JP2004359855A - エポキシ樹脂組成物及び半導体装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】(A)エポキシ樹脂
(B)硬化剤
(C)下記平均組成式(1)で示されるシリコーン変性エポキシ樹脂
【化1】
(式中、R1は水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基であり、Rは脂肪族不飽和基を含有しない置換又は非置換の一価炭化水素基であり、Xは二価の有機基である。k、mは0≦k≦100、0<m≦100、0<k+m≦200を満たす正数であり、nは0〜400を満たす整数である。)
を必須成分とすることを特徴とするエポキシ樹脂組成物、及びこのエポキシ樹脂組成物の硬化物で封止した半導体装置。
【効果】本発明のエポキシ樹脂組成物は、成形性に優れるとともに、耐熱衝撃性及び耐湿信頼性に優れた硬化物を得ることができる。また、本発明のエポキシ樹脂組成物の硬化物で封止された半導体装置は、耐熱衝撃性及び耐湿信頼性に優れたものであり、産業上特に有用である。
【選択図】 な し
(B)硬化剤
(C)下記平均組成式(1)で示されるシリコーン変性エポキシ樹脂
【化1】
(式中、R1は水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基であり、Rは脂肪族不飽和基を含有しない置換又は非置換の一価炭化水素基であり、Xは二価の有機基である。k、mは0≦k≦100、0<m≦100、0<k+m≦200を満たす正数であり、nは0〜400を満たす整数である。)
を必須成分とすることを特徴とするエポキシ樹脂組成物、及びこのエポキシ樹脂組成物の硬化物で封止した半導体装置。
【効果】本発明のエポキシ樹脂組成物は、成形性に優れるとともに、耐熱衝撃性及び耐湿信頼性に優れた硬化物を得ることができる。また、本発明のエポキシ樹脂組成物の硬化物で封止された半導体装置は、耐熱衝撃性及び耐湿信頼性に優れたものであり、産業上特に有用である。
【選択図】 な し
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体装置封止用として好適に用いられるエポキシ樹脂組成物及びこのエポキシ樹脂組成物の硬化物で封止された半導体装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、エポキシ樹脂は、これに硬化剤及び無機充填剤を加えた樹脂組成物として各種成形材料、粉体塗料用材料、電気絶縁材料等に広く使用され、特に最近においてはダイオード、トランジスタ、IC、LSI、超LSI等の樹脂封止型半導体装置の樹脂封止材料として多量に使用されている。これは、エポキシ樹脂が一般に他の熱硬化性樹脂に比べて成形性、接着性、電気特性、機械特性及び耐湿性等に優れているという特性を利用したものである。
【0003】
これら半導体装置は、最近ではその集積度が益々大きくなり、チップ寸法も大きくなりつつあるが、これに対してパッケージ外形寸法は、電子機器の小型化、軽量化の要求にともない、小型化、薄型化が進んでいる。更に半導体部品を回路基板に取付ける方法においても、基板上の部品の高密度化や基板の薄型化のため、半導体部品の表面実装が行われている。
【0004】
しかしながら、半導体基板を回路基板へ表面実装する場合、半導体装置全体を半田浴に浸漬するか、又は半田が溶融する温度帯を通過させる方法が一般的であるが、その際の熱衝撃により封止樹脂層にクラックが発生したり、リードフレームやチップと封止樹脂との界面に剥離が生じたりする問題があった。このようなクラックや剥離は、表面実装の熱衝撃以前に半導体装置の封止樹脂層が吸湿していると更に顕著なものとなるが、実際の作業工程においては、封止樹脂層の吸湿は避けられず、このため実装後のエポキシ樹脂で封止した半導体装置の信頼性が大きく損なわれる場合があった。
【0005】
これらの問題に対して、一般にエポキシ樹脂に可塑性のあるポリシロキサン化合物などを添加することにより成形材料の弾性率を下げ、内部応力の低減が図られている。例えば、硬化性エポキシ樹脂にオルガノポリシロキサンを添加する方法(特許文献1:特開昭56−129246号公報)、硬化性エポキシ樹脂、ポリエーテルオルガノシロキサン、及びアミノ変性オルガノポリシロキサンとエポキシ変性オルガノポリシロキサンとの反応物を主剤として用いる方法(特許文献2:特開平4−41520号公報)、エポキシ樹脂、硬化剤、ポリエーテルオルガノシロキサンと両末端エポキシ基含有ポリシロキサンの混合物にアミノシランを反応させた変性オルガノポリシロキサンを用いる方法(特許文献3:特開平2−151621号公報)、エポキシ基含有ポリエーテル変性ポリシロキサン、両末端アミノ基含有ポリシロキサン及び/又は両末端メルカプト含有ポリシロキサンを添加する方法(特許文献4:特開平2−170819号公報)等が提案されている。
【0006】
しかしながら、上記封止材のうち、ポリエーテル変性ポリシロキサンを添加しない系では、マトリックス樹脂とポリシロキサンとの相溶性が悪く、ポリシロキサンが徐々にブリードアウトするので、硬化物全体としての均一性に限界があり、大幅な低応力化は期待できず、機械的強度の低下も大きくなる。また、ポリエーテル変性ポリシロキサンを用いた系では、マトリックス樹脂に対してポリシロキサンを微分散させることができるという点では優れているものの、耐半田クラック性や流動性が悪い為に、最近の益々高密度化した半導体装置の封止に対する要求を完全に満たすことは難しい。
【0007】
このように、回路基板へ表面実装した場合でも高信頼性の半導体装置を与え得る高品質の半導体装置用エポキシ樹脂組成物の開発が望まれている。
【0008】
【特許文献1】
特開昭56−129246号公報
【特許文献2】
特開平4−41520号公報
【特許文献3】
特開平2−151621号公報
【特許文献4】
特開平2−170819号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、耐熱衝撃性、耐湿信頼性に優れる硬化物となり得、回路基板へ表面実装した場合でも高信頼性の半導体装置を与え得る半導体封止用として好適に用いられる新規なエポキシ樹脂組成物、及び該樹脂組成物の硬化物で封止した半導体装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】
本発明者等は、上記目的を達成すべく鋭意検討を行った結果、低応力剤として下記平均組成式(1)で示されるシリコーン変性エポキシ樹脂を用いたエポキシ樹脂組成物が、成形性に優れ、耐熱衝撃性及び耐湿信頼性に優れた硬化物となり得ることを見出した。
【0011】
【化2】
(式中、R1は水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基であり、Rは脂肪族不飽和基を含有しない置換又は非置換の一価炭化水素基であり、Xは二価の有機基である。k、mは0≦k≦100、0<m≦100、0<k+m≦200を満たす正数であり、nは0〜400を満たす整数である。)
【0012】
