JP2008064154A - 自動変速機の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】制動時に駆動伝達系に蓄積されたエネルギーによるショックを車両の搭乗者に感じさせない。
【解決手段】ECUは、車速Vがしきい値V(TH)以上であって(S102にてYES)、減速度αがしきい値α(TH)よりも大きく(S108にてYES)、ATF油温Tがしきい値T(TH)以上であるときに(S114にてYES)、変速判断があると(S116にてYES)、変速時におけるニュートラル状態の設定タイマを通常よりも長く設定するステップと(S118)、設定タイマがタイムアップすると(S120にてYES)、ニュートラル状態から変速後の状態を形成するように自動変速機の摩擦係合要素を制御するステップ(S122)とを含む、プログラムを実行する。
【選択図】図4

Description

本発明は、自動変速機の制御装置に関し、特に、プロペラシャフトを有する後輪駆動車(FR:Front engine Rear drive)において、急制動に伴い駆動伝達系に蓄積される捩りエネルギーによるショックによる不快感を搭乗者に与えない制御装置に関する。
自動変速機に電磁弁を搭載し、外部から電気信号を入力して変速操作に関する変数、たとえば、変速段、油圧レベル、変速操作の時定数やタイミング等をECU(Electronic Control Unit)により調整する自動変速機が実用化されている。このようなECUにより自動変速機の運転状態を種々の状態へと確実かつ速やかに移行可能である。また、ECUには、CPU(Central Processing Unit)が組み込まれているので、プログラムにより制御が可能であるから、プログラムや種々の定数の変更を通じて、自動変速機の運転状態をきめ細かく設定すれば、車両の走行状態やエンジンの負荷状態に対応させて最適な性能を自動変速機から引き出すことが可能である。ここで、車両の走行状態とは、車速やステアリング操作、加速減速の頻度やそのレベル、路面状態等であり、エンジンの負荷状態とは、エンジンの回転数、スロットル開度、アクセルペダル踏み込み量、エンジンや自動変速機の入出力軸のトルク等である。
さらに、自動変速機に内蔵された係合要素(クラッチやブレーキ)に供給される油圧レベルは、車両の走行状態やエンジンの負荷状態に適合させてきめ細かく調整される。このように調整することにより、変速ショックの抑制と係合要素の損耗の軽減を両立させて、速やかで円滑な変速を達成することができる。
このような自動変速機は、エンジンとトルクコンバータ等を介して繋がるとともに複数の動力伝達経路を有してなる変速機構を有して構成され、たとえば、アクセル開度および車速に基づいて自動的に動力伝達経路の切り換えを行なう、すなわち自動的に変速比(走行速度段)の切り換えを行なうように構成される。一般的に、自動変速機を有した車両には運転者により操作されるシフトレバーが設けられ、シフトレバー操作に基づいて変速ポジション(たとえば、後進走行ポジション、ニュートラルポジション、前進走行ポジション)が設定され、このように設定された変速ポジション内(通常は、前進走行ポジション内)において自動変速制御が行なわれる。
このような自動変速機を有した車両において、前進走行ポジションが設定されて車両が停止している状態では、アイドリング回転するエンジンからの駆動力がトルクコンバータを介して変速機に伝達され、これが車輪に伝達されるため、いわゆるクリープ現象が発生する。クリープ現象は、登坂路での停車からの発進をスムーズに行なわせることができるなど、所定条件下では非常に有用なのであるが、車両を停止保持したいときには不要な現象であり、車両のブレーキを作動させてクリープ力を抑えるようになっている。すなわち、エンジンからのクリープ力をブレーキにより抑えるようになっており、その分エンジンの燃費が低下するという問題がある。
このようなことから、前進走行ポジションにおいて、ブレーキペダルが踏み込まれてブレーキが作動されるとともにアクセルがほぼ全閉となって車両が停止している状態では、前進走行ポジションのまま前進クラッチを解放させて、変速機をニュートラルに近いニュートラル状態として、燃費の向上を図ることが提案されている。
このようなニュートラル制御といわれる技術が、以下に示す特許文献に開示されている。
特開2000−310318号公報 特開2000−310319号公報 特開平11−193866号公報
ところで、駆動伝達系の機械要素としてプロペラシャフトを有するFR車においては、制動時に駆動輪(後輪タイヤ)からの駆動力が付加され、捩りエネルギーが蓄えられ易い。これについて、以下に詳しく説明する。
制動時には、後輪タイヤから車両の走行源であるエンジンが駆動されることになる。このときに発生するエネルギーは、制動エネルギー分を差し引いた残留エネルギーであって、この残留エネルギーは、駆動伝達系にたわみを発生させる。駆動伝達系とエンジンとは機械的に接続されているので、エンジンのマウント系の弾性部材(ゴム等)のたわみとなって蓄積される。エンジンのマウント系がたわむと、パワートレーン(エンジンとトランスミッション)は車両の前方方向に移動する傾向になる。このため、トランスミッションとプロペラシャフトとの結合が浅くなる。ただし、マウントの支持方法やパワートレーンやドライブトレーンの構成によっては結合が浅くなるのではなく、逆に突っ込まれた状態になる場合もあり得る。
