JP2000345009A - 半導体封止用エポキシ樹脂組成物及び半導体装置 - Google Patents

半導体封止用エポキシ樹脂組成物及び半導体装置

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JP2000345009A
JP2000345009A JP2000077587A JP2000077587A JP2000345009A JP 2000345009 A JP2000345009 A JP 2000345009A JP 2000077587 A JP2000077587 A JP 2000077587A JP 2000077587 A JP2000077587 A JP 2000077587A JP 2000345009 A JP2000345009 A JP 2000345009A
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Japan
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epoxy resin
weight
resin composition
inorganic filler
flame retardant
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JP2000077587A
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English (en)
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Masakazu Osada
将一 長田
Hidekazu Asano
英一 浅野
Shigeki Ino
茂樹 井野
Takayuki Aoki
貴之 青木
Kazutoshi Tomiyoshi
和俊 富吉
Toshio Shiobara
利夫 塩原
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Shin Etsu Chemical Co Ltd
Original Assignee
Shin Etsu Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 (A)エポキシ樹脂、(B)フェノール
樹脂硬化剤、(C)赤リンを主成分とするコア材に熱可
塑性樹脂及び/又は熱硬化性樹脂を被覆してなるマイク
ロカプセル型難燃剤、(D)モリブデン化合物、(E)
無機充填剤を含有することを特徴とする半導体封止用エ
ポキシ樹脂組成物。 【効果】 ハロゲン化エポキシ樹脂、三酸化アンチモン
を含有せず、高度な難燃性、信頼性に優れる半導体封止
用エポキシ樹脂組成物及びその硬化物で封止された半導
体装置を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、成形性に優れ、し
かも難燃性と耐湿信頼性に優れ、有害なハロゲン化エポ
キシ樹脂、Sb23を含有しない硬化物を与える半導体
封止用エポキシ樹脂組成物及び該樹脂組成物の硬化物で
封止した半導体装置に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】現在、
半導体デバイスは樹脂封止型のダイオード、トランジス
ター、IC、LSI、超LSIが主流であるが、エポキ
シ樹脂が他の熱硬化性樹脂に比べ成形性、接着性、電気
特性、機械特性、耐湿性等に優れているため、エポキシ
樹脂組成物で半導体デバイスを封止することが一般的で
ある。半導体デバイスは、家電製品、コンピュータ等、
我々の生活環境のあらゆる所で使用されている。そのた
め万が一の火災に備えて、半導体封止材には難燃性が要
求されている。
【0003】エポキシ樹脂組成物中には、難燃性を高め
るため、一般にハロゲン化エポキシ樹脂と三酸化アンチ
モンとが配合されている。このハロゲン化エポキシ樹脂
と三酸化アンチモンとの組み合わせは、気相においてラ
