JP2008064137A - 一方向クラッチ及び動力伝達装置 - Google Patents

一方向クラッチ及び動力伝達装置 Download PDF

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Abstract

【課題】ローラと内外輪との噛み合い性能を高めることができる一方向クラッチを提供する。
【解決手段】内輪1と、この内輪1と同軸心状にある外輪2と、内外輪1,2間に収納された複数のローラ3と、各ローラ3の周方向位置を保持する保持器4とを備えている。ローラ3が内輪1の外周面1a及び外輪2の内周面2aに接触し噛み合うことにより内外輪1,2が一体回転するとともに、その噛み合いが行われないときは内外輪1,2が相対回転する。内輪1の外周面1aに、ローラ3の当該内輪1に対する接触面圧を部分的に増大させる溝7が形成されている。
【選択図】 図2

Description

この発明は、一方向クラッチ、及びこの一方向クラッチを備えた動力伝達装置に関する。
自動車等の車両には、エンジンのクランクシャフトの回転により駆動するオルタネータ等の補機が設けられている。オルタネータの回転軸に固定したプーリと、エンジンのクランクシャフトに固定したプーリとに、無端ベルトが架けられており、オルタネータはエンジンの回転動力を駆動源としている。このように、エンジンの回動動力を駆動源とする場合では、エンジンのクランクシャフトの回転速度には周期的な変動が生じるため、無端ベルトとオルタネータのプーリとの間に滑りが生じて異音が発生したり、ベルトに摩耗が生じたりするという問題点がある。
そこで、このようなオルタネータでは、前記問題点の発生を抑制するためにオルタネータの回転軸とプーリとの間に、一方向クラッチを設けることが提案されている。この一方向クラッチは、例えば特許文献1に示しているように、オルタネータの回転軸に固定した内輪と、プーリに固定した外輪と、これらの内外輪の間に形成されているくさび空間に設けられた複数のローラと、これらローラを保持している保持器と、ローラを一方向に付勢しているバネとを備えている。そして、外輪の回転速度が内輪の回転速度よりも速くなり、外輪が内輪に対して相対回転しようとする場合には、ローラが前記くさび空間に噛み込み、内輪と外輪とが相対回転不能となるロック状態となる。一方、外輪の回転速度が内輪の回転速度よりも遅くなった場合、ローラの噛み込みが解け、内輪と外輪との相対回転が自在となるフリー状態になる。このように一方向クラッチにおいてロック状態とフリー状態との間を切り換えることにより前記回転速度の変動を吸収することができ、前記問題点の発生を抑制している。
このようなオルタネータ等に用いられる一方向クラッチにおいて、特に低温環境下でのローラと内外輪との噛み合い性能を向上させるために、前記特許文献1のように低温特性の優れたグリースを採用したり、ローラと外輪との接触面間のくさび角度を小さくしたり、前記バネのバネ係数を大きくしたりする手段が考えられる。
特開2002−130433号公報
しかし、低温特性の優れたグリースを採用した場合、エンジン始動時等の低温状態では優れた性能を発揮するが、その後、高温状態になるとグリースの性能が低下し、発熱等が生じて一方向クラッチの寿命が低下するおそれがある。また、ローラと外輪との接触面間のくさび角度を小さくした場合では、その接触面間の面圧が増大することで発熱が生じ、一方向クラッチの寿命が低下したり、内外輪を相対回転させる必要があるのにローラが内外輪間に噛み込んでロック状態になってしまったりするおそれがある。そして、バネのバネ係数を大きくした場合では、ローラと内外輪との間の摩擦熱が増加したり潤滑油不足になったりし、一方向クラッチの寿命が低下するおそれがある。このように、従来の手段では、ローラと内外輪間の噛み合い性能を向上させることができるが、その手段の適用が原因となってその他の性能を低下させてしまう。
