JP2008076465A - 電子写真感光体 - Google Patents

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忠昭 住谷
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Abstract

【課題】電気特性の劣化がなく、耐久性に優れた電子写真感光体を提供する。
【解決手段】導電性支持体上に電荷発生層、電荷輸送層、保護層をこの順に積層して成る電子写真感光体において、該保護層がパルス発光光源の光照射により反応硬化させた反応硬化膜であることを特徴とする電子写真感光体。
【選択図】なし

Description

本発明は、電子写真感光体に関し、更に詳しくは複写機、レーザービームプリンター、ファクシミリなどにおける電子写真プロセスに用いる電子写真感光体に関する。
電子写真感光体(以後、単に感光体ともいう)は複写機、レーザービームプリンター、ファクシミリなどにおける電子写真プロセスにおいて、帯電、露光、現像、転写、クリーニング、除電などの作用を反復して受けるため様々な耐久性を要求される。特に耐摩耗性や耐傷性などの機械的強度は耐久寿命を決定する最大の要素である。
一方、前記の有機光導電材料は、単独では成膜性を有さないためバインダー樹脂と共に成膜されるのが一般的である。従って耐摩耗性や耐傷性は、このバインダー樹脂の選択によりほとんど限定されるといっても過言ではない。しかし光導電特性を満足するバインダー樹脂はかなり限定されており、機械的強度も充分ではないのが実状である。
電子写真プロセスにおいて、感光体の耐摩耗性などの機械的強度に最も関与するのはクリーニングである。近年現像剤の微粒化に伴い、クリーニングはますます高精度を要求されている。また、装置の省スペース化に伴い、より簡略な装置構成を実現するためにも、ブレードクリーニングを採用するのが有利である。ブレードクリーニングは、板上のポリウレタンなどの弾性部材を感光体上母線方向に突き当てただけの簡単な構成をとる。しかし、このような場合、感光体の摩耗を促進し耐久性の低下を起こしてしまう。これに対処するためには、感光体に摩擦力に耐え得る強度を付与することが有効であり、一般的にはバインダー樹脂の高分子量化、硬化性バインダー樹脂の使用などが考えられる。しかしながら高分子量バインダー樹脂は有機感光体の主たる製造法であるコーティング工程において、コーティング塗料の増粘を引き起こすため、高分子化には限界がある。また従来の硬化性バインダー樹脂については、硬化時の有機光導電材料の反応劣化、未反応官能基や重合開始剤副成物などによる不純物準位の形成などにより、十分な光導電特性が得られない場合が多かった。
例えば、最も容易に硬化できる材料として、アクリレート基、メタクリレート基を有するモノマーやオリゴマーなどをラジカル重合させることにより、機械的強度に優れた表面層を得ることが可能で(例えば、特許文献1〜3参照。)ある。これらは、アクリレート基、メタクリレート基共にカルボン酸エステル構造を有するために、吸湿性が高い。更にラジカル重合を開始させる開始剤は、分解により吸湿性の分解物を生成する場合が多く、硬化物の耐湿性が乏しい欠点があった。更に開始剤の分解物は、フォトキャリアーのトラップとして作用する場合が多く、感光体特性に悪影響を与える欠点もあった。また、ラジカル重合は空気中の酸素により阻害を受けるため、感光体に用いられるような薄膜では硬化が十分進行しない欠点があった。
一方、カチオン重合性の化合物を感光体の保護層に用いた技術は開示されるが(例えば、特許文献4、5参照。)、これらの保護層は高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、無電極マイクロウェーブで連続照射を行い硬化している。この場合、硬化時間が長く感光体の電荷発生層に与えるエネルギー量が多いため、感光体の特性が劣化するという課題があった。
特開平6−308756号公報 特開平11−95473号公報 特開2001−125299号公報 特開平6−23063号公報 特開平7−43524号公報
