JP2008078122A - 接触抵抗の小さい多孔質チタンおよびその製造方法 - Google Patents

接触抵抗の小さい多孔質チタンおよびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】多孔質チタンにおける少なくとも骨格外表面にAuまたはPt粒子が固着している接触抵抗が小さくかつ振動環境および腐食環境に長期間おかれても接触抵抗が増加することの少ない多孔質チタンおよびその製造方法を提供する。
【解決手段】表面に開口し内部の空孔に連続している連続空孔1と骨格2からなる多孔質チタンの少なくとも骨格外表面にAuまたはPtからなる粒子5が分散して固着しており、この少なくとも骨格外表面4に固着したAuまたはPtからなる粒子5間の隙間に、酸化チタン層3の上に酸化ケイ素層、酸化ケイ素および酸化チタンの混合酸化物層、酸化ケイ素および酸化アルミニウムの混合酸化物層または酸化ケイ素、酸化チタンおよび酸化アルミニウムの混合酸化物層からなる酸化ケイ素含有酸化物層7を積層してなる複合酸化物層8が形成されている。
【選択図】図1

Description

この発明は、多孔質チタンにおける少なくとも骨格外表面にAuまたはPt粒子が固着している接触抵抗が小さくかつ振動環境および腐食環境に長期間おかれても接触抵抗が増加することの少ない多孔質チタンおよびその製造方法に関するものであり、この多孔質チタンは固体高分子形燃料電池の空気極材および燃料極材として使用される。
一般に、固体高分子形燃料電池は、電解質の片面に触媒を伴った導電性多孔質体からなる空気極が形成され、電解質のもう一方の片面に同じく触媒を伴った導電性多孔質体からなる燃料極が形成されており、一般にかかる構造を有する固体高分子形燃料電池を複数個重ねた構造を有している。空気極と第一セパレータが接しており、燃料極と第二セパレータがそれぞれ接しており、その接触抵抗は低いことが必要である。一般に、セパレータとしてはカーボン板や金属板が、導電性多孔質体としてはカーボンペーパーと呼ばれるカーボン繊維の不織布や多孔質金属が用いられている。セパレータとして金属板、例えばステンレス鋼板を用いる場合、使用環境においてステンレス鋼の表面に電気抵抗の高い酸化被膜で被覆されているために接触抵抗が大きく、これを改善するためにステンレス鋼表面にAuまたはPtを被覆した板を固体高分子形燃料電池用セパレータとして使用している。また、ステンレス鋼よりも耐食性の優れたチタンについても同様に電気抵抗の高い酸化被膜が形成されていることから、AuまたはPtを被覆したのち熱処理して接触抵抗の低減を図っている(特許文献1参照)。
さらに、固体高分子形燃料電池の空気極および燃料極においても導電性多孔質体として耐食性に優れた多孔質チタンを使用することが考えられる。多孔質チタンは、一般に、図6に示されるように、表面に開口し内部の空孔に連続している連続空孔1と骨格2とで構成されている。そして図6に示される多孔質チタンの骨格2のA部分の拡大図を図7に示してある。図7に示されるように、多孔質チタンの骨格2の表面には酸化チタン層3が形成されており、特に多孔質チタンの骨格外表面4に形成されている酸化チタン層3が導電性を阻害し、接触抵抗を大きくすることが知られている。したがって、多孔質チタンを空気極および燃料極として使用するには、多孔質チタンの表面に先に述べた公知のセパレータと同様にAuまたはPtを表面被覆した多孔質チタンが好ましいと考えられる。
特開2004−133006号公報
多孔質チタンの表面にAuまたはPtをメッキ法、CVD法、PVD法などで被覆しようとすると、多孔質チタンの表面には内部に連通する連続気孔が気孔率:60%以上の割合で形成されていることから、多孔質チタンの骨格の外表面全面だけでなく、内部の骨格表面全面にまでAuまたはPtの被膜が形成され、そのためにコストがかかるためにという問題があった。
さらに、一般に、固体高分子形燃料電池は、携帯用ノートパソコン、携帯電話など移動する装置の動力源に使用されることが多く、したがって、振動を受ける機会が多いことから、骨格の外表面にAuまたはPtが被覆された多孔質チタンを固体高分子形燃料電池の空気極および燃料極の材料として使用すると振動を受け、そのためにセパレータと接触する空気極および燃料極の骨格外表面に形成されているAuまたはPtからなる被膜の表面が変形したり被膜が剥離したりして接触抵抗が増大する。
