JP2008093975A - 印字ユニット - Google Patents

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Abstract

【課題】ロール紙を無駄なく使用することができるとともに、用紙切れにより取引を途中で中止するという事態が発生するのを防止することができる印字ユニットを提供する。
【解決手段】明細票発行ユニット5は、明細票の発行後に、ロール紙20の残長が、次回の取引で発行することがある最大長の明細票の長さ以上であるかどうかを確認する。そして、ロール紙20の残長が、次回の取引で発行することがある最大長の明細票の長さ以上でなければ用紙切れと判断する。したがって、ロール紙を無駄なく使用することができるとともに、用紙切れにより取引を途中で中止するという事態が発生するのを防止することができる。
【選択図】図6

Description

この発明は、ATM等の自動取引装置に適用され、この自動取引装置で実行された取引処理の取引内容を印字した明細票を発行する印字ユニットに関する。
従来、ATM等の自動取引装置には、実行した取引処理の取引内容を印字した明細票を発行する印字ユニットが設けられている。印字ユニットには、取引内容を印字する用紙としてロール紙を使用するものがある。このロール紙を使用する印字ユニットは、セットされているロール紙の先端を引き出し、搬送路に沿って搬送する。印字ユニットは、搬送路の途中に設けた印字ヘッドで、搬送されているロール紙に取引内容を印字する。また、印字ユニットは、取引内容を印字した部分をカットし、これを明細票として排紙する。この種の印字ユニットでは、ロール紙の有無を検知するセンサを搬送路の入口付近に設けておき、このセンサによりロール紙の無いことが検知されたときに、用紙切れと判断していた。このため、明細票の発行途中(取引内容の印字途中)に、用紙切れが検知され、取引を途中で中止しなければならない事態が発生することがあった。
このような事態が発生するのを防止するために、ロール紙の巻回部分における半径方向の厚さを検知することにより、ロール紙の残量を大まかに推定する構成を設けるとともに、ロール紙の巻回部分における半径方向の厚さが、予め定めた厚さよりも小さくなったことが検知されたときから、明細票を予め定めた回数発行した時点で用紙切れと判断する印字ユニットが提案されている(特許文献1参照)。また、入力された画像データに基づく画像をロール紙に形成する一般的なプリンタではあるが、画像データが入力されると、ロール紙への画像の形成を開始する前に、ロール紙を引き出して、今回入力された画像データの画像形成途中に、用紙切れが発生しないかどうかを確認する装置も提案されている(特許文献2参照)。
特開平5−182053号公報 特開2004−167931号公報
しかしながら、特許文献1に記載されている発明では、ロール紙の残量を大まかに推定しているだけであり、用紙切れと判断したときのロール紙の残量が、何枚かの明細票を発することができる残量であった。したがって、ロール紙を無駄なく使用することができないという問題があった。また、ロール紙を無駄なく使用するために、用紙切れと判断する判断基準を厳しくすると、明細票の発行途中(取引内容の印字途中)に、用紙切れになるのを防止することができない。
また、特許文献2に記載されている発明は、入力された画像データに基づく画像を形成するまえに、ロール紙の残量を確認することから、画像形成途中に用紙切れになることがないとともに、ロール紙を無駄なく使用することができる。しかし、用紙切れと判断する時点は、すでに画像データの入力が完了している時点である。このため、自動取引装置に適用する印字ユニットに、この特許文献2に記載されている構成を採用しても、結果的に取引を途中で中止するという事態が発生するのを防止することができない。
この発明の目的は、ロール紙を無駄なく使用することができるとともに、用紙切れにより取引を途中で中止するという事態が発生するのを防止することができる印字ユニットを提供することにある。
この発明の印字ユニットは、上記課題を解決するために、以下の構成を備えている。
