JP2008068072A - 被覆珪砂 - Google Patents

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Abstract

【課題】持続可能な衝撃吸収性、快適な弾力感の得られる人工芝構造体が得られる、弾性を付与した樹脂またはゴムの皮膜を被覆した珪砂を提供する。
【解決手段】樹脂またはゴムからなる被覆層を有し、該被覆層中にマイクロバルーンを含有する被覆珪砂。
【選択図】なし

Description

本発明は、衝撃吸収性に優れ、快適な弾力感ある人工芝構造体が得られる、弾性皮膜を有する樹脂またはゴム被覆珪砂の構造に関する。
テニスコート、フットサルコート等の球技場、学校、幼稚園グランド等に、人工芝のパイル内部に珪砂を充填した砂入り人工芝が使用されている。
砂入り人工芝は、クッション性が良いとされている。砂入り人工芝のクッション性は、砂のずれ、移動によるものであるが、充填物が珪砂であるため、クッション性には限界がある。即ち、運動時の荷重、衝撃による砂同士の摩擦により、粒子が粉砕されて雨等の水分により固化するセメント化現象を起こして層全体が硬くなり、衝撃吸収性が極端に低くなって危険である。また粉砕された小さな砂が周囲に飛散して公害源となる。
また、長いパイルの人工芝内部に、安価な硬質充填材(珪砂)と弾性充填材(ゴムチップ)を充填したロングパイル人工芝は、天然芝に似た外観、優れた衝撃吸収性を有し、維持管理費が安価であるという利点を有し、維持管理に多大な費用のかかる天然芝に代わり、サッカー場、野球場等で急速に普及している。
しかし、ロングパイル人工芝のゴムチップの空隙が大きいため下層に珪砂分が落下集中し、ゴムチップを介してとはいえ、全体重をぶつけるようなダイナミックな運動の衝撃により、やはり砂が微粉化して砂入り人工芝と同様の現象が懸念され、まだ歴史が浅いにもかかわらず一部そのような指摘がなされている。
かかる問題を解決する手段として、人工芝内部に充填する珪砂の表面をゴム・プラスチックで被覆する方法が種々提案されている。
特許文献1〜4には、例えばブタジェン系合成ゴム、ポリオレフィン系、ポリウレタン系等の弾性体の溶液・エマルジョンの吹付け、ディッピングによる珪砂表面への被覆について述べられているが、珪砂表面に被覆できるゴム、樹脂だけでは安価に効率よく衝撃吸収性、快適な弾力感を長期に維持することは困難である。
また、特許文献5による方法では実際に安価で良好な被覆珪砂が製造可能であり、砂の微粉化を防ぐことは十分可能であるが、衝撃吸収性、快適な弾力感においてもう一段上のレベルを要求されている。
特開昭61−103417号公報 特開平1−131705号公報 特開平6−15065号公報 特開平6−235206号公報 特開2003−041151号公報
本発明は、上記従来の問題に鑑み、持続可能な衝撃吸収性、快適な弾力感の得られる人工芝構造体が得られる、弾性を付与した樹脂またはゴムの皮膜を被覆した珪砂を提供することを目的とする。
本発明者は、マイクロバルーンを被覆層中に含有させることで、材料コストを飛躍的に増大させる樹脂またはゴムの被覆層を厚くすることなく、衝撃吸収性、弾力性の向上を計ることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の被覆珪砂は、樹脂またはゴムからなる被覆層を有し、該被覆層中にマイクロバルーンを含有することを特徴とする。
本発明の被覆珪砂は、材料コストを飛躍的に増大させる樹脂またはゴムの被覆層を厚くすることなく、衝撃吸収性、弾力性の向上を計ることができ、経済性に優れる。
従って、本発明の被覆珪砂を使用すれば、衝撃吸収性に優れ、快適な弾力感を有し、長期にわたり快適なプレー性を維持できる砂入り人工芝構造体、ロングパイル人工芝構造体等の各種人工芝構造体を、低コストで提供できる。