さらに、一般に、骨格の外表面の一部にAuまたはPtが被覆された多孔質チタンを固体高分子形燃料電池の空気極および燃料極の材料として使用すると長期間腐食環境下に置かれることになることが知られており、骨格の外表面の一部にAuまたはPtが被覆された多孔質チタンが固体高分子形燃料電池の空気極および燃料極の材料として使用され、振動環境および腐食環境に長期間置かれると、AuまたはPtが被覆されていない酸化チタンが露出している部分では接触抵抗が上昇し、固体高分子形燃料電池の性能が低下するなどの問題点があった。
そこで、本発明者らは、固体高分子形燃料電池の空気極および燃料極に使用しても長期にわたって接触抵抗が増大することのない多孔質チタンを一層低コストで作製すべく研究を行った。その結果、
(イ)多孔質チタンの骨格外表面にAuまたはPtを含むコロイドを塗布すると、このAuまたはPtを含むコロイドは多孔質チタンの骨格外表面および空孔開口部の内壁に塗布され、さらにこれを乾燥させると、多孔質チタンの骨格の少なくとも骨格外表面に粒径:1〜5000nm(好ましくは5〜1000nm)のAuまたはPtの粒子が島状に均一分散して付着する、
(ロ)このコロイドを塗布したのち乾燥してAuまたはPtの粒子を島状に均一分散して付着させた多孔質チタンを真空または不活性ガス雰囲気中、温度:300℃以上で加熱すると、先ず、少なくとも骨格外表面に形成されている酸化膜に含まれる酸素が下地のチタンに拡散固溶させられて多孔質チタンの骨格外表面がチタン金属となり、さらに同じ条件で加熱を続けると少なくとも骨格外表面に島状に均一分散して付着しているAuまたはPtからなる粒子が骨格外表面のチタン金属と拡散接合して骨格外表面に強固に固着する、
(ハ)このAuまたはPtからなる粒子を多孔質チタンの骨格外表面に拡散接合して骨格外表面に強固に固着させたものを大気中に取り出すと、骨格外表面のAuまたはPtからなる粒子の存在しない隙間に極めて薄い酸化チタン層が生成し、これを酸化ケイ素ゾルゲル、シランカップリング剤溶液、またはシランカップリング剤にチタネートカップリング剤およびアルミネートカップリング剤のうちの1種もしくは2種を混合した混合溶液に浸漬し乾燥させると、酸化チタン層に対する酸化ケイ素ゾルゲル、シランカップリング剤溶液、またはシランカップリング剤にチタネートカップリング剤およびアルミネートカップリング剤のうちの1種もしくは2種を混合した混合溶液の濡れ性は、AuまたはPtからなる粒子に対する濡れ性よりも優れているところから、酸化ケイ素、酸化ケイ素および酸化チタンからなる混合酸化物、酸化ケイ素および酸化アルミニウムからなる混合酸化物、または酸化ケイ素、酸化チタンおよび酸化アルミニウムからなる混合酸化物からなる酸化ケイ素含有酸化物は、島状のAuまたはPtを避けてチタン酸化膜の上に大部分が存在するようになり、その後焼成すると、酸化チタン層の上に、酸化ケイ素層、酸化ケイ素および酸化チタンからなる混合酸化物層、酸化ケイ素および酸化アルミニウムからなる混合酸化物層、または酸化ケイ素、酸化チタンおよび酸化アルミニウムからなる混合酸化物層からなる酸化ケイ素含有酸化物層(以下、酸化ケイ素層、酸化ケイ素および酸化チタンからなる混合酸化物層、酸化ケイ素および酸化アルミニウムからなる混合酸化物層、または酸化ケイ素、酸化チタンおよび酸化アルミニウムからなる混合酸化物層を「酸化ケイ素含有酸化物層」と総称する)を積層した複合酸化物層が骨格外表面のAuまたはPtからなる粒子の存在しない隙間に厚く形成され、この複合酸化物層はAuまたはPtからなる粒子を抱え込むように形成されるのでAuまたはPtからなる粒子を少なくとも骨格外表面に対して強固に固着する、
(ニ)この時、使用するシランカップリング剤の官能基を選択することによりシランカップリング剤の付着量を変えることで酸化ケイ素含有層の厚さを制御することができる、
(ホ)このようにして作製した少なくとも骨格外表面に固着したAuまたはPtからなる粒子間の隙間に複合酸化物層が形成されている多孔質チタンは、高価なAuまたはPtを多孔質チタンの骨格外表面全面に形成したメッキ膜、CVD膜法、PVD膜などを形成する場合に比べてAuまたはPtの使用量が少なくなるのでコストを下げることができ、さらに長期間固体高分子形燃料電池の空気極および燃料極として組み込まれた状態を保持しても接触抵抗が増加することが少なく、固体高分子形燃料電池の空気極および燃料極の素材として優れた耐食性を有する、などの知見を得たのである。
