JP4895012B2 - 接触抵抗の小さい多孔質チタンおよびその製造方法 - Google Patents

接触抵抗の小さい多孔質チタンおよびその製造方法 Download PDF

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Description

この発明は、多孔質チタンにおける少なくとも骨格外表面にAuまたはPt粒子が固着している接触抵抗の小さい多孔質チタンおよびその製造方法に関するものであり、この多孔質チタンは固体高分子形燃料電池の空気極材および燃料極材として使用される。
一般に、固体高分子形燃料電池は、電解質の片面に触媒を伴った導電性多孔質体からなる空気極が形成され、電解質のもう一方の片面に同じく触媒を伴った導電性多孔質体からなる燃料極が形成されており、一般にかかる構造を有する固体高分子形燃料電池を複数個重ねた構造を有している。空気極と第一セパレータが接しており、燃料極と第二セパレータがそれぞれ接しており、その接触抵抗は低いことが必要である。一般に、セパレータとしてはカーボン板や金属板が、導電性多孔質体としてはカーボンペーパーと呼ばれるカーボン繊維の不織布や多孔質金属が用いられている。セパレータとして金属板、例えばステンレス鋼板を用いる場合、使用環境においてステンレス鋼の表面に電気抵抗の高い酸化被膜で被覆されているために接触抵抗が大きく、これを改善するためにステンレス鋼表面にAuまたはPtを被覆した板を固体高分子形燃料電池用セパレータとして使用している。また、ステンレス鋼よりも耐食性の優れたチタンについても同様に電気抵抗の高い酸化被膜が形成されていることから、AuまたはPtを被覆したのち熱処理して接触抵抗の低減を図っている(特許文献1参照)。

一方、固体高分子型燃料電池の空気極および燃料極にも多孔質体が使用されており、例えばカーボンクロスのような繊維質導電性多孔質体が使用されることおよびこの繊維質導電性多孔質体からなる空気極および燃料極のセパレータに接する面にのみ金メッキを施したものが提案されている(特許文献2参照)。
さらに、固体高分子形燃料電池の空気極および燃料極においても導電性多孔質体として耐食性に優れた多孔質チタンを使用することが考えられている。多孔質チタンは、一般に、図10の断面図に示されるように、表面に開口し内部の空孔に連続している連続空孔1と骨格2とで構成されている。そして図10に示される多孔質チタンの骨格2のA部分の拡大図が図11の断面図に示されている。図11に示されるように、多孔質チタンの骨格2の表面には酸化膜3が形成されており、特に多孔質チタンの骨格外表面4に形成されている酸化膜3が導電性を阻害し、接触抵抗を大きくすることも知られている。

