JP2005180668A - プーリ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 低温時に、プーリ装置の運転に伴って発生する異音を軽減する。
【解決手段】 上記プーリ装置に組み込んだ状態での転がり軸受のラジアル内部隙間の最小値を、無負荷状態で4〜30μmとする。これにより、低温時にグリースの流動性が低下しても、グリースが内輪軌道6及び外輪軌道7と各玉5、5との間に入り込み易くなる。又、ラジアル内部隙間が大きくなる事により、これら各玉5、5とこの外輪軌道7との接触面圧が高くなって、これら各玉5、5と上記内輪軌道6或は外輪軌道7との間で生じる微小な滑りを少なくできる。この結果、上記課題を解決できる。
【選択図】 図1
【解決手段】 上記プーリ装置に組み込んだ状態での転がり軸受のラジアル内部隙間の最小値を、無負荷状態で4〜30μmとする。これにより、低温時にグリースの流動性が低下しても、グリースが内輪軌道6及び外輪軌道7と各玉5、5との間に入り込み易くなる。又、ラジアル内部隙間が大きくなる事により、これら各玉5、5とこの外輪軌道7との接触面圧が高くなって、これら各玉5、5と上記内輪軌道6或は外輪軌道7との間で生じる微小な滑りを少なくできる。この結果、上記課題を解決できる。
【選択図】 図1
Description
このプーリ装置は、自動車用エンジンのタイミングベルトや補機駆動用のベルト等の無端ベルトを掛け渡すプーリとして利用する。
自動車用の補機やカムシャフトは、この自動車の走行用エンジンにより回転駆動する。即ち、この走行用エンジンのクランクシャフトの端部に固定した駆動プーリと、上記補機の回転軸やカムシャフトの端部に固定した従動プーリとの間に無端ベルトを掛け渡し、上記クランクシャフトの回転に伴って上記補機の回転軸やカムシャフトを回転駆動する様にしている。
この様な構造で、上記回転軸やカムシャフトを確実に回転駆動する為には、上記駆動プーリ或は従動プーリに対する上記無端ベルトの巻き付け角度を確保したり、或はこの無端ベルトに必要な張力を付与したりして、上記駆動プーリ或は従動プーリとこの無端ベルトの内周面との係合部に滑りや歯飛びが生じない様にする必要がある。この為に従来から、上記無端ベルトの一部で上記駆動プーリ及び従動プーリから外れた部分を、ガイドプーリ(アイドラプーリ)或はテンションプーリに掛け渡し、上記巻き付け角度の確保や張力付与を行なっている。この様なアイドラプーリとして、例えば特許文献1に記載されている構造がある。
図1は、この様な目的で従来から使用されているプーリ装置の1例を示している。このプーリ装置は、エンジンのシリンダブロックの前面等の固定の部分に設けた支持軸(図示省略)の周囲に、鋼板等の金属板をプレス成形して成るプーリ1を転がり軸受2により、回転自在に支持して成る。この転がり軸受2は、単列深溝型の玉軸受であって、互いに同心に配置された内輪3及び外輪4と、複数個の玉5、5とを備える。このうちの内輪3は、外周面に単列深溝型の内輪軌道6を有し、上記プーリ装置の組み付け状態では、上記支持軸に外嵌固定される。又、上記外輪4は、内周面に単列深溝型の外輪軌道7を有し、上記プーリ1の中心孔8に、締り嵌めで内嵌固定される。又、上記各玉5、5は、上記内輪軌道6と上記外輪軌道7との間に、転動自在に設けられている。この様なプーリ装置の使用時には、上記プーリ1の外周面に、図示しない無端ベルトの一部を掛け渡す。
