JP2008088546A - パーティクル発生の少ない磁気記録膜形成用Co基焼結合金スパッタリングターゲットの製造方法 - Google Patents

パーティクル発生の少ない磁気記録膜形成用Co基焼結合金スパッタリングターゲットの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】パーティクル発生の少ない磁気記録膜形成用Co基焼結合金スパッタリングターゲットの製造方法を提供する。
【解決手段】原料粉末としてPt:10〜90原子%を含有し、残部がCrからなるPt−Cr二元系合金粉末、Pt粉末、二酸化珪素、酸化タンタル、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化トリウム、酸化ジルコニウム、酸化セリウムおよび酸化イットリウムなどの非磁性酸化物粉末、並びにCo粉末を用意し、さらに必要に応じてCr:50〜70原子%を含有し、残部がCoからなるCr−Co二元系合金粉末を用意し、これら原料粉末を非磁性酸化物:2〜15モル%、Cr:3〜20モル%、Pt:5〜30モル%を含有し、残部:Coからなる成分組成となるように配合し混合したのち加圧焼結する。
【選択図】なし

Description

この発明は、ハードディスクの高密度磁気記録媒体に適用される磁気記録膜、特に垂直磁気記録媒体に適用される磁気記録膜を形成するためのスパッタリングターゲットの製造方法に関するものである。
ハードディスク装置は一般にコンピューターやデジタル家電等の外部記録装置として用いられており、記録密度の一層の向上が求められている。そのため、近年、超高密度の記録を実現できる垂直磁気記録方式が注目されてきた。この垂直磁気記録方式は、従来の面内記録方式と異なり、原理的に高密度化するほど記録磁化が安定すると言われており、すでに実用化されている。この垂直磁気記録方式のハードディスク媒体の磁気記録層に適用する材料の有力な候補としてCoCrPt−SiOグラニュラ磁気記録膜が提案されており、この磁気記録膜は高性能な磁気記録膜であることが必要である。これに適用可能な磁気記録膜の一つとしてCoCrPt−SiOグラニュラ磁気記録膜が提案されており、このCoCrPt−SiOグラニュラ磁気記録膜はCrおよびPtを含むCo基焼結合金相と二酸化珪素相の混合相を有するCo基焼結合金スパッタリングターゲットを用いてマグネトロンスパッタ法により作製することが知られている。
このCo基焼結合金スパッタリングターゲットは、通常、二酸化珪素粉末、Cr粉末、Pt粉末およびCo粉末を、二酸化珪素:2〜15モル%、Cr:3〜20モル%、Pt:5〜30モル%を含有し、残部:Coからなる組成となるように配合し混合したのち、ホットプレスまたは熱間静水圧プレスなどの方法で加圧焼結することにより作製されることが知られており、前記二酸化珪素粉末として高温火炎加水分解法で製造された二酸化珪素粉末を使用し、ターゲットの素地中に分散する二酸化珪素相を10μm以下の極めて細かい組織とすることによってパーティクルの発生を少なくしている(特許文献1、特許文献2などを参照)。
さらに、前記SiOのほかにTiO、Cr、TiO、Ta、Al、BeO、MgO、ThO、ZrO、CeO、Yなどの非磁性酸化物が使用できることが知られている(特許文献3、4参照)。
特開2001‐236643号公報 特開2004‐339586号公報 特開2003‐36525号公報 特開2006‐24346号公報
しかし、前記従来の方法で作製したCo基焼結合金スパッタリングターゲットは、パーティクルの発生が避けられず、一層パーティクル発生の少ないCo基焼結合金からなるスパッタリングターゲットが求められていた。
そこで、本発明者は、一層パーティクル発生の少ないCo基焼結合金スパッタリングターゲットを得るべく研究を行なったところ、
(イ)ターゲットの素地中に絶対最大長(粒子の輪郭線上の任意の2点間距離の最大値)が10μmを越える粗大なCrとOを主成分とする凝集体または析出物(以下、クロム酸化物凝集体という)が分散していることがパーティクル発生の一因となっていること、
(ロ)この粗大なクロム酸化物凝集体が素地中に存在しないようにするには、原料粉末として、Cr粉末の代わりに、Pt:10〜90原子%を含有し、残部がCrからなる成分組成を有するPtとCrの二元合金粉末(以下、Cr−Pt二元系合金粉末という)を使用することが好ましいこと、
(ハ)この粗大なクロム酸化物凝集体が素地中に存在しないようにするには、原料粉末として、Cr粉末の代わりに、Cr−Pt二元系合金粉末およびCr:50〜70原子%を含有し、残部がCoからなるCrとCoの二元系合金粉末(以下、Co−Cr二元系合金粉末という)を使用することが好ましいこと、などの知見を得たのである。
この発明は、かかる知見に基づいてなされたものであって、
(1)原料粉末として、Pt:10〜90原子%を含有し、残部がCrからなる成分組成のCr−Pt二元系合金粉末、Pt粉末、非磁性酸化物粉末およびCo粉末を用意し、これら原料粉末を非磁性酸化物:2〜15モル%、Cr:3〜20モル%、Pt:5〜30モル%を含有し、残部:Coからなる成分組成となるように配合し混合したのち、加圧焼結するパーティクル発生の少ない磁気記録膜形成用Co基焼結合金スパッタリングターゲットの製造方法、