図10に示される多孔質チタンの骨格2のA部分が切断または研削など加工が施されている面である場合は図11に示されるように骨格外表面4は平面となっているが、通常の焼結を行なって得られた多孔質チタンの骨格2の外部露出面4は図12の断面図に示されるように凹凸面により構成されており、これを固体高分子形燃料電池の空気極および燃料極として用いてセパレータと接触させると、接触する部分は多孔質チタンの骨格2の外部露出面に形成されている凸面先端部8であるところから、多孔質チタンを空気極および燃料極として使用するには多孔質チタンの骨格2の外部露出面4に形成されている凸面先端部8にのみAuまたはPtを被覆するだけで十分に接触抵抗を低下させることができると考えられる。
特開2004−133006号公報 特開2004−178893号公報
従来から知られている多孔質チタンの表面に通常のAuまたはPtをメッキ法、CVD法、PVD法などで被覆しようとすると、多孔質チタンの表面には内部に連通する連続気孔が気孔率:60%以上の割合で形成されていることから、多孔質チタンの骨格の外表面全面だけでなく、内部の骨格表面全面にまでAuまたはPtの被膜が形成され、そのためにコストがかかるという問題があった。
さらに、一般に、固体高分子形燃料電池は、携帯用ノートパソコン、携帯電話など移動する装置の動力源に使用されることが多く、したがって、振動を受ける機会が多い。骨格の外表面にAuまたはPtが被覆された多孔質チタンを空気極および燃料極の材料として使用した固体高分子形燃料電池が振動を受けると、セパレータと接触する空気極および燃料極の骨格外表面に形成されているAuまたはPtからなる被膜の表面が変形したり被膜が剥離するなどし、それによって接触抵抗が上昇する。特に固体高分子形燃料電池に使用される多孔質チタンからなる空気極および燃料極は多孔質であるために実質的な外面積が極端に小さいとことからAuまたはPtからなる被膜の表面が変形したり被膜が剥離したりすると通常の密度:100%のチタン金属表面にAuまたはPtが形成された場合と比べて接触抵抗の増加は著しく大きくなる。
特に図12に示される多孔質チタンの骨格2の外部露出面4における凸面先端部8は面積が極端に小さいとことから固体高分子形燃料電池を移動する装置の動力源として使用すると、セパレータと接触するAuまたはPtからなる被膜の表面が変形したり被膜が摩耗して剥離したりして短期間で接触抵抗が上昇し、固体高分子型燃料電池の性能が短期間で低下するようになる。
そこで、本発明者らは、固体高分子形燃料電池の空気極および燃料極に使用する導電性に優れた多孔質チタンを一層低コストで作製し、しかも、振動に伴う摩耗により多孔質チタンの骨格外表面に形成されたAuまたはPtが変形したり剥離することが無く、接触抵抗が長期間増加することのない多孔質チタンを得るべく研究を行った。その結果、
(イ)多孔質チタンの骨格外表面にAuまたはPtを含むコロイドを塗布すると、このAuまたはPtを含むコロイドは多孔質チタンの骨格外表面および空孔開口部の内壁の一部に塗布され、さらにこれを乾燥させると、多孔質チタンの骨格の少なくとも骨格外表面に粒径:1〜5000nm(好ましくは5〜1000nm)のAuまたはPtの粒子が均一分散して付着する、
(ロ)このコロイドを塗布したのち乾燥してAuまたはPtの粒子を均一分散して付着させた多孔質チタンを真空または不活性ガス雰囲気中、温度:300℃以上で加熱すると、先ず、少なくとも骨格外表面に形成されている酸化膜に含まれる酸素が下地のチタンに拡散固溶させられて多孔質チタンの骨格外表面がチタン金属となり、さらに同じ条件で加熱を続けると少なくとも骨格外表面に均一分散して付着しているAuまたはPtからなる粒子が骨格外表面のチタン金属と拡散接合して骨格外表面に強固に固着する、
(ハ)このAuまたはPtからなる粒子を少なくとも骨格外表面のチタン金属に拡散接合させた状態でさらに大気雰囲気中で保持または保持したのちさらに加熱すると、少なくとも骨格外表面のチタン金属に拡散接合したAuまたはPtからなる粒子の存在しない隙間には酸化層が形成され、この酸化層はAuまたはPtからなる粒子を抱え込むようにAuまたはPtからなる粒子を少なくとも骨格外表面に対して一層強固に固着する、などの知見を得たのである。
この発明は、これら知見に基づいてなされたものであって、
(1)表面に開口し内部の空孔に連続している連続空孔と骨格からなる多孔質チタンの少なくとも骨格外表面にAuまたはPtからなる粒子が分散して該多孔質チタンに拡散接合して固着しており、この少なくとも骨格外表面に固着したAuまたはPtからなる粒子間の隙間には酸化層が形成されている接触抵抗の小さい多孔質チタン、
(2)前記AuまたはPtからなる粒子は粒径:1〜5000nmである前記(1)または(1)記載の接触抵抗の小さい多孔質チタン、
(3)表面に開口し内部の空孔に連続している連続空孔と骨格からなりかつ骨格表面に酸化層が形成されている多孔質チタンの少なくとも骨格外表面にAuまたはPtのコロイドを塗布したのち乾燥してAuまたはPtからなる粒子を少なくとも骨格外表面に分散して付着させ、この少なくとも骨格外表面にAuまたはPtからなる粒子が分散して付着している多孔質チタンを真空または不活性ガス雰囲気中、温度:300℃以上で加熱することにより少なくとも骨格外表面をチタン金属層とし、さらに真空または不活性ガス雰囲気中、温度:300℃以上で加熱を続けることにより少なくとも骨格外表面に付着しているAuまたはPtからなる粒子を前記チタン金属層に拡散接合させ、次いでAuまたはPtからなる粒子をチタン金属層に拡散接合させた状態のまま大気中、室温で保持することにより少なくとも骨格外表面に固着しているAuまたはPtからなる粒子間の隙間に酸化膜を形成させる前記(1)または(2)記載の接触抵抗の小さい多孔質チタンの製造方法、
(4)前記(3)記載の接触抵抗の小さい多孔質チタンの製造方法において、前記AuまたはPtからなる粒子をチタン金属層に拡散接合させた状態のまま大気中、室温で保持したのち、さらに大気中で加熱することにより少なくとも骨格外表面に固着しているAuまたはPtからなる粒子間の隙間に酸化膜を形成させる接触抵抗の小さい多孔質チタンの製造方法、に特長を有するものである。

通常の焼結を行なって得られた多孔質チタンの表面に露出している骨格2の外部露出面4は図12の断面図に示されるように凹凸面により構成されており、この表面加工しない多孔質チタンを固体高分子形燃料電池の空気極および燃料極として使用し、セパレータと接触させると、セパレータと接触する部分は多孔質チタンの骨格2の外部露出面に形成されている凸面先端部8であるところから、多孔質チタンを空気極および燃料極として使用するには多孔質チタンの骨格2の外部露出面4に形成されている凸面先端部8にのみAuまたはPtを被覆するだけで十分であり、この多孔質チタンの骨格2の外部露出面4に形成されている凸面先端部8にのみAuまたはPtを被覆した接触抵抗の小さい多孔質チタンについても前記(イ)〜(ハ)の知見に基づいて作製することができる。

