JP4919029B2 - 電子写真感光体とそれを用いた画像形成方法 - Google Patents

電子写真感光体とそれを用いた画像形成方法 Download PDF

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Description

本発明は、電子写真感光体に関し、更に詳しくは複写機、レーザービームプリンタ、ファクシミリなどにおける電子写真プロセスに用いる電子写真感光体と画像形成方法に関する。
電子写真感光体(以後、単に感光体ともいう)は複写機、レーザービームプリンタ、ファクシミリなどにおける電子写真プロセスにおいて、帯電、露光、現像、転写、クリーニング、除電などの作用を反復して受けるため様々な耐久性を要求される。特に耐摩耗性や耐傷性などの機械的強度は感光体の耐久寿命を決定する最大の要素である。
一方、電子写真感光体に用いられる有機光導電材料は、単独では成膜性を有さないためバインダー樹脂と共に成膜されるのが一般的である。従って耐摩耗性や耐傷性は、このバインダー樹脂の選択によりほとんど決定されるといっても過言ではない。しかし、光導電特性を損なわないバインダー樹脂はかなり限定されており、機械的強度も充分ではないのが実状である。
電子写真プロセスにおいて、感光体の耐摩耗性などの機械的強度が最も必要とされ、関連性が深いのはクリーニング工程である。近年現像用トナーの微粒化に伴い、クリーニング特性はますます重要性が増し、一方、形成される画像の画質を高精度に保つためには残留トナーの完全なクリーニングが要求されている。
又、画像形成装置を小型にして省スペース化し、かつより簡略な装置構成を実現するためには、ブレードクリーニングを採用するのが有利である。ブレードクリーニングは、板状のポリウレタンなどの弾性部材を感光体面に母線方向に突き当てただけの簡単な構成であるが、それだけに感光体の摩耗を促進し耐久性の低下の原因となることが指摘されている。
これに対処するためには、感光体に摩擦力に耐え得る強度を付与することが有効であり、一般的にはバインダー樹脂の高分子量化、硬化性バインダー樹脂の使用などが考えられる。しかしながら、高分子量バインダー樹脂は有機感光体の主たる製造法であるコーティング工程において、塗料の増粘を引き起こすため、高分子化には限界がある。また従来の硬化性バインダー樹脂については、硬化時に有機光導電材料が反応劣化を起こす、未反応官能基や重合開始剤副成物などによる不純物準位の形成などにより、十分な光導電特性が得られない場合が多かった。
例えば、最も容易に硬化できる材料として、アクリレート基、メタクリレート基を有するモノマーやオリゴマーなどをラジカル重合させることにより、機械的強度に優れた表面層を得ることが可能である(例えば、特許文献1〜3参照)。しかし、これらアクリレート基、メタクリレート基共にカルボン酸エステル構造を有するために、吸湿性が高い。更にラジカル重合を開始させる開始剤は、分解により吸湿性の分解物を生成する場合が多く、硬化物の耐湿性が低下する欠点があった。これは高温高湿環境下における画像流れといった故障として現れる。
更に開始剤の分解物は、フォトキャリアーのトラップとして作用する場合が多く、感光体特性に悪影響を与える欠点もあった。また、ラジカル重合は空気中の酸素により阻害を受けるため、感光体に用いられるような薄膜では硬化が十分進行しない欠点もあった。
尚、画像流れに対しては特許文献4には、ラジカル重合性化合物とイオン重合性化合物を組み合わせて、表面保護層を形成する発明が記載されているが、イオン重合性化合物の樹脂硬度が不十分であるため、耐摩耗性に問題があり、充分な解決策とはなっていない。
一方、カチオン重合性の化合物としては、ビニルエーテル類やエポキシ類が代表的であるが(例えば、特許文献5、6参照)、ラジカル重合に比べ重合反応が進みにくいため、硬化するまでに時間を要し、所望の機械的強度が得られにくい。更に、カチオン重合性の化合物に微粒子を添加した感光体用塗布液は、カチオン重合性の化合物を反応硬化する際にカチオン重合を開始させる化合物を分散液中に加えると、経時で微粒子が沈降したり、表面保護層のコーティングの際、微粒子の凝集が生じ、塗膜の平滑性や透明性が失われるという欠点があった。
