JP2008128312A - 自動変速機の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】自動変速機の変速段を固定する変速比固定走行制御中に、所定の変速段以下への切換を禁止する特定モード走行制御が開始されたときに、車両の飛び出し感の発生を防止する車両用自動変速機の制御装置を提供する。
【解決手段】前記変速比固定走行制御手段の実行中に前記特定モード走行制御手段が実行された場合には、前記特定モードスイッチ操作による運転者の意図によって実行される前記特定モード走行制御手段が前記変速比固定走行制御手段による制御よりも優先して排他的に実行されるので、アクセル操作に応答する車両の飛び出し感の発生が好適に抑制される。
【選択図】図10

Description

本発明は、車両用自動変速機の制御装置、特に変速比固定走行制御手段と特定モード走行制御手段の両方を有する車両用自動変速機の制御装置に関するものである。
駆動輪の路面に対するスリップ率が所定値を超えた場合に、そのスリップ率を目標スリップ率に近づけるよう駆動輪の駆動力を制御する、いわゆるトラクション制御(Traction Control;TRC)が実行される車両において、その自動変速機の変速制御における変速判断の根拠として、車速に代えて駆動輪速が用いられることがある。このようにすると、車速センサが不要となる一方、次のような問題が生ずる。すなわち、前記駆動輪速は、前記トラクション制御の実行中に駆動輪がスリップすることにより、急変することがある。そして、かかる駆動輪速の急変によって変速判断が行われた結果、不要な変速が発生し、変速ハンチングにより搭乗者に変速ショックを与えるという問題である。
かかる問題を解消するため、前記変速判断が所定時間以上継続した場合においてのみ自動変速機の変速制御による変速段の変更を許容することにより、トラクション制御実行中の不要な変速の発生を抑制する技術が特許文献1に開示されている。
特開平5−112162号公報
ところで、前記トラクション制御に替えて或いは加えて、自動変速機の変速段を比較的大きな第1変速比に固定する変速比固定走行制御が実行される場合がある。この変速比固定走行制御の一例である微低速走行制御は、車両がたとえば岩場などの悪路を走行する場合において、自動変速機の変速段をたとえば第1速段などの最低速側の変速比に固定しつつ、車両の車速が運転者により設定された微低速の目標車速に追従するようにスロットル開度および各車輪のブレーキを制御して車両を走行させる制御である。
一方、車両においては、特定のモードに切り換えることにより自動変速機の変速制御を通常とは異なる変速を行う場合がある。たとえば、前記第1変速比よりも小さい値に設定された第2変速比から低速側への変速を禁止する特定モード走行制御がそれである。この特定モード走行制御の一例であるスノーモード制御は、例えば車両が圧雪路や凍結路などの低μ路を走行する場合において、駆動輪の駆動トルクを抑制して車両が発進および走行する際に駆動輪がスリップするのを防止するため、自動変速機の所定の第2変速比よりも高い変速比となることが禁止される。
ここで、上記変速比固定走行制御および特定モード走行制御は独立した制御であるため、変速比固定走行制御中に特定モード走行制御が選択されると、車両の飛び出し感が発生するという問題があった。たとえば、前記微低速走行制御および前記スノーモード制御による変速制御は相互に独立した制御であるため、微低速走行制御の実行中にスノーモード制御による変速制御を実行したりすることが可能である。
このように微低速走行制御の実行中にスノーモード制御が実行されると、両者の制御が重ね合わせて実行されることとなるが、微低速走行制御とスノーモード制御とは必要とする自動変速機の変速段が異なり、微低速走行制御により固定される自動変速機の所定の変速段は、スノーモード制御によって使用が禁止される自動変速機の変速段となる。しかし、自動変速機の変速段の制御に関してはいずれか一方の制御によってしか制御されることができないことから、いずれか一方の制御に基づいて自動変速機の変速段が制御されることにより、他方の制御による変速段とは異なる変速段となるため、該他方の制御の前提が得られなくなるという問題が生ずる。この結果、例えば、自動変速機の変速段が新たに実行される他方の制御が予定するものよりも高い変速比すなわちより低速側の変速段となる場合には、変速段の変更前と同様のアクセル操作を運転者が行った場合に意図しない車両の飛び出し感が発生するおそれがある。
本発明は以上の事情を背景としてなされたものであり、その目的とするところは、自動変速機の変速比を固定する変速比固定走行制御中に特定モード走行制御が選択されたとしても車両の飛び出し感のない車両用自動変速機の制御装置を提供することにある。
かかる課題を解決するための本発明の要旨とするところは、自動変速機の変速比を第1変速比に固定する変速比固定走行制御手段と、該第1変速比よりも小さい値に設定された第2変速比から低車速側への変速を禁止する特定モード走行制御手段とを有した車両用自動変速機の制御装置において、前記変速比固定走行制御の実行中に前記特定モード走行制御が選択された場合には、前記特定モード走行制御を優先して排他的に実行することを特徴とする。
このようにすれば、前記変速段固定走行制御手段の実行中に前記特定モード走行制御手段が実行された場合には、前記特定モード走行制御手段が前記変速比固定走行制御手段による制御よりも優先して排他的に実行されるので、車両の飛び出し感を防止することができる。
ここで、好適には、前記変速比固定走行制御手段は、実際の車速が予め設定された微低速目標車速となるように駆動輪の駆動力および制動力を制御するとともに、前記自動変速機の変速比を最大側に設定された変速比に固定する微低速走行制御手段であることを特徴とする。このようにすれば、前記変速比固定走行制御手段は、前記微低速走行時に前記自動変速機の変速比を最大側に設定された変速比すなわち低速側の変速比に固定することから、車速が予め設定された微低速の目標車速となるのに適した駆動輪の駆動力を得ることができる。