珪砂としては、山砂、川砂、海砂等の天然砂の他に、岩石の粉砕時に発生する砂、ガラス、セラミックス、フライアッシュ等の硬質の粒状体が挙げられ、乾燥、粒度調整された粒径2.5mm以下の珪砂が好ましい。
珪砂を被覆する被覆層は、樹脂またはゴムからなる層であり、マイクロバルーンを含有する。被覆層の厚みは特に限定されず、珪砂の粒径にもよるが、マイクロバルーンを含有する弾力性のある被覆層であることを考慮すると30〜100μm程度あることが望ましい。
樹脂またはゴムとしては、特に限定されないが、被覆前は液状であり、硬化後は可撓性があり、珪砂への接着性に優れ、プレーヤーのシューズでの激しい動きに耐え得る強度と、屋外での直射日光その他の気候に老化しにくい耐久性を備えたものが好ましい。また、水分散系樹脂、溶剤溶液樹脂でも良いが、経済性を考慮すると100%固形分液状樹脂が好ましい。具体的には、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリブタジエンゴム等の熱硬化性樹脂または熱可塑性樹脂が挙げられ、ポリウレタン樹脂が好適である。
樹脂またはゴムは、硬化後の20%引張り応力が0.1〜1.2MPaであるものが好ましく、0.3〜0.8MPaであるものがより好ましい。0.1MPa未満の場合、被覆層が柔らかすぎて衝撃、磨耗等に問題が生じる懸念がある。また1.2MPaを超える場合は被覆層が硬すぎて、マイクロバルーン添加の効果が発揮できず、衝撃吸収性が低下し、弾性に乏しい被覆層となる懸念がある。
マイクロバルーンとしては、シリカ系バルーン、セラミックス系バルーン、アルミノシリケート系バルーン等の無機系マイクロバルーン、塩化ビニリデン樹脂系バルーン、アクリロニトリル樹脂系バルーン、フェノール樹脂系バルーン等のプラスチック系マイクロバルーンが挙げられる。
無機系マイクロバルーンと、プラスチック系マイクロバルーンは、それぞれを単独で用いても良いが、無機系マイクロバルーンは添加量が増えると、被覆層の見かけ上の硬さが硬くなり(硬くなって衝撃吸収性が落ちるとは限らない)弾力性とのバランスを考慮する必要がある。一方、プラスチック系マイクロバルーンはその点有利ではあるが、非常に高価である。従って、これらの特性を考慮して、両者を併用しても良い。
マイクロバルーンは、製造方法によっては工程中に破壊される率が大きくなる(バルーンの生存率が低下する)懸念があるので、なるべく圧縮強度の大きいものを選択することが好ましい。バルーンの材質、形状にもよるが、概して粒径の大きいものは強度が弱くなるので、粒径が小さめのほうが好ましい。また、マイクロバルーンの粒径は被覆層の厚み以内であることが好ましい。具体的には、平均粒径が20〜70μmであることが好ましく、30〜50μmであることがより好ましい。平均粒径が20μm未満の場合は、被覆層が硬くなり、衝撃吸収性、弾力性が乏しくなる懸念がある。平均粒径70μmを超える場合は、マイクロバルーンが被覆層の外側に飛び出す可能性が大きく、また前述の通り圧縮強度が低くなるので、バルーンの生存率が低下して、やはり衝撃吸収性、弾力性が乏しくなる懸念がある。
被覆層は、隠蔽性を持たせて耐候性を向上させ、かつ着色のため、顔料を含有することが好ましい。顔料は色により異なるが、例えばレンガ色、茶色、黄色の場合には鉄の酸化物、緑色の場合には酸化クロム、フタロシアニン系有機顔料、白の場合には酸化チタンが使用され、その他の顔料を組み合わせて種々の色が調合できる。また、遮熱効果を付与する場合には、熱反射性の大きい遮熱顔料を使用しても良い。顔料として太陽熱の反射能力の大きい酸化チタンのほか、茶色系であればAR300ブラウン(川村化学(株)製)、黄色系であればAY−610イエロー(川村化学(株)製)、緑色系ではFastogen Green2YK(大日本インキ化学工業(株))等があり調色の上、所望の色にすれば良い。
被覆層は、必要に応じて、その他の配合剤を含有しても良い。