特開平6−308756号公報 特開平11−95473号公報 特開2001−125299号公報 特開平11−288121号公報 特開平6−23063号公報 特開平7−43524号公報
本発明の目的は、表面硬化性に優れていて、機械的強度の向上が図れ、かつ高転写性・易クリーニング性で、画像中抜け、画像流れ等の故障が無い電子写真感光体とそれを用いた画像形成方法を提供することにある。
本発明の発明者らは、鋭意検討した結果、ラジカル硬化性材料と多官能性のカチオン硬化性材料を組み合わせると、特に3官能性以上のカチオン硬化性材料を組み合わせると、膜強度が顕著に改善されることて耐摩耗性が画期的に向上し、しかも画像流れも起こさないことを見いだし本発明に至った。
即ち、本発明の目的は、下記構成のいずれかを採ることにより達成されることがわかった。
(1)
導電性支持体上に感光層および表面保護層を順次積層した電子写真感光体において、表面保護層が、ラジカル硬化性材料として一分子中に3個以上6個以下のアクリロイル基またはメタクリロイル基を有するアクリル系化合物、および、一分子中に3個以上のカチオン重合性の官能基を有するカチオン硬化性材料として下記に示す化合物1〜4のいずれかの化合物を含有する塗布液を塗布後、活性エネルギー線を照射することにより、前記カチオン硬化性材料をカチオン重合させて硬化させると共に、前記ラジカル硬化性材料をラジカル重合させて形成されていることを特徴とする電子写真感光体。
(2)
前記アクリル系化合物の前記化合物1〜4のいずれかの化合物に対する質量比が、0.1以上、0.9未満であることを特徴とする(1)記載の電子写真感光体。

前記表面保護層がフッ素樹脂粒子を含有することを特徴とする(1)又は(2)記載の電子写真感光体。

前記フッ素樹脂粒子がポリテトラフルオロエチレンよりなることを特徴とする()記載
の電子写真感光体。

前記表面保護層が金属酸化物粒子を含有することを特徴とする(1)〜()のいずれか1項記載の電子写真感光体。

前記金属酸化物粒子が酸化チタンよりなることを特徴とする()記載の電子写真感光体。

(1)〜()のいずれか1項記載の電子写真感光体を用い、クリーニングブレードにてクリーニングすることを特徴とする画像形成方法。
本発明により、表面硬化性に優れていて、機械的強度の向上が図れ、かつ高転写性・易クリーニング性で、画像中抜け、画像流れ等の故障が無い電子写真感光体とそれを用いた画像形成方法を提供することができる。
以下、本発明を更に詳しく説明する。
本発明は、導電性支持体上に感光層及び表面保護層を有する電子写真感光体において、該表面保護層がラジカル硬化性材料と、3官能以上のカチオン硬化性材料を含有する塗布液を塗布後、硬化させて形成されていることを特徴とする。
3官能以上のカチオン重合性化合物と、ラジカル硬化性材料から形成される活性エネルギー線により硬化する表面保護層用塗布液は、カチオン重合を開始させる化合物が非イオン系化合物であることが好ましい。又、表面保護層は、有機粒子と無機粒子のいずれかもしくは両方を含有していることが好ましい。本発明の表面保護層用塗布液は、酸素阻害を受けにくく表面硬化性に優れており、微粒子を含有させることでより機械的強度の向上が図れ、かつ高転写性・易クリーニング性を確保できる。
〔カチオン重合性官能基を有する化合物(カチオン硬化性化合物ともいう)〕
カチオン硬化性化合物の中でも特にオキセタン化合物は反応速度が速く高分子量化できるので硬化物中の水酸基量が少なく、硬化膜の環境依存性も小さい。
一般的に広く知られている塩構造を有する酸発生剤は、熱的安定性が非イオン系化合物に比べて低く、経時で分解して酸を少なからず発生する。酸が分散液中に生じると、カチオン硬化性化合物と微粒子との間の均衡が崩れ、微粒子の凝集が生じることがある。そのため、活性エネルギー線の照射時に初めて酸を発生するような非イオン系の酸発生剤が成膜には有効であり、液のポットライフについても長寿命化できる。
