JP2008074910A - 封止用エポキシ樹脂及びその用途 - Google Patents

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Abstract

【課題】優れた半田耐熱性を有し、表面実装型パッケージに適用してもクラックや剥離などが生ずることのない封止用エポキシ樹脂及びその用途を提供する。
【解決手段】本発明の封止用エポキシ樹脂組成物は、下記式(1)で表される封止用エポキシ樹脂と、硬化剤とで構成でき、無機充填剤を含有していてもよい。
【化1】
Figure 2008074910

(式中、環Z及び環Zは芳香族炭化水素環、R1a及びR1bはアルキレン基、R2a、R2b、R3aおよびR3bはアルキル基、フェニル基などの置換基、m及びmは1〜3の整数、n及びnは1〜10の整数、p及びpは0〜5の整数,q及びqは0〜4の整数を示す)
【選択図】なし

Description

本発明は、半導体などの電子部品の封止材料として有用な封止用エポキシ樹脂、この樹脂を含む封止用樹脂組成物、および樹脂封止型半導体装置に関する。
半導体などの素子を熱硬化性樹脂で封止した電子部品が広く利用されている。前記熱硬化性樹脂で構成された封止剤は、通常、特開平5−251590号公報(特許文献1)に開示されているように、エポキシ樹脂と、硬化剤と、シリカ粉末などの無機質充填剤と、必要により硬化促進剤、顔料やシランカップリング剤などを含むエポキシ樹脂組成物で構成されている。
一方、半導体集積回路の分野においては、チップの高集積化に伴い大型化および多極化が進む一方、パッケージデザインも、従来のピン挿入型のDIP(Dual-In Line Package)から、表面実装型のSOP(Small Outline Package)、QFP(Quad Flat Package)、SOJ(Small Outline J-lead Package)、TSOP(Thin SOP)、LQFP(Large QFP)、TQFP(Thin QFP)へ移行している。
これらの表面実装に、従来のエポキシ樹脂組成物を適用して半導体素子を封止すると、表面実装の際に、半導体装置が半田浸漬または半田リフロー工程で急激に200℃以上の高温環境下に晒される。そのため、樹脂組成物の硬化物に収縮が生じたり、硬化物に吸湿した水分が爆発的に気化し、その応力により、半導体装置にクラックが発生したり、半導体素子、リードフレームおよびインナーリード上のメッキ部分とエポキシ樹脂組成物の硬化物との界面で剥離が生じ、封止材料としての電気的信頼性を著しく低下させる。実装時の熱応力に対応するため、低粘度の樹脂成分に無機充填剤を高濃度に充填して、樹脂組成物の硬化物の強度を高め吸湿率を低減させる方法が知られているが、未だ十分ではない。また、樹脂成分としてはビフェニル型エポキシ樹脂やジシクロペンタジエン変性フェノール型エポキシ樹脂などを用い、硬化物に強靱性を付与する方法が検討されている。例えば、特許第2551452号公報(特許文献2)には、ビフェノール類20〜95重量部と、多価フェノール類80〜5重量部との混合多価フェノールをエピハロヒドリンと付加反応及び閉環反応させて得られたエポキシ樹脂と、硬化剤とを含む封止用エポキシ樹脂組成物が開示されている。しかし、これらの方法でも、クラックや剥離を確実に防止するには必ずしも十分ではない。従って、半田耐熱性により優れ、かつ表面実装型パッケージに適用しても実装に伴って前記クラックや剥離が発生することのないエポキシ樹脂組成物の開発が要望されている。
一方、この種の封止樹脂材料には、安全性の点から、UL規格により難燃性を付与することが求められている。特開平5−3269号公報(特許文献3)には、エポキシ樹脂、フェノールノボラック樹脂硬化剤、硬化促進剤、三酸化アンチモン、ハロゲン化エポキシ樹脂、無機充填剤を含む半導体封止用樹脂組成物が開示されている。しかし、ハロゲン系難燃剤とアンチモン化合物は、電子部品の信頼性を低下させる虞があるとともに、最近では、環境への悪影響も指摘され始めている。
そこで、ハロゲン系難燃剤およびアンチモン化合物を含有しない難燃化技術が開発されている。特開平11−279379号公報(特許文献4)には、エポキシ樹脂、硬化剤、硬化促進剤、無機充填剤、熱硬化性樹脂層と無機質層とで被覆された粉末状赤リンとを含む半導体封止用エポキシ樹脂組成物が開示されている。また、リン系難燃剤と金属水和物の併用なども検討されている。しかし、このような非ハロゲン系難燃剤は、ハロゲン系難燃剤とアンチモン化合物とを併用した系に比べて、長期の耐湿信頼性が低下する。
このように、ピン挿入型から表面実装型への実装方式の変更に伴い、半田耐熱性に優れたエポキシ樹脂組成物の要求が強い。また、長期間に亘る信頼性とともに、環境への配慮などから、ハロゲン系難燃剤およびアンチモン化合物の併用に代わる信頼性の高い難燃化技術の開発も要望されている。