この場合、多孔質チタンの骨格2の外部露出面4に形成されている凸面先端部8にのみAuまたはPtの粒子を分散して付着させるには、AuまたはPtのコロイドを含浸させたスポンジを用意し、このAuまたはPtのコロイドを含浸させたスポンジに多孔質チタンを押し付けることにより多孔質チタンの表面に露出している骨格の外部露出面に形成されている凹凸面の凸面先端部にのみAuまたはPtのコロイドを塗布し、その後乾燥することにより多孔質チタンの骨格の外部露出面における凸面先端部のチタン酸化層の上に粒径:1〜5000nm(好ましくは5〜1000nm)のAuまたはPtの粒子を分散して付着させ、このAuまたはPtの粒子を分散して付着させた多孔質チタンを真空または不活性ガス雰囲気中、温度:300℃以上で加熱すると、骨格の表面に生成しているチタン酸化膜に含まれる酸素が下地のチタンに拡散固溶させられて多孔質チタンの骨格外表面がチタン金属に還元されるところからチタン酸化膜が消失し、さらに同じ条件で加熱を続けると、多孔質チタンの骨格の外部露出面における凸面先端部にのみ分散して付着しているAuまたはPtからなる粒子が骨格の外部露出面における凸面先端部のチタン金属と拡散接合して骨格に強固に固着し、この骨格の外部露出面における凸面先端部に拡散接合させた状態でさらに大気雰囲気中で保持または保持したのちさらに加熱すると、骨格の外部露出面における凸面先端部に拡散接合したAuまたはPtからなる粒子が存在しない隙間にチタン酸化層が再び形成され、このチタン酸化層はAuまたはPtからなる粒子を抱え込むような構造となっているのでAuまたはPtからなる粒子を骨格の外部露出面における凸面先端部に対して一層強固に固着させることができる。
したがって、この発明は、
(5)表面に開口し内部の空孔に連続している連続空孔と骨格からなる多孔質チタンの表面に露出している骨格の外部露出面に生成している凹凸面における凸面先端部にAuまたはPtからなる粒子が分散して拡散接合により固着している多孔質チタンであって、前記凸面先端部に分散して拡散接合により固着しているAuまたはPtからなる粒子間にはチタン酸化層が形成されている接触抵抗の小さい多孔質チタン、
(6)前記AuまたはPtからなる粒子は、多孔質チタンの表面に露出している骨格の外部露出面に、面積率:2〜70%の範囲内で拡散接合により固着している前記(5)記載の接触抵抗の小さい多孔質チタン、
(7)前記AuまたはPtからなる粒子は粒径:1〜5000nmである前記(5)または(6)記載の接触抵抗の小さい多孔質チタン、
(8)表面に開口し内部の空孔に連続している連続空孔と骨格からなりかつ骨格表面にチタン酸化層が形成されている多孔質チタンの表面をAuまたはPtのコロイドを含浸させたスポンジに押し付けることにより多孔質チタンの表面に露出している骨格の外部露出面に形成されている凹凸面の凸面先端部にAuまたはPtのコロイドを塗布して塗布面を形成し、形成された塗布面を乾燥してAuまたはPtからなる粒子を骨格の外部露出面における凹凸面の凸面先端部に分散して付着させ、この骨格の外部露出面の凹凸面における凸面先端部にAuまたはPtからなる粒子が分散して付着している多孔質チタンを真空または不活性ガス雰囲気中、温度:300℃以上で加熱することにより骨格の外部露出面に生成しているチタン酸化層を還元してチタン金属層とし、さらに真空または不活性ガス雰囲気中、温度:300℃以上で加熱を続けることにより骨格の外部露出面の凸面先端部に付着しているAuまたはPtからなる粒子を拡散接合させて前記チタン金属層に固着させ、次いでAuまたはPtからなる粒子をチタン金属層に拡散接合させ固着した状態のまま大気中、室温で保持することにより骨格の外部露出面の凸面先端部に固着しているAuまたはPtからなる粒子間の隙間にチタン酸化膜を形成させる前記(5)、(6)または(7)記載の接触抵抗の小さい多孔質チタンの製造方法、
(9)前記(8)記載の接触抵抗の小さい多孔質チタンの製造方法において、前記AuまたはPtからなる粒子をチタン金属層に拡散接合させ固着させた状態のまま大気中で加熱することにより骨格の外部露出面の凸面先端部に固着しているAuまたはPtからなる粒子間の隙間にチタン酸化膜を形成させる接触抵抗の小さい多孔質チタンの製造方法、に特徴を有するものである。