(2)原料粉末としてPt:10〜90原子%を含有し、残部がCrからなるCr−Pt二元系合金粉末、Cr:50〜70原子%を含有し、残部がCoからなるCo−Cr二元系合金粉末、Pt粉末、非磁性酸化物粉末およびCo粉末を用意し、これら原料粉末を非磁性酸化物:2〜15モル%、Cr:3〜20モル%、Pt:5〜30モル%を含有し、残部:Coからなる成分組成となるように配合し混合したのち、加圧焼結するパーティクル発生の少ない磁気記録膜形成用Co基焼結合金スパッタリングターゲットの製造方法、
(3)原料粉末としてPt:10〜90原子%を含有し、残部がCrからなるCr−Pt二元系合金粉末、Cr:50〜70原子%を含有し、残部がCoからなるCo−Cr二元系合金粉末、非磁性酸化物粉末およびCo粉末を用意し、これら原料粉末を非磁性酸化物:2〜15モル%、Cr:3〜20モル%、Pt:5〜30モル%を含有し、残部:Coからなる成分組成となるように配合し混合したのち、加圧焼結するパーティクル発生の少ない磁気記録膜形成用Co基焼結合金スパッタリングターゲットの製造方法、に特徴を有するものである。
前記(1)、(2)および(3)記載の加圧焼結は、ホットプレスまたは熱間静水圧プレスである。したがって、この発明は、
(4)前記加圧焼結は、ホットプレスまたは熱間静水圧プレスである前記(1)、(2)または(3)記載のパーティクル発生の少ない磁気記録膜形成用Co基焼結合金スパッタリングターゲットの製造方法、に特徴を有するものである。
この発明のパーティクル発生の少ない磁気記録膜形成用Co基焼結合金スパッタリングターゲットの製造方法において使用するCr−Pt二元系合金粉末の成分組成を前記のごとく限定した理由は、Ptが10原子%未満あるいはPtが90原子%を越えて含有すると粉末中に金属間化合物の他にPtとCrとの結合が弱い固溶体Crが存在する割合が多くなり、混合時や焼結時にCrが酸素や非磁性酸化物と反応しやすく、Cr酸化凝集体を形成しやすくなるため好ましくないからである。Cr−Pt二元系合金粉末におけるPt含有量の一層好ましい範囲はPt:15〜25原子%である。この原料粉末として使用するCr−Pt二元系合金粉末の粒径は、150μmより大きいと粉砕が十分進みにくいため、150μm以下が好ましく、分級などにより75μm以下、さらには45μm以下とするのが好ましい。
また、この発明のパーティクル発生の少ない磁気記録膜形成用Co基焼結合金スパッタリングターゲットの製造方法において使用するCo−Cr二元系合金粉末の成分組成を前記のごとく限定した理由は、Crが50原子%未満または70原子%を越えて含有すると、粉末中に金属間化合物の他にCoとCrの結合が弱い固溶体Coまたは固溶体Crが存在する割合が多くなり、混合時や焼結時にCrが酸素や非磁性酸化物と反応して粗大なクロム酸化物凝集体を形成しやすくなるので好ましくないからである。Co−Cr二元系合金粉末に含まれるCrの一層好ましい範囲は54〜67原子%である。この原料粉末として使用するCo−Cr二元系合金粉末の粒径は、150μmより大きいと粉砕が十分進みにくいため、150μm以下が好ましく、分級などにより75μm以下、さらには45μm以下とするのが好ましい。
クロム酸化物凝集体がパーティクル発生の原因となる理由は、クロム酸化物凝集体は非常にもろく、スパッタ中に脱落したり異常放電を生じたりし、またクロム酸化物凝集体のサイズが大きい場合にはターゲットの加工中にターゲット表面から脱落し、脱落した部分に欠陥が形成されるからである。Crを合金化したCr−Pt二元系合金粉末またはCr−Pt二元系合金粉末とCo−Cr二元系合金粉末とを原料粉末として使用することにより、酸素や非磁性酸化物との反応による酸化が生じがたくなるためクロム酸化物凝集体の生成が抑制されパーティクルの発生は少なくなると考えられる。
つぎに、この発明のパーティクル発生の少ない磁気記録膜形成用Co基焼結合金スパッタリングターゲットの製造方法において使用するCo粉末、Pt粉末はいずれも50%粒径が50μm以下(一層好ましくは50%粒径が40μm以下)、さらに非磁性酸化物粉末は50%粒径が20μm以下(一層好ましくは50%粒径が10μm以下)とすることが好ましい。その理由はCo粉末、Pt粉末がこれ以上大きいと混合後に均一な組織が得られにくいためである。また、非磁性酸化物粉末の粒径がこれ以上大きくなると混合粉砕工程を経てもターゲット中に10μm以上の大きな非磁性酸化物が存在しやすくなり、これがスパッタ中の異常放電やパーティクル発生の原因となるからである。前記原料粉末の混合は不活性ガス雰囲気中で行なうことが好ましい。これは混合中にCrが酸素と結合してクロム酸化物凝集体が形成されるのをより一層防止するからである。
この発明は、一層パーティクル発生の少ない優れた磁気記録膜を形成することができるスパッタリングターゲットを提供することができ、コンピューター並びにデジタル家電等の産業の発展に大いに貢献し得るものである。
原料粉末として、表1に示される成分組成を有するCr−Pt二元系合金粉末A〜Sをガスアトマイズ法により作製した。これらガスアトマイズ法により得られたCr−Pt二元系合金粉末A〜Sは50%粒径が95μmであったので、これらCr−Pt二元系合金粉末A〜Sを45μmの目開きを持つ篩により分級し、レーザー回折法により測定される50%粒径がいずれも35μmとなるように分級した。
さらに原料粉末として、表2に示される成分組成を有するCo−Cr二元系合金粉末a〜jをガスアトマイズ法により作製した。これらガスアトマイズ法により得られたCo−Cr二元系合金粉末a〜jは50%粒径が95μmであったので、これらCo−Cr二元系合金粉末a〜jを45μmの目開きを持つ篩により分級し、レーザー回折法により測定される50%粒径がいずれも35μmとなるように分級した。さらに市販の50%粒径:10μmのCo粉末、50%粒径:15μmのPt粉末、50%粒径:3μmのSiO粉末、50%粒径:3μmのTiO粉末、50%粒径:3μmのTa粉末、および50%粒径:10μmのCr粉末を用意した。
