JP2008069282A - 等速ジョイント用グリース組成物および等速ジョイント - Google Patents

等速ジョイント用グリース組成物および等速ジョイント Download PDF

Info

Publication number
JP2008069282A
JP2008069282A JP2006249662A JP2006249662A JP2008069282A JP 2008069282 A JP2008069282 A JP 2008069282A JP 2006249662 A JP2006249662 A JP 2006249662A JP 2006249662 A JP2006249662 A JP 2006249662A JP 2008069282 A JP2008069282 A JP 2008069282A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
constant velocity
velocity joint
grease composition
oil
meth
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2006249662A
Other languages
English (en)
Inventor
Takayuki Kawamura
隆之 川村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NTN Corp
Original Assignee
NTN Corp
NTN Toyo Bearing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NTN Corp, NTN Toyo Bearing Co Ltd filed Critical NTN Corp
Priority to JP2006249662A priority Critical patent/JP2008069282A/ja
Publication of JP2008069282A publication Critical patent/JP2008069282A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Lubricants (AREA)

Abstract

【課題】低温時の回転抵抗変動を低減する等速ジョイント用グリース組成物および該グリース組成物を封入した等速ジョイントを提供する。
【解決手段】基油と増ちょう剤と添加剤とを含む等速ジョイント用グリース組成物であって、基油は鉱油を必須成分とし、増ちょう剤は下記(1)式で表されるジウレア系増ちょう剤であり、添加剤は少なくともポリ(メタ)アクリレートを含み、等速ジョイント1は上記の等速ジョイント用グリース組成物10がボール(転動体)6の周囲に封入されてなる。
Figure 2008069282