このような状態(すなわち、上記した状態のうちの結合が浅くなる状態)で、ニュートラル制御を実行すると、この残留エネルギーが解放されて(エネルギーが解放されるとはエネルギーが発散されることである)、車両の前方方向に移動していたパワートレーンが正規の位置に戻される。このときに、トランスミッションとプロペラシャフトとの結合が浅かった状態から滑らかに摺動して結合状態が正規の状態に戻るとは限らない。トランスミッションのスプラインとプロペラシャフトのスプラインとが互いに噛合った状態(楔を打ち込んだような状態であって瞬間的にあるいは部分的に固着している状態)になっていると、摺動して徐々にエネルギーが解放されるのではなく、一気に解放されてしまう。これにより、異音あるいはショックが発生する。
ニュートラル制御のように、通常は車両が完全に停止してブレーキペダルが踏まれていると、すなわち車両が完全に停止している状態で、入力クラッチが解放される。このニュートラル制御の前の制動時において残留エネルギーが蓄積されていると、ニュートラル制御は運転者の操作に関係なく開始されるので、運転者の操作に関係なくかつ車両が完全に停止している状態でショックが発生する。特に、運転者が何ら操作をしていない状態において車両にショックが発生することは好ましくない。
しかしながら、このような問題については、上述したいずれの特許文献においても言及されていない。なお、駆動伝達系に干渉部材としてフレキシブルカップリングを備えるようにしたり、結合部の摺動部分を超低摩擦係数の表面処理を施すようにしたりして、このような問題を解決しようとするとコストがアップする。さらに、車両停止時にニュートラル制御を禁止すると、このようなショックの問題は回避できるが、燃費改善の効果を得ることができない。
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであって、その目的は、制動時に駆動伝達系に蓄積されたエネルギーによるショックを車両の搭乗者に感じさせることを回避してニュートラル制御を実行できる、自動変速機の制御装置を提供することである。
第1の発明に係る自動変速機の制御装置は、車両に搭載されたエンジンと駆動輪との間の動力を、係合することにより伝達および解放することにより非伝達のいずれかの状態に切り換える係合要素を有する自動変速機を制御する。この制御装置は、前進走行ポジションで車両の状態が予め定められた条件を満足すると、係合要素を解放するニュートラル制御を実行するように、自動変速機を制御するためのニュートラル制御手段と、ニュートラル制御が実行される前の車両の減速度合いを検出するための検出手段と、減速度合いが予め定められた度合いよりも大きいと、自動変速機の変速に対応させて、係合要素を解放および半解放のいずれかの状態にするための制御手段とを含む。
第1の発明によると、車両の停止時にニュートラル制御を実行する自動変速機において、ニュートラル制御が実行される前の車両が停止するまでの減速度合いが大きい場合には、以下に示すような不具合が発生し得る。急制動に起因して減速度合いが予め定められた度合いよりも大きいと、駆動伝達系に大きな捩りエネルギーが蓄積される。この状態でニュートラル制御を実行すると(通常、ニュートラル制御は車両が完全に停止している状態で実行されるので)、このショックが、運転者の操作に関係なく(ニュートラル制御は自動的に開始されるので)、停止している車両の搭乗者に伝わってしまう。このため、このようなニュートラル制御が実行される自動変速機であって、減速度合いが予め定められた度合いよりも大きい場合には、自動変速機の変速に対応させて、係合要素を解放および半解放(この半解放とは半係合ともいえ、以下においてはスリップとも記載する)のいずれかの状態にする。たとえば、少なくとも蓄積された捩りエネルギーを解放できる時間、変速時にニュートラル状態(以降、ニュートラル状態とは係合要素を解放および半解放(半係合、スリップ)のいずれかの状態をいう)にしたり、変速と変速との間においてニュートラル状態にする。このようにすると、通常、自動変速機の変速時においてはトルク伝達が遮断されないで滑らかな変速が行なわれるが、ニュートラル状態を形成して(係合要素を解放や半解放の状態にしてトルクを非伝達の状態として、捩りエネルギーを解放させる。このようなタイミングで捩りエネルギー解放してショックが発生することがあっても、車両が動いているので、ショックを搭乗者が感じることを回避できる。さらに、車両の停止後には速やかにニュートラル制御を実行できるので、燃費の向上を実現できる。その結果、制動時に駆動伝達系に蓄積されたエネルギーによるショックを車両の搭乗者に感じさせることを回避してニュートラル制御を実行できる、自動変速機の制御装置を提供することができる。