Figure 2008088546
Figure 2008088546
実施例1
これら原料粉末を表3に示される配合組成となるように配合し、得られた配合粉末を粉砕媒体となるジルコニアボールと共に10リットルの容器に投入し、この容器内の雰囲気をArガス雰囲気中で置換し、その後、容器を密閉した。この容器をボールミルで16時間回転させ、混合粉末を作製した。
得られた混合粉末を真空ホットプレス装置に充填し、真空雰囲気中、温度:1200℃、圧力:15MPa、3時間保持の条件で真空ホットプレスすることによりホットプレス体を作製し、このホットプレス体を切削加工して直径:152.4mm、厚さ:3mmの寸法を有し、かつCr:10.1モル%、Pt:15.6モル%、SiO:8.0モル%を含有し、残部Coからなる成分組成を有するターゲットを作製することにより本発明法1〜11、比較法1および従来法1を実施した。
前記本発明法1〜11、比較法1および従来法1で作製したターゲットの素地中に分散するクロム酸化物凝集体の絶対最大長(粒子の輪郭線上の任意の2点間距離の最大値)をEPMAにより測定し、絶対最大長が10μmを越える粗大なクロム酸化物凝集体の存在の有無を表3に示した。
EPMAによるクロム酸化物凝集体の絶対最大長の測定は、次のようにして行なった。前記本発明法1〜11、比較法1および従来法1で作製したホットプレス体から試料を切り出して断面を樹脂に埋め、鏡面研磨した。この断面組織についてフィールドエミッションEPMA(日本電子社製JXA−8500F)により、加速電圧:15kV、照射電流:5×10−8Aの条件で1000倍の倍率にて面分析を実施し、Crの元素マッピング像を得た。このCrの元素マッピング像は出来るだけCrが富化した領域(すなわちクロム酸化物凝集体)を明確に判別できるよう、コントラストおよび色調をつけた画像とした。得られたCrの元素マッピング像を画質を落とさずにビットマップ形式の画像ファイルとして保存し、この画像を別途パソコンの画像処理ソフト(三谷商事社製、Win Roof)に読み込ませて二値化し、マトリックスよりCrが富化している領域の絶対最大長を画像処理により計測した。二値化の際にはCr富化領域の大きさが元の画像と変化しないようにしきい値を選んだ。計測時の長さのキャリブレーションについては元のEPMAによるCrの元素マッピング像に表示されたスケールバーを用いた。
さらに、前記本発明法1〜11、比較法1および従来法1で得られたターゲットを有機溶剤により脱脂し、ついで真空中、150℃、8時間保持真空乾燥を行なったのち銅製のバッキングプレートに接合して市販のスパッタ装置に装着し、
到達真空度:5×10−5Pa、
電力:直流800W、
Arガス圧:6.0Pa、
ターゲット基板間距離:60mm、
基板加熱:なし、
の条件でプレスパッタを行い、ターゲット表面加工層を除去したのち、一旦チャンバーを大気開放して、防着板などのチャンバー部材の清掃を行った。その後、再び上記真空度に達するまで真空引きを行い、真空引き後、30分のプレスパッタを行ってターゲット表面の大気吸着成分や金属酸化層の除去を行ったのち、4インチSiウエハ上に厚さ:100nmの磁気記録膜を成膜した。同じ条件で合計25枚の4インチSiウエハ上に厚さ:100nmの磁気記録膜を成膜し、成膜後のウエハについて市販の異物検査装置によりウエハ表面に付着した1.0μm以上のパーティクル数を計測し、25枚の平均値を算出し、その結果を表3に示した。
Figure 2008088546
表3に示される結果から、Pt:10〜90原子%を含有し、残部がCrからなるCr−Pt二元系合金粉末A〜Kを原料粉末として配合して作製する本発明法1〜11で作製したターゲットは、Cr−Pt二元系合金粉末を添加することなく50%粒径:10μmのCo粉末、50%粒径:10μmのCr粉末、50%粒径:15μmのPt粉末および50%粒径:3μmのSiO粉末を配合し混合して作製する従来法1により作製したターゲットに比べて、パーティクルの発生が少ないことが分かる。しかし、Cr−Pt二元系合金粉末がこの発明の範囲から外れた成分組成を有するCr−Pt二元系合金粉末Rを使用する比較法1で作製したターゲットはパーティクルの発生が多くなるので好ましくないことが分かる。
実施例2
表1に示されるCr−Pt二元系合金粉末A〜G、Co粉末、Pt粉末およびSiO粉末を表4に示される配合組成となるように配合し、得られた配合粉末を粉砕媒体となるジルコニアボールと共に10リットルの容器に投入し、この容器内の雰囲気をArガス雰囲気中で置換し、その後、容器を密閉した。この容器をボールミルで16時間回転させ、混合粉末を作製した。このようにして得られた混合粉末をSUS製の容器に充填し、550℃、12時間保持の真空脱ガス処理を行なったのち、SUS容器を密封して混合粉末を真空封入した。この混合粉末を充填したSUS容器について、温度:1200℃、圧力:100MPa、3時間保持の条件で熱間静水圧プレスを施し、その後、SUS容器を開封してCr:17.1モル%、Pt:15.3モル%、SiO:10.0モル%を含有し、残部がCoからなる成分組成を有する熱間静水圧プレス体を作製し、この熱間静水圧プレス体を切削加工して直径:152.4mm、厚さ:3mmの寸法を有するターゲットを作製することにより本発明法12〜18、比較法2および従来法2を実施した。前記本発明法12〜18、比較法2および従来法2で作製したターゲットについて実施例1と同じ測定を行い、その結果を表4に示した。