(1)上位装置である自動取引装置で実行された取引処理の取引内容を印字した明細票を発行する印字ユニットにおいて、
セット位置にセットされているロール紙の先端を引き出し、搬送路に沿って搬送する搬送手段と、
前記自動取引装置で実行された取引処理の取引内容を、前記搬送手段により搬送されているロール紙に印字する印字手段と、
前記印字手段が取引内容を印字した印字部分をカットし、これを明細票として排紙する発行手段と、
前記搬送路の入口と、前記印字手段の印字位置との間に定めた検知位置で、前記搬送路を搬送されているロール紙の有無を検知する検知手段と、
前記排紙手段による明細票の排紙後に、ロール紙の先端から前記検知手段の検知位置までの長さが、発行する最大長さの明細票の長さになる位置まで、ロール紙を前記搬送手段により搬送させ、このときに、前記検知手段が検知しているロール紙の有無に基づいて、用紙切れであるかどうかを判定する判定処理を実行する判定手段と、
前記判定手段が用紙切れであると判定したときに、その旨を前記自動取引装置に通知する通知手段と、を備えている。
この構成では、排紙手段による明細票の排紙後に、判定手段が、ロール紙の先端から検知手段の検知位置までの長さが、次回の取引時に発行する可能性がある最大長さの明細票の長さになる位置まで、ロール紙を前記搬送手段により搬送させる。搬送手段によるロール紙の搬送完了後に、検知手段がロール紙を検知していなければ、ロール紙の残量は、次回の取引時に発行する可能性がある最大長さの明細票の長さよりも短いので、次回の取引処理時に明細票を発行することができない可能性がある。一方、搬送手段によるロール紙の搬送完了後に、検知手段がロール紙を検知していれば、ロール紙の残量は、発行する可能性がある最大長さの明細票の長さ以上であるので、次回の取引処理時に明細票を発行することができないという事態が生じることはない。判定手段は、搬送手段によるロール紙の搬送完了後に、検知手段がロール紙を検知していなければ、用紙切れであると判定する。すなわち、判定手段は、次回の取引処理時に明細票を発行することができない可能性があるときに、用紙切れであると判定する。そして、通知手段が、判定手段において用紙切れであると判定されたことを、上位装置である自動取引装置に通知する。
したがって、自動取引装置が、通知手段から用紙切れの通知があったときに、取扱中止状態に移行することで、用紙切れにより取引を途中で中止するという事態が発生するのを確実に防止できる。また、用紙切れと判定されたときのロール紙の残量は、発行する可能性がある最大長さの明細票の長さ未満であるので、ロール紙を無駄なく使用することができる。
(2)前記セット位置にセットされているロール紙の巻回部分における半径方向の厚さが、予め定めた厚さ以上であるかかどうかを検出する厚さ検出手段を、備えるとともに、
前記判定手段は、前記厚さ検出手段により検出されたロール紙の巻回部分における半径方向の厚さが、予め定めた厚さ以上であった場合に、前記判定処理を行うことなく用紙切れで無いと判定する手段である。
この構成では、厚さ検出手段により、ロール紙の残量を大まかに推定し、推定結果から用紙切れにより取引を途中で中止するという事態が発生する可能性がないときには、前記判定手段が前記判定処理を実行することなく、用紙切れでないと判定する。したがって、判定手段が、無駄な判定処理を実行するのを防止でき、装置の負荷やロール紙の傷みが抑えられる。
(3)前記判定手段は、前記判定処理を実行し、用紙切れでないと判定した場合に、ロール紙の先端を待機位置まで巻き戻す手段である。
この構成では、次回の取引にそなえて、ロール紙を巻き戻しているので、次回の取引時に明細票の発行にかかる処理が速やかに行える。
(4)前記判定手段は、前記判定処理を実行し、用紙切れであると判定した場合に、前記搬送手段により、ロール紙を排紙する側に所定量だけ搬送する手段である。
この構成では、判定処理において、ロール紙の後端が検知手段の検知位置付近に位置した場合に、判定手段が、一旦用紙切れと判定した後に、用紙切れでないと判定するのを防止できる。
