JP2009255026A - 炭化水素改質用触媒の製造方法および炭化水素の改質方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】炭化水素または酸素を含む炭化水素を改質して水素含有ガス、特に燃料電池用水素を製造するための触媒および炭化水素の改質方法を提供する。
【解決手段】Ni、MgおよびAlを含む沈殿物であって、水酸化物、酸化物および炭酸塩のから選ばれる少なくとも1種である化合物を担体表面に含ませた後、焼成することを特徴とする炭化水素改質用触媒の製造方法および同炭化水素改質用触媒の製造方法で得られた触媒を使用することを特徴とする炭化水素の改質方法である。
【選択図】図1
【解決手段】Ni、MgおよびAlを含む沈殿物であって、水酸化物、酸化物および炭酸塩のから選ばれる少なくとも1種である化合物を担体表面に含ませた後、焼成することを特徴とする炭化水素改質用触媒の製造方法および同炭化水素改質用触媒の製造方法で得られた触媒を使用することを特徴とする炭化水素の改質方法である。
【選択図】図1
Description
本発明は、炭化水素改質用触媒の製造方法および同触媒を用いる炭化水素の改質方法に関する。さらに詳しくは、本発明は、特定の構造と組成を有する炭化水素改質用触媒の製造方法、および特に燃料電池用の水素含有ガスを製造するのに有用な炭化水素の改質方法に関するものである。
近年、環境問題から新エネルギー技術が脚光を浴びており、この新エネルギー技術の一つとして燃料電池が注目を集めている。この燃料電池は、水素と酸素を電気化学的に反応させることにより、化学エネルギーを電気エネルギーに変換させるものであって、エネルギーの利用効率が高いという特徴を有しており、民生用、産業用または自動車用等として、実用化研究が積極的になされている。
この燃料電池には、使用する電解質の種類に応じて、リン酸型、溶融炭酸塩型、固体酸化物型および固体高分子型等のタイプが知られている。一方、水素源としては、メタノールおよびメタンを主体とする液化天然ガス、この天然ガスを主成分とする都市ガス、天然ガスを原料とする合成液体燃料、さらには、石油系のLPG、ナフサおよび灯油等の石油系炭化水素の使用の研究がなされている。
これらの石油系炭化水素を用いて水素を製造する場合、一般に、同炭化水素に対して、触媒の存在下に水蒸気改質処理、自己熱改質処理、部分酸化改質処理などがなされている。
この燃料電池には、使用する電解質の種類に応じて、リン酸型、溶融炭酸塩型、固体酸化物型および固体高分子型等のタイプが知られている。一方、水素源としては、メタノールおよびメタンを主体とする液化天然ガス、この天然ガスを主成分とする都市ガス、天然ガスを原料とする合成液体燃料、さらには、石油系のLPG、ナフサおよび灯油等の石油系炭化水素の使用の研究がなされている。
これらの石油系炭化水素を用いて水素を製造する場合、一般に、同炭化水素に対して、触媒の存在下に水蒸気改質処理、自己熱改質処理、部分酸化改質処理などがなされている。
このような炭化水素の改質触媒として、従来ルテニウム系触媒やニッケル系触媒が知られており、そして、ハイドロタルサイト(層状複水酸化物の水和物)を経由して調製された触媒は、活性が高いことも知られている。
ハイドロタルサイト経由で調製された炭化水素改質触媒としては、例えば(1)ハイドロタルサイトを前駆体として、その構成元素(Mg、Al)の一部を活性金属である貴金属(RhまたはRu)または遷移金属元素で置換、焼成し、活性金属種を内部から表面に染み出させて高分散化した金属微粒子担持炭化水素改質用触媒(例えば、特許文献1参照)、(2)マグネシウムとアルミニウムとニッケルを含む、ハイドロタルサイト経由で調製した改質触媒(例えば、特許文献2参照)、(3)ハイドロタルサイト経由で調製したマグネシウム、アルミニウム、ニッケルおよびルテニウムを構成元素とする炭化水素分解用触媒(例えば、特許文献3参照)が開示されている。
ハイドロタルサイト経由で調製された炭化水素改質触媒としては、例えば(1)ハイドロタルサイトを前駆体として、その構成元素(Mg、Al)の一部を活性金属である貴金属(RhまたはRu)または遷移金属元素で置換、焼成し、活性金属種を内部から表面に染み出させて高分散化した金属微粒子担持炭化水素改質用触媒(例えば、特許文献1参照)、(2)マグネシウムとアルミニウムとニッケルを含む、ハイドロタルサイト経由で調製した改質触媒(例えば、特許文献2参照)、(3)ハイドロタルサイト経由で調製したマグネシウム、アルミニウム、ニッケルおよびルテニウムを構成元素とする炭化水素分解用触媒(例えば、特許文献3参照)が開示されている。
しかしながら、前記(1)にはMg、Al、Niを含むハイドロタルサイト構造を有する触媒が記載されているが、担体を使用せず、しかも触媒の組成が異なっているためかメタンのCO2リフォーミング反応における転化率が低い。(2)の改質触媒においては、マグネシウムとアルミニウムとを含むハイドロタルサイト構造を有する担体に、ニッケル金属微粒子が担持された構造を有するものであり、活性は十分ではない。(3)においては、Mg、Al、Niを含むハイドロタルサイト構造を有する触媒粉末を打錠成形したもので担体に担持させたものではないため触媒活性が十分ではない。
本発明は、このような状況下で、高いC1転化率が得られる炭化水素改質用触媒を提供し、この触媒を用いた炭化水素の改質方法、特に燃料電池用の水素含有ガスを効率よく製造するための炭化水素の改質方法を提供することを課題とするものである。
本発明者らは、前記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、炭化水素を改質して水素含有ガス、特に、燃料電池用の水素含有ガスを製造するに当たり、特定の金属元素を含む沈殿物を担体に担持させて焼成することにより、その目的を達成し得ることを見出した。本発明は、かかる知見に基づいて完成したものである。
すなわち、本発明は下記(1)〜(16)
(1)Ni、MgおよびAlを含む沈殿物であって、水酸化物、酸化物および炭酸塩の中から選ばれる少なくとも1種である化合物を担体の表面に含ませた後、焼成することを特徴とする炭化水素改質用触媒の製造方法、
(2)前記沈殿物が水酸化物である上記(1)に記載の炭化水素改質用触媒の製造方法、
(3)前記沈殿物が、前記Ni化合物、前記Mg化合物および前記Al化合物を含浸した担体を、それらの化合物以外のアルカリ水溶液中に浸漬して形成されたものである上記(1)または(2)に記載の炭化水素改質用触媒の製造方法、
(4)前記沈殿物が、前記Ni化合物、前記Mg化合物および前記Al化合物を含む水溶液中に、それらの化合物以外のアルカリを含浸した担体を浸漬して形成されたものである上記(1)〜(3)のいずれかに記載の炭化水素改質用触媒の製造方法、
(5)前記沈殿物が、前記Ni化合物、前記Mg化合物および前記Al化合物と、担体中および/または担体表面に存在する尿素が加水分解して生成したアンモニアとの反応により形成された沈殿物である上記(1)または(2)に記載の炭化水素改質用触媒の製造方法、
(6)前記沈殿物が、Ni、MgおよびAlを含む層状複水酸化物の水和物構造を有するものである上記(1)〜(5)のいずれかに記載の炭化水素改質用触媒の製造方法、
(7)前記アルカリが水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム、炭酸アンモニウムおよび水酸化アンモニウムから選ばれる少なくとも一つである上記(1)〜(4)および(6)のいずれかに記載の炭化水素改質用触媒の製造方法、
(8)前記化合物を担体の表面に含ませる前にLa化合物を含浸担持させる上記(1)〜(7)のいずれかに記載の炭化水素改質用触媒の製造方法、
(9)担体がアルミナ、ジルコニア、セリア、チタニア、シリカおよびマグネシアから選ばれる少なくとも一つである上記(1)〜(8)のいずれかに記載の炭化水素改質用触媒の製造方法、
(10)前記担体を焼成した後、さらに貴金属を前記焼成物に含ませる上記(1)〜(9)のいずれかに記載の炭化水素改質用触媒の製造方法、
(11)貴金属がRuである上記(1)〜(10)のいずれかに記載の炭化水素改質用触媒の製造方法、
(12)上記(1)〜(11)のいずれかに記載の炭化水素改質用触媒の製造方法で得られた触媒を使用することを特徴とする炭化水素の改質方法、
(13)前記炭化水素が炭素数3以上の炭化水素である上記(12)に記載の炭化水素の改質方法、
(14)前記炭化水素がLPG、ライトナフサ、ヘビーナフサ、ナフサ、ガソリン、灯油、軽油、A重油、、アルコール、エーテル、バイオディーゼル燃料、または植物油から選ばれる少なくとも一つである上記(12)または(13)に記載の炭化水素の改質方法、
(15)前記改質方法が水蒸気改質、自己熱改質、または部分酸化改質のいずれかである上記(12)〜(14)のいずれかに記載の炭化水素の改質方法、
(16)燃料電池用の水素の製造のために適用される上記(12)〜(15)のいずれかに記載の炭化水素の改質方法を提供するものである。
(1)Ni、MgおよびAlを含む沈殿物であって、水酸化物、酸化物および炭酸塩の中から選ばれる少なくとも1種である化合物を担体の表面に含ませた後、焼成することを特徴とする炭化水素改質用触媒の製造方法、
(2)前記沈殿物が水酸化物である上記(1)に記載の炭化水素改質用触媒の製造方法、
(3)前記沈殿物が、前記Ni化合物、前記Mg化合物および前記Al化合物を含浸した担体を、それらの化合物以外のアルカリ水溶液中に浸漬して形成されたものである上記(1)または(2)に記載の炭化水素改質用触媒の製造方法、
(4)前記沈殿物が、前記Ni化合物、前記Mg化合物および前記Al化合物を含む水溶液中に、それらの化合物以外のアルカリを含浸した担体を浸漬して形成されたものである上記(1)〜(3)のいずれかに記載の炭化水素改質用触媒の製造方法、
(5)前記沈殿物が、前記Ni化合物、前記Mg化合物および前記Al化合物と、担体中および/または担体表面に存在する尿素が加水分解して生成したアンモニアとの反応により形成された沈殿物である上記(1)または(2)に記載の炭化水素改質用触媒の製造方法、
(6)前記沈殿物が、Ni、MgおよびAlを含む層状複水酸化物の水和物構造を有するものである上記(1)〜(5)のいずれかに記載の炭化水素改質用触媒の製造方法、
(7)前記アルカリが水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム、炭酸アンモニウムおよび水酸化アンモニウムから選ばれる少なくとも一つである上記(1)〜(4)および(6)のいずれかに記載の炭化水素改質用触媒の製造方法、
(8)前記化合物を担体の表面に含ませる前にLa化合物を含浸担持させる上記(1)〜(7)のいずれかに記載の炭化水素改質用触媒の製造方法、
(9)担体がアルミナ、ジルコニア、セリア、チタニア、シリカおよびマグネシアから選ばれる少なくとも一つである上記(1)〜(8)のいずれかに記載の炭化水素改質用触媒の製造方法、