また、好適には、前記特定モード走行制御手段は、スノーモードスイッチの操作に基づいて選択され、前記自動変速機の前記第1変速比よりも小さい変速比とするスノーモード制御手段である。このようにすれば、前記スノーモード制御手段は自動変速機が所定の高い変速比である前記第1変速比となることを禁止するものであることから、前記変速比固定走行制御手段の実行中に前記特定モード走行制御手段が実行された場合に、前記特定モード走行制御手段が優先され、前記変速比固定走行制御手段により引き続き変速比が高くなることがなくなるので運転者の意図しない発進飛び出し感を回避することができる。
好適には、前記車両用自動変速機の制御装置は、運転者によって設定されている走行モードがスノーモードであるか否かを判定するスノーモード判定手段と、変速比固定走行制御が実行されているか否かを判定する変速比固定走行判定手段とを含み、前記スノーモード判定手段によりスノーモードと判定されておらず、かつ、変速比固定走行判定手段において変速比固定走行制御が実行されていると判定された場合に、変速比固定走行制御手段による自動変速機の変速比の第1変速比への固定を開始することを特徴とする。このようにすれば、前記スノーモード判定手段および前記変速比固定走行判定手段によって運転者の前記スノーモード制御手段および前記変速比固定走行制御手段による制御を意図しているかをそれぞれ判定することができ、該スノーモード判定手段によりスノーモードと判定されておらず、かつ、変速比固定走行判定手段において変速比固定走行が実行されていると判定された場合に、変速比固定走行制御手段による自動変速機の変速比の第1変速比への固定を開始されるので、前記スノーモード制御手段が優先して排他的に実行される。
好適には、前記車両用自動変速機の制御装置は、前記スノーモード判定手段によってスノーモードであると判定された場合には、前記変速比固定走行制御手段による前記自動変速機の変速比の固定を終了することを特徴とする。このようにすれば、前記変速比固定走行制御手段の実行中に前記スノーモード判定手段によりスノーモードと判定された場合には、前記変速比固定走行制御手段の実行を中止するので、前記スノーモード制御手段は前記変速比固定走行制御手段よりも優先して排他的に実行される。
好適には、前記自動変速機は、複数の前進変速段を有する有段式自動変速機であって、前記車両用自動変速機の制御装置は、前記スノーモード判定手段によってスノーモードであると判定された場合には、前記スノーモード制御手段によって前記自動変速機の有する前進用複数の変速段のうち最も低車速側の変速段への変速を禁止することを特徴とする。このようにすれば、前記スノーモード制御手段の実行中は、前記自動変速機の変速段のうち最も低車速側の変速段を使用されることが禁止されるので、高い変速比の変速段を使用して発進・走行を行うことがなくなり、低μ路等の発進・走行時における車両の駆動輪のスリップを防止することができる。
好適には、前記変速比固定走行制御手段は、前記車両用自動変速機の変速段を、前記自動変速機の有する複数の前進変速段のうち最も低車速側の変速段に固定することを特徴とする。このようにすれば、前記自動変速機の変速段が最も低車速側の変速段、すなわち変速比の高い変速段に固定されるので、駆動力を確保することができる。
さらに好適には、前記車両用自動変速機の制御装置は、前記変速比固定走行制御手段と、車速が1km/h乃至5km/h程度の微低速である目標車速に追従するようスロットル及び各輪ブレーキを制御する目標車速追従手段とからなる微低速走行制御手段と、前記微低速走行制御手段を実行するための微低速走行制御スイッチとを有することを特徴とする。このようにすれば、前記変速比固定走行制御手段により自動変速機の変速段が所定の変速段に固定されるとともに、前記目標車速追従手段により車速が微低速の目標車速に追従するようスロットル及び各輪ブレーキが制御されることから、前記微低速の目標車速に追従するように走行することができる。また、微低速走行制御スイッチが運転者に操作された場合に前記微低速走行制御手段が実行されることができる。
以下、本発明の一実施例について、図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は、本発明が適用された車両用動力伝達装置10の構成を説明する骨子図である。図1において、たとえば内燃機関にて構成されている走行用駆動力源としてのエンジン12の出力は、流体式動力伝達装置としてのトルクコンバータ14を経て有段式の自動変速機16に入力され、図示しない差動歯車装置および車軸を介して駆動輪へ伝達されるようになっている。トルクコンバータ14は、エンジン12に連結されたポンプ翼車20と、自動変速機16の入力軸22に連結されたタービン翼車24と、一方向クラッチ28によって一方向の回転が阻止されているステータ翼車30とを備えており、ポンプ翼車20とタービン翼車24との間で流体を介して動力伝達を行うとともに、ポンプ翼車20およびタービン翼車24の間を直結するためのロックアップクラッチ26を備えている。ロックアップクラッチ26は、係合側油室32内の油圧と解放側油室34内の油圧との差圧ΔPにより摩擦係合させられる油圧式摩擦クラッチであり、それが完全係合させられることにより、ポンプ翼車20およびタービン翼車24は一体回転させられる。また、所定のスリップ状態で係合するように差圧ΔPすなわち係合トルクがフィードバック制御されることにより、車両の駆動(パワーオン)時には例えば50rpm程度の所定のスリップ量でタービン翼車24をポンプ翼車20に対して追従回転させる一方、車両の非駆動(パワーオフ)時には例えば−50rpm程度の所定のスリップ量でポンプ翼車20がタービン翼車24に対して追従回転させられる。
