JP2008092688A - インバータ制御装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】インバータのスイッチング素子の温度を検出する温度検出手段と、温度検出手段によって検出した温度に基づいてスイッチング素子の温度保護を行う保護手段と、を備え、前記保護手段は、検出温度と予め定めた目標温度との差を正負の二値信号に変換して出力する二値化手段と、該二値化手段から出力された二値信号を積分し、積分値が0以下となる場合は積分を止めて0を、積分値が0より大きい場合は積分値を保護量として出力する制御手段とを備え、該制御手段から出力された保護量に基づいて温度保護制御を行う構成。例えばトルク指令値に応じて電動機に与える電流を制御するインバータの場合、制御手段から出力された保護量の値をトルク指令値から減算した値を補正後のトルク指令値としてインバータ装置を制御する。
【選択図】図1
Description
本発明は上記の問題を解決するためになされたものであり、低コストで適切な温度保護を実現できるインバータ制御装置を提供することを目的とする。
図1において、1は駆動電源となるバッテリ等の直流電源、破線で囲んだ部分2はインバータ、3は負荷となる電動機である。インバータ2は各相毎に2個で合計6個(3相の場合)のスイッチング素子Q1〜Q6が2個ずつ直列接続され、各接続点から各相の交流出力電流Iu、Iv、Iwが電動機3へ送られるようになっている。
8は測温ダイオードであり、スイッチング素子Q1〜Q6の近傍に設けられている。なお、スイッチング素子として例えばMOSFET等のパワー素子を用いた場合には、MOSFETの素子内に大電流制御用のパワー素子の他に、小さなダイオードが設けられているので、これを用いることが出来る。そして測温ダイオード8は定電流源9および抵抗10と直列回路を構成しており、スイッチング素子の温度が変化すると測温ダイオード8の順方向電圧(アノード−カソード間の電圧)が変化することにより、抵抗10の端子電圧が変化する。この値をコンパレータ11の一方の入力端子に与え、他方の入力端子に基準電圧源12からの基準電圧を与えることにより、スイッチング素子の温度に対応した信号を二値化して補正演算部4へ送る。
(第1実施例)
図2は、補正演算部4の第1実施例を説明するためのブロック図であり、トルク指令値Trq*を入力としてスイッチング素子の温度Tjを出力する制御対象とした場合のフィードバックループとして示した図である。
図2において、破線で囲んだ部分、つまり減算器と二値化部13が図1の測温ダイオード8等とコンパレータ11に相当し、一点鎖線で囲んだ部分、つまり積分部14と減算器が図1の補正演算部4に相当し、制御対象15が図1の制御部5とインバータ2に相当する。
なお、スイッチング素子の温度を制限する保護制御は、電動機のトルクを制限(出力電流を制限)する方法以外に、スイッチング素子のスイッチング周波数(PWM信号のキャリア周波数)を低下させる方法やインバータ装置の電源電圧である直流電圧(図1の直流電源1の電圧)を低下させる方法等があるが、本実施例ではトルクを制限する方法を例として説明する。
図3に示すように、スイッチング素子の温度Tjは、最初にオーバーシュートがあり、多少のハンチングはあるが、短い時間で目標温度T*に収束し、ほぼ目標温度T*一定に制御できていることが分かる。この場合には保護量T_limの変動も定常状態(オーバーシュート収束後)では比較的小さい。
上記のように、積分部14の積分ゲインを小さくすると、定常状態における保護量の変動は小さくなるが、温度保護開始時のオーバーシュートが大きくなり、積分ゲインを大きくすると、オーバーシュートは小さくなるが、定常状態時の保護量の変動が大きくなる。
ステップS2では、温度保護開始後(二値信号が1)に保護量の振幅が一定か、つまり定常状態か否かを判断し、定常状態になったらステップS3で積分ゲインを小さくする。このように構成すれば、オーバーシュートの抑制と定常状態における保護量の変動の低減を両立させることが出来る。この演算は図1の補正演算部4において行う。
また、スイッチング素子の温度がオーバーシュートするような状況では積分ゲインを高くし、目標値近傍で安定させる場合は積分ゲインを低くする構成では、オーバーシュートの抑制と、定常状態における保護量の変動の低減を実現できる。