即ち、(A)エポキシ樹脂、(B)硬化剤、(C)上記平均組成式(1)で示されるシリコーン変性エポキシ樹脂、及び好ましくは(D)無機質充填剤を必須成分とするエポキシ樹脂組成物が、成形性に優れるとともに、耐熱衝撃性、耐湿信頼性に優れる硬化物となり得、また該エポキシ樹脂組成物の硬化物で封止された半導体装置が、耐熱衝撃性、特には耐熱衝撃クラック性、耐湿信頼性に優れるものであることを見出し、本発明をなすに至ったものである。
【0013】
従って、本発明は、
(A)エポキシ樹脂
(B)硬化剤
(C)下記平均組成式(1)で示されるシリコーン変性エポキシ樹脂
【化3】
(式中、R1は水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基であり、Rは脂肪族不飽和基を含有しない置換又は非置換の一価炭化水素基であり、Xは二価の有機基である。k、mは0≦k≦100、0<m≦100、0<k+m≦200を満たす正数であり、nは0〜400を満たす整数である。)
を必須成分とすることを特徴とするエポキシ樹脂組成物、及び上記エポキシ樹脂組成物の硬化物で封止した半導体装置を提供する。
【0014】
以下、本発明について更に詳しく説明する。
本発明のエポキシ樹脂組成物を構成する(A)エポキシ樹脂は特に限定されない。一般的なエポキシ樹脂としては、ノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、トリフェノールアルカン型エポキシ樹脂、アラルキル型エポキシ樹脂、ビフェニル骨格含有アラルキル型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、複素環型エポキシ樹脂、ナフタレン環含有エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ化合物、ビスフェノールF型エポキシ化合物、スチルベン型エポキシ樹脂等が挙げられ、これらのうち1種又は2種以上を併用することができる。
【0015】
上記エポキシ樹脂は、加水分解性塩素が1000ppm以下、特に500ppm以下であり、ナトリウム及びカリウムはそれぞれ10ppm以下の含有量とすることが好ましい。加水分解性塩素が1000ppmを超える、また、ナトリウム又はカリウムが10ppmを超える場合は、長時間高温高湿下に半導体装置を放置すると、耐湿性が劣化する場合がある。
【0016】
本発明に用いる(B)硬化剤も特に限定されるものではない。一般的な硬化剤としては、フェノール樹脂が好ましく、具体的には、フェノールノボラック樹脂、ナフタレン環含有フェノール樹脂、アラルキル型フェノール樹脂、トリフェノールアルカン型フェノール樹脂、ビフェニル骨格含有アラルキル型フェノール樹脂、ビフェニル型フェノール樹脂、脂環式フェノール樹脂、複素環型フェノール樹脂、ナフタレン環含有フェノール樹脂、ビスフェノールA型樹脂、ビスフェノールF型樹脂等のビスフェノール型フェノール樹脂などが挙げられ、これらのうち1種又は2種以上を併用することができる。
【0017】
上記硬化剤は、エポキシ樹脂と同様に、ナトリウム及びカリウムの含有量をそれぞれ10ppm以下とすることが好ましい。ナトリウム又はカリウムが10ppmを超える場合は、長時間高温高湿下に半導体装置を放置すると、耐湿性が劣化する場合がある。
【0018】
ここで、エポキシ樹脂、硬化剤の配合量は特に制限されないが、硬化剤としてフェノール樹脂を用いる場合、エポキシ樹脂中及び後述するシリコーン変性エポキシ樹脂中に含まれるエポキシ基1モルに対して、硬化剤に含まれるフェノール性水酸基のモル比が0.5〜1.5、特に0.8〜1.2の範囲となる量であることが好ましい。
【0019】
また、本発明において、エポキシ樹脂と硬化剤との硬化反応を促進させるため、硬化促進剤を用いることが好ましい。この硬化促進剤は、硬化反応を促進させるものであれば特に制限はなく、例えばトリフェニルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリ(p−メチルフェニル)ホスフィン、トリ(ノニルフェニル)ホスフィン、トリフェニルホスフィン・トリフェニルボラン、テトラフェニルホスフィン・テトラフェニルボレートなどのリン系化合物、トリエチルアミン、ベンジルジメチルアミン、α−メチルベンジルジメチルアミン、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7などの第3級アミン化合物、2−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾールなどのイミダゾール化合物等を使用することができる。
【0020】
硬化促進剤の配合量は有効量であるが、(A)エポキシ樹脂と(B)硬化剤との総量100質量部に対し、0.1〜5質量部、特に0.5〜2質量部とすることが好ましい。
【0021】
本発明のエポキシ樹脂組成物は、(C)下記平均組成式(1)で示されるシリコーン変性エポキシ樹脂を使用するものである。
【化4】
(式中、R1は水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基であり、Rは脂肪族不飽和基を含有しない置換又は非置換の一価炭化水素基であり、Xは二価の有機基である。k、mは0≦k≦100、0<m≦100、0<k+m≦200を満たす正数であり、nは0〜400を満たす整数である。)
【0022】
ここで、上記式中のR1は水素原子、又はメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基等の炭素数1〜4のアルキル基であり、また、Rは脂肪族不飽和基を含有しない置換又は非置換の一価炭化水素基であり、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基、デシル基等のアルキル基、フェニル基、キシリル基、トリル基等のアリール基、ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基等のアラルキル基などや、これら炭化水素基の水素原子の一部又は全部を塩素、フッ素、臭素等のハロゲン原子で置換したクロロメチル基、ブロモエチル基、トリフルオロプロピル基等のハロゲン置換一価炭化水素基などの炭素数1〜15、特に1〜10の一価炭化水素基が例示される。
【0023】
Xは二価の有機基であり、酸素原子が介在してもよいアルキレン基、アリーレン基、酸素原子が介在してもよいアルキレン基とアリーレン基とが結合した基、これらの基の水素原子の一部又は全部がハロゲン原子、水酸基等で置換された基などが挙げられ、炭素数1〜15、特に2〜10のものが好ましい。例えば、下記に示す基を挙げることができる。
【化5】
【0024】
また、k、mは0≦k≦100、0<m≦100、0<k+m≦200を満たす正数であるが、低応力化、耐熱衝撃性の面からより好ましい範囲は0≦k≦10、0<m≦10、0<k+m≦20を満たす正数である。nは0〜400を満たす整数であるが、より好ましい範囲は8〜100の整数である。
【0025】
このようなシリコーン変性エポキシ樹脂として具体的には、下記に示すものが挙げられる。
【化6】
【0026】
該シリコーン変性エポキシ樹脂の製造方法は、下記平均組成式(2)
【化7】