自動変速機16は、ダブルピニオン型の第1遊星歯車装置40、およびシングルピニオン型の第2遊星歯車装置42、第3遊星歯車装置44を備えている遊星歯車式の変速機で、第1遊星歯車装置40のサンギヤS1はクラッチC3を介して入力軸22に選択的に連結されるとともに、一方向クラッチF2およびブレーキB3を介してハウジング38に選択的に連結され、逆方向(入力軸22と反対方向)の回転が阻止されるようになっている。第1遊星歯車装置40のキャリアCA1は、ブレーキB1を介してハウジング38に選択的に連結されるとともに、そのブレーキB1と並列に設けられた一方向クラッチF1により、常に逆方向の回転が阻止されるようになっている。第1遊星歯車装置40のリングギヤR1は、第2遊星歯車装置42のリングギヤR2と一体的に連結されており、ブレーキB2を介してハウジング38に選択的に連結されるようになっている。第2遊星歯車装置42のサンギヤS2は、第3遊星歯車装置44のサンギヤS3と一体的に連結されており、クラッチC4を介して入力軸22に選択的に連結されるとともに、一方向クラッチF0およびクラッチC1を介して入力軸22に選択的に連結され、その入力軸22に対して相対的に逆方向へ回転することが阻止されるようになっている。第2遊星歯車装置42のキャリアCA2は、第3遊星歯車装置44のリングギヤR3と一体的に連結されており、クラッチC2を介して入力軸22に選択的に連結されるとともに、ブレーキB4を介してハウジング38に選択的に連結されるようになっており、更にブレーキB4と並列に設けられた一方向クラッチF3により、常に逆方向の回転が阻止されるようになっている。そして、第3遊星歯車装置44のキャリアCA3は、出力軸46に一体的に連結されている。この出力軸46から出力されたトルクは、図示しないプロペラシャフトおよび差動歯車装置を介して駆動輪に伝達されるか、或いはトランスファ装置、前後の差動歯車装置を介して前後の駆動輪に伝達されるなどして、車両の走行が実現されるようになっている。
上記クラッチC1〜C4、およびブレーキB1〜B4(以下、特に区別しない場合は単にクラッチC、ブレーキBという)は、多板式のクラッチやブレーキなど油圧アクチュエータによって係合制御される油圧式摩擦係合装置で、油圧制御回路98(図3参照)のソレノイド弁Sol1〜Sol5、およびリニアソレノイド弁SL1、SL2の励磁、非励磁や図示しないマニュアルバルブによって油圧回路が切り換えられることにより、例えば図2に示すように係合、解放状態が切り換えられ、シフトレバー72(図4参照)の操作位置(ポジション)に応じて6つの前進変速段(1st〜6th)および1つの後進変速段(Rev)が成立させられる。図2の「1st」〜「6th」は前進の第1変速段〜第6変速段を意味しており、第1変速段「1st」から第6変速段「6th」へ向かうに従って変速比γ(=入力軸22の回転速度NIN/出力軸46の回転速度NOUT )は小さくなり、第4変速段「4th」の変速比は1.0である。また、図2において「○」は係合、空欄は解放を表し、「(○)」はエンジンブレーキ時の係合を表し、「●」は動力伝達に関与しない係合を表している。
図3の油圧制御回路98は、上記変速用のソレノイド弁Sol1〜Sol5、リニアソレノイド弁SL1、SL2の他に、主にロックアップ油圧すなわち前記係合側油室32内の油圧と解放側油室34内の油圧との差圧ΔPを制御するリニアソレノイド弁SLU、主にライン油圧を制御するリニアソレノイド弁SLTを備えており、油圧制御回路98内の作動油は、ロックアップクラッチ26へも供給されるとともに、自動変速機16等の各部の潤滑にも使用される。
図3は、図1のエンジン12や自動変速機16などを制御するために車両に設けられた制御系統を説明するブロック線図で、アクセルペダル50の操作量であるアクセル開度Accがアクセル開度センサ51により検出されるようになっている。アクセルペダル50は、運転者の出力要求量に応じて大きく踏み込み操作されるもので、アクセル操作部材に相当し、アクセル開度Accは出力要求量に相当する。エンジン12の吸気配管には、スロットルアクチュエータ54によってアクセル開度Accに応じた開き角すなわちスロットル開度θTHとされる電子スロットル弁56が設けられている。また、アイドル回転速度制御のために上記電子スロットル弁56をバイパスさせるバイパス通路52には、エンジン12のアイドル回転速度NEIDLを制御するために電子スロットル弁56の全閉時の吸気量を制御するISC(アイドル回転速度制御)バルブ53が設けられている。この他、エンジン12の回転速度NE を検出するためのエンジン回転速度センサ58、エンジン12の吸入空気量Qを検出するための吸入空気量センサ60、吸入空気の温度TA を検出するための吸入空気温度センサ62、上記電子スロットル弁56の全閉状態(アイドル状態)およびそのスロットル開度θTHを検出するためのアイドルスイッチ付スロットルセンサ64、車速V(出力軸46の回転速度NOUT に対応)を検出するための車速センサ66、エンジン12の冷却水温TW を検出するための冷却水温センサ68、常用ブレーキであるフットブレーキペダル69の操作の有無を検出するためのブレーキスイッチ70、シフトレバー72のレバーポジション(操作位置)PSHを検出するためのレバーポジションセンサ74、タービン回転速度NT (=入力軸22の回転速度NIN)を検出するためのタービン回転速度センサ76、油圧制御回路98内の作動油の温度であるAT油温TOIL を検出するためのAT油温センサ78、アップシフトスイッチ80、ダウンシフトスイッチ82などが設けられており、それらのセンサやスイッチから、エンジン回転速度NE 、吸入空気量Q、吸入空気温度TA 、スロットル開度θTH、車速V、エンジン冷却水温TW 、ブレーキ操作の有無、シフトレバー72のレバーポジションPSH、タービン回転速度NT 、AT油温TOIL 、変速レンジのアップ指令RUP、ダウン指令RDNなどを表す信号が電子制御装置90に供給されるようになっている。また、フットブレーキペダル69の操作時に車輪がロック(スリップ)しないようにブレーキ力を制御するABS(アンチロックブレーキシステム)84に接続され、ブレーキ力に対応するブレーキ油圧等に関する情報が供給されるようになっている。
電子制御装置90は、CPU、RAM、ROM、入出力インターフェース等を備えた所謂マイクロコンピュータを含んで構成されており、CPUはRAMの一時記憶機能を利用しつつ予めROMに記憶されたプログラムに従って信号処理を行うことにより、エンジン12の出力制御や自動変速機16の変速制御、ロックアップクラッチ26のロックアップクラッチ制御などを実行するようになっており、必要に応じてエンジン制御用と変速制御用とに分けて構成される。