(式中、R1 とR2 は同一もしくは異なる、炭素数 8〜20 のアルキル基を表す。)
【選択図】図1

Description

本発明は、低温時のすべり摩擦特性に優れた組成物、特に、等速ジョイントの低温時の回転抵抗変動を低減する等速ジョイント用グリース組成物およびこれを封入した等速ジョイントに関する。詳しくは、自動車用ドライブシャフトに使用されている固定型等速ジョイントまたはスライド型等速ジョイントの低温時の回転抵抗変動を低減するのに好適な等速ジョイント用グリース組成物及びこれを封入した等速ジョイントに関する。
今日、自動車産業界においては、軽量化及び居住空間の確保の観点から、FF車の生産が増加している。また、その機能性の観点から4WD車も増加している。これらFF車や4WD車では、前輪にて動力の伝達と操舵を行うため、例えば、ハンドルを一杯に切った状態でも円滑な動力伝達が必要であり、交差する二軸間で交差角が種々変化しても回転運動を等速で伝達する部品として等速ジョイントが不可欠である。
近年、自動車の高性能化がますます進み、高出力車が増加していることから、等速ジョイントにかかる負荷も増大し、その潤滑条件がより過酷になる傾向がある。一方で、自動車の乗り心地の向上もさらに高度なレベルを要求される傾向にある。その乗り心地の向上は、厳暑地から厳寒地に至るまで、あらゆる気候の地域において必要とされる。
厳寒地では、極低温状態で自動車を始動させることも考えられる。この条件下において、等速ジョイントが回転する際に、等速ジョイントを構成する部品間の摩擦抵抗の違いから回転抵抗に変動が生じる場合がある。回転抵抗に変動が生じると、スティックスリップ音を発生させる場合があり、乗り心地を低下させる要因になる。
従来、潤滑剤としては基油として鉱物油、添加剤としてモリブデン化合物を含有する等速ジョイント用グリース組成物が開示されている(例えば特許文献1および2参照)。しかし、極低温時に種々の要因が重なりあった際には、これらの等速ジョイント用グリース組成物では回転抵抗変動を低減する性能が不十分となる場合があり、より安定した性能への改善が望まれる。
特開平10−273692 特開2003−165988
本発明は、このような問題に対処すべくなされたものであり、低温時のすべり摩擦特性、特に、等速ジョイントの低温時の回転抵抗変動を低減する等速ジョイント用グリース組成物および該グリース組成物を封入した等速ジョイントを提供することを目的とする。
本発明の等速ジョイント用グリース組成物は、基油と増ちょう剤と添加剤とを含む等速ジョイント用グリース組成物であって、上記基油は鉱油を必須成分とし、上記増ちょう剤は下記(1)式で表されるジウレア系増ちょう剤であり、上記添加剤は少なくともポリ(メタ)アクリレートを含むことを特徴とする。
Figure 2008069282
(式中、R1 とR2 は同一もしくは異なる、炭素数 8〜20 のアルキル基を表す。)
なお、ポリ(メタ)アクリレートとは、ポリメタクリレート、ポリアクリレート、またはポリメタクリレートおよびポリアクリレートの混合物をいう。
上記等速ジョイント用グリース組成物中に占める上記ポリ(メタ)アクリレートの配合割合が 3〜10 重量%であることを特徴とする。また、上記添加剤が、ジチオリン酸亜鉛化合物を含むことを特徴とする。
上記基油に 40℃における動粘度が 40 mm2/sec 以上でかつ、流動点が−40℃以下の合成油を配合したことを特徴とする。また、上記合成油は、合成炭化水素油、エーテル油またはエステル油であることを特徴とする。
本発明の等速ジョイントは、外輪および内輪に設けられたトラック溝と転動体との係り合いによって回転トルクが伝達され、上記転動体が上記トラック溝に沿って転動することによって軸方向移動がなされ、上記転動体の周囲にグリース組成物が封入されてなる等速ジョイントであって、上記グリース組成物が低温時の摩擦特性に優れた上記本発明のグリース組成物であることを特徴とする。
また、上記転動体が球体であることを特徴とする。
また、上記等速ジョイントが固定型等速ジョイントであることを特徴とする。
また、上記等速ジョイントがスライド型等速ジョイントであることを特徴とする。
本発明の等速ジョイント用グリース組成物は、基油と増ちょう剤と添加剤とを含む等速ジョイント用グリース組成物であって、基油は鉱油を必須成分とし、増ちょう剤は上記(1)式で表されるジウレア系増ちょう剤であり、添加剤は少なくともポリ(メタ)アクリレートを含むので、自動車用ドライブシャフトに使用されている固定型等速ジョイントまたはスライド型等速ジョイントなどの等速ジョイントの低温時における回転抵抗変動を低減させることができる。
本発明の等速ジョイントは、上記等速ジョイント用グリース組成物が封入されてなるので、低温時における回転抵抗変動を低減させることができ、厳寒地においても円滑な作動が可能となり、自動車の乗り心地の向上等が図れる。