Figure 2008088546
表4に示される結果から、Pt:10〜90原子%を含有し、残部がCrからなるCr−Pt二元系合金粉末A〜Gを原料粉末として配合して作製する本発明法12〜18で作製したターゲットは、Cr−Pt二元系合金粉末を添加することなく50%粒径:10μmのCo粉末、50%粒径:10μmのCr粉末、50%粒径:15μmのPt粉末および50%粒径:3μmのSiO粉末を配合し混合して作製する従来法2により作製したターゲットに比べて、パーティクルの発生が少ないことが分かる。しかし、Cr−Pt二元系合金粉末がこの発明の範囲から外れた成分組成を有するCr−Pt合金粉末Rを使用する比較法2で作製したターゲットはパーティクルの発生が多くなるので好ましくないことが分かる。
実施例3
表1に示されるCr−Pt二元系合金粉末A〜J、表2に示されるCo−Cr二元系合金粉末a〜h、Co粉末、Pt粉末およびSiO粉末を表5に示される配合組成となるように配合し、得られた配合粉末を粉砕媒体となるジルコニアボールと共に10リットルの容器に投入し、この容器内の雰囲気をArガス雰囲気中で置換し、その後、容器を密閉した。この容器をボールミルで16時間回転させ、混合粉末を作製した。
得られた混合粉末を得られた混合粉末を真空ホットプレス装置に充填し、真空雰囲気中、温度:1200℃、圧力:15MPa、3時間保持の条件で真空ホットプレスすることによりCr:11.3モル%、Pt:12.2モル%、SiO:6.0モル%を含有し、残部がCoからなる成分組成を有するホットプレス体を作製し、このホットプレス体を切削加工して直径:152.4mm、厚さ:3mmの寸法を有するターゲットを作製することにより本発明法19〜28、比較法3および従来法3を実施した。
前記本発明法19〜28および比較法3および従来法3で作製したターゲットの素地中に分散するクロム酸化物凝集体の絶対最大長(粒子の輪郭線上の任意の2点間距離の最大値)をEPMAにより測定し、絶対最大長が10μmを越える粗大なクロム酸化物凝集体の存在の有無を表5に示した。
EPMAによるクロム酸化物凝集体の絶対最大長の測定は、前記本発明法19〜28および比較法3および従来法3で作製したターゲットから試料を切り出して断面を樹脂に埋め、鏡面研磨し、以下、実施例1と同じ方法で行なった。
さらに、前記本発明法19〜28および比較法3および従来法3で得られたターゲットを有機溶剤により脱脂し、ついで真空中、150℃、8時間保持真空乾燥を行なったのち銅製のバッキングプレートに接合して市販のスパッタ装置に装着し、実施例1と同じ条件でプレスパッタを行い、ターゲット表面加工層を除去したのち、一旦チャンバーを大気開放して、防着板などのチャンバー部材の清掃を行った。その後、再び上記真空度に達するまで真空引きを行い、真空引き後、30分のプレスパッタを行ってターゲット表面の大気吸着成分や金属酸化層の除去を行ったのち、4インチSiウエハ上に厚さ:100nmの磁気記録膜を成膜した。同じ条件で合計25枚の4インチSiウエハ上に厚さ:100nmの磁気記録膜を成膜し、成膜後のウエハについて市販の異物検査装置によりウエハ表面に付着した1.0μm以上のパーティクル数を計測し、25枚の平均値を算出し、その結果を表5に示した。
Figure 2008088546
表5に示される結果から、表1のCr−Pt二元系合金粉末および表2のCo−Cr二元系合金粉末を原料粉末として配合して作製した本発明法19〜28で作製したターゲットは、表5のCr−Pt二元系合金粉末およびCo−Cr二元系合金粉末を添加することなく50%粒径:10μmのCo粉末、50%粒径:10μmのCr粉末、50%粒径:15μmのPt粉末および50%粒径:3μmのSiO粉末を配合し混合する従来法3により作製したターゲットに比べて、パーティクルの発生が少ないことが分かる。しかし、Co−Cr合金粉末がこの発明の範囲から外れた成分組成を有する表2のCo−Cr合金粉末iを使用する比較法3で作製したターゲットは1.0μm以上のパーティクルの発生が多くなるので好ましくないことが分かる。
実施例4
Pt粉末を使用せず、必要なPt成分はすべて表1のCr−Pt二元系合金粉末K〜Qの添加により含有させること、および加圧焼結を実施例2と同様の熱間静水圧プレスにより実施する以外は実施例3と全く同じ条件で本発明法29〜35、比較法4および従来法4を実施し、Cr:11.8モル%、Pt:15.5モル%、SiO:9.0モル%を含有し、残部がCoからなる成分組成を有する熱間静水圧プレス体を作製し、この熱間静水圧プレス体を切削加工して直径:152.4mm、厚さ:3mmの寸法を有するターゲットを作製した。前記本発明法29〜35、比較法4および従来法4で作製したターゲットについて実施例1と同じ測定を行い、その結果を表6に示した。
Figure 2008088546
表6に示される結果から、本発明法29〜35で作製したターゲットは、Cr−Pt二元系合金粉末およびCo−Cr二元系合金粉末を添加することなく50%粒径:10μmのCo粉末、50%粒径:10μmのCr粉末、50%粒径:15μmのPt粉末および50%粒径:3μmのSiO粉末を配合し混合して作製する従来法4により作製したターゲットに比べて、パーティクルの発生が少ないことが分かる。しかし、Cr−Pt二元系合金粉末がこの発明の範囲から外れた成分組成を有する表1のCr−Pt合金粉末SおよびCo−Cr二元系合金粉末がこの発明の範囲から外れた成分組成を有する表2のCo−Cr二元系jを使用する比較法4で作製したターゲットはパーティクルの発生が多くなるので好ましくないことが分かる。