第2の発明に係る自動変速機の制御装置においては、第1の発明の構成に加えて、制御手段は、自動変速機の変速時に、予め定められた時間、係合要素を解放および半解放のいずれかの状態にするための手段を含む。
第2の発明によると、少なくとも蓄積された捩りエネルギーを解放できる時間を予め定められた時間として、変速時にニュートラル状態にしたり、変速と変速との間においてニュートラル状態にする。このニュートラル状態においてトルク伝達が遮断され、蓄積されていた捩りエネルギは解放される。その後、車両が停止してニュートラル制御が実行されても、捩りエネルギーが蓄積されていないのでショックを発生させることはない。これにより、制動時に駆動伝達系に蓄積されたエネルギーによるショックを車両の搭乗者に感じさせることを回避して、ニュートラル制御を実行できる。
第3の発明に係る自動変速機の制御装置においては、第2の発明の構成に加えて、制御手段は、減速度合いが大きいほど長く設定される時間、係合要素を解放および半解放のいずれかの状態にするための手段を含む。
第3の発明によると、減速度合いが大きいほど蓄積される捩りエネルギーが大きいと考えられるため、ニュートラル状態が長くなるように時間を設定する。これにより、大きな捩りエネルギーが蓄積されても、車両の停止時までに全ての捩りエネルギーを解放させることができる。
第4の発明に係る自動変速機の制御装置は、第1の発明の構成に加えて、車速とアクセル開度とで規定される、複数の変速マップを記憶するための記憶手段をさらに含む。制御手段は、減速度合いが予め定められた度合いよりも大きいと、係合要素を解放および半解放のいずれかの状態にする変速点を変速線の間に含まない変速マップから変速点を含むマップに切換えるための手段を含む。
第4の発明によると、減速度合いが予め定められた度合いよりも大きくない場合には係合要素を解放および半解放のいずれかの状態にする変速点を変速線の間に含まない変速マップ(通常の変速マップ)が用いられる。減速度合いが予め定められた度合いよりも大きい場合には係合要素を解放および半解放のいずれかの状態にする変速点を変速線の間に含む変速マップが用いられる。この変速点は、変速マップが横軸を車速、縦軸をアクセル開度で規定される場合、横軸上に(アクセル開度が0の加速時ではない時に)設定される。車速の高い側から変速点に到達すると、係合要素を解放および半解放のいずれかの状態にされる。このとき、変速と変速の間においてニュートラル状態が形成されることによりトルク伝達が一旦遮断されて、蓄積された捩りエネルギーが解放される。その後、車両が停止してニュートラル制御が実行されても、捩りエネルギーが蓄積されていないのでショックを発生させることはない。これにより、制動時に駆動伝達系に蓄積されたエネルギーによるショックを車両の搭乗者に感じさせることを回避して、ニュートラル制御を実行できる。
第5の発明に係る自動変速機の制御装置においては、第1〜4のいずれかの発明の構成に加えて、車両は、プロペラシャフトを含む駆動伝達系を有する後輪駆動車両であって、予め定められた度合いは、減速により駆動伝達系に蓄積された捩りエネルギーが解放されると、車両の搭乗者がショックを感じる度合いである。
第5の発明によると、減速により駆動伝達系(プロペラシャフトおよびその接続部)に捩りエネルギーが蓄積して、エネルギーが解放されると車両の搭乗者がショックを感じる度合いであっても、自動変速機の変速に合わせて係合要素を解放状態としたり半解放状態としたりして捩りエネルギーを解放させる。このように、捩りエネルギーを解放しても車両が走行しているので、車両の搭乗者がショックを感じることを回避でき、車両の停止時にショックを発生させないでニュートラル制御を実行できる。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがってそれらについての詳細な説明は繰返さない。なお、以下においては、制動と減速とを基本的に同じ意味であるとして説明する。すなわち、以下における減速は、制動に起因するものである。
<第1の実施の形態>
図1を参照して、本発明の第1の実施の形態に係る、有段式の自動変速機の制御装置を搭載した車両について説明する。この車両は、プロペラシャフトを有するFR車両である。なお、本実施の形態に係る自動変速機の制御装置を搭載した車両は、有段式の自動変速機ではなく無段式の自動変速機であってもよい。さらに、以下の説明は、FF(Front engine Front drive)車両や四輪駆動車(4WD)を積極的に除外するものではない。
車両は、エンジン1000と、従動輪でありかつ操舵輪でもある前輪2000と、トランスミッション3000と、プロペラシャフト4000と、ディファレンシャルギヤ5000と、駆動輪である後輪6000と、ECU8000を主たる構成要素とする制御部7000とを含む。
エンジン1000は、インジェクタ(図示せず)から噴射された燃料と空気との混合気を、シリンダの燃焼室内で燃焼させる内燃機関である。燃焼によりシリンダ内のピストンが押し下げられて、クランクシャフトが回転させられる。