上述の様なプーリ装置に組み込まれる上記転がり軸受2は、ラジアル内部隙間が大きいと、このプーリ装置の運転時に、上記プーリ1がアキシアル方向に振れる。この様に、プーリ1がアキシアル方向に振れた場合、他の部品と干渉する可能性がある。例えば、上記プーリ装置は、自動車の補機等を駆動する為の無端ベルトを掛け渡すアイドラプーリとして使用した場合、自動車のエンジンルーム内の限られた空間内に設置される。この為、アキシアル方向の振れが大きいと、他の部品と干渉する場合がある。又、上記プーリ1に掛け渡した無端ベルトがアキシアル方向にずれ易くなる。そして、極端な場合には、この無端ベルトがプーリの外周面から外れてしまう場合がある。従って、従来から、上記プーリ1の振れを小さくする為に、上記転がり軸受2のラジアル内部隙間を小さく(例えば4μm未満に)する事が行なわれている。
しかし、上述の様に、プーリ1の振れを小さくすべく、上記転がり軸受2のラジアル内部隙間を小さくした場合、低温(例えば0℃以下)時にプーリ装置を運転した時に異音が発生する場合がある。即ち、低温時にはグリースの流動性が低下する為、上記転がり軸受2のラジアル内部隙間を小さくし過ぎると、低温時に上記各玉5、5と上記内輪軌道6或は上記外輪軌道7との間にグリースが入り込みづらくなり、これら各玉5、5とこれら内輪軌道6或は外輪軌道7との間で金属接触が生じる場合がある。そして、この状態で上記プーリ装置を運転した場合には、これら各玉5、5と上記内輪軌道6或は外輪軌道7との間で生じる微小な滑りに基づいて異音が発生する。近年、自動車の静粛性の向上を図る事が行なわれている為、この様に、低温時にプーリ装置から異音が発生する事は好ましくない。
本発明は、上述の様な事情に鑑み、低温時に、プーリ装置の運転に伴って発生する異音を低減すべく発明したものである。
本発明のプーリ装置は、何れの構造の場合も、プーリと転がり軸受とを備える。
このうちのプーリは、外周面にベルトを掛け渡すものである。
又、上記転がり軸受は、このプーリの内周面に内嵌固定されるもので、内輪と、外輪と、複数個の玉とを備えたものである。
このうちの内輪は、外周面に単列深溝型の内輪軌道を有する。
又、上記外輪は、内周面に単列深溝型の外輪軌道を有する。
又、上記各玉は、これら内輪軌道と外輪軌道との間に転動自在に設けられている。
特に、請求項1に記載したプーリ装置に於いては、このプーリ装置に組み込まれた状態での上記転がり軸受のラジアル内部隙間の最小値を、無負荷状態(プーリにベルトを掛け渡していない状態)で4〜30μmとしている。
又、請求項2に記載したプーリ装置に於いては、このプーリ装置に組み込んだ状態で上記転がり軸受のラジアル内部隙間が最小値となる部分での、上記外輪軌道と上記各玉との接触面圧を、上記プーリに(ベルトを掛け渡して)49〜980Nのラジアル荷重を負荷した状態で、530MPa 以上(4200MPa 以下)としている。
このうちのプーリは、外周面にベルトを掛け渡すものである。
又、上記転がり軸受は、このプーリの内周面に内嵌固定されるもので、内輪と、外輪と、複数個の玉とを備えたものである。
このうちの内輪は、外周面に単列深溝型の内輪軌道を有する。
又、上記外輪は、内周面に単列深溝型の外輪軌道を有する。
又、上記各玉は、これら内輪軌道と外輪軌道との間に転動自在に設けられている。
特に、請求項1に記載したプーリ装置に於いては、このプーリ装置に組み込まれた状態での上記転がり軸受のラジアル内部隙間の最小値を、無負荷状態(プーリにベルトを掛け渡していない状態)で4〜30μmとしている。
又、請求項2に記載したプーリ装置に於いては、このプーリ装置に組み込んだ状態で上記転がり軸受のラジアル内部隙間が最小値となる部分での、上記外輪軌道と上記各玉との接触面圧を、上記プーリに(ベルトを掛け渡して)49〜980Nのラジアル荷重を負荷した状態で、530MPa 以上(4200MPa 以下)としている。
尚、転がり軸受のラジアル内部隙間は、内輪の外周面及び外輪の内周面にそれぞれ存在する不可避のうねり等により、全周に亙って均一とはならない。従って、本発明では、上述の様に、ラジアル内部隙間が最小となる部分を基準として、ラジアル内部隙間或は接触面圧を規制している。