(10)前記担体を焼成した後、さらに貴金属を前記焼成物に含ませる上記(1)〜(9)のいずれかに記載の炭化水素改質用触媒の製造方法、
(11)貴金属がRuである上記(1)〜(10)のいずれかに記載の炭化水素改質用触媒の製造方法、
(12)上記(1)〜(11)のいずれかに記載の炭化水素改質用触媒の製造方法で得られた触媒を使用することを特徴とする炭化水素の改質方法、
(13)前記炭化水素が炭素数3以上の炭化水素である上記(12)に記載の炭化水素の改質方法、
(14)前記炭化水素がLPG、ライトナフサ、ヘビーナフサ、ナフサ、ガソリン、灯油、軽油、A重油、、アルコール、エーテル、バイオディーゼル燃料、または植物油から選ばれる少なくとも一つである上記(12)または(13)に記載の炭化水素の改質方法、
(15)前記改質方法が水蒸気改質、自己熱改質、または部分酸化改質のいずれかである上記(12)〜(14)のいずれかに記載の炭化水素の改質方法、
(16)燃料電池用の水素の製造のために適用される上記(12)〜(15)のいずれかに記載の炭化水素の改質方法を提供するものである。
本願発明で得られる触媒は、担体表面に、担持されている活性金属種の大部分が存在するため、前記従来技術における触媒に比べ同種、同量の活性金属種などより高い活性のものが得られる。本発明の触媒を用いることにより、効率よく炭化水素を改質し、特に燃料電池用の水素含有ガスを効率よく製造することができる。
本発明で用いる触媒は、Ni、MgおよびAlを含む、炭化水素を改質して水素含有ガスを製造する触媒(以下、炭化水素改質用触媒と称することがある)であり、改質される炭化水素は常温常圧でガス状または液状の炭化水素または酸素を含む炭化水素である。
この炭化水素改質用触媒は、特に層状複水酸化物(ハイドロタルサイト状層状化合物)を経由して得られたものであることが、触媒活性及び耐久性の面から好ましい。
この炭化水素改質用触媒は、特に層状複水酸化物(ハイドロタルサイト状層状化合物)を経由して得られたものであることが、触媒活性及び耐久性の面から好ましい。
ハイドロタルサイトは、元来下記式(1)表される粘土鉱物である。
Mg6Al2(OH)16CO3・4H2O・・・・・(1)
近年になり、2価の金属陽イオン[M(II)2+] 、3価の金属陽イオン[M(III)3+]およびn価の層間陰イオン(An-)を含む下記式(2)で表される物質が、ハイドロタルサイト状物質、ハイドロタルサイト様化合物、ハイドロタルサイト構造体、あるいは単にハイドロタルサイトと呼称されるようになった。
[(M(II)2+)1-X(M(III)3+)x(OH-)2]X+(An- x/n)・mH2O
・・・・・式(2)
式(1)で表されるハイドロタルサイトは、「OH-(0.75Mg2+、0.25AI3+)OH-」がブルサイト層として面状の骨格をなし、その層間に負の電荷をもつ0.125CO3 2-と0.5H2Oとが挟まれた構造を有している。ブルサイト層内のMg2+とAl3+との比率は広い範囲で変えることができ、それにより、ブルサイト層内の正電荷の密度を制御することが可能である。
Mg6Al2(OH)16CO3・4H2O・・・・・(1)
近年になり、2価の金属陽イオン[M(II)2+] 、3価の金属陽イオン[M(III)3+]およびn価の層間陰イオン(An-)を含む下記式(2)で表される物質が、ハイドロタルサイト状物質、ハイドロタルサイト様化合物、ハイドロタルサイト構造体、あるいは単にハイドロタルサイトと呼称されるようになった。
[(M(II)2+)1-X(M(III)3+)x(OH-)2]X+(An- x/n)・mH2O
・・・・・式(2)
式(1)で表されるハイドロタルサイトは、「OH-(0.75Mg2+、0.25AI3+)OH-」がブルサイト層として面状の骨格をなし、その層間に負の電荷をもつ0.125CO3 2-と0.5H2Oとが挟まれた構造を有している。ブルサイト層内のMg2+とAl3+との比率は広い範囲で変えることができ、それにより、ブルサイト層内の正電荷の密度を制御することが可能である。
Niの含有量〔触媒全量を100質量%とする〕は金属元素として、好ましくは0.5〜15質量%、より好ましくは1.0〜10質量%、さらに好ましくは1.5〜8質量%である。Niの含有量を0.5質量%以上とすることにより、活性が不足するのを防止し、15質量%以下とすることにより、触媒活性および経済性のバランスをとることができる。ここで言う触媒全量とは、焼成後、還元前の状態での、担体、Ni,Mg,Alを必須とする担持成分(必要に応じ加えるLa、貴金属成分、La以外の助触媒成分も含む)の総和である(以下、単に触媒全量と記すこともある)。
Mgの含有量〔触媒全量を100質量%とする〕は金属元素として、好ましくは0.1〜10質量%、より好ましくは0.2〜8質量%、さらに好ましくは0.3〜6質量%である。Mgの含有量を0.1質量%以上とすることにより、活性が不足して反応中に生成するコーク量が増えるのを防止し、10質量%以下とすることにより、触媒活性および経済性のバランスをとることができる。
Alの含有量〔触媒全量を100質量%とする〕は金属元素として、好ましくは0.05〜5質量%(Alはアルミナのような担体中のAlではなく沈殿物である水酸化物等から焼成により形成された触媒成分中のAlである)、より好ましくは0.1〜4質量%、さらに好ましくは0.2〜3質量%である。Alの含有量を5質量%以下とすることにより活性の低下を防止する。
Ni/Mg(モル比)は0.5/2.5〜2.5/0.5であることが好ましく、0.5/2.5以上とすることにより、活性の低下を防止し、2.5/0.5以下とすることにより、反応中に生成するコーク量が増えて耐久性が低下するのを防止する。
(Ni+Mg)/Al(モル比)は1/1〜6/1であることが好ましく、さらに好ましくは2/1〜5/1である(Alはアルミナのような担体中のAlでないのは前記と同様である)。この範囲内とすることにより、活性が低下するのを防止する。
Mgの含有量〔触媒全量を100質量%とする〕は金属元素として、好ましくは0.1〜10質量%、より好ましくは0.2〜8質量%、さらに好ましくは0.3〜6質量%である。Mgの含有量を0.1質量%以上とすることにより、活性が不足して反応中に生成するコーク量が増えるのを防止し、10質量%以下とすることにより、触媒活性および経済性のバランスをとることができる。
Alの含有量〔触媒全量を100質量%とする〕は金属元素として、好ましくは0.05〜5質量%(Alはアルミナのような担体中のAlではなく沈殿物である水酸化物等から焼成により形成された触媒成分中のAlである)、より好ましくは0.1〜4質量%、さらに好ましくは0.2〜3質量%である。Alの含有量を5質量%以下とすることにより活性の低下を防止する。
Ni/Mg(モル比)は0.5/2.5〜2.5/0.5であることが好ましく、0.5/2.5以上とすることにより、活性の低下を防止し、2.5/0.5以下とすることにより、反応中に生成するコーク量が増えて耐久性が低下するのを防止する。
(Ni+Mg)/Al(モル比)は1/1〜6/1であることが好ましく、さらに好ましくは2/1〜5/1である(Alはアルミナのような担体中のAlでないのは前記と同様である)。この範囲内とすることにより、活性が低下するのを防止する。
本発明における炭化水素改質用触媒は、Ni、MgおよびAlを担持させた担体を焼成した後さらに貴金属を前記焼成物に含ませることができる。使用できる貴金属としては、Ru、Rh、Pd、PtおよびIrが挙げられる。
貴金属の含有量〔触媒全量を100質量%とする〕は、酸化に対する耐性、触媒活性および経済性のバランスなどの観点から、金属元素として好ましくは0.01〜3質量%、より好ましくは0.05〜2.0質量%、さらに好ましくは0.1〜1.0質量%である。貴金属の含有量を0.05質量%以上とすることにより、耐久性が低下するのを防止し、3質量%以下とすることにより、コストアップになるのを防止する。
なお、貴金属元素としては、触媒活性の観点から、特にRuおよび/またはRhであることが好ましい。
貴金属の含有量〔触媒全量を100質量%とする〕は、酸化に対する耐性、触媒活性および経済性のバランスなどの観点から、金属元素として好ましくは0.01〜3質量%、より好ましくは0.05〜2.0質量%、さらに好ましくは0.1〜1.0質量%である。貴金属の含有量を0.05質量%以上とすることにより、耐久性が低下するのを防止し、3質量%以下とすることにより、コストアップになるのを防止する。
なお、貴金属元素としては、触媒活性の観点から、特にRuおよび/またはRhであることが好ましい。
Ni元素源であるニッケル化合物としては、例えばNi(NO3)2・6H2O、NiO、Ni(OH)2、NiSO4・6H2O、NiCO3・2Ni(OH)2・nH2O、NiCl2・6H2O、(HCOO)2Ni・2H2Oおよび(CH3COO)2Ni・4H2Oなどを挙げることができる。これらのニッケル化合物を1種単独でも、2種以上を併用してもよい。中でも、触媒活性および入手のし易さという観点からNi(NO3)2・6H2Oが好ましく用いられる。
Mg元素源であるマグネシウム化合物としては、例えばMg(NO3)2・6H2O、MgO、Mg(OH)2、MgC2H4・2H2O、MgSO4・7H2O、MgSO4・6H2O、MgCl2・6H2O、Mg3(C6H5O7)2・nH2O、3MgCO3・Mg(OH)2およびMg(C6H5COO)2・4H2Oなど挙げることができる。これらのマグネシウム化合物を1種単独でも、2種以上を併用してもよい。中でも、触媒活性および入手のし易さという観点からMg(NO3)2・6H2Oが好ましく用いられる。
Al元素源であるアルミニウム化合物としては、例えばAl(NO3)3・9H2O、Al2O3、Al(OH)3、AlCl3・6H2O、AlO(COOCH3)・nH2OおよびAl2(C2O4)3・nH2Oなどを挙げることができる。これらのアルミニウム化合物を1種単独でも、2種以上を併用してもよい。中でも、触媒活性および入手のし易さという観点からAl(NO3)3・9H2Oが好ましく用いられる。
Mg元素源であるマグネシウム化合物としては、例えばMg(NO3)2・6H2O、MgO、Mg(OH)2、MgC2H4・2H2O、MgSO4・7H2O、MgSO4・6H2O、MgCl2・6H2O、Mg3(C6H5O7)2・nH2O、3MgCO3・Mg(OH)2およびMg(C6H5COO)2・4H2Oなど挙げることができる。これらのマグネシウム化合物を1種単独でも、2種以上を併用してもよい。中でも、触媒活性および入手のし易さという観点からMg(NO3)2・6H2Oが好ましく用いられる。