特開平5−148410号公報(特許文献5)には、ビスフェノールフルオレン型エポキシ樹脂と、硬化剤としてのジシクロペンタジエン変性フェノール樹脂とを必須成分として含む熱硬化性樹脂組成物とともに、この熱硬化性樹脂組成物の硬化物で封止された半導体装置が開示されている。特開2001−247650号公報(特許文献6)には、1分子中に2以上のフェノール性水酸基を有し、かつフェノール核の炭素上に置換したアラルキル基に属するメチレン水素を持たない化合物(ビスフェノールA、ビスフェノールフルオレンなど)とエピハロヒドリンとの反応により得られるエポキシ樹脂と、特定の硬化剤とを含む半導体封止用エポキシ樹脂組成物が開示されている。しかし、これらの樹脂組成物は高い溶融粘度を示すため、無機充填剤の充填量を増大できず、吸湿率及び熱膨張率を低減できない。また、前記エポキシ樹脂を用いた樹脂組成物の硬化物は、曲げ弾性率が大きく、クラックが生じやすいとともに、半導体素子などの封止物とエポキシ樹脂組成物の硬化物との界面で剥離が生じやすい。
特開平5−251590号公報(特許請求の範囲) 特許第2551452号公報(特許請求の範囲) 特開平5−3269号公報(特許請求の範囲) 特開平11−279379号公報(特許請求の範囲) 特開平5−148410号公報(特許請求の範囲) 特開2001−247650号公報(特許請求の範囲)
従って、本発明の目的は、表面実装型パッケージに適用してもクラックや剥離などが生ずることがなく、優れた半田耐熱性を有する封止用エポキシ樹脂、このエポキシ樹脂を含む封止用樹脂組成物、およびこの樹脂組成物で封止された半導体装置(樹脂封止型半導体装置)を提供することにある。
本発明の他の目的は、溶融粘度が低く、無機充填剤の充填量を増大できるとともに、吸湿率及び熱膨張率を低減できる封止用エポキシ樹脂、このエポキシ樹脂を含む封止用樹脂組成物、およびこの樹脂組成物で封止された半導体装置(樹脂封止型半導体装置)を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、難燃性に優れ、しかも長期にわたって高い耐湿性を保持でき、環境上の問題もない封止用エポキシ樹脂、このエポキシ樹脂を含む封止用樹脂組成物、およびこの樹脂組成物で封止された樹脂封止型半導体装置を提供することにある。
本発明者らは、前記課題を達成するため鋭意検討した結果、ビスフェノールフルオレン類とエピハロヒドリンとの反応により生成するエポキシ樹脂が溶融粘度が高いのに対して、ビスフェノールフルオレン類にアルキレンオキサイドが付加したタイプのエポキシ樹脂は低い溶融粘度を示す、しかも高い半田耐熱性を有していること、難燃剤を使用することなく高い難燃性を有することを見出し、本発明を完成したものである。
すなわち、本発明の封止用エポキシ樹脂(又は半導体封止用エポキシ樹脂)は、下記式(1)で表すことができる。
Figure 2008074910
(式中、環Z及び環Zは同一又は異なって芳香族炭化水素環を示し、R1a及びR1bは同一又は異なって直鎖状又は分岐鎖状アルキレン基を示し、R2a、R2b、R3aおよびR3bは同一又は異なる置換基を示し、m及びmは同一又は異なって1〜3の整数を示し、n及びnは同一又は異なって1〜10の整数を示し、p及びpは同一又は異なって0〜5の整数,q及びqは同一又は異なって0〜4の整数を示す)
前記エポキシ樹脂において、環Z及び環Zはベンゼン環であってもよく、R1a及びR1bは同一又は異なって直鎖状又は分岐鎖状C2−4アルキレン基(例えば、エチレン基又はプロピレン基)であってもよく、R2a、R2b、R3aおよびR3bは同一又は異なってアルキル基(例えば、メチル基などの直鎖状又は分岐鎖状C1−4アルキル基)又はアリール基(例えば、フェニル基)であってもよい。また、R2a及びR2bは同一又は異なって直鎖状又は分岐鎖状C1−4アルキル基(メチル基など)であってもよく、R3aおよびR3bは同一又は異なって、直鎖状又は分岐鎖状C1−4アルキル基(メチル基など)又はフェニル基であってもよい。m及びmは同一又は異なって1又は2の整数(例えば、1)であってもよく、n及びnは同一又は異なって1〜3の整数(例えば、1又は2)であってもよい。さらに、p及びpは同一又は異なって0〜2の整数、q及びqは同一又は異なって0又は1(特に、0)であってもよい。エポキシ樹脂は、9,9−ビス[(2−グリシジルオキシエトキシ)フェニル]フルオレン類であってもよい。
本発明の封止用エポキシ樹脂組成物は、前記式(1)で表されるエポキシ樹脂と、硬化剤とで構成できる。この樹脂組成物は、無機充填剤を含有していてもよい。前記樹脂組成物は、半導体素子の封止用に適しており、半導体封止用エポキシ樹脂組成物と言うことができる。
本発明は、前記エポキシ樹脂組成物が硬化した硬化物、前記エポキシ樹脂組成物で半導体素子が封止された半導体装置も包含する。
本発明では、特定のエポキシ樹脂を用いるため、半田耐熱性を向上でき、表面実装型パッケージに適用してもクラックや剥離などが生ずることがない。また、溶融粘度(例えば、トランスファー成形時の溶融粘度)が低く、無機充填剤の充填量を増大できるとともに、吸湿率及び熱膨張率を低減できる。さらに、難燃性に優れ、しかも長期にわたって高い耐湿性を保持でき、環境上の問題もなくなる。そのため、本発明の封止用エポキシ樹脂とその封止用樹脂組成物は半導体装置(樹脂封止型半導体装置)を製造するのに有用である。