本発明の目的は、電子写真感光体の特性の劣化がなく、耐久性に優れた電子写真感光体を提供することにある。
本発明の上記目的は、以下の構成により達成することができる。
1.導電性支持体上に電荷発生層、電荷輸送層、保護層をこの順に積層して成る電子写真感光体において、該保護層がパルス発光光源の光照射により反応硬化させた反応硬化膜であることを特徴とする電子写真感光体。
2.前記パルス発光光源がパルスキセノンランプであることを特徴とする前記1記載の電子写真感光体。
3.前記パルスキセノンランプの発光ピーク波長が250nm〜600nmであることを特徴とする前記2記載の電子写真感光体。
4.前記パルスキセノンランプの発光周波数が3〜120パルス/secであることを特徴とする前記2又は3記載の電子写真感光体。
5.前記反応硬化膜が、カチオン又はラジカル重合性官能基を有する化合物と光照射によりカチオン重合を開始させる化合物からなる組成物に光照射することにより得られた反応硬化膜であることを特徴とする前記1〜4のいずれか1項記載の電子写真感光体。
本発明により、特性の劣化がなく、耐久性に優れた電子写真感光体を提供することができた。
本発明において、保護層の硬化はパルス発光光源の光照射によっている。光硬化反応系の場合、充分な硬化反応を行う為には保護層の硬化に対し発光量を充分に与える必要があるが、電荷発生層・電荷輸送層の上に保護層を積層した感光体の場合、下層の電荷発生層・電荷輸送層にも過剰な光量が照射され各種特性の低下を引き起こしていた。特に高効率でキャリアを発生する電荷発生層は一般的に光硬化に使用されるUV光に対してはそれほど強くはなく電位特性の低下が発生してしまう。そこで我々は種種検討をした結果、光強度は強くとも露光時間の短いパルス光を光源として使用した場合にはこれらの過剰露光による下層劣化の影響が小さく、表面を充分に硬化するとともに良好な電気特性との両立が図れることを見出した。この原因は充分には解明されていないものの、
1.保護層中の開始剤の反応率が高効率でありトータル光量が抑えられる事及び、
2.電荷発生層の劣化がパルス発光では起こりにくい為と推定している。
連続発光では硬化に3分程度要するが、発光光源にキセノンランプを選択し、その発光方法をパルスにすることで表面層が短時間で硬化することが可能となり約10〜20秒で硬化が可能となった。キセノンランプをパルス方式で発光させることで発光させる1回当りの光量が大きいので塗液の開始剤の反応が速くなり硬化に必要とする時間がみじかくなることで硬化速度が速くなり感光体の電荷発生層に与える酸素障害が少なくなることで電特の劣化が抑制される。
以下に本発明を詳細に説明する。
(光照射装置)
本発明の照射装置はランプ・発信器・充電器・タイミング強制装置からなる。ランプとしてはキセノンランプ・水銀ランプ・メタハラランプ等、UV光が照射可能なランプが使用可能であるが短時間発光に優れたキセノンランプが特に好ましい。例えば岩崎電気社製やキセノン社製がある。これらのランプ発光特性としては例えば、図1に示すように広範囲の波長分布を示すが200〜800nmの発光波長分布のなかで最大発光強度を示す波長をピーク波長と定義し、この波長が250〜600nmであれば良好に硬化が進行して好ましい。特に好ましくは300〜500nmである。尚、図1(a)は本発明に係るパルスキセノンランプの波長分布を示す図であり、図1(b)は連続照射型の高圧水銀ランプの波長分布を示す図である。
発信器としては公知のパルス電流発生装置が使用できる。容量は発生する光量に応じて適切な容量を選定すれば良いが高強度の光を得る為には、5μF〜100μFで好ましくは10μF〜50μFの容量が安定した光量を得る上で好ましい。充電器・タイミング制御装置については発信器を制御できるシステムとして構成されている。ここで発光周波数とは、単位時間当たりに何パルス発光するかを言い本願では1秒当りの発光回数を言う。
パルス発光で発生した反応開始成分は短時間で消失することが多く、光照射後ある時間内に次の発光を行うことにより反応開始成分を系内に安定して供給できる為には適正な発光周波数が望ましい。