この発明は、これら知見に基づいてなされたものであって、
(1)表面に開口し内部の空孔に連続している連続空孔と骨格からなる多孔質チタンの少なくとも骨格外表面にAuまたはPtからなる粒子が分散して固着しており、この少なくとも骨格外表面に固着したAuまたはPtからなる粒子間の隙間には複合酸化物層が形成されている接触抵抗の小さい多孔質チタン、
(2)前記AuまたはPt粒子は多孔質チタンに拡散接合して固着している前記(1)記載の接触抵抗の小さい多孔質チタン、
(3)前記AuまたはPtからなる粒子は粒径:1〜5000nmである前記(1)または(2)記載の接触抵抗の小さい多孔質チタン、
(4)前記(1)、(2)または(3)記載の接触抵抗の小さい多孔質チタンを空気極とした固体高分子形燃料電池、
(5)前記(1)、(2)または(3)記載の接触抵抗の小さい多孔質チタンを燃料極とした固体高分子形燃料電池、
(6)前記(1)、(2)または(3)記載の接触抵抗の小さい多孔質チタンを空気極および燃料極とした固体高分子形燃料電池、
(7)表面に開口し内部の空孔に連続している連続空孔と骨格からなりかつ骨格表面に酸化層が形成されている多孔質チタンの少なくとも骨格外表面にAuまたはPtのコロイドを塗布したのち乾燥してAuまたはPtからなる粒子を少なくとも骨格外表面に分散して付着させ、この少なくとも骨格外表面にAuまたはPtからなる粒子が分散して付着している多孔質チタンを真空または不活性ガス雰囲気中、温度:300℃以上で加熱することにより少なくとも骨格外表面をチタン金属層とし、さらに真空または不活性ガス雰囲気中、温度:300℃以上で加熱を続けることにより少なくとも骨格外表面に付着しているAuまたはPtからなる粒子を前記チタン金属層に拡散接合させ、次いでAuまたはPtからなる粒子をチタン金属層に拡散接合させた状態のまま大気中において室温に戻し、次いで前記AuまたはPtからなる粒子が骨格外表面に付着している多孔質チタンを酸化ケイ素ゾルゲル、シランカップリング剤溶液、またはシランカップリング剤にチタネートカップリング剤およびアルミネートカップリング剤のうちの1種もしくは2種を混合した混合溶液に浸漬し乾燥させ、その後150℃以上の温度で大気中にて焼成することにより少なくとも骨格外表面に固着しているAuまたはPtからなる粒子間の隙間に複合酸化物層を形成させる接触抵抗の小さい多孔質チタンの製造方法、に特長を有するものである。
次に、多孔質チタンを用いてこの発明の接触抵抗の小さい多孔質チタンおよびその製造方法を図面に基づいて説明する。
通常の多孔質チタンの断面が図6に示されている。そして図6のA部分を拡大した図面が図7に示されている。図7に示されるように、この多孔質チタンは、表面に開口し内部の空孔に連続している連続空孔1を有し、少なくとも骨格2の骨格外表面4には酸化チタン層3が形成されている。
この多孔質チタンを用いてこの発明の接触抵抗の小さい多孔質チタンを製造する方法を説明する。
図1は、この発明の接触抵抗の小さい多孔質チタンの断面説明図である。
図2〜図5は、図1に示されるこの発明の接触抵抗の小さい多孔質チタンの製造方法を説明するための断面説明図である。
図2に示されるように、通常の多孔質チタンにおける骨格外表面4に形成されている酸化チタン層3の上にAuまたはPt粉末を含むAuまたはPtコロイドを塗布したのち乾燥すると、酸化チタン層3の上にAuまたはPtからなる粒子5が付着する。この状態で真空雰囲気中、温度:300℃以上に加熱保持すると、図3に示されるように、酸化チタン層3の酸素は骨格2のチタンに拡散固溶させられて多孔質チタンの少なくとも骨格外表面4がチタン金属となる。さらに同じ条件で加熱すると、図4に示されるように、AuまたはPtからなる粒子5が骨格外表面のチタン金属と拡散接合部6を形成して拡散接合し、骨格外表面に強固に固着する。