例えば、被覆層の耐候性、耐オゾン性、その他耐久性を向上させるために、イルガノックス1010(チバガイギー社製)、チヌビンP−327等のベンゾトリアゾール系、トミソーブ800等のベンゾフェノン系紫外線吸収剤、老化防止剤を添加することが出来る。
また、用途によっては、予め適当な可塑剤に分散させて、ジンクピリチオン、ジンク2−ピリジンチオール−1オキサイド等の抗菌、防カビ剤を添加し、細菌、カビの発生を抑制することが出来る。
その他必要に応じて、物性補強、増量剤その他の目的で、無機粉体、例えば炭酸カルシウム、タルク、シリカ、クレー等を加えても良い。
また、接着性がよく、安定供給できるゴム微粉末、例えば安価なリサイクル品等を含有させれば、安価に皮膜を厚く出来、マイクロバルーン添加に近い効果を出すことが出来る。この際は、マイクロバルーン添加量を減少することが出来る。
本発明の被覆珪砂の製造方法は、特に限定されず、例えば、珪砂と、樹脂またはゴムと、マイクロバルーンを攪拌して混合することにより製造することができる。この際、マイクロバルーンが製造工程中に破壊されることを防止するため、最初に樹脂を添加混合し、その後にマイクロバルーンを添加混合する方が好ましい。
また、被覆層と珪砂表面の接着性を向上させるために、KBE−9007(信越化学工業(株)製)等のシランカプリング剤等を使用して、珪砂の前処理を行っても良い。
樹脂またはゴムの添加量は特に限定されないが、例えば平均粒径1.5mmの珪砂の場合、珪砂100重量部に対して、8〜40重量部であることが好ましく、12〜30重量部であることがより好ましい。
マイクロバルーンの添加量は特に限定されないが、無機系マイクロバルーンの真比重は、材質により若干異なるが、上記好ましい粒径の範囲では概ね0.6〜0.9の範囲にあるため、無機系マイクロバルーン単独で使用する場合の添加量は、樹脂またはゴム100重量部に対して、20〜100重量部であることが好ましく、40〜60重量部であることがより好ましい。
また、プラスチック系マイクロバルーンを単独で使用する場合、樹脂またはゴム100重量部に対して、1〜6重量部であることが好ましく、2〜4重量部であることがより好ましい。尚、プラスチック系マイクロバルーンは非常に飛散しやすい概ね真比重0.08以下の非常に軽量の粉体であるため、飛散防止のためにバルーンの球体表面に無機粉体を付着させたり、含水させたものが取り扱易いが、上記添加量は、このような処理をする前の、純プラスチック系マイクロバルーン量で表現したものである。従って、処理後のバルーンを用いる場合は、処理分の重量を加算して考慮する必要がある。
無機系マイクロバルーンとプラスチック系マイクロバルーンを併用する場合は、上記単独で用いる場合の添加量を案分すれば良い。即ち、無機系マイクロバルーン60重量%、プラスチック系マイクロバルーン40重量%使用する場合、無機系マイクロバルーンは上記添加量の60%、プラスチック系マイクロバルーンは上記添加量の40%使用する。
マイクロバルーン添加量が上記範囲より少ないと、衝撃吸収性、弾力性が乏しくなる可能性があり、多すぎると被覆層の強度不足を招いたり、被覆層内部に充填出来ない状態が発生する懸念が生ずる。
マイクロバルーンの添加量が少なく、添加後も凝集して分解しにくいときは、例えば特許文献5に記載の方法、即ち、硅砂に、樹脂またはゴムと、マイクロバルーンを含有する皮膜形成材料を添加して攪拌混合し、凝集し始めた時点で無機粉体を添加し、撹拌混合を続けて硅砂の凝集を解除する方法で製造できる。無機紛体としては、上述したものが使用できる。
具体的には、マイクロバルーンの被覆樹脂による濡れを損なわない程度に、添加タイミングをやや遅めにして、混合物が凝集してもマイクロバルーンが凝集物の分解を促進する方向に働くので少量の無機粉体を添加し少しの時間攪拌を継続するだけで、短時間に比較的容易分解できる。
また、1工程のみで製造するよりも、複数回に分けて被覆したほうが、一回あたりの珪砂に対する樹脂量が少ないので、凝集の程度が少なく、より容易に分解できて、マイクロバルーンの生存率も高く被覆作業ができる。