パルスが3パルス/sec未満の場合には他の硬化条件によっては充分に硬化できない場合もあり、120パルス/secを越えるとパルスの発光強度が充分に取れない場合もある為、硬化を充分に達成しつつ、感光体の電位特性低下を抑制する為には3〜120パルス/secが好ましく、より好ましくは5〜100パルス/secである。
(カチオン重合性官能基を有する化合物)
本発明の電子写真感光体は最外層に保護層を有する。該保護層はカチオン又はラジカル重合性官能基を有する化合物の反応硬化膜から成る。カチオン重合性官能基を有する化合物としては、活性エネルギー線の照射によりカチオン重合を開始させる非イオン系化合物により、活性エネルギー線を照射することにより、酸を発生し、重合が開始される。カチオン重合性官能基を有する化合物としては、各種公知のカチオン重合性のモノマーが使用できる。例えば、特開平6−9714号、特開2001−31892号、特開2001−40068号、特開2001−55507号、特開2001−310938号、特開2001−310937号、特開2001−220526号に例示されているエポキシ化合物、ビニルエーテル化合物、オキセタン化合物などが挙げられるが、オキセタン化合物が好ましい。
(活性エネルギー線の照射によりカチオン重合を開始させる化合物)
活性エネルギー線の照射によりカチオン重合を開始させる化合物としては、例えば、化学増幅型フォトレジストや光カチオン重合に利用される化合物が用いられる(有機エレクトロニクス材料研究会編、「イメージング用有機材料」、ぶんしん出版(1993年)、187〜192ページ参照)。
例えば、ジアゾニウム、アンモニウム、ヨードニウム、スルホニウム、ホスホニウムなどの芳香族オニウム化合物のB(C654 -、PF6 -、AsF6 -、SbF6 -、CF3SO3 -塩、スルホン酸を発生するスルホン化物、ハロゲン化水素を発生するハロゲン化物或いは、鉄アレン錯体等を挙げることができる。
しかし、イオン構造を有する化合物は幾つかの問題点を有するので活性エネルギー線の照射によりカチオン重合を開始させる非イオン系化合物(単に非イオン系化合物ともいう)が好ましい。これらの化合物は、活性エネルギー線の照射により酸を発生する化合物であり、活性エネルギー線の照射前は中性の化合物である。上記した、スルホン酸を発生するスルホン化物、ハロゲン化水素を発生するハロゲン化物が好ましい。特に、超強酸であるパーフルオロスルホン酸を発生する化合物が好ましい。
非イオン系化合物のハロゲン化水素を発生するハロゲン化物の具体例としては、トリハロゲン置換−1,3,5−トリアジン類を挙げることができ、市販品としてはみどり化学(株)社のTAZ−101〜123、TAZ−203、204や(株)三和ケミカル社のTFEトリアジン、TMEトリアジンなどがある。スルホン酸を発生するスルホン化物も市販品として入手でき、例えば、東京化成工業(株)のT1188、P1377、アイバイツ(株)のCTPAG、みどり化学(株)社のPAI−01、101、106、1001、NAI−100、101、105、106、109、1002、1003、1004、NDI−101、105、106、109、SI−101、105、106、109、PI−105、106、109などが挙げることができる。特に超強酸を発生する、CTPAG、NAI−105、NDI−105、SI−105、PI−105が好ましく、更にCTPAGがより好ましい。
(ラジカル重合性官能基を有する化合物)
ラジカル重合性官能基を有する化合物としては、光重合(光硬化)して、ポリスチレン、ポリアクリレート等、一般に感光体のバインダー樹脂として用いられるポリマーとなるモノマーであり、例えば、スチレン系モノマー、アクリル系モノマー、メタアクリル系モノマー、ビニルトルエン系モノマー、酢酸ビニル系モノマー、N−ビニルピロリドン系モノマーが挙げられる。中でも、少ない光量あるいは短い時間での硬化が可能であることからアクリロイル基またはメタクリロイル基を有する化合物が好ましい。また、上記したラジカル重合性化合物以外にも、エポキシ化合物、ウレタン化アクリル化合物、エポキシ(メタ)アクリレート化合物、他のエステル(メタ)アクリレート等をラジカル重合性官能基を有する化合物として用いることができる。