ジカルトラップ、空気遮断効果が大きく、その結果、高
い難燃効果が得られるものである。
【0004】しかし、ハロゲン化エポキシ樹脂は燃焼時
に有毒ガスを発生するという問題があり、また三酸化ア
ンチモンにも粉体毒性があるため、人体・環境に対する
影響を考慮すると、これらの難燃剤を樹脂組成物中に全
く含まないことが好ましい。
【0005】以上の点から、ハロゲン化エポキシ樹脂あ
るいは三酸化アンチモンの代替として、従来からAl
(OH)3、Mg(OH)2等の水酸化物、リン系難燃剤
等の検討がなされてきている。しかしいずれの化合物を
使用しても、成形時の硬化性が悪くなったり、耐湿性が
悪くなる等の問題点があり、実用化には至っていないの
が現状である。
【0006】特に、リン系難燃剤のうち赤リンは、燃焼
時にリン酸化合物を生成し、このリン酸化合物が炭化層
と結びついて難燃性被膜を形成するため組成物に非常に
高度な難燃性を与える物質であるものの、赤リンは化合
物安定性に劣るため、打撃発火の危険性を伴い、取り扱
い難く、またこれを半導体封止用エポキシ樹脂組成物に
添加した場合、徐々にリン酸化合物を生成して半導体装
置のアルミ配線を腐食してしまい、信頼性を低下させる
という重大な欠点があり、半導体封止用エポキシ樹脂組
成物には不適応であった。
【0007】本発明は上記事情に鑑みなされたもので、
ハロゲン化エポキシ樹脂、三酸化アンチモンを含有せ
ず、成形性に優れ、かつ高度な難燃性、信頼性に優れる
半導体封止用エポキシ樹脂組成物及びその硬化物で封止
された半導体装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】本
発明者等は、上記目的を達成すべく鋭意検討を行った結
果、(A)エポキシ樹脂、(B)フェノール樹脂硬化
剤、(C)赤リンを主成分とするコア材に熱可塑性樹脂
及び/又は熱硬化性樹脂を被覆してなるマイクロカプセ
ル型難燃剤、(D)モリブデン化合物、(E)無機充填
剤を含有する半導体封止用エポキシ樹脂組成物が、難燃
性が高く、ハロゲン化エポキシ樹脂、三酸化アンチモン
を含まなくとも成形性、耐湿信頼性に優れた硬化物を与
えることを見出し、本発明をなすに至ったものである。
【0009】以下、本発明について更に詳しく説明す
る。本発明に用いる(A)成分のエポキシ樹脂は、一分
子中に2個以上のエポキシ基を有すれば特に限定されな
い。一般的な例としては、フェノールノボラック型エポ
キシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂などの
ノボラック型エポキシ樹脂、トリフェノールアルカン型
エポキシ樹脂、アラルキル型エポキシ樹脂、ビフェニル
骨格含有アラルキル型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポ
キシ樹脂、複素環型エポキシ樹脂、ナフタレン環含有エ
ポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ化合物、ビス
フェノールF型エポキシ化合物などのビスフェノール型
エポキシ樹脂、スチルベン型エポキシ樹脂等が拳げら
れ、これらのうち1種又は2種以上を併用することがで
きるが、ハロゲン化エポキシ樹脂は使用しない。
【0010】本発明に用いる(B)成分のフェノール樹
脂硬化剤も1分子中に少なくとも2個のフェノール性水
酸基を有するものであれば特に限定されるものではな
い。一般的な硬化剤としては、フェノールノボラック樹
脂、クレゾールノボラック樹脂などのノボラック型フェ
ノール樹脂、ナフタレン環含有フェノール樹脂、トリフ
ェノールアルカン型フェノール樹脂、フェノールアラル
キル型フェノール樹脂、アラルキル型フェノール樹脂、
ビフェニル骨格含有アラルキル型フェノール樹脂、ビフ
ェニル型フェノール樹脂、脂環式フェノール樹脂、複素
環型フェノール樹脂、ビスフェノールA、ビスフェノー
ルFなどのビスフェノール型フェノール樹脂等が挙げら
れ、これらのうち1種又は2種以上を併用することがで