活性エネルギー線の照射によりカチオン重合を開始させる化合物としては、例えば、化学増幅型フォトレジストや光カチオン重合に利用される化合物が用いられる(有機エレクトロニクス材料研究会編、「イメージング用有機材料」、ぶんしん出版(1993年)、187〜192ページ参照)。例えば、ジアゾニウム、アンモニウム、ヨードニウム、スルホニウム、ホスホニウムなどの芳香族オニウム化合物のB(C654 -、PF6 -、AsF6 -、SbF6 -、CF3SO3 -塩、スルホン酸を発生するスルホン化物、ハロゲン化水素を発生するハロゲン化物或いは、鉄アレン錯体等を挙げることができる。
しかし、上述したように、イオン構造を有する化合物は幾つかの問題点を有する。これに対し、活性エネルギー線の照射によりカチオン重合を開始させる非イオン系化合物(単に非イオン系化合物ともいう)は、活性エネルギー線の照射により酸を発生する化合物であり、活性エネルギー線の照射前は中性の化合物である。上記した、スルホン酸を発生するスルホン化物、ハロゲン化水素を発生するハロゲン化物が好ましい。特に、超強酸であるパーフルオロスルホン酸を発生する化合物が好ましい。
本発明に係わる非イオン系化合物でありハロゲン化水素を発生するハロゲン化物の具体例としては、トリハロゲン置換−1,3,5−トリアジン類を挙げることができ、市販品としてはみどり化学(株)社のTAZ−101〜123、TAZ−203、204や(株)三和ケミカル社のTFEトリアジン、TMEトリアジンなどがある。スルホン酸を発生するスルホン化物も市販品として入手でき、例えば、東京化成工業(株)社のT1188、P1377、アイバイツ(株)社のCTPAG、みどり化学(株)社のPAI−01、101、106、1001、NAI−100、101、105、106、109、1002、1003、1004、NDI−101、105、106、109、SI−101、105、106、109、PI−105、106、109等を挙げることができる。特に超強酸を発生する、CTPAG、NAI−105、NDI−105、SI−105、PI−105が好ましく、更にCTPAGがより好ましい。
(オキセタン化合物)
該カチオン重合性官能基を有する化合物は、上述した活性エネルギー線の照射によりカチオン重合を開始させる非イオン系化合物の共存下で、活性エネルギー線を照射することにより酸を発生し、重合が開始される。カチオン重合性官能基を有する化合物としては、各種公知のカチオン重合性のモノマーが使用できる。例えば、特開平6−9714号、特開2001−31892号、特開2001−40068号、特開2001−55507号、特開2001−310938号、特開2001−310937号、特開2001−220526号に例示されているエポキシ化合物、ビニルエーテル化合物、オキセタン化合物などが挙げられるが、オキセタン化合物が好ましい。
本発明で用いることのできるオキセタン化合物としては、下記一般式(1)で表される化合物が特に好ましい。
式中、R1は水素原子やメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等の炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のフルオロアルキル基、アリル基、アリール基、フリル基またはチエニル基を表す。R2は、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等の炭素数1〜6個のアルキル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、2−メチル−1−プロペニル基、2−メチル−2−プロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基等の炭素数2〜6個のアルケニル基、フェニル基、ベンジル基、フルオロベンジル基、メトキシベンジル基、フェノキシエチル基等の芳香環を有する基、エチルカルボニル基、プロピルカルボニル基、ブチルカルボニル基等の炭素数2〜6個のアルキルカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基等の炭素数2〜6個のアルコキシカルボニル基、またはエチルカルバモイル基、プロピルカルバモイル基、ブチルカルバモイル基、ペンチルカルバモイル基等の炭素数2〜6個のN−アルキルカルバモイル基等を表す。Zは酸素又は硫黄を表し、nは3〜100の整数を表す。