(活性エネルギー線の照射によりラジカル重合を開始させる化合物)
活性エネルギー線の照射によりラジカル重合を開始させる化合物としては、特に限定されないが、溶剤や上記ラジカル重合性官能基を有する化合物(モノマー)に対する溶解度が高く、電荷発生層の劣化を少なくするため、有効吸収波長が270nm(最も長波長にある極大吸収波長が240nm)より長いものが好ましい。種類としては、α−ヒドロキシケトン、フェニルグリオキシレート、ベンジルジメチルケタール、α−アミノケトン、モノアシルホスフィン、ビスアシルホスフィン、ホスフィンオキシド、メタロセン、ヨードニウム塩等が挙げられ、具体的には、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製のIRGACURE184(最も長波長にある極大吸収波長250nm)、250(242nm)、379(320nm)、500(332nm)、651(340nm)、754(325nm)、784(470nm)、819(300nm)、819DW(370nm)、907(304nm)、1300(323nm)、2022(370nm)、2100(370nm)、2959(276nm)、DAROCUR1173(331nm)、4265(380nm)、MBF(325nm)、TPO(393nm)等が挙げられる。
重合を開始させる化合物の添加量はラジカル重合性官能基を有する化合物の0.1〜30質量%が好ましく、0.5〜20質量%がより好ましい。
(保護層)
本発明の電子写真感光体は最外層に保護層を有する。該保護層は上述したカチオン又はラジカル重合性官能基を有する化合物の反応硬化膜から成る。
本発明の保護層は、有機粒子及び/又は無機粒子を含有することが好ましい。保護層に用いることのできる、有機粒子及び無機粒子としては、平均粒径500nm以下のものが好ましく、300nm以下のものが更に好ましい。用いることのできる無機粒子としては、導電性の粒子が好ましく、金属、金属酸化物などが挙げられるが、透明性などの点で金属酸化物であることが好ましい。かかる金属酸化物としては、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化スズ、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化ビスマス、スズをドープした酸化インジウム、アンチモンをドープした酸化スズ及び酸化ジルコニウムなどの粒子を用いることができる。これら金属酸化物は1種類もしくは2種類以上混合して用いることができ、2種類以上混合した場合は固溶体または融着の形であっても良い。
有機粒子としては、撥水性の粒子が好ましく、フッ素を含むポリマー粒子が好ましい。
具体的には、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレンなどを挙げることができる。
上記有機粒子及び無機粒子の含有量は、保護層全質量に対し、5〜90質量%であることが好ましく、特には10〜80質量%であることが好ましい。導電性粒子の含有量が5質量%未満の場合は保護層の抵抗が高くなり過ぎ、残留電位の上昇やカブリの発生の原因となることがあり、90質量%より多い場合は保護層の抵抗が低くなり過ぎ、帯電能の低下やピンポールの発生、更には画像ボケなどの原因となることがある。
(感光層)
感光層について説明する。本発明に関わる電子写真感光体の感光層の構成は、同一層中に電荷発生物質と電荷輸送物質双方を含有する単層型、あるいは電荷発生物質を含有する電荷発生層と電荷輸送物質を含有する電荷輸送層とを導電性支持体上に積層した積層型のいずれかである。導電層と感光層の中間にはバリアー機能と接着機能をもつ中間層を設けることもできる。同感光層上に本発明の保護層を設けることで本発明の目的は達成される。これらの中間層、感光層、保護層の塗布方法としては、浸漬コーティング法、スプレーコーティング法、スピンナーコーティング法、ビードコーティング法、ブレードコーティング法、ビームコーティング法、スライドホッパー法などを用いることができる。以下に積層型の感光体について説明する。