トランスミッション3000は、所望のギヤ段を形成することにより、クランクシャフトの回転数を所望の回転数に変速する。トランスミッション3000の出力ギヤは、プロペラシャフト4000を介してディファレンシャルギヤ5000に接続されている。なお、トランスミッション3000を構成する、トルクコンバータ3001およびプラネタリーギヤユニット3002については、後で詳述する。
ディファレンシャルギヤ5000には後輪6000に駆動力を伝達するドライブシャフト5500が連結されている。ドライブシャフト5500を介して、左右の後輪6000に動力が伝達される。なお、トランスミッション3000とプロペラシャフト4000との接続部分、プロペラシャフト4000とディファレンシャルギヤ5000との接続部分、ディファレンシャルギヤ5000とドライブシャフト5500との接続部分において、スプラインが用いられている。
ECU8000には、車速センサ8002と、シフトレバー8004のポジションスイッチ8005と、アクセルペダル8006のアクセル開度センサ8007と、ブレーキペダル8008に設けられたストップランプスイッチ8009と、トランスミッション3000の作動油の温度を検出する油温センサ8010とがハーネスなどを介して接続されている。
車速センサ8002は、ドライブシャフト5500の回転数から車両の車速を検出し、検出結果を表す信号をECU8000に送信する。シフトレバー8004の位置は、ポジションスイッチ8005により検出され、検出結果を表す信号がECU8000に送信される。シフトレバー8004の位置に対応して、トランスミッション3000のギヤ段が自動で形成される。また、運転者の操作に応じて、運転者が任意のギヤ段を選択できるマニュアルシフトモードを選択できるように構成してもよい。
アクセル開度センサ8007は、アクセルペダル8006の開度を検出し、検出結果を表す信号をECU8000に送信する。ストップランプスイッチ8009は、ブレーキペダル8008のオン/オフ状態を検出し、検出結果を表す信号をECU8000に送信する。なお、ストップランプスイッチ8009の代わりに、ブレーキペダル8008のストローク量を検出するストロークセンサを設けてもよい。油温センサ8010は、トランスミッション2000のATF(Automatic Transmission Fluid)の温度を検出し、検出結果を表す信号をECU8000に送信する。
ECU8000は、車速センサ8002、ポジションスイッチ8005およびアクセル開度センサ8007、ストップランプスイッチ8009、油温センサ8010などから送られてきた信号、ROM(Read Only Memory)に記憶されたマップおよびプログラムに基づいて、減速時の駆動伝達系に蓄積されたエネルギーが一気に解放されたとしても、車両の搭乗者に、スプラインの固着が一気に外れることによるショックを感じさせないように、トランスミッション3000の油圧回路を制御する。
図2を参照して、トランスミッション3000について説明する。トランスミッション3000は、大きくは、トルクコンバータ3001とプラネタリーギヤユニット3002とから構成される。なお、このトランスミッション3000は6速の自動変速機であるが、本発明の実施の形態に係る制御装置の制御対象は、6速の自動変速機に限定されるものではない。
プラネタリーギヤユニット3002は、クランクシャフトに連結された入力軸3100を有するトルクコンバータ3001に接続されている。プラネタリーギヤユニット3002は、遊星歯車機構の第1セット3300と、遊星歯車機構の第2セット3400と、出力ギヤ3500と、ギヤケース3600に固定されたB1ブレーキ3610、B2ブレーキ3620およびB3ブレーキ3630と、C1クラッチ3640およびC2クラッチ3650と、ワンウェイクラッチF3660とを含む。
第1セット3300は、シングルピニオン型の遊星歯車機構である。第1セット3300は、サンギヤS(UD)3310と、ピニオンギヤ3320と、リングギヤR(UD)3330と、キャリアC(UD)3340とを含む。
サンギヤS(UD)3310は、トルクコンバータ3001の出力軸3210に連結されている。ピ二オンギヤ3320は、キャリアC(UD)3340に回転自在に支持されている。ピ二オンギヤ3320は、サンギヤS(UD)3310およびリングギヤR(UD)3330と係合している。
リングギヤR(UD)3330は、B3ブレーキ3630によりギヤケース3600に固定される。キャリアC(UD)3340は、B1ブレーキ3610によりギヤケース3600に固定される。
第2セット3400は、ラビニヨ型の遊星歯車機構である。第2セット3400は、サンギヤS(D)3410と、ショートピニオンギヤ3420と、キャリアC(1)3422と、ロングピ二オンギヤ3430と、キャリアC(2)3432と、サンギヤS(S)3440と、リングギヤR(1)(R(2))3450とを含む。