Al元素源であるアルミニウム化合物としては、例えばAl(NO3)3・9H2O、Al2O3、Al(OH)3、AlCl3・6H2O、AlO(COOCH3)・nH2OおよびAl2(C2O4)3・nH2Oなどを挙げることができる。これらのアルミニウム化合物を1種単独でも、2種以上を併用してもよい。中でも、触媒活性および入手のし易さという観点からAl(NO3)3・9H2Oが好ましく用いられる。
貴金属元素(Ru)源であるルテニウム化合物としては、例えばRuCl3・nH2O、Ru(NO3)3、Ru2(OH)2Cl4・7NH3・3H2O、K2(RuCl5(H2O))、(NH4)2(RuCl5(H2O))、K(RuCl5(NO))、RuBr3・nH2O、Na2RuO4、Ru(NO)(NO3)3、(Ru3O(OAc)6(H2O)3)OAc・nH2O、K4(Ru(CN)6)・nH2O、K2(Ru(NO2)4(OH)(NO))、(Ru(NH3)6)Cl3、(Ru(NH3)6)Br3、(Ru(NH3)6)Cl2、(Ru(NH3)6)Br2、(Ru3O2(NH3)14)Cl6・H2O、(Ru(NO)(NH3)5)Cl3、(Ru(OH)(NO)(NH3)4)(NO3)2、RuCl2(PPh3)3、RuCl2(PPh3)4、RuClH(PPh3)3・C7H8、RuH2(PPh3)4、RuClH(CO)(PPh3)3、RuH2(CO)(PPh3)3、(RuCl2(cod))n、Ru(CO)12、Ru(acac)3、(Ru(HCOO)(CO)2)n、Ru2I4(p−cymene)2および[Ru(NO)(edta)]-等のルテニウム塩を挙げることができる。これらのルテニウム化合物を1種単独でも、2種以上を併用してもよい。
好ましくは、取扱い上の観点からRuCl3・nH2O、Ru(NO3)3およびRu2(OH)2Cl4・7NH3・3H2Oが用いられる。
好ましくは、取扱い上の観点からRuCl3・nH2O、Ru(NO3)3およびRu2(OH)2Cl4・7NH3・3H2Oが用いられる。
貴金属元素(Rh)源であるロジウム化合物としては、例えば、Na3RhCl6、(NH4)2RhCl6、Rh(NH3)5Cl3、Rh(NO3)3およびRhCl3等を挙げることができる。
貴金属元素(Pt)源である白金化合物としては、例えば、PtCl4、H2PtCl6、Pt(NH3)4Cl2、(MH4)2PtCl2、H2PtBr6、NH4[Pt(C2H4)Cl3]、Pt(NH3)4(OH)2およびPt(NH3)2(NO2)2等を挙げることができる。
貴金属元素(Pd)源であるパラジウム化合物としては、例えば、(NH4)2PdCl6、(NH4)2PdCl4、Pd(NH3)4Cl2、PdCl2およびPd(NO3)2等を挙げることができる。
貴金属元素(Ir)源であるイリジウム化合物としては、例えば、(NH4)2IrCl6、IrCl3およびH2IrCl6等を挙げることができる。
本発明の炭化水素改質用触媒はNi、MgおよびAlを含む化合物の水酸化物等の沈殿を担体表面近傍に形成させた後焼成し、焼成物にさらに貴金属成分を担持させることにより得られたものであることが好ましい。
上記貴金属元素の中でも、Ruが好ましい。
貴金属元素(Pt)源である白金化合物としては、例えば、PtCl4、H2PtCl6、Pt(NH3)4Cl2、(MH4)2PtCl2、H2PtBr6、NH4[Pt(C2H4)Cl3]、Pt(NH3)4(OH)2およびPt(NH3)2(NO2)2等を挙げることができる。
貴金属元素(Pd)源であるパラジウム化合物としては、例えば、(NH4)2PdCl6、(NH4)2PdCl4、Pd(NH3)4Cl2、PdCl2およびPd(NO3)2等を挙げることができる。
貴金属元素(Ir)源であるイリジウム化合物としては、例えば、(NH4)2IrCl6、IrCl3およびH2IrCl6等を挙げることができる。
本発明の炭化水素改質用触媒はNi、MgおよびAlを含む化合物の水酸化物等の沈殿を担体表面近傍に形成させた後焼成し、焼成物にさらに貴金属成分を担持させることにより得られたものであることが好ましい。
上記貴金属元素の中でも、Ruが好ましい。
本発明の炭化水素改質用触媒のために使用される担体としては、アルミナ、シリカ、ジルコニア、セリア、チタニア、マグネシア、メソポーラスシリカ、ゼオライト等がある。これらの中でアルミナ、シリカ、ジルコニア、セリア、チタニアおよびマグネシアが好ましく、中でも、比表面積、強度、熱安定性等の観点からアルミナが好ましい。
<調製方法1>
本発明におけるNi、MgおよびAlを含む炭化水素改質用触媒は以下のような方法で調製することができる。
例えば、硝酸ニッケル、硝酸マグネシウム、硝酸アルミニウムを水に溶かした水溶液をポアフィリング法等により、例えば、アルミナのような担体に含浸させ、次いでエバポレーターを用いて30〜80℃、好ましくは50〜75℃、さらに好ましくは70℃程度で加熱しながら2〜4時間、好ましくは3時間程度減圧乾燥を行うことにより触媒前駆体1が得られる。なお、硝酸ニッケル等の水溶液を担体に含浸させる前に、必要に応じてLa化合物をポアフィリング法等により、含浸担持させることにより、さらに活性を高めることができる。含浸担持させるために用いられるLaの化合物としては、硝酸ランタン〔La(NO3)3〕、硫酸ランタン〔La2(SO4)3〕、塩化ランタン〔LaCl3〕等が挙げられる。含浸担持させるLa化合物の量は触媒全質量中、金属Laとして0.1〜30質量%、好ましくは0.2〜20質量%である。0.1質量%以上とすることにより、触媒活性を高める効果が得られ、30質量%以下とすることにより、不必要な量のLa化合物を使用することを防止する。La化合物水溶液の濃度は0.1〜15モル/リットル、好ましくは0.5〜10モル/リットルである。
La化合物の水溶液を含浸させた後、乾燥させる。乾燥は、エバポレーターを用いて30〜80℃、好ましくは50〜75℃、さらに好ましくは70℃程度で加熱しながら2〜4時間程度、好ましくは3時間程度減圧下で行なう。乾燥後、300〜1500℃、好ましくは400〜900℃で焼成する。焼成温度を300℃以上とすることにより、La化合物を完全に分解し、1500℃以下とすることにより、担体の比表面積が大幅に低下するのを防止する。
上記のように、必要に応じてLa化合物を含浸担持させ、次いで硝酸ニッケル等の水溶液を担体に含浸、乾燥させて得られた触媒前駆体1を水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸アンモニウム等の単独または混合アルカリ水溶液中に浸漬することにより、担体の外表面近傍にNi、MgおよびAl(La化合物を含浸担持させた場合は、Laも)の含浸成分が水酸化物等の形態で沈殿することにより触媒前駆体2が得られる。
なお、硝酸ランタン等の水溶液や硝酸ニッケル等の水溶液の含浸は複数回繰り返し行なっても良い。
0.5〜3時間程度静置後、触媒前駆体2をアルカリ水溶液から濾別し、イオン交換水で5〜40時間程度連続洗浄して触媒前駆体2中のアルカリを除去する。
アルカリ除去後、触媒前駆体2を80〜150℃、好ましくは90〜120℃で3〜30時間、好ましくは5〜20時間乾燥し、次いで300〜1500℃、好ましくは400〜900℃で焼成することにより、炭化水素改質用触媒を得ることができる。
焼成温度を300℃以上とすることにより、活性金属と担体の相互作用が増加して活性金属の凝集が抑制され、1500℃以下とすることにより、担体の表面積低下に伴う活性金属の凝集を抑制することができる。
この炭化水素改質用触媒に、さらに前記貴金属の水溶液を含浸し、所定量の貴金属を担持させてもよい。貴金属を担持させた後、さらに200〜600℃、好ましくは300〜500℃で焼成し、反応前には、例えば、水素含有ガス中400〜1000℃、好ましくは500〜800℃で30分から10時間、好ましくは1〜3時間還元するのが好ましい。
<調製方法2>
アルカリ水溶液を先に担体に含浸させて乾燥し、次いで、硝酸ニッケル等の水溶液に浸漬して触媒前駆体2を調製することもできる。硝酸ニッケル等の水溶液を担体の表面に含ませる前に必要に応じてLaを含浸担持させる条件、洗浄、乾燥、焼成および貴金属を担持させるための条件は<調製方法1>の場合と同じである。
本発明におけるNi、MgおよびAlを含む炭化水素改質用触媒は以下のような方法で調製することができる。
例えば、硝酸ニッケル、硝酸マグネシウム、硝酸アルミニウムを水に溶かした水溶液をポアフィリング法等により、例えば、アルミナのような担体に含浸させ、次いでエバポレーターを用いて30〜80℃、好ましくは50〜75℃、さらに好ましくは70℃程度で加熱しながら2〜4時間、好ましくは3時間程度減圧乾燥を行うことにより触媒前駆体1が得られる。なお、硝酸ニッケル等の水溶液を担体に含浸させる前に、必要に応じてLa化合物をポアフィリング法等により、含浸担持させることにより、さらに活性を高めることができる。含浸担持させるために用いられるLaの化合物としては、硝酸ランタン〔La(NO3)3〕、硫酸ランタン〔La2(SO4)3〕、塩化ランタン〔LaCl3〕等が挙げられる。含浸担持させるLa化合物の量は触媒全質量中、金属Laとして0.1〜30質量%、好ましくは0.2〜20質量%である。0.1質量%以上とすることにより、触媒活性を高める効果が得られ、30質量%以下とすることにより、不必要な量のLa化合物を使用することを防止する。La化合物水溶液の濃度は0.1〜15モル/リットル、好ましくは0.5〜10モル/リットルである。
La化合物の水溶液を含浸させた後、乾燥させる。乾燥は、エバポレーターを用いて30〜80℃、好ましくは50〜75℃、さらに好ましくは70℃程度で加熱しながら2〜4時間程度、好ましくは3時間程度減圧下で行なう。乾燥後、300〜1500℃、好ましくは400〜900℃で焼成する。焼成温度を300℃以上とすることにより、La化合物を完全に分解し、1500℃以下とすることにより、担体の比表面積が大幅に低下するのを防止する。
上記のように、必要に応じてLa化合物を含浸担持させ、次いで硝酸ニッケル等の水溶液を担体に含浸、乾燥させて得られた触媒前駆体1を水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸アンモニウム等の単独または混合アルカリ水溶液中に浸漬することにより、担体の外表面近傍にNi、MgおよびAl(La化合物を含浸担持させた場合は、Laも)の含浸成分が水酸化物等の形態で沈殿することにより触媒前駆体2が得られる。
なお、硝酸ランタン等の水溶液や硝酸ニッケル等の水溶液の含浸は複数回繰り返し行なっても良い。
0.5〜3時間程度静置後、触媒前駆体2をアルカリ水溶液から濾別し、イオン交換水で5〜40時間程度連続洗浄して触媒前駆体2中のアルカリを除去する。
アルカリ除去後、触媒前駆体2を80〜150℃、好ましくは90〜120℃で3〜30時間、好ましくは5〜20時間乾燥し、次いで300〜1500℃、好ましくは400〜900℃で焼成することにより、炭化水素改質用触媒を得ることができる。