さらに、近年ではエンジン性能が向上し高出力化したことにより、エンジンのクランクシャフトの回転速度の変動がさらに大きくなっている。このため、オルタネータ等に設けられる一方向クラッチは、フリー状態とロック状態との間の切り換えがスムーズかつ迅速に行われることが必要になる。しかし、従来の一方向クラッチでは、前記各手段を採用したとしても、ローラと内外輪との接触面間にグリースによる膜が介在し、この接触面間で滑りが生じ、必要な摩擦係数が得られず、前記回転速度の変動をうまく吸収できない場合がある。特に低温環境下では、グリースの粘度が高くなり、接触面間にグリースの膜が生じて滑りが発生しやすく、前記回転速度の変動をうまく吸収できなくなる傾向が強まる。
そこでこの発明は、係合子と内外輪との噛み合い性能を高めることができる新たな一方向クラッチ、及びこれを備えた動力伝達装置を提供することを目的とする。
前記目的を達成するためのこの発明は、内輪と、この内輪に同軸心状に配置された外輪と、前記内外輪間に収納された複数の係合子と、この各係合子の前記内外輪における周方向位置を保持する保持器とを備え、前記係合子が前記内外輪に接触して噛み合うことにより当該内外輪が一体回転するとともに、その噛み合いが行われないときは当該内外輪が相対回転する一方向クラッチにおいて、前記内輪の外周面、前記外輪の内周面及び前記係合子の外周面の少なくとも一つに、前記係合子の前記内外輪に対する接触面圧を部分的に増大させる面圧増大部が形成されている。
この一方向クラッチによれば、面圧増大部により、係合子の内外輪に対する接触面圧を部分的に増大させ、この増大した接触面圧によりグリースの膜を潰すことができる。これにより、係合子と内外輪との間にグリースの膜が介在することによる滑りを抑え、係合子と内外輪との間の摩擦係数の低下を抑えることができ、噛み合い性能を高めることができる。
また、前記面圧増大部は、前記内外輪の回転方向に延びる溝よりなるのが好ましい。
これにより、溝を形成した部分において、エッジロードにより係合子の内外輪に対する接触面圧を部分的に増大させることができる。そして、溝を形成するという簡単な構成により、接触面圧を部分的に増大させることができる。
また、この一方向クラッチにおいて、前記溝の幅寸法は、前記係合子と前記内外輪との接触面の幅寸法よりも小さいのが好ましい。
これにより、係合子と内外輪との接触面の減少を抑え、一方向クラッチの負荷容量の低下を防止できる。
また、この発明の動力伝達装置は、同軸心状に配置された環状の内側部材と環状の外側部材と、前記内側部材と前記外側部材との間に設けられた前記一方向クラッチと、前記内側部材と前記外側部材との間でかつ前記一方向クラッチの軸方向に近傍の位置に設けられた転がり軸受とを備え、前記一方向クラッチの前記外輪と前記外側部材とが一体回転し、前記一方向クラッチの前記内輪と前記内側部材とが一体回転するものである。
この動力伝達装置は前記一方向クラッチを備えていることにより、係合子と内外輪との間にグリースの膜が介在することによる滑りを抑え、係合子と内外輪との間の摩擦係数の低下を抑えることができ、噛み合い性能を高めることができる。このため、内外輪が相対回転するフリー状態から内外輪が一体回転するロック状態への移行をスムーズにすることができ、外側部材と内側部材との間で生じる回転速度の変動を吸収することができる。
この発明によれば、係合子と内外輪との間にグリースの膜が介在することによる両者間の滑りを抑え、係合子と内外輪との間の摩擦係数の低下を抑えることができ、噛み合い性能を高めることができる。
以下、この発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