サンギヤS(D)3410は、キャリアC(UD)3340に連結されている。ショートピニオンギヤ3420は、キャリアC(1)3422に回転自在に支持されている。ショートピニオンギヤ3420は、サンギヤS(D)3410およびロングピ二オンギヤ3430と係合している。キャリアC(1)3422は、出力ギヤ3500に連結されている。
ロングピ二オンギヤ3430は、キャリアC(2)3432に回転自在に支持されている。ロングピ二オンギヤ3430は、ショートピニオンギヤ3420、サンギヤS(S)3440およびリングギヤR(1)(R(2))3450と係合している。キャリアC(2)3432は、出力ギヤ3500に連結されている。
サンギヤS(S)3440は、C1クラッチ3640によりトルクコンバータ3001の出力軸3210に連結される。リングギヤR(1)(R(2))3450は、B2ブレーキ3620により、ギヤケース3600に固定され、C2クラッチ3650によりトルクコンバータ3001の出力軸3210に連結される。また、リングギヤR(1)(R(2))3450は、ワンウェイクラッチF3660に連結されており、1速ギヤ段の駆動時に回転不能となる。
図3に、各変速ギヤ段と、各クラッチおよび各ブレーキの作動状態との関係を表した作動表を示す。「○」は係合を表している。「×」は解放を表している。「◎」はエンジンブレーキ時のみの係合を表している。「△」は駆動時のみの係合を表している。この作動表に示された組合わせで各ブレーキおよび各クラッチを作動させることにより、1速〜6速の前進ギヤ段と、後進ギヤ段が形成される。
B2ブレーキ3620と並列にワンウェイクラッチF3660が設けられているため、作動表に「◎」で示されているように、1速ギヤ段(1ST)形成時のエンジン側からの駆動状態(加速時)にはB2ブレーキ3620を係合させる必要は無い。本実施の形態において、ワンウェイクラッチF3660は、1速ギヤ段の駆動時には、リングギヤR(1)(R(2))3450の回転を防止する。エンジンブレーキを利かせる場合、ワンウェイクラッチF3660は、リングギヤR(1)(R(2))3450の回転を防止しない。
トルクコンバータ3001は、入力軸と出力軸とを直結状態にするロックアップクラッチ3203と、入力軸側のポンプ羽根車3201と、出力軸側のタービン羽根車3202と、ワンウェイクラッチ3204を有し、トルク増幅機能を発現するステータ3205とから構成される。トルクコンバータ3001と自動変速機とは、回転軸により接続される。トルクコンバータ3001の出力軸回転数NT(タービン回転数NT)は、タービン回転数センサにより検知される。自動変速機の出力軸回転数NOUTは、出力軸回転数センサにより検知される。
図3に示した作動表によると、摩擦要素であるクラッチ要素(図中のC1〜C2)や、ブレーキ要素(B1〜B3)、ワンウェイクラッチ要素(F)が、どのギヤ段の場合に係合および解放されるかを示している。車両の発進時に使用される1速時には、クラッチ要素(C1)、ワンウェイクラッチ要素(F)が係合する。これらのクラッチ要素の中で、特に、C1クラッチ3640は前進クラッチや入力クラッチやフォワードクラッチとも呼ばれ、図3の作動表に示すように、パーキング(P)ポジション、後進走行(R)ポジション、ニュートラル(N)ポジション以外の、車両が前進するための変速段を構成する際に必ず係合状態で使用される。
前進走行(D)ポジションであって、車両の状態が予め定められた条件(アクセルオフかつブレーキオンかつブレーキマスタシリンダ圧が所定値以上かつ車速が所定値以下等の条件)を満足して、車両が停止状態にあると判定されると、C1クラッチ3640を解放するように油圧回路を制御して、C1クラッチ3640を所定のスリップ状態にして、ニュートラルに近い状態にする制御をニュートラル制御という。
本実施の形態に係る制御装置であるECU8000は、ニュートラル制御が実行される前に、高速から急減速されて停止した場合には、駆動伝達系に大きな捩りエネルギーが蓄積されているので、ニュートラル制御の実行前(車両が停止する前)の変速時において、少なくとも捩りエネルギーを解放するに十分な時間だけニュートラル状態を形成することが特徴である。以下、この特徴についてフローチャートを用いて説明する。
図4を参照して、本実施の形態に係る制御装置であるECU8000で実行されるプログラムの制御構造について説明する。なお、以下に示すフローチャートにより表わされるプログラムは、所定のサイクルタイムで繰返し実行される。
ステップ(以下、ステップをSと略す。)100にて、ECU8000は、車速Vを検出する。このとき、ECU8000は、車速センサ8002から入力されるドライブシャフト5500の回転数から車両の車速を検出する。
S102にて、ECU8000は、車速Vがしきい値V(TH)以上であるか否かを判断する。このしきい値V(TH)は、高速からの急減速が行なわれたか否かを判断するためのしきい値であって、捩りが解放されると車両にショックを発生させるほどのエネルギーが駆動伝達系に蓄積される程度の速度が設定される。車速Vがしきい値V(TH)以上であると(S102にてYES)、処理はS104へ移される。もしそうでないと(S102にてNO)、この処理は終了する。