実施例5

原料粉末を表7に示される配合組成となるように配合し、得られた配合粉末を粉砕媒体となるジルコニアボールと共に10リットルの容器に投入し、この容器内の雰囲気をArガス雰囲気中で置換し、その後、容器を密閉した。この容器をボールミルで16時間回転させ、混合粉末を作製した。得られた混合粉末を真空ホットプレス装置に充填し、真空雰囲気中、温度:1200℃、圧力:15MPa、3時間保持の条件で真空ホットプレスすることによりホットプレス体を作製し、このホットプレス体を切削加工して直径:152.4mm、厚さ:3mmの寸法を有し、かつCr:14.7モル%、Pt:16.6モル%、TiO:8.0モル%を含有し、残部Coからなる成分組成を有するターゲットを作製することにより本発明法36〜44、比較法5および従来法5を実施した。

前記本発明法36〜44、比較法5および従来法5で作製したターゲットの素地中に分散するクロム酸化物凝集体の絶対最大長(粒子の輪郭線上の任意の2点間距離の最大値)を実施例1と同様にしてEPMAにより測定し、絶対最大長が10μmを越える粗大なクロム酸化物凝集体の存在の有無を表7に示した。
さらに、前記本発明法36〜44、比較法5および従来法5で得られたターゲットを有機溶剤により脱脂し、ついで真空中、150℃、8時間保持真空乾燥を行なったのち銅製のバッキングプレートに接合して市販のスパッタ装置に装着し、実施例1と同じの条件でプレスパッタを行い、ついで実施例1と同様にしてウエハ表面に付着した1.0μm以上のパーティクル数を計測し、25枚の平均値を算出し、その結果を表7に示した。
Figure 2008088546
表7に示される結果から、Pt:10〜90原子%を含有し、残部がCrからなるCr−Pt二元系合金粉末A〜Kを原料粉末として配合して作製する本発明法36〜44で作製したターゲットは、Cr−Pt二元系合金粉末を添加することなく50%粒径:10μmのCo粉末、50%粒径:10μmのCr粉末、50%粒径:15μmのPt粉末および50%粒径:3μmのTiO粉末を配合し混合して作製する従来法5により作製したターゲットに比べて、パーティクルの発生が少ないことが分かる。しかし、Cr−Pt二元系合金粉末がこの発明の範囲から外れた成分組成を有するCr−Pt二元系合金粉末Rを使用する比較法5で作製したターゲットはパーティクルの発生が多くなるので好ましくないことが分かる。
実施例6
表1に示されるCr−Pt二元系合金粉末A〜G、Co粉末、Pt粉末およびTiO粉末を表8に示される配合組成となるように配合し、得られた配合粉末を粉砕媒体となるジルコニアボールと共に10リットルの容器に投入し、この容器内の雰囲気をArガス雰囲気中で置換し、その後、容器を密閉した。この容器をボールミルで16時間回転させ、混合粉末を作製した。このようにして得られた混合粉末をSUS製の容器に充填し、550℃、12時間保持の真空脱ガス処理を行なったのち、SUS容器を密封して混合粉末を真空封入した。この混合粉末を充填したSUS容器について、温度:1200℃、圧力:100MPa、3時間保持の条件で熱間静水圧プレスを施し、その後、SUS容器を開封してCr:13.5モル%、Pt:14.4モル%、TiO:10.0モル%を含有し、残部がCoからなる成分組成を有する熱間静水圧プレス体を作製し、この熱間静水圧プレス体を切削加工して直径:152.4mm、厚さ:3mmの寸法を有するターゲットを作製することにより本発明法45〜53、比較法6および従来法6を実施した。前記本発明法45〜53、比較法6および従来法6で作製したターゲットについて実施例1と同じ測定を行い、その結果を表8に示した。
Figure 2008088546
表8に示される結果から、Pt:10〜90原子%を含有し、残部がCrからなるCr−Pt二元系合金粉末A〜Gを原料粉末として配合して作製する本発明法45〜53で作製したターゲットは、Cr−Pt二元系合金粉末を添加することなく50%粒径:10μmのCo粉末、50%粒径:10μmのCr粉末、50%粒径:15μmのPt粉末および50%粒径:3μmのTiO粉末を配合し混合して作製する従来法6により作製したターゲットに比べて、パーティクルの発生が少ないことが分かる。しかし、Cr−Pt二元系合金粉末がこの発明の範囲から外れた成分組成を有するCr−Pt合金粉末Rを使用する比較法6で作製したターゲットはパーティクルの発生が多くなるので好ましくないことが分かる。

実施例7
表1に示されるCr−Pt二元系合金粉末A〜J、表2に示されるCo−Cr二元系合金粉末a〜h、Co粉末、Pt粉末およびTiO粉末を表9に示される配合組成となるように配合し、得られた配合粉末を粉砕媒体となるジルコニアボールと共に10リットルの容器に投入し、この容器内の雰囲気をArガス雰囲気中で置換し、その後、容器を密閉した。この容器をボールミルで16時間回転させ、混合粉末を作製した。
得られた混合粉末を得られた混合粉末を真空ホットプレス装置に充填し、真空雰囲気中、温度:1200℃、圧力:15MPa、3時間保持の条件で真空ホットプレスすることによりCr:13.2モル%、Pt:12.2モル%、TiO:6.0モル%を含有し、残部がCoからなる成分組成を有するホットプレス体を作製し、このホットプレス体を切削加工して直径:152.4mm、厚さ:3mmの寸法を有するターゲットを作製することにより本発明法54〜63、比較法7および従来法7を実施した。