(5)前記判定手段により前記判定処理が実行される毎に、その判定結果を、不揮発性の記憶媒体に記憶する記憶手段を備えている。
この構成では、前回の判定処理の処理結果が、本体の電源のオン/オフにより失われることがない。
この発明によれば、ロール紙を無駄なく使用することができるとともに、用紙切れにより取引を途中で中止するという事態が発生するのを確実に防止できる。
以下、この発明の実施形態について説明する。
図1は、この発明の実施形態である印字ユニットを適用したATMの主要部の構成を示す図である。この実施形態のATM1は、主制御部2と、カード処理ユニット3と、通帳処理ユニット4と、明細票発行ユニット5と、入出金処理ユニット6と、操作ユニット7と、通信ユニット8と、を備えている。主制御部2は、上述した各ユニットの動作を制御し、利用者から要求された入金取引、出金取引等の取引処理を実行するとともに、ATM1本体の状態を管理する。カード処理ユニット3は、利用者が挿入したキャッシュカードに磁気データ等で記録されている口座番号等のカード情報を読み取るとともに、必要に応じてカード情報の再書き込みや、書き換え等を行う。通帳処理ユニット4は、利用者が挿入した預金通帳に磁気データ等で記録されている口座番号等の通帳情報を読み取るとともに、必要に応じて通帳情報の再書き込みや、書き換え等を行う。また、通帳に印字していない取引の取引内容を印字する印字処理も行う。明細票発行ユニット5は、取引処理時に、その取引にかかる取引内容を印字した明細票を必要に応じて発行する。この明細票発行ユニット5が、この発明で言う印字ユニットに相当する。入出金処理ユニット6は、入出金される紙幣を処理する紙幣処理部と、入出金される硬貨を処理する硬貨処理部とを有している。紙幣処理部は、入出金される紙幣毎に、その真偽や金種の鑑別を行う。また、硬貨処理部も同様に入出金される硬貨毎に、その真偽や金種の鑑別を行う。操作ユニット7は、利用者による入力操作を受け付ける入力デバイスや、利用者に対して操作案内画面等を表示する表示デバイスを有している。入力デバイスとしては、例えば表示デバイスの画面上に配置されたタッチパネルや、複数の操作キーを有するキーボードが使用される。通信ユニット8は、センタ(不図示)との通信を制御する。ATM1は、通信ユニット8において取引の認証要求をセンタに送信し、センタにおける認証結果を受信する。通信ユニット8と、センタとの通信は、セキュリティの面から専用線を使用するのが好ましい。
カード処理ユニット3、通帳処理ユニット4、入出金処理ユニット6、操作ユニット7、および通信ユニット8については、公知のATMに適用されているものと同じであるので、ここでは詳細な説明を省略する。
図2は、明細票発行ユニットの主要部の構成を示す図である。また、図3は、明細票発行ユニットにおけるロール紙の搬送経路を示す概略図である。明細票発行ユニット5は、制御部11と、印字部12と、搬送部13と、検知部14と、カット部15と、インタフェース部16(以下、I/F部16と言う。)と、を備えている。この明細票発行ユニット5は、ロール紙20を使用して、明細票を発行する。ロール紙20は、明細票発行ユニット5のセット位置にセットされる。制御部11は、明細票発行ユニット5の各部の動作を制御するとともに、ロール紙20が用紙切れの状態であるかどうか等を記憶する不揮発性のメモリ11a(例えばフラッシュメモリ)を有している。
明細票発行ユニット5には、ロール紙20のセット位置と、明細票の排出口21と、を繋ぐ用紙搬送路が形成されている。印字部12は、用紙搬送路の途中に配置した印字ヘッド12aを有し、この印字ヘッド12aでロール紙20に取引内容等を印字する。搬送部13は、用紙搬送路におけるロール紙20の搬送、およびロール紙20から切り取った明細票の搬送を制御する。搬送部13は、セット位置にセットされているロール紙20を搬送する搬送ベルトを駆動する駆動部と、ロール紙20からカットされた部分(通常、発行する明細票)を排出口21に搬送する搬送ベルトを駆動する駆動部と、を有している。したがって、セット位置にセットされているロール紙20の搬送と、ロール紙20からカットされた部分の搬送と、が個別に行える。