又、請求項2に記載した発明の場合、ラジアル内部隙間は正の値とし、このラジアル内部隙間の大きさとプーリに負荷する荷重との関係により、外輪軌道と各玉との接触面圧を530MPa 以上とする。プーリに負荷する荷重条件や転がり軸受の諸元等を変えずに、この転がり軸受のラジアル内部隙間のみを変化させた場合、このラジアル内部隙間と、外輪軌道と各玉との接触面圧とは比例関係にある。即ち、このラジアル内部隙間が小さい場合は、転がり軸受内部で負荷を受ける範囲が広くなり、この負荷を受ける玉の数が多くなる。この結果、上記接触面圧も小さくなる。これに対して、上記ラジアル内部隙間が大きい場合には、転がり軸受内部で負荷を受ける範囲が狭くなり、この負荷を受ける玉の数が少なく(極端な場合には1個に)なる。この結果、上記接触面圧が大きくなる。従って、上記プーリに負荷する荷重が一定であれば、上記ラジアル内部隙間を大きくする事により、上記接触面圧を大きくできる。この為、請求項2に記載した発明の場合、上記プーリに負荷する荷重を49〜980Nとした場合に、上記接触面圧の値が530〜4200MPa となる様に、上記ラジアル内部隙間を規制する。
上述の様に構成する本発明のプーリ装置によれば、プーリ装置を低温時に運転しても、異音の発生を抑えられる。即ち、転がり軸受のラジアル内部隙間を無負荷状態で4〜30μmとする事により(請求項1の発明の場合)、或は、プーリに49〜980Nの荷重を負荷した状態で外輪軌道と各玉との接触面圧を530MPa 以上とする事により(請求項2の発明の場合)、これら各玉と外輪軌道或は内輪軌道との間で生じる微小な滑りを少なくする事ができ、低温時に、プーリ装置の運転に伴って発生する異音の低減を図る事ができる。即ち、請求項1に記載した発明の場合、上記ラジアル内部隙間を大きくしている為、外輪軌道と各玉との接触面圧が高くなる。従って、請求項1及び請求項2の何れの発明の場合も、外輪軌道と各玉との接触面圧が高くなる。この為、何れの発明の場合も、上述の様な微小な滑りを少なくして、異音の低減を図れる。
又、請求項2に記載した発明の場合、上述の様に、上記接触面圧を確保する為にラジアル内部隙間を大きくする必要がある。従って、請求項1及び請求項2の何れの発明の場合も、ラジアル内部隙間が大きくなる。この為、何れの発明の場合も、上記各玉と内輪、外輪両軌道との間に、それぞれグリースを取り込み易くして、低温時でも、これら各玉と内輪、外輪両軌道とが直接金属接触しづらくなる。従って、この点からも、上記異音の低減を図れる。
尚、請求項1に記載した発明で、ラジアル内部隙間を4〜30μmとした理由は、次の通りである。即ち、このラジアル内部隙間を4μm未満とした場合、上記各玉と外輪軌道との接触面圧が十分に確保できず、上述した様な微小滑りを十分に抑える事が難しくなる。又、上記各玉と内輪、外輪両軌道との間にグリースが十分に取り込まれにくくなる。この為、上記異音の低減を十分に図る事ができない。これに対して、上記ラジアル内部隙間を30μmを越える値に設定した場合、上記接触面圧が大きくなり過ぎて、転がり軸受の耐久寿命が著しく低下すると共に、軸受トルクが増大する。又、プーリの振れが大きくなり、この振れにより他の部品と干渉する可能性を生じる。