積層型の感光層の構成としては、導電性支持体上に電荷発生層、電荷輸送層の順に積層したものと、逆に電荷輸送層及、電荷発生層の順で積層したものがある。
(導電性支持体)
本発明で用いる支持体は導電性を有するものであればいずれのものでもよく、例えば、アルミニウム、銅、クロム、ニッケル、亜鉛及びステンレスなどの金属をドラムまたはシート状に成形したもの、アルミニウムや銅などの金属箔をプラスチックフィルムにラミネートしたもの、アルミニウム、酸化インジウム及び酸化スズなどをプラスチックフィルムに蒸着したもの、導電性物質を単独またはバインダー樹脂と共に塗布して導電層を設けた金属、プラスチックフィルム及び紙などが挙げられる。
(中間層)
本発明においては、導電層と感光層の中間にバリアー機能と接着機能をもつ中間層を設けることもできる。中間層はカゼイン、ポリビニルアルコール、ニトロセルロース、エチレン−アクリル酸コポリマー、ポリアミド、ポリウレタン及びゼラチンなどによって形成できる。中でもアルコール可溶性のポリアミドが好ましい。中間層の膜厚は好ましくは0.1〜15μmである。
また、中間層の抵抗調整の目的で各種の導電性微粒子や金属酸化物を含有させることができる。例えば、アルミナ、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化スズ、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化ビスマス等の各種金属酸化物。スズをドープした酸化インジウム、アンチモンをドープした酸化スズ及び酸化ジルコニウムなどの超微粒子を用いることができる。これら金属酸化物を1種類もしくは2種類以上混合して用いてもよい。2種類以上混合した場合には固溶体または融着の形をとってもよい。このような金属酸化物の平均粒径は好ましくは0.3μm以下、より好ましくは0.1μm以下である。
(電荷発生層)
電荷発生層は、スーダンレッド及びダイアンブルーなどのアゾ顔料、ビレンキノン及びアントアントロンなどのキノン顔料、キノシアニン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料やインジゴ及びチオインジゴなどのインジゴ顔料、フタロシアニン顔料などの電荷発生物質を単独もしくは公知の樹脂中に分散する形態で使用することができる。バインダー樹脂としてはホルマール樹脂、ブチラール樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン変性ブチラール樹脂、フェノキシ樹脂、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル及びアクリル樹脂などが望ましい。バインダー樹脂と電荷発生物質との割合は、バインダー樹脂100質量部に対して20〜600質量部が好ましい。このような樹脂分散形態の電荷発生層の膜厚は好ましくは5μm以下、より好ましくは0.05〜3μmである。なお、電荷発生層用の塗布液は塗布前に異物や凝集物を濾過することで画像欠陥の発生を防ぐことができる。また、前記顔料を真空蒸着することによって形成すこともできる。
(電荷輸送層)
電荷輸送層は主として電荷輸送物質とバインダー樹脂とを溶剤中に溶解させた塗料を塗工乾燥して形成する。用いられる電荷輸送物質としては、トリアリールアミン系化合物、ヒドラゾン化合物、スチルベン化合物、ピラゾリン系化合物、オキサゾール系化合物、トリアリルメタン系化合物及びチアゾール系化合物などが挙げられる。
これら電荷輸送物質は0.5〜2倍量のバインダー樹脂と組み合わされ、塗工、乾燥し電荷輸送層を形成する。バインダー樹脂としては、例えばポリスチレン、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、ポリカーボネート樹脂、シリコーン樹脂、メラミン樹脂並びに、これらの樹脂の繰り返し単位構造のうちの2つ以上を含む共重合体樹脂。又これらの絶縁性樹脂の他、ポリ−N−ビニルカルバゾール等の高分子有機半導体が挙げられる。