焼成温度を300℃以上とすることにより、活性金属と担体の相互作用が増加して活性金属の凝集が抑制され、1500℃以下とすることにより、担体の表面積低下に伴う活性金属の凝集を抑制することができる。
この炭化水素改質用触媒に、さらに前記貴金属の水溶液を含浸し、所定量の貴金属を担持させてもよい。貴金属を担持させた後、さらに200〜600℃、好ましくは300〜500℃で焼成し、反応前には、例えば、水素含有ガス中400〜1000℃、好ましくは500〜800℃で30分から10時間、好ましくは1〜3時間還元するのが好ましい。
<調製方法2>
アルカリ水溶液を先に担体に含浸させて乾燥し、次いで、硝酸ニッケル等の水溶液に浸漬して触媒前駆体2を調製することもできる。硝酸ニッケル等の水溶液を担体の表面に含ませる前に必要に応じてLaを含浸担持させる条件、洗浄、乾燥、焼成および貴金属を担持させるための条件は<調製方法1>の場合と同じである。
<調製方法3>
本発明における炭化水素改質用触媒は上記<調製方法1および2>以外に下記のようにして調製することもできる。
すなわち、まず、例えば、硝酸ニッケル、硝酸マグネシウム、硝酸アルミニウムとともに尿素を溶解した水溶液を調製する。次いでこの水溶液を担体に含浸させて乾燥する。次いで、70〜90℃で2〜3時間程度熟成させることにより尿素が加水分解されて生成したアンモニアが前記<調製方法1および2>におけるアルカリの役割を果たして担体中に沈殿物が形成される。次いで焼成することにより本発明における炭化水素改質用触媒が得られる。この<調製方法3>で得られた炭化水素改質用触媒にさらに貴金属を担持させてもよい。
硝酸ニッケル等の水溶液を担体の表面に含ませる前に必要に応じてLa化合物を含浸担持させる条件、含浸、乾燥、焼成および貴金属を担持させるための条件は<調製方法1および2>の場合と同じである。
上記<調製方法1〜3>において、水溶液中の硝酸ニッケル等各元素の濃度は金属元素のモル比が前記のようになるように調整し、かつ、3つの金属の合計で
0.1〜15モル/リットル、好ましくは0.5〜10モル/リットルになるように調整する。
金属元素の濃度を0.1モル/リットル以上とすることにより、必要量の沈殿物を形成させることができ、10モル/リットル以下とすることにより、沈殿物の量が過剰になって担体の孔を閉塞しないようにする。
アルカリの量は、担体に担持されている硝酸ニッケル等が無駄なく消費されて水酸化物を形成するように、化学量論的に必要な量以上になるように調整するのが好ましい。
なお、Ru等の貴金属元素は、ニッケル源、マグネシウム源およびアルミニウム源(<調製方法3>の場合はさらに尿素)と共に、貴金属源となる貴金属の化合物を水溶液として導入することも可能である。
本発明における沈殿物が酸化物または炭酸塩の場合、酸化物は炭酸ニッケルや水酸化ニッケルを強熱すると生成し、また、乾燥すると生成する可能性がある。
炭酸塩は硝酸ニッケルの水溶液に炭酸アルカリ(炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等)を加えると塩基性炭酸ニッケル(水に不溶)が生じることによって形成される。
本発明における炭化水素改質用触媒は上記<調製方法1および2>以外に下記のようにして調製することもできる。
すなわち、まず、例えば、硝酸ニッケル、硝酸マグネシウム、硝酸アルミニウムとともに尿素を溶解した水溶液を調製する。次いでこの水溶液を担体に含浸させて乾燥する。次いで、70〜90℃で2〜3時間程度熟成させることにより尿素が加水分解されて生成したアンモニアが前記<調製方法1および2>におけるアルカリの役割を果たして担体中に沈殿物が形成される。次いで焼成することにより本発明における炭化水素改質用触媒が得られる。この<調製方法3>で得られた炭化水素改質用触媒にさらに貴金属を担持させてもよい。
硝酸ニッケル等の水溶液を担体の表面に含ませる前に必要に応じてLa化合物を含浸担持させる条件、含浸、乾燥、焼成および貴金属を担持させるための条件は<調製方法1および2>の場合と同じである。
上記<調製方法1〜3>において、水溶液中の硝酸ニッケル等各元素の濃度は金属元素のモル比が前記のようになるように調整し、かつ、3つの金属の合計で
0.1〜15モル/リットル、好ましくは0.5〜10モル/リットルになるように調整する。
金属元素の濃度を0.1モル/リットル以上とすることにより、必要量の沈殿物を形成させることができ、10モル/リットル以下とすることにより、沈殿物の量が過剰になって担体の孔を閉塞しないようにする。
アルカリの量は、担体に担持されている硝酸ニッケル等が無駄なく消費されて水酸化物を形成するように、化学量論的に必要な量以上になるように調整するのが好ましい。
なお、Ru等の貴金属元素は、ニッケル源、マグネシウム源およびアルミニウム源(<調製方法3>の場合はさらに尿素)と共に、貴金属源となる貴金属の化合物を水溶液として導入することも可能である。
本発明における沈殿物が酸化物または炭酸塩の場合、酸化物は炭酸ニッケルや水酸化ニッケルを強熱すると生成し、また、乾燥すると生成する可能性がある。
炭酸塩は硝酸ニッケルの水溶液に炭酸アルカリ(炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等)を加えると塩基性炭酸ニッケル(水に不溶)が生じることによって形成される。
本発明は、また、炭化水素の改質方法も提供する。
本発明の炭化水素の改質方法は、前記のようにして調製した触媒と炭化水素または酸素を含む炭化水素を組み合わせて用いることにある。
炭化水素としては、メタン、エタン、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン等の直鎖状または分岐状の飽和脂肪族炭化水素、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、シクロオクタン等の脂環式飽和炭化水素、単環または多環芳香族炭化水素等が挙げられる。中でも、炭素数3以上の炭化水素が好ましい。このような炭化水素としては、LPG、ライトナフサ、ヘビーナフサ、ナフサ、ガソリン、灯油、軽油、A重油等が該当する。酸素を含む炭化水素としては、メタノール、エタノール、グリセリン等のアルコール類、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル等のエーテル類、バイオ資源から製造されるバイオディーゼル燃料や植物油等が挙げられる。
本発明の炭化水素の改質方法は、前記のようにして調製した触媒と炭化水素または酸素を含む炭化水素を組み合わせて用いることにある。
炭化水素としては、メタン、エタン、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン等の直鎖状または分岐状の飽和脂肪族炭化水素、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、シクロオクタン等の脂環式飽和炭化水素、単環または多環芳香族炭化水素等が挙げられる。中でも、炭素数3以上の炭化水素が好ましい。このような炭化水素としては、LPG、ライトナフサ、ヘビーナフサ、ナフサ、ガソリン、灯油、軽油、A重油等が該当する。酸素を含む炭化水素としては、メタノール、エタノール、グリセリン等のアルコール類、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル等のエーテル類、バイオ資源から製造されるバイオディーゼル燃料や植物油等が挙げられる。
また、一般に、炭化水素または酸素を含む炭化水素中に硫黄分が存在する場合には、脱硫工程を通して、通常、硫黄分が0.1質量ppm以下になるまで脱硫を行うことが好ましい。原料炭化水素中の硫黄分が0.1質量ppmより多くなると、炭化水素改質用触媒が失活する原因になることがある。脱硫方法は特に限定されないが、水添脱硫、吸着脱硫等を適宜採用することができる。
次に、炭化水素または酸素を含む炭化水素の各改質反応について説明する。
[水蒸気改質反応]
反応条件としては、通常、スチーム/カーボン比(モル比)が1.5〜10、好ましくは1.5〜5、より好ましくは2〜4となるように炭化水素量と水蒸気量を決定すればよい。このようにスチーム/カーボン比(モル比)を調整することにより、水素含有量の多い生成ガスを効率よく得ることができる。
反応温度は、通常、200〜900℃、好ましくは250〜900℃、さらに好ましくは300〜800℃である。反応圧力は、通常0〜3MPa・G、好ましくは0〜1MPa・Gである。
改質触媒層の入口温度は630℃以下、好ましくは600℃以下に保って水蒸気改質を行うのがよい。入口温度が630℃を超えると、炭化水素の熱分解が促進され、生成したラジカルを経由して触媒または反応管壁に炭素が析出して、運転が困難になる場合がある。
触媒層出口温度は特に制限はないが、650〜800℃の範囲が好ましい。出口温度が650℃以上であれば、水素の生成量が充分であり、また800℃以下であれば、反応装置は耐熱材料を用いなくてもよく、経済的に好ましい。
なお、水蒸気改質反応に使用する水蒸気としては特に制限はない。
[水蒸気改質反応]
反応条件としては、通常、スチーム/カーボン比(モル比)が1.5〜10、好ましくは1.5〜5、より好ましくは2〜4となるように炭化水素量と水蒸気量を決定すればよい。このようにスチーム/カーボン比(モル比)を調整することにより、水素含有量の多い生成ガスを効率よく得ることができる。
反応温度は、通常、200〜900℃、好ましくは250〜900℃、さらに好ましくは300〜800℃である。反応圧力は、通常0〜3MPa・G、好ましくは0〜1MPa・Gである。
改質触媒層の入口温度は630℃以下、好ましくは600℃以下に保って水蒸気改質を行うのがよい。入口温度が630℃を超えると、炭化水素の熱分解が促進され、生成したラジカルを経由して触媒または反応管壁に炭素が析出して、運転が困難になる場合がある。
触媒層出口温度は特に制限はないが、650〜800℃の範囲が好ましい。出口温度が650℃以上であれば、水素の生成量が充分であり、また800℃以下であれば、反応装置は耐熱材料を用いなくてもよく、経済的に好ましい。
なお、水蒸気改質反応に使用する水蒸気としては特に制限はない。
[自己熱改質反応]
自己熱改質反応は炭化水素の酸化反応と炭化水素と水蒸気の反応が同一リアクター内または連続したリアクター内で起こり、通常、反応温度は200〜1,300℃、好ましくは400〜1,200℃、より好ましくは500〜900℃である。
スチーム/カーボン比(モル比)は、通常、0.1〜10、好ましくは0.4〜4である。酸素/カーボン比(モル比)は、通常、0.1〜1、好ましくは0.2〜0.8である。
反応圧力は、通常、0〜10MPa・G、好ましくは0〜5MPa・G、より好ましくは0〜3MPa・Gである。
[部分酸化改質反応]
部分酸化改質反応は炭化水素の部分酸化反応が起こり、通常、反応温度は350〜1,200℃、好ましくは450〜900℃である。酸素/カーボン比(モル比)は、通常、0.4〜0.8、好ましくは0.45〜0.65である。