上記エンジン12の出力制御については、スロットルアクチュエータ54により電子スロットル弁56を開閉制御する他、燃料噴射量制御のために燃料噴射弁92を制御し、点火時期制御のためにイグナイタ等の点火装置94を制御し、アイドル回転速度制御のためにISCバルブ53を制御する。電子スロットル弁56の制御は、例えば図5に示す関係から実際のアクセル開度Accに基づいてスロットルアクチュエータ54を駆動し、アクセル開度Accが増加するほどスロットル開度θTHを増加させる。また、エンジン12の始動時には、スタータ(電動モータ)96によってエンジン12のクランク軸18をクランキングする。
また、前記自動変速機16の変速制御については、図4に示すシフトレバー72のレバーポジションPSHに応じて、例えば図6に示す予め記憶された変速線図(変速マップ)を選択し、その変速線図から実際のスロットル開度θTHおよび車速Vに基づいて自動変速機16の変速すべき変速段を決定しすなわち現在の変速段から変速先の変速段への変速判断を実行し、その決定された変速段への変速作動を開始させる変速出力を実行する。シフトレバー72は運転席の近傍に配設され、4つのレバーポジション「R(リバース)」、「N(ニュートラル)」、「D(ドライブ)」、または「S(シーケンシャル)」へ手動操作されるようになっている。「R」ポジションは後進走行位置で、「N」ポジションは動力伝達遮断位置で、「D」ポジションは自動変速による前進走行位置で、「S」ポジションは変速可能な高速側の変速段が異なる複数の変速レンジを切り換えることにより手動変速が可能な前進走行位置であり、シフトレバー72がどのレバーポジションへ操作されているかが前記レバーポジションセンサ74によって検出される。また、レバーポジション「R」、「N」、「D(S)」は車両の前後方向(図4の上方が車両前側)に沿って設けられており、シフトレバー72にケーブルやリンクなどを介して連結されたマニュアルバルブがシフトレバー72の前後操作に伴って機械的に作動させられることにより、油圧回路が切り換えられるようになっており、「R」ポジションではリバース用回路が機械的に成立させられるなどして図2に示す後進変速段「Rev」が成立させられ、「N」ポジションではニュートラル回路が機械的に成立させられて総てのクラッチCおよびブレーキBが解放される。
また、前進走行位置である「D」ポジションまたは「S」ポジションへ操作された場合は、同じくシフトレバー72の操作に従ってマニュアルバルブにより油圧回路が切り換えられることにより前進用回路が機械的に成立させられ、前進変速段である第1変速段「1st」〜第6変速段「6th」で変速しながら前進走行することが可能となる。シフトレバー72が「D」ポジションへ操作された場合は、そのことをレバーポジションセンサ74の信号から判断して自動変速モードを成立させ、第1変速段「1st」〜第6変速段「6th」の総ての前進変速段を用いて変速制御を行う。すなわち、駆動力変化などの変速ショックが発生したり摩擦材の耐久性が損なわれたりすることがないように、前記ソレノイド弁Sol1〜Sol5、およびリニアソレノイド弁SL1、SL2の励磁、非励磁をそれぞれ制御することにより、油圧制御回路98を切り換えて第1変速段「1st」〜第6変速段「6th」の何れかの前進変速段を成立させるのである。図6の実線はアップシフト線で、破線はダウンシフト線であり、車速Vが低くなったりスロットル弁開度θTHが大きくなったりするに従って、変速比(=入力回転速度NIN/出力回転速度NOUT )が大きい低速側の変速段に切り換えられるようになっており、図中の「1」〜「6」は第1速変速段「1st」〜第6速変速段「6th」を意味している。なお、第1変速段「1st」〜第4変速段「4th」では、一方向クラッチF0〜F3が係合されることによって各変速段が成立させられているので、車両の減速走行時にはニュートラル状態とならないように、エンジンブレーキ作用が得られるために図2に示した「(○)」に対応するクラッチC或いはブレーキBを係合する。車両の減速走行時にエンジンブレーキ作用が得られることによって、車両の制動力が高められる一方で、上記ニュートラル状態となることで図示しない駆動輪と入力軸22が切り離された状態となりタービン回転速度NT とともにエンジン回転速度NE が一時的に低下させられないようにして、フューエルカット装置によるフューエルカット状態ができるだけ長く継続されてフューエルカットによる燃費効果が得られる。
シフトレバー72が「S」ポジションへ操作された場合は、そのことをレバーポジションセンサ74の信号から判断してマニュアル変速モードを成立させる。「S」ポジションは、車両の前後方向において上記「D」ポジションと同じ位置において車両の幅方向に隣接して設けられており、油圧回路は「D」ポジションの時と同じであるが、「D」ポジションで変速可能な変速範囲内すなわち第1変速段「1st」〜第6変速段「6th」の間で定められた複数の変速レンジを任意に選択できるマニュアル変速モードを電気的に成立させるのである。「S」ポジションには、車両の前後方向にアップシフト位置「(+)」、およびダウンシフト位置「(−)」が設けられており、シフトレバー72がそれ等のアップシフト位置「(+)」またはダウンシフト位置「(−)」へ操作されると、そのことが前記アップシフトスイッチ80、ダウンシフトスイッチ82によって検出され、アップ指令RUPやダウン指令RDNに従って最高速段すなわち変速比が小さい高速側の変速範囲が異なる6つの変速レンジ「D」、「5」、「4」、「3」、「2」、「L」の何れかを電気的に成立させるとともに、各変速範囲内において例えば図6の変速マップに従って自動的に変速制御を行う。上記アップシフト位置「(+)」およびダウンシフト位置「(−)」は何れも不安定で、シフトレバー72はスプリング等の付勢手段により自動的に「S」ポジションへ戻されるようになっており、アップシフト位置「(+)」またはダウンシフト位置「(−)」への操作回数或いは保持時間などに応じて変速レンジが変更される。