また、マイクロバルーンが被覆層の最も外側の部分にも密度濃く存在するため、被覆層の強度に懸念がある場合、更に樹脂のみの被覆層を設けことで、なお一層衝撃強度に強い被覆層とすることが出来る。
本発明の被覆珪砂は、テニスコート、フットサル、学校グラウンド等に使用される砂入り人工芝(パイル長20mm程度)構造体の珪砂として、単独で、或いは無処理の珪砂と重量比(被覆珪砂/無処理珪砂)で1/3程度まで混合または積層して使用することができる。これにより、衝撃吸収性に優れ、優れた弾力感が得られる砂入り人工芝構造体が得られる。
また、サッカー場、野球場等に使用されるロングパイル人工芝(パイル長50〜70mm)構造体は、珪砂等の硬質充填材とゴムチップ等の軟質(弾性)充填材を充填したものであるが、本発明の被覆珪砂は、ロングパイル人工芝構造体の硬質充填材として、ゴムチップと共に、単独で、或いは無処理の珪砂と重量比(被覆珪砂/無処理珪砂)で1/3程度まで混合または積層して使用することができる。これにより、長期にわたり、衝撃吸収性に優れ、快適な弾力感を有するロングパイル人工芝構造体を提供し、快適なプレー性を維持できる。またゴムチップの代わりに本発明の被覆珪砂が充填された人工芝構造体は、廃タイヤ粉砕ゴムチップを使用したときの欠点、例えば臭気の問題等を防止できる。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明する。尚、実施例における「部」は「重量部」を意味する。
<使用材料>
(1)珪砂
珪砂a:4号珪砂(東海リテック(株)製、岐阜県土岐市産、平均粒径1.5mm)
珪砂b:鹿島3B珪砂(高野商事(株)製、茨城県鹿島産、平均粒径1.8mm)
(2)被覆用樹脂
平均分子量3000、2官能のポリオキシプロピレングリーコール300部とジフェニルメタンジイソシアネート120部を、窒素気流中、80℃で4時間反応させた、イソシアネート基含有量7.4%、粘度4,100mPa・s/25℃のポリウレタン樹脂を用いた。
この樹脂の20%引張り応力は0.41MPaであった。尚、この応力の測定は、真空脱泡した後ドクターブレードで約10μmの無発泡フィルムを作成し、室温で7日硬化養生の後、JIS K 6251(加硫ゴムの引張り試験方法)に準拠して測定した。
(3)触媒
Dabco 33LV(エアープロダクツ(株)製、3級アミン)
(4)マイクロバルーン
無機バルーン:セノライトFS−150(巴工業(株)、セラミックス系)、平均粒径40μm
プラスチックバルーン:EMC40(B)(日本フィライト(株)、アクリルニトリル樹脂系)、平均粒径45μm、真比重平均値0.05、飛散防止のため表面に2.2倍量の無機粉末が付着したもの(真比重0.16)
(5)顔料
F3グリーン(戸田工業(株)製)緑色顔料
(6)無機粉体
無機粉体a:スーパーSSS(丸尾カルシウム(株)製、炭酸カルシウム)
無機粉体b:タルクDNB(日本タルク(株)製、タルク)
(7)人工芝
テニスコート用砂充填タイプ人工芝:パイル長さ20mm(泉州敷物(株)製)
ロングパイル人工芝:スプリットヤーンパイル、パイル長60mm(大塚家具製造販売(株)製)
<評価方法>
(1)床の硬さ試験
JIS A 6519(体育館用鋼製床下地構成材)8.7項(床の硬さ試験)に準拠した試験機により、重さ3.8kgのヘッドモデルを、20cm高さより下記試験体上の木製合板円盤の中心に、自由落下・衝突させたときの最大加速度(G)を測定した。尚、先端荷重落下時、砂の厚みが薄いので砂の中に先端がめり込むと同時に飛散して正確な値が得られなかったため、少し硬めの材料として、木製合板円盤を置いた。木製合板円盤のみで測定した場合の最大加速度は83Gであった。
試験体I:内径72mm、高さ50mmの鉄製円筒容器内に評価対象の珪砂を厚さ20mmに充填し、よく平坦に圧密してその上に厚さ13mm、直径70mmの木製合板の円盤を置き、これをコンクリート上に設置して、測定に供した。