又、電荷輸送層には酸化防止剤を含有させることが好ましい。該酸化防止剤とは、その代表的なものは有機感光体中ないしは有機感光体表面に存在する自動酸化性物質に対して、光、熱、放電等の条件下で酸素の作用を防止ないし、抑制する性質を有する物質である。電荷輸送層の膜厚は好ましくは5〜40μm、より好ましくは15〜30μmである。
本発明の電子写真感光体は電子写真複写機に利用するのみならず、レーザービームプリンター、CRTプリンター、LEDプリンター、液晶プリンター及びレーザー製版など電子写真応用分野にも広く用いることができる。
以下、実施例及び比較例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。尚、文中の「部」は質量部を表す。
(N型半導性粒子の表面処理:N型半導性粒子1の作製)
メチルハイドロジェンポリシロキサンとジメチルシロキサンの1:1共重合体0.2部をエタノール/n−プロピルアルコール/THF(45:20:35容量比)10部中に溶解分散し、該混合溶媒中にルチル型酸化チタン(数平均一次粒径35nm:アルミナによる5%一次表面処理がされている)3.5部を添加したのち、1時間撹拌し、表面処理(二次処理)を行ない溶媒から分離して、表面処理済N型半導性粒子1得た。
〔電子写真感光体の作製〕
(中間層)
バインダー樹脂(N−1)1部をエタノール/n−プロピルアルコール/THF(45:20:35容量比)10部に加え65℃にて攪拌溶解、室温に戻した後に濾過(フィルター例:日本ポール社製プロファイルII、定格濾過精度5μm)、表面処理済N型半導性粒子1の3.5部を混合し、該混合液をVMA−GETZMANN社製のDIPERMAT(登録商標)SL−M−Ex5−200を用い分散した。この際、平均粒径0.1〜0.5mmの酸化ジルコニウムを主成分とする球状ビーズ(ビーズ例:ニッカトー製YTZボール、充填率:80%)を用い、周速設定4m/sec、ミル滞留時間3時間、バッチ式または循環式にて分散し、中間層分散液を作製した。該分散液を分散時と同組成の溶媒を用いて2倍に希釈し、二昼夜静置後に濾過した(フィルター例:日本ポール社製プロファイルスター、定格濾過精度:5μm)。該中間層塗布液を洗浄済みの円筒状アルミニウム基体上(切削加工によりJISB−0601規定の十点表面粗さRz:0.81μmに加工した)に浸漬塗布法で塗布し、乾燥膜厚1.5μmの中間層を形成した。
Figure 2008076465
(電荷発生層)
下記成分を混合し、サンドミル分散機を用いて分散し、電荷発生層塗布液を調製した。この塗布液を浸漬塗布法で塗布し、前記中間層の上に乾燥膜厚0.3μmの電荷発生層を形成した。
Y−チタニルフタロシアニン(Cu−Kα特性X線によるX線回折のスペクトルで、ブラッグ角(2θ±0.2°)27.3°に最大回折ピークを有するチタニルフタロシン顔料) 20部
ポリビニルブチラール(BX−1、積水化学(株)社製) 10部
メチルエチルケトン 700部
シクロヘキサノン 300部
(電荷輸送層)
下記成分を混合し、溶解して電荷輸送層塗布液を調製した。この塗布液を前記電荷発生層の上に浸漬塗布法で塗布し、乾燥膜厚18μmの電荷輸送層を形成した。
電荷輸送物質(N,N′−ビス−(4−メチルフェニール),N,N′−ビスフェニール−1,1′ビフェニール−4,4′ジアミン) 70部
ポリカーボネート樹脂「ユーピロン−Z300」(三菱ガス化学社製)
100部
酸化防止剤(下記化合物A) 8部
テトラヒドロフラン/トルエン(体積比8/2) 750部
Figure 2008076465
(保護層)
下記成分を混合し、溶解して保護層塗布液を調製した。この塗布液を前記電荷輸送層の上に浸漬塗布法で塗布した。