本発明は特定の成分を含有してなる等速ジョイント用グリース組成物が上記課題を達成し得るという知見に基づいてなされたものである。本発明の等速ジョイント用グリース組成物が低温時の回転抵抗変動の低減効果に優れている理由としては、増ちょう剤として特定のウレア化合物、基油として特定の合成油を使用し、添加剤としてポリ(メタ)アクリレートを添加したことにより低温時の流動性、粘性および潤滑性等が最適化され回転抵抗変動が低減したものと考えられる。
近年の経済発展に伴い、等速ジョイントの使用環境が拡大し、要求性能も多様化してきている中、厳寒地における等速ジョイントの円滑な作動も重要視される。しかし、低温時の回転抵抗変動を十分低減することが可能な等速ジョイント用グリース組成物は未だに提案されていない。このような状況下において、本発明の低温時の回転抵抗変動を低減する等速ジョイント用グリース組成物は極めて有用な発明といえる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の等速ジョイント用グリース組成物とは、等速ジョイントに用いるためのグリース状組成物をいう。ここで、等速ジョイントとは、交差する二軸間で交差角が種々変化しても回転運動を等速度で伝達する部品をいう。また、グリースとは基油中に増ちょう剤を分散させて半固体または固体状にしたものをいう。
まず、本発明に使用するジウレア系増ちょう剤は、下記(1)式で表されるものである。
Figure 2008069282
(式中、R1 とR2 は同一もしくは異なる、炭素数 8〜20 のアルキル基を表す。)
ジウレア系増ちょう剤は、例えば、所定のジイソシアネートと、所定のモノアミンとを反応させることにより得ることができる。ジイソシアネートは、具体的には、ジフェニルメタン-4,4-ジイソシアネートである。
モノアミンとしては、脂肪族アミン、芳香族アミン、脂環式アミン、またはこれらの混合物が挙げられる。脂肪族アミンの具体例としては、オクチルアミン、ドデシルアミン、ヘキサデシルアミン、オクタデシルアミン、およびオレイルアミンが挙げられる。芳香族アミンの具体例としては、アニリンおよびp-トルイジンが挙げられる。脂環式アミンの具体例としては、シクロヘキシルアミンが挙げられる。
上述したモノアミンのうち、オクチルアミン、ドデシルアミン、ヘキサデシルアミン、オクタデシルアミン、またはこれらの混合物を用いて得られるジウレア系増ちょう剤が好ましい。
グリース組成物全体に占めるジウレア系増ちょう剤の含有量(重量%)は、その種類により異なる。本発明の等速ジョイント用グリース組成物のちょう度は、250〜350 の範囲にあるのが好適であり、従って、成分のジウレア系増ちょう剤の含有量は、このようなちょう度を得るのに必要な量であるのが好ましい。
グリース組成物全体に占めるジウレア系増ちょう剤の含有量は、例えば、1〜20 重量%とすることができ、2〜20 重量%とするのが好ましいが、これらに限定されるわけではない。
本発明に使用されるポリメタクリレートまたはポリアクリレートは、潤滑剤の流動点降下剤として市販されているものであり、特に好ましいものは、重量平均分子量が2万〜150万のものである。
具体例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、テトラデシル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート、イコシル(メタ)アクリレート、ドコシル(メタ)アクリレート、テトラコシル(メタ)アクリレート、オクタコシル(メタ)アクリレート及びトリアコンチル(メタ)アクリレートの重合体または共重合体などが挙げられる。これらの化合物を単独で、またはいずれか 2 種類以上を混合して用いてもよい。
グリース組成物全体に占めるポリメタクリレートまたはポリアクリレートの含有量は、3〜10 重量%とすることが好ましい。3 重量%未満であると低温特性が不十分であり、10 重量%をこえても、それ以上の低温特性の改良は見込めず、コストも上昇する。
本発明に使用される基油は、鉱油を必須成分とする。必要に応じて、エステル油、エーテル油または合成炭化水素油等の合成油を混合して使用できる。
具体的には、エーテル油としてはジアルキルジフェニルエーテル油、アルキルトリフェニルエーテル油、アルキルテトラフェニルエーテル油等を、エステル油としてはジエステル油、ポリオールエステル油またはこれらのコンプレックスエステル油、芳香族エステル油等を挙げることができる。合成炭化水素油としてはポリ-α-オレフィン(以下、PAOと記す)油等を挙げることができる。中でも、潤滑性能並びに潤滑寿命を考慮すると、アルキルジフェニルエーテル油、エステル油、PAO油の合成油が含有されることが望ましい。
また、低温性能および潤滑性能が低下しないためには、流動点が−40℃以下であるもの、40℃における動粘度が 40 mm2/sec 以上のものが好ましい。
グリース組成物全体に占める基油(混合油の場合は合計)の含有量としては、例えば、5〜40 重量%とすることができ、10〜40 重量%とするのが好ましいが、これらに限定されるわけではない。
本発明に使用する成分のジチオリン酸亜鉛化合物は、ジアルキルジチオリン酸亜鉛、ジアリールジチオリン酸亜鉛等である。
