JP2008057548A - 自動二輪車 - Google Patents

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吉信 澤村
Yukihiro Tsubakino
幸博 椿野
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Teruo Kihara
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Abstract

【課題】 キック式始動装置の位置を自由にレイアウトできるようなキック式始動装置の配置および構成を提案する。
【解決手段】 クランクケースに回転自在に支承されるクランク軸と、該クランク軸から出力軸へ動力を伝達する動力伝達機構と、該動力伝達機構の一部および上記クランク軸に固定される補機類を覆うクランクケースカバーと、キック式始動装置とを備えた内燃機関において、キック式始動装置をクランクケースカバーの外側に設けた。また、上記キック式始動装置を、上記内燃機関出力軸と後輪とを結ぶチェーンの前部とその駆動スプロケットを覆う内燃機関のリアカバーに対して、一部重なる位置に設けた。また、クランク軸の一側にトルクコンバータを備え、該トルクコンバータと反対側のクランクケースカバーにキック式始動装置を備えた。
【選択図】 図3

Description

本発明は、キック式始動装置を備えた自動二輪車用内燃機関に関するものである。
クランク軸から出力軸へ動力を伝達する動力伝達機構のケース内にキック式始動装置が設けられた例がある(例えば、特許文献1参照。)。この例のような配置では、動力伝達機構への干渉を避けるため、キック式始動装置のレイアウトの自由度が制限されるという問題がある。
また、この例では、キック式始動装置を取り外した仕様に変更した場合に、上記ケース内に不要なスペースが生じ、キック式始動装置を取り外したにもかかわらず、内燃機関全体をコンパクト化することができないという問題がある。
特開平8−177690号公報(図1)。
キック式始動装置の位置を自由にレイアウトできるようなキック式始動装置の配置および構成を提案する。更に、キック式始動装置を取り外した仕様にした場合に、動力伝達機構のケース内に、不要な空間が残らないようなキック式始動装置の配置および構成を提案する。
本発明は上記課題を解決したものであって、請求項1に記載の発明は、クランクケース内に回転自在に支承されるクランク軸と、出力軸と、上記クランク軸から出力軸へ動力を伝達する動力伝達機構と、該動力伝達機構の一部および上記クランク軸に固定される補機類を覆うクランクケースカバーと、始動の際にクランク軸を回転駆動すべく上記クランク軸に回転力伝達可能に連結されるキック式始動装置とを備えた自動二輪車用内燃機関において、上記クランク軸の一側にはトルクコンバータが設けられ、上記キック式始動装置が上記クランクケースカバーの外側に支持され、上記キック式始動装置は、上記トルクコンバータと反対側のクランクケースカバー外側に設けられたことを特徴とするものである。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の内燃機関において、上記内燃機関を自動二輪車に搭載した場合に、上記キック式始動装置は、上記内燃機関出力軸と後輪とを結ぶチェーンの前部とその駆動スプロケットを覆う内燃機関のリアカバーに対して、車両側方から見た時、一部重なる位置に設けられていることを特徴とするものである。
請求項3に記載の発明は、上記セル式始動装置のセルモータのピニオンからクランク軸へ至る動力伝達機構が上記トルクコンバータと反対側のクランクケース内に設けられたことを特徴とするものである。
請求項1の発明は、キック式始動装置をクランクケースカバーの外側に設けたことによって、クランクケースカバー内の補機および動力伝達機構と干渉することが無く、運転者が操作しやすい位置にキック式始動装置を自由に配置することができる。また、仕様変更で、キック式始動装置を取り外す場合でも、クランクケースカバーの形状変更のみで対応できるため、仕様変更時の変更部分を必要最小限に抑えることができる。また、クランクケース内の動力伝達機構部のギヤ室内にキック式始動装置を設けた場合に比べ、内燃機関内に余分な空間が残らないので、内燃機関をコンパクト化することができる。