(式中、R1は水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基であり、Yは末端に二重結合を有する有機基である。k、mは0≦k≦100、0<m≦100、0<k+m≦200を満たす正数である。)
で表されるエポキシ樹脂のYの末端二重結合と、下記一般式(3)
【化8】
(式中、Rは脂肪族不飽和基を含有しない置換又は非置換の一価炭化水素基、nは0≦n≦400の整数である。)
で示されるオルガノポリシロキサンのSiH基とを付加反応させることにより得ることができる。
【0027】
上記平均組成式(2)で表されるエポキシ樹脂において、R1は水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基であり、上述したR1と同様のものを例示することができる。またYは末端に二重結合を有する有機基であり、末端に二重結合を有するものであれば特に限定されるものではない。該末端に二重結合を有する有機基としては、末端にビニル基、アリル基等のアルケニル基、アリルオキシ基等のアルケニルオキシ基を含むものが例示され、上記Xの二価の有機基において、その末端が二重結合とされたものが挙げられ、例えば、下記に示す基を挙げることができる。
【化9】
これらの中でも、特にアリル基が好ましい。
【0028】
このような平均組成式(2)で表されるエポキシ樹脂の具体的な構造としては、下記式(2−i)〜(2−iii)で示されるものを挙げることができる。
【化10】
(式中、R1,k,mは上記と同様である。)
【0029】
また、k、mは0≦k≦100、0<m≦100、0<k+m≦200を満たす正数であるが、より好ましい範囲は0≦k≦10、0<m≦10、0<k+m≦20を満たす正数である。
【0030】
上記式(2)で表されるエポキシ樹脂中のエポキシ基とYの末端に二重結合を有する有機基との比率(モル比)は、エポキシ基:Y=1:2〜100:1、特に1:1〜20:1であることが好ましい。
【0031】
上記一般式(3)で示されるオルガノポリシロキサンにおいて、Rは脂肪族不飽和基を含有しない置換又は非置換の一価炭化水素基であり、上述したRと同様のものが例示でき、nは0≦n≦400、特に8≦n≦100の整数である。
【0032】
このようなオルガノポリシロキサンとして、具体的には、下記式で示されるものが挙げられる。
【化11】
(式中、Meはメチル基、Phはフェニル基である。)
【0033】
ここで、上記エポキシ樹脂と有機珪素化合物を付加反応させる場合、該エポキシ樹脂及び有機珪素化合物は、それぞれ1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
【0034】
本付加反応において、上記エポキシ樹脂と有機珪素化合物の配合割合としては、上記エポキシ樹脂中のYの末端二重結合に対する有機珪素化合物中の珪素原子に結合した水素原子(SiH基)のモル比が、0.2〜1.0モル/モル、特に0.4〜0.95モル/モルとなる量で配合することが好ましい。
【0035】
また、付加反応の方法としては、従来公知の付加反応法に準じて行うことができる。即ち、付加反応に際しては、従来公知の付加反応触媒、例えば白金黒、塩化第2白金、塩化白金酸、塩化白金酸と1価アルコールとの反応物、塩化白金酸とオレフィン類との錯体、白金ビスアセトアセテートなどの白金系触媒、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム等のパラジウム系触媒、クロロトリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム、テトラキス(トリフェニルホスフィン)ロジウム等のロジウム系触媒などの白金族金属触媒を使用することが好ましい。なお、付加反応触媒の添加量としては触媒量とすることができ、通常溶液濃度は20〜60質量%、触媒濃度は反応物に対して白金族金属換算で10〜100ppmである。
【0036】
また、上記付加反応は、有機溶媒中で行うことが望ましく、有機溶媒としては、ベンゼン、トルエン、メチルイソブチルケトン等の不活性溶媒を用いることが好ましい。
【0037】
付加反応条件は特に制限されないが、通常60〜120℃で30分〜10時間反応させることが好ましい。
【0038】
(C)成分であるシリコーン変性エポキシ樹脂の添加量は、(A)エポキシ樹脂と(B)硬化剤との総量100質量部に対し、0.1〜50質量部、特に5〜30質量部が好ましい。添加量が0.1質量部未満では耐熱衝撃性及び耐クラック性の向上が得られない場合があり、また50質量部を超えると、成形硬度が低下し、成形困難な場合がある。
【0039】
本発明のエポキシ樹脂組成物中に配合される(D)無機質充填剤としては、通常エポキシ樹脂組成物に配合されるものを使用することができる。例えば、溶融シリカ、結晶性シリカ等のシリカ類、アルミナ、窒化珪素、窒化アルミニウム、ボロンナイトライド、酸化チタン、ガラス繊維等が挙げられる。
【0040】
これら無機質充填剤の平均粒径や形状及び無機質充填剤の充填量は、特に限定されないが、難燃性、熱伝導性を高めるため、更に線膨張係数を低下させるためには、エポキシ樹脂組成物中に成形性を損なわない範囲で可能な限り多量に充填させることが好ましい。この場合、無機質充填剤の平均粒径、形状として、平均粒径5〜30μmの球状の溶融シリカが特に好ましく、また、無機質充填剤の充填量は、(A)エポキシ樹脂と(B)硬化剤との総量100質量部に対し、400〜1200質量部、特に500〜1000質量部とすることが好ましい。
【0041】
なお、本発明において、平均粒径は、例えばレーザー光回折法等による重量平均値(又はメディアン径)等として求めることができる。
【0042】
無機質充填剤は、樹脂と無機質充填剤との結合強度を強くするため、シランカップリング剤、チタネートカップリング剤などのカップリング剤で予め表面処理したものを配合することが好ましい。このようなカップリング剤としては、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等のエポキシシラン、N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノシラン、γ−メルカプトシラン等のメルカプトシランなどのシランカップリング剤を用いることが好ましい。ここで表面処理に用いるカップリング剤の配合量及び表面処理方法については、特に制限されるものではない。
【0043】
本発明のエポキシ樹脂組成物は、本発明の目的及び効果を発現できる範囲内において、難燃剤、例えばリン酸エステル、トリフェニルホスフェート、ポリリン酸アンモニウム、赤リン等のリン系化合物、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の水酸化物、ホウ酸亜鉛、スズ酸亜鉛、モリブデン酸亜鉛等の無機化合物を添加することもできる。
【0044】
本発明のエポキシ樹脂組成物には、更に必要に応じて各種の添加剤を配合することができる。例えば熱可塑性樹脂、熱可塑性エラストマー、有機合成ゴム、シリコーン系等の低応力剤、カルナバワックス、高級脂肪酸、合成ワックス等のワックス類、カーボンブラック等の着色剤、ハロゲントラップ剤等の添加剤を添加配合することができる。
【0045】
