JP2008076943A - 電子写真感光体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】導電性支持体上に感光層および保護層を順次積層した電子写真感光体において、該保護層が硬化性のアクリロイル構造を有する化合物を反応硬化させた樹脂を含有し、かつ、該反応硬化後の樹脂の赤外吸収スペクトルにおける1610cm-1〜1640cm-1のピーク透過率(Tac)と1700cm-1〜1800cm-1のピーク透過率(Tcb)が下記式1の範囲を満たすことを特徴とする電子写真感光体。
式1 1≦(Tcb/Tac)×100≦40
【選択図】なし
Description
2.前記式1における「(Tcb/Tac)×100」が20以下1以上であることを特徴とする前記1記載の電子写真感光体。
アルミを蒸着したPETフィルム上に保護層塗布液を塗布、硬化、熱乾燥の工程を経て約2μmの測定用サンプルを作製した、同サンプルを日本分光社製Janssen型顕微フーリエ変換赤外分光光度計を用いて赤外吸収スペクトルの透過率を測定した。測定は4000cm-1から660cm-1の範囲を測定し、1700cm-1〜1800cm-1間の透過率ピークと1610cm-1〜1640cm-1間の透過率ピークを決定した。
1≦(Tcb/Tac)×100≦40であるが、
3≦(Tcb/Tac)×100≦20であることがより好ましい。
本発明で用いる支持体は導電性を有するものであればいずれのものでもよく、例えば、アルミニウム、銅、クロム、ニッケル、亜鉛及びステンレスなどの金属をドラムまたはシート状に成形したもの、アルミニウムや銅などの金属箔をプラスチックフィルムにラミネートしたもの、アルミニウム、酸化インジウム及び酸化スズなどをプラスチックフィルムに蒸着したもの、導電性物質を単独またはバインダー樹脂と共に塗布して導電層を設けた金属、プラスチックフィルム及び紙などが挙げられる。
本発明においては、導電層と感光層の中間にバリアー機能と接着機能をもつ中間層を設けることもできる。中間層はカゼイン、ポリビニルアルコール、ニトロセルロース、エチレン−アクリル酸コポリマー、ポリアミド、ポリウレタン及びゼラチンなどによって形成できる。中でもアルコール可溶性のポリアミドが好ましい。中間層の膜厚は好ましくは0.1〜15μmである。
電荷発生層は、スーダンレッド及びダイアンブルーなどのアゾ顔料、ビレンキノン及びアントアントロンなどのキノン顔料、キノシアニン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料やインジゴ及びチオインジゴなどのインジゴ顔料、フタロシアニン顔料などの電荷発生物質を単独もしくは公知の樹脂中に分散する形態で使用することができる。バインダー樹脂としてはホルマール樹脂、ブチラール樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン変性ブチラール樹脂、フェノキシ樹脂、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル及びアクリル樹脂などが望ましい。バインダー樹脂と電荷発生物質との割合は、バインダー樹脂100質量部に対して20〜600質量部が好ましい。このような樹脂分散形態の電荷発生層の膜厚は好ましくは5μm以下、より好ましくは0.05〜3μmである。なお、電荷発生層用の塗布液は塗布前に異物や凝集物を濾過することで画像欠陥の発生を防ぐことができる。また、前記顔料を真空蒸着することによって形成すこともできる。
電荷輸送層は主として電荷輸送物質とバインダー樹脂とを溶剤中に溶解させた塗料を塗工乾燥して形成する。用いられる電荷輸送物質としては、トリアリールアミン系化合物、ヒドラゾン化合物、スチルベン化合物、ピラゾリン系化合物、オキサゾール系化合物、トリアリルメタン系化合物及びチアゾール系化合物などが挙げられる。
メチルハイドロジェンポリシロキサン0.2部をエタノール/n−プロピルアルコール/THF(45:20:35容量比)10部中に溶解分散し、該混合溶媒中にルチル型酸化チタン(数平均一次粒径35nm:アルミナによる5%一次表面処理がされている)3.5部を添加したのち、1時間撹拌し、表面処理(二次処理)を行ない溶媒から分離後、加熱乾燥して表面処理済粒子1を得た。
(中間層)
