JP2008086170A - 電気接続箱の固定構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】箱本体の被固定部を支持ブラケットの固定部にボルトを用いて締結固定する電気接続箱の固定構造において、前記ボルトの締め付けトルクによる前記被固定部への負荷を抑える。
【解決手段】フューズボックス10の締結部14を支持ブラケット20の固定フランジ31にボルトを用いて締結固定する電気接続箱の固定構造において、前記締結部14に、前記固定フランジ31の締結部14に対する前記ボルトの締め付けトルク方向での回転を抑止するリブ16,17,18を設けた。
【選択図】図4

Description

この発明は、車両における各種ワイヤーハーネスの相互接続等に用いられる電気接続箱の固定構造に関する。
従来、上記電気接続箱の固定構造において、その箱本体の被固定部を車体側の支持ブラケットの固定部に当接させ、これらをボルトにより締結するものがある(例えば、特許文献1参照。)。
特開平11−32411号公報
ところで、上記固定構造において、車体レイアウト上の都合等により前記支持ブラケットの剛性を十分に確保できないような場合、前記ボルトの締め付けトルクにより支持ブラケットが変形し、その固定部がボルト軸回りに回転(共回り)することがある。このとき、前記固定部の回転に引きずられて前記被固定部に対する負荷(特に前記締め付けトルク方向での引っ張り荷重)が増加することがあるため、このような点の改善が要望されている。
そこでこの発明は、箱本体の被固定部を支持ブラケットの固定部にボルトを用いて締結固定する電気接続箱の固定構造において、前記ボルトの締め付けトルクによる前記被固定部への負荷を抑えることを提供する。
上記課題の解決手段として、請求項1に記載した発明は、電気接続箱(例えば実施例のフューズボックス10)の被固定部(例えば実施例の締結部14)を支持ブラケット(例えば実施例の支持ブラケット20)の固定部(例えば実施例の固定フランジ31)にボルト(例えば実施例のボルト32)を用いて締結固定する電気接続箱の固定構造において、前記固定部及び被固定部の少なくとも一方に、前記固定部の前記被固定部に対する少なくとも前記ボルトの締め付けトルク方向での回転を抑止する回転抑止部(例えば実施例の各リブ16,17,18)を設けたことを特徴とする。
請求項2に記載した発明は、前記回転抑止部が、前記被固定部に形成したリブであることを特徴とする。
請求項3に記載した発明は、前記支持ブラケットの固定部に、前記ボルトが締め込まれるナット(例えば実施例のナット33)を設け、前記固定部を囲むように、前記被固定部にリブを形成したことを特徴とする。
請求項1に記載した発明によれば、固定部と被固定部とをボルトにより締結する際、該固定部が被固定部に対してボルト軸回りに回転することがなくなり、固定部がボルトと共回りすることで生じる締め付けトルク方向での荷重の増加を抑えると共に、支持ブラケットに対する補強部材等を不要にして部品点数の削減及びレイアウト自由度の向上を図ることができる。
請求項2に記載した発明によれば、前記固定部のボルト軸回りの回転を抑止すると共に被固定部を補強することができる。
請求項3に記載した発明によれば、ボルトによる締結時に共回りしようとするナット及び固定部の回転を確実に抑止できると共に、被固定部の固定部に対する位置決めを容易にして締結作業性を向上できる。
以下、この発明の実施例について図面を参照して説明する。なお、以下の説明における前後左右等の向きは、特に記載が無ければ車両における向きと同一とする。また、図中矢印FRは車両前方を、矢印LHは車両左方を、矢印UPは車両上方をそれぞれ示す。
図1は、例えば左ハンドルの車両におけるインストルメントパネル2のステアリングハンドル3周辺を車室内側(後方)から見た図である。ステアリングハンドル3は、インストルメントパネル2内側から斜め上後方に突出するステアリングコラム4に支持される。インストルメントパネル2の内側(前側)には、車幅方向(左右方向)に延びるステアリングハンガ5が配設される。インストルメントパネル2の内側であってステアリングコラム4よりも左側(ステアリングコラム4とサイドドア6との間)には、各種ワイヤーハーネスの相互接続等に用いられるフューズボックス10が配設される。
図2,3に示すように、フューズボックス10の樹脂製の箱本体11は、後面視で縦長の長方形状をなし、かつ前後に所定の厚さを有する直方体状のもので、その上下面を左右方向に沿わせると共に左右側面を上下方向に沿わせた状態で、支持ブラケット20を介してステアリングハンガ5に支持される。
支持ブラケット20のブラケット本体21は、帯状の鋼板を後面視で下方に開放するコ字状に屈曲成形してなり、フューズボックス10の上面に沿う上辺部22、フューズボックス10の左右側面に沿う左右側辺部23,24を有する。ブラケット本体21の左右屈曲部には、適宜補強ビードが形成される。ブラケット本体21の上辺部22の前縁部からは、円形鋼管からなるステアリングハンガ5に対する結合フランジ25が起立し、該結合フランジ25の上部がステアリングハンガ5に溶接等により結合される。