前記本発明法54〜63および比較法7および従来法7で作製したターゲットの素地中に分散するクロム酸化物凝集体の絶対最大長(粒子の輪郭線上の任意の2点間距離の最大値)をEPMAにより測定し、絶対最大長が10μmを越える粗大なクロム酸化物凝集体の存在の有無を表9に示した。
EPMAによるクロム酸化物凝集体の絶対最大長の測定は、前記本発明法54〜63および比較法7および従来法7で作製したターゲットから試料を切り出して断面を樹脂に埋め、鏡面研磨し、以下、実施例1と同じ方法で行なった。
さらに、前記本発明法54〜63および比較法7および従来法7で得られたターゲットを有機溶剤により脱脂し、ついで真空中、150℃、8時間保持真空乾燥を行なったのち銅製のバッキングプレートに接合して市販のスパッタ装置に装着し、実施例1と同じ条件でプレスパッタを行い、ターゲット表面加工層を除去したのち、一旦チャンバーを大気開放して、防着板などのチャンバー部材の清掃を行った。その後、再び上記真空度に達するまで真空引きを行い、真空引き後、30分のプレスパッタを行ってターゲット表面の大気吸着成分や金属酸化層の除去を行ったのち、4インチSiウエハ上に厚さ:100nmの磁気記録膜を成膜した。同じ条件で合計25枚の4インチSiウエハ上に厚さ:100nmの磁気記録膜を成膜し、成膜後のウエハについて市販の異物検査装置によりウエハ表面に付着した1.0μm以上のパーティクル数を計測し、25枚の平均値を算出し、その結果を表9に示した。
Figure 2008088546
表9に示される結果から、表1のCr−Pt二元系合金粉末および表2のCo−Cr二元系合金粉末を原料粉末として配合して作製した本発明法54〜63で作製したターゲットは、表9のCr−Pt二元系合金粉末およびCo−Cr二元系合金粉末を添加することなく50%粒径:10μmのCo粉末、50%粒径:10μmのCr粉末、50%粒径:15μmのPt粉末および50%粒径:3μmのTiO粉末を配合し混合する従来法7により作製したターゲットに比べて、パーティクルの発生が少ないことが分かる。しかし、Co−Cr合金粉末がこの発明の範囲から外れた成分組成を有する表2のCo−Cr合金粉末iを使用する比較法7で作製したターゲットは1.0μm以上のパーティクルの発生が多くなるので好ましくないことが分かる。
実施例8
Pt粉末を使用せず、必要なPt成分はすべて表1のCr−Pt二元系合金粉末K〜Qの添加により含有させること、非磁性酸化物粉末としてTiO粉末を使用すること、および加圧焼結を実施例2と同様の熱間静水圧プレスにより実施する以外は実施例3と全く同じ条件で本発明法64〜70、比較法8および従来法8を実施し、Cr:9.1モル%、Pt:10.9モル%、TiO:9.0モル%を含有し、残部がCoからなる成分組成を有する熱間静水圧プレス体を作製し、この熱間静水圧プレス体を切削加工して直径:152.4mm、厚さ:3mmの寸法を有するターゲットを作製した。前記本発明法64〜70、比較法8および従来法8で作製したターゲットについて実施例1と同じ測定を行い、その結果を表10に示した。
Figure 2008088546
表10に示される結果から、本発明法64〜70で作製したターゲットは、Cr−Pt二元系合金粉末およびCo−Cr二元系合金粉末を添加することなく50%粒径:10μmのCo粉末、50%粒径:10μmのCr粉末、50%粒径:15μmのPt粉末および50%粒径:3μmのTiO粉末を配合し混合して作製する従来法8により作製したターゲットに比べて、パーティクルの発生が少ないことが分かる。しかし、Cr−Pt二元系合金粉末がこの発明の範囲から外れた成分組成を有する表1のCr−Pt合金粉末SおよびCo−Cr二元系合金粉末がこの発明の範囲から外れた成分組成を有する表2のCo−Cr二元系jを使用する比較法8で作製したターゲットはパーティクルの発生が多くなるので好ましくないことが分かる。
実施例9
原料粉末を表11に示される配合組成となるように配合し、得られた配合粉末を粉砕媒体となるジルコニアボールと共に10リットルの容器に投入し、この容器内の雰囲気をArガス雰囲気中で置換し、その後、容器を密閉した。この容器をボールミルで16時間回転させ、混合粉末を作製した。得られた混合粉末を真空ホットプレス装置に充填し、真空雰囲気中、温度:1200℃、圧力:15MPa、3時間保持の条件で真空ホットプレスすることによりホットプレス体を作製し、このホットプレス体を切削加工して直径:152.4mm、厚さ:3mmの寸法を有し、かつCr:10.1モル%、Pt:15.6モル%、Ta:8.0モル%を含有し、残部Coからなる成分組成を有するターゲットを作製することにより本発明法71〜79、比較法9および従来法9を実施した。
前記本発明法71〜79、比較法9および従来法9で作製したターゲットの素地中に分散するクロム酸化物凝集体の絶対最大長(粒子の輪郭線上の任意の2点間距離の最大値)を実施例1と同様にしてEPMAにより測定し、絶対最大長が10μmを越える粗大なクロム酸化物凝集体の存在の有無を表11に示した。
さらに、前記本発明法71〜79、比較法9および従来法9で得られたターゲットを有機溶剤により脱脂し、ついで真空中、150℃、8時間保持真空乾燥を行なったのち銅製のバッキングプレートに接合して市販のスパッタ装置に装着し、実施例1と同じの条件でプレスパッタを行い、ついで実施例1と同様にしてウエハ表面に付着した1.0μm以上のパーティクル数を計測し、25枚の平均値を算出し、その結果を表11に示した。