本発明の封止用エポキシ樹脂及び封止用樹脂組成物は、前記式(1)で表されるエポキシ樹脂を含む。前記式(1)において、環Z及び環Zで表される芳香族炭化水素環としては、非縮合環及び縮合環のいずれであってもよく、例えば、ベンゼン環、インデン環、ナフタレン環、アントラセン環などのC6−20芳香族炭化水素環(好ましくはC6−14芳香族炭化水素環)などが挙げられる。これらの炭化水素環のうち、ベンゼン環、ナフタレン環などのC6−10芳香族炭化水素環が好ましい。なお、環Z及び環Zの種類はそれぞれ同一であってもよく互いに異なっていてもよい。
1a及びR1bで表されるアルキレン基としては、例えば、エチレン、プロピレン、トリメチレン、テトラメチレン基などの直鎖状又は分岐鎖状C2−10アルキレン基が例示でき、通常、直鎖状又は分岐鎖状C2−4アルキレン基(特に、エチレン基又はプロピレン基)である場合が多い。これらのアルキレン基のうち低粘度化のためにはエチレン基が好ましい。R1a及びR1bはそれぞれ同一であってもよく異なっていてもよい。さらに、アルキレン基R1a及びR1bの種類は、繰り返し数n及びnによって異なっていてもよい。例えば、nが2である場合、R1aはオキシエチレン単位とオキシプロピレン単位とを有していてもよい。
2a、R2b、R3aおよびR3bで表される置換基としては、アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、t−ブチル基などのC1−10アルキル基など)、シクロアルキル基(シクロヘキシル基、シクロオクチル基などのC5−10シクロアルキル基など)、アリール基(フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基などの置換基(C1−4アルキル基など)を有していてもよいC6−10アリール基など)、アルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、n−ブトキシ基、t−ブトキシ基などのC1−6アルコキシ基など);アシル基(アセチル基などのC1−6アシル基など);アルコキシカルボニル基(メトキシカルボニル基などのC1−4アルコキシ−カルボニル基など);ニトロ基;シアノ基などが挙げられる。
環Z及び環Zが置換基R2a、R2bを有する場合、前記置換基のうち、アルキル基(例えば、C1−6アルキル基)、アルコキシ基(C1−4アルコキシ基など)、フェニル基などが好ましく、特に、C1−4アルキル基(メチル基などのC1−2アルキル基など)又はフェニル基が好ましい。
環Z及び環Zは、それぞれ、単一又は複数の置換基R2a、R2bを有していてもよく、複数の置換基を有する場合、置換基は同一又は異なる種類の置換基であってもよい。また、環Z及び環Zの双方が置換基を有する場合、両者の置換基の種類は同一又は異なっていてもよい。p及びpは同一又は異なって0〜5(例えば、0〜4、好ましくは0〜3、特に0〜2)の整数である。p及びpが1以上の整数であるとき、置換基R2a、R2bの置換位置は特に制限されず、例えば、環Z及び環Zがベンゼン環である場合には、2−,3−,4−,5−,6−位のいずれであってもよく、3−,4−,5−,3,5−位などであってもよい。さらに、環Z及び環Zは、置換基R2a、R2bを有していなくてもよい(すなわち、p及び/又はpは0であってもよい)。
3aおよびR3bで表される置換基は、メチル基などのC1−4アルキル基、ニトロ基、カルボキシル基又はC1−4アルコキシ−カルボニル基であってもよい。q及びqは同一又は異なって0〜4(例えば、0〜2、好ましくは0又は1)であり、q及びqは0であってもよい。
及びmは同一又は異なって1〜3の整数を示し、1又は2、特に1である場合が多い。n及びnは同一又は異なって1〜10(例えば、1〜5)程度の整数を示し、1〜3の整数(例えば、1又は2)であってもよい。
前記エポキシ樹脂のエポキシ当量は、例えば、2官能のエポキシ樹脂である場合、200〜500(例えば、220〜500)、好ましくは230〜400(例えば、250〜350)、さらに好ましくは270〜330程度であってもよい。4官能エポキシ樹脂である場合、エポキシ樹脂のエポキシ当量は、180〜260、好ましくは190〜250程度である。エポキシ樹脂の軟化温度は、例えば、室温〜200℃程度であってもよく、15〜160℃(例えば、20〜150℃)、好ましくは25〜120℃(例えば、30〜100℃)程度であり、20〜80℃程度であってもよい。さらに、ICI粘度計(コーン&プレート型)により測定される溶融粘度(150℃)は、0.01〜1Pa・s程度、好ましくは0.01〜0.7Pa・s(例えば、0.01〜0.5Pa・s)、さらに好ましくは0.01〜0.3Pa・s(例えば、0.01〜0.2Pa・s)程度である。