好ましいオキセタン化合物の具体例を下記に示すが、本発明はこれらに限定されない。
エポキシ化合物としては、芳香族エポキシド、脂環式エポキシド及び脂肪族エポキシドを挙げることができる。
〔ラジカル硬化性材料〕
本発明の表面保護層に用いるラジカル硬化性材料は、光硬化性アクリル系化合物であることが好ましい。以下に光硬化性アクリル系化合物の例を示す。
但し、上記においてR及びR′はそれぞれ下記で示される。
また、アクリロイル基を有する各種の反応性オリゴマーも使用することができる。例としてエポキシアクリレートオリゴマー、ウレタンアクリレートオリゴマー、ポリエステルアクリレートオリゴマー、不飽和ポリエステル樹脂等を使用することができる。以下に本発明で好ましく用いることの出来るウレタンアクリレートオリゴマー系化合物の例を示す。
ここで、アクリロイル基は上記化10に示す基であり、アクリロイル当量とは、各種オリゴマーも含めたアクリル系化合物の分子量/含有アクリロイル基で定義される。
なお、硬化性オリゴマーの場合の分子量は平均分子量であり、含有アクリロイル基の数は最大分子量オリゴマーのアクリロイル数とする。
本発明者らは硬化樹脂中の未反応アクリロイル基残存量が多いと、高温高湿環境での画像流れが発生することを見出した。一方、反応後に膜中の残存するアクリロイル基量を減らすため単純にアクリロイル基の少ない硬化性材料で樹脂形成すると、膜強度が不足し、実際の画像プリント時に感光体の摩耗量が多くなり寿命が短くなる。
本発明者は、アクリル系化合物と3官能以上のカチオン硬化性材料と組み合わせて使用し、硬化して形成した表面保護層を使用することにより、膜強度の問題と高温高湿環境での画像流れの問題の両方が解決できることを見出した。
本発明においては、硬化性のアクリル系化合物に加え、他の樹脂、例えばポリエステル、ポリカーボネート、ポリウレタン、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、アルキド樹脂及び塩ビ−酢ビ共重合体などの樹脂を混合して用いることもできる。
アクリル系化合物を硬化させる際にはラジカル重合開始剤を用いる。開始剤の添加量はアクリル系モノマーの全質量に対し0.1〜20%が好ましく、0.5〜10%がより好ましい。開始剤は光重合開始剤、熱重合開始剤のいずれも使用することができる。また、光、熱の両方の開始剤を併用することもできる。
本発明においては前記表面保護層中に、耐候性を向上させる目的で酸化防止剤などの添加物を加えてもよい。
表面保護層は、好ましくは前記バインダー樹脂中に有機粒子又は金属酸化物粒子を分散した溶液を塗布し、硬化して形成する。表面保護層の膜厚は好ましくは0.2〜10μmであり、より好ましくは0.5〜6μmである。
〔有機粒子及び無機粒子〕
表面保護層に用いることのできる有機粒子及び無機粒子としては、平均粒径600nm以下のものが好ましく、400nm以下のものが更に好ましい。用いることのできる無機粒子としては、金属、金属酸化物などが挙げられるが、分散性や透明性などの点で金属酸化物であることが好ましい。かかる金属酸化物としては、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化スズ、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化ビスマス、スズをドープした酸化インジウム、アンチモンをドープした酸化スズ及び酸化ジルコニウムなどの粒子を挙げることができるが、誘電率の高い酸化チタンが好ましい。これら金属酸化物は2種以上混合して用いても良い。
有機粒子としては、撥水性や潤滑性のある粒子が好ましく、フッ素を含むポリマー粒子が好ましい。具体的にはポリフッ化ビニリデン、三フッ化塩化エチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリビニルフルオライド、ポリテトラフルオロエチレンなどを挙げることができ、特に撥水性の最も高いポリテトラフルオロエチレンが好ましい。