一方、請求項2に記載した発明で、接触面圧を530MPa 以上(4200MPa 以下)とした理由は、次の通りである。即ち、上記接触面圧を530MPa 未満に設定した場合、上述した微小な滑りを十分に抑える事ができない為、異音の低減を十分に図れない。これに対して、上記接触面圧を4200MPa を越える値に設定した場合、転がり軸受の耐久寿命が著しく低下すると共に、軸受トルクが増大する。尚、プーリに負荷する荷重が49N未満の場合、上記接触面圧を530MPa 以上確保する為には、転がり軸受のラジアル内部隙間を相当大きくする必要がある。しかし、このラジアル内部隙間を大きくし過ぎた場合には、プーリの振れが大きくなる。これに対して、プーリに負荷する荷重を980Nを越える値とした場合、上記ラジアル内部隙間が小さくても上記接触面圧を530MPa 以上確保できる。しかし、このラジアル内部隙間を小さくし過ぎた場合、各玉と内輪、外輪両軌道との間にグリースが十分に取り込まれなくなり、異音の発生を十分に低減できない。この為、請求項2に記載した発明では、プーリに負荷する荷重が49〜980Nの場合に、上記接触面圧の値が530MPa となる様にしている。
本発明を実施する為に好ましくは、上記プーリ装置の角隙間を、0.025°以下とする。
尚、上記角隙間を0.025°以下とする為には、内輪軌道及び外輪軌道の各曲率半径と各玉の直径との関係を規制する。即ち、各軌道の曲率半径を、各玉の直径の1/2より大きい方からこれら各玉の直径の1/2に近づける。又、上記プーリ装置を構成する転がり軸受のラジアル内部隙間を考慮する事により、上記請求項1又は請求項2の発明の要件を満たす様にする。
この様に構成すれば、低温時にプーリ装置を運転しても異音が発生しない構造で、プーリの振れを小さくできる。従って、このプーリが他の部品と干渉する事を防げる。又、このプーリに掛け渡したベルトがアキシアル方向にずれにくくなる。
尚、上記角隙間を0.025°以下とする為には、内輪軌道及び外輪軌道の各曲率半径と各玉の直径との関係を規制する。即ち、各軌道の曲率半径を、各玉の直径の1/2より大きい方からこれら各玉の直径の1/2に近づける。又、上記プーリ装置を構成する転がり軸受のラジアル内部隙間を考慮する事により、上記請求項1又は請求項2の発明の要件を満たす様にする。
この様に構成すれば、低温時にプーリ装置を運転しても異音が発生しない構造で、プーリの振れを小さくできる。従って、このプーリが他の部品と干渉する事を防げる。又、このプーリに掛け渡したベルトがアキシアル方向にずれにくくなる。
本発明は、前述の図1に示した構造で、単列深溝型の玉軸受等の転がり軸受2のラジアル内部隙間(請求項1)、或は、この転がり軸受2を構成する外輪4の内周面に形成された外輪軌道7と各玉5、5との接触面圧(請求項2)を規制する事により、低温時にプーリ装置を運転しても異音の発生を抑えられる様にするものである。又、請求項3に記載した様に、上記転がり軸受2のラジアル内部隙間、或は、上記外輪軌道7と各玉5、5との接触面圧を規制すると共に、この転がり軸受2の角隙間を規制すれば、プーリ装置を低温状態で運転しても異音が発生する事を防ぐと共に、このプーリ装置を構成するプーリのアキシアル方向の振れを抑える事ができる。この様に、転がり軸受2のラジアル内部隙間或は接触面圧と、角隙間とを所望の値とする為には、このラジアル内部隙間と、上記外輪軌道7の曲率半径と、内輪軌道6の曲率半径と、上記各玉5、5の直径とのうちの何れかの値、或は総ての値を適正に規制する。この様な本発明の場合には、図面に現れる構造に就いては、従来から知られている構造と同様である為、重複する説明は省略する。
次に、本発明の効果を確認する為に、本発明者が行なった実験に就いて説明する。
先ず、転がり軸受のラジアル内部隙間と異音の発生との関係を調べる為に行なった実験に就いて説明する。この実験では、転がり軸受のサイズ(内径)が10〜45mmのものを複数個ずつ用意し、この様なサイズを有する転がり軸受を、外径が75〜80mmのプーリにそれぞれ組み込んで、上述した図1に示す様な、複数種類のプーリ装置を構成した。そして、各種サイズのプーリ装置に就いて、ラジアル内部隙間の最小値が、無負荷状態で0.000〜0.030mm(0〜30μm)のプーリ装置をそれぞれ1乃至複数個ずつ用意した。そして、プーリに所定の荷重を負荷した状態で、所定の回転速度で回転させた時の異音の有無を確認した。尚、この異音の有無は人間の耳で判断した。又、試験条件は次の通りである。