1a及びR1bがエチレン基であり、n及びnが1であるエポキシ樹脂の具体例としては、環Z及び環Zが無置換のベンゼン環である9,9−ビス[(2−グリシジルオキシエトキシ)フェニル]フルオレン類、例えば、9,9−ビス[3−(2−グリシジルオキシエトキシ)フェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−(2−グリシジルオキシエトキシ)フェニル]フルオレンなど;環Z及び環Zがナフタレン環である9,9−ビス[(2−グリシジルオキシエトキシ)ナフチル]フルオレン類、例えば、9,9−ビス[5−(2−グリシジルオキシエトキシ)ナフチル]フルオレン、9,9−ビス[6−(2−グリシジルオキシエトキシ)ナフチル]フルオレン、9,9−ビス[6−(2−グリシジルオキシエトキシ)ナフチ−2−イル]フルオレンなど;置換基R2a、R2bがアルキル基であるエポキシ樹脂、例えば、9,9−ビス[4−(2−グリシジルオキシエトキシ)−2−メチルフェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−(2−グリシジルオキシエトキシ)−3−メチルフェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−(2−グリシジルオキシエトキシ)−3,5−ジメチルフェニル]フルオレンなど;置換基R2a、R2bがアリール基であるエポキシ樹脂、例えば、9,9−ビス[3−フェニル−4−(2−グリシジルオキシエトキシ)フェニル]フルオレン、9,9−ビス[3,5−ジフェニル−4−(2−グリシジルオキシエトキシ)フェニル]フルオレンなど;m及びmが2以上の整数であるポリグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、例えば、9,9−ビス[2,4−ビス(2−グリシジルオキシエトキシ)フェニル]フルオレン、9,9−ビス[3,4−ビス(2−グリシジルオキシエトキシ)フェニル]フルオレン、9,9−ビス[3,5−ビス(2−グリシジルオキシエトキシ)フェニル]フルオレン、9,9−ビス[3,4,5−トリス(2−グリシジルオキシエトキシ)フェニル]フルオレンなどが例示できる。
本発明の封止用エポキシ樹脂には、前記式(1)から明らかなように、R1a及びR1bがプロピレン基、トリメチレン基などのアルキレン基であり、n及びnが1である化合物、R1a及びR1bがアルキレン基であり、n及びnが2〜5程度の化合物、環Z及び環Zが置換基を有するナフタレン環である化合物、置換基R2a、R2bとしてのアリール基が置換基(メチル基などのアルキル基など)を有する化合物、これらを組み合わせた化合物なども含まれる。
より具体的には、下記式(2)で表される化合物は、大阪ガスケミカル(株)から「オグソールEG」として入手できる。
Figure 2008074910
本発明の封止用エポキシ樹脂は、R1a及びR1bに対応するモノ又はポリアルコキシ鎖−(R1aO)n1−及び−(R1bO)n2−を有しているため、n=0及びn=0のエポキシ樹脂に比べて、溶融粘性が低いだけでなく、耐熱性もさほど低下しない。そのため、表面実装型パッケージに適用してもクラックや剥離などが生ずることがなく、優れた半田耐熱性を有する。また、取り扱い性に優れるとともに、無機充填剤を多量に含有でき、吸湿性及び熱膨張率を低減できる。さらに、難燃性も高く、長期に亘り耐湿性を維持できる。
なお、本発明の封止用エポキシ樹脂は、ビス(ヒドロキシアリール)フルオレン類とアルキレンオキサイド又はハロアルカノールとを反応させ、生成した化合物とエピハロヒドリン(エピクロルヒドリンなど)とを反応させることにより調製できる。また、フルオレノン類とフェノキシアルコール類(フェノキシエタノールなど)とを反応させ、生成した化合物[9,9−ビス(ヒドロキシアルキルフェニル)フルオレン類]とエピハロヒドリン(エピクロルヒドリンなど)とを反応させることによっても調製できる。
本発明の封止用エポキシ樹脂は、他のエポキシ樹脂と組み合わせてもよい。他のエポキシ樹脂としては、グリシジルエーテル型エポキシ樹脂、例えば、9,9−ビス(グリシジルオキシフェニル)フルオレン系樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン変性フェノール(又はクレゾール)ノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、トリフェノールアルカン型エポキシ樹脂(トリフェノールメタン型エポキシ樹脂など)、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、複素環型エポキシ樹脂(キサンテン単位を含むエポキシ樹脂を含む)、ビスフェノール型エポキシ樹脂(ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂など)、スチルベン型エポキシ樹脂、縮合環芳香族炭化水素変性エポキシ樹脂(1,6−ビス(グリシジルオキシ)ナフタレン、ビス(2,7−ビス(グリシジルオキシ)ナフタレン)アルカンなどのナフタレン環含有エポキシ樹脂など)、グリシジルエステル型エポキシ樹脂などが挙げられる。