検知部14は、厚み検知センサ31と、用紙検知センサ32と、排出検知センサ33と、抜取検知センサ34と、を有している。検知部14は、これらのセンサ31〜34の検知結果を制御部11に入力している。厚み検知センサ31は、セット位置にセットされているロール紙20の半径方向における厚さが、予め定めた厚さ(以下、所定厚さと言う。)以上であるかどうかを検知するための構成である。用紙検知センサ32は、図3に示すように、用紙搬送路の入口近傍の排出口21側に配置しており、用紙搬送路入口近傍におけるロール紙20の有無を検知するための構成である。排出検知センサ33は、排出口21に搬送する、ロール紙20からカットした明細票の通過を検知するための構成である。抜き取り検知センサ34は、排出口21に搬送した明細票の抜き取りを検知するための構成である。抜取検知センサ34は、図3に示すように、排出口21近傍の用紙搬送路側に配置している。また、排出検知センサ33は、抜取検知センサ34よりも用紙搬送路の上流側に配置している。これらのセンサ31〜34は、上述した検知が行えるものであれば、光学センサであってもよいし、メカセンサであってもよいし、さらに他の種類のセンサであってもよいが、接触式のセンサの場合、摩擦でロール紙20や明細票を傷める可能性があることから、非接触式のセンサを用いるのが好ましい。カット部15は、カッタ15aを有し、このカッタ15aをロール紙20の搬送方向に対して垂直な方向(図3における紙面に対して垂直な方向)に駆動することで、ロール紙20から取引内容を印字した部分、すなわち発行する明細票となる部分、を切り取る。カッタ15aは、図3に示すように、印字ヘッド12aの近傍で、且つ用紙搬送路の下流側に配置している。
次に、ATM1の動作について説明する。図4は、ATMの動作を示すフローチャートである。ATM1は、取引の開始、または本体の電源オフにかかる入力を待っている(s1、s2)。ATM1は、電源オフにかかる入力があると、各ユニットの動作を停止する等の電源オフ処理を行い(s3)、本処理を終了する。ATM1は、取引の開始にかかる入力があると、操作ユニット7において、これから処理する取引にかかる情報(暗証番号、出金金額等)の入力を受け付ける(s4)。また、s4では、カード処理ユニット3や通帳処理ユニット4で取引に用いるキャッシュカードや通帳等の媒体の挿入を受け付ける。キャッシュカードや通帳等の媒体については、取引の種類によって必須でない場合もあり、利用者が挿入しないこともある。さらに、これから実行する取引の種別が入金処理や振込処理であれば、s4で利用者による紙幣や硬貨の投入を入出金処理ユニット6で受け付ける。カード処理ユニット3、および通帳処理ユニット4は、挿入されたキャッシュカードや通帳に記録されている口座番号等のカード情報や通帳情報を読み取る。また、入出金処理ユニット6は、投入された紙幣や硬貨を1枚ずつ鑑別し、投入金額を算出する。
ATM1は、通信ユニット8において、取引の認証要求をセンタに送信し(s5)、センタからの認証結果を受信する(s6)。s5でセンタに送信する認証要求には、取引の種別、口座番号、暗証番号、取引金額等、s4で得た情報が含まれている。ATM1は、受信した認証結果において、今回の取引が許可されているかどうかを判定する(s7)。ATM1は、s7でセンタにおいて今回の取引が許可されなかったと判定すると、取引を中止する取引中止処理を行い(s8)、s1に戻る。s8では、今回の取引で挿入されたキャッシュカードや、通帳等の媒体を利用者に返却する返却処理等を行う。また、s8では、明細票を発行しない。