図1はこの発明の一方向クラッチの断面図であり、図2はこの一方向クラッチを備えた動力伝達装置の断面図である。図2の動力伝達装置は自動車などの車両に設けられるオルタネータ用のクラッチ内蔵型プーリ装置(以下、プーリ装置ともいう)である。このプーリ装置は、オルタネータの回転軸(図示せず)に固定される環状のスリーブ(内側部材)26と、このスリーブ26の径方向外側に当該スリーブ26と同軸心状に配置された環状のプーリ(外側部材)27とを備えている。プーリ27の外周面にベルト溝が形成されており、このベルト溝に無端状の駆動ベルト28が架けられている。この駆動ベルト28は、前記プーリ27と、エンジンのクランクシャフトに固定した駆動プーリ(図示せず)との間に架けられている。
スリーブ26とプーリ27との間に一方向クラッチ10、及び一対の転がり軸受20a,20bが設けられている。一対の転がり軸受20a,20bは一方向クラッチ10を軸方向両側から挟む配置であり、転がり軸受20a,20bは一方向クラッチ10の軸方向に近傍の位置に設けられている。転がり軸受20a,20bは例えば深溝玉軸受とすることができ、スリーブ26とプーリ27とを相対回転可能に支持すると共に、プーリ27に作用するラジアル荷重を支持する。
図1と図2において、一方向クラッチ10は、スリーブ26に外嵌して固定され当該スリーブ26と一体回転する内輪1と、この内輪1と同軸心状に配置されプーリ27の内周側に固定され当該プーリ27と一体回転する外輪2と、内輪1の外周面1aと外輪2の内周面2aとの間に収納された複数の係合子としてのローラ(ころ)3とを備えている。さらに、この一方向クラッチ10は、各ローラ3を収容するポケット部4aを有し各ローラ3の内外輪1,2における周方向位置を保持している保持器4と、この保持器4に固定されておりローラ3を一方向に弾性的に付勢する弾性部材(コイルバネ)5とを備えている。図1において、環状の保持器4は8つのローラ3を周方向等間隔として保持している。
外輪2の内周面2aは円筒面であり、内輪1の外周面1aは、ローラ3と同数である8つのカム面11を有しており、外輪2の円筒面と内輪1の各カム面11との間にはくさび空間が形成される。そして、ローラ3は各くさび空間に設けられており、保持器5がこれらローラ3を周方向に等間隔で保持し、弾性部材5がローラ3をくさび空間が狭くなっている側へ付勢している。ローラ3は円柱形状であり、その軸線と一方向クラッチ10の軸線とは平行にある。ローラ3の外周面は、外輪2の内周面2a及び内輪1のカム面11に接触する接触面となり、この接触面は幅方向(軸方向)に真っ直ぐである。
このように構成された一方向クラッチ10を備えたプーリ装置において、プーリ27の回転速度が、オルタネータの回転軸に固定のスリーブ26の回転速度よりも速い場合や、プーリ27の回転加速度がスリーブ26の回転加速度よりも大きい場合、つまり、一方向クラッチ10では、外輪2が内輪1に対して相対回転しようとする場合には、弾性部材5の付勢力により、ローラ3はくさび空間が狭くなっている側へ僅かに移動して、ローラ3の接触面13が内輪1の外周面1a及び外輪2の内周面2aに接触し、ローラ3が内外輪1,2間に噛み合った状態となる。このようにローラ3が内外輪1,2間に噛み込むことで、内外輪1,2が一体回転することとなり、プーリ27とスリーブ26とが相対回転不能となるロック状態になる。この状態で、エンジン側からの回転力が、駆動ベルト28、プーリ27、一方向クラッチ10、及びスリーブ26を介してオルタネータの回転軸(図示せず)に伝達される。