このAuまたはPtからなる粒子5が骨格外表面4に強固に固着した状態のものを大気中に放置して室温に戻すと即座に図5に示されるような骨格外表面4のチタン金属に拡散接合したAuまたはPtからなる粒子5の存在しない部分の骨格外表面4に極めて薄い酸化チタン層3が形成される。この図5に示されるようなAuまたはPtからなる粒子5の存在しない部分の骨格外表面4にはきわめて薄い酸化チタン層3が形成されている多孔質チタンを、酸化ケイ素ゾルゲル、シランカップリング剤溶液、またはシランカップリング剤にチタネートカップリング剤およびアルミネートカップリング剤のうちの1種もしくは2種を混合した混合溶液に浸漬すると、酸化ケイ素ゾルゲル、シランカップリング剤溶液、またはシランカップリング剤にチタネートカップリング剤およびアルミネートカップリング剤のうちの1種もしくは2種を混合した混合溶液はAuまたはPtからなる粒子5よりも酸化チタン層3の方が濡れ性が良いので酸化ケイ素ゾルゲル、シランカップリング剤溶液、またはシランカップリング剤にチタネートカップリング剤およびアルミネートカップリング剤のうちの1種もしくは2種を混合した混合溶液は酸化チタン層3の上に塗布され、AuまたはPtからなる粒子5の表面には塗布されない状態となる。その後加熱乾燥すると酸化チタン層3の上に酸化ケイ素、酸化ケイ素および酸化チタンからなる混合酸化物、酸化ケイ素および酸化アルミニウムからなる混合酸化物、または酸化ケイ素、酸化チタンおよび酸化アルミニウムからなる混合酸化物からなる酸化ケイ素含有酸化物が乗った状態となる。かかる状態の多孔質チタンを150℃以上の温度で大気中にて焼成すると、図1に示されるような少なくとも骨格外表面に固着しているAuまたはPtからなる粒子5間の隙間に、酸化チタン層3の上に酸化ケイ素含有酸化物層7が積層してなる複合酸化物層8が形成される。この複合酸化物層8はAuまたはPtからなる粒子3を包み込むように厚く形成することができるから、AuまたはPtからなる粒子5を骨格の外表面に対して一層強固に固着することになる。
この発明の接触抵抗の小さい多孔質チタンの製造には、チタン繊維を焼結した繊維焼結体、チタン粉末を通常の焼結法などによって焼結した粉末焼結体、チタン粉末にバインダー、発泡剤などを含むスラリーを作製し、このスラリーをドクターブレード法などの方法によりキャリヤーシート上に延ばしこれを加熱して発泡させ、乾燥してグリーン体を形成し、このグリーン体を脱脂、焼成することにより得られるスポンジ状の多孔質発泡チタンなどを使用することができるが、これら多孔質チタンの中でもスポンジ状の多孔質発泡チタンは製造工程で気孔率を制御することが容易であり、接触面積を大きく取れる利点があることから多孔質発泡チタンを使用することがより好ましい。
この発明の接触抵抗の小さい多孔質チタンは、少なくとも骨格外表面にAuまたはPtからなる粒子が分散して固着しているところから、少なくとも骨格外表面の全面に高価なAuまたはPtからなる膜を形成した場合に比べてAuまたはPtの使用量が少なく、したがって、固体高分子形燃料電池の空気極材および燃料極材のコストを下げることができ、さらにこの発明の接触抵抗の小さい多孔質チタンにおける少なくとも骨格外表面に固着したAuまたはPtからなる粒子はその周囲を硬く厚い複合酸化物層8で厚く覆われているので振動などで外部圧力が加わっても変形したり脱落したりすることが無く、さらに固体高分子形燃料電池に組み込んで腐食環境に長期間置かれても接触抵抗の低い状態を保持することができるので、固体高分子形燃料電池などの性能の向上に大いに貢献し得るものである。
実施例1
原料粉末として、平均粒径:10μmのチタン粉末、水溶性樹脂結合剤としてメチルセルロース10%水溶液、可塑剤としてエチレングリコール、起泡剤としてアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、発泡剤としてネオペンタンを用意した。
原料粉末:20質量%、水溶性樹脂結合剤:10質量%、可塑剤:1質量%、起泡剤:1質量%、発泡剤:0.6質量%、残部:水となるように配合し、15分間混練し、発泡スラリーを作製した。得られた発泡スラリーをブレードギャップ:0.5mmでドクターブレード法によりPETフィルム上に成形し、恒温恒湿度槽に供給し、そこで温度:35℃、湿度:90%、25分間保持の条件で発泡させた後、温度:80℃、20分間保持の条件の温風乾燥を行い、スポンジ状グリーン成形体を作製した。この成形体をPETフィルムから剥がし、アルミナ板上に載せ、Ar雰囲気中、温度:550℃、180分保持の条件で脱脂し、続いて真空焼結炉で雰囲気:5×10−3Pa、温度:1200℃、1時間保持の条件で焼結することにより気孔率90%を有し、厚さ:1.0mmを有する多孔質発泡チタン板を作製した。得られた多孔質発泡チタン板を縦:30mm、横:30mmの寸法となるように切断して多孔質発泡チタン素材を作製した。