きる。
【0011】また、(A)エポキシ樹脂、(B)フェノ
ール樹脂硬化剤の配合量比は特に制限されないが、
(A)エポキシ樹脂中に含まれるエポキシ基1モルに対
して、(B)硬化剤中に含まれるフェノール性水酸基の
モル比が0.5〜1.5、特に0.8〜1.2であるこ
とが好ましい。
【0012】本発明の半導体封止用エポキシ樹脂組成物
は、三酸化アンチモン、ブロム化等のハロゲン化エポキ
シ樹脂などの従来の難燃剤を含有せず、難燃剤として
(C)赤リンを主成分とするコア材に熱可塑性樹脂及び
/又は熱硬化性樹脂を被覆してなるマイクロカプセル
と、(D)モリブデン酸亜鉛などに代表されるモリブデ
ン化合物、特には無機充填剤にモリブデン酸亜鉛を担持
させた難燃剤とを併用して使用するものである。
【0013】本発明の(C)成分のコア材は、赤リンを
主成分としてなり、これに適宜加工助剤などを配合した
ものを使用できるが、他の成分を加えず赤リンのみでコ
ア材を形成してもよい。また、コア材を被覆する被覆樹
脂は熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂を特に制限なく使用で
き、例えばポリメタクリル酸メチルやポリ(メチルアク
リレート)等のポリ(メタ)アクリル酸エステル樹脂、
ポリスチレン、ポリブタジエン、メタクリル酸メチル−
ブタジエン−スチレン共重合体、シリコーン樹脂、エポ
キシ樹脂、フェノール樹脂等が好適である。
【0014】ここで、本発明の(C)成分においては、
赤リンを主成分とするコア材が熱可塑性樹脂及び/又は
熱硬化性樹脂で常法により被覆されてマイクロカプセル
化されているので、赤リンの分解生成物であるリン酸化
合物が直接アルミ配線を腐食することが無い。そしてコ
ア材を被覆する被覆樹脂が熱分解した時のみリン酸化合
物は炭化層と結びついて難燃性被膜を形成する。また、
コア材はマイクロカプセル化されているので、(A)エ
ポキシ樹脂、(B)フェノール樹脂硬化剤への分散性が
向上して難燃性が向上すると共に、打撃発火性が低下し
て取り扱いも容易となる。
【0015】なお、(C)成分のマイクロカプセルにお
いて、コア材の赤リンの含有量は60〜99.5重量
%、特に80〜99重量%であることが好ましい。ま
た、この(C)成分のマイクロカプセル粒子としては、
通常0.1〜100μm、好ましくは0.2〜40μ
m、特には0.5〜20μm程度の平均粒子径を有する
ものが、難燃性、分散性、作業性(組成物の低粘度性)
等の点で望ましい。このようなマイクロカプセル型赤リ
ンとしては、例えばノーバエクセル140等のノーバエ
クセルシリーズ(燐化学工業製)などが挙げられる。
【0016】(C)成分の配合量は(A)エポキシ樹脂
と(B)フェノール樹脂硬化剤との混合物(F)100
重量部に対して0.5〜5重量部が好ましい。配合量が
少なすぎると充分な難燃効果が得られず、多すぎると得
られる組成物に内部ボイド、外部ボイドなどを生じて成
形不良を起こし、また耐湿性が低下する恐れがある。
【0017】このように(C)成分において赤リン表面
は樹脂により被覆されているものの、プレッシャークッ
カー等の厳しい条件下では、赤リンが内部から溶出して
マイクロカプセル外に染み出して半導体の耐湿性に悪影
響を及ぼす恐れがあり、本発明においては、かかる悪影
響を排除して、高度な難燃性と耐湿性の双方を同時に実
現するために難燃剤として(C)成分に加えて(D)成
分を併用するものである。
【0018】本発明のエポキシ樹脂組成物は、難燃剤と
して(D)モリブデン化合物を含有する。この(D)成
分のモリブデン化合物としては、例えば酸化モリブデン
(IV)、モリブデン酸亜鉛、モリブデン酸炭酸カルシ
ウム、モリブデン酸カルシウム等のモリブデン酸塩が挙
げられるが、これらのうち、エポキシ樹脂の硬化性に影
響を及ぼさない化合物としてモリブデン酸亜鉛が特に好
ましい。モリブデン酸亜鉛等のモリブデン化合物自体
は、プラスチック燃焼時の減煙効果及び炭化層生成促進
作用の効果があることが知られているが、単独では非常