ATM1は、s7でセンタにおいて今回の取引が許可されたと判定すると、明細票発行ユニット5において明細票を発行する必要があるかどうかを判定する(s9)。例えば、今回の取引で通帳が挿入されていれば、取引内容を通帳に印字し、明細票を発行しなくてよい場合がある。ATM1は、s9で明細票を発行する必要があると判定すると、明細票発行ユニット5において明細票を発行する明細票発行処理を行う(s10)。この明細票発行処理の詳細については、後述する。ATM1は、s10にかかる明細票発行処理が完了した場合、またはs9で明細票発行ユニット5において明細票を発行する必要がないと判定した場合、今回の取引で挿入されたキャッシュカードや、通帳等の媒体を利用者に返却する返却処理を行うとともに、利用者が指定した金額の現金を放出する出金処理や、利用者が投入した紙幣や硬貨を金種毎に対応するカートリッジに収納する入金処理等を行う(s11)。ATM1は、s11にかかる処理が完了すると、今回の取引でロール紙20が用紙切れになったかどうかを確認する(s12)。s12は、明細票発行ユニット5から用紙切れが通知されているかどうかを確認する処理である。ATM1は、s12で用紙切れでないことを確認すると、s1に戻る。また、s12で用紙切れであることを確認すると、本体を取扱中止状態に移行させ(s13)、ロール紙20の交換を待つ(s14)。ATM1は、ロール紙20が交換されると、取扱中止状態を解除し(s15)、s1に戻る。
s12以降の処理は、取引の後処理として実行されるステップであり、利用者は、s11で放出された媒体を全て受け取った時点で、ATM1から離れられる。また、ATM1は、s14でロール紙20の交換を待っているときに、電源がオフされたときには、電源オフ処理を行い本処理を終了する。
また、ATM1は、上記取引処理の途中で、何らかの異常、例えば挿入されたキャッシュカードや通帳の搬送異常、が生じた場合には、本体の動作を停止する異常終了処理を行う。この異常終了処理が行われたときには、係員が発生した異常の復旧作業を行う。
なお、発行する明細票の長さは、取引の種類等にかかわらず一定であってもよいし、取引の種類等で異なってもよい。また、ここで言う明細票の長さは、ロール紙20の搬送方向の長さである。
次に、s10にかかる明細票発行処理について説明する。図5は、明細票発行処理を示すフローチャートである。明細票発行ユニット5は、通常、ロール紙20の先端が待機位置に位置している。この待機位置は、カッタ15aによりロール紙20がカットされるカット位置である。すなわち、カット部15が、カッタ15aでロール紙20をカットしたときの状態が、ロール紙20の先端が待機位置に位置にしている状態である。明細票発行ユニット5は、印字部12がロール紙20に取引内容を印字する印字処理を行う(s21)。印字する取引内容は、主制御部2からI/F部16で受け取っている。このとき、搬送部13は、ロール紙20の先端を排出口21側搬送し、ロール紙20において印字ヘッド12aが当接する位置、すなわち印字位置、を調整する。明細票発行ユニット5は、ロール紙20に対する取引内容の印字が完了しても、すぐにロール紙20の搬送を停止せず、今回取引内容を印字したロール紙20の印字部分の後端が、カット位置よりも少し排出口21側に達するのを待って、ロール紙20の搬送を停止する(s22)。明細票発行ユニット5は、カット部15で取引内容を印字した部分をカットする(s23)。s23でカットされた部分が、今回の取引で発行される明細票である。また、このときロール紙20の先端は、上述したように、待機位置に位置している。
搬送部13は、ロール紙20からカットされた部分を排出口21に搬送する(s24)。このとき、ロール紙20については排出口21側に引き出さない。搬送部13は、上述したように、セット位置にセットされているロール紙20の搬送と、ロール紙20からカットされた部分の搬送と、が個別に行える。s24では、ロール紙20を引き出して搬送する搬送ベルトを停止し、ロール紙20からカットされた部分を搬送する搬送ベルトを駆動することにより、ロール紙20からカットされた部分のみを排出口21に搬送する。搬送部13は、ロール紙20からカットされた部分である明細票を、その一部が排出口21から外側に突出する位置まで搬送すると、明細票の搬送を停止する。このとき、排出検知センサ33や、抜取検知センサ34で明細票の通過が検知できなかった場合、搬送異常が発生したと判断し、その旨を主制御部2に通知する。主制御部2は、明細票発行ユニット5から搬送異常が通知されたときには、本体の動作を停止する異常終了処理を行う。