好ましいエポキシ樹脂は、下記式(3)で表されるビフェニル型エポキシ樹脂、下記式(4)で表されるビフェニル単位を有するノボラック型エポキシ樹脂である。なお、式(4)ではフェノールノボラック型エポキシ樹脂が示されているが、フェノール成分に代えてクレゾール成分を用いたクレゾールノボラック型エポキシ樹脂も好ましい。
Figure 2008074910
(式中、R4a、R4b、R5a、R5b、R5cおよびR5dは同一又は異なる置換基を示し、r,r,s,s,sおよびsは同一又は異なって0〜4の整数を示し、tは1以上の整数を示す。R1a、R1b、nおよびnは前記に同じ)
4a、R4b、R5a〜R5dで表される置換基としては、前記R2a、R2b、R3aおよびR3bと同様の置換基(アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アルコキシ基、アシル基など、特に直鎖状又は分岐鎖状C1−4アルキル基(メチル基などのC1−2アルキル基など)又はフェニル基)が例示できる。r,r,s〜sは0〜4(好ましくは0〜2、さらに好ましくは0又は1)の整数を示し、tは1以上の整数(例えば、1〜10、好ましくは1〜7、さらに好ましくは1〜5)である。
式(3)で表されるエポキシ樹脂のエポキシ当量は、例えば、200〜350、好ましくは225〜330、さらに好ましくは250〜320程度である。また、式(3)で表されるエポキシ樹脂の軟化温度は、例えば、40〜100℃、好ましくは45〜85℃、さらに好ましくは50〜75℃程度である。さらに、ICI粘度計(コーン&プレート型)により測定される溶融粘度(150℃)は、0.01〜0.5Pa・sの範囲、好ましくは0.01〜0.4Pa・s(例えば、0.03〜0.35Pa・s)、さらに好ましくは0.01〜0.35Pa・s(例えば、0.05〜0.32Pa・s)程度である。このようなエポキシ樹脂としては、日本化薬(株)から商品名「NC−3000」(エポキシ当量275、軟化温度58℃、溶融粘度(150℃)0.08Pa・s)、商品名「NC−3000−H」(エポキシ当量290、軟化温度70℃、溶融粘度(150℃)0.3Pa・s)などとして入手できる。
前記式(4)で表されるエポキシ樹脂のエポキシ当量は、140〜220、好ましくは150〜200程度であり、融点は、例えば、80〜180℃、好ましくは95〜170℃程度である。また、ICI粘度計(コーン&プレート型)により測定される溶融粘度(150℃)は、0.001〜0.1Pa・s(例えば、0.005〜0.07Pa・s)、好ましくは0.007〜0.05Pa・s(例えば、0.01〜0.04Pa・s)程度である。このようなエポキシ樹脂は、ジャパンエポキシレジン(株)から商品名「YX4000H」(エポキシ当量193、融点108℃、溶融粘度(150℃)0.02Pa・s)などとして入手できる。
これらの他のエポキシ樹脂は単独で又は二種以上組み合わせて使用してもよい。前記式(1)で表されるエポキシ樹脂と他のエポキシ樹脂との割合(重量比)は、1/99〜100/0の範囲から選択でき、両者を併用する場合、通常、前者/後者=5/95〜95/5、好ましくは10/90〜90/10、さらに好ましくは25/75〜75/25程度である。
[硬化剤]
本発明の封止用エポキシ樹脂は、硬化剤と組み合わせて封止用樹脂組成物を構成できる。封止用樹脂組成物の硬化剤は、アミン系硬化剤、酸無水物系硬化剤などであってもよいが、通常、フェノール樹脂硬化剤を用いる場合が多い。
フェノール樹脂硬化剤としては、例えば、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、フェノールアラルキル樹脂、ジシクロペンタジエン変性フェノール樹脂、パラキシレン変性フェノール樹脂、縮合環芳香族炭化水素変性ノボラック樹脂(ビフェニル単位を含有するノボラック樹脂、ナフタレン環含有ノボラック樹脂など)、フェノール類と芳香族アルデヒド類(ベンズアルデヒド、ナフチルアルデヒドなど)との縮合物、トリフェノールアルカン型ノボラック樹脂(トリフェノールメタン型ノボラック樹脂など)、多官能型フェノール樹脂などが挙げられる。これらのフェノール樹脂硬化剤は単独で又は二種以上使用できる。
好ましいフェノール樹脂硬化剤は、下記式(5)で表されるノボラック型フェノール樹脂および下記式(6)で表されるビフェニル単位を有するノボラック型フェノール樹脂のうち少なくとも一方を主成分とすることが好ましい。なお、式(5)及び(6)ではフェノールノボラック型樹脂が示されているが、フェノール成分に代えてクレゾール成分を用いたクレゾールノボラック型樹脂も好ましい。
Figure 2008074910
(式中、R6a、R6b、R6c、R7a、R7b、R7cおよびR7dは同一又は異なる置換基を示し、u,u,u,w,w,wおよびwは同一又は異なって0〜4の整数を示し、v及びxは同一又は異なって1以上の整数を示す)