本発明のエポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂、硬化剤、シリコーン変性エポキシ樹脂、必要により無機質充填剤、及びその他の添加物を所定の組成比で配合し、これをミキサー等によって十分均一に混合した後、熱ロール、ニーダー、エクストルーダー等による溶融混合処理を行い、次いで冷却固化させ、適当な大きさに粉砕して成形材料とすることができる。
【0046】
また、本発明のエポキシ樹脂組成物は、有機溶剤を用いて混合することができる。エポキシ樹脂、硬化剤、無機質充填剤、その他の添加物を所定の組成比で配合し、有機溶剤を用いて均一に混合した後、減圧留去により有機溶剤を除き、次いで冷却固化させ、適当な大きさに粉砕して成形材料とすることができる。更に、エポキシ樹脂、硬化剤のみ有機溶剤を用いて同様に混合物を得、これに無機質充填剤、その他の添加物を加えてミキサー等によって十分均一に混合した後、熱ロール、ニーダー、エクストルーダー等による溶融混合処理を行い、次いで冷却固化させ、適当な大きさに粉砕して成形材料とすることもできる。また、ワニスとしても使用可能である。このような有機溶剤としては、例えば、トルエン、MEK、THF、アセトン等が挙げられる。
【0047】
このようにして得られる本発明のエポキシ樹脂組成物は、各種の半導体装置の封止用として有効に利用でき、この場合、封止の最も一般的な方法としては、低圧トランスファー成形法が挙げられる。なお、本発明のエポキシ樹脂組成物の成形は、温度150〜180℃で30〜180秒、後硬化は150〜180℃で2〜16時間行うことが望ましい。
【0048】
【発明の効果】
本発明のエポキシ樹脂組成物は、成形性に優れるとともに、耐熱衝撃性及び耐湿信頼性に優れた硬化物を得ることができる。また、本発明のエポキシ樹脂組成物の硬化物で封止された半導体装置は、耐熱衝撃性及び耐湿信頼性に優れたものであり、産業上特に有用である。
【0049】
【実施例】
以下に、合成例及び実施例と比較例を示し、本発明を更に具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
【0050】
[合成例1] 化合物Aの合成
リフラックスコンデンサー、温度計、攪拌機、及び滴下ロートを具備した2L四つ口フラスコ中にトルエン400g、下記式(4)で表されるアリル基含有エポキシ樹脂(エポキシ当量310)10gを入れ、窒素雰囲気下で2時間共沸脱水を行った。その後、系内を80℃まで冷却し、塩化白金触媒1.00gを加え、下記式(5)で表される有機珪素化合物48.5gをトルエン194.1gに溶解した溶液を2時間かけて滴下した。系内を90〜100℃に保ちながら6時間攪拌し、熟成した後、室温まで冷却した。その後、減圧下にて溶媒留去することにより、目的とするシリコーン変性エポキシ樹脂(化合物A)が56.2g得られた。
【0051】
【化12】
アリル基含有エポキシ樹脂組成
s=0、t=1 …55モル%
s=1、t=1 …35モル%
s=2、t=1 …10モル%
【0052】
【化13】
【0053】
得られた反応生成物の1H−NMR、IRを測定した結果、1H−NMRは−0.5−0.5,3.6−3.9,6.6−7.2,8.0−8.2ppmにピークを示し、IRは1255cm−1付近にSi−Me由来のピークを示した。また、29Si−NMRにおいても9.5ppm付近にピークを示した。これにより、下記平均組成式(6)で示される化合物Aが得られたことがわかった。
【0054】
(化合物A)
【化14】
【0055】
[実施例1〜3、比較例1,2]
表1に示す成分を熱2本ロールにて均一に溶融混合し、冷却、粉砕して半導体封止用エポキシ樹脂組成物を得た。これらの組成物につき、次の(I)〜(VI)の諸特性を測定した。結果を表2に示した。
【0056】
(I)スパイラルフロー値
EMMI規格に準じた金型を使用して、温度175℃、成形圧力6.9N/mm2、成形時間120秒の条件で測定した。
【0057】
(II)ゲル化時間
組成物のゲル化時間を175℃の熱板上で測定した。
【0058】
(III)成形硬度
JIS−K6911に準じて、温度175℃、成形圧力6.9N/mm2、成形時間90秒の条件で10×4×100mmの棒を成形したときの熱時硬度をバーコール硬度計で測定した。
【0059】
(IV)耐湿性
アルミニウム配線を形成した6×6mmの大きさのシリコンチップを14pin−DIPフレーム(42アロイ)に接着し、更にチップ表面のアルミニウム電極とリードフレームとを30μmφの金線でワイヤボンディングした後、これにエポキシ樹脂組成物を温度175℃、成形圧力6.9N/mm2、成形時間120秒の条件で成形し、180℃で4時間ポストキュアーした。このパッケージそれぞれ20個を140℃/85%RHの雰囲気中−5Vの直流バイアス電圧をかけて500時間放置した後、アルミニウム腐食が発生したパッケージ数を調べた。
【0060】
(V)高温保管信頼性
アルミニウム配線を形成した6×6mmの大きさのシリコンチップを14pin−DIPフレーム(42アロイ)に接着し、更にチップ表面のアルミニウム電極とリードフレームとを30μmφの金線でワイヤボンディングした後、これにエポキシ樹脂組成物を温度175℃、成形圧力6.9N/mm2、成形時間120秒の条件で成形し、180℃で4時間ポストキュアーした。このパッケージそれぞれ20個を200℃雰囲気中500時間放置した後、発煙硝酸で溶解、開封し、金線引張り強度を測定した。引張り強度が初期値の70%以下となったものを不良とし、不良数を調べた。
【0061】
(VI)耐熱衝撃クラック性
アルミニウム配線を形成した6×6mmの大きさのシリコンチップを14pin−DIPフレーム(42アロイ)に接着し、更にチップ表面のアルミニウム電極とリードフレームとを30μmφの金線でワイヤボンディングした後、これにエポキシ樹脂組成物を温度175℃、成形圧力6.9N/mm2、成形時間120秒の条件で成形し、180℃で4時間ポストキュアーした。このパッケージそれぞれ5個を260℃の半田浴/30秒及び−196℃/60秒の冷熱衝撃を100サイクル行い、クラックが発生したものを不良としてこの不良率(%)を調べた。
【0062】
【表1】
【0063】
エポキシ樹脂:o−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、EOCN1020−55(日本化薬製、エポキシ当量200)
硬化剤:フェノールノボラック樹脂、DL−92(明和化成製、フェノール性水酸基当量110)
シリコーン変性エポキシ樹脂:合成例1の化合物(化合物A)
無機質充填剤:球状溶融シリカ(龍森製、平均粒径20μm)
硬化触媒:トリフェニルホスフィン(北興化学製)
離型剤:カルナバワックス(日興ファインプロダクツ製)
カーボンブラック:デンカブラック(電気化学工業製)
シランカップリング剤:γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、KBM−403(信越化学工業製)
【0064】
【表2】
【0065】
表2の結果から明らかなように、本発明のエポキシ樹脂組成物は、成形性に優れ、耐熱衝撃性、耐湿信頼性に優れる硬化物を得ることができ、本発明のエポキシ樹脂組成物の硬化物で封止された半導体装置は、耐熱衝撃性、特には耐熱衝撃クラック性及び耐湿信頼性に優れるものである。