グリース組成物全体に占めるジチオリン酸亜鉛化合物の含有量は、好ましくは 0.1〜10 重量%であり、さらに好ましくは 0.5〜5 重量%である。
本発明の等速ジョイント用グリース組成物には、上記成分に加えて、他の極圧剤、酸化防止剤、防錆剤、金属不活性化剤、油性剤等、従来より等速ジョイント用グリース組成物に使用される添加剤を含有させることができる。
[極圧剤]
従来公知の極圧剤を併用することにより、耐荷重性や極圧性を向上させることができる。例えば以下の化合物を使用することができる。有機金属系のものとしては、ジチオカルバミン酸モリブデン、ジチオリン酸モリブデン等の有機モリブデン化合物、ジチオカルバミン酸亜鉛、亜鉛フェネート等の有機亜鉛化合物、ジチオカルバミン酸アンチモン、ジチオリン酸アンチモン等の有機アンチモン化合物、ジチオカルバミン酸セレン等の有機セレン化合物、ナフテン酸ビスマス、ジチオカルバミン酸ビスマス等の有機ビスマス化合物、ジチオカルバミン酸鉄、オクチル酸鉄等の有機鉄化合物、ジチオカルバミン酸銅、ナフテン酸銅等の有機銅化合物、ナフテン酸鉛、ジチオカルバミン酸鉛等の有機鉛化合物、マレイン酸スズ、ジブチルスズスルファイド等の有機スズ化合物、あるいは、アルカリ金属、アルカリ土類金属の有機スルホネート、フェネート、ホスホネート、金、銀、チタン、カドミウム等の有機金属化合物も必要なら使用できる。硫黄系化合物としては、ジベンジルジスルフィド等のスルフィドあるいはポリスルフィド化合物、硫化油脂類、無灰系カルバミン酸化合物類、チオウレア系化合物、もしくはチオカーボネート類等を使用ことができる。リン酸系極圧剤としては、トリオクチルフォスフェート、トリクレジルフォスフェート等のリン酸エステル、酸性リン酸エステル、亜リン酸エステル、酸性亜リン酸エステル等のリン酸エステル系化合物を使用することができる。また、その他、塩素化パラフィン等のハロゲン系の極圧剤、あるいは、二硫化モリブデン、二硫化タングステン、グラファイト、PTFE、硫化アンチモン、窒化硼素などの硼素化合物等の固体潤滑剤を使用することができる。これらの極圧剤の中で、ジチオカルバミン酸系化合物やジチオリン酸系化合物を好適に使用できる。
[酸化防止剤]
酸化防止剤としてゴム、プラスチック、潤滑油等に添加する老化防止剤、オゾン劣化防止剤、酸化防止剤から適宜選択して使用することができる。例えば、以下の化合物を使用することができる。即ち、フェニル-1-ナフチルアミン、フェニル-2-ナフチルアミン、ジフェニル-p-フェニレンジアミン、ジピリジルアミン、フェノチアジン、N-メチルフェノチアジン、N-エチルフェノチアジン、3,7-ジオクチルフェノチアジン、p,p′-ジオクチルジフェニルアミン、N,N′-ジイソプロピル-p-フェニレンジアミン、N,N′-ジ-sec-ブチル-p-フェニレンジアミン等のアミン系化合物、2,6-ジ-tert-ジブチルフェノール等のフェノール系化合物等を使用することができる。
[防錆剤・金属不活性化剤]
防錆剤として、例えば以下の化合物を使用することができる。即ち、有機スルホン酸のアンモニウム塩、バリウム、亜鉛、カルシウム、マグネシウム等アルカリ金属、アルカリ土類金属の有機スルホン酸塩、有機カルボン酸塩、フェネート、ホスホネート、アルキルもしくはアルケニルこはく酸エステル等のアルキル、アルケニルこはく酸誘導体、ソルビタンモノオレエート等の多価アルコールの部分エステル、オレオイルザルコシン等のヒドロキシ脂肪酸類、1-メルカプトステアリン酸等のメルカプト脂肪酸類あるいはその金属塩、ステアリン酸等の高級脂肪酸類、イソステアリルアルコール等の高級アルコール類、高級アルコールと高級脂肪酸とのエステル、2,5-ジメルカプト-1,3,4-チアジアゾール、2-メルカプトチアジアゾール等のチアゾール類、2-(デシルジチオ)-ベンゾイミダゾール、ベンズイミダゾール等のイミダゾール系化合物、あるいは、2,5-ビス(ドデシルジチオ)ベンズイミダゾール等のジスルフィド系化合物、あるいは、トリスノニルフェニルフォスファイト等のリン酸エステル類、ジラウリルチオプロピオネート等のチオカルボン酸エステル系化合物等を使用することができる。また、金属表面を不動態化させる、亜硝酸塩、硝酸塩、クロム酸塩、リン酸塩、モリブデン酸塩、タングステン酸塩等の腐食抑制剤も使用することができる。金属不活性化剤として、例えばベンゾトリアゾールやトリルトリアゾール等のトリアゾール系化合物を使用することができる。
[油性剤]
油性剤として、例えば以下の化合物を使用することができる。即ち、オレイン酸やステアリン酸等の脂肪酸、オレイルアルコール等の脂肪酸アルコール、ポリオキシエチレンステアリン酸エステルやポリグリセリルオレイン酸エステル等の脂肪酸エステル、リン酸、トリクレジルホスフェート、ラウリル酸エステルまたはポリオキシエチレンオレイルエーテルリン酸等のリン酸エステル等を使用することができる。
本発明に係る等速ジョイントのトルク伝達部材が球体である等速ジョイントとは、例えば、ツェッパ型、バーフィールド型などの固定型等速ジョイントやダブルオフセット型、クロスグルーブ型などのスライド型等速ジョイントなどが挙げられる。これらは、トルク伝達部材としてボールを用い、等速ジョイントの外輪および内輪に形成されたトラック上に配置され、ケージを介して組み込まれる構造を成している。