S104にて、ECU8000は、ブレーキ信号を検出したか否かを判断する。このとき、ECU8000は、ストップランプスイッチ8009からのブレーキペダル8008のオン状態を検出する信号を受信するとブレーキ信号を検出したと判断する。ブレーキ信号を検出すると(S104にてYES)、処理はS106へ移される。もしそうでないと(S104にてNO)、この処理は終了する。
S106にて、ECU8000は、減速度αを算出する。このとき、ECU8000は、たとえば、ブレーキ信号を検出した後に車速Vを検出して、その車速Vを時間微分することにより減速度αを算出する。なお、減速度αは正の値とする。
S108にて、ECU8000は、減速度αがしきい値α(TH)(>0)以上であるか否かを判断する。このしきい値α(TH)は高速からの急減速が行なわれたか否かを判断するためのしきい値であって、捩りが解放されると車両にショックを発生させるほどのエネルギーが駆動伝達系に蓄積される程度の減速度が設定される。減速度αがしきい値α(TH)以上、すなわち急減速であると(S108にてYES)、処理はS110へ移される。もしそうでないと、すなわち緩減速であると(S108にてNO)、この処理は終了する。
S110にて、ECU8000は、ブレーキ信号を検出したか否かを判断する。この処理は、S104の処理と同じである。すなわち、運転者が継続して減速の意思を有しており再加速の意思がないか否かが判断される。ブレーキ信号を検出すると(S110にてYES)、処理はS112へ移される。もしそうでないと(S110にてNO)、この処理は終了する。
S112にて、ECU8000は、トランスミッション3000のATF油温Tを検出する。このとき、ECU8000は、油温センサ8010から入力される温度信号に基づいて、トランスミッション2000のATF油温Tを検出する。
S114にて、ECU8000は、ATF油温Tがしきい値T(TH)以上であるか否かを判断する。このしきい値T(TH)は、たとえばC1クラッチ3640を解放(または半解放)してニュートラル状態にするための条件を満足しているか否かを判断するためのしきい値であって、ほぼ速やかにC1クラッチ3640を解放できる程度までATFの粘度が上昇している温度に対応して設定される。ATF油温Tがしきい値T(TH)以上であると(S114にてYES)、処理はS116へ移される。もしそうでないと(S116にてNO)、この処理は終了する。
S116にて、ECU8000は、変速判断があるか否かを検出する。この変速判断は、予め車速Vとアクセル開度ACCとで規定された変速マップの変速線(ここではダウンシフト変速線)を横切ったか否かにより行なわれる。変速判断があると(S116にてYES)、処理はS118へ移される。もしそうでないと(S116にてNO)、この処理は終了する。
S118にて、ECU8000は、変速時におけるニュートラル状態(たとえばC1クラッチ3640を解放することにより実現される)の設定タイマを通常よりも長く設定する。このとき、少なくとも捩りエネルギーを解放するに十分な時間だけが設定される。なお、通常時においては、変速レスポンスの向上のためにこの設定タイマが設けられなかったり、設定値には、0や0に近い値が設定される。さらに、このニュートラル状態は、変速前に解放していて変速後に係合するクラッチやブレーキの係合タイミングを、設定タイマに設定された時間だけ遅らせることでも実現できる。
S120にて、ECU8000は、変速時において設定タイマがタイムアップしたか否かを判断する。より詳しくは、変速が開始されて、たとえばC1クラッチ3640を解放するようにトランスミッション3000の油圧回路に指令信号を出力されてC1クラッチ3640が解放されると(ニュートラル状態が形成されると)、設定タイマがカウントを開始して、タイムアップしたか否かが判断される。設定タイマがタイムアップすると(S120にてYES)、処理はS122へ移される。もしそうでないと(S122にてNO)、処理はS120へ戻され、設定タイマのタイムアップを待つ。
S122にて、ECU8000は、ニュートラル状態から変速後の摩擦係合要素の係合状態を形成するように、トランスミッション3000の油圧回路に指令信号を出力する。
以上のような構造およびフローチャートに基づく、本実施の形態に係る制御装置が搭載された車両の動作について説明する。
車速Vが検出されて(S100)、車速Vがしきい値V(TH)以上であって(S102にてYES)、この高速度からの減速による減速度αがしきい値α(TH)以上であると、高速からの急な減速である(S108にてYES)。この場合の高速度からの減速は、捩りが解放されると車両にショックを発生させるほどのエネルギーが駆動伝達系に蓄積される程度の大きい。
このため、変速されるときに(S116にてYES)、変速時におけるニュートラル状態を形成している時間を規定している設定タイマの設定値を通常よりも長く設定する。このため、車両が停止するまでに実行されるダウンシフト変速毎に、捩りが解放されると車両にショックを発生させるほどの捩りエネルギーが解放される。なお、ATF油温が低い場合には(S114にてNO)、油圧応答性が良好ではないので、速やかにC1クラッチ3640を解放してニュートラル状態を形成できないので、変速時におけるニュートラル状態の形成時間を通常よりも延長する制御は実行されない。