図7は、図1及び図2のエンジン10や自動変速機16などを制御するために車両に設けられた電子制御装置90の制御系統を説明するブロック線図である。本図において、微低速走行制御セットスイッチ116は、例えば図9に示すようなダイヤル式スイッチとして運転席付近に設けられ、微低速走行制御の選択および、微低速走行制御を実行する場合の目標車速VMを設定できるようになっている。そして、前記微低速走行制御セットスイッチ116によって設定された情報が微低速走行制御手段102に伝達され、前記微低速走行制御手段102の作動の有無などが決定されるのに用いられる。
微低速走行制御手段102は、変速比固定走行制御手段として機能するものであり、たとえば、微低速走行制御セットスイッチ116によって微低速走行制御が選択され、車両が停止状態であり、シフトレバー72が「D」ポジションに位置し、かつ自動変速機16が第1速段であるなどの微低速走行制御開始条件が成立すると、自動変速機16を第1速段に固定するとともに、実際の車速V(km/h)が運転者によって予め設定された時速1km/h乃至5km/hの微低速の目標速度VM(km/h)に追従して走行するように、スロットル開度θTHを調整すべくスロットルアクチュエータ54を制御し、制動力を生じさせるべく車輪に設けられたブレーキを制御する、微低速走行制御を実行する。この微低速走行制御は、車両が例えば岩場等の悪路を走行する場合において好適に用いられるものである。
微低速走行制御手段102は、変速比固定走行制御手段104と、実際の車速Vが目標車速VMに追従するようスロットル及び各輪ブレーキを制御する目標車速追従手段110とを備えている。目標車速追従手段110は、車両の車速が後述する微低速走行制御セットスイッチ116を用いて運転者によって設定された目標車速となるように、スロットル開度θTHおよびブレーキによる制動力を調整する。このとき、スロットル開度θTHおよびブレーキによる制動力は、たとえば図11に示すように、車速と目標車速との偏差に応じたフィードバック制御によって決定される。
変速比固定走行制御手段104は、前記微低速走行制御開始条件が成立すると、自動変速機16を最大変速比とするために、その変速段を予め定められた最低速側の第1速段に固定する。
図11は、前記微低速走行制御の動作の様子を説明するタイムチャートであって、各縦軸にはそれぞれ車体速または車輪速、駆動トルク、および制動トルクがそれぞれ、共通の時刻を表す複数本の横軸とともに表されている。このうち、縦軸に車体速または車輪速をとった座標平面においては、それを上回ることにより制動力制御が開始される車体速または車輪速の値である制動力制御しきい値VMmaxたとえば目標車速範囲の上限値が破線で、また、それを下回る事により駆動力制御が開始される車体速または車輪速の値である駆動力制御しきい値VMminたとえば目標車速範囲の下限値が一点鎖線で、また、微低速走行制御の目標車速VMに対応する車体速または車輪速の値が実線でそれぞれ表されている。ここで、制動力制御によって車両に加えられる制動トルクは、前記上限値VMmaxを上回る車輪速の大きさによって定まる車輪速フィードバックトルクであり、駆動力制御によって車両に加えられる駆動トルクは、車両が坂路においても停止するために必要なトルクである坂路保持トルクと前記下限値VMminを下回る車体速の大きさによって定まる車体速フィードバックトルクの合計である。また、車両が段差を乗り越えた場合に、その段差を乗り越えるために加えられた大きなトルクによって車輪がスリップするのを防止するため、その段差を乗り越えたと判定された後に、駆動トルクの強制トルクダウンと制動トルクの強制トルクアップがそれぞれ行われる。なお、前記坂路保持トルクは、坂路の勾配や車重などによって決定される値であって、例えば予め実験的にこれらの関係を求めてマップなどに記憶しておき、適宜読み出すことによって決定される。
図11の時刻t1において、運転者によってブレーキが操作され車両が停止している状態において、前記微低速走行制御を実行させるための選択スイッチ(本実施例においては微低速走行セットスイッチ116)がオンにされたとする。このとき、例えば車両が坂路に停止しているような場合には、駆動トルクと制動トルクの合計が車両が坂路で停止するのに必要となる坂路保持トルクとなるように駆動トルクと制動トルクがそれぞれ出力される。
続く時刻t2においては、運転者によりブレーキが離された後において、t2からt3までの間は車速が目標車速範囲の下限値VMminを下回っていることから、これに追従するように加速すべく駆動トルクが加えられ、徐々に車速が増加させられる。そして、以後時刻t7までの間、車速が目標車速に追従するための車体速および車輪速に基づいて制動トルクおよび駆動トルクの制御が行われる。
時刻t7において、車速は0となっているが、これは車輪が段差に突き当たって車両が停止した状態を表している。そのため、時刻t7から段差を乗り越えるために駆動トルクが徐々に大きくされるが、時刻t8において、段差乗り越え判定トルクを上回る。この段差乗り越え判定トルクは、駆動トルクがかかるトルクを越えても車両が発進しない場合において、さらに駆動トルクを加えて車両が発進した場合に段差を乗り越えたと判断するために予め設定された基準値である。すなわち、車両が段差を乗り越えたことの判定は、前記段差乗り越え判定トルクを上回ったトルクが駆動トルクとして出力されたこと、および、車速が0から0より大きい値に変化したことの両方が満たされたことによって行われる。そして、この段差乗り越え判定がされた場合には、その後に駆動トルクの強制トルクダウンと、制動トルクの強制トルクアップを実行し、車輪のスリップを防止する。そのため、段差乗り越え判定トルクを上回っても車速が0の場合には、段差の乗り越えを判定する段差乗り越え判定区間とされる。
図7に戻って、特定モードセットスイッチ114は、たとえば図8に示すようなシーソー型スイッチとして運転席付近に設けられ、通常の自動変速機16の変速制御を行うポジションであるNORMALと前記スノーモードが実行されるポジションであるSNOWの2つのポジションのうち、運転者によりいずれか一方が選択されるようになっている。そして、その選択されたポジションに対応するモードで自動変速機16の変速制御が実行される。