試験温度 : −20〜0℃
プーリの回転速度 : 1000〜3000min-1
プーリに負荷したラジアル荷重P : 49〜980N
P/C : 0.0035〜0.200(C:使用した転がり軸受の動定格荷重)
使用グリース : ウレア/合成油
先ず、転がり軸受のラジアル内部隙間と異音の発生との関係を調べる為に行なった実験に就いて説明する。この実験では、転がり軸受のサイズ(内径)が10〜45mmのものを複数個ずつ用意し、この様なサイズを有する転がり軸受を、外径が75〜80mmのプーリにそれぞれ組み込んで、上述した図1に示す様な、複数種類のプーリ装置を構成した。そして、各種サイズのプーリ装置に就いて、ラジアル内部隙間の最小値が、無負荷状態で0.000〜0.030mm(0〜30μm)のプーリ装置をそれぞれ1乃至複数個ずつ用意した。そして、プーリに所定の荷重を負荷した状態で、所定の回転速度で回転させた時の異音の有無を確認した。尚、この異音の有無は人間の耳で判断した。又、試験条件は次の通りである。
試験温度 : −20〜0℃
プーリの回転速度 : 1000〜3000min-1
プーリに負荷したラジアル荷重P : 49〜980N
P/C : 0.0035〜0.200(C:使用した転がり軸受の動定格荷重)
使用グリース : ウレア/合成油
この実験の結果を図2に示す。尚、図中の「●」は異音無しを、「×」は異音有りを、それぞれ示している。この図2から明らかな様に、低温環境下で上記プーリを運転した場合でも、上記ラジアル内部隙間が4〜30μmの範囲であれば、異音の発生を抑えられる。
次に、外輪軌道と各玉との接触面圧と異音の発生との関係を調べる為に行なった実験に就いて説明する。この実験でも、上述した図2の実験と同様に、サイズ(内径)が10〜45mmの転がり軸受を、外径が75〜80mmのプーリに組み込んで、複数種類のプーリ装置を構成した。そして、各種サイズのプーリ装置に就いて、プーリに所定の荷重を負荷した状態で、ラジアル内部隙間が最小値となる部分での外輪軌道と各玉との接触面圧が460〜690MPa となるプーリ装置を、それぞれ1乃至複数個ずつ用意した。そして、プーリに所定の荷重を負荷した状態で、所定の回転速度で回転させた時の異音の有無を確認した。試験条件は上記図2の実験と同様である。この実験の結果を図3に示す。この図3から明らかな様に、低温環境下で上記プーリを運転した場合でも、これら外輪軌道と各玉との接触面圧が530MPa 以上であれば、異音の発生を抑えられる。
更に、転がり軸受の角隙間とプーリの傾き(アキシアル方向の振れ)との関係に就いて調べた。この転がり軸受を内嵌するプーリの外径が70mmと80mmのプーリ装置に就いて、上記角隙間が0〜0.03°の範囲で、それぞれどの程度傾くかを調べた。尚、上記プーリとして、外径が70mmと80mmのものを選んだのは、自動車用エンジンのタイミングベルトや補機駆動用のベルト等の無端ベルトを掛け渡すアイドラプーリとして、この様な大きさのプーリが使用される事が多い為である。又、上記角隙間を変化させる為に、転がり軸受の外輪軌道と内輪軌道との各曲率半径、及び、各玉の直径とをそれぞれ変化させた。この結果を図4に示す。尚、図中の破線は外径が70mmのプーリの場合を、実線は外径が80mmのプーリの場合を、それぞれ示している。この図4から明らかな様に、上記角隙間を0.025°以下とすれば、外径が80mmのプーリであっても、傾きを1mm以下に抑えられる。アイドラプーリの周辺で1mm以内に部材が近接する事は考えにくい為、この様な角隙間を有する転がり軸受を組み込んだプーリ装置は、他の部材と干渉しにくい。又、この様にアキシアル方向の振れが抑えられれば、プーリに掛け渡したベルトがアキシアル方向にずれにくくなる。