に細かな微粒子であるため、樹脂組成物中に分散しにく
いので、分散性を向上させて十分な難燃効果を得るため
に本発明においてはこれを無機充填剤に担持させて用い
ることが好ましい。かかる無機充填剤としては、球状又
は破砕状の溶融シリカ、結晶性シリカ等のシリカ類、タ
ルク、アルミナ、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、ボロ
ンナイトライド、酸化チタン、ガラス繊維等が挙げられ
る。特に、タルク、球状シリカがエポキシ樹脂組成物へ
の分散性の点から好ましい。これら無機充填剤の平均粒
径としては、0.1〜40μmが好ましく、より好まし
くは0.5〜15μmであり、その比表面積は0.5〜
50m2/gが好ましく、より好ましくは0.7〜10
2/gである。
【0019】なお、本発明において、この平均粒径は、
例えばレーザー光回折法等による重量平均値(又はメデ
ィアン径)等として求めることができる。
【0020】また、無機充填剤にモリブデン酸亜鉛を担
持させた難燃剤中のモリブデン酸亜鉛の含有量は、5〜
40重量%、特に10〜20重量%であることが好まし
い。モリブデン酸亜鉛の含有量が少なすぎると十分な難
燃効果が得られない場合があり、また多すぎると成形時
の流動性、硬化性が低下する場合がある。
【0021】このようなモリブデン酸亜鉛担持無機充填
剤としては、例えばSHERWIN−WILLIAMS
社のKEMGARD 1260,1261,1270,
1271,911C等のKEMGARDシリーズなどが
挙げられる。
【0022】(D)成分の配合量は、(A)エポキシ樹
脂と(B)フェノール樹脂硬化剤との混合物(F)10
0重量部に対して3〜100重量部が好ましい。配合量
が少なすぎると充分な難燃効果が得られず、多すぎると
得られる組成物の流動性、硬化特性の低下を引き起こす
恐れがある。
【0023】上述の通り、本発明は、少ない配合量の
(C)赤リンを主成分とするコア材に熱可塑性樹脂及び
/又は熱硬化性樹脂を被覆してなるマイクロカプセル
と、(D)モリブデン化合物、特には無機充填剤にモリ
ブデン酸亜鉛を担持させた難燃剤とを用いて難燃性を達
成し、しかも耐湿性を良好に維持するものであるが、で
きるだけ少ない(C)、(D)成分を用いて難燃性と耐
湿性の双方を向上させるには、(A)エポキシ樹脂と
(B)フェノール樹脂硬化剤との混合物(F)の1H−
NMRにおける特定のピーク値が重要に関連しているこ
とを本発明者は見出した。
【0024】即ち、混合物(F)の1H−NMR(プロ
トン−NMR)において、(1〜5ppmに現れるプロ
トンピークの積分値)/(6〜8ppmに現れるプロト
ンピークの積分値)の値が2.0未満である場合、混合
物(F)100重量部に対して(C)成分は0.5〜2
重量部、(D)成分は3〜100重量部添加すれば本発
明の効果が充分に得られ、同様に(1〜5ppmに現れ
るプロトンピークの積分値)/(6〜8ppmに現れる
プロトンピークの積分値)の値が2.0以上である場合
は、混合物(F)100重量部に対して(C)成分は1
〜5重量部、(D)成分は10〜100重量部の範囲で
添加すればよい。ここで、1〜5ppmに現れるプロト
ンピークは、主にエポキシ樹脂、フェノール樹脂の脂肪
族プロトンであり、6〜8ppmに現れるプロトンピー
クは主にエポキシ樹脂、フェノール樹脂の芳香族プロト
ンであって、脂肪族炭素が少なく芳香族炭素を多く含む
樹脂ほど耐熱性が高く難燃性にも優れ、難燃剤の添加量
をより小量にすることができるものと考えられる。な
お、本発明においては、ベース樹脂成分として(A)エ
ポキシ樹脂と(B)フェノール樹脂硬化剤以外に必要に
応じてエポキシ変性シリコーン樹脂等の樹脂成分を本発
明の効果を損なわない範囲で適宜配合することができる
が、この場合、混合物(F)はこれら全ての樹脂成分か
らなる混合物を示す。
【0025】本発明のエポキシ樹脂組成物中に配合され
る(E)無機充填剤としては、上記(C)、(D)成分
以外の通常エポキシ樹脂組成物に配合される、通常0.