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体装置封止用として好適に用いられるエポキシ樹脂組成物及びこのエポキシ樹脂組成物の硬化物で封止された半導体装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、エポキシ樹脂は、これに硬化剤及び無機充填剤を加えた樹脂組成物として各種成形材料、粉体塗料用材料、電気絶縁材料等に広く使用され、特に最近においてはダイオード、トランジスタ、IC、LSI、超LSI等の樹脂封止型半導体装置の樹脂封止材料として多量に使用されている。これは、エポキシ樹脂が一般に他の熱硬化性樹脂に比べて成形性、接着性、電気特性、機械特性及び耐湿性等に優れているという特性を利用したものである。
【0003】
これら半導体装置は、最近ではその集積度が益々大きくなり、チップ寸法も大きくなりつつあるが、これに対してパッケージ外形寸法は、電子機器の小型化、軽量化の要求にともない、小型化、薄型化が進んでいる。更に半導体部品を回路基板に取付ける方法においても、基板上の部品の高密度化や基板の薄型化のため、半導体部品の表面実装が行われている。
【0004】
しかしながら、半導体基板を回路基板へ表面実装する場合、半導体装置全体を半田浴に浸漬するか、又は半田が溶融する温度帯を通過させる方法が一般的であるが、その際の熱衝撃により封止樹脂層にクラックが発生したり、リードフレームやチップと封止樹脂との界面に剥離が生じたりする問題があった。このようなクラックや剥離は、表面実装の熱衝撃以前に半導体装置の封止樹脂層が吸湿していると更に顕著なものとなるが、実際の作業工程においては、封止樹脂層の吸湿は避けられず、このため実装後のエポキシ樹脂で封止した半導体装置の信頼性が大きく損なわれる場合があった。
【0005】
これらの問題に対して、一般にエポキシ樹脂に可塑性のあるポリシロキサン化合物などを添加することにより成形材料の弾性率を下げ、内部応力の低減が図られている。例えば、硬化性エポキシ樹脂にオルガノポリシロキサンを添加する方法(特許文献1:特開昭56−129246号公報)、硬化性エポキシ樹脂、ポリエーテルオルガノシロキサン、及びアミノ変性オルガノポリシロキサンとエポキシ変性オルガノポリシロキサンとの反応物を主剤として用いる方法(特許文献2:特開平4−41520号公報)、エポキシ樹脂、硬化剤、ポリエーテルオルガノシロキサンと両末端エポキシ基含有ポリシロキサンの混合物にアミノシランを反応させた変性オルガノポリシロキサンを用いる方法(特許文献3:特開平2−151621号公報)、エポキシ基含有ポリエーテル変性ポリシロキサン、両末端アミノ基含有ポリシロキサン及び/又は両末端メルカプト含有ポリシロキサンを添加する方法(特許文献4:特開平2−170819号公報)等が提案されている。
【0006】
しかしながら、上記封止材のうち、ポリエーテル変性ポリシロキサンを添加しない系では、マトリックス樹脂とポリシロキサンとの相溶性が悪く、ポリシロキサンが徐々にブリードアウトするので、硬化物全体としての均一性に限界があり、大幅な低応力化は期待できず、機械的強度の低下も大きくなる。また、ポリエーテル変性ポリシロキサンを用いた系では、マトリックス樹脂に対してポリシロキサンを微分散させることができるという点では優れているものの、耐半田クラック性や流動性が悪い為に、最近の益々高密度化した半導体装置の封止に対する要求を完全に満たすことは難しい。
【0007】
このように、回路基板へ表面実装した場合でも高信頼性の半導体装置を与え得る高品質の半導体装置用エポキシ樹脂組成物の開発が望まれている。
【0008】
【特許文献1】
特開昭56−129246号公報
【特許文献2】
特開平4−41520号公報
【特許文献3】
特開平2−151621号公報
【特許文献4】
特開平2−170819号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、耐熱衝撃性、耐湿信頼性に優れる硬化物となり得、回路基板へ表面実装した場合でも高信頼性の半導体装置を与え得る半導体封止用として好適に用いられる新規なエポキシ樹脂組成物、及び該樹脂組成物の硬化物で封止した半導体装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】
本発明者等は、上記目的を達成すべく鋭意検討を行った結果、低応力剤として下記平均組成式(1)で示されるシリコーン変性エポキシ樹脂を用いたエポキシ樹脂組成物が、成形性に優れ、耐熱衝撃性及び耐湿信頼性に優れた硬化物となり得ることを見出した。
【0011】
【化2】
(式中、R1は水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基であり、Rは脂肪族不飽和基を含有しない置換又は非置換の一価炭化水素基であり、Xは二価の有機基である。k、mは0≦k≦100、0<m≦100、0<k+m≦200を満たす正数であり、nは0〜400を満たす整数である。)
【0012】
即ち、(A)エポキシ樹脂、(B)硬化剤、(C)上記平均組成式(1)で示されるシリコーン変性エポキシ樹脂、及び好ましくは(D)無機質充填剤を必須成分とするエポキシ樹脂組成物が、成形性に優れるとともに、耐熱衝撃性、耐湿信頼性に優れる硬化物となり得、また該エポキシ樹脂組成物の硬化物で封止された半導体装置が、耐熱衝撃性、特には耐熱衝撃クラック性、耐湿信頼性に優れるものであることを見出し、本発明をなすに至ったものである。
【0013】
従って、本発明は、
(A)エポキシ樹脂
(B)硬化剤
(C)下記平均組成式(1)で示されるシリコーン変性エポキシ樹脂
【化3】
(式中、R1は水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基であり、Rは脂肪族不飽和基を含有しない置換又は非置換の一価炭化水素基であり、Xは二価の有機基である。k、mは0≦k≦100、0<m≦100、0<k+m≦200を満たす正数であり、nは0〜400を満たす整数である。)
を必須成分とすることを特徴とするエポキシ樹脂組成物、及び上記エポキシ樹脂組成物の硬化物で封止した半導体装置を提供する。
【0014】
以下、本発明について更に詳しく説明する。
本発明のエポキシ樹脂組成物を構成する(A)エポキシ樹脂は特に限定されない。一般的なエポキシ樹脂としては、ノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、トリフェノールアルカン型エポキシ樹脂、アラルキル型エポキシ樹脂、ビフェニル骨格含有アラルキル型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、複素環型エポキシ樹脂、ナフタレン環含有エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ化合物、ビスフェノールF型エポキシ化合物、スチルベン型エポキシ樹脂等が挙げられ、これらのうち1種又は2種以上を併用することができる。
【0015】