また、トルク伝達部材が球面ローラであるスライド型等速ジョイントとしてトリポード型等速ジョイントを挙げることができる。
本発明に係る等速ジョイントの作動については、固定型等速ジョイントでは45度以上の大きな作動角を取ることが可能である。またスライド型等速ジョイントでは固定型等速ジョイントほど大きな作動角を取ることはできないが、軸線方向にスライドすることが可能である。
本発明の等速ジョイントを図1〜図3に基づいて説明する。図1はツェッパ型等速ジョイントの一部切欠断面図を、図2はダブルオフセット型等速ジョイントの一部切欠断面図を、図3はトリポード型等速ジョイントの一部切欠断面図を、それぞれ示す。
図1に示すように、ツェッパ型等速ジョイント1は外輪2の内面および球形内輪3の外面に軸方向の六本のトラック溝4、5を等角度に形成し、そのトラック溝4、5間に組み込んだボール6をケージ7で支持し、このケージ7の外周を球面7aとし、かつ内周を内輪3の外周に適合する球面7bとしている。
また、外輪2の外周とシャフト8の外周とをブーツ9で覆い、外輪2と、球形内輪3と、トラック溝4、5と、ボール6と、ケージ7と、シャフト8とに囲まれた空間に等速ジョイント用グリース組成物10が封入されている。
図2に示すように、ダブルオフセット型等速ジョイント11は外輪12の内面および球形内輪13の外面に軸方向の六本のトラック溝14、15を等角度に形成し、そのトラック溝14、15間に組み込んだボール16をケージ17で支持し、このケージ17の外周を球面17aとし、かつ内周を内輪13の外周に適合する球面17bとし、各球面17a、17bの中心(イ)、(ロ)を外輪12の軸心上において軸方向に位置をずらしてある。
また、外輪12の外周とシャフト18の外周とをブーツ19で覆い、外輪12と、球形内輪13と、トラック溝14、15と、ボール16と、ケージ17と、シャフト18とに囲まれた空間に等速ジョイント用グリース組成物20が封入されている。
図3に示すように、トリポード型等速ジョイント21は外輪22の内面に軸方向の三本の円筒形トラック溝23を等角度に形成し、外輪22の内側に組み込んだトリポード部材24には三本の脚軸25を設け、各脚軸25の外側に球面ローラ26を嵌合し、その球面ローラ26と脚軸25との間にニードル27を組み込んで球面ローラ26を回転可能に、かつ軸方向にスライド可能に支持し、その球面ローラ26を上記トラック溝23に嵌合してある。
また、外輪22の外周とシャフト28の外周とをブーツ29で覆い、外輪22と、トラック溝23と、トリポード部材24と、シャフト28とに囲まれた空間に等速ジョイント用グリース組成物30が封入されている。
以下、実施例によって本発明をさらに詳述するが、下記実施例は本発明を制限するものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更実施することは全て本発明の技術範囲に包含されている。
実施例1〜実施例6および比較例1〜比較例4
鉱油中で、ジフェニルメタン‐4,4‐ジイソシアナート(1モル)、オクチルアミン(2モル)を反応させ、生成したジウレア系化合物を均一に分散させてベースグリースを得た。このベースグリースに、表1に示す配合となるように基油と添加剤を加え、三段ロールミルにて混練し、JIS K 2220 混和ちょう度グレードNO.2に調整した。
得られたグリースについて低温時(−15℃)の摩擦係数を測定するため、以下に示すSRV摩擦摩耗試験を行なった。結果を表1に併記する。
[SRV摩擦摩耗試験]
テストピース: ボール 直径 10 mm(SUJ2)
円筒プレート 直径 24 mm×7.85 mm(S53C)
評価条件: 点接触面圧 2GPa
周波数 15 Hz
振幅 0.8 mm
時間 30 min.
試験温度 −15℃
測定項目: 摩擦係数(測定時間内で一定となった値)の平均値
Figure 2008069282
表1に示すように、本発明の実施例1〜実施例6のグリース組成物は、低温時の摩擦係数が低いことがわかる。よって、特に等速ジョイント用途として、低温時の回転抵抗変動を低減するのに非常に優れた性能が期待できる。
本発明の等速ジョイント用グリース組成物は、低温時における回転抵抗変動を低減することができるので、寒冷時における自動車等の等速ジョイントに好適に利用できる。
本発明の一実施例に係る等速ジョイントの断面図である。 本発明の他の実施例に係る等速ジョイントの断面図である。 本発明の他の実施例に係る等速ジョイントの断面図である。
符号の説明
1、11、21 等速ジョイント
2、12、22 外輪
3、13、 内輪
4、5、14、15、23 トラック溝
6、16、 ボール(転動体)
7、17、 ケージ
7a、17a 球面
7b、17b 球面
8、18、28 シャフト
9、19、29 ブーツ
10、20、30 等速ジョイント用グリース組成物
24 トリポード部材
25 脚軸
26 球面ローラ
27 ニードル