上記有機粒子及び無機粒子の含有量は、カチオン重合性の化合物に対し、有機粒子は10〜100質量%、無機粒子は20〜150%であることが好ましく、特には有機粒子は20〜80質量%、無機粒子は30〜130%であることが好ましい。
有機粒子は10質量%未満だとクリーニングブレードとの摩擦係数が大きくなり、トルク上昇を引き起こしてブレードめくれ発生の原因となることがあり、100質量%より多い場合は耐傷性が不足し、特に低温環境下でフィルミング発生の原因となることがある。
無機粒子は20質量%未満だと表面保護層の抵抗が高くなりすぎ、残留電位の上昇やカブリの発生の原因となることがあり、150質量%より多い場合は成膜性が劣り、帯電能の低下やピンホールの発生といった原因になることがある。
有機粒子あるいは無機粒子を均一、安定に分散するために各種の分散剤や分散助剤を使用することができる。分散剤、助剤としては各種の界面活性剤やポリカルボン酸、グラフトポリマーを使用できる。
本発明の電子写真感光体は、導電性支持体上に感光層及び表面保護層を有するが、感光層は、導電性支持体上に中間層、電荷発生層、電荷輸送層をこの順に積層して成るものが好ましい。以下にこれらの構成について説明する。
〔導電性支持体〕
本発明で用いる支持体は導電性を有するものであればいずれのものでもよく、例えば、アルミニウム、銅、クロム、ニッケル、亜鉛及びステンレスなどの金属をドラムまたはシート状に成形したもの、アルミニウムや銅などの金属箔をプラスチックフィルムにラミネートしたもの、アルミニウム、酸化インジウム及び酸化スズなどをプラスチックフィルムに蒸着したもの、導電性物質を単独またはバインダー樹脂と共に塗布して導電層を設けた金属、プラスチックフィルム及び紙などが挙げられる。
〔中間層〕
本発明においては、導電層と感光層の中間にバリアー機能と接着機能をもつ中間層(下引層)を設けることもできる。中間層はカゼイン、ポリビニルアルコール、ニトロセルロース、エチレン−アクリル酸コポリマー、ポリアミド、ポリウレタン及びゼラチンなどによって形成できる。中でもアルコール可溶性のポリアミドが好ましい。中間層の膜厚は好ましくは0.1〜15μmである。
また、中間層の抵抗調整の目的で各種の導電性微粒子や金属酸化物を含有させることができる。例えば、アルミナ、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化スズ、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化ビスマス等の各種金属酸化物。スズをドープした酸化インジウム、アンチモンをドープした酸化スズ及び酸化ジルコニウムなどの微粒子を用いることができる。これら金属酸化物を1種類もしくは2種類以上混合して用いてもよい。2種類以上混合した場合には固溶体または融着の形をとってもよい。このような金属酸化物の平均粒径は好ましくは0.3μm以下、より好ましくは0.1μm以下である。
〔電荷発生層〕
電荷発生層は、スーダンレッド及びダイアンブルーなどのアゾ原料、ビレンキノン及びアントアントロンなどのキノン顔料、キノシアニン顔料、ペリレン顔料、インジゴ及びチオインジゴなどのインジゴ顔料、フタロシアニン顔料などの電荷発生物質を単独もしくは公知の樹脂中に分散する形態で使用することができる。バインダー樹脂としてはホルマール樹脂、ブチラール樹脂、シリコーン樹脂、シリコーン変性ブチラール樹脂、フェノキシ樹脂、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル及びアクリル樹脂などが望ましい。バインダー樹脂と電荷発生物質との割合は、バインダー樹脂100質量部に対して20〜600質量部が好ましい。このような樹脂分散形態の電荷発生層の膜厚は好ましくは5μm以下、より好ましくは0.05〜3μmである。0.05μm未満では十分な感度特性が得られず、残留電位が上昇しやすい。一方、5μmを超えると絶縁破壊や黒ポチが発生しやすい。なお、電荷発生層用の塗布液は塗布前に異物や凝集物を濾過することで画像欠陥の発生を防ぐことができる。電荷発生層は、前記顔料を真空蒸着することによって形成することもできる。
〔電荷輸送層〕