特定モード走行制御手段106は、運転者により特定モードセットスイッチ114がオンとされた場合に実行されるものであって、自動変速機16の変速制御が通常とは異なる特定モード走行を実行する。本実施例においては、前記特定モードとはスノーモードであり、特定モード走行制御手段106はスノーモード制御手段106となる。そして、スノーモード制御手段106は、自動変速機16の変速段のうち低車速側である変速比の高い所定の低速段、例えば微低速走行制御手段102により固定される第1速段への切換を禁止した、言い換えれば第1速段よりも変速比が小さい第2速段以上の変速段を用いた変速を行う。また、スノーモード制御手段106は前記第1速段への切換えの禁止に加え、アクセル開度Accに対するスロットル開度θTHの関係を変更することにより、スロットル開度θTHが大きくなりすぎる事によるスリップ率の増大を防止する。具体的には例えば、図5の一点鎖線で示すような、同一のアクセル開度Accであれば通常モードと比較して小さいスロットル開度θTHとなるような関係に変更する。
排他制御手段108は、前記微低速走行制御手段102による制御と特定モード走行制御手段106による制御とが同時に実行されようとする場合において、いずれか一方を優先して排他的に実行する。これは、上述の通り、微低速走行制御手段102は微低速走行制御セットスイッチ116が、特定モード走行制御手段106は特定モードスイッチ114がそれぞれ運転者によって操作されることによって独立して開始されることができる。しかしながら、微低速走行制御手段102に含まれる変速比固定走行制御手段104は、自動変速機16の変速段を第1速段に固定しようとする一方、特定モード走行制御手段106としてのスノーモード制御手段106は、自動変速機16の変速段のうち第1速段を使用しないで変速を実行しようとすることから、変速比固定走行制御手段104とスノーモード制御手段106は互いに矛盾する制御となり、同時に実行し得ないためである。具体的には例えば、微低速走行制御手段102の実行中に特定モード走行制御手段106の実行が開始すべく特定モードスイッチ114が運転者により操作された場合には、微低速走行制御手段102の実行を停止すると共に特定モード走行制御手段106の実行を開始する。また、特定モード走行制御手段106の実行中に微低速走行制御手段106の実行を開始すべく微低速走行制御セットスイッチ116が運転者に操作された場合には、微低速走行制御手段102の実行を開始せず、前記特定モード走行制御手段106を実行し続ける。なお、微低速走行制御手段102と前記特定モード走行制御手段106のいずれか一方しか実行されていない場合は該実行されているいずれか一方を実行するようにすればよく、また、微低速走行制御手段102と特定モード走行制御手段106のいずれも実行されていない場合には、通常の変速制御を実行する。
変速制御手段112は、油圧制御回路66に設けられたソレノイドバルブSol1乃至Sol5等(図3参照)を必要に応じて駆動させるなどして自動変速機16の自動変速を実行する。ここで、基本的には図6を用いて判断された変速段を成立するように変速を実行するが、排他制御手段108の判断にもとづいて前記変速比固定走行制御手段104もしくは特定モード走行制御手段106が実行される結果、これらの制御手段によって変速段が指示される場合には、その変速段を成立させるように変速を実行する。
図10は電子制御装置90の制御作動の要部を示すフローチャートである。本フローチャートは、例えば数ms乃至数十msの所定の間隔で繰り返し実行される。本図においてステップ(以下「ステップ」を省略する。)S1は、変速制御手段112に対応し、例えば車速Vおよびスロットル開度θTHにもとづいて図6に示す変速線図から通常の変速制御において走行に適した変速段SFTJDGMAPが算出される。
S2においては、たとえば特定モードスイッチ114のオンオフ状態に基づいて、スノーモード制御手段106が実行されているか否かが判定される。本ステップの判断が肯定された場合、すなわち、スノーモード制御手段106が実行されていると判断される場合には、続いてS3が実行され、本ステップの判断が否定された場合、すなわちスノーモード制御手段106が実行されていないと判断される場合にはS6が実行される。
S3においては、たとえば微低速走行制御セットスイッチ116のオンオフ状態に基づいて、微低速走行制御手段102が実行されているか否かが判定される。本ステップの判断が否定された場合、すなわち、微低速走行制御手段102が実行されていない場合には、スノーモード制御手段106のみが実行されており、微低速走行制御手段102は実行されていないものであるとして、S5が実行される。一方、本ステップの判断が肯定された場合、すなわち、微低速走行制御手段102とスノーモード制御手段106との両方が実行されると判断された場合には、S4が実行される。
排他制御手段108に対応するS4においては、自動変速機16の変速段の制御に関して、互いに干渉し合う微低速走行制御手段102とスノーモード制御手段106の両方が実行される状態を回避すべく、微低速走行制御手段102の実行が終了させられる。これによって、以降はスノーモード制御手段106のみが実行させられる状態となって、S5が実行される。
スノーモード制御手段106に対応するS5においては、いわゆるスノーモード制御が実行される。具体的には、S1で実際の走行状態に対応して決定された自動変速機16の通常状態の変速段SFTJDGMAPを最終目標変速段としつつ、自動変速機16の変速段のうち、最大変速比の変速段である第1速段の使用を禁止し、第2速段より上の変速段のみを用いて変速が実行される。
一方、S2の判断が否定された場合にはS6乃至S11が実行される。まずS6においては、たとえば微低速走行制御セットスイッチ116のオンオフ状態に基づいて、微低速走行制御手段102が実行されているか否かが判定される。本ステップS6の判断が否定された場合、すなわち、微低速走行制御手段102とスノーモード制御手段106の両方がともに実行されていないと判断される場合には、S7が実行される。一方、本ステップS6の判断が肯定された場合すなわちスノーモード制御手段106が実行されていない一方で微低速走行制御手段102が実行されていると判断される場合には、S8が実行される。