Claims (9)

  1. 基油と増ちょう剤と添加剤とを含む等速ジョイント用グリース組成物であって、前記基油は鉱油を必須成分とし、前記増ちょう剤は下記(1)式で表されるジウレア系増ちょう剤であり、前記添加剤は少なくともポリ(メタ)アクリレートを含むことを特徴とする等速ジョイント用グリース組成物。
    Figure 2008069282
    (式中、R1 とR2 は同一もしくは異なる、炭素数 8〜20 のアルキル基を表す。)
  2. 前記等速ジョイント用グリース組成物中に占める前記ポリ(メタ)アクリレートの配合割合が 3〜10 重量%であることを特徴とする請求項1記載の等速ジョイント用グリース組成物。
  3. 前記添加剤が、ジチオリン酸亜鉛化合物を含むことを特徴とする請求項1または請求項2記載の等速ジョイント用グリース組成物。
  4. 前記基油に 40℃における動粘度が 40 mm2/sec 以上でかつ、流動点が−40℃以下の合成油を配合したことを特徴とする請求項1、請求項2または請求項3記載の等速ジョイント用グリース組成物。
  5. 前記合成油は、合成炭化水素油、エーテル油またはエステル油であることを特徴とする請求項4記載の等速ジョイント用グリース組成物。
  6. 外輪および内輪に設けられたトラック溝と転動体との係り合いによって回転トルクが伝達され、前記転動体が前記トラック溝に沿って転動することによって軸方向移動がなされ、前記転動体の周囲にグリース組成物が封入されてなる等速ジョイントであって、
    前記グリース組成物が、請求項1ないし請求項5のいずれか一項記載の等速ジョイント用グリース組成物であることを特徴とする等速ジョイント。
  7. 前記転動体が、球体であることを特徴とする請求項6記載の等速ジョイント。
  8. 前記等速ジョイントが、固定型等速ジョイントであることを特徴とする請求項6または請求項7記載の等速ジョイント。
  9. 前記等速ジョイントが、スライド型等速ジョイントであることを特徴とする請求項6または請求項7記載の等速ジョイント。
JP2006249662A 2006-09-14 2006-09-14 等速ジョイント用グリース組成物および等速ジョイント Pending JP2008069282A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006249662A JP2008069282A (ja) 2006-09-14 2006-09-14 等速ジョイント用グリース組成物および等速ジョイント