次に、この発明の接触抵抗の小さい多孔質チタンおよびその製造方法を図面に基づいて一層詳細に具体的に説明する。
発泡させて作製した従来の多孔質チタンの断面が図10に示されている。そして図10のA部分を拡大した図面が図11に示されている。図11に示されるように、この多孔質チタンは、表面に開口し内部の空孔に連続している連続空孔1を有し、少なくとも骨格2の骨格外表面4には酸化膜3が形成されている。
次に、この従来の多孔質チタンを用いてこの発明の接触抵抗の小さい多孔質チタンを製造する方法を説明する。
図1は、この発明の接触抵抗の小さい多孔質チタンの断面説明図である。
図2〜4は、図1に示されるこの発明の接触抵抗の小さい多孔質チタンの製造方法を説明するための断面説明図である。
図2に示されるように、従来の多孔質チタンにおける骨格外表面4に形成されている酸化膜3の上にAuまたはPtの粉末を含むAuまたはPtコロイドを塗布したのち乾燥すると、コロイドに含まれるAuまたはPtの粉末が凝集して酸化膜3の上にAuまたはPtからなる粒子5が分散して付着する。この状態で真空雰囲気中、温度:300℃以上に加熱保持すると、図3に示されるように、酸化膜3の酸素は骨格2のチタンに拡散固溶させられて多孔質チタンの少なくとも骨格外表面4がチタン金属となる。さらに同じ条件で加熱すると、図4に示されるように、AuまたはPtからなる粒子5が骨格外表面のチタン金属と拡散接合部6を形成して拡散接合し、骨格外表面に強固に固着する。
このAuまたはPtからなる粒子5が骨格外表面4に強固に固着した状態でさらに大気中に放置または大気中に放置した後さらに加熱すると、図1に示されるように、骨格外表面4のチタン金属に拡散接合したAuまたはPtからなる粒子5の存在しない部分の骨格外表面4にはチタンの酸化膜3が形成され、このチタンの酸化膜3はAuまたはPtからなる粒子3を包み込むように形成されるから、AuまたはPtからなる粒子5を骨格の外表面に対して一層強固に固着することになる。
この発明の接触抵抗の小さい多孔質チタンの製造には、チタン繊維を焼結した繊維焼結体、チタン粉末を通常の焼結法などによって焼結した粉末焼結体、チタン粉末にバインダー、発泡剤などを含むスラリーを作製し、このスラリーをドクターブレード法などの方法によりキャリヤーシート上に延ばしこれを加熱して発泡させ、乾燥してグリーン体を形成し、このグリーン体を脱脂、焼成することにより得られるスポンジ状の多孔質発泡チタンなどを使用することができるが、これら多孔質チタンの中でもスポンジ状の多孔質発泡チタンは製造工程で気孔率を制御することが容易であり、接触面積を大きく取れる利点があることから多孔質発泡チタンを使用することがより好ましい。

多孔質チタンの表面に露出している骨格2の外部露出面4が図11に示されるような平面となるのは、焼結を行なって得られた多孔質チタンを切断または表面研削することにより形成されるものであるが、通常の焼結を行なって得られた多孔質チタンの表面に露出している骨格2の外部露出面4を切削または研削しない場合は図12の断面図に示されるように凹凸面により構成されている。この多孔質チタンを固体高分子形燃料電池の空気極および燃料極として使用した場合、セパレータと接触する部分は多孔質チタンの骨格2の外部露出面に形成されている凸面先端部8であるところから、多孔質チタンを空気極および燃料極として使用するには多孔質チタンの骨格2の外部露出面4に形成されている凸面先端部8にのみAuまたはPtを被覆するだけで十分に接触抵抗を低くすることができる。

次に、この多孔質チタンの骨格2の外部露出面4に形成されている凸面先端部8にのみAuまたはPtを被覆したこの発明の接触抵抗の小さい多孔質チタンを図面に基づいて一層詳細に具体的に説明する。
図5は骨格の外部露出面に形成されている凸面先端部にのみAuまたはPtを被覆したこの発明の接触抵抗の小さい多孔質チタンの断面説明図である。図5に示されるように、表面に開口し内部の空孔に連続している連続空孔1と骨格2からなる多孔質チタンの表面に露出している骨格の外部露出面に生成している凹凸面における凸面先端部8にAuまたはPtからなる粒子5が分散して拡散接合により固着している。そして前記凸面先端部8に分散して拡散接合により固着しているAuまたはPtからなる粒子5の間にはチタン酸化層3が形成されている。
図6はこの発明の接触抵抗の小さい多孔質チタンを固体電解質形燃料電池の空気極および燃料極として使用し、これがセパレータと接触している状態を示す断面図である。AuまたはPtからなる粒子5はチタン酸化層3によって囲まれているので、AuまたはPtからなる粒子8は図6に示されるように、骨格の外部露出面における凸面先端部8に拡散接合したAuまたはPtからなる粒子5がセパレータ7と接触し相互振動してもAuまたはPtからなる粒子5が剥離することがなく、さらにAuまたはPtからなる粒子5はその周囲を耐摩耗性に優れたチタン酸化層によって囲まれているのでAuまたはPtが摩耗により完全に消失することがなく、振動に伴う使用に対しても長期間電池性能を維持することができる。