S7においては、微低速走行制御手段102が実行中でない場合において、新たに微低速走行制御セットスイッチ116がオンとされることにより微低速走行制御手段102の実行が開始させられたか否かが判定される。そして、本ステップの判断が肯定された場合には、微低速走行制御を実行すべくS10が実行される一方、本ステップの判断が否定される場合には、微低速走行制御、スノーモード制御のいずれも実行されないとして、S9が実行される。
また、S8においては、微低速走行コントロール制御手段102が実行中である場合において、微低速走行制御セットスイッチ116がオフとされることによりすでに実行されている微低速走行制御手段102の実行が終了させられたか否かが判定される。そして、本ステップの判断が肯定された場合には、微低速走行制御を終了すべくS9が実行される一方、本ステップの判断が否定された場合には、引き続き微低速走行制御を実行すべくS10が実行される。
微低速走行制御手段102に対応するS10およびS11においては、実際の微低速走行制御が実行される。具体的には、まず目標車速追従手段110に対応するS10においては、微低速走行制御のうち、ブレーキ制動力やスロットルの開度の制御が実行される。例えば、駆動輪のスリップ率が所定のスリップ率を上回った場合において、ブレーキの制動力を高めたり、あるいはスロットル開度を小さく、すなわちスロットルを閉じることにより前記駆動輪のスリップ率を小さくする。また、これに加えて、運転者が前記微低速走行制御セットスイッチ116によって設定した微低速走行制御時の目標車速に車両の車速が追従するようにブレーキの制動力およびスロットル開度を制御する。
また、変速段固定手段104に対応するS11では、微低速走行制御実行時に車両の自動変速機16の変速段を最大変速比である第1速段などの、微低速の目標車速に車速が追従するように走行するのに適した所定の変速段に固定される。
S9は、S7において微低速走行制御手段102が実行されていないと判定された場合及びS8において微低速走行制御手段102が終了されると判定された場合に実行されるステップであり、変速段固定手段104によって実行されていた自動変速機16の変速段の所定の変速段への固定が終了させられ、S1で図6の変速線図に基づいて算出された通常の走行状態における変速段SFTJDGMAPを最終目標変速段とされる。
以上のように、本実施例によれば、変速比固定走行制御手段104による変速比固定走行制御の実行中に特定モード走行制御手段に対応するスノーモード制御手段106が実行された場合には、特定モードスイッチ114の操作による運転者の意図によって実行される特定モード走行制御手段106が変速比固定走行制御手段104よりも優先して排他的に実行されるので、運転者の意図を反映した変速制御が実行され、車両の飛び出し感を防止することができる。
また、本実施例によれば、変速比固定走行制御手段104は、微低速走行時に自動変速機16の変速比γを最大変速比すなわち低速側の変速比に固定することから、車速Vが予め設定された微低速の目標車速となるのに適した駆動輪の駆動力を得ることができる。
また、本実施例によれば、特定モード走行制御手段106は、スノーモードスイッチの操作に基づいて選択され、前記自動変速機の第1変速比よりも小さい変速比とするスノーモード制御手段106であるので、変速比固定走行制御手段104の実行中に特定モード走行制御手段106が実行された場合に、特定モード走行制御手段106が優先され、変速比固定走行制御手段104により引き続き変速比γが高くなることがなくなるので運転者の意図しない発進飛び出し感を回避することができる。
また、本実施例によれば、車両用自動変速機の制御装置としての電子制御装置90は、スノーモード判定手段としての特定モードセットスイッチ114および変速比固定走行判定手段としての微低速走行制御セットスイッチ116によって運転者のスノーモード制御手段106および変速比固定走行制御手段104による制御を意図しているかをそれぞれ判定することができ、スノーモード判定手段としての特定モードセットスイッチ114によりスノーモードと判定されておらず、かつ、変速比固定走行判定手段としての微低速走行制御セットスイッチ116において変速比固定走行が実行されていると判定された場合に、変速比固定走行制御手段104による自動変速機の変速比γの第1変速比への固定を開始されるので、スノーモード制御手段106が優先して排他的に実行される。
また、本実施例によれば、変速比固定走行制御手段104の実行中にスノーモード判定手段としての特定モードセットスイッチ114によりスノーモードと判定された場合には、変速比固定走行制御手段104の実行を中止するので、スノーモード制御手段104は変速比固定走行制御手段104よりも優先して排他的に実行される。
また、本実施例によれば、自動変速機16は、前進用に複数の変速段を有する有段式自動変速機であって、スノーモード制御手段106の実行中は、自動変速機16の変速段のうち最も低車速側の変速段を使用されることが禁止されるので、高い変速比の変速段を使用して発進・走行を行うことがなくなり、低μ路等の発進・走行時における車両の駆動輪のスリップを防止することができる。
また、本実施例によれば、変速比固定走行制御手段104は、自動変速機16の変速段を、前記自動変速機の有する前進用複数の変速段のうち最も低車速側の変速段すなわち変速比の高い変速段に固定されるので、駆動力を確保することができる。
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明はその他の態様においても適用される。
例えば、上述の実施例においては、自動変速機16は有段式の自動変速機とされたが、これに限られず、例えば、有段変速モードを有する無段式の自動変速機であってもよい。また、無段変速機はベルト式など機械的に実現されるものであってもよいし、電動機によって電気的に実現されるものであっても良い。
また、上述の実施例においては、自動変速機16の変速段は、変速比固定走行制御手段104によって最大の変速比を有する第1速段に固定されたが、自動変速機16が前記無段式の自動変速機であるなどの場合において、その変速比は必ずしも最大の変速比に固定される必要はなく、最大側に設定された変速比であればよい。