明細票発行ユニット5は、排出口21に排出した明細票が利用者に抜き取られると(s25)、ロール紙20の残量が次回の取引時に明細票を発行できる量であるかどうかを確認する残量確認処理を行う(s26)。明細票発行ユニット5は、抜取検知センサ34が明細票を検知していない状態に変化したときに、明細票が抜き取られた判断する。
図6は、s26にかかる残量確認処理を示すフローチャートである。この残量確認処理を開始するとき、ロール紙20の先端は待機位置に位置している(図7(A)参照)。明細票発行ユニット5は、検知部14において、厚み検知センサ31によりロール紙20の巻回部分における半径方向の厚さが、所定厚さよりも小さくなっているかどうかを確認する(s31)。ロール紙20は、芯の太さや、紙厚や、巻き方等の違いにより、半径方向の厚さから、残量を精度良く測定することはできない。しかし、ロール紙20種類に関係なく、次回の取引時に明細票を発行できる残量があるときの、厚さの上限については決めることができる。s31で用いる所定厚さは、ロール紙20種類に関係なく、次回の取引時に明細票を発行できる残量があることが確実である厚さの設定値であり、この所定厚さよりも小さくなると、残量不足で、次回の取引時に明細票が発行できないというものではない。
明細票発行ユニット5は、ロール紙20の半径方向の厚さが所定厚さ以上であれば、次回の取引時に明細票を発行できる残量がある、すなわち用紙切れでない、と判断し(s32)、今回の判断結果をメモリ11aに記憶する(s33)。また、今回の判断結果を主制御部2に通知し(s40)、本処理を終了する。一方、ロール紙20の半径方向の厚さが、所定厚さよりも小さければ、搬送部13によりロール紙20を引き出して排出口21側に搬送する(s34)。s34では、ロール紙20の先端から用紙検知センサ32の検知位置までの長さが、次回の取引時に発行する可能性がある明細票の最大長さになる位置まで搬送する。明細票発行ユニット5は、s34にかかるロール紙20の搬送が完了すると、用紙検知センサ32がロール紙20を検知しているかどうかを確認する(s35)。s35で、用紙検知センサ32がロール紙20を検知していれば(図7(B)参照)、次回の取引時に明細票を発行することができる残量がある、すなわち用紙切れでない、と判断する(s36)。また、搬送部13によるロール紙20の逆転搬送により、ロール紙20の先端を待機位置に戻す(s37)。そして、s33で今回の判断結果をメモリ11aに記憶するとともに、s40で今回の判断結果を主制御部2に通知し、本処理を終了する。
一方、s35で、用紙検知センサ32がロール紙20を検知していなければ(図7(C)参照)、次回の取引時に明細票を発行することができる残量がない、すなわち用紙切れである、と判断する(s38)。そして、搬送部13によりロール紙20を、さらに所定量だけ排出口21側に追加搬送する(s39)(図7(D)参照)。そして、s33で今回の判断結果をメモリ11aに記憶するとともに、s40で今回の判断結果を主制御部2に通知し、本処理を終了する。
したがって、セット位置にセットされているロール紙20について、用紙切れであると判断される残量は、明細票発行ユニット5において発行することがある最大長さの明細票の長さ未満になるので、ロール紙20を無駄なく使用することができる。また、次回の取引において、ロール紙20の用紙切れが発生するかどうかを検知し、検知結果に基づいてATM1を取扱中止状態に移行させる為、用紙切れにより取引が途中で中止されるという事態が発生することもない。これにより、利用者に対するサービスの向上が図れるとともに、取引処理の処理効率を向上させることができる。
また、ロール紙20の巻回部分における半径方向の厚さが、所定の厚さ以上であれば、上述したs34〜s37にかかる処理を実行しないので、明細票発行ユニット5の負荷を低減することができるとともに、摩擦等によるロール紙20の傷みを抑えることができる。