1 プーリ
2 転がり軸受
3 内輪
4 外輪
5 玉
6 内輪軌道
7 外輪軌道
8 中心孔
2 転がり軸受
3 内輪
4 外輪
5 玉
6 内輪軌道
7 外輪軌道
8 中心孔
Claims (3)
- 外周面にベルトを掛け渡すプーリと、このプーリの内周面に内嵌固定された転がり軸受とを備え、この転がり軸受は、外周面に単列深溝型の内輪軌道を有する内輪と、内周面に単列深溝型の外輪軌道を有する外輪と、これら内輪軌道と外輪軌道との間に転動自在に設けられた複数個の玉とを備えたものであるプーリ装置に於いて、このプーリ装置に組み込まれた状態での上記転がり軸受のラジアル内部隙間の最小値を、無負荷状態で4〜30μmとした事を特徴とするプーリ装置。
- 外周面にベルトを掛け渡すプーリと、このプーリの内周面に内嵌固定された転がり軸受とを備え、この転がり軸受は、外周面に単列深溝型の内輪軌道を有する内輪と、内周面に単列深溝型の外輪軌道を有する外輪と、これら内輪軌道と外輪軌道との間に転動自在に設けられた複数個の玉とを備えたものであるプーリ装置に於いて、このプーリ装置に組み込んだ状態で上記転がり軸受のラジアル内部隙間が最小値となる部分での、上記外輪軌道と上記各玉との接触面圧を、上記プーリに49〜980Nのラジアル荷重を負荷した状態で、530MPa 以上とした事を特徴とするプーリ装置。
- プーリ装置に組み込んだ状態で転がり軸受の角隙間を0.025°以下とした、請求項1〜2の何れかに記載したプーリ装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003426216A JP2005180668A (ja) | 2003-12-24 | 2003-12-24 | プーリ装置 |
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Publication Number | Publication Date |
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JP (1) | JP2005180668A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7618193B2 (en) | 2005-04-15 | 2009-11-17 | Denso Corporation | Rolling bearing incorporated in auxiliary device for internal combustion engine |
JP2013185701A (ja) * | 2012-03-12 | 2013-09-19 | Ntn Corp | 転がり軸受 |
-
2003
- 2003-12-24 JP JP2003426216A patent/JP2005180668A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7618193B2 (en) | 2005-04-15 | 2009-11-17 | Denso Corporation | Rolling bearing incorporated in auxiliary device for internal combustion engine |
JP2013185701A (ja) * | 2012-03-12 | 2013-09-19 | Ntn Corp | 転がり軸受 |
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