次に、図5〜6に示されるこの発明の接触抵抗の小さい多孔質チタンの製造方法を図7〜図9に基づいて具体的に説明する。図7〜図9は、図5〜図6に示されるこの発明の接触抵抗の小さい多孔質チタンの製造方法を説明するための断面説明図である。この発明の接触抵抗の小さい多孔質チタンを製造するには、まず、図12に示される通常の多孔質チタンを用意する。この多孔質チタンは図10のA部分の拡大図である図12に示されるように、表面に開口し内部の空孔に連続している連続空孔1および骨格2を有し、骨格2の骨格外表面4には酸化膜3が形成されている。
次に、AuまたはPtのコロイドを含浸させたスポンジ(図示せず)を用意する。このAuまたはPtのコロイドを含浸させたスポンジに多孔質チタンの表面を押し付けることにより多孔質チタンの表面に露出している骨格の外部露出面に形成されている凸面先端部のチタン酸化膜の上にAuまたはPtのコロイドを塗布し、この凸面先端部にのみ塗布されたAuまたはPtのコロイドは、その後乾燥することにより、図7に示されるように、多孔質チタンの骨格の外部露出面における凸面先端部5のチタン酸化層3の上にAuまたはPtの粒子8を分散して付着させることができる。このとき付着したAuまたはPtの粒子8の粒径はAuまたはPtのコロイドに含まれるAuまたはPtの粒子8の粒径と同じく1〜5000nmの範囲内にある。
このAuまたはPtの粒子8を分散して付着させたチタン製発泡金属板を真空または不活性ガス雰囲気中、温度:300℃以上で加熱すると、図8に示されるように、骨格の表面に生成しているチタン酸化膜3に含まれる酸素が下地のチタンに拡散固溶させられてチタン製発泡金属板の骨格外表面がチタン金属に還元され、チタン酸化膜3は消失する。その後、さらに同じ条件で加熱を続けると、図9に示されるように、チタン製発泡金属板の骨格の外部露出面における凸面先端部5に分散して付着しているAuまたはPtからなる粒子8が骨格の外部露出面における凸面先端部のチタン金属と拡散接合して骨格に強固に固着するようになる。図9に示される符号6は拡散接合部を示す。この骨格の外部露出面における凸面先端部8にAuまたはPtからなる粒子5を拡散接合させた状態でさらに大気雰囲気中に保持または保持したのちさらに加熱すると、図5〜6に示されるように、骨格の外部露出面における凸面先端部8に拡散接合したAuまたはPtからなる粒子5が存在しない隙間にチタン酸化層3が再び形成される。このチタン酸化層3はAuまたはPtからなる粒子5を抱え込むような構造となっているのでAuまたはPtからなる粒子5を骨格の外部露出面における凸面先端部8に対して一層強固に固着するようになる。
この発明の接触抵抗の小さい多孔質チタンは、少なくとも骨格外表面にAuまたはPtからなる粒子が分散して固着しているところから、少なくとも骨格外表面の全面に高価なAuまたはPtからなる膜を形成した場合に比べてAuまたはPtの使用量が少なく、したがって、固体高分子形燃料電池の空気極材および燃料極材のコストを下げることができ、さらにこの発明の接触抵抗の小さい多孔質チタンにおける少なくとも骨格外表面に固着したAuまたはPtからなる粒子はその周囲を硬い酸化膜で覆われているので振動などで外部圧力が加わっても変形したり脱落したりすることが無く、長期間接触抵抗の低い状態を保持することができ、固体高分子形燃料電池などの性能の向上に大いに貢献し得るものである。
実施例1
原料粉末として、平均粒径:10μmのチタン粉末、水溶性樹脂結合剤としてメチルセルロース10%水溶液、可塑剤としてエチレングリコール、起泡剤としてアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、発泡剤としてネオペンタンを用意した。
原料粉末:20質量%、水溶性樹脂結合剤:10質量%、可塑剤:1質量%、起泡剤:1質量%、発泡剤:0.6質量%、残部:水となるように配合し、15分間混練し、発泡スラリーを作製した。得られた発泡スラリーをブレードギャップ:0.5mmでドクターブレード法によりPETフィルム上に成形し、高温高湿度槽に供給し、そこで温度:35℃、湿度:90%、25分間保持の条件で発泡させた後、温度:80℃、20分間保持の条件の温風乾燥を行い、スポンジ状グリーン成形体を作製した。この成形体をPETフィルムから剥がし、アルミナ板上に載せ、Ar雰囲気中、温度:550℃、180分保持の条件で脱脂し、続いて真空焼結炉で雰囲気:5×10−3Pa、温度:1200℃、1時間保持の条件で焼結することにより気孔率90%を有し、厚さ:1mmを有する多孔質発泡チタン板を作製した。得られた多孔質発泡チタン板を縦:30mm、横:30mmの寸法となるように切断し表面を研磨して多孔質発泡チタン素材を作製した。
この多孔質発泡チタン素材を平均粒径:20nmのAu微粒子が懸濁している市販の金コロイド溶液に浸漬したのち乾燥し、この浸漬と乾燥を繰り返すことにより多孔質発泡チタン素材の表面に、表面の10%を覆うようAu粒子を分散付着させた。この多孔質発泡チタン素材の表面にAu粒子を分散付着させた状態で、真空雰囲気中、温度:500℃、1時間保持の条件で加熱し、続いて大気中、温度:400℃、30分間保持の条件で加熱することにより本発明多孔質チタン1を作製した。
従来例1
実施例1で作製した多孔質発泡チタン素材の表面に通常の条件でAuメッキを施すことにより従来多孔質チタン1を作製した。
実施例2
実施例1で作製した多孔質発泡チタン素材に平均粒径:20nmのAu微粒子が懸濁している市販の金コロイド溶液のスプレーをかけて少なくとも孔質発泡チタン素材骨格外表面に金コロイド溶液を塗布したのち乾燥し、この塗布と乾燥を繰り返すことにより多孔質発泡チタン素材の表面に、表面の40%を覆うようAu粒子を分散付着させた。この多孔質発泡チタン素材の表面にAu粒子を分散付着させた状態で、真空雰囲気中、温度:500℃、1時間保持の条件で加熱し、室温まで下げたのち取り出して本発明多孔質チタン2を作製した。
実施例3