一方、プーリ27の回転速度が、回転軸に固定のスリーブ26の回転速度よりも遅い場合や、プーリ27の回転加速度がスリーブ26の回転加速度よりも小さい場合には、弾性部材5の弾性力に抗して、ローラ3はくさび空間が広くなっている側へ僅かに移動し、ローラ3と内外輪1,2との間の噛み合いが解け、内外輪1,2が相対回転可能となり、プーリ27とスリーブ26との相対回転が自在となるフリー状態となる。これにより、プーリ27の回転数の減少変動に追従することなく、スリーブ26は回転数を維持できる。このように、一方向クラッチ10において、エンジン側の回転速度に変動が生じても、ロック状態とフリー状態との間を切り換えることで、その変動を吸収してエンジン側の動力をオルタネータの回転軸に伝えることができる。また、この一方向クラッチ10は、潤滑剤として、内外輪1,2間にグリースが設けられた環境にある。
図3はローラ3及び内輪1の一部を示している斜視図である。そして、この発明の一方向クラッチ10では、内輪1のカム面11に、内外輪1,2の回転方向に延びる溝7が設けられている。この溝7は、ローラ3が内外輪1,2間に噛み合った状態で、ローラ3の内輪1に対する接触面圧を部分的に増大させる面圧増大部となる。この溝7は、内輪1と、ローラ3の幅方向途中部8との間において、接触面圧を部分的に増大させている。なお、この途中部8とは、接触面13の幅方向の両端部9,9を除く中央の部分である。具体的には、接触面13の内、一方の端部9及び他方の端部9はそれぞれローラ3の全長の10%の範囲であり、途中部8はその残りの80%の範囲である。
図3に示している溝7は、カム面11の幅方向の中央部に1条形成されている。内輪1とローラ3との間において、溝7の幅方向両側は平滑面同士で接触している。また、溝7の長さ方向、つまり溝7が延びている方向と、ロック状態とフリー状態とを切り換える際のローラ3の移動方向とは平行である。さらに、溝7の開口縁での幅寸法Bは、ローラ3と内外輪1,2との接触面の合計の幅寸法A(=A1+A2)よりも小さく設定されている。特に、溝7の幅寸法Bは、前記幅寸法Aの30%以下であるのが好ましい。前記幅寸法Bが大きすぎると受圧面積が小さくなり、一方向クラッチ10の負荷容量が小さくなったり、噛み合い性能が低下したりするおそれがある。なお、後に説明するが溝7を複数形成した場合、各溝7の開口縁での幅寸法の合計が、接触面の合計の幅寸法Aよりも小さく設定されており、各溝7の幅寸法の合計が、接触面の合計の幅寸法Aの30%以下である。また、溝7の深さは0.3mm以上で0.7mm以下に設定できる。さらに、溝7を、図3に示しているように、一つのカム面11においてその両縁間で連続して形成してもよく、又は、図示しないが、一つのカム面11のうちのローラ3と噛み合う部分のみに形成してもよい。
図4は、図3に示した一方向クラッチ10のローラ3と内輪1との間に生じる接触面圧を説明する説明図であり、図5は、従来の一方向クラッチのローラ40と内輪41との間に生じる接触面圧を説明する説明図である。
図4において、ローラ3が内外輪1,2間に噛み込んだ状態で、内輪1のカム面11とローラ3の接触面13とが接触すると、両者間の接触面圧分布において、ローラ3の端部9,9と内輪1との間に、エッジロードにより接触面圧が部分的に増大した部分(e,e)が生じる。さらに、内輪1のカム面11に溝7が形成されていることから、ローラ3の途中部8と内輪1との間にも、エッジロードにより接触面圧が部分的に増大した部分(f,f)が生じる。
一方、図5において、ローラ40が内外輪41,45間に噛み込んだ状態で、内輪41のカム面42とローラ40の接触面46とが接触すると、両者間の面圧分布において、ローラ40の端部43,43と内輪41との間に、エッジロードにより接触面圧が部分的に増大した部分(g,g)が生じる。そして、途中部44では等分布の接触面圧(h)が生じる。