この多孔質発泡チタン素材を平均粒径:20nmのAu微粒子が懸濁している市販の金コロイド溶液に浸漬したのち乾燥し、この浸漬と乾燥を繰り返すことにより多孔質発泡チタン素材の表面に、表面の40%を覆うようAu粒子を分散付着させた。この多孔質発泡チタン素材の表面にAu粒子を分散付着させた状態で、真空中、温度:450℃、1時間保持の条件で熱処理して多孔質発泡チタン素材の表面にAu粒子を拡散接合し、その後、大気中で室温に戻した。この大気中で室温に戻したAu粒子が拡散接合している多孔質発泡チタン素材のAu粒子間の隙間には薄い酸化チタン層が形成されていた。このようにして得られた多孔質発泡チタン素材を酸化ケイ素ゾルゲル中に浸漬したのち大気中で乾燥し、この浸漬と乾燥を繰り返したのち引き続いて大気中、温度:350℃、10分間保持の熱処理を行なうことにより、拡散接合しているAu粒子の隙間の酸化チタン層の上に酸化ケイ素含有酸化物層(=酸化ケイ素層)が積層した複合酸化物層が形成されている本発明多孔質チタン1を作製した。
従来例1
実施例1で作製した多孔質発泡チタン素材の表面に通常の条件でAuメッキを施すことにより従来多孔質チタン1を作製した。
従来例2
実施例1で作製したAu粒子間の隙間に薄い酸化チタン層が形成されている多孔質発泡チタン素材を従来多孔質チタン2とした。
実施例2
実施例1で作製した得られた多孔質発泡チタン素材を、平均粒径:20nmのPt微粒子が懸濁している市販の白金コロイド溶液に浸漬したのち乾燥し、この浸漬と乾燥を繰り返すことにより多孔質発泡チタン素材の表面に、表面の40%を覆うようPt粒子を分散付着させた。この多孔質発泡チタン素材の表面にPt粒子を分散付着させた状態で、真空雰囲気中、温度:450℃、1時間保持の条件で熱処理し、多孔質発泡チタン素材の表面にPt粒子を拡散接合し、その後、大気中で室温に戻した。この大気中で室温に戻したPt粒子が拡散接合している多孔質発泡チタン素材のPt粒子間の隙間には薄い酸化チタン層が形成されていた。このようにして得られたPt粒子を拡散接合した多孔質発泡チタン素材をメルカプトプロピルトリメトキシシラン溶液中に10分間浸漬したのち大気中で乾燥し、引き続いて大気中、温度:350℃、10分間保持の条件で熱処理を行なうことにより拡散接合しているPt粒子の隙間の酸化チタン層の上に酸化ケイ素含有酸化物層(=酸化ケイ素層)が積層した複合酸化物層が形成されている本発明多孔質チタン2を作製した。
従来例3
実施例1で作製した多孔質発泡チタン素材の表面に通常の条件でPtメッキを施すことにより従来多孔質チタン3を作製した。
従来例4
実施例2で作製したPt粒子間の隙間に薄い酸化チタン層が形成されている多孔質発泡チタン素材を従来多孔質チタン4とした。
実施例1で作製した本発明多孔質チタン1、従来例1で作製した従来多孔質チタン1、実施例1で作製したAu粒子間の隙間に薄い酸化チタン層が形成されている多孔質発泡チタン素材からなる従来多孔質チタン2、実施例2で作製した本発明多孔質チタン2、従来例3で作製した従来多孔質チタン3および実施例2で作製したPt粒子間の隙間に薄い酸化チタン層が形成されている多孔質発泡チタン素材からなる従来多孔質チタン4についてそれぞれ下記のようにして接触抵抗を測定し、その後振動試験および耐食試験後の接触抵抗を測定し、その結果を表1に示した。
接触抵抗測定:
本発明多孔質チタン1、従来多孔質チタン1、従来多孔質チタン2、本発明多孔質チタン2、従来多孔質チタン3および従来多孔質チタン4をそれぞれ縦:50mm、横:50mm、厚さ:10mmの寸法を有する銅板2枚で挟み、ばねを介して固定した。そのとき、常に本発明多孔質チタン1、従来多孔質チタン1、従来多孔質チタン2、本発明多孔質チタン2、従来多孔質チタン3および従来多孔質チタン4と銅板の面圧が1MPaになるようにかけてばねの撓みを調整した。かかる面圧がかかった状態で銅板間の抵抗を測定し、その値を接触抵抗として表1に示した。
振動試験後の接触抵抗測定:
本発明多孔質チタン1、従来多孔質チタン1、従来多孔質チタン2、本発明多孔質チタン2、従来多孔質チタン3および従来多孔質チタン4をそれぞれ縦:50mm、横:50mm、厚さ:10mmの寸法を有する銅板2枚で挟み、本発明多孔質チタン1、従来多孔質チタン1、従来多孔質チタン2、本発明多孔質チタン2、従来多孔質チタン3および従来多孔質チタン4と銅板の面圧が1MPaになるようにばねの撓みを調整した状態のまま振動試験機上に設置し、周波数:67Hz、振動加速度:70m/秒で2時間の振動試験を行った。この振動試験後、その場で荷重がかかった状態で銅板間の抵抗を測定し、その値を振動試験後の接触抵抗として表1に示した。