電荷輸送層は主として電荷輸送物質と、バインダー樹脂とを溶剤中に溶解させた塗料とを塗工乾燥して形成する。用いられる電荷輸送物質としては、トリアリールアミン系化合物、ヒドラゾン化合物、スチルベン化合物、ピラゾリン系化合物、オキサゾール系化合物、トリアリルメタン系化合物及びチアゾール系化合物などが挙げられる。
これらは0.5〜2倍量のバインダー樹脂と組み合わされ、塗工、乾燥し電荷輸送層を形成する。バインダー樹脂としては、例えばポリスチレン、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、ポリカーボネート樹脂、シリコーン樹脂、メラミン樹脂並びに、これらの樹脂の繰り返し単位構造のうちの2つ以上を含む共重合体樹脂。又これらの絶縁性樹脂の他、ポリ−N−ビニルカルバゾール等の高分子有機半導体が挙げられる。
又、電荷輸送層には酸化防止剤を含有させることが好ましい。該酸化防止剤とは、その代表的なものは有機感光体中ないしは有機感光体表面に存在する自動酸化性物質に対して、光、熱、放電等の条件下で酸素の作用を防止ないし、抑制する性質を有する物質である。
電荷輸送層の膜厚は好ましくは10〜40μm、より好ましくは15〜30μmである。該膜厚が10μm未満では、絶縁破壊や黒ポチ等が発生しやすく、40μmを超えると画像がボケやすく鮮鋭性が劣化しやすい。
以下、実施例及び比較例により本発明を具体的に説明するが、無論、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。尚、文中の「部」は質量部を表す。
(N型半導性粒子の表面処理:N型半導性粒子1の作製)
メチルハイドロジェンポリシロキサンとジメチルシロキサンの1:1共重合体0.2部をエタノール/n−プロピルアルコール/テトラヒドロフラン(45:20:35容量比)10部中に溶解分散し、該混合溶媒中にルチル型酸化チタン(数平均一次粒径35nm:アルミナによる5%一次表面処理がされている)3.5部を添加したのち、1時間撹拌し、表面処理(二次処理)を行ない溶媒から分離して、表面処理済N型半導性粒子1得た。
〔電子写真感光体1の作製〕
(中間層)
バインダー樹脂(N−1)1部をエタノール/n−プロピルアルコール/テトラヒドロフラン(45:20:35容量比)20部に加え攪拌溶解後、表面処理済N型半導性粒子1の4.2部を混合し、該混合液をビーズミルを用い分散した。この際、平均粒径0.1〜0.5mmのイットリア含有酸化ジルコニウムを主成分とする球状ビーズ(ニッカトー製YTZボール)を用い、充填率:80%、周速設定4m/sec、ミル滞留時間3時間分散し中間層塗布液を作製した。同液を5μmフィルターで濾過した後、該中間層塗布液を洗浄済みの円筒状アルミニウム基体上に浸漬塗布法で塗布し、乾燥膜厚が2μmの中間層を形成した。
(電荷発生層)
下記成分を混合し、サンドミル分散機を用いて分散し、電荷発生層塗布液を調製した。この塗布液を浸漬塗布法で塗布し、前記中間層の上に乾燥膜厚0.3μmの電荷発生層を形成した。
Y−チタニルフタロシアニン(Cu−Kα特性X線によるX線回折のスペクトルで、ブラッグ角(2θ±0.2°)27.3°に最大回折ピークを有するチタニルフタロシン顔料) 20部
ポリビニルブチラール(BX−1、積水化学(株)社製) 10部
メチルエチルケトン 700部
シクロヘキサノン 300部
(電荷輸送層)
下記成分を混合し溶解して電荷輸送層塗布液を調製した。この塗布液を前記電荷発生層の上に浸漬塗布法で塗布し、乾燥膜厚20μmの電荷輸送層を形成した。
ポリカーボネート樹脂「ユーピロン−Z300」(三菱ガス化学(株)社製)100部
酸化防止剤(下記化合物A) 8部
電荷輸送物質(下記化合物) 50部
テトラヒドロフラン(THF)/トルエン(体積比8/2) 750部
(表面保護層)
下記成分の1、2、3、4、5を混合し、底面積90cm2に径1.5mmのガラスビーズを360g充填(ビーズ充填量4g/cm2)したサンドグラインダーで20時間分散処理した後、成分6を混合して表面保護層塗布液を調製した。この塗布液を前記電荷輸送層の上に円形スライドホッパー塗布方法で塗布し、水銀ランプ照射装置ECS−401GX(アイグラフィックス社製)を用いて、紫外線積算照度計UVPF−A1(PD−365)(アイグラフィックス社製)にて積算光量が25J/cm2相当照射した後、120℃で60分間熱乾燥させて乾燥膜厚2.0μmの表面保護層を形成した。