6a〜R6c、R7a〜R7dで表される置換基としては、前記R2a、R2b、R3aおよびR3bと同様の置換基(アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アルコキシ基、アシル基など、特に直鎖状又は分岐鎖状C1−4アルキル基(メチル基などのC1−2アルキル基など)又はフェニル基)が例示できる。u〜u,w〜wは0〜4(好ましくは0〜2、さらに好ましくは0又は1)の整数を示し、v及びxは同一又は異なって1以上の整数(例えば、1〜10、好ましくは1〜7、さらに好ましくは1〜5)である。
式(5)で表されるフェノール樹脂硬化剤のフェノール性水酸基当量は、150〜250程度の範囲から選択でき、例えば、170〜230、好ましくは190〜220(例えば、190〜210)程度である。また、軟化温度は、例えば、40〜100℃(例えば、50〜95℃)、好ましくは55〜90℃(例えば、60〜90℃)程度である。このようなフェノール樹脂硬化剤は、例えば、明和化成(株)から「MEH−7851H」(水酸基当量199、軟化温度82℃)、「MEH−7851M」(水酸基当量199、軟化温度76℃)、「MEH−7851S」(水酸基当量198、軟化温度74℃)、「MEH−7851SS」(水酸基当量198、軟化温度67℃)などとして入手できる。
式(6)で表されるフェノール樹脂硬化剤のフェノール水酸基当量は、140〜230程度の範囲から選択でき、通常、150〜200、好ましくは155〜190、さらに好ましくは160〜180程度である。また、軟化温度は、例えば、50〜100℃、好ましくは55〜95℃、さらに好ましくは60〜90℃(例えば、65〜85℃)程度である。このようなフェノール樹脂硬化剤は、三井化学(株)から「XL−225−3L」(水酸基当量174、軟化温度70℃)、「XLC−LL」(水酸基当量176、軟化温度79℃)、「XLC−3L」(水酸基当量172、軟化温度72℃)、「XLC−4L」(水酸基当量167、軟化温度63℃)、明和化成(株)から「MEH−7800M」(水酸基当量175、軟化温度80℃)、「MEH−7800S」(水酸基当量175、軟化温度75℃)、「MEH−7800SS」(水酸基当量175、軟化温度65℃)、住金ケミカル(株)から「HE100C−10」(水酸基当量168、軟化温度68℃)、「HE100C−15」(水酸基当量170、軟化温度75℃)、「HE100C−30」(水酸基当量170、軟化温度80℃)などとして入手できる。
前記エポキシ樹脂((A)成分)と硬化剤(フェノール樹脂硬化剤など,(B)成分)との割合は、(B)成分のフェノール樹脂硬化剤のフェノール性水酸基と(A)成分のエポキシ樹脂のエポキシ基との当量比(フェノール性水酸基/エポキシ基)として、0.4〜1.0(例えば、0.45〜0.85)、好ましくは0.5〜0.7程度である。前記当量比が0.4未満では、成形性、硬化性、型離れ性などが低下しやすく、1.0を超えると、耐リフロー性が低下しやすくなるとともに、接着性が低下し、弾性率も大きくなる。
[無機充填剤]
本発明の封止用エポキシ樹脂組成物は無機充填剤を含有していてもよい。無機充填剤は、硬化物の熱膨張係数、熱伝導率、吸水性、弾性率などの特性を改善又は向上させる。また、無機充填剤の含有により、難燃性も向上できる。無機充填剤は粉粒状であってもよく繊維状であってもよい。無機充填剤としては、例えば、粉粒状充填剤[シリカ(溶融シリカ又は非晶性シリカ、結晶シリカ、ガラスなど)、アルミナ、ジルコニア、タルク、炭酸カルシウム、チタンホワイト又は酸化チタン、ベンガラ、炭化珪素、窒化ホウ素などの粉粒体(又は粉末)、これらを球形化したビーズなど]、繊維状充填剤[単結晶繊維、ガラス繊維など]などが挙げられる。これらの充填剤は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
無機充填剤は、粉末状又は粒状の形態である場合が多い。無機充填剤は必要であれば平均粒子径又は平均繊維径がナノメータサイズ(例えば、10〜100nm、好ましくは15〜500nm程度)の微粉末や微細繊維であってもよい。粉粒状の無機充填剤の最大粒径は、通常、100μm以下(好ましくは75μm以下)であり、平均粒径は、例えば、1〜50μm、好ましくは2〜30μm、さらに好ましくは5〜25μm程度である。最大粒径が100μmを越えたり、あるいは平均粒径が50μmを超えると、狭い部位への充填が困難になるだけでなく、分散性が低下して成形品が不均一になりやすい。また、平均粒径が1μm未満では、粘度が上昇し、成形性が低下しやすい。
なお、粉粒状の充填剤において、流動性、成形性、金型磨耗性などの観点から、できるだけ球状に近い形態(例えば、長軸径と短軸径との比率で表される真球度が0.8〜1.2,特に0.9〜1.1程度)が好ましい。また、無機充填剤は要求される性能によっても選択でき、例えば、低熱膨張性が要求される用途には溶融シリカが使用でき、高熱伝導性が要求される用途には結晶シリカやアルミナが使用できる。