上記エポキシ樹脂は、加水分解性塩素が1000ppm以下、特に500ppm以下であり、ナトリウム及びカリウムはそれぞれ10ppm以下の含有量とすることが好ましい。加水分解性塩素が1000ppmを超える、また、ナトリウム又はカリウムが10ppmを超える場合は、長時間高温高湿下に半導体装置を放置すると、耐湿性が劣化する場合がある。
【0016】
本発明に用いる(B)硬化剤も特に限定されるものではない。一般的な硬化剤としては、フェノール樹脂が好ましく、具体的には、フェノールノボラック樹脂、ナフタレン環含有フェノール樹脂、アラルキル型フェノール樹脂、トリフェノールアルカン型フェノール樹脂、ビフェニル骨格含有アラルキル型フェノール樹脂、ビフェニル型フェノール樹脂、脂環式フェノール樹脂、複素環型フェノール樹脂、ナフタレン環含有フェノール樹脂、ビスフェノールA型樹脂、ビスフェノールF型樹脂等のビスフェノール型フェノール樹脂などが挙げられ、これらのうち1種又は2種以上を併用することができる。
【0017】
上記硬化剤は、エポキシ樹脂と同様に、ナトリウム及びカリウムの含有量をそれぞれ10ppm以下とすることが好ましい。ナトリウム又はカリウムが10ppmを超える場合は、長時間高温高湿下に半導体装置を放置すると、耐湿性が劣化する場合がある。
【0018】
ここで、エポキシ樹脂、硬化剤の配合量は特に制限されないが、硬化剤としてフェノール樹脂を用いる場合、エポキシ樹脂中及び後述するシリコーン変性エポキシ樹脂中に含まれるエポキシ基1モルに対して、硬化剤に含まれるフェノール性水酸基のモル比が0.5〜1.5、特に0.8〜1.2の範囲となる量であることが好ましい。
【0019】
また、本発明において、エポキシ樹脂と硬化剤との硬化反応を促進させるため、硬化促進剤を用いることが好ましい。この硬化促進剤は、硬化反応を促進させるものであれば特に制限はなく、例えばトリフェニルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリ(p−メチルフェニル)ホスフィン、トリ(ノニルフェニル)ホスフィン、トリフェニルホスフィン・トリフェニルボラン、テトラフェニルホスフィン・テトラフェニルボレートなどのリン系化合物、トリエチルアミン、ベンジルジメチルアミン、α−メチルベンジルジメチルアミン、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7などの第3級アミン化合物、2−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾールなどのイミダゾール化合物等を使用することができる。
【0020】
硬化促進剤の配合量は有効量であるが、(A)エポキシ樹脂と(B)硬化剤との総量100質量部に対し、0.1〜5質量部、特に0.5〜2質量部とすることが好ましい。
【0021】
本発明のエポキシ樹脂組成物は、(C)下記平均組成式(1)で示されるシリコーン変性エポキシ樹脂を使用するものである。
【化4】
(式中、R1は水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基であり、Rは脂肪族不飽和基を含有しない置換又は非置換の一価炭化水素基であり、Xは二価の有機基である。k、mは0≦k≦100、0<m≦100、0<k+m≦200を満たす正数であり、nは0〜400を満たす整数である。)
【0022】
ここで、上記式中のR1は水素原子、又はメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基等の炭素数1〜4のアルキル基であり、また、Rは脂肪族不飽和基を含有しない置換又は非置換の一価炭化水素基であり、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基、デシル基等のアルキル基、フェニル基、キシリル基、トリル基等のアリール基、ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基等のアラルキル基などや、これら炭化水素基の水素原子の一部又は全部を塩素、フッ素、臭素等のハロゲン原子で置換したクロロメチル基、ブロモエチル基、トリフルオロプロピル基等のハロゲン置換一価炭化水素基などの炭素数1〜15、特に1〜10の一価炭化水素基が例示される。
【0023】
Xは二価の有機基であり、酸素原子が介在してもよいアルキレン基、アリーレン基、酸素原子が介在してもよいアルキレン基とアリーレン基とが結合した基、これらの基の水素原子の一部又は全部がハロゲン原子、水酸基等で置換された基などが挙げられ、炭素数1〜15、特に2〜10のものが好ましい。例えば、下記に示す基を挙げることができる。
【化5】
【0024】
また、k、mは0≦k≦100、0<m≦100、0<k+m≦200を満たす正数であるが、低応力化、耐熱衝撃性の面からより好ましい範囲は0≦k≦10、0<m≦10、0<k+m≦20を満たす正数である。nは0〜400を満たす整数であるが、より好ましい範囲は8〜100の整数である。
【0025】
このようなシリコーン変性エポキシ樹脂として具体的には、下記に示すものが挙げられる。
【化6】
【0026】
該シリコーン変性エポキシ樹脂の製造方法は、下記平均組成式(2)
【化7】
(式中、R1は水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基であり、Yは末端に二重結合を有する有機基である。k、mは0≦k≦100、0<m≦100、0<k+m≦200を満たす正数である。)
で表されるエポキシ樹脂のYの末端二重結合と、下記一般式(3)
【化8】
(式中、Rは脂肪族不飽和基を含有しない置換又は非置換の一価炭化水素基、nは0≦n≦400の整数である。)
で示されるオルガノポリシロキサンのSiH基とを付加反応させることにより得ることができる。
【0027】
上記平均組成式(2)で表されるエポキシ樹脂において、R1は水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基であり、上述したR1と同様のものを例示することができる。またYは末端に二重結合を有する有機基であり、末端に二重結合を有するものであれば特に限定されるものではない。該末端に二重結合を有する有機基としては、末端にビニル基、アリル基等のアルケニル基、アリルオキシ基等のアルケニルオキシ基を含むものが例示され、上記Xの二価の有機基において、その末端が二重結合とされたものが挙げられ、例えば、下記に示す基を挙げることができる。
【化9】
これらの中でも、特にアリル基が好ましい。
【0028】
このような平均組成式(2)で表されるエポキシ樹脂の具体的な構造としては、下記式(2−i)〜(2−iii)で示されるものを挙げることができる。
【化10】
(式中、R1,k,mは上記と同様である。)
【0029】
また、k、mは0≦k≦100、0<m≦100、0<k+m≦200を満たす正数であるが、より好ましい範囲は0≦k≦10、0<m≦10、0<k+m≦20を満たす正数である。
【0030】
上記式(2)で表されるエポキシ樹脂中のエポキシ基とYの末端に二重結合を有する有機基との比率(モル比)は、エポキシ基:Y=1:2〜100:1、特に1:1〜20:1であることが好ましい。