また、上述の実施例においては、特定モードスイッチ114として、シーソー型スイッチが用いられたが、これに限られず、例えば押しボタン式のスイッチ、択一的にのみ押した状態が保持可能な2つの押しボタン式のスイッチ、レバー式スイッチ、スライド式スイッチ等の少なくとも無段変速走行(差動状態)と有段変速走行(非差動状態)とが択一的に切り換えられるスイッチであればよい。また、前記スノーモードに相当する特定モードに加えて、他に自動変速機の制御モードとして特定モードを有する場合には、前記スイッチによって前記スノーモードおよび通常の変速制御であるノーマルモードに加え、前記他の特定モードとが切り換えられるようにしてもよい。また、スイッチに替えて或いは加えて、手動操作に因らず運転者の音声に反応して少なくとも無段変速走行(差動状態)と有段変速走行(非差動状態)とが択一的に切り換えられる装置や足の操作により切り換えられる装置等であってもよい。あるいは、車両に設けられたマルチインフォメーションディスプレイ等の画面上に設けられたスイッチをタッチパネル等によって操作するものであってもよい。
同様に、上述の実施例においては、微低速走行制御セットスイッチ116として、ロータリー式のスイッチが用いられたが、これに限られず、例えば押しボタン式のスイッチ、択一的にのみ押した状態が保持可能な2つの押しボタン式のスイッチ、レバー式スイッチ、スライド式スイッチ等の少なくとも微低速走行制御の実行状態と非実行状態とがとが択一的に切り換えられ、また微低速走行制御の実行時における目標車速が設定できるスイッチであればよい。また、微低速走行制御の実行の有無と、目標車速の設定は別個のスイッチによって設定されてもよい。また、スイッチに替えて或いは加えて、手動操作に因らず運転者の音声に反応して少なくとも無段変速走行(差動状態)と有段変速走行(非差動状態)とが択一的に切り換えられる装置や足の操作により切り換えられる装置等であってもよい。あるいは、車両に設けられたマルチインフォメーションディスプレイ等の画面上に設けられたスイッチをタッチパネル等によって操作するようにしてもよい。
なお、本実施例において、微低速走行制御手段102は、変速比固定走行制御手段104に加え、目標車速追従手段110を有したが、少なくとも変速比固定走行制御手段104が存在すれば、本発明の一定の効果は得ることができる。
本発明が好適に適用される車両用自動変速機の骨子図である。 図1の自動変速機の各ギヤ段を成立させるためのクラッチおよびブレーキの係合、解放状態を説明する図である。 図1の実施例の車両に設けられた電子制御装置の入出力信号を説明する図である。 図3のシフトレバーを具体的に示す斜視図である。 図3の電子制御装置によって行われるスロットル制御で用いられるアクセル開度Accとスロットル弁開度θTHとの関係の一例を示す図である。 図3の電子制御装置によって行われる自動変速機の変速制御で用いられる変速線図(マップ)の一例を示す図である。 図3の電子制御装置が備えている制御機能の要部を説明する機能ブロック線図である。 図7の特定モードスイッチの一例を示す図である。 図7の微低速走行制御セットスイッチの一例を表す図である。 図3の電子制御装置の制御機能の要部すなわち車両に備えられた自動変速機の制御装置の作動を説明するフローチャートである。 微低速走行制御の内容を説明するためのタイムチャートである。
符号の説明
16:自動変速機
90:電子制御装置(自動変速機の制御装置)
102:微低速走行制御手段
114:特定モードセットスイッチ
106:特定モード走行制御手段(スノーモード制御手段)

Claims (7)

  1. 自動変速機の変速比を第1変速比に固定する変速比固定走行制御手段と、該第1変速比よりも小さい値に設定された第2変速比から低車速側への変速を禁止する特定モード走行制御手段とを有した車両用自動変速機の制御装置において、
    前記変速比固定走行制御の実行中に前記特定モード走行制御が選択された場合には、前記特定モード走行制御を優先して排他的に実行することを特徴とする車両用自動変速機の制御装置。
  2. 前記変速比固定走行制御手段は、実際の車速が予め設定された微低速目標車速となるように駆動輪の駆動力および制動力を制御するとともに、前記自動変速機の変速比を最大側に設定された変速比に固定する微低速走行制御手段であることを特徴とする請求項1に記載の車両用自動変速機の制御装置。
  3. 前記特定モード走行制御手段は、スノーモードスイッチの操作に基づいて選択され、前記自動変速機の前記第1変速比よりも小さい変速比とするスノーモード制御手段であることを特徴とする請求項1または2に記載の車両用自動変速機の制御装置。
  4. 運転者によって設定されている走行モードがスノーモードであるか否かを判定するスノーモード判定手段と、
    変速比固定走行制御が実行されているか否かを判定する変速比固定走行判定手段とを含み、
    前記スノーモード判定手段によりスノーモードと判定されておらず、かつ、変速比固定走行判定手段において変速比固定走行が実行されていると判定された場合に、変速比固定走行制御手段による自動変速機の変速比の前記第1変速比への固定を開始することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の車両用自動変速機の制御装置。
  5. 前記スノーモード判定手段によってスノーモードであると判定された場合には、前記変速比固定走行制御手段による前記自動変速機の変速比の前記第1変速比への固定を終了することを特徴とする請求項4に記載の車両用自動変速機の制御装置
  6. 前記自動変速機は、複数の前進変速段を有する有段式自動変速機であって、
    前記スノーモード判定手段によってスノーモードであると判定された場合には、前記スノーモード制御手段によって前記自動変速機の有する前進用複数の変速段のうち最も低車速側の変速段への変速を禁止することを特徴とする請求項4または5に記載の車両用自動変速機の制御装置。
  7. 前記変速比固定走行制御手段は、前記自動変速機の変速段を、前記自動変速機の有する複数の前進変速段のうち最も低車速側の変速段に固定することを特徴とする請求項6に記載の車両用自動変速機の制御装置。
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