5〜40μm、好ましくは1〜25μm程度の平均粒子
径を有する無機充填剤を使用することができる。例えば
溶融シリカ、結晶性シリカ等のシリカ類、アルミナ、窒
化珪素、窒化アルミニウム、ボロンナイトライド、酸化
チタン、ガラス繊維等が挙げられる。これら無機充填剤
の平均粒径や形状は特に限定されないが、成形性及び流
動性の面から平均粒径が5〜40μmの球状の溶融シリ
カが特に好ましい。
【0026】(E)無機充填剤の配合量は、(A)エポ
キシ樹脂と(B)フェノール樹脂硬化剤との混合物
(F)100重量部に対して300〜1000重量部、
特に500〜900重量部が好ましい。配合量が少なす
ぎると得られる組成物の膨張係数が大きくなり、半導体
素子に加わる応力が増大し素子特性の劣化を招く場合が
あり、また組成物全体に対する樹脂量が多くなるため
に、本発明の目的とする難燃性が得られない場合があ
る。一方、配合量が多すぎると成形時の粘度が高くな
り、成形性が悪くなる場合がある。この場合、無機充填
剤の組成物中の含有量(但し、(C)、(D)成分は除
く)は70〜92重量%、特には80〜90重量%であ
ることが好ましい。
【0027】なお、無機充填剤は、樹脂と無機充填剤と
の結合強度を強くするため、シランカップリング剤、チ
タネートカップリング剤などのカップリング剤で予め表
面処理したものを配合することが好ましい。このような
カップリング剤としては、γ−グリシドキシプロピルト
リメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジ
エトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシ
ル)エチルトリメトキシシラン等のエポキシ基含有アル
コキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノ
プロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリ
エトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルト
リメトキシシラン等のアミノ基含有アルコキシシラン、
γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メル
カプトプロピルメチルジメトキシシラン等のメルカプト
基含有アルコキシシランなどのシランカップリング剤を
用いることが好ましい。ここで表面処理に用いるカップ
リング剤の配合量及び表面処理方法については特に制限
されるものではない。
【0028】また、本発明において、エポキシ樹脂と硬
化剤との硬化反応を促進させるため、硬化促進剤を用い
ることが好ましい。この硬化促進剤は、硬化反応を促進
させるものであれば特に制限はなく、例えばトリフェニ
ルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリ(p−メチ
ルフェニル)ホスフィン、トリ(ノニルフェニル)ホス
フィン、トリフェニルホスフィン・トリフェニルボラ
ン、テトラフェニルホスフィン・テトラフェニルボレー
トなどの有機リン系化合物、トリエチルアミン、ベンジ
ルジメチルアミン、α−メチルベンジルジメチルアミ
ン、1,8−ジアザビシクロ(5.4.0)ウンデセン
−7などの第3級アミン化合物、2−メチルイミダゾー
ル、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メ
チルイミダゾールなどのイミダゾール化合物等を使用す
ることができる。
【0029】本発明の半導体封止用エポキシ樹脂組成物
は、更に必要に応じて各種の添加剤を配合することがで
きる。例えば熱可塑性樹脂、熱可塑性エラストマー、有
機合成ゴム、シリコーン系等の低応力剤、カルナバワッ
クス、高級脂肪酸、合成ワックス等のワックス類、カー
ボンブラック等の着色剤、ハロゲントラップ剤等の添加
剤を添加配合することができる。
【0030】本発明の半導体封止用エポキシ樹脂組成物
は、エポキシ樹脂、硬化剤、無機充填剤、その他の添加
物を所定の組成比で配合し、これをミキサー等によって
十分均一に混合した後、熱ロール、ニーダー、エクスト
ルーダー等による溶融混合処理を行い、次いで冷却固化
させ、適当な大きさに粉砕して成形材料とすることがで
きる。
【0031】このようにして得られる本発明の半導体封
止用エポキシ樹脂組成物は、各種の半導体装置の封止用
に有効に利用でき、この場合、封止の最も一般的な方法
としては、低圧トランスファー成形法が挙げられる。な
お、本発明の半導体封止用エポキシ樹脂組成物の成形温
度は150〜180℃で30〜180秒、後硬化は15
0〜180℃で2〜16時間行うことが望ましい。
【0032】
【発明の効果】本発明の半導体封止用エポキシ樹脂組成
