn担持担体5.0gに、上記含浸液Dをポアフィリング法にて含浸させたのち、5モル/リットル濃度のNaOH水溶液100ミリリットルで1時間アルカリ分解した。次いで一昼夜かけて水洗後、120℃にて5時間乾燥処理することにより、触媒X−4(Rh−Ni/Mn/Al23)を得た。
触媒X−4中のRh含有量は0.5質量%、Ni含有量は14質量%、Mn含有量は2.7質量%であった。
下記の各実施例および比較例で使用した触媒および水蒸気改質反応の条件を第1表に示す。
Figure 2008094681
実施例1、2および比較例1〜4
調製例1および2で得た触媒Y−1およびY−2、並びに比較調製例1〜4で得た触媒X−1〜X−4を用い、以下に示すように、所定の時間水蒸気改質反応を行なった後に酸素含有ガスを用いて再生処理し、再度水蒸気改質反応を行なった。
下記式により転化率の回復率(R)を求め活性回復率の指標とした。
R(%)=[A/B]×100
A:改質反応1時間後のC1転化率
B:再生処理後の改質反応1時間後のC1転化率
(1)水蒸気改質反応(還元処理を含む)
各触媒を16〜32メッシュの大きさに成型し、それぞれ200mgを反応管に充填し、水素気流下で850℃にて1時間還元前処理を行う。
還元処理後、反応温度を550℃に保持しながら、脱硫灯油(S:0.02質量ppm未満)と水を、同脱硫灯油の液時空間速度(LHSV)が16.5h-1、スチーム/カーボン(モル比)が3.0になるように供給して水蒸気改質反応を開始し、反応開始1時間後及び25時間後、得られたガスをサンプリングして灯油のCl転化率を測定した。
(2)触媒活性再生処理試験および再生処理後の水蒸気改質反応
<再生処理>
上記のように、反応開始後25時間の時点でサンプリングした後、灯油の供給を停止し、約550℃で30分間水蒸気のみを流通させた。次いで、水蒸気の供給を停止するとともに空気を100ミリリットル/分(GHSV=3,000h-1)の速度で供給しながら、1時間で700℃まで昇温し、同温度で2時間保持した。
<再生処理後の水蒸気改質反応>
700℃に保持したまま、空気の供給を停止するとともに窒素ガスを供給して空気をパージした。その後、水素を100ミリリットル/分の速度で1時間供給しながら850℃まで昇温し、同温度で1時間保持することにより還元処理した。
還元処理後、前記と同様の水蒸気改質反応を行い、反応開始後1時間の時点でサンプリングを行なってC1転化率を測定した。
なお、灯油のCl転化率は、下記式より求めた。
C1転化率(%)=(A/B)×100
上記式において、A=COモル流量+CO2モル流量+CH4モル流量(いずれも反応器出口における流量)、B=反応器入口側の灯油の炭素モル流量である。
上記の結果を第2表に示す。
Figure 2008094681
第2表から、以下に示すことが分かる。
実施例1および2においては、改質反応25時間後に再生処理後の改質反応1時間後の転化率がほぼ100%であり、劣化がほとんどなく、耐久性が高い。
比較例4においては、改質反応1時間後の転化率は実施例1におけるそれよりわずかではあるが高い。しかし、25時間後の転化率が低く、かつ、再生処理後の転化率の回復率も低い。
以上の結果は、下記の理由によるものと考えられる。比較例で用いた触媒においては、再生処理における700℃での空気導入時に、コークは燃焼するが活性金属元素の酸化や凝集、担体の構造変化が生じる。再生処理によりコークの生成による劣化分の活性は戻るが、金属凝集等は不可逆、あるいは再生処理により逆に凝集が起こり、残存活性は初期活性より低下すると考えられる。なお、酸化は再生後の還元により元に戻る。実施例では、コークは燃焼して除去されるとともに再生処理においても、活性金属元素の凝集や、担体の構造変化が起こり難く、高活性が維持されるものと考えられる。
本発明の水素含有ガスの製造方法は、効率面、設備面および温度管理が容易であるなどの制御面で優れた、特に燃料電池用水素含有ガスの製造方法として好適である。

Claims (12)

  1. Ni、MgおよびAlを含むと共にPt、Pd、Ir、RhおよびRuの中から選ばれる少なくとも1種の貴金属元素を含む触媒を酸素含有ガスを用いて間欠的に再生処理しながら炭化水素の改質反応を行なうことを特徴とする水素含有ガスの製造方法。
  2. 前記触媒がハイドロタルサイト状層状化合物を経由して得られたものである請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記触媒がハイドロタルサイト状層状化合物の焼成後に、貴金属成分を担持させることにより得られたものである請求項1または2に記載の製造方法。
  4. 前記貴金属元素が、Rhおよび/またはRuである請求項1〜3のいずれかに記載の製造方法。
  5. 前記酸素含有ガスが空気である請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法。
  6. 前記酸素含有ガス中の酸素濃度を再生処理初期は低く抑え、徐々に高めていく請求項1〜5のいずれかに記載の製造方法。
  7. 前記酸素含有ガスの空間速度が500〜100,000h-1である請求項1〜6のいずれかに記載の製造方法。
  8. 前記酸素含有ガスの供給停止後、水素還元処理する請求項1〜7のいずれかに記載の製造方法。
  9. 前記再生処理が400〜800℃で行なわれる請求項1〜8のいずれかに記載の製造方法。
  10. 前記炭化水素中の硫黄分が0.1質量ppm以下である請求項1〜9のいずれかに記載の製造方法。
  11. 前記炭化水素の改質が、水蒸気改質、自己熱改質または部分酸化改質である請求項1〜10のいずれかに記載の製造方法。
  12. 水素含有ガスが燃料電池用の水素含有ガスである請求項1〜11のいずれかに記載の製造方法。
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