反応圧力は、通常、0〜30MPa・G、好ましくは0〜5MPa・G、より好ましくは0〜3MPa・Gである。
自己熱改質反応は炭化水素の酸化反応と炭化水素と水蒸気の反応が同一リアクター内または連続したリアクター内で起こり、通常、反応温度は200〜1,300℃、好ましくは400〜1,200℃、より好ましくは500〜900℃である。
スチーム/カーボン比(モル比)は、通常、0.1〜10、好ましくは0.4〜4である。酸素/カーボン比(モル比)は、通常、0.1〜1、好ましくは0.2〜0.8である。
反応圧力は、通常、0〜10MPa・G、好ましくは0〜5MPa・G、より好ましくは0〜3MPa・Gである。
[部分酸化改質反応]
部分酸化改質反応は炭化水素の部分酸化反応が起こり、通常、反応温度は350〜1,200℃、好ましくは450〜900℃である。酸素/カーボン比(モル比)は、通常、0.4〜0.8、好ましくは0.45〜0.65である。
反応圧力は、通常、0〜30MPa・G、好ましくは0〜5MPa・G、より好ましくは0〜3MPa・Gである。
上記の各反応を開始する前に触媒の活性化前処理として還元−酸化の繰り返し処理を施してもよい。還元−酸化の繰り返し処理を施すことにより、触媒を高活性化させるとともに高耐久化させることができる。
還元−酸化の繰り返し処理において、還元処理は、通常、水素含有ガス雰囲気下、600〜1100℃、好ましくは700〜1000℃の範囲の温度で行われる。この温度が600℃以上であれば、Ni成分の還元が十分に行われ、活性の高い触媒を得ることができ、また1100℃以下であれば、Ni成分や、Ru成分などの貴金属成分のシンタリングによる活性低下を抑制することができる。
還元処理時間は、処理温度にもよるが、Ni成分の十分な還元および経済性のバランスなどの観点から、30分ないし10時間が好ましく、1〜5時間がより好ましい。
一方、還元−酸化の繰り返し処理において、酸化処理は、通常、酸素含有ガス雰囲気下、400〜1200℃、好ましくは500〜1000℃の範囲の温度で行われる。前記酸素含有ガスとしては、通常空気が用いられるが、空気を、窒素やアルゴンなどの不活性ガスで希釈したガス、あるいは水蒸気などを用いることもできる。
酸化処理温度が400℃以上であれば、Ni元素や、Ruなどの貴金属元素の酸化が十分に進行し、本発明の効果が良好に発揮され、また1200℃以下であればRuなどの貴金属成分の揮発や表面積の低下が生じにくい。
酸化処理時間は、処理温度にもよるが、Ni元素や、Ruなどの貴金属元素の十分な酸化および経済性のバランスなどの観点から、30分ないし10時間が好ましく、1〜5時間がより好ましい。
本発明においては、触媒活性の向上の観点から、焼成した触媒を還元処理後、「酸化−還元」の繰り返し処理を1〜20回施すことが好ましく、1〜10回施すことがより好ましく、1〜3回施すことがさらに好ましい。
このように、炭化水素改質触媒に、活性化前処理として、還元−酸化の繰り返し処理を施すことにより、同炭化水素改質触媒の活性や耐久性が向上する理由としては、次のことが考えられる。
活性金属元素であるNiとRuやRhなどの貴金属元素との相互作用により、活性金属元素が高分散化する還元/酸化の繰り返し処理により、相互作用がより強くなって、高活性化および高耐久化をもたらすことが考えられる。しかし、ある一定以上の回数を繰り返すと、活性金属元素の凝集が生じるようになり、活性が低下するものと思われる。
還元−酸化の繰り返し処理において、還元処理は、通常、水素含有ガス雰囲気下、600〜1100℃、好ましくは700〜1000℃の範囲の温度で行われる。この温度が600℃以上であれば、Ni成分の還元が十分に行われ、活性の高い触媒を得ることができ、また1100℃以下であれば、Ni成分や、Ru成分などの貴金属成分のシンタリングによる活性低下を抑制することができる。
還元処理時間は、処理温度にもよるが、Ni成分の十分な還元および経済性のバランスなどの観点から、30分ないし10時間が好ましく、1〜5時間がより好ましい。
一方、還元−酸化の繰り返し処理において、酸化処理は、通常、酸素含有ガス雰囲気下、400〜1200℃、好ましくは500〜1000℃の範囲の温度で行われる。前記酸素含有ガスとしては、通常空気が用いられるが、空気を、窒素やアルゴンなどの不活性ガスで希釈したガス、あるいは水蒸気などを用いることもできる。
酸化処理温度が400℃以上であれば、Ni元素や、Ruなどの貴金属元素の酸化が十分に進行し、本発明の効果が良好に発揮され、また1200℃以下であればRuなどの貴金属成分の揮発や表面積の低下が生じにくい。
酸化処理時間は、処理温度にもよるが、Ni元素や、Ruなどの貴金属元素の十分な酸化および経済性のバランスなどの観点から、30分ないし10時間が好ましく、1〜5時間がより好ましい。
本発明においては、触媒活性の向上の観点から、焼成した触媒を還元処理後、「酸化−還元」の繰り返し処理を1〜20回施すことが好ましく、1〜10回施すことがより好ましく、1〜3回施すことがさらに好ましい。
このように、炭化水素改質触媒に、活性化前処理として、還元−酸化の繰り返し処理を施すことにより、同炭化水素改質触媒の活性や耐久性が向上する理由としては、次のことが考えられる。
活性金属元素であるNiとRuやRhなどの貴金属元素との相互作用により、活性金属元素が高分散化する還元/酸化の繰り返し処理により、相互作用がより強くなって、高活性化および高耐久化をもたらすことが考えられる。しかし、ある一定以上の回数を繰り返すと、活性金属元素の凝集が生じるようになり、活性が低下するものと思われる。
以上の改質反応の反応方式としては、連続流通式、回分式のいずれの方式であってもよいが、連続流通式が好ましい。
連続流通式を採用する場合、炭化水素の液時空間速度(LHSV)は、通常、0.1〜10h-1、好ましくは、0.25〜5h-1である。
反応形式としては、特に制限はなく、固定床式、移動床式、流動床式いずれも採用できるが、固定床式が好ましい。
反応器の形式としても特に制限はなく、例えば、管型反応器等を用いることができる。
上記のような条件で、炭化水素改質用触媒を用いて、炭化水素の水蒸気改質反応、自己熱改質反応、部分酸化改質反応を行わせることにより水素を含む混合物を得ることができ、特に、燃料電池の水素製造プロセス用の水素含有ガスとして好適に使用される。
連続流通式を採用する場合、炭化水素の液時空間速度(LHSV)は、通常、0.1〜10h-1、好ましくは、0.25〜5h-1である。
反応形式としては、特に制限はなく、固定床式、移動床式、流動床式いずれも採用できるが、固定床式が好ましい。
反応器の形式としても特に制限はなく、例えば、管型反応器等を用いることができる。
上記のような条件で、炭化水素改質用触媒を用いて、炭化水素の水蒸気改質反応、自己熱改質反応、部分酸化改質反応を行わせることにより水素を含む混合物を得ることができ、特に、燃料電池の水素製造プロセス用の水素含有ガスとして好適に使用される。
次に、本発明を実施例および比較例により、さらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
EPMA(Electron Probe Micro Analyzer)は以下の装置および条件にて金属成分の含有率の測定を行なった。
装置:日本電子(株)製、JXA8200
加速電圧:15.0kV
照射電流:5×10A(-B)A
ビーム径:2μm
積算時間:100msec/point
装置:日本電子(株)製、JXA8200
加速電圧:15.0kV
照射電流:5×10A(-B)A
ビーム径:2μm
積算時間:100msec/point
〔実施例1〕
98%Ni(NO3)2・6H2O(和光純薬工業製)の6.613g、98%Mg(NO3)2・6H2O(和光純薬工業製)の2.915gおよび97%Al(NO3)3・9H2O (和光純薬工業製)の4.309gをイオン交換水10ミリリットルに溶解してA液を調製した。また、イオン交換水20ミリリットル中に96%NaOH(和光純薬工業製)の3.467gおよび99%Na2CO3(和光純薬工業製)の1.631gを溶解してB液を調製した。
担体として、球状アルミナのKHO24(住化アルケム社製)の50gに上記A液のうち15gを含浸担持させ、エバポレーターを用いて70℃で加熱しながら30分減圧乾燥を行った。その後、A液の残り全てを含浸担持(表1中では金属含浸と記す。以下同じ)させ、エバポレーターで70℃、3時間の減圧乾燥を行なうことにより触媒前駆体1を得た。次に、触媒前駆体1をB液中に浸漬(表1中ではアルカリ浸漬と記す。以下同じ)し、1時間程度静置することにより表面近傍に沈殿が形成された触媒前駆体2を得た。
次いで、触媒前駆体2を濾別し、イオン交換水で24時間(室温)連続洗浄した。次いで、120℃で20時間乾燥し、室温まで冷却した。次いで、室温から500℃まで3時間で昇温し、500℃で3時間保持(焼成、以下同じ)することでKHO24に担持された本発明のpre-NiMgAlO触媒(金属元素モル比:Ni/Mg/Al=2.0/1.0/1.0)を得た。これを「触媒1」とする。
セイコーインスツルメント社製のSPS−5100を用いてICP(高周波誘導結合プラズマ)発光分光分析を行い、「触媒1」中のNiおよびMg含有量はそれぞれ2.6および0.5質量%であることが確認された。
また、X線回折測定により、沈殿物がNi、MgおよびAlを含む層状複水酸化物の水和物構造を有するものであることが確認された。
98%Ni(NO3)2・6H2O(和光純薬工業製)の6.613g、98%Mg(NO3)2・6H2O(和光純薬工業製)の2.915gおよび97%Al(NO3)3・9H2O (和光純薬工業製)の4.309gをイオン交換水10ミリリットルに溶解してA液を調製した。また、イオン交換水20ミリリットル中に96%NaOH(和光純薬工業製)の3.467gおよび99%Na2CO3(和光純薬工業製)の1.631gを溶解してB液を調製した。
担体として、球状アルミナのKHO24(住化アルケム社製)の50gに上記A液のうち15gを含浸担持させ、エバポレーターを用いて70℃で加熱しながら30分減圧乾燥を行った。その後、A液の残り全てを含浸担持(表1中では金属含浸と記す。以下同じ)させ、エバポレーターで70℃、3時間の減圧乾燥を行なうことにより触媒前駆体1を得た。次に、触媒前駆体1をB液中に浸漬(表1中ではアルカリ浸漬と記す。以下同じ)し、1時間程度静置することにより表面近傍に沈殿が形成された触媒前駆体2を得た。
次いで、触媒前駆体2を濾別し、イオン交換水で24時間(室温)連続洗浄した。次いで、120℃で20時間乾燥し、室温まで冷却した。次いで、室温から500℃まで3時間で昇温し、500℃で3時間保持(焼成、以下同じ)することでKHO24に担持された本発明のpre-NiMgAlO触媒(金属元素モル比:Ni/Mg/Al=2.0/1.0/1.0)を得た。これを「触媒1」とする。