ブラケット本体21の左右側辺部23,24の下部は、これらの前方に張り出すようにフューズボックス10を迂回するクロスブラケット26を介して連結される。クロスブラケット26は、帯状鋼板を上面視で後方に開放するコ字状に屈曲させてなり、フューズボックス10の前面に沿う前辺部27、及びフューズボックス10の左右側面に沿う左右側辺部28,29を有する。クロスブラケット26の左右屈曲部には、適宜補強ビードが形成される。クロスブラケット26の左右側辺部28,29には、ブラケット本体21の左右側辺部23,24が溶接等により結合される。
ブラケット本体21の左側辺部23は、フューズボックス10左側面の下部近傍まで直線的に延び、その下端部にフューズボックス10左側面に突設された左係止部12を工具等を用いることなく係合させることで、フューズボックス10左側部を支持する。
また、ブラケット本体21の上辺部22は、その左右中間部にフューズボックス10上面に突設された上係止部13を工具等を用いることなく係合させることで、フューズボックス10上部を支持する。
そして、ブラケット本体21の右側辺部24は、フューズボックス10右側面の上下中間部まで側面視で湾曲しつつ延び、その下端部に形成された固定フランジ31にフューズボックス10右側面に突設された締結部14をボルト32を用いて締結することで、フューズボックス10右側部を支持すると共に、フューズボックス10左側部及び上部と支持ブラケット20の左側辺部23及び上辺部22との係合解除を規制する。
図4〜7を併せて参照し、支持ブラケット20の右側辺部24は、側面視クランク状をなして前方に変化した上でフューズボックス10の上下中間部まで延び、その後に斜め下後方に湾曲して側面視で左側辺部23と重なる位置に達した後、その下端部を右側方に向けて屈曲させることで、後上がりに傾斜した前記固定フランジ31を形成する。固定フランジ31は、その面直視で長方形状をなし、その略中央部にはナット下孔33aが形成されると共に、その前上面31a側には前記ボルト32に対応するナット33が溶接等により接合される。固定フランジ31の後下面31bは、フューズボックス10の締結部14との当接面とされる。固定フランジ31の基端側屈曲部には、適宜補強ビードが形成される。
フューズボックス10の締結部14は、固定フランジ31の後下面31bに当接する前上面14a及び該前上面14aと平行な後下面14bを有する厚板状とされる。締結部14は、その前上面14aの面直視で固定フランジ31よりもひと回り大きな長方形状をなし、その略中央部には前記ボルト32に対応するボルト挿通孔15が形成される。このボルト挿通孔15に後下面14b側からボルト32の首下を挿通し、該ボルト32の頭部座面をワッシャ等を介して後下面14bに当接させると共に、前記首下をナット33に螺着し締め込むことで、固定フランジ31と締結部14とが一体的に締結される。なお、締結部14におけるボルト挿通孔15の周囲には、適宜肉抜きが施される(図5参照)。
ここで、フューズボックス10が車幅方向外側に配置されることで(図1参照)、これが車幅方向中央側に配置される場合と比べて車体への取り付け作業が容易になる。一方、車体レイアウト上の都合等により前記支持ブラケット20の剛性を確保し難くなる。このような構成において、前記ボルト32の締め付けトルクにより支持ブラケット20の固定フランジ31及びナット33が共回りすることを防止するべく、締結部14の前上面14aにおける前後縁部及び右側縁部には、それぞれ前後リブ16,17及び右側リブ18が形成される。
前リブ16は、締結部14の前上面14aの前縁部から上方に向けて大きく立ち上がる前規制面16aを形成するもので、前後に所定の厚さを有する壁状をなして締結部14前側を補強する。この前リブ16の前規制面16aの下部が固定フランジ31の前縁部に近接することで、該固定フランジ31のボルト軸回りの回転が抑止される。
後リブ17は、締結部14の前上面14aの後縁部から後方に向けて小さく立ち上がる後規制面17aを形成するもので、断面三角形状をなして前上面14aから斜め後上方に突出する。前上面14aと後規制面17aとの形成角度は鈍角をなし、箱本体11成形時の型抜きが容易になると共に、フューズボックス10を支持ブラケット20に対して前後方向に沿って着脱する際に固定フランジ31と後リブ17とが干渉し難くなる。この後リブ17の後規制面17aが固定フランジ31の後縁部に近接することでも、該固定フランジ31のボルト軸回りの回転が抑止される。
右側リブ18は、締結部14の前上面14aの右側縁部から略直角に立ち上がる右側規制面18aを形成するもので、断面長方形状をなして斜め後上方に突出する。この右側リブ18の右側規制面18aが固定フランジ31の右側縁部に近接することでも、該固定フランジ31のボルト軸回りの回転が抑制される。
図8に示すように、ボルト32締結時には、その締め付けトルク方向(締まり回転方向、図中矢印F)に沿う荷重が締結部14に作用する。具体的には、締結部14の前縁側には箱本体11からの引っ張り荷重が作用し、締結部14の後縁部には箱本体11側への圧縮荷重が作用する。このとき、締結部14の前後縁部に前後リブ16,17が形成されることで、前記荷重に対する剛性が高められると共に、特に固定フランジ31が箱本体11に接触する等により前記引っ張り荷重が増加することがあっても、該荷重が作用する締結部14の前縁側に比較的大型の前リブ16が形成されることで、締結部14全体がバランス良く効果的に補強される。