以上のようにこの発明によれば、ローラ3の両端部9,9と、内輪1のカム面11との間において、接触面圧が部分的に増大した部分(面圧集中)を発生させることができ、さらに、面圧増大部として溝7をカム面11に形成することで、ローラ3の幅方向の途中部8と、内輪1のカム面11との間において、接触面圧が部分的に増大した部分(面圧集中)を発生させることができる。したがって、内輪1と、ローラ3の幅方向の途中部8との間に生じた面圧集中により、ローラ3の接触面13と内輪1のカム面11との間でグリースの膜を潰すことができる。これにより、ローラ3が内外輪1,2間に噛み込んだロック状態となる際に、ローラ3とカム面11との接触面間にグリースの膜が介在することによる当該接触面間の滑りを抑えることができる。そして、ローラ3とカム面11との接触面間の摩擦係数の低下を抑えることができる
これにより、内外輪1,2が相対回転するフリー状態から内外輪1,2が一体回転するロック状態への移行をスムーズにすることができ、図2に示したプーリ装置において、プーリ27とスリーブ26との間で生じる回転速度の変動を従来よりもうまく吸収することができる。このように、溝7を設けることにより、ローラ3と内輪1との噛み合い性能を高めることができる。
そして、溝7を設けることにより、ローラ3と内輪1との間で生じていた部分的に大きく生じていた接触面圧を、両端部9,9と、途中部8の2箇所との合計4箇所に分散させることができる。つまり、部分的に高い接触面圧を有する部分の数(位置)を、従来の2箇所よりも増加させている。
さらに、面圧増大部を溝7としていることにより、簡単な構成で、内輪1と、ローラ3の幅方向の途中部8との間に面圧集中を生じさせることができる。また、内輪1の外周面1aにおいて、カム面11を加工する工程において溝7を形成することができ、製造が容易となる。また、前記溝7の開口側の縁部は面取り部(糸面取り部)とするのが好ましい。これにより、ローラ3の幅方向の途中部8と内輪1のカム面11との間で面圧集中を生じさせ、これによりグリースの膜を潰すことができる。
以上のように、この発明では、溝7を設けることによりローラ3の噛み合い性能を高めることができるために、従来のように噛み合い性能を高めるために、ローラと外輪とのくさび角度を小さくしたり、弾性部材5のバネ定数を大きくしたり、グリースの粘度を小さくしたりする必要がなく、従来のようにこれらの適用が要因となって摩擦熱が高まるなどして一方向クラッチの寿命が短くなる等といった、他の性能が低下してしまうことを防止できる。
そして、図2に示したプーリ装置において、フリー状態からロック状態への移行がスムーズになり、プーリ27とスリーブ26との間で生じる回転速度の変動が、従来よりも大きくなっても、この変動を一方向クラッチ10はうまく吸収することができる。具体的には、エンジンのクランクシャフトの回転数は、従来、2000rpmに対して±200rpmの変動があったが、近年、エンジン性能が向上し高出力化したことにより、その変動が±600rpm〜±800rpmへと増加している。このような大きな変動が生じた場合、従来の一方向クラッチをオルタネータに用いた場合では、この大きな変動に連れられてオルタネータ側の回転数も大きく変動し、オルタネータのプーリと無端ベルトとの間に滑りが生じて異音が発生したり、ベルトに摩耗が生じたりする。しかし、この発明によれば、このような大きな変動が生じた場合であっても、一方向クラッチ10において、ロック状態とフリー状態との間をスムーズかつ迅速に切り換えることができ、その変動を吸収してエンジン側の動力をオルタネータの回転軸に伝えることができる。