セイコーインスツルメント社製のSPS−5100を用いてICP(高周波誘導結合プラズマ)発光分光分析を行い、「触媒1」中のNiおよびMg含有量はそれぞれ2.6および0.5質量%であることが確認された。
また、X線回折測定により、沈殿物がNi、MgおよびAlを含む層状複水酸化物の水和物構造を有するものであることが確認された。
〔実施例2〕
98%Ni(NO3)2・6H2O(和光純薬工業製)の13.87g、98%Mg(NO3)2・6H2O(和光純薬工業製)の6.115gおよび97%Al(NO3)3・9H2O (和光純薬工業製)の9.039gをイオン交換水20ミリリットルに溶解してA液を調製した。また、イオン交換水20ミリリットル中に96%NaOH(和光純薬工業製)の7.272gおよび99%Na2CO3(和光純薬工業製)の3.421gを溶解してB液を調製した。
担体として、KHO24の50gに上記A液のうち15gを含浸担持させ、エバポレーターを用いて70℃で加熱しながら2時間減圧乾燥を行った。その後、A液の10gを含浸担持させ、再度エバポレーターで70℃、2時間の減圧乾燥を行なった。さらにA液の残り全てを含浸担持させ、エバポレーターを用いて70℃で3時間の減圧乾燥を行なうことにより触媒前駆体1を得た。次に、触媒前駆体1をB液中に浸漬し、1時間程度静置することにより表面近傍に沈殿が形成された触媒前駆体2を得た。
次いで、触媒前駆体2を濾別し、イオン交換水で24時間(室温)連続洗浄した。次いで、120℃で20時間乾燥し、室温まで冷却した。次いで、室温から500℃まで3時間で昇温し、500℃で3時間保持することでKHO24に担持された本発明のpre-NiMgAlO触媒(金属元素モル比:Ni/Mg/Al=2.0/1.0/1.0)を得た。これを「触媒2」とする。
ICP発光分光分析により、「触媒2」中のNiおよびMg含有量はそれぞれ4.2および0.4質量%であることが確認された。
得られた「触媒2」について日本電子(株)製のJXA−8200を用いてEPMA線分析を行なった。結果を図1および2に示す。図1は「触媒2」中のNiの濃度分布を示す。図2は「触媒2」中のMgの濃度分布を示す。
また、X線回折測定により、沈殿物がNi、MgおよびAlを含む層状複水酸化物の水和物構造を有するものであることが確認された。
98%Ni(NO3)2・6H2O(和光純薬工業製)の13.87g、98%Mg(NO3)2・6H2O(和光純薬工業製)の6.115gおよび97%Al(NO3)3・9H2O (和光純薬工業製)の9.039gをイオン交換水20ミリリットルに溶解してA液を調製した。また、イオン交換水20ミリリットル中に96%NaOH(和光純薬工業製)の7.272gおよび99%Na2CO3(和光純薬工業製)の3.421gを溶解してB液を調製した。
担体として、KHO24の50gに上記A液のうち15gを含浸担持させ、エバポレーターを用いて70℃で加熱しながら2時間減圧乾燥を行った。その後、A液の10gを含浸担持させ、再度エバポレーターで70℃、2時間の減圧乾燥を行なった。さらにA液の残り全てを含浸担持させ、エバポレーターを用いて70℃で3時間の減圧乾燥を行なうことにより触媒前駆体1を得た。次に、触媒前駆体1をB液中に浸漬し、1時間程度静置することにより表面近傍に沈殿が形成された触媒前駆体2を得た。
次いで、触媒前駆体2を濾別し、イオン交換水で24時間(室温)連続洗浄した。次いで、120℃で20時間乾燥し、室温まで冷却した。次いで、室温から500℃まで3時間で昇温し、500℃で3時間保持することでKHO24に担持された本発明のpre-NiMgAlO触媒(金属元素モル比:Ni/Mg/Al=2.0/1.0/1.0)を得た。これを「触媒2」とする。
ICP発光分光分析により、「触媒2」中のNiおよびMg含有量はそれぞれ4.2および0.4質量%であることが確認された。
得られた「触媒2」について日本電子(株)製のJXA−8200を用いてEPMA線分析を行なった。結果を図1および2に示す。図1は「触媒2」中のNiの濃度分布を示す。図2は「触媒2」中のMgの濃度分布を示す。
また、X線回折測定により、沈殿物がNi、MgおよびAlを含む層状複水酸化物の水和物構造を有するものであることが確認された。
〔実施例3〕
98%Ni(NO3)2・6H2O(和光純薬工業製)の6.613g、98%Mg(NO3)2・6H2O(和光純薬工業製)の2.915gおよび97%Al(NO3)3・9H2O (和光純薬工業製)の4.309gをイオン交換水42ミリリットルに溶解してA液を調製した。また、イオン交換水20ミリリットル中に96%NaOH(和光純薬工業製)の1.631gおよび99%Na2CO3(和光純薬工業製)の1.631gを溶解してB液(アルカリ水溶液)を調製した。
担体として、球状アルミナのNA−3(日揮ユニバーサル社製)の50gにA液を含浸担持させ、エバポレーターを用いて70℃で加熱しながら3時間減圧乾燥を行うことにより触媒前駆体1を得た。次に、触媒前駆体1をB液中に浸漬し、1時間静置することにより表面近傍に沈殿が形成された触媒前駆体2を得た。
次いで、触媒前駆体2を濾別し、イオン交換水で24時間連続洗浄した。さらに120℃で20時間乾燥し、室温まで冷却した。次いで室温から500℃まで3時間で昇温して500℃で3時間保持することでNA−3に担持された本発明のpre-NiMgAlO触媒(金属元素モル比:Ni/Mg/Al=2.0/1.0/1.0)を得た。これを「触媒2」とする。
ICP発光分光分析により、「触媒3」中のNiおよびMg含有量はそれぞれ2.5および0.6質量%であることが確認された。
また、X線回折測定により、沈殿物がNi、MgおよびAlを含む層状複水酸化物の水和物構造を有するものであることが確認された。
98%Ni(NO3)2・6H2O(和光純薬工業製)の6.613g、98%Mg(NO3)2・6H2O(和光純薬工業製)の2.915gおよび97%Al(NO3)3・9H2O (和光純薬工業製)の4.309gをイオン交換水42ミリリットルに溶解してA液を調製した。また、イオン交換水20ミリリットル中に96%NaOH(和光純薬工業製)の1.631gおよび99%Na2CO3(和光純薬工業製)の1.631gを溶解してB液(アルカリ水溶液)を調製した。
担体として、球状アルミナのNA−3(日揮ユニバーサル社製)の50gにA液を含浸担持させ、エバポレーターを用いて70℃で加熱しながら3時間減圧乾燥を行うことにより触媒前駆体1を得た。次に、触媒前駆体1をB液中に浸漬し、1時間静置することにより表面近傍に沈殿が形成された触媒前駆体2を得た。
次いで、触媒前駆体2を濾別し、イオン交換水で24時間連続洗浄した。さらに120℃で20時間乾燥し、室温まで冷却した。次いで室温から500℃まで3時間で昇温して500℃で3時間保持することでNA−3に担持された本発明のpre-NiMgAlO触媒(金属元素モル比:Ni/Mg/Al=2.0/1.0/1.0)を得た。これを「触媒2」とする。
ICP発光分光分析により、「触媒3」中のNiおよびMg含有量はそれぞれ2.5および0.6質量%であることが確認された。
また、X線回折測定により、沈殿物がNi、MgおよびAlを含む層状複水酸化物の水和物構造を有するものであることが確認された。
〔実施例4〕
98%Ni(NO3)2・6H2O(和光純薬工業製)の6.613g、98%Mg(NO3)2・6H2O(和光純薬工業製)の2.915gおよび97%Al(NO3)3・9H2O (和光純薬工業製)の4.309gおよび99%尿素(和光純薬工業製)の12.17gをイオン交換水20ミリリットルに溶解してA液を調製した。
KHO24の50gにA液のうち15gを含浸担持させ、エバポレーターを用いて70℃で加熱しながら2時間減圧乾燥を行った。その後、A液のうち10gを含浸担持させ、再度エバポレーターを用いて70℃で2時間の減圧乾燥を行った。さらにA液の残り全てを含浸担持させ、エバポレーターを用いて70℃で3時間の減圧乾燥した。さらに、「イオン交換水のみを10g担持させ、エバポレーターで70℃、2時間の減圧乾燥する」ことを2回行った。次に、120℃で20時間乾燥し、次いで室温から500℃まで3時間で昇温して500℃で3時間保持(熟成)することでKHO24に担持された本発明のpre-NiMgAlO触媒(金属元素モル比:Ni/Mg/Al=2.0/1.0/1.0)を得た。これを「触媒4」とする。
ICP発光分光分析により、「触媒4」中のNiおよびMg含有量はそれぞれ2.6および0.6質量%であることが確認された。
また、X線回折測定により、沈殿物がNi、MgおよびAlを含む層状複水酸化物の水和物構造を有するものであることが確認された。
98%Ni(NO3)2・6H2O(和光純薬工業製)の6.613g、98%Mg(NO3)2・6H2O(和光純薬工業製)の2.915gおよび97%Al(NO3)3・9H2O (和光純薬工業製)の4.309gおよび99%尿素(和光純薬工業製)の12.17gをイオン交換水20ミリリットルに溶解してA液を調製した。
KHO24の50gにA液のうち15gを含浸担持させ、エバポレーターを用いて70℃で加熱しながら2時間減圧乾燥を行った。その後、A液のうち10gを含浸担持させ、再度エバポレーターを用いて70℃で2時間の減圧乾燥を行った。さらにA液の残り全てを含浸担持させ、エバポレーターを用いて70℃で3時間の減圧乾燥した。さらに、「イオン交換水のみを10g担持させ、エバポレーターで70℃、2時間の減圧乾燥する」ことを2回行った。次に、120℃で20時間乾燥し、次いで室温から500℃まで3時間で昇温して500℃で3時間保持(熟成)することでKHO24に担持された本発明のpre-NiMgAlO触媒(金属元素モル比:Ni/Mg/Al=2.0/1.0/1.0)を得た。これを「触媒4」とする。
ICP発光分光分析により、「触媒4」中のNiおよびMg含有量はそれぞれ2.6および0.6質量%であることが確認された。
また、X線回折測定により、沈殿物がNi、MgおよびAlを含む層状複水酸化物の水和物構造を有するものであることが確認された。
〔実施例5〕
99%La(NO)3・6H2O(和光純薬工業製)の7.065gをイオン交換水10ミリリットルに溶解してA液を調製した。
球状アルミナのKHO24(住化アルケム製)の50gにA液全てを含浸担持させ、エバポレーターを用いて70℃で3時間の減圧乾燥を行った。次いで室温から500℃まで4時間で昇温して500℃で3時間保持することでLa/KHO24を得た。
次に98%Ni(NO3)2・6H2O(和光純薬工業製)の6.613g、98%Mg (NO3)2・6H2O(和光純薬工業製)の2.915gおよび97%Al(NO3)3・9H2O(和光純薬工業製)の4.309gをイオン交換水10ミリリットルに溶解してB液を調製した。また、イオン交換水20ミリリットル中に96%NaOH(和光純薬工業製)の3.467gおよび99%Na2CO3(和光純薬工業製)の1.631gを溶解してC液を調製した。