1.カチオン硬化性材料(化合物3) 100部
2.ラジカル重合性化合物(例示化合物30) 50部
3.酸化チタン(中間層に用いた表面処理済N型半導性粒子1) 60部
4.粒径300nmのポリフロロエチレン粒子 40部
5.1−プロパノール 600部
6.カチオン重合を開始させる化合 5部
〔電子写真感光体2〜22の作製〕
表1記載の内容に変更した以外は感光体1と同様にして、感光体2〜22を作製した。
なお、表1中の「n」は官能基の数を示す。
〔性能評価〕
上記各電子写真感光体をミノルタQMS(MagiColor5430DLコニカミノルタビジネステクノロジーズ(株)社製)に各々装着し、以下の評価項目で評価した。尚、評価基準を下記に示す。また、得られた結果を表1に示す。
(膜削れ量)
23℃、50%RH環境にてドラム100万回転相当実写した後のドラム減耗量を測定した。1.0μm以下なら実用可能である。
(画像流れ)
温度/湿度が30℃/85%の環境において5%印字画像を連続10000枚プリントした後、プリンターの電源を切り同環境で12時間放置した。12時間後にプリンターの電源を入れ画像流れを評価した。
◎:画像流れが全く認められない
○:画像流れがほとんど認められない
△:画像流れがややあるが許容範囲のレベルである
×:画像流れが多く、使用に耐えないレベルである。
(耐傷性)
60000枚プリントし、最後の100枚につきコピー画像の黒筋、白筋の発生と感光体表面の傷観察と対応させて評価した。
◎:100枚の1枚も膜剥がれ、傷に対応した黒筋、白筋発生無し
○:100枚中1枚〜10枚の膜剥がれ、傷に対応した黒筋又は白筋発生
△:100枚中11〜30枚の膜剥がれ、傷に対応した黒筋又は白筋発生
×:100枚中多くに膜剥がれ、傷に対応した黒筋又は白筋発生
(画像中抜け)
画像濃度0.4のハーフトーン画像を、A4版普通紙(64g/m2)に100枚、両面プリントし、転写抜けによるホワイトスポットの発生を目視で評価した。
評価基準
◎ 全く転写抜け無し
○ プリント100枚あたり、裏面のみ1〜2個の転写抜けが存在するが実用上問題なし
△ プリント50枚あたり、1〜2個の明瞭な転写抜けが存在し実用上やや問題あり
× プリント50枚あたり、表裏関係なく、5個以上の明瞭な転写抜けが存在し実用上問題あり。

Claims (7)

  1. 導電性支持体上に感光層および表面保護層を順次積層した電子写真感光体において、表面保護層が、ラジカル硬化性材料として一分子中に3個以上6個以下のアクリロイル基またはメタクリロイル基を有するアクリル系化合物、および、一分子中に3個以上のカチオン重合性の官能基を有するカチオン硬化性材料として下記に示す化合物1〜4のいずれかの化合物を含有する塗布液を塗布後、活性エネルギー線を照射することにより、前記カチオン硬化性材料をカチオン重合させて硬化させると共に、前記ラジカル硬化性材料をラジカル重合させて形成されていることを特徴とする電子写真感光体。

  2. 前記アクリル系化合物の前記化合物1〜4のいずれかの化合物に対する質量比が、0.1以上、0.9未満であることを特徴とする請求項1記載の電子写真感光体。
  3. 前記表面保護層がフッ素樹脂粒子を含有することを特徴とする請求項1又は2記載の電子写真感光体。
  4. 前記フッ素樹脂粒子がポリテトラフルオロエチレンよりなることを特徴とする請求項3記載の電子写真感光体。
  5. 前記表面保護層が金属酸化物粒子を含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の電子写真感光体。
  6. 前記金属酸化物粒子が酸化チタンよりなることを特徴とする請求項5記載の電子写真感光体。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項記載の電子写真感光体を用い、クリーニングブレードにてクリーニングすることを特徴とする画像形成方法。
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