実施例1で作製した縦:30mm、横:30mm、厚さ:1mmの寸法を有する多孔質発泡チタン板を表面研磨することなく多孔質発泡チタン素材を作製した。一方、平均粒径:20nmのAu微粒子が懸濁している市販の金コロイド溶液を深さ:3mmまで満たしたシャーレに、縦:50mm、横:50mm、厚さ:5mmの寸法を有し硬度:20のポリウレタンスポンジを漬け、このポリウレタンスポンジに市販の金コロイド溶液を十分に含浸させた。この市販の金コロイド溶液を含浸させたポリウレタンスポンジに軽く先に作製した多孔質発泡チタン素材を押し付けて多孔質発泡チタン素材の表面に金コロイドを付けたのち乾燥させ、この操作を繰り返すことにより多孔質発泡チタン素材の凸面先端部表面にAu粒子を面積率で10%存在するように分散付着させた。
この多孔質発泡チタン素材の凸面先端部表面にAu粒子を分散付着させた状態で、真空雰囲気中、温度:450℃、1時間保持の条件で加熱し、続いて大気中、温度:400℃、30分間保持の条件で加熱することにより本発明多孔質チタン3を作製した。
実施例4

実施例3で用意した市販の金コロイド溶液をPETフィルムに均一に塗布したのち、そのフィルムの塗布面で実施例3で得られた表面研磨なしの多孔質発泡チタン素材を上下に挟み、荷重:3MPaで5秒間プレスすることにより多孔質発泡チタン素材の凸面先端部表面にAu粒子を面積率20%存在するように分散付着させた。
この多孔質発泡チタン素材の凸面先端部表面にAu粒子を分散付着させた状態で、真空雰囲気中、温度:450℃、1時間保持の条件で加熱し、続いて大気中、温度:450℃、30分間保持の条件で加熱することにより本発明多孔質チタン4を作製した。
実施例5
実施例3で用意した市販の金コロイド溶液を実施例3で得られた表面研磨なしの多孔質発泡チタン素材に筆で塗布したのち乾燥し、この塗布と乾燥を繰り返すことにより多孔質発泡チタン素材の凸面先端部表面にAu粒子を面積率20%存在するように分散付着させた。
この多孔質発泡チタン素材の凸面先端部表面にAu粒子を分散付着させた状態で、真空雰囲気中、温度:450℃、1時間保持の条件で加熱し、続いて大気中、温度:400℃、30分間保持の条件で加熱することにより本発明多孔質チタン5を作製した。
本発明多孔質チタン1〜5および従来多孔質チタン1について、下記の方法で振動試験前後の接触抵抗を測定し、その結果を表1に示した。
振動試験前の接触抵抗測定:
本発明多孔質チタン1〜5および従来多孔質チタン1をそれぞれ縦:50mm、横:50mm、厚さ:10mmの寸法を有する銅板2枚で挟み、ばねを介して固定した。そのとき、常に本発明多孔質チタン1〜5および従来多孔質チタン1と銅板の面圧が1MPaになるようにばねの撓みを調整した。かかる荷重がかかった状態で銅板間の抵抗を測定し、その値を接触抵抗として表1に示した。
振動試験後の接触抵抗測定:
本発明多孔質チタン1〜5および従来多孔質チタン1をそれぞれ縦:50mm、横:50mm、厚さ:10mmの寸法を有する銅板2枚で挟み、本発明多孔質チタン1〜5および従来多孔質チタン1と銅板の面圧が1MPaになるようにばねの撓みを調整した状態のまま振動試験機上に設置し、周波数:67Hz、振動加速度:70m/秒で2時間の振動試験を行った。振動試験後、その場で荷重がかかった状態で銅板間の抵抗を測定し、その値を接触抵抗として表1に示した。
Figure 0004895012
表1に示される結果から、発明多孔質チタン1〜5は従来多孔質チタン1に比べて振動試験後の接触抵抗が格段に小さいことがわかる。