耐食試験後の接触抵抗測定:
本発明多孔質チタン1、従来多孔質チタン1、従来多孔質チタン2、本発明多孔質チタン2、従来多孔質チタン3および従来多孔質チタン4にそれぞれ電気を流すための導線を溶接し、これらを温度:50℃、pH=2に保持された硫酸水溶液中に浸漬し、電位:1000mV(対水素基準)をかけながら500時間保持する条件の耐食試験を行い、この耐食試験した本発明多孔質チタン1、従来多孔質チタン1、従来多孔質チタン2、本発明多孔質チタン2、従来多孔質チタン3および従来多孔質チタン4をそれぞれ縦:50mm、横:50mm、厚さ:10mmの寸法を有する銅板2枚で挟み、本発明多孔質チタン1、従来多孔質チタン1、従来多孔質チタン2、本発明多孔質チタン2、従来多孔質チタン3および従来多孔質チタン4と銅板の面圧が1MPaになるようにばねの撓みを調整した状態で銅板間の抵抗を測定し、その値を耐食試験後の接触抵抗として表1に示した。
Figure 2008078122
表1に示される結果から、本発明多孔質チタン1および2は、従来多孔質チタン1および3に比べて振動試験後の接触抵抗が格段に小さく、また従来多孔質チタン2および4に比べて耐食試験後の接触抵抗が格段に小さいことがわかる。
従来多孔質チタン2および4が耐食試験後の接触抵抗が大きくなるのは、長期間腐食環境に置かれると、AuとTiの拡散接合層またはPtとTiの拡散接合層の周囲から酸化チタン層が前記拡散接合層の下に潜り込んで成長し、拡散接合層と基体のTiの間に比抵抗の高い酸化チタン層が形成され、それによって接触抵抗が増加することを確認している。
実施例3
実施例1で作製した得られた多孔質発泡チタン素材を、平均粒径:20nmのAu微粒子が懸濁している市販の金コロイド溶液を少なくとも多孔質発泡チタン素材の骨格外表面に塗布したのち乾燥し、この塗布と乾燥を繰り返すことにより多孔質発泡チタン素材の外表面に、外表面の40%を覆うようAu粒子を分散付着させた。この多孔質発泡チタン素材の外表面にAu微粒子を分散付着させた状態で、真空雰囲気中、温度:450℃、1時間保持の条件で熱処理し、その後、大気中で室温に戻した。このようにして得られたAu微粒子が拡散接合している多孔質発泡チタン素材をメルカプトプロピルトリメトキシシランとチタネート系カップリング剤(商品名プレンアクト KR138S)の混合溶液中に10分間浸漬したのち大気中で乾燥し、引き続いて大気中、温度:350℃、10分間保持の条件で熱処理を行なうことにより拡散接合しているAu粒子の隙間に酸化チタン層の上に酸化ケイ素および酸化チタンからなる酸化ケイ素含有酸化物層を積層した複合酸化物層が形成されている本発明多孔質チタン3を作製した。
実施例4
実施例1で作製した得られた多孔質発泡チタン素材を、平均粒径:20nmのPt微粒子が懸濁している市販の白金コロイド溶液を少なくとも多孔質発泡チタン素材の骨格外表面に塗布したのち乾燥し、この塗布と乾燥を繰り返すことにより多孔質発泡チタン素材の外表面に、外表面の40%を覆うようPt粒子を分散付着させた。この多孔質発泡チタン素材の外表面にPt微粒子を分散付着させた状態で、真空雰囲気中、温度:450℃、1時間保持の条件で熱処理し、その後、大気中で室温に戻した。このようにして得られたPt微粒子が拡散接合している多孔質発泡チタン素材をメルカプトプロピルトリメトキシシランとアルミニウム系カップリング剤(商品名プレンアクト AL−M)の混合溶液中に10分間浸漬したのち大気中で乾燥し、引き続いて大気中、温度:350℃、10分間保持の条件で熱処理を行なうことにより拡散接合しているPt粒子の隙間に酸化チタン層の上に酸化ケイ素および酸化アルミニウムからなる酸化ケイ素含有酸化物層を積層した複合酸化物層が形成されている本発明多孔質チタン4を作製した。
実施例5