なお、この後、ニュートラル制御を開始するための条件である車両が停止しているという条件等が満足されると、C1クラッチ3640を解放してニュートラル制御が実行される。なお、速度の他にブレーキ信号、ATF油温等についてのニュートラル制御を開始するための条件があっても構わない。
これにより、ニュートラル制御が実行されてC1クラッチ3640が解放されて、駆動伝達系の捩りが戻っても、蓄積されたエネルギーが0か小さいので、車両の停止してから開始されるニュートラル制御において、車両の搭乗者がショックを感じることを回避できる。さらに、ニュートラル制御を実行するので、燃費の向上を実現できる。
このように変速時におけるニュートラル状態の形成時間を通常よりも延長するように制御しない場合には、以下のように、捩りが解放されると車両にショックを発生させるほどの捩りエネルギーが蓄積されたままで解放されない。すなわち、通常の自動変速機の変速時においては変速途中で(手動変速機のように)トルクが遮断されないように滑らかな変速を実現している。このため、蓄積された捩りエネルギーは、変速があってもトルク伝達が継続しているため、捩りエネルギーが解放されることがない。その結果、車両が停止してニュートラル制御が実行されて初めてエネルギーが解放され、その時に捩りが解放されて車両にショックを発生させてしまう。このとき、車両が停止していること、かつ、ニュートラル制御の開始が運転者の操作によらないことにより、特に、車両の搭乗者がショックを感じ易い。
以上のようにして、本実施の形態に係る自動変速機の制御装置によると、車両が停止してから実行されるニュートラル制御の前において、減速時に蓄積されたエネルギーによる駆動伝達系の捩りを、変速時のニュートラル状態(特定の摩擦係合要素を解放または半解放(スリップ)させた状態)を用いて解放してしまう。すなわち、減速時に蓄積されたエネルギーは、車両が停止してニュートラル制御が実行されるまでの変速される毎に解放されている。このため、車両停止時にニュートラル制御が開始されて駆動伝達系の捩りが戻ることに起因するショックを、搭乗者が感じることを回避することができる。
なお、減速度αの大きさに基づいて、設定時間を変化させてもよい。一例を挙げると、減速度αが大きいほど蓄積されるエネルギーが大きくなるので、設定タイマの設定時間をより長くする。
さらに、完全なニュートラル状態にする必要はなく、蓄積されたエネルギーが解放されればよいので、摩擦係合要素を完全な解放状態にするのではなく半解放(半係合、スリップ)状態であってもよいのは上述した通りである。
<第2の実施の形態>
以下、本発明の第2の実施の形態について説明する。なお、本実施の形態における制御ブロック等は前述の第1の実施の形態と同じである(図1〜図3)。したがって、それらについての詳細な説明はここでは繰返さない。本実施の形態は、前述の第1の実施の形態と一部が異なるプログラムをECU8000が実行する。
図5を参照して、本実施の形態に係る制御装置であるECU8000で実行されるプログラムの制御構造について説明する。なお、図4に示したフローチャートと同じ処理については同じステップ番号を付してある。それらの処理の内容も同じである。したがって、それらについての詳細な説明はここでは繰返さない。
S200にて、ECU8000は、変速マップをエネルギー解放用のマップに切換える。たとえば、図6に示すマップがエネルギー解放用のマップである。図6に示すように、このエネルギー解放用のマップには、通常のマップには規定されていない変速点であって、アクセル開度ACCが0のときに減速した場合に、C1クラッチ3640を解放してニュートラル状態にしたり、C1クラッチ3640を半解放させたスリップ状態にしたりする変速点(図6の黒点)がある。なお、解放したり半解放(スリップ)させるクラッチはC1クラッチ3640には限定されない。
以上のような構造およびフローチャートに基づく、本実施の形態に係る制御装置が搭載された車両の動作について説明する。なお、第1の実施の形態と同じ説明についてはここでは繰り返さない。
車速Vがしきい値V(TH)以上であって(S102にてYES)、減速度αがしきい値α(TH)以上であると(S108にてYES)、高速からの急な減速である。この場合の高速度からの減速は、捩りが解放されると車両にショックを発生させるほどのエネルギーが駆動伝達系に蓄積される程度の大きい。
このため、変速マップが、通常のマップ(図6のマップで黒点がないマップ)からエネルギー解放用のマップ(図6のように黒点があるマップ)に切換えられる(S200)。このため、車両が停止するまでのコーストダウン時において、図6の黒点で示される変速点に速度Vが到達する毎に、C1クラッチ3640に代表される摩擦係合要素が解放状態または半解放(スリップ)状態になるように制御されて、この変速点に到達する毎に、捩りが解放されると車両にショックを発生させるほどのエネルギーが解放される。