【0031】
上記一般式(3)で示されるオルガノポリシロキサンにおいて、Rは脂肪族不飽和基を含有しない置換又は非置換の一価炭化水素基であり、上述したRと同様のものが例示でき、nは0≦n≦400、特に8≦n≦100の整数である。
【0032】
このようなオルガノポリシロキサンとして、具体的には、下記式で示されるものが挙げられる。
【化11】
(式中、Meはメチル基、Phはフェニル基である。)
【0033】
ここで、上記エポキシ樹脂と有機珪素化合物を付加反応させる場合、該エポキシ樹脂及び有機珪素化合物は、それぞれ1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
【0034】
本付加反応において、上記エポキシ樹脂と有機珪素化合物の配合割合としては、上記エポキシ樹脂中のYの末端二重結合に対する有機珪素化合物中の珪素原子に結合した水素原子(SiH基)のモル比が、0.2〜1.0モル/モル、特に0.4〜0.95モル/モルとなる量で配合することが好ましい。
【0035】
また、付加反応の方法としては、従来公知の付加反応法に準じて行うことができる。即ち、付加反応に際しては、従来公知の付加反応触媒、例えば白金黒、塩化第2白金、塩化白金酸、塩化白金酸と1価アルコールとの反応物、塩化白金酸とオレフィン類との錯体、白金ビスアセトアセテートなどの白金系触媒、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム等のパラジウム系触媒、クロロトリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム、テトラキス(トリフェニルホスフィン)ロジウム等のロジウム系触媒などの白金族金属触媒を使用することが好ましい。なお、付加反応触媒の添加量としては触媒量とすることができ、通常溶液濃度は20〜60質量%、触媒濃度は反応物に対して白金族金属換算で10〜100ppmである。
【0036】
また、上記付加反応は、有機溶媒中で行うことが望ましく、有機溶媒としては、ベンゼン、トルエン、メチルイソブチルケトン等の不活性溶媒を用いることが好ましい。
【0037】
付加反応条件は特に制限されないが、通常60〜120℃で30分〜10時間反応させることが好ましい。
【0038】
(C)成分であるシリコーン変性エポキシ樹脂の添加量は、(A)エポキシ樹脂と(B)硬化剤との総量100質量部に対し、0.1〜50質量部、特に5〜30質量部が好ましい。添加量が0.1質量部未満では耐熱衝撃性及び耐クラック性の向上が得られない場合があり、また50質量部を超えると、成形硬度が低下し、成形困難な場合がある。
【0039】
本発明のエポキシ樹脂組成物中に配合される(D)無機質充填剤としては、通常エポキシ樹脂組成物に配合されるものを使用することができる。例えば、溶融シリカ、結晶性シリカ等のシリカ類、アルミナ、窒化珪素、窒化アルミニウム、ボロンナイトライド、酸化チタン、ガラス繊維等が挙げられる。
【0040】
これら無機質充填剤の平均粒径や形状及び無機質充填剤の充填量は、特に限定されないが、難燃性、熱伝導性を高めるため、更に線膨張係数を低下させるためには、エポキシ樹脂組成物中に成形性を損なわない範囲で可能な限り多量に充填させることが好ましい。この場合、無機質充填剤の平均粒径、形状として、平均粒径5〜30μmの球状の溶融シリカが特に好ましく、また、無機質充填剤の充填量は、(A)エポキシ樹脂と(B)硬化剤との総量100質量部に対し、400〜1200質量部、特に500〜1000質量部とすることが好ましい。
【0041】
なお、本発明において、平均粒径は、例えばレーザー光回折法等による重量平均値(又はメディアン径)等として求めることができる。
【0042】
無機質充填剤は、樹脂と無機質充填剤との結合強度を強くするため、シランカップリング剤、チタネートカップリング剤などのカップリング剤で予め表面処理したものを配合することが好ましい。このようなカップリング剤としては、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等のエポキシシラン、N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノシラン、γ−メルカプトシラン等のメルカプトシランなどのシランカップリング剤を用いることが好ましい。ここで表面処理に用いるカップリング剤の配合量及び表面処理方法については、特に制限されるものではない。
【0043】
本発明のエポキシ樹脂組成物は、本発明の目的及び効果を発現できる範囲内において、難燃剤、例えばリン酸エステル、トリフェニルホスフェート、ポリリン酸アンモニウム、赤リン等のリン系化合物、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の水酸化物、ホウ酸亜鉛、スズ酸亜鉛、モリブデン酸亜鉛等の無機化合物を添加することもできる。
【0044】
本発明のエポキシ樹脂組成物には、更に必要に応じて各種の添加剤を配合することができる。例えば熱可塑性樹脂、熱可塑性エラストマー、有機合成ゴム、シリコーン系等の低応力剤、カルナバワックス、高級脂肪酸、合成ワックス等のワックス類、カーボンブラック等の着色剤、ハロゲントラップ剤等の添加剤を添加配合することができる。
【0045】
本発明のエポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂、硬化剤、シリコーン変性エポキシ樹脂、必要により無機質充填剤、及びその他の添加物を所定の組成比で配合し、これをミキサー等によって十分均一に混合した後、熱ロール、ニーダー、エクストルーダー等による溶融混合処理を行い、次いで冷却固化させ、適当な大きさに粉砕して成形材料とすることができる。
【0046】
また、本発明のエポキシ樹脂組成物は、有機溶剤を用いて混合することができる。エポキシ樹脂、硬化剤、無機質充填剤、その他の添加物を所定の組成比で配合し、有機溶剤を用いて均一に混合した後、減圧留去により有機溶剤を除き、次いで冷却固化させ、適当な大きさに粉砕して成形材料とすることができる。更に、エポキシ樹脂、硬化剤のみ有機溶剤を用いて同様に混合物を得、これに無機質充填剤、その他の添加物を加えてミキサー等によって十分均一に混合した後、熱ロール、ニーダー、エクストルーダー等による溶融混合処理を行い、次いで冷却固化させ、適当な大きさに粉砕して成形材料とすることもできる。また、ワニスとしても使用可能である。このような有機溶剤としては、例えば、トルエン、MEK、THF、アセトン等が挙げられる。
【0047】
このようにして得られる本発明のエポキシ樹脂組成物は、各種の半導体装置の封止用として有効に利用でき、この場合、封止の最も一般的な方法としては、低圧トランスファー成形法が挙げられる。なお、本発明のエポキシ樹脂組成物の成形は、温度150〜180℃で30〜180秒、後硬化は150〜180℃で2〜16時間行うことが望ましい。
【0048】
【発明の効果】
本発明のエポキシ樹脂組成物は、成形性に優れるとともに、耐熱衝撃性及び耐湿信頼性に優れた硬化物を得ることができる。また、本発明のエポキシ樹脂組成物の硬化物で封止された半導体装置は、耐熱衝撃性及び耐湿信頼性に優れたものであり、産業上特に有用である。