無機充填剤の使用量は、エポキシ樹脂及び樹脂硬化剤などの樹脂成分全体(組成物全体)の80〜93重量%、好ましくは82〜92重量%、さらに好ましくは83〜91重量%程度である。無機充填剤の使用量が少なすぎると、前記熱膨張係数や吸水性などの特性を改善又は向上させる効果が小さく、多すぎると、組成物の流動性が低下し、成形性が低下しやすい。なお、無機充填剤を高濃度に含有する封止用樹脂組成物は高い難燃性を備えている。
本発明において、上記無機充填剤の表面を表面処理剤で処理すると、樹脂封止型半導体装置の信頼性をさらに高めるうえで有用である。表面処理剤としては、カップリング剤、例えば、シランカップリング剤、チタネートカップリング剤、アルミネートカップリング剤などが例示できる。これらのカップリング剤のうち、シランカップリング剤が好ましい。カップリング剤(シランカップリング剤など)は加水分解縮合性基(アルコキシ基、塩素原子など)に加えて、有機基(又は反応性基)としてエポキシ基、アミノ基、メルカプト基などを有しているのが好ましい。
シランカップリング剤としては、例えば、ジメチルジメトキシシラン、トリメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、テトラメトキシシランなどのアルコキシシラン;2−グリシジルオキシエチルトリメトキシシラン、2−グリシジルオキシエチルメチルジメトキシシラン、3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシジルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランなどのエポキシ基を有するシランカップリング剤;2−アミノエチルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシランなどのアミノ基を有するシランカップリング剤;2−メルカプトエチルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルファンなどのメルカプト基を有するシランカップリング剤などが例示できる。これらのシランカップリング剤は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
本発明の封止用樹脂組成物には、必要に応じて封止用組成物に一般的に使用される種々の添加剤、例えば、硬化促進剤、着色剤(カーボンブラック、コバルトブルーなど)、離型剤(シリコーンオイル、合成ワックス、天然ワックスなど)、イオントラップ剤、低応力化剤(軟質ゴム、例えば、スチレン系エラストマー、シリコーンゴムなど)などを添加してもよい。なお、必要であれば、難燃剤、特に非ハロゲン系難燃剤(リン系難燃剤、シリコーン系難燃剤、無機酸化物系難燃剤など)を使用してもよい。これらの成分は、本発明の効果を阻害しない範囲で添加できる。
前記硬化促進剤としては、例えば、トリエチレンジアミン、ベンジルジメチルアミン、トリエタノールアミン、ジメチルアミノエタノール、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、ジアザビシクロウンデセンなどの3級アミン類、2−メチルイミダゾール、2,4−ジアミノ−6−(2’−ウンデシルイミダゾリ−1’−イル)エチル−s−トリアジン、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール・トリメリット酸塩などのイミダゾール類、トリフェニルホスフィンなどのリン化合物(有機ホスフィン化合物)、4級ホスホニウム塩などが挙げられる。これらの硬化促進剤は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
本発明の封止用エポキシ樹脂組成物において、アルカリ金属の含有量は、少ないほど好ましく、通常、重量基準で20ppm以下、好ましくは10ppm以下、さらに好ましくは5ppm以下である。
本発明の封止用樹脂組成物は、上記各成分をミキサーなどの混合機で混合した後、溶融混練機(熱ロール、押出機、ニーダなど)により溶融混練し、冷却した後、粉砕又はペレット化することにより調製できる。
本発明の封止用エポキシ樹脂及びその樹脂組成物は、半田耐熱性に優れ、かつ難燃性を備えている。そのため、本発明は半導体素子などの電子部品の封止、特に半導体素子の表面実装に有効である。すなわち、本発明の樹脂封止型半導体装置は、上記封止用樹脂組成物を用いて半導体素子を封止することにより製造でき、半導体素子とこの素子を封止する前記封止用樹脂組成物の硬化物とで構成できる。半導体素子の種類は特に制限されず、例えば、集積回路、大規模集積回路、トランジスタ、サイリスタ、ダイオードなどの半導体素子が例示できる。また、封止方法としては、低圧トランスファー法が一般的に採用されているものの、射出成形法、圧縮成形法、注型法などによる封止も可能である。