実施例1で作製した得られた多孔質発泡チタン素材を、平均粒径:20nmのAu微粒子が懸濁している市販の金コロイド溶液を少なくとも多孔質発泡チタン素材の骨格外表面に塗布したのち乾燥し、この塗布と乾燥を繰り返すことにより多孔質発泡チタン素材の外表面に、外表面の40%を覆うようAu粒子を分散付着させた。この多孔質発泡チタン素材の外表面にAu微粒子を分散付着させた状態で、真空雰囲気中、温度:450℃、1時間保持の条件で熱処理し、その後、大気中で室温に戻した。このようにして得られたAu微粒子が拡散接合している多孔質発泡チタン素材をメルカプトプロピルトリメトキシシラン、チタネート系カップリング剤(商品名プレンアクト KR138S)およびアルミニウム系カップリング剤(商品名プレンアクト AL−M)の混合溶液中に10分間浸漬したのち大気中で乾燥し、引き続いて大気中、温度:350℃、10分間保持の条件で熱処理を行なうことにより拡散接合しているAu粒子の隙間に酸化チタン層の上に酸化ケイ素、酸化チタンおよび酸化アルミニウムからなる酸化ケイ素含有酸化物層を積層した複合酸化物層が形成されている本発明多孔質チタン5を作製した。
実施例6
実施例1で作製した得られた多孔質発泡チタン素材を、平均粒径:20nmのPt微粒子が懸濁している市販の白金コロイド溶液を少なくとも多孔質発泡チタン素材の骨格外表面に塗布したのち乾燥し、この塗布と乾燥を繰り返すことにより多孔質発泡チタン素材の外表面に、外表面の40%を覆うようPt粒子を分散付着させた。この多孔質発泡チタン素材の外表面にPt微粒子を分散付着させた状態で、真空雰囲気中、温度:450℃、1時間保持の条件で熱処理し、その後、大気中で室温に戻した。このようにして得られたPt微粒子が拡散接合している多孔質発泡チタン素材をメルカプトプロピルトリメトキシシランとチタネート系カップリング剤(商品名プレンアクト KR138S)の混合溶液中に10分間浸漬したのち大気中で乾燥し、引き続いて大気中、温度:350℃、10分間保持の条件で熱処理を行なうことにより拡散接合しているPt粒子の隙間に酸化チタン層の上に酸化ケイ素および酸化チタンからなる酸化ケイ素含有酸化物層を積層した複合酸化物層が形成されている本発明多孔質チタン6を作製した。
実施例7
実施例1で作製した得られた多孔質発泡チタン素材を、平均粒径:20nmのAu微粒子が懸濁している市販の金コロイド溶液を少なくとも多孔質発泡チタン素材の骨格外表面に塗布したのち乾燥し、この塗布と乾燥を繰り返すことにより多孔質発泡チタン素材の外表面に、外表面の40%を覆うようAu粒子を分散付着させた。この多孔質発泡チタン素材の外表面にAu微粒子を分散付着させた状態で、真空雰囲気中、温度:450℃、1時間保持の条件で熱処理し、その後、大気中で室温に戻した。このようにして得られたAu微粒子が拡散接合している多孔質発泡チタン素材をメルカプトプロピルトリメトキシシランとアルミニウム系カップリング剤(商品名プレンアクト AL−M)の混合溶液中に10分間浸漬したのち大気中で乾燥し、引き続いて大気中、温度:350℃、10分間保持の条件で熱処理を行なうことにより拡散接合しているAu粒子の隙間に酸化チタン層の上に酸化ケイ素および酸化アルミニウムからなる酸化ケイ素含有酸化物層を積層した複合酸化物層が形成されている本発明多孔質チタン7を作製した。
実施例8
実施例1で作製した得られた多孔質発泡チタン素材を、平均粒径:20nmのPt微粒子が懸濁している市販の白金コロイド溶液を少なくとも多孔質発泡チタン素材の骨格外表面に塗布したのち乾燥し、この塗布と乾燥を繰り返すことにより多孔質発泡チタン素材の外表面に、外表面の40%を覆うようPt粒子を分散付着させた。この多孔質発泡チタン素材の外表面にPt微粒子を分散付着させた状態で、真空雰囲気中、温度:450℃、1時間保持の条件で熱処理し、その後、大気中で室温に戻した。このようにして得られたPt微粒子が拡散接合している多孔質発泡チタン素材をメルカプトプロピルトリメトキシシラン、チタネート系カップリング剤(商品名プレンアクト KR138S)およびアルミニウム系カップリング剤(商品名プレンアクト AL−M)の混合溶液中に10分間浸漬したのち大気中で乾燥し、引き続いて大気中、温度:350℃、10分間保持の条件で熱処理を行なうことにより拡散接合しているPt粒子の隙間に酸化チタン層の上に酸化ケイ素、酸化チタンおよび酸化アルミニウムからなる酸化ケイ素含有酸化物層を積層した複合酸化物層が形成されている本発明多孔質チタン8を作製した。
実施例3で作製した本発明多孔質チタン3、実施例4で作製した本発明多孔質チタン4、実施例5で作製した本発明多孔質チタン5、実施例6で作製した本発明多孔質チタン6、実施例7で作製した本発明多孔質チタン7、実施例8で作製した本発明多孔質チタン8について先の実施例1〜2および従来例1〜2と同じ方法により接触抵抗を測定し、その後先の実施例1〜2および従来例1〜2と同じ方法により振動試験および耐食試験後の接触抵抗を測定し、その結果を表2に示した。