実施例6
実施例1で作製した得られた多孔質発泡チタン素材を、平均粒径:20nmのPt微粒子が懸濁している市販の白金コロイド溶液に浸漬したのち乾燥し、この浸漬と乾燥を繰り返すことにより多孔質発泡チタン素材の表面に、表面の10%を覆うようPt粒子を分散付着させた。この多孔質発泡チタン素材の表面にPt粒子を分散付着させた状態で、真空雰囲気中、温度:500℃、1時間保持の条件で加熱し、続いて大気中、温度:400℃、30分間保持の条件で加熱することにより本発明多孔質チタン6を作製した。
従来例2
実施例6で作製した多孔質発泡チタン素材の表面に通常の条件でPtメッキを施すことにより従来多孔質チタン2を作製した。
実施例6で作製した発明多孔質チタン6、従来例2で作製した従来多孔質チタン2について、下記の方法で振動試験前後の接触抵抗を測定し、その結果を表2に示した。
振動試験前の接触抵抗測定:
実施例6で作製した発明多孔質チタン6および従来例2で作製した従来多孔質チタン2をそれぞれ縦:50mm、横:50mm、厚さ:10mmの寸法を有する銅板2枚で挟み、ばねを介して固定した。そのとき、常に発明多孔質チタン6および従来多孔質チタン2と銅板の面圧が1MPaになるようにばねの撓みを調整した。かかる荷重がかかった状態で銅板間の抵抗を測定し、その値を接触抵抗として表2に示した。
振動試験後の接触抵抗測定:
実施例6で作製した発明多孔質チタン6および従来例2で作製した従来多孔質チタン2をそれぞれ縦:50mm、横:50mm、厚さ:10mmの寸法を有する銅板2枚で挟み、発明多孔質チタン6および従来多孔質チタン2と銅板の面圧が1MPaになるようにばねの撓みを調整した状態のまま振動試験機上に設置し、周波数:67Hz、振動加速度:70m/秒で2時間の振動試験を行った。振動試験後、その場で荷重がかかった状態で銅板間の抵抗を測定し、その値を接触抵抗として表2に示した。
Figure 0004895012
表2に示される結果から、実施例6で作製した発明多孔質チタン6は従来例2で作製した従来多孔質チタン2に比べて振動試験後の接触抵抗が格段に小さことがわかる。
この発明の接触抵抗の小さい多孔質チタンの断面説明図である。 図10のA部分の骨格外表面の酸化膜の上にAuまたはPtからなる粒子を付着させた状態の断面説明図である。 図2の状態で真空雰囲気中で加熱することにより酸化膜の酸素が骨格に拡散吸収して酸化膜が消滅した状態の断面説明図である。 図2の状態で加熱をさらに続けることによりAuまたはPtからなる粒子が骨格外表面に拡散接合した状態を示す断面説明図である。 この発明の接触抵抗の小さい多孔質チタンの断面説明図である。 この発明の接触抵抗の小さい多孔質チタンの断面説明図である。 図10のA部分の骨格外表面の酸化膜の上にAuまたはPtからなる粒子を付着させた状態の断面説明図である。 図7の状態で真空雰囲気中で加熱することにより酸化膜の酸素が骨格に拡散吸収して酸化膜が消滅した状態の断面説明図である。 図8の状態で加熱をさらに続けることによりAuまたはPtからなる粒子が骨格外表面に拡散接合した状態を示す断面説明図である。 一般に知られている多孔質チタンの断面説明図である。 図10のA部分の拡大断面説明図である。 図10のA部分の別の拡大断面説明図である。
符号の説明
1:連続空孔、2:骨格、3:酸化膜、4:骨格外表面、5:AuまたはPtからなる粒子、6:拡散接合部、7:セパレータ、8:凸面先端部

Claims (9)