封止用樹脂組成物で封止した後、加熱して硬化させ、最終的にその硬化物によって封止された樹脂封止型半導体装置が得られる。なお、硬化温度(加熱温度)は150℃以上であってもよい。なお、本発明はいかなる実装方式であっても高い信頼性で実装可能である。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
実施例1〜2、比較例1〜2
下記に示すエポキシ樹脂、フェノール樹脂硬化剤、硬化促進剤(トリフェニルホスフィン)、並びに無機充填剤(平均粒径23μm、比表面積1.4m/gの溶融球状シリカ粉末)、シランカップリング剤(γ−アミノプロピルトリメトキシシラン)、離型剤(カルナバワックス)を用い、表1に示す割合で混合し、90℃にて2本ロールで6分混練し、冷却、粉砕して封止用樹脂組成物を製造した。
[エポキシ樹脂]
エポキシ樹脂1:前記式(2)で表される化合物(大阪瓦斯(株)製「オグソールEG」)
エポキシ樹脂2:日本化薬(株)、商品名「NC−3000−H」
エポキシ樹脂3:ジャパンエポキシレジン(株)、商品名「YX−4000H」
[フェノール樹脂硬化剤]
フェノール樹脂硬化剤:三井化学(株)、「XLC−4L」
上記実施例および比較例で得られた封止用樹脂組成物について下記に示す方法で各種特性を評価した。
[スパイラルフロー]
EMMI−1−66に準じた金型を用いて、金型温度175℃、120秒、トランスファー圧力7MPa、硬化時間120秒でスパイラルフローを測定した。
[熱時曲げ弾性率]
トランスファー成形機を用い、金型温度175℃、注入圧力9.5MPa、硬化時間90秒で成形し、175℃、8時間で後硬化して試験片(長さ80mm、高さ4mm、幅10mm)を作製した。測定は室温(RT)又は260℃においてJIS K 6911(5.17.1 成形材料)の試験条件に準じて行った。
[難燃性]
封止用樹脂組成物を175℃、90秒間の条件でトランスファー成形し、次いで175℃、8時間の後硬化を行い、試験片(125mm×13mm×0.8mm)を作製し、UL−94耐炎性試験規格に基づく燃焼試験を行った。
[耐リフロー性]
封止用樹脂組成物を用いてTSOPパッケージを形成し、85℃、85%RHで、168時間の吸湿処理を行った後、IRリフローを2回行った。
結果を表に示す。
Figure 2008074910
実施例3および比較例3
前記式(2)で表される化合物(9,9−ビス[4−(2−グリシジルオキシエトキシ)フェニル]フルオレン、大阪ガスケミカル(株)製「オグソールEG」、実施例3)と、9,9−ビス(グリシジルオキシフェニル)フルオレン(大阪ガスケミカル(株)製「オグソールPG」、比較例3)とについて、ICI粘度計(コーン&プレート型)により温度150℃で溶融粘度を測定した。実施例3のエポキシ樹脂の溶融粘度は0.055Pa・sであるのに対して、比較例3のエポキシ樹脂の溶融粘度は0.17Pa・sであった。

Claims (9)

  1. 下記式(1)で表される封止用エポキシ樹脂。
    Figure 2008074910
    (式中、環Z及び環Zは同一又は異なって芳香族炭化水素環を示し、R1a及びR1bは同一又は異なって直鎖状又は分岐鎖状アルキレン基を示し、R2a、R2b、R3a及びR3bは同一又は異なる置換基を示し、m及びmは同一又は異なって1〜3の整数を示し、n及びnは同一又は異なって1〜10の整数を示し、p及びpは同一又は異なって0〜5の整数,q及びqは同一又は異なって0〜4の整数を示す)
  2. 環Z及び環Zはベンゼン環を示し、R1a及びR1bは同一又は異なって、直鎖状又は分岐鎖状C2−4アルキレン基を示し、R2a、R2b、R3aおよびR3bは同一又は異なって、アルキル基、アリール基を示し、m及びmは1又は2の整数であり、n及びnは同一又は異なって1乃至3の整数であり、p及びpは同一又は異なって0〜2の整数、q及びqは同一又は異なって0又は1である請求項1記載の封止用エポキシ樹脂。
  3. 環Z及び環Zはベンゼン環を示し、R1a及びR1bは同一又は異なってエチレン基又はプロピレン基を示し、R2a及びR2bは同一又は異なって直鎖状又は分岐鎖状C1−4アルキル基を示し、R3aおよびR3bは同一又は異なって、直鎖状又は分岐鎖状C1−4アルキル基、又はフェニル基を示し、m及びmは1又は2であり、n及びnは同一又は異なって1又は2であり、p及びpは同一又は異なって0〜2の整数、q及びqは0である請求項1記載の封止用エポキシ樹脂。
  4. 9,9−ビス[(2−グリシジルオキシエトキシ)フェニル]フルオレン類である請求項1記載の封止用エポキシ樹脂。
  5. 請求項1記載の式(1)で表されるエポキシ樹脂と、硬化剤とで構成されたエポキシ樹脂組成物。
  6. さらに、無機充填剤を含有する請求項5に記載のエポキシ樹脂組成物。
  7. 半導体素子の封止用組成物である請求項5に記載のエポキシ樹脂組成物。
  8. 請求項5に記載のエポキシ樹脂組成物が硬化した硬化物。
  9. 請求項5に記載のエポキシ樹脂組成物で半導体素子が封止された半導体装置。
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