物は、高度な難燃性と耐湿性の双方に優れる硬化物を与
えることができ、ハロゲン化エポキシ樹脂、三酸化アン
チモンを樹脂組成物中に含有しないので、人体・環境に
対する悪影響もないものである。
【0033】
【実施例】以下、実施例と比較例を示し、本発明を具体
的に示すが、本発明は下記の実施例に制限されるもので
はない。なお、以下の例において部はいずれも重量部で
ある。
【0034】[実施例1〜10、比較例1〜4]表1,
2に示す割合でエポキシ樹脂((イ)乃至(ニ)成
分)、硬化剤((ホ)、(ヘ)成分)及びエポキシ変性
シリコーンゴムを均一に溶融混合した後、冷却して得ら
れたベース樹脂混合物について1H−NMRを測定し
た。(1〜5ppmに現れるプロトンピークの積分値)
/(6〜8ppmに現れるプロトンピークの積分値)の
値を同表に示す。次いで、表1,2に示される残余の成
分をベース樹脂混合物とともに熱2本ロールにて均一に
溶融混合し、冷却、粉砕して半導体封止用エポキシ樹脂
組成物を得た。使用した原材料を下記に示す。 ・エポキシ樹脂 (イ)o−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂:EO
CN1020−55(日本化薬製、エポキシ当量20
0) (ロ)ビフェニル型エポキシ樹脂:YX4000HK
(油化シェル製、エポキシ当量190) (ハ)トリフェノールアルカン型エポキシ樹脂:TNH
574(住友化学製、エポキシ当量220) (ニ)ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂:HP72
00(大日本インキ製、エポキシ当量258) ・硬化剤 (ホ)フェノールノボラック樹脂:DL−92(明和化
成製、フェノール当量110) (ヘ)フェノールアラルキル樹脂:MEH−7800S
S(明和化成製、フェノール当量175) ・マイクロカプセル型赤リン ノーバエクセル140(燐化学工業製) 被覆材はフェノール樹脂 ・モリブデン酸亜鉛担持無機充填剤 KEMGARD1261(SHERWIN−WILLI
AMS製 担体:球状シリカ;平均粒径0.5μm、比
表面積5.5m2/g) KEMGARD911C(SHERWIN−WILLI
AMS製 担体:タルク;平均粒径2.0μm、比表面
積2.0m2/g) ・無機充填剤 球状溶融シリカ((株)龍森製、平均粒径20μm) 結晶シリカ:クリスタライト3K((株)龍森製) ・エポキシ変性シリコーン樹脂(シロキサン含有量16
重量%) ・硬化促進剤 トリフェニルホスフィン(北興化学(株)製) ・離型剤:カルナバワックス(日興ファインプロダクツ
(株)製) ・シランカップリング剤:KBM403,γ−グリシド
キシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)
製) これらの組成物につき、以下の諸特性を測定した。結果
を表3,4に示す。
【0035】《スパイラルフロー値》EMMI規格に準
じた金型を使用して、175℃、70kgf/cm2
成形時間90秒の条件で測定した。 《成形硬度》JIS−K6911に準じて175℃、7
0kgf/cm2、成形時間90秒の条件で10×4×
100mmの棒を成形したときの熱時硬度をバーコール
硬度計で測定した。 《成形性》14×20×3.5mmのQFPパッケージ
を成形し、超音波探傷装置により内部ボイドを観察し
た。 《難燃性》UL−94規格に基づき、1/16インチ厚
の板を成形し難燃性を調べた。 《耐湿性》アルミニウム配線を形成した1×1mmの大
きさのシリコンチップを14pin−DIPフレーム
(42アロイ)に接着し、更にチップ表面のアルミニウ
ム電極とリードフレームとを30μmφの金線でワイヤ
ボンディングした後、これにエポキシ樹脂組成物を成形
条件175℃、70kg/cm2、成形時間120秒で
成形し、180℃で4時間ポストキュアーした。このパ
ッケージを140℃/85%RHの雰囲気中5Vの直流
バイアス電圧をかけて500時間放置した後、アルミニ
ウム腐食が発生したパッケージ数を調べた。
【0036】
【表1】
【0037】
【表2】
【0038】
【表3】
【0039】
【表4】
【0040】表1〜4の結果より、本発明の半導体封止
用エポキシ樹脂組成物は、難燃性と共に耐湿性にも優れ
る硬化物を与えることができ、また、成形性を良好に維
持するものである。しかもハロゲン化エポキシ樹脂、三
酸化アンチモンを樹脂組成物中に含有しないので、人体
・環境に対する悪影響もないものである。
【0041】また、本発明の半導体封止用エポキシ樹脂
組成物で封止された半導体装置は、難燃性に優れ、耐湿