また、ロール紙20が用紙切れであるかどうかを判断した判断結果を不揮発性のメモリ11aに記憶しているので、本体の電源をオフの後オンされたときに、図6に示した残量検知を再度行う必要がなく、明細票発行ユニット5の負荷を一層低減することができるとともに、摩擦等によりロール紙20の傷みを一層抑えることができる。
なお、明細票発行ユニット5は、ロール紙20の交換が行われたときに、不揮発性のメモリ11aに記憶している判断結果を用紙切れでないとするとともに、ロール紙20の交換完了を主制御部2に通知する。主制御部2は、この通知を以って、上記s14におけるロール紙20の交換完了を判断すればよい。また、電源オン時は、主制御部2が、明細票発行ユニット5に対して、ロール紙20が用紙切れであるかどうかを確認する構成とすればよい。
この発明の実施形態である印字ユニットを適用したATMの主要部の構成を示す図である。 明細票発行ユニットの主要部の構成を示す図である。 明細票発行ユニットにおけるロール紙の搬送経路を示す概略図である。 ATMの動作を示すフローチャートである。 明細票発行処理を示すフローチャートである。 残量確認処理を示すフローチャートである。 残量確認処理にかかる動作を説明する図である。
符号の説明
1−ATM
2−主制御部
3−カード処理ユニット
4−通帳処理ユニット
5−明細票発行ユニット
6−入出金処理ユニット
7−操作ユニット
8−通信ユニット
11−制御部
11a−メモリ
12−印字部
12a−印字ヘッド
13−搬送部
14−検知部
15−カット部
15a−カッタ
16−I/F部
20−ロール紙
21−排出口
31−厚み検知センサ
32−用紙検知センサ
33−排出検知センサ
34−抜取検知センサ

Claims (6)

  1. 上位装置である自動取引装置で実行された取引処理の取引内容を印字した明細票を発行する印字ユニットにおいて、
    セット位置にセットされているロール紙の先端を引き出し、搬送路に沿って搬送する搬送手段と、
    前記自動取引装置で実行された取引処理の取引内容を、前記搬送手段により搬送されているロール紙に印字する印字手段と、
    前記印字手段が取引内容を印字した印字部分をカットし、これを明細票として排紙する発行手段と、
    前記搬送路の入口と、前記印字手段の印字位置との間に定めた検知位置で、前記搬送路を搬送されているロール紙の有無を検知する検知手段と、
    前記排紙手段による明細票の排紙後に、ロール紙の先端から前記検知手段の検知位置までの長さが、発行する最大長さの明細票の長さになる位置まで、ロール紙を前記搬送手段により搬送させ、このときに、前記検知手段が検知しているロール紙の有無に基づいて、用紙切れであるかどうかを判定する判定処理を実行する判定手段と、
    前記判定手段が用紙切れであると判定したときに、その旨を前記自動取引装置に通知する通知手段と、を備えた印字ユニット。
  2. 前記セット位置にセットされているロール紙の巻回部分における半径方向の厚さが、予め定めた厚さ以上であるかかどうかを検出する厚さ検出手段を、備えるとともに、
    前記判定手段は、前記厚さ検出手段により検出されたロール紙の巻回部分における半径方向の厚さが、予め定めた厚さ以上であった場合に、前記判定処理を行うことなく用紙切れで無いと判定する手段である、請求項1に記載の印字ユニット。
  3. 前記判定手段は、前記判定処理を実行し、用紙切れでないと判定した場合に、ロール紙の先端を待機位置まで巻き戻す手段である、請求項1または2に記載の印字ユニット。
  4. 前記判定手段は、前記判定処理を実行し、用紙切れであると判定した場合に、前記搬送手段により、ロール紙を排紙する側に所定量だけ搬送する手段である、請求項1〜3のいずれかに記載の印字ユニット。
  5. 前記判定手段により前記判定処理が実行される毎に、その判定結果を、不揮発性の記憶媒体に記憶する記憶手段を備えた請求項1〜4のいずれかに記載の印字ユニット。
  6. 前記発行手段は、前記自動取引装置で実行された取引処理に応じた長さの明細票を発行する手段である、請求項1〜5のいずれかに記載の印字ユニット。
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