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006249662A JP2008069282A (ja) 2006-09-14 2006-09-14 等速ジョイント用グリース組成物および等速ジョイント

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2008069282A true JP2008069282A (ja) 2008-03-27

Family

ID=39291154

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006249662A Pending JP2008069282A (ja) 2006-09-14 2006-09-14 等速ジョイント用グリース組成物および等速ジョイント

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2008069282A (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2010027019A1 (ja) * 2008-09-05 2010-03-11 Ntn株式会社 グリース組成物、該グリース組成物を封入した転がり軸受および自在継手
JP2010059369A (ja) * 2008-09-05 2010-03-18 Ntn Corp グリース組成物、該グリース組成物を封入した転がり軸受および自在継手
JP2010084142A (ja) * 2008-09-05 2010-04-15 Ntn Corp グリース組成物および該グリース組成物を封入した転がり軸受
WO2012017815A1 (ja) * 2010-08-05 2012-02-09 Ntn株式会社 固定式等速自在継手
WO2013093104A1 (en) 2011-12-22 2013-06-27 Shell Internationale Research Maatschappij B.V. Grease composition
CN105953063A (zh) * 2016-06-13 2016-09-21 耐世特凌云驱动系统(芜湖)有限公司 驱动轴自动注油装置
WO2017222018A1 (ja) * 2016-06-23 2017-12-28 Jxtgエネルギー株式会社 等速ジョイント用グリース組成物およびそれを封入した等速ジョイント
WO2023219161A1 (ja) * 2022-05-12 2023-11-16 協同油脂株式会社 アウトボード側等速ジョイント用グリース組成物

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH04130193A (ja) * 1989-12-27 1992-05-01 Nissan Motor Co Ltd 等速ジョイント用グリース
JP2002537441A (ja) * 1999-02-16 2002-11-05 ジー・ケー・エヌ・オートモーティヴ・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング 等速ジョイント用グリース組成物
JP2006016481A (ja) * 2004-07-01 2006-01-19 Kyodo Yushi Co Ltd 等速ジョイント用グリース組成物及びそれを封入した等速ジョイント

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH04130193A (ja) * 1989-12-27 1992-05-01 Nissan Motor Co Ltd 等速ジョイント用グリース
JP2002537441A (ja) * 1999-02-16 2002-11-05 ジー・ケー・エヌ・オートモーティヴ・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング 等速ジョイント用グリース組成物
JP2006016481A (ja) * 2004-07-01 2006-01-19 Kyodo Yushi Co Ltd 等速ジョイント用グリース組成物及びそれを封入した等速ジョイント