  1. 表面に開口し内部の空孔に連続している連続空孔と骨格からなる多孔質チタンの少なくとも骨格外表面にAuまたはPtからなる粒子が分散して該多孔質チタンに拡散接合して固着しており、この少なくとも骨格外表面に固着したAuまたはPtからなる粒子間の隙間には酸化層が形成されていることを特徴とする接触抵抗の小さい多孔質チタン。
  2. 前記AuまたはPtからなる粒子は粒径:1〜5000nmであることを特徴とする請求項1記載の接触抵抗の小さい多孔質チタン。
  3. 表面に開口し内部の空孔に連続している連続空孔と骨格からなりかつ骨格表面に酸化層が形成されている多孔質チタンの少なくとも骨格外表面にAuまたはPtのコロイドを塗布したのち乾燥してAuまたはPtからなる粒子を少なくとも骨格外表面に分散して付着させ、この少なくとも骨格外表面にAuまたはPtからなる粒子が分散して付着している多孔質チタンを真空または不活性ガス雰囲気中、温度:300℃以上で加熱することにより少なくとも骨格外表面をチタン金属層とし、さらに真空または不活性ガス雰囲気中、温度:300℃以上で加熱を続けることにより少なくとも骨格外表面に付着しているAuまたはPtからなる粒子を前記チタン金属層に拡散接合させ、次いでAuまたはPtからなる粒子をチタン金属層に拡散接合させた状態のまま大気中、室温で保持することにより少なくとも骨格外表面に固着しているAuまたはPtからなる粒子間の隙間に酸化膜を形成させることを特徴とする請求項1または2記載の接触抵抗の小さい多孔質チタンの製造方法。
  4. 請求項記載の接触抵抗の小さい多孔質チタンの製造方法において、前記AuまたはPtからなる粒子をチタン金属層に拡散接合させた状態のまま大気中、室温で保持したのち、さらに大気中で加熱することにより少なくとも骨格外表面に固着しているAuまたはPtからなる粒子間の隙間に酸化膜を形成させることを特徴とする接触抵抗の小さい多孔質チタンの製造方法。
  5. 表面に開口し内部の空孔に連続している連続空孔と骨格からなる多孔質チタンの表面に露出している骨格の外部露出面に生成している凹凸面における凸面先端部にAuまたはPtからなる粒子が分散して拡散接合により固着している多孔質チタンであって、前記凸面先端部に分散して拡散接合により固着しているAuまたはPtからなる粒子間にはチタン酸化層が形成されていることを特徴とする接触抵抗の小さい多孔質チタン。
  6. 前記AuまたはPtからなる粒子は、多孔質チタンの表面に露出している骨格の外部露出面に、面積率:2〜70%の範囲内で拡散接合により固着していることを特徴とする請求項記載の接触抵抗の小さい多孔質チタン。
  7. 前記AuまたはPtからなる粒子は粒径:1〜5000nmであることを特徴とする請求項5または6記載の接触抵抗の小さい多孔質チタン。
  8. 表面に開口し内部の空孔に連続している連続空孔と骨格からなりかつ骨格表面にチタン酸化層が形成されている多孔質チタンの表面をAuまたはPtのコロイドを含浸させたスポンジに押し付けることにより多孔質チタンの表面に露出している骨格の外部露出面に形成されている凹凸面の凸面先端部にAuまたはPtのコロイドを塗布して塗布面を形成し、形成された塗布面を乾燥してAuまたはPtからなる粒子を骨格の外部露出面における凹凸面の凸面先端部に分散して付着させ、この骨格の外部露出面の凹凸面における凸面先端部にAuまたはPtからなる粒子が分散して付着している多孔質チタンを真空または不活性ガス雰囲気中、温度:300℃以上で加熱することにより骨格の外部露出面に生成しているチタン酸化層を還元してチタン金属層とし、さらに真空または不活性ガス雰囲気中、温度:300℃以上で加熱を続けることにより骨格の外部露出面の凸面先端部に付着しているAuまたはPtからなる粒子を拡散接合させて前記チタン金属層に固着させ、次いでAuまたはPtからなる粒子をチタン金属層に拡散接合させ固着した状態のまま大気中、室温で保持することにより骨格の外部露出面の凸面先端部に固着しているAuまたはPtからなる粒子間の隙間にチタン酸化膜を形成させることを特徴とする請求項5、6または7記載の接触抵抗の小さい多孔質チタンの製造方法。
  9. 請求項記載の接触抵抗の小さい多孔質チタンの製造方法において、前記AuまたはPtからなる粒子をチタン金属層に拡散接合させ固着させた状態のまま大気中で加熱することにより骨格の外部露出面の凸面先端部に固着しているAuまたはPtからなる粒子間の隙間にチタン酸化膜を形成させることを特徴とする接触抵抗の小さい多孔質チタンの製造方法。
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