また、この発明は、図示する形態に限らずこの発明の範囲内において他の形態のものであっても良い。内外輪1,2と、ローラ3の幅方向の途中部8との間で面圧集中を生じさせる面圧増大部(溝7)は、内輪1の外周面1a及び外輪2の内周面2aの両者、又はこの内の一方に設けられていればよい。つまり、図示した形態では、内輪1のカム面11に溝7を形成し、内輪1とローラ3の幅方向の途中部8との間に面圧集中を生じさせたが、これ以外として、図示しないが、内輪1のカム面11に溝を設けると共に、又はこのカム面11には溝を設けることなく、外輪2の内周面2aに溝を設け、外輪2とローラ3の幅方向の途中部との間に面圧集中を生じさせてもよい。また、面圧増大部である溝を、ローラ3の接触面13(外周面)に形成してもよい。
また、図示しないが、溝7の断面形状は矩形以外であってもよく、円弧形状や、V形状、台形であってもよい。さらに、溝7の長さ方向が、ローラ3の長手方向(ローラ3の幅方向)に対して直交した場合を説明したが、その長手方向に対して傾斜した方向としてもよい。また、1つのカム面11に対して溝7を1条だけ設けた場合を説明したが、1つのカム面11に複数条の溝7を形成してもよい。この場合、複数状の溝7を平行としたり、一対の溝7を対称とした略V字状としたりできる。
また、前記一方向クラッチの実施形態では、係合子としてローラ3の場合を説明したが、これ以外として、図示しないが、係合子をまゆ型のスプラグとした一方向クラッチであってもよい。この場合、スプラグは、その外周面に幅方向に真っ直ぐな接触面として、径方向内側面と径方向外側面とを有している。そして、径方向内側面が内輪の外周面に接触し、スプラグの径方向外側面が外輪の内周面に接触し、スプラグが内外輪に噛み合った状態で当該内外輪が一体回転し、噛み合いが解けた状態で内外輪が相対回転する。そして、面圧増大部としての溝を、内輪の外周面と外輪の内周面との少なくとも一方、若しくは、スプラグの径方向内側面とスプラグの径方向外側面との少なくとも一方に形成すればよい。
この発明の一方向クラッチの断面図である。 一方向クラッチを備えた動力伝達装置の断面図である。 ローラ及び内輪の一部を示している斜視図である。 この発明の一方向クラッチのローラと内輪との間に生じる接触面圧を説明する説明図である。 従来の一方向クラッチのローラと内輪との間に生じる接触面圧を説明する説明図である。
符号の説明
1 内軸
2 外輪
3 ローラ(係合子)
4 保持器
7 溝(面圧増大部)
8 途中部
10 一方向クラッチ
20a 転がり軸受
20b 転がり軸受
26 スリーブ(内側部材)
27 プーリ(外側部材)

Claims (4)

  1. 内輪と、この内輪に同軸心状に配置された外輪と、前記内外輪間に収納された複数の係合子と、この各係合子の前記内外輪における周方向位置を保持する保持器とを備え、前記係合子が前記内外輪に接触して噛み合うことにより当該内外輪が一体回転するとともに、その噛み合いが行われないときは当該内外輪が相対回転する一方向クラッチにおいて、
    前記内輪の外周面、前記外輪の内周面及び前記係合子の外周面の少なくとも一つに、前記係合子の前記内外輪に対する接触面圧を部分的に増大させる面圧増大部が形成されていることを特徴とする一方向クラッチ。
  2. 前記面圧増大部は、前記内外輪の回転方向に延びる溝よりなる請求項1に記載の一方向クラッチ。
  3. 前記溝の幅寸法は、前記係合子と前記内外輪との接触面の幅寸法よりも小さい請求項2に記載の一方向クラッチ。
  4. 同軸心状に配置された環状の内側部材と環状の外側部材と、前記内側部材と前記外側部材との間に設けられた請求項1〜3のいずれか一項に記載の一方向クラッチと、前記内側部材と前記外側部材との間でかつ前記一方向クラッチの軸方向に近傍の位置に設けられた転がり軸受とを備え、前記一方向クラッチの前記外輪と前記外側部材とが一体回転し、前記一方向クラッチの前記内輪と前記内側部材とが一体回転することを特徴とする動力伝達装置。
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