Figure 2008078122
表2に示される結果から、本発明多孔質チタン3〜8は、表1の従来多孔質チタン1および3に比べて振動試験後の接触抵抗が格段に小さく、また表1の従来多孔質チタン2および4に比べて耐食試験後の接触抵抗が格段に小さいことがわかる。
この発明の接触抵抗の小さい多孔質チタンの断面説明図である。 図5のA部分の骨格外表面の酸化膜の上にAuまたはPtからなる粒子を付着させた状態の断面説明図である。 図2の状態で真空雰囲気中において加熱することにより酸化膜の酸素が骨格に拡散吸収して酸化膜が消滅した状態の断面説明図である。 図2の状態で加熱をさらに続けることによりAuまたはPtからなる粒子が骨格外表面に拡散接合した状態を示す断面説明図である。 AuまたはPtからなる粒子を骨格外表面に拡散接合しAuまたはPtからなる粒子が骨格外表面に強固に固着した図4の状態のものを大気中に放置して室温に戻した状態を示す多孔質チタンの断面説明図である。 一般に知られている多孔質チタンの断面説明図である。 図6のA部分の拡大断面説明図である。
符号の説明
1:連続空孔、2:骨格、3:酸化チタン層、4:骨格外表面、5:AuまたはPtからなる粒子、6:拡散接合部、7:酸化ケイ素含有酸化物層、8:複合酸化物層

Claims (7)

  1. 表面に開口し内部の空孔に連続している連続空孔と骨格からなる多孔質チタンの少なくとも骨格外表面にAuまたはPtからなる粒子が分散して固着しており、この少なくとも骨格外表面に固着したAuまたはPtからなる粒子間の隙間に、酸化チタン層の上に酸化ケイ素層、酸化ケイ素および酸化チタンからなる混合酸化物層、酸化ケイ素および酸化アルミニウムからなる混合酸化物層、または酸化ケイ素、酸化チタンおよび酸化アルミニウムからなる混合酸化物層からなる酸化ケイ素含有酸化物層を積層してなる複合酸化物層が形成されていることを特徴とする接触抵抗の小さい多孔質チタン。
  2. 前記AuまたはPtからなる粒子は多孔質チタンに拡散接合して固着していることを特徴とする請求項1記載の接触抵抗の小さい多孔質チタン。
  3. 前記AuまたはPtからなる粒子は粒径:1〜5000nmであることを特徴とする請求項1または2記載の接触抵抗の小さい多孔質チタン。
  4. 請求項1、2または3記載の接触抵抗の小さい多孔質チタンを空気極とした固体高分子形燃料電池。
  5. 請求項1、2または3記載の接触抵抗の小さい多孔質チタンを燃料極とした固体高分子形燃料電池。
  6. 請求項1、2または3記載の接触抵抗の小さい多孔質チタンを空気極および燃料極とした固体高分子形燃料電池。
  7. 表面に開口し内部の空孔に連続している連続空孔と骨格からなりかつ骨格表面に酸化層が形成されている多孔質チタンの少なくとも骨格外表面にAuまたはPtのコロイドを塗布したのち乾燥してAuまたはPtからなる粒子を少なくとも骨格外表面に分散して付着させ、この少なくとも骨格外表面にAuまたはPtからなる粒子が分散して付着している多孔質チタンを真空または不活性ガス雰囲気中、温度:300℃以上で加熱することにより少なくとも骨格外表面をチタン金属層とし、さらに真空または不活性ガス雰囲気中、温度:300℃以上で加熱を続けることにより少なくとも骨格外表面に付着しているAuまたはPtからなる粒子を前記チタン金属層に拡散接合させた後AuまたはPtからなる粒子をチタン金属層に拡散接合させた状態のまま大気中において室温に戻し、次いで前記AuまたはPtからなる粒子が骨格外表面に付着している多孔質チタンを、酸化ケイ素ゾルゲル、シランカップリング剤溶液、またはシランカップリング剤にチタネートカップリング剤およびアルミネートカップリング剤のうちの1種もしくは2種を混合した混合溶液に浸漬し乾燥させ、その後150℃以上の温度で大気中にて焼成することにより少なくとも骨格外表面に固着しているAuまたはPtからなる粒子間の隙間に、酸化チタン層の上に酸化ケイ素層、酸化ケイ素および酸化チタンからなる混合酸化物層、酸化ケイ素および酸化アルミニウムからなる混合酸化物層、または酸化ケイ素、酸化チタンおよび酸化アルミニウムからなる混合酸化物層からなる酸化ケイ素含有酸化物層を積層してなる複合酸化物層を形成させることを特徴とする接触抵抗の小さい多孔質チタンの製造方法。
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