Figure 2008088546
表11に示される結果から、Pt:10〜90原子%を含有し、残部がCrからなるCr−Pt二元系合金粉末A〜Kを原料粉末として配合して作製する本発明法71〜79で作製したターゲットは、Cr−Pt二元系合金粉末を添加することなく50%粒径:10μmのCo粉末、50%粒径:10μmのCr粉末、50%粒径:15μmのPt粉末および50%粒径:3μmのTa粉末を配合し混合して作製する従来法9により作製したターゲットに比べて、パーティクルの発生が少ないことが分かる。しかし、Cr−Pt二元系合金粉末がこの発明の範囲から外れた成分組成を有するCr−Pt二元系合金粉末Rを使用する比較法9で作製したターゲットはパーティクルの発生が多くなるので好ましくないことが分かる。
実施例10
表1に示されるCr−Pt二元系合金粉末A〜G、Co粉末、Pt粉末およびTa粉末を表12に示される配合組成となるように配合し、得られた配合粉末を粉砕媒体となるジルコニアボールと共に10リットルの容器に投入し、この容器内の雰囲気をArガス雰囲気中で置換し、その後、容器を密閉した。この容器をボールミルで16時間回転させ、混合粉末を作製した。このようにして得られた混合粉末をSUS製の容器に充填し、550℃、12時間保持の真空脱ガス処理を行なったのち、SUS容器を密封して混合粉末を真空封入した。この混合粉末を充填したSUS容器について、温度:1200℃、圧力:100MPa、3時間保持の条件で熱間静水圧プレスを施し、その後、SUS容器を開封してCr:13.6モル%、Pt:14.6モル%、Ta:3.0モル%を含有し、残部がCoからなる成分組成を有する熱間静水圧プレス体を作製し、この熱間静水圧プレス体を切削加工して直径:152.4mm、厚さ:3mmの寸法を有するターゲットを作製することにより本発明法80〜88、比較法10および従来法10を実施した。前記本発明法80〜88、比較法10および従来法10で作製したターゲットについて実施例1と同じ測定を行い、その結果を表12に示した。
Figure 2008088546
表12に示される結果から、Pt:10〜90原子%を含有し、残部がCrからなるCr−Pt二元系合金粉末A〜Gを原料粉末として配合して作製する本発明法80〜88で作製したターゲットは、Cr−Pt二元系合金粉末を添加することなく50%粒径:10μmのCo粉末、50%粒径:10μmのCr粉末、50%粒径:15μmのPt粉末および50%粒径:3μmのTa粉末を配合し混合して作製する従来法10により作製したターゲットに比べて、パーティクルの発生が少ないことが分かる。しかし、Cr−Pt二元系合金粉末がこの発明の範囲から外れた成分組成を有するCr−Pt合金粉末Rを使用する比較法10で作製したターゲットはパーティクルの発生が多くなるので好ましくないことが分かる。
実施例11
表1に示されるCr−Pt二元系合金粉末A〜J、表2に示されるCo−Cr二元系合金粉末a〜h、Co粉末、Pt粉末およびTiO粉末を表13に示される配合組成となるように配合し、得られた配合粉末を粉砕媒体となるジルコニアボールと共に10リットルの容器に投入し、この容器内の雰囲気をArガス雰囲気中で置換し、その後、容器を密閉した。この容器をボールミルで16時間回転させ、混合粉末を作製した。
得られた混合粉末を得られた混合粉末を真空ホットプレス装置に充填し、真空雰囲気中、温度:1200℃、圧力:15MPa、3時間保持の条件で真空ホットプレスすることによりCr:14.7モル%、Pt:16.7モル%、Ta:2.0モル%を含有し、残部がCoからなる成分組成を有するホットプレス体を作製し、このホットプレス体を切削加工して直径:152.4mm、厚さ:3mmの寸法を有するターゲットを作製することにより本発明法89〜98、比較法11および従来法11を実施した。
前記本発明法89〜98および比較法11および従来法11で作製したターゲットの素地中に分散するクロム酸化物凝集体の絶対最大長(粒子の輪郭線上の任意の2点間距離の最大値)をEPMAにより測定し、絶対最大長が10μmを越える粗大なクロム酸化物凝集体の存在の有無を表13に示した。
EPMAによるクロム酸化物凝集体の絶対最大長の測定は、前記本発明法89〜98および比較法11および従来法11で作製したターゲットから試料を切り出して断面を樹脂に埋め、鏡面研磨し、以下、実施例1と同じ方法で行なった。
さらに、前記本発明法89〜98および比較法11および従来法11で得られたターゲットを有機溶剤により脱脂し、ついで真空中、150℃、8時間保持真空乾燥を行なったのち銅製のバッキングプレートに接合して市販のスパッタ装置に装着し、実施例1と同じ条件でプレスパッタを行い、ターゲット表面加工層を除去したのち、一旦チャンバーを大気開放して、防着板などのチャンバー部材の清掃を行った。その後、再び上記真空度に達するまで真空引きを行い、真空引き後、30分のプレスパッタを行ってターゲット表面の大気吸着成分や金属酸化層の除去を行ったのち、4インチSiウエハ上に厚さ:100nmの磁気記録膜を成膜した。同じ条件で合計25枚の4インチSiウエハ上に厚さ:100nmの磁気記録膜を成膜し、成膜後のウエハについて市販の異物検査装置によりウエハ表面に付着した1.0μm以上のパーティクル数を計測し、25枚の平均値を算出し、その結果を表13に示した。
Figure 2008088546