図6は、補正演算部4の第2実施例を説明するためのブロック図である。
図6において、一点鎖線で囲んだ部分、つまり積分部14と減算器および指令値調整部16が図1の補正演算部4に相当する。
図7において、ステップ11では、保護量が0か否かを判断する。保護量が0とは積分部14の積分値が0で、二値信号が−1の状態であり、つまり、温度保護制御を開始していない状態を示す。
そして補正後のトルク指令値T'rq*は、調整後のトルク指令値Trq**から保護量T_limを減算した値、つまりT'rq*=Trq**−T_limである。
図9は、補正演算部4の第3実施例を説明するためのブロック図であり、積分部14と並列に比例部17を設け、積分部14の出力と比例部17の出力とを加算した値を保護量とする例を示す。ただし、このように比例ゲインを用いる場合には、保護量が負の値にならないように、下限値を0とするリミッタ18を設ける必要がある。なお、積分部14の動作は前記図2の場合と同様である。
図10に示すように、定常状態における保護量の変動はあまり変わらないが、オーバーシュートの抑制ができていることが分かる。
上記のように比例ゲインや微分ゲインを用いることにより、制御を高応答化することができるので、特にオーバーシュートの抑制に効果がある。
3…電動機 4…補正演算部
5…制御部 6…電流センサ
7…角度センサ 8…は測温ダイオード
9…定電流源 10…抵抗
11…コンパレータ 12…基準電圧源
13…二値化部 14…積分部
15…制御対象 16…指令値調整部
17…比例部 18…リミッタ
Q1〜Q6…スイッチング素子 D1〜D6…駆動信号
Trq*…トルク指令値 T'rq*…補正後のトルク指令値
Trq**…調整後のトルク指令値
Claims (6)
- インバータのスイッチング素子の温度を検出する温度検出手段と、前記温度検出手段によって検出した温度に基づいてスイッチング素子の温度保護を行う保護手段と、を備えたインバータ制御装置において、
前記保護手段は、前記検出温度と予め定めた目標温度との差を正負の二値信号に変換して出力する二値化手段と、該二値化手段から出力された二値信号を積分し、積分値が0以下となる場合は積分を止めて0を、積分値が0より大きい場合は積分値を保護量として出力する制御手段と、を備え、該制御手段から出力された保護量に基づいて温度保護制御を行うことを特徴とするインバータ制御装置。 - 前記温度保護制御は、インバータ装置の出力で駆動する電動機のトルク、インバータ装置のスイッチング素子のスイッチング周波数、インバータ装置の電源電圧である直流電圧の内の少なくとも一つを低下させる制御であることを特徴とする請求項1に記載のインバータ制御装置。
- 前記制御手段は、温度保護制御を行っておらず、かつ検出温度が目標温度より小さい場合には、積分ゲインを大きくし、温度保護制御中は積分ゲインを小さくすることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のインバータ制御装置。
- 前記制御手段は、積分手段の他に、比例手段と微分手段の少なくとも一方と、出力の下限値を0とするリミッタとを有することを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れかに記載のインバータ制御装置。
- 外部から与えられたトルク指令値に応じて電動機に与える電流を制御するインバータの場合に、前記制御手段から出力された保護量の値を前記トルク指令値から減算した値を補正後のトルク指令値としてインバータ装置を制御することにより温度保護制御を行うことを特徴とする請求項1に記載のインバータ制御装置。
- インバータのスイッチング素子に発熱を生じさせるようなトルク指令値が入力した場合に、前記トルク指令値の値を温度保護制御開始時点で保持し、入力したトルク指令値が前記保持した値から前記保護量を減算した値を下回った場合に、積分値をリセットして前記保持および温度保護制御を解除することを特徴とする請求項5に記載のインバータ制御装置。
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