試験体II:一片が15cm角、高さ20mmの正方形の硬質塩ビケースの中にパイル長20mmのテニスコート用人工芝を貼り付け、この中に評価対象の珪砂を人工芝の高さ20mmまで充填してよく平坦に圧密し、この上中央部に厚さ13mm、直径70mmの木製合板を置き、これをコンクリート上に設置して、測定に供した。
試験体III:一片が20cm角、高さ60mmの正方形のスチロールケースの中にパイル長60mmのロングパイル人工芝を貼り付け、この中に珪砂aを20mm、その上に評価対象の珪砂またはゴムチップを20mm充填してよく平坦に圧密し、この上中央部に厚さ13mm、直径70mmの木製合板を置き、これをコンクリート上に設置して、測定に供した。
(2)珪砂の衝撃粉砕試験
図1に示す試験機を用いて、珪砂衝撃粉砕試験を行った。
直径110mmの円筒容器1に、厚さ20mmになるように評価対象の珪砂を入れ、この上から、落下荷重1.5kg、落下高さ12cm、落下底面φ=6.5cmの鉄製円盤3に、厚み3mm、硬さ60(JIS K 6253,A型硬度計)のゴム板4を貼り付けたものを、1分間50サイクルで自由落下により6時間衝撃を与え、試験前と試験後の粒径0.5mm以下の微粉量を調べ、衝撃による耐粉砕の程度を調べた。
<実施例1>
攪拌容器へ、珪砂a400部と、予め触媒1%を事前に混合した被覆用樹脂60部、顔料8部、無機粉体a24部を加え、攪拌する。次に無機バルーン18部、プラスチックバルーン4.0部(プラスチックバルーン自身は4.0/3.2部)を加え、スピードを落としてゆっくり攪拌する。全体がやや凝集気味なので、無機粉体a15部を加え、珪砂各粒子が単体に分離したら攪拌を停止する。出来上がった被覆珪砂を室温で5日放置硬化させる。
この被覆珪砂を用いて評価を行った。結果を表1に示す。
<実施例2>
実施例1で作製した被覆珪砂と無処理の珪砂aを重量比1:1でよく混合した混合珪砂を用いて評価した。結果を表1に示す。
<実施例3>
攪拌容器へ、珪砂b400部と、予め触媒1%を事前に混合した被覆用樹脂48部、顔料6.7部を加え、攪拌する。次に無機バルーン18部、プラスチックバルーン4.0部(プラスチックバルーン自身は4.0/3.2部)、無機粉体a18部を加え、スピードを落としてゆっくり攪拌する。全体が僅かに凝集気味なので、無機粉体a10部を加え、珪砂各粒子が単体に分離したら一度攪拌を停止する。次に再び予め触媒1%を事前に混合した被覆用樹脂12部、顔料1.3部、無機粉体a6部を加え、ゆっくりと攪拌し、全体が凝集することなく、珪砂各粒子単体になっていることを確認してミキサーの回転を止める。出来上がった被覆珪砂を室温で5日放置硬化させる。
この被覆珪砂を用いて評価した。結果を表1に示す。
<実施例4>
攪拌容器へ、珪砂b400部と、予め触媒1%を事前に混合した被覆用樹脂48部、顔料6.7部を加え、攪拌する。次にプラスチックバルーン8.2部(プラスチックバルーン自身は8.2/3.2部)、無機粉体a18部、無機粉体b18部を加え、スピードを落としてゆっくり攪拌する。全体が僅かに凝集気味なので、無機粉体bを15部加え、珪砂各粒子が単体に分離したら一度攪拌を停止する。次に再び予め触媒1%を事前に混合した被覆用樹脂12部、顔料1.3部、無機粉体bを12部加え、ゆっくりと攪拌し、全体が凝集することなく、珪砂各粒子単体になっていることを確認してミキサーの回転を止める。出来上がった被覆珪砂を室温で5日放置硬化させる。
この被覆珪砂を用いて評価した。結果を表1に示す。
<比較例1>
無処理の珪砂aを用いて評価した。結果を表1に示す。
<比較例2>
攪拌容器へ、珪砂a400部と、予め触媒1%を事前に混合した被覆用樹脂60部、顔料6部を投入して攪拌を開始し、樹脂が徐々に増粘してゲル化が始まり、全体が凝集し始めたら、無機粉体a50部を少しずつ加える。珪砂の各粒子がばらばらになり、珪砂単体に離れていることを確認して、攪拌を中止する。出来上がった被覆珪砂を室温で5日放置硬化させる。