メチルハイドロジェンシリコンオイル(商品名KF99、信越シリコーン(株)製)で表面処理した、平均粒径0.02μmのアンチモンドープ酸化スズ微粒子(商品名T−1、三菱マテリアル(株)製)30部と、フッ素変性シランカップリング剤(商品名LS1090、信越シリコーン(株)製)で表面処理した、平均粒径0.02μmのアンチモンドープ酸化スズ微粒子(同上)20部を、下記化合物Bのアクリルモノマー(商品名TMP3A−3、大阪有機化学(株)製)18部とエタノール80部と共にサンドミルで72時間分散を行った。
Figure 2008076465
なお、表面処理量を、熱質量測定装置TG/DTA2208(セイコー電子工業(株)製)で窒素雰囲気下、室温から505℃まで昇温した時の質量減少を測定することにより求めた。その結果、メチルハイドロジェンシリコンオイルは11.2%、フッ素変性シランカップリング剤は7.1%であった。
この液に四フッ化エチレン樹脂粒子(商品名ルブロンL−2、ダイキン工業(株)製)17部を混合してサンドミル装置で更に2時間分散し、さらに光重合開始剤として2,4−ジエチルチオキサントン2.7部、開始助剤として4,4′−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン0.9部を加えて溶解し、保護層塗布液を作製した。
この塗布液を前記電荷輸送層上に浸漬塗布し、キセノンランプを改造したパルスキセノンランプを用い、2.95W/cm2の光強度で、1パルス放射時間を168マイクロ秒/パルスとした。1秒間のパルス回数を3、5、10、100及び120と変化して30秒間照射した電子写真感光体をそれぞれ作製した。比較として、水銀ランプにて0.2W/cm2の光強度で3分間照射した比較の電子写真感光体を作製した。その後120℃、2時間熱風乾燥して、膜厚2.5μmの保護層を作製した。得られた電子写真感光体の評価結果を表1に示す。
評価
上記本発明の電子写真感光体及び比較の電子写真感光体をミノルタQMS(MagiColor2300:A4紙16枚/分のプリンター:コニカミノルタビジネステクノロジーズ(株)社製)に各々装着し、経時の電気特性を測定した。
(電気特性を測定)
測定開始時のVo(帯電電位)及びVi(露光電位)及び、35℃、相対湿度 85%の環境で1ヶ月保存した後のVo及びViを測定し結果を表1に示す。
尚、Vo及びViの測定は実機内(MagiColor2300)を使用して測定を行った。
(硬さの測定)
フィッシャー社製押込み試験機(H100SMC)を使用して押込み荷重(2mN/10秒)をかけて初期と1ヶ月保存後に測定結果を表1に示す。
(画像評価)
30℃、85%RH環境下にてドラム20000回転相当実写し、実写終了12時間後の画像を目視評価した。
◎:画像流れが全く認められない
○:画像流れがほとんど認められない
△:画像流れがややあるが許容範囲のレベルである
×:画像流れが多く、使用に耐えないレベルである。
Figure 2008076465
本発明の電子写真感光体は電気特性の劣化がなく、耐久性に優れていることが判る。
本発明に係るパルスキセノンランプ及び連続照射型の高圧水銀ランプの波長分布を示す図である。

Claims (5)

  1. 導電性支持体上に電荷発生層、電荷輸送層、保護層をこの順に積層して成る電子写真感光体において、該保護層がパルス発光光源の光照射により反応硬化させた反応硬化膜であることを特徴とする電子写真感光体。
  2. 前記パルス発光光源がパルスキセノンランプであることを特徴とする請求項1記載の電子写真感光体。
  3. 前記パルスキセノンランプの発光ピーク波長が250nm〜600nmであることを特徴とする請求項2記載の電子写真感光体。
  4. 前記パルスキセノンランプの発光周波数が3〜120パルス/secであることを特徴とする請求項2又は3記載の電子写真感光体。
  5. 前記反応硬化膜が、カチオン又はラジカル重合性官能基を有する化合物と光照射によりカチオン重合を開始させる化合物からなる組成物に光照射することにより得られた反応硬化膜であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の電子写真感光体。
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