上記のLa/KHO24の50gにB液のうち15gを含浸担持させ、エバポレーターを用いて70℃で加熱しながら30分減圧乾燥を行った。その後、B液の残り全てを含浸担持させ、エバポレーターを用いて70℃で3時間の減圧乾燥を行った。次に、C液中に浸漬し、1時間程度静置した。静置後、アルカリ水溶液をろ別し、次いでイオン交換水で24時間連続洗浄を行った。さらに120℃で20時間乾燥し、次いで室温から500℃まで3時間で昇温して500℃で3時間保持することでpre-Ni-Mg-Al-O/La(3.4)/KHO24、Ni/Mg/Al=2.0/1.0/1.0(添加物の金属モル比)〕を得た。これを「触媒5」とする。ICP分析より、上記触媒中のNi、MgおよびLa含有量はそれぞれ2.1、0.41、3.4質量%であった。
99%La(NO)3・6H2O(和光純薬工業製)の7.065gをイオン交換水10ミリリットルに溶解してA液を調製した。
球状アルミナのKHO24(住化アルケム製)の50gにA液全てを含浸担持させ、エバポレーターを用いて70℃で3時間の減圧乾燥を行った。次いで室温から500℃まで4時間で昇温して500℃で3時間保持することでLa/KHO24を得た。
次に98%Ni(NO3)2・6H2O(和光純薬工業製)の6.613g、98%Mg (NO3)2・6H2O(和光純薬工業製)の2.915gおよび97%Al(NO3)3・9H2O(和光純薬工業製)の4.309gをイオン交換水10ミリリットルに溶解してB液を調製した。また、イオン交換水20ミリリットル中に96%NaOH(和光純薬工業製)の3.467gおよび99%Na2CO3(和光純薬工業製)の1.631gを溶解してC液を調製した。
上記のLa/KHO24の50gにB液のうち15gを含浸担持させ、エバポレーターを用いて70℃で加熱しながら30分減圧乾燥を行った。その後、B液の残り全てを含浸担持させ、エバポレーターを用いて70℃で3時間の減圧乾燥を行った。次に、C液中に浸漬し、1時間程度静置した。静置後、アルカリ水溶液をろ別し、次いでイオン交換水で24時間連続洗浄を行った。さらに120℃で20時間乾燥し、次いで室温から500℃まで3時間で昇温して500℃で3時間保持することでpre-Ni-Mg-Al-O/La(3.4)/KHO24、Ni/Mg/Al=2.0/1.0/1.0(添加物の金属モル比)〕を得た。これを「触媒5」とする。ICP分析より、上記触媒中のNi、MgおよびLa含有量はそれぞれ2.1、0.41、3.4質量%であった。
〔実施例6〕
99%La(NO3)3・6H2O(和光純薬工業製)の14.782gをイオン交換水10ミリリットルに溶解してA液を調製した。
球状アルミナのKHO24(住化アルケム製)の50gにA液のうち15gを含浸担持させ、エバポレーターを用いて70℃で加熱しながら30分減圧乾燥を行った。その後、A液の残り全てを含浸担持させ、エバポレーターを用いて70℃で3時間の減圧乾燥を行った。次いで室温から500℃まで4時間で昇温して500℃で3時間保持することでLa/KHO24を得た。
次に98%Ni(NO3)2・6H2O(和光純薬工業製)の6.613g、98%Mg(NO3)2・6H2O(和光純薬工業製)の2.915gおよび97%Al(NO3)3・9H2O(和光純薬工業製)の4.309gをイオン交換水10ミリリットルに溶解してB液を調製した。また、イオン交換水20ミリリットル中に96%NaOH(和光純薬工業製)の3.467gおよび99%Na2CO3(和光純薬工業製)の1.631gを溶解してC液を調製した。
上記のLa/KHO24の50gにB液のうち15gを含浸担持させ、エバポレーターを用いて70℃で加熱しながら30分減圧乾燥を行った。その後、B液の残り全てを含浸担持させ、エバポレーターを用いて70℃で3時間の減圧乾燥を行った。次に、C液中に浸漬し、1時間程度静置した。静置後、アルカリ水溶液をろ別し、次いでイオン交換水で24時間連続洗浄を行った。さらに120℃で20時間乾燥し、次いで室温から500℃まで3時間で昇温して500℃で3時間保持することでpre-Ni-Mg-Al-O/La(6.4)/KHO24、Ni/Mg/Al=2.0/1.0/1.0(添加物の金属モル比)を得た。これを「触媒6」とする。ICP分析より、上記触媒中のNi、MgおよびLa含有量はそれぞれ1.7、0.36、6.4質量%であった。
99%La(NO3)3・6H2O(和光純薬工業製)の14.782gをイオン交換水10ミリリットルに溶解してA液を調製した。
球状アルミナのKHO24(住化アルケム製)の50gにA液のうち15gを含浸担持させ、エバポレーターを用いて70℃で加熱しながら30分減圧乾燥を行った。その後、A液の残り全てを含浸担持させ、エバポレーターを用いて70℃で3時間の減圧乾燥を行った。次いで室温から500℃まで4時間で昇温して500℃で3時間保持することでLa/KHO24を得た。
次に98%Ni(NO3)2・6H2O(和光純薬工業製)の6.613g、98%Mg(NO3)2・6H2O(和光純薬工業製)の2.915gおよび97%Al(NO3)3・9H2O(和光純薬工業製)の4.309gをイオン交換水10ミリリットルに溶解してB液を調製した。また、イオン交換水20ミリリットル中に96%NaOH(和光純薬工業製)の3.467gおよび99%Na2CO3(和光純薬工業製)の1.631gを溶解してC液を調製した。
上記のLa/KHO24の50gにB液のうち15gを含浸担持させ、エバポレーターを用いて70℃で加熱しながら30分減圧乾燥を行った。その後、B液の残り全てを含浸担持させ、エバポレーターを用いて70℃で3時間の減圧乾燥を行った。次に、C液中に浸漬し、1時間程度静置した。静置後、アルカリ水溶液をろ別し、次いでイオン交換水で24時間連続洗浄を行った。さらに120℃で20時間乾燥し、次いで室温から500℃まで3時間で昇温して500℃で3時間保持することでpre-Ni-Mg-Al-O/La(6.4)/KHO24、Ni/Mg/Al=2.0/1.0/1.0(添加物の金属モル比)を得た。これを「触媒6」とする。ICP分析より、上記触媒中のNi、MgおよびLa含有量はそれぞれ1.7、0.36、6.4質量%であった。
〔実施例7〕
99%La(NO3)3・6H2O(和光純薬工業製)の14.782gをイオン交換水10ミリリットルに溶解してA液を調製した。
球状アルミナのKHD24(住化アルケム製)の50gにA液のうち15gを含浸担持させ、エバポレーターを用いて70℃で加熱しながら30分減圧乾燥を行った。その後、A液の残り全てを含浸担持させ、エバポレーターを用いて70℃で3時間の減圧乾燥を行った。次いで室温から500℃まで4時間で昇温して500℃で3時間保持することでLa/KHD24を得た。
次に98%Ni(NO3)2・6H2O(和光純薬工業製)の6.613g,98%Mg (NO3)2・6H2O(和光純薬工業製)の2.915gおよび97%Al(NO3)3・9H2O(和光純薬工業製)の4.309gをイオン交換水10ミリリットルに溶解してB液を調製した。また、イオン交換水20ミリリットル中に96%NaOH(和光純薬工業製)の3.467gおよび99%Na2CO3(和光純薬工業製)の1.631gを溶解してC液を調製した。
上記のLa/KHD24の50にB液のうち15gを含浸担持させ、エバポレーターを用いて70℃で加熱しながら30分減圧乾燥を行った。その後、B液の残り全てを含浸担持させ、エバポレーターを用いて70℃で3時間の減圧乾燥を行った。次に、C液中に浸漬し、1時間程度静置した。静置後、アルカリ水溶液をろ別し、次いでイオン交換水で24時間連続洗浄を行った。さらに120℃で20時間乾燥し、次いで室温から500℃まで3時間で昇温して500℃で3時間保持することでpre-Ni-Mg-Al-O/La(6.1)/KHD24、Ni/Mg/Al=2.0/1.0/1.0(添加物の金属モル比)を得た。これを「触媒7」とする。ICP分析より、上記触媒中のNi、MgおよびLa含有量はそれぞれ2.3、0.29、6.1質量%であった。
99%La(NO3)3・6H2O(和光純薬工業製)の14.782gをイオン交換水10ミリリットルに溶解してA液を調製した。
球状アルミナのKHD24(住化アルケム製)の50gにA液のうち15gを含浸担持させ、エバポレーターを用いて70℃で加熱しながら30分減圧乾燥を行った。その後、A液の残り全てを含浸担持させ、エバポレーターを用いて70℃で3時間の減圧乾燥を行った。次いで室温から500℃まで4時間で昇温して500℃で3時間保持することでLa/KHD24を得た。
次に98%Ni(NO3)2・6H2O(和光純薬工業製)の6.613g,98%Mg (NO3)2・6H2O(和光純薬工業製)の2.915gおよび97%Al(NO3)3・9H2O(和光純薬工業製)の4.309gをイオン交換水10ミリリットルに溶解してB液を調製した。また、イオン交換水20ミリリットル中に96%NaOH(和光純薬工業製)の3.467gおよび99%Na2CO3(和光純薬工業製)の1.631gを溶解してC液を調製した。
上記のLa/KHD24の50にB液のうち15gを含浸担持させ、エバポレーターを用いて70℃で加熱しながら30分減圧乾燥を行った。その後、B液の残り全てを含浸担持させ、エバポレーターを用いて70℃で3時間の減圧乾燥を行った。次に、C液中に浸漬し、1時間程度静置した。静置後、アルカリ水溶液をろ別し、次いでイオン交換水で24時間連続洗浄を行った。さらに120℃で20時間乾燥し、次いで室温から500℃まで3時間で昇温して500℃で3時間保持することでpre-Ni-Mg-Al-O/La(6.1)/KHD24、Ni/Mg/Al=2.0/1.0/1.0(添加物の金属モル比)を得た。これを「触媒7」とする。ICP分析より、上記触媒中のNi、MgおよびLa含有量はそれぞれ2.3、0.29、6.1質量%であった。
〔比較例1〕
98%Ni(NO3)2・6H2O(和光純薬工業製)の6.613g、98%Mg(NO3)2・6H2O(和光純薬工業製)の2.915gおよび97%Al(NO3)3・9H2O (和光純薬工業製)の4.309gをイオン交換水20ミリリットルに溶解してA液を調製した。
KHO24の50gにA液をポアフィリング法により含浸担持させ、室温で1時間静置後、120℃で20時間乾燥した。次いで室温から500℃まで3時間で昇温して500℃で3時間保持することでKHO24に担持された比較用のimp-NiMgAlO触媒(金属元素モル比:Ni/Mg/Al=2.0/1.0/1.0)を得た。これを「比較用触媒1」とする。
ICP発光分光分析により、「比較用触媒1」中のNiおよびMg含有量はそれぞれ2.6および0.6質量%であることが確認された。
98%Ni(NO3)2・6H2O(和光純薬工業製)の6.613g、98%Mg(NO3)2・6H2O(和光純薬工業製)の2.915gおよび97%Al(NO3)3・9H2O (和光純薬工業製)の4.309gをイオン交換水20ミリリットルに溶解してA液を調製した。