【0049】
【実施例】
以下に、合成例及び実施例と比較例を示し、本発明を更に具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
【0050】
[合成例1] 化合物Aの合成
リフラックスコンデンサー、温度計、攪拌機、及び滴下ロートを具備した2L四つ口フラスコ中にトルエン400g、下記式(4)で表されるアリル基含有エポキシ樹脂(エポキシ当量310)10gを入れ、窒素雰囲気下で2時間共沸脱水を行った。その後、系内を80℃まで冷却し、塩化白金触媒1.00gを加え、下記式(5)で表される有機珪素化合物48.5gをトルエン194.1gに溶解した溶液を2時間かけて滴下した。系内を90〜100℃に保ちながら6時間攪拌し、熟成した後、室温まで冷却した。その後、減圧下にて溶媒留去することにより、目的とするシリコーン変性エポキシ樹脂(化合物A)が56.2g得られた。
【0051】
【化12】
アリル基含有エポキシ樹脂組成
s=0、t=1 …55モル%
s=1、t=1 …35モル%
s=2、t=1 …10モル%
【0052】
【化13】
【0053】
得られた反応生成物の1H−NMR、IRを測定した結果、1H−NMRは−0.5−0.5,3.6−3.9,6.6−7.2,8.0−8.2ppmにピークを示し、IRは1255cm−1付近にSi−Me由来のピークを示した。また、29Si−NMRにおいても9.5ppm付近にピークを示した。これにより、下記平均組成式(6)で示される化合物Aが得られたことがわかった。
【0054】
(化合物A)
【化14】
【0055】
[実施例1〜3、比較例1,2]
表1に示す成分を熱2本ロールにて均一に溶融混合し、冷却、粉砕して半導体封止用エポキシ樹脂組成物を得た。これらの組成物につき、次の(I)〜(VI)の諸特性を測定した。結果を表2に示した。
【0056】
(I)スパイラルフロー値
EMMI規格に準じた金型を使用して、温度175℃、成形圧力6.9N/mm2、成形時間120秒の条件で測定した。
【0057】
(II)ゲル化時間
組成物のゲル化時間を175℃の熱板上で測定した。
【0058】
(III)成形硬度
JIS−K6911に準じて、温度175℃、成形圧力6.9N/mm2、成形時間90秒の条件で10×4×100mmの棒を成形したときの熱時硬度をバーコール硬度計で測定した。
【0059】
(IV)耐湿性
アルミニウム配線を形成した6×6mmの大きさのシリコンチップを14pin−DIPフレーム(42アロイ)に接着し、更にチップ表面のアルミニウム電極とリードフレームとを30μmφの金線でワイヤボンディングした後、これにエポキシ樹脂組成物を温度175℃、成形圧力6.9N/mm2、成形時間120秒の条件で成形し、180℃で4時間ポストキュアーした。このパッケージそれぞれ20個を140℃/85%RHの雰囲気中−5Vの直流バイアス電圧をかけて500時間放置した後、アルミニウム腐食が発生したパッケージ数を調べた。
【0060】
(V)高温保管信頼性
アルミニウム配線を形成した6×6mmの大きさのシリコンチップを14pin−DIPフレーム(42アロイ)に接着し、更にチップ表面のアルミニウム電極とリードフレームとを30μmφの金線でワイヤボンディングした後、これにエポキシ樹脂組成物を温度175℃、成形圧力6.9N/mm2、成形時間120秒の条件で成形し、180℃で4時間ポストキュアーした。このパッケージそれぞれ20個を200℃雰囲気中500時間放置した後、発煙硝酸で溶解、開封し、金線引張り強度を測定した。引張り強度が初期値の70%以下となったものを不良とし、不良数を調べた。
【0061】
(VI)耐熱衝撃クラック性
アルミニウム配線を形成した6×6mmの大きさのシリコンチップを14pin−DIPフレーム(42アロイ)に接着し、更にチップ表面のアルミニウム電極とリードフレームとを30μmφの金線でワイヤボンディングした後、これにエポキシ樹脂組成物を温度175℃、成形圧力6.9N/mm2、成形時間120秒の条件で成形し、180℃で4時間ポストキュアーした。このパッケージそれぞれ5個を260℃の半田浴/30秒及び−196℃/60秒の冷熱衝撃を100サイクル行い、クラックが発生したものを不良としてこの不良率(%)を調べた。
【0062】
【表1】
【0063】
エポキシ樹脂:o−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、EOCN1020−55(日本化薬製、エポキシ当量200)
硬化剤:フェノールノボラック樹脂、DL−92(明和化成製、フェノール性水酸基当量110)
シリコーン変性エポキシ樹脂:合成例1の化合物(化合物A)
無機質充填剤:球状溶融シリカ(龍森製、平均粒径20μm)
硬化触媒:トリフェニルホスフィン(北興化学製)
離型剤:カルナバワックス(日興ファインプロダクツ製)
カーボンブラック:デンカブラック(電気化学工業製)
シランカップリング剤:γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、KBM−403(信越化学工業製)
【0064】
【表2】
【0065】
表2の結果から明らかなように、本発明のエポキシ樹脂組成物は、成形性に優れ、耐熱衝撃性、耐湿信頼性に優れる硬化物を得ることができ、本発明のエポキシ樹脂組成物の硬化物で封止された半導体装置は、耐熱衝撃性、特には耐熱衝撃クラック性及び耐湿信頼性に優れるものである。
Claims (4)
- (A)エポキシ樹脂と(B)硬化剤との総量100質量部に対し、(C)シリコーン変性エポキシ樹脂の添加量が0.1〜50質量部であることを特徴とする請求項1記載のエポキシ樹脂組成物。
- 更に、(D)無機質充填剤を(A)エポキシ樹脂と(B)硬化剤との総量100質量部に対して400〜1200質量部配合してなることを特徴とする請求項1又は2記載のエポキシ樹脂組成物。
- 請求項1,2又は3記載のエポキシ樹脂組成物の硬化物で封止した半導体装置。
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JP2003160851A JP2004359855A (ja) | 2003-06-05 | 2003-06-05 | エポキシ樹脂組成物及び半導体装置 |
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WO2020215975A1 (zh) * | 2019-04-25 | 2020-10-29 | Oppo广东移动通信有限公司 | 外壳及其制作方法、改性环氧树脂、环氧树脂板和电子设备 |
JP2022066237A (ja) * | 2016-07-29 | 2022-04-28 | 住友ベークライト株式会社 | 半導体封止用エポキシ樹脂組成物および半導体装置 |
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2003
- 2003-06-05 JP JP2003160851A patent/JP2004359855A/ja active Pending
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