バインダー樹脂(N−1)1部をエタノール/n−プロピルアルコール/THF(45:20:35容量比)20部に加え攪拌溶解後、表面処理済N型半導性粒子1の4.2部を混合し、該混合液をビーズミルを用い分散した。この際、平均粒径0.1〜0.5mmのイットリア含有酸化ジルコニウムを主成分とする球状ビーズ(ビーズ例:ニッカトー製YTZボール)を用い、充填率:80%、周速設定4m/sec、ミル滞留時間3時間分散し中間層塗布液を作製した。同液を濾過した後、該中間層塗布液を洗浄済みの円筒状アルミニウム基体上(切削加工によりJISB−0601規定の十点表面粗さRz:0.81μmに加工した)に浸漬塗布法で塗布し、乾燥膜厚およそ2μmの中間層を形成した。
下記成分を混合し、サンドミル分散機を用いて分散し、電荷発生層塗布液を調製した。この塗布液を浸漬塗布法で塗布し、前記中間層の上に乾燥膜厚0.3μmの電荷発生層を形成した。
ポリビニルブチラール(BX−1、積水化学(株)社製) 10部
メチルエチルケトン 700部
シクロヘキサノン 300部
(電荷輸送層)
下記成分を混合し、溶解して電荷輸送層塗布液を調製した。この塗布液を前記電荷発生層の上に浸漬塗布法で塗布し、120℃で70分乾燥後して乾燥膜厚20μmの電荷輸送層を形成した。
ポリカーボネート樹脂「ユーピロン−Z300」(三菱ガス化学社製)
100部
酸化防止剤(下記化合物A) 8部
テトラヒドロフラン/トルエン(体積比8/2) 750部
硬化性材料A−1(化合物例30)の1.0部を1−プロパノール5.1部とメチルイソブチルケトン2.4部に溶解した。さらに粒径約300nmのフッ素樹脂微粒子0.6部とアナタース型酸化チタン微粒子(粒径約6nm、表面処理:メチル水素シリコンオイル20質量%)0.8部を加え、超音波ホモジナイザーで15分間分散して硬化性材料とフッ素樹脂微粒子、酸化チタン微粒子を含有する分散液を得た。同分散液にラジカル硬化開始剤(化合物D)を0.05部加え表面保護層塗布液を調製した。
上記塗布液を前記の感光層上に浸漬塗布した。塗布後10分間室温乾燥した後、2kWの高圧水銀灯から100mm離れた位置に感光ドラムを位置し回転させながら3分間光照射し保護層を硬化した。光硬化後に120℃で30分間の加熱乾燥を行い、保護層を設置した電子写真感光体No.1を作製した。
電子写真感光体No.1の保護層の塗布、硬化において、硬化性材料A、硬化性材料B、両材料の比率、光照射条件、窒素流量を表1記載の条件に変更した以外は電子写真感光体No.1と同様にして電子写真感光体No.2〜15を作製した。
A−1:ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート(化合物例30)
A−2:6官能のウレタンアクリレート(化合物例40)
B−1:2官能のウレタンアクリレート(化合物例39)
B−2:分子量1947、6官能のジペンタエリスリトール誘導体のヘキサアクリレート(KAYARAD DPCA120(日本化薬株式会社製))(化合物例41)
保護層の反応硬化後の樹脂の赤外吸収スペクトルにおける1610cm-1〜1640cm-1のピーク透過率(Tac)と1700cm-1〜1800cm-1のピーク透過率(Tcb)は、上述した方法で、保護層のみ塗布された部分を測定して得た。得られた
「(Tcb/Tac)×100」を表2に示す。
表1記載の電子写真感光体を(magicolor5430:コニカミノルタビジネステクノロジーズ(株)社製)に装着し、以下の評価項目について評価を行った。尚評価基準を以下に示す。
温度/湿度が30℃/85%の環境において5%印字画像を連続10000枚プリントした後、プリンターの電源を切り同環境で12時間放置した。12時間後にプリンターの電源を入れ画像流れを評価した。
○:画像流れがほとんど認められない
△:画像流れがややあるが許容範囲のレベルである
×:画像流れが多く、使用に耐えないレベルである。
上記10000枚プリント前後の感光体膜厚を測定し感光体の削れ量(μm単位の膜厚減量)を測定した。
Claims (3)
- 導電性支持体上に感光層および保護層を順次積層した電子写真感光体において、該保護層が硬化性のアクリロイル構造を有する化合物を反応硬化させた樹脂を含有し、かつ、該反応硬化後の樹脂の赤外吸収スペクトルにおける1610cm-1〜1640cm-1のピーク透過率(Tac)と1700cm-1〜1800cm-1のピーク透過率(Tcb)が下記式1の範囲を満たすことを特徴とする電子写真感光体。
式1 1≦(Tcb/Tac)×100≦40 - 前記式1における「(Tcb/Tac)×100」が20以下1以上であることを特徴とする請求項1記載の電子写真感光体。
- 前記アクリロイル構造を有する化合物がアクロリイル基を複数有するモノマー体又はオリゴマー体であることを特徴とする請求項1又は2記載の電子写真感光体。
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