この被覆珪砂を用いて評価した。結果を表1に示す。
<比較例3>
添加量を、被覆用樹脂90部、顔料9部、無機粉体a75部とした以外は比較例2と同様にして被覆珪砂を得た。
この被覆珪砂を用いて評価した。結果を表1に示す。
<比較例4>
比較例2で作製した被覆珪砂と無処理の珪砂aを重量比1:1でよく混合した混合珪砂を用いて評価した。結果を表1に示す。
<比較例5>
廃タイヤ粉砕チップRG−814(村岡ゴム工業(株)製、1〜3mmφ)を用いて評価した。結果を表1に示す。
<参考例1>
参考のため、標準的硬さのカラー弾性舗装について、床の硬さ試験を行った。
EPDMカラーゴムチップ「RG−41レンガ」(USS東洋(株)製)80部と、ウレタンバインダー「SBUイソシアネート0620」(住化バイエルウレタン(株))18部をミキサーで3分混合し、これを厚さ10mmのモールドの上に平坦に左官ゴテで均し、7日間硬化させた。
このEPDMカラーゴムチップ層を試験体Iの珪砂の代わりに用いた以外は、上記評価方法と同様にして床の硬さ試験を行ったところ、最大加速度は70Gであった。
Figure 2008068072
(1)床の硬さ試験(試験体I)
表1より、実施例1、実施例3の被覆珪砂は、衝撃吸収性に優れ、柔らかい弾力性が得られている。プラスチックバルーン単独の実施例4では効果がなお一層顕著である。
また、被覆珪砂と無処理珪砂の1/1混合物を用いた実施例2は、マイクロバルーンを含まない被覆珪砂(比較例2、3)と似通った値となっており、無処理珪砂(比較例1)よりは優れた衝撃吸収性を有している。
尚、被覆樹脂量を比較例2よりも50%増量した比較例3は、実施例1にはなお及ばず、樹脂量を増量しても本発明ほどの飛躍的な改善には至らない。
(2)床の硬さ試験(試験体II)
表1より、試験体IIでも、試験体Iと同様の傾向が出ているが、パイル間、パイル/珪砂間、パイル/基布等、人工芝構造体内部に空隙が残っているので衝撃が緩和され、試験体Iよりも値が低く、比較例との差も少なくなっている。しかし、実際にはプレー時間経過によって、更に比較例との差が大きくなると考えられる。
(3)床の硬さ試験(試験体III)
表1より、実施例4の珪砂を上層に充填したロングパイル人工芝構造体では、比較例5の標準構造のゴムチップ充填タイプには及ばないが、比較例1の珪砂単独充填構造と比較すれば比較例5に近い値に位置して、被覆珪砂を使用したものとしては衝撃吸収性に優れた構造体である。
(4)珪砂の衝撃粉砕試験
表1より、実施例1の被覆珪砂は、マイクロバルーンを含まない被覆珪砂(比較例2)と同様に耐粉砕衝撃性は良好である。
また、無処理珪砂と等量(重量)で混合した場合、実施例1の被覆珪砂を用いた実施例2は、比較例1の被覆珪砂をもちいた比較例4に比べ、少しではあるが優れている。また、微粉増加量は無処理珪砂(比較例1)に比べると約1/5以下で良好である。微粉は大部分が4号珪砂が破壊粉砕されたもので、被覆珪砂と混合すると飛躍的に破壊粉砕量が減少する。しかも更に弾性の大きい被覆珪砂を使用すると、この効果は一層顕著になる事が容易に推定できる。
実施例で用いた試験機の概略図である。
符号の説明
1 円筒容器
2 硅砂
3 鉄製円盤
4 ゴム板

Claims (3)

  1. 樹脂またはゴムからなる被覆層を有し、該被覆層中にマイクロバルーンを含有することを特徴とする被覆珪砂。
  2. 前記樹脂またはゴムが、硬化後の20%引張り応力が0.1MPa〜1.2MPaである樹脂またはゴムであることを特徴とする請求項1に記載の被覆珪砂。
  3. 前記マイクロバルーンの平均粒径が20〜70μmであることを特徴とする請求項1または2に記載の被覆珪砂。
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