KHO24の50gにA液をポアフィリング法により含浸担持させ、室温で1時間静置後、120℃で20時間乾燥した。次いで室温から500℃まで3時間で昇温して500℃で3時間保持することでKHO24に担持された比較用のimp-NiMgAlO触媒(金属元素モル比:Ni/Mg/Al=2.0/1.0/1.0)を得た。これを「比較用触媒1」とする。
ICP発光分光分析により、「比較用触媒1」中のNiおよびMg含有量はそれぞれ2.6および0.6質量%であることが確認された。
〔比較例2〕
98%Ni(NO3)2・6H2O(和光純薬工業製)の13.87g、98%Mg(NO3)2・6H2O(和光純薬工業製)の6.115gおよび97%Al(NO3)3・9H2O (和光純薬工業製)の9.039gをイオン交換水20ミリリットルに溶解してA液を調製した。
KHO24の50gへの含浸担持以降は比較例1と同じ操作を行い、KHO24に担持された比較用のimp-NiMgAlO触媒(金属元素モル比:Ni/Mg/Al=2.0/1.0/1.0)を得た。これを「比較用触媒2」とする。
ICP発光分光分析により、「比較用触媒2」中のNiおよびMg含有量はそれぞれ4.8および0.9質量%であることが確認された。
得られた「比較用触媒2」についてEPMA線分析を行なった。結果を図3および4に示す。図3は「比較用触媒2」中のNiの濃度分布を示す。図4は「比較用触媒2」中のMgの濃度分布を示す。
98%Ni(NO3)2・6H2O(和光純薬工業製)の13.87g、98%Mg(NO3)2・6H2O(和光純薬工業製)の6.115gおよび97%Al(NO3)3・9H2O (和光純薬工業製)の9.039gをイオン交換水20ミリリットルに溶解してA液を調製した。
KHO24の50gへの含浸担持以降は比較例1と同じ操作を行い、KHO24に担持された比較用のimp-NiMgAlO触媒(金属元素モル比:Ni/Mg/Al=2.0/1.0/1.0)を得た。これを「比較用触媒2」とする。
ICP発光分光分析により、「比較用触媒2」中のNiおよびMg含有量はそれぞれ4.8および0.9質量%であることが確認された。
得られた「比較用触媒2」についてEPMA線分析を行なった。結果を図3および4に示す。図3は「比較用触媒2」中のNiの濃度分布を示す。図4は「比較用触媒2」中のMgの濃度分布を示す。
[応用例1〜7]および[比較応用例1〜3]
前記実施例および比較例で得られた「触媒1」他を用いて灯油の水蒸気改質反応を行なった。なお、比較応用例3においては、市販のNi系触媒であるFCR4−02(ズードケミー触媒社製)を用いた。
各触媒5cm3を反応管に充填して触媒層とし、水素気流下で1時間、850℃で初期還元処理をした。次いで、反応温度を600℃に保持しながら、触媒層へ脱硫灯油(S:0.02質量ppm未満)と水を同脱硫灯油の液時空間速度(LHSV)が2h-1、スチーム/カーボン(モル比)が3.0になるように供給して水蒸気改質反応を開始し、反応開始2時間後に得られたガスをサンプリングして同脱硫灯油のC1転化率を求めた。反応中は、触媒層の平均温度が600℃に保持されるように温度コントロールした。結果を表1に示す。
C1転化率は(A/B)×100により算出した。
A:COモル流量+CO2モル流量+CH4モル流量(いずれも反応管出口 )B:反応管入口側の脱硫灯油の炭素モル流量
前記実施例および比較例で得られた「触媒1」他を用いて灯油の水蒸気改質反応を行なった。なお、比較応用例3においては、市販のNi系触媒であるFCR4−02(ズードケミー触媒社製)を用いた。
各触媒5cm3を反応管に充填して触媒層とし、水素気流下で1時間、850℃で初期還元処理をした。次いで、反応温度を600℃に保持しながら、触媒層へ脱硫灯油(S:0.02質量ppm未満)と水を同脱硫灯油の液時空間速度(LHSV)が2h-1、スチーム/カーボン(モル比)が3.0になるように供給して水蒸気改質反応を開始し、反応開始2時間後に得られたガスをサンプリングして同脱硫灯油のC1転化率を求めた。反応中は、触媒層の平均温度が600℃に保持されるように温度コントロールした。結果を表1に示す。
C1転化率は(A/B)×100により算出した。
A:COモル流量+CO2モル流量+CH4モル流量(いずれも反応管出口 )B:反応管入口側の脱硫灯油の炭素モル流量
表1から、実施例1、2のように金属塩含浸後にアルカリ浸漬を行って得られた触媒では、アルカリ浸漬を行っていない同組成の比較例1、2および市販のNi系触媒(FCR04−2)に比べて高い活性を示すことが確認される。
また、担体を変えた実施例3も高い活性を示す。
実施例4では、アルカリ種を尿素に変更して70℃で長時間熟成を行い、尿素の加水分解反応〔CO(NH2)2+H2O→CO2+2NH3〕により生成するアンモニアによって実施例1〜3同様のアルカリ処理を行ったものである。この触媒も高い活性を示す。
さらに、実施例5〜7では、硝酸ニッケル等の水溶液を担体に含浸させる前に、La化合物を含浸担持させることにより、活性がさらに高められることを示している。
また、別途測定したEPMA線分析(図1、2)からも、実施例のように金属塩含浸後にアルカリ浸漬を行った系では、Ni、Mgいずれも外表面近傍に偏在していることが確認される。
また、担体を変えた実施例3も高い活性を示す。
実施例4では、アルカリ種を尿素に変更して70℃で長時間熟成を行い、尿素の加水分解反応〔CO(NH2)2+H2O→CO2+2NH3〕により生成するアンモニアによって実施例1〜3同様のアルカリ処理を行ったものである。この触媒も高い活性を示す。
さらに、実施例5〜7では、硝酸ニッケル等の水溶液を担体に含浸させる前に、La化合物を含浸担持させることにより、活性がさらに高められることを示している。
また、別途測定したEPMA線分析(図1、2)からも、実施例のように金属塩含浸後にアルカリ浸漬を行った系では、Ni、Mgいずれも外表面近傍に偏在していることが確認される。
本発明の製造方法で製造される触媒を用いることにより、効率よく炭化水素を改質し、特に燃料電池用の水素含有ガスを製造することができる。
Claims (16)
- Ni、MgおよびAlを含む沈殿物であって、水酸化物、酸化物および炭酸塩の中から選ばれる少なくとも1種である化合物を担体の表面に含ませた後、焼成することを特徴とする炭化水素改質用触媒の製造方法。
- 前記沈殿物が水酸化物である請求項1に記載の炭化水素改質用触媒の製造方法。
- 前記沈殿物が、前記Ni化合物、前記Mg化合物および前記Al化合物を含浸した担体を、それらの化合物以外のアルカリ水溶液中に浸漬して形成されたものである請求項1または2に記載の炭化水素改質用触媒の製造方法。
- 前記沈殿物が、前記Ni化合物、前記Mg化合物および前記Al化合物を含む水溶液中に、それらの化合物以外のアルカリを含浸した担体を浸漬して形成されたものである請求項1〜3のいずれかに記載の炭化水素改質用触媒の製造方法。
- 前記沈殿物が、前記Ni化合物、前記Mg化合物および前記Al化合物と、担体中および/または担体表面に存在する尿素が加水分解して生成したアンモニアとの反応により形成された沈殿物である請求項1または2に記載の炭化水素改質用触媒の製造方法。
- 前記沈殿物が、Ni、MgおよびAlを含む層状複水酸化物の水和物構造を有するものである請求項1〜5のいずれかに記載の炭化水素改質用触媒の製造方法。
- 前記アルカリが水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム、炭酸アンモニウムおよび水酸化アンモニウムから選ばれる少なくとも一つである請求項1〜4および6のいずれかに記載の炭化水素改質用触媒の製造方法。
- 前記化合物を担体の表面に含ませる前にLa化合物を含浸担持させる請求項1〜7のいずれかに記載の炭化水素改質用触媒の製造方法。
- 担体がアルミナ、ジルコニア、セリア、チタニア、シリカおよびマグネシアから選ばれる少なくとも一つである請求項1〜8のいずれかに記載の炭化水素改質用触媒の製造方法。
- 前記担体を焼成した後、さらに貴金属を前記焼成物に含ませる請求項1〜9のいずれかに記載の炭化水素改質用触媒の製造方法。
- 貴金属がRuである請求項1〜10のいずれかに記載の炭化水素改質用触媒の製造方法。
- 前記請求項1〜11のいずれかに記載の炭化水素改質用触媒の製造方法で得られた触媒を使用することを特徴とする炭化水素の改質方法。
- 前記炭化水素が炭素数3以上の炭化水素である請求項12に記載の炭化水素の改質方法。
- 前記炭化水素がLPG、ライトナフサ、ヘビーナフサ、ナフサ、ガソリン、灯油、軽油、A重油、アルコール、エーテル、バイオディーゼル燃料、または植物油から選ばれる少なくとも一つである請求項12または13に記載の炭化水素の改質方法。
- 前記改質方法が水蒸気改質、自己熱改質、または部分酸化改質のいずれかである請求項12〜14のいずれかに記載の炭化水素の改質方法。
- 燃料電池用の水素の製造のために適用される請求項12〜15のいずれかに記載の炭化水素の改質方法。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2000031545A (ja) * | 1998-07-16 | 2000-01-28 | Rohm Co Ltd | 半導体発光素子及びその製造方法 |
JP2010275538A (ja) * | 2009-04-27 | 2010-12-09 | Tamiaki Kanabe | ガス製造装置 |
JP2013252519A (ja) * | 2012-05-08 | 2013-12-19 | Gunma Prefecture | 水素含有ガスの製造用触媒および同触媒による水素含有ガスの製造方法。 |
JP2014519463A (ja) * | 2011-04-11 | 2014-08-14 | サウジ アラビアン オイル カンパニー | 金属担持シリカベースの触媒膜反応器アセンブリ |
JP2015157243A (ja) * | 2014-02-21 | 2015-09-03 | 旭化成ケミカルズ株式会社 | 酸化物触媒及びその製造方法、酸化物触媒を用いた不飽和ニトリルの製造方法 |
CN115007161A (zh) * | 2022-07-18 | 2022-09-06 | 中国五环工程有限公司 | 用于顺酐加氢制丁二酸酐的催化剂及其制备方法和使用方法 |
-
2008
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CN115007161B (zh) * | 2022-07-18 | 2023-10-27 | 中国五环工程有限公司 | 用于顺酐加氢制丁二酸酐的催化剂及其制备方法和使用方法 |
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