また、各リブ16,17,18は、ボルト32及びナット33を略中央として固定フランジ31を三方から囲むように形成されており、これらに囲まれる凹部内に固定フランジ31が嵌まり込むことで、締結部14と固定フランジ31との相対的な位置決めが容易になる。また、フューズボックス10を支持ブラケット20に対して後方から取り付ける際、締結部14の前縁部から立ち上がる壁状の前リブ16が固定フランジ31の前縁部に当接するストッパとなり、フューズボックス10の車体への取り付けがさらに容易になる。
以上説明したように、上記実施例における電気接続箱の固定構造は、フューズボックス10の締結部14を支持ブラケット20の固定フランジ31にボルト32を用いて締結固定するものであって、前記締結部14に、前記固定フランジ31の締結部14に対する前記ボルト32の締め付けトルク方向での回転を抑止するリブ16,17,18を設けたものである。
この構成によれば、固定フランジ31と締結部14とをボルト32により締結する際、該固定フランジ31が締結部14に対してボルト軸回りに回転することがなくなり、固定フランジ31がボルト32と共回りすることで生じる締め付けトルク方向での荷重の増加を抑えると共に、支持ブラケット20に対する補強部材等を不要にして部品点数の削減及びレイアウト自由度の向上を図ることができる。
また、上記電気接続箱の固定構造においては、前記締結部14に各リブ16,17,18が形成されることで、前記固定フランジ31のボルト軸回りの回転を抑止すると共に締結部14を補強することができる。
さらに、上記電気接続箱の固定構造においては、前記支持ブラケット20の固定フランジ31に、前記ボルト32が締め込まれるナット33を設け、前記固定フランジ31を囲むように、前記締結部14にリブ16,17,18を形成したことで、ボルト32による締結時に共回りしようとするナット33及び固定フランジ31の回転を確実に抑止できると共に、締結部14の固定フランジ31に対する位置決めを容易にして締結作業性を向上できる。
なお、この発明は上記実施例に限られるものではなく、例えば図9に示すように、締結部14の後下面14bの後縁部(ボルト32締結時に圧縮荷重が作用する側)にも補強リブ19を設けることで、フューズボックス10の組み付け作業性に影響することなく、締結部14をさらに効果的に補強することができる。
また、固定フランジ31及び締結部14の何れか一方にボルト軸回りの回転を抑止する回転抑止部(ピン、孔、爪等)を設けた構成であればよく、かつ固定フランジ31及び締結部14のそれぞれに設けた構成が協働して前記回転抑止部を形成する構成であってもよい。また、前記回転抑止部は、少なくともボルト締まり回転方向での固定フランジ31の回転を抑止するものであればよい。
さらに、ボルト締結箇所はフューズボックスの右側に限らず何れの側に設けてもよく、かつ該ボルト締結箇所を複数設けてもよい。また、支持ブラケットやフューズボックス等の構成が上記実施例のものに限定されることもない。
そして、上記実施例における構成はこの発明の一例であり、右ハンドルの車両にも適用できることはもちろん、該発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能であることはいうまでもない。
この発明の実施例における車両のインストルメントパネルの後方矢視図である。 上記車両のフューズボックス回りの後面図である。 上記フューズボックス回りの右側面図である。 上記フューズボックスの支持ブラケットとのボルト締結箇所を右上前方から見た斜視図である。 上記ボルト締結箇所を右上後方から見た斜視図である。 図4のA−A線に沿う断面図である。 図4のB−B線に沿う断面図である。 図5のA矢視図である。 上記実施例の応用例を示す図5に相当する斜視図である。
符号の説明
10 フューズボックス(電気接続箱)
14 締結部(被固定部)
16 前リブ(回転抑止部)
17 後リブ(回転抑止部)
18 右側リブ(回転抑止部)
20 支持ブラケット
31 固定フランジ(固定部)
32 ボルト
33 ナット

Claims (3)

  1. 電気接続箱の被固定部を支持ブラケットの固定部にボルトを用いて締結固定する電気接続箱の固定構造において、前記固定部及び被固定部の少なくとも一方に、前記固定部の前記被固定部に対する少なくとも前記ボルトの締め付けトルク方向での回転を抑止する回転抑止部を設けたことを特徴とする電気接続箱の固定構造。
  2. 前記回転抑止部が、前記被固定部に形成したリブであることを特徴とする請求項1に記載の電気接続箱の固定構造。
  3. 前記支持ブラケットの固定部に、前記ボルトが締め込まれるナットを設け、前記固定部を囲むように、前記被固定部にリブを形成したことを特徴とする請求項1又は2に記載の電気接続箱の固定構造。
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