Cited By (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8673829B2 (en) 2008-09-05 2014-03-18 Ntn Corporation Grease composition and grease composition-enclosed rolling bearing and universal joint
JP2010059369A (ja) * 2008-09-05 2010-03-18 Ntn Corp グリース組成物、該グリース組成物を封入した転がり軸受および自在継手
JP2010084142A (ja) * 2008-09-05 2010-04-15 Ntn Corp グリース組成物および該グリース組成物を封入した転がり軸受
WO2010027019A1 (ja) * 2008-09-05 2010-03-11 Ntn株式会社 グリース組成物、該グリース組成物を封入した転がり軸受および自在継手
US8771086B2 (en) 2010-08-05 2014-07-08 Ntn Corporation Fixed-type constant velocity universal joint
WO2012017815A1 (ja) * 2010-08-05 2012-02-09 Ntn株式会社 固定式等速自在継手
WO2013093104A1 (en) 2011-12-22 2013-06-27 Shell Internationale Research Maatschappij B.V. Grease composition
RU2628512C2 (ru) * 2011-12-22 2017-08-17 Шелл Интернэшнл Рисерч Маатсхаппий Б.В. Композиция консистентной смазки
CN105953063A (zh) * 2016-06-13 2016-09-21 耐世特凌云驱动系统(芜湖)有限公司 驱动轴自动注油装置
WO2017222018A1 (ja) * 2016-06-23 2017-12-28 Jxtgエネルギー株式会社 等速ジョイント用グリース組成物およびそれを封入した等速ジョイント
JPWO2017222018A1 (ja) * 2016-06-23 2019-04-18 Jxtgエネルギー株式会社 等速ジョイント用グリース組成物およびそれを封入した等速ジョイント
US10829714B2 (en) 2016-06-23 2020-11-10 Jxtg Nippon Oil & Energy Corporation Grease composition for constant velocity joints, and constant velocity joint in which same is sealed
JP7017507B2 (ja) 2016-06-23 2022-02-08 Eneos株式会社 等速ジョイント用グリース組成物およびそれを封入した等速ジョイント
WO2023219161A1 (ja) * 2022-05-12 2023-11-16 協同油脂株式会社 アウトボード側等速ジョイント用グリース組成物

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5019740B2 (ja) 等速ジョイント用グリース組成物及び等速ジョイント
JP2008069282A (ja) 等速ジョイント用グリース組成物および等速ジョイント
US20050003970A1 (en) Grease composition
JP2003105366A (ja) グリース組成物およびグリース封入軸受
EP3885425B1 (en) Grease composition for tapered roller bearing
JP2004300449A (ja) グリース組成物
JP7297731B2 (ja) グリース組成物を用いた転がり軸受
EP2660305B1 (en) Grease composition, grease prelubricated bearing, universal joint and linear motion device
EP3078729B1 (en) Grease composition for constant velocity joints and constant velocity joint charged with the grease composition
JP4829523B2 (ja) 等速ジョイント用グリースおよび等速ジョイント
JP2011063659A (ja) 自在継手用グリースおよび自在継手
JP5571924B2 (ja) グリース組成物および該グリース組成物を封入した転がり軸受
KR20100008262A (ko) 등속조인트용 그리스 조성물
JP3687708B2 (ja) 転動装置用グリース組成物
JP3539465B2 (ja) グリース組成物
JP2006316082A (ja) グリース組成物およびグリース封入転がり軸受
JP2010043183A (ja) 自在継手用グリースおよび自在継手
JP2007078120A (ja) トリポード型等速自在継手
JP3567957B2 (ja) グリース組成物及び転がり軸受
JP2004332768A (ja) 車両用転動装置及び電動モータ
JP2017025189A (ja) グリース組成物、グリース封入軸受、自在継手および直動装置
JP2024062019A (ja) 等速ジョイント用グリース組成物
JP2003222144A (ja) 転がり軸受
JP3567959B2 (ja) グリース組成物
JP2006299036A (ja) 等速ジョイント用グリースおよび等速ジョイント

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090901

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120418

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120424

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120625

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20120904