表13に示される結果から、表1のCr−Pt二元系合金粉末および表2のCo−Cr二元系合金粉末を原料粉末として配合して作製した本発明法89〜98で作製したターゲットは、表13のCr−Pt二元系合金粉末およびCo−Cr二元系合金粉末を添加することなく50%粒径:10μmのCo粉末、50%粒径:10μmのCr粉末、50%粒径:15μmのPt粉末および50%粒径:3μmのTiO粉末を配合し混合する従来法11により作製したターゲットに比べて、パーティクルの発生が少ないことが分かる。しかし、Co−Cr合金粉末がこの発明の範囲から外れた成分組成を有する表2のCo−Cr合金粉末iを使用する比較法11で作製したターゲットは1.0μm以上のパーティクルの発生が多くなるので好ましくないことが分かる。
実施例12
Pt粉末を使用せず、必要なPt成分はすべて表1のCr−Pt二元系合金粉末K〜Qの添加により含有させること、非磁性酸化物粉末としてTa粉末を使用すること、および加圧焼結を実施例2と同様の熱間静水圧プレスにより実施する以外は実施例3と全く同じ条件で本発明法64〜70、比較法8および従来法8を実施し、Cr:17.5モル%、Pt:19.4モル%、Ta:3.0モル%を含有し、残部がCoからなる成分組成を有する熱間静水圧プレス体を作製し、この熱間静水圧プレス体を切削加工して直径:152.4mm、厚さ:3mmの寸法を有するターゲットを作製した。前記本発明法99〜105、比較法12および従来法12で作製したターゲットについて実施例1と同じ測定を行い、その結果を表14に示した。
Figure 2008088546
表14に示される結果から、本発明法99〜105で作製したターゲットは、Cr−Pt二元系合金粉末およびCo−Cr二元系合金粉末を添加することなく50%粒径:10μmのCo粉末、50%粒径:10μmのCr粉末、50%粒径:15μmのPt粉末および50%粒径:3μmのTa粉末を配合し混合して作製する従来法12により作製したターゲットに比べて、パーティクルの発生が少ないことが分かる。しかし、Cr−Pt二元系合金粉末がこの発明の範囲から外れた成分組成を有する表1のCr−Pt合金粉末SおよびCo−Cr二元系合金粉末がこの発明の範囲から外れた成分組成を有する表2のCo−Cr二元系jを使用する比較法12で作製したターゲットはパーティクルの発生が多くなるので好ましくないことが分かる。

Claims (7)

  1. 原料粉末としてPt:10〜90原子%を含有し、残部がCrからなるCr−Pt二元系合金粉末、Pt粉末、非磁性酸化物粉末およびCo粉末を用意し、これら原料粉末を非磁性酸化物:2〜15モル%、Cr:3〜20モル%、Pt:5〜30モル%を含有し、残部:Coからなる成分組成となるように配合し混合したのち、加圧焼結することを特徴とするパーティクル発生の少ない磁気記録膜形成用Co基焼結合金スパッタリングターゲットの製造方法。
  2. 原料粉末としてPt:10〜90原子%を含有し、残部がCrからなるCr−Pt二元系合金粉末、Cr:50〜70原子%を含有し、残部がCoからなるCo−Cr二元系合金粉末、Pt粉末、非磁性酸化物粉末およびCo粉末を用意し、これら原料粉末を非磁性酸化物:2〜15モル%、Cr:3〜20モル%、Pt:5〜30モル%を含有し、残部:Coからなる成分組成となるように配合し混合したのち、加圧焼結することを特徴とするパーティクル発生の少ない磁気記録膜形成用Co基焼結合金スパッタリングターゲットの製造方法。
  3. 原料粉末としてPt:10〜90原子%を含有し、残部がCrからなるCr−Pt二元系合金粉末、Cr:50〜70原子%を含有し、残部がCoからなるCo−Cr二元系合金粉末、非磁性酸化物粉末およびCo粉末を用意し、これら原料粉末を非磁性酸化物:2〜15モル%、Cr:3〜20モル%、Pt:5〜30モル%を含有し、残部:Coからなる成分組成となるように配合し混合したのち、加圧焼結することを特徴とするパーティクル発生の少ない磁気記録膜形成用Co基焼結合金スパッタリングターゲットの製造方法。
  4. 前記非磁性酸化物は、二酸化珪素、酸化タンタル、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化トリウム、酸化ジルコニウム、酸化セリウムおよび酸化イットリウムのうちのいずれかであることを特徴とする請求項1、2または3記載のパーティクル発生の少ない磁気記録膜形成用Co基焼結合金スパッタリングターゲットの製造方法。
  5. 前記加圧焼結は、ホットプレスまたは熱間静水圧プレスであることを特徴とする請求項1、2または3記載のパーティクル発生の少ない磁気記録膜形成用Co基焼結合金スパッタリングターゲットの製造方法。
  6. 非磁性酸化物:2〜15モル%、Cr:3〜20モル%、Pt:5〜30モル%を含有し、残部:Coからなる成分組成有する磁気記録膜形成用Co基焼結合金スパッタリングターゲットであって、素地中に分散するCr酸化物凝集体の絶対最大長さが10μm以下であることを特徴とする請求項1、2、3、4または5記載の方法で製造したパーティクル発生の少ない磁気記録膜形成用Co基焼結合金スパッタリングターゲット。
  7. 前記非磁性酸化物は、二酸化珪素、酸化タンタル、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化トリウム、酸化ジルコニウム、酸化セリウムおよび酸化イットリウムのうちのいずれかであることを特徴とする請求項6記載のパーティクル発生の少ない磁気記録膜形成用Co基焼結合金スパッタリングターゲット。
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