なお、この後、ニュートラル制御を開始するための条件である車両が停止しているという条件等が満足されると、C1クラッチ3640を解放してニュートラル制御が実行される。これにより、ニュートラル制御が実行されてC1クラッチ3640が解放されて、駆動伝達系の捩りが戻っても、変速点において解放されているので蓄積されたエネルギーは0か小さい。このため、車両の停止してから開始されるニュートラル制御において、車両の搭乗者がショックを感じることを回避できる。さらに、ニュートラル制御を実行するので、燃費の向上を実現できる。
このように変速間においてニュートラル状態を形成するように制御しない場合には、以下のように、捩りが解放されると車両にショックを発生させるほどの捩りエネルギーが蓄積されたままで解放されない。すなわち、通常の自動変速機の変速時においては変速途中で(手動変速機のように)トルクが遮断されないように滑らかな変速を実現している。このため、蓄積された捩りエネルギーは、変速があってもトルク伝達が継続しているため、捩りエネルギーが解放されることがない。その結果、車両が停止してニュートラル制御が実行されて初めて捩りエネルギーが解放され、その時に捩りが解放されて車両にショックを発生させる。
以上のようにして、本実施の形態に係る自動変速機の制御装置によると、車両が停止してから実行されるニュートラル制御の前において、減速時に蓄積されたエネルギーによる駆動伝達系の捩りを、変速マップを変更して変速線の間に設定された変速点においてニュートラル状態(特定の摩擦係合要素を解放または半解放(スリップ)させた状態)を用いて解放してしまう。すなわち、減速時に蓄積されたエネルギーは、車両が停止してニュートラル制御が実行されるまでの変速点に到達する毎に解放されている。このため、車両停止時にニュートラル制御の開始により駆動伝達系の捩りが戻ることに起因するショックを、搭乗者が感じることを回避することができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明の第1の実施の形態に係る自動変速機の制御装置を含む車両の全体構成図である。 プラネタリギヤユニットを示すスケルトン図である。 各ギヤ段と、各ブレーキおよび各クラッチの対応を表した作動表を示す図である。 本発明の第1の実施の形態に係る自動変速機の制御装置であるECUで実行されるプログラムの制御構造を示すフローチャートである。 本発明の第2の実施の形態に係る自動変速機の制御装置であるECUで実行されるプログラムの制御構造を示すフローチャートである。 図5に示すフローチャートにおける変速マップである。
符号の説明
1000 エンジン、2000 前輪(従動輪)、3000 トランスミッション、3001 トルクコンバータ、3002 プラネタリーギヤユニット、4000 プロペラシャフト、5000 ディファレンシャルギヤ、6000 後輪(駆動輪)、7000 制御部、8000 ECU。

Claims (5)

  1. 車両に搭載されたエンジンと駆動輪との間の動力を、係合することにより伝達および解放することにより非伝達のいずれかの状態に切り換える係合要素を有する自動変速機の制御装置であって、
    前進走行ポジションで前記車両の状態が予め定められた条件を満足すると、前記係合要素を解放するニュートラル制御を実行するように、前記自動変速機を制御するためのニュートラル制御手段と、
    前記ニュートラル制御が実行される前の車両の減速度合いを検出するための検出手段と、
    前記減速度合いが予め定められた度合いよりも大きいと、前記自動変速機の変速に対応させて、前記係合要素を解放および半解放のいずれかの状態にするための制御手段とを含む、自動変速機の制御装置。
  2. 前記制御手段は、前記自動変速機の変速時に、予め定められた時間、前記係合要素を解放および半解放のいずれかの状態にするための手段を含む、請求項1に記載の自動変速機の制御装置。
  3. 前記制御手段は、前記減速度合いが大きいほど長く設定される時間、前記係合要素を解放および半解放のいずれかの状態にするための手段を含む、請求項2に記載の自動変速機の制御装置。
  4. 前記制御装置は、車速とアクセル開度とで規定される、複数の変速マップを記憶するための記憶手段をさらに含み、
    前記制御手段は、前記減速度合いが予め定められた度合いよりも大きいと、前記係合要素を解放および半解放のいずれかの状態にする変速点を変速線の間に含まない変速マップから前記変速点を含むマップに切換えるための手段を含む、請求項1に記載の自動変速機の制御装置。
  5. 前記車両は、プロペラシャフトを含む駆動伝達系を有する後輪駆動車両であって、
    予め定められた度合いは、減速により前記駆動伝達系に蓄積された捩りエネルギーが解放されると、前記車両の搭乗者がショックを感じる度合いである、請求項1〜4のいずれかに記載の自動変速機の制御装置。
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