信頼性も高いのもである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08K 9/02 C08K 9/02 9/10 9/10 H01L 23/29 H01L 23/30 R 23/31 (72)発明者 井野 茂樹 群馬県碓氷郡松井田町大字人見1番地10 信越化学工業株式会社シリコーン電子材料 技術研究所内 (72)発明者 青木 貴之 群馬県碓氷郡松井田町大字人見1番地10 信越化学工業株式会社シリコーン電子材料 技術研究所内 (72)発明者 富吉 和俊 群馬県碓氷郡松井田町大字人見1番地10 信越化学工業株式会社シリコーン電子材料 技術研究所内 (72)発明者 塩原 利夫 群馬県碓氷郡松井田町大字人見1番地10 信越化学工業株式会社シリコーン電子材料 技術研究所内 Fターム(参考) 4J002 CC03X CC04X CC06X CD04W CD05W CD06W CD07W DA056 DE138 DE147 DE148 DE187 DJ007 DJ008 DJ017 DJ018 DK007 DK008 FA047 FA048 FB077 FB078 FB108 FB138 FB148 FB286 FD159 GQ05 4J036 AA01 DA01 DA02 DC02 DC41 DC46 DD07 DD09 FA03 FA04 FA05 FA06 FB02 FB03 FB05 FB07 FB16 JA07 4M109 AA01 CA21 EA02 EB03 EB04 EB06 EB07 EB12 EB13 EC01 EC20

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)エポキシ樹脂、(B)フェノール
    樹脂硬化剤、(C)赤リンを主成分とするコア材に熱可
    塑性樹脂及び/又は熱硬化性樹脂を被覆してなるマイク
    ロカプセル型難燃剤、(D)モリブデン化合物、(E)
    無機充填剤を含有することを特徴とする半導体封止用エ
    ポキシ樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 (D)モリブデン化合物がモリブデン酸
    亜鉛であることを特徴とする請求項1記載の半導体封止
    用エポキシ樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 (D)モリブデン化合物が無機充填剤に
    モリブデン酸亜鉛を担持させたものであることを特徴と
    する請求項2記載の半導体封止用エポキシ樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 (A)エポキシ樹脂と(B)フェノール
    樹脂硬化剤との混合物(F)の1H−NMRスペクトル
    において、 (1〜5ppmに現れるプロトンピークの積分値)/
    (6〜8ppmに現れるプロトンピークの積分値) の値が2.0未満である場合、混合物(F)100重量
    部に対して、(C)赤リンを主成分とするコア材に熱可
    塑性樹脂及び/又は熱硬化性樹脂を被覆してなるマイク
    ロカプセル型難燃剤の添加量が0.5〜2重量部、
    (D)無機充填剤にモリブデン酸亜鉛を担持させた難燃
    剤の添加量が3〜100重量部であることを特徴とする
    請求項3記載の半導体封止用エポキシ樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 (A)エポキシ樹脂と(B)フェノール
    樹脂硬化剤との混合物(F)の1H−NMRスペクトル
    において、 (1〜5ppmに現れるプロトンピークの積分値)/
    (6〜8ppmに現れるプロトンピークの積分値) の値が2.0以上である場合、混合物(F)100重量
    部に対して、(C)赤リンを主成分とするコア材に熱可
    塑性樹脂及び/又は熱硬化性樹脂を被覆してなるマイク
    ロカプセル型難燃剤の添加量が1〜5重量部、(D)無
    機充填剤にモリブデン酸亜鉛を担持させた難燃剤の添加
    量が10〜100重量部であることを特徴とする請求項
    3記載の半導体封止用エポキシ樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 (D)無機充填剤にモリブデン酸亜鉛を
    担持させた難燃剤において、該難燃剤中のモリブデン酸
    亜鉛含有量が5〜40重量%であることを特徴とする請
    求項3、4又は5記載の半導体封止用エポキシ樹脂組成
    物。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至6のいずれか1項記載の半
    導体封止用エポキシ樹脂組成物の硬化物で封止した半導
    体装置。
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