請求項2の発明は、キック式始動装置をリアカバーと一部重なる位置に設けることによって、キック式始動装置のレイアウトの自由度を一層高めることが出来る。
請求項3の発明は、トルクコンバータとキック式始動装置とを、自動二輪車の左右方向の互いに反対側に設けたので、内燃機関の左右バランスが良好となる。
図1は本発明の一実施形態に係る内燃機関10を搭載した自動二輪車1の側面図である。
この自動二輪車1は、車体フレーム2の中央に内燃機関10が懸架され、車体フレーム2の前部に回動自在に枢支されたフロントフォーク3に前輪4が軸支され、内燃機関10に前端を枢支され後方に延びるリヤフォーク5の後端に後輪6が軸支されている。後輪6の上方はシート7が覆っている。
図2は、シリンダ中心線、クランク軸、入力軸、および出力軸を含む、内燃機関10の縦断面図である。この内燃機関10は、動力発生機構11と動力伝達機構12とを一体化して構成されている。左右半割りの左クランクケース13Lと右クランクケース13Rの合体により形成される空間の内部にクランク室とギヤ室が形成されている。車両の左右方向に指向して配置されるクランク軸15が、左右クランクケース13L,13Rの各々にベアリング16L,16Rを介して支承されている。
動力発生機構11においては、クランクケース13L、13Rに接続されたシリンダブロック17の、シリンダ穴内を摺動自在に嵌装されたピストン18と上記クランク軸15とをコンロッド19が連接している。シリンダブロック17に接合されるシリンダヘッド20は、ピストン18の頂面との間に燃焼室21を形成し、燃焼室21に連通する吸,排気ポートを開閉する吸,排気弁(図示せず)を備えている。この吸,排気弁を駆動するカム軸22は、クランク軸15と平行にシリンダヘッド20に回転自在に支承されている。排気ポートには排気管23とマフラ24が接続されている。
動力伝達機構12においては、左右クランクケース13L,13Rに、クランク軸15に対して平行に配置された入力軸25と出力軸26とが回転自在に架設されている。入力軸25には、右クランクケース13Rから右方へ突出した端部に1次減速従動ギヤ25aが嵌着され、同入力軸25の左右クランクケース13L,13Rの内側には駆動ギヤ25bが形成されている。出力軸26には、左右クランクケース13L,13Rの内側に、前記駆動ギヤ25bと互いに噛合う従動ギヤ26aが嵌合されている。出力軸26の左クランクケース13Lから左外側へ突出した端部には、後輪チェーン駆動スプロケット26bが嵌着されている。上記後輪チェーン駆動スプロケット26bと、後輪6に一体的に設けられた後輪チェーン従動スプロケット6a(図1参照)との間に後輪駆動用チェーン27が架渡され、最終減速機構が構成されている。上記後輪駆動用チェーン27の前部と、このチェーンを駆動する後輪チェーン駆動スプロケット26bとは、内燃機関のリアカバー39によって覆われている。
クランク軸15の右クランクケース13Rから右方へ突出した右側部には、右端から内側に向かって、遠心クラッチ30,トルクコンバータ40,1次減速駆動ギヤ48aが順に配設されている。1次減速駆動ギヤ48aは前記動力伝達機構12の1次減速従動ギヤ25aと噛合している。この1次減速駆動ギヤ48aと1次減速従動ギヤ25aとからなる1次減速機構、および遠心クラッチ30,トルクコンバータ40を、右方から覆う右クランクケースカバー14Rが、右クランクケース13Rの右端面に接合されている。クランク軸15の端部は、右クランクケースカバー14Rによって、ベアリング29で軸支されている。
遠心クラッチ30は、クラッチインナ31の基端を保持するインナボス部32がクランク軸15の右端部にスプライン嵌合され、クラッチインナ31の外周端側にクランク軸15と平行に突設された複数の支軸33にそれぞれクラッチウエイト34が傾動自在に枢支されている。クラッチアウタ35は、その円筒部が、クラッチウエイト34に内周面を対向させて覆い、クラッチアウタ35の基端を保持するアウタボス部36はクランク軸15にベアリング37を介して回動自在に枢支されるとともに、インナボス部32に対して一方向クラッチ38を介して支持されている。一方向クラッチ38は、クラッチアウタ35側からの回転トルクをクラッチインナ31側に伝達することができる。
クランク軸15の回転に対して、クラッチインナ31は一体的に回転するが、クラッチインナ31側からクラッチアウタ35へは、一方向クラッチ38があるので、回転トルクは伝達されない。クランク軸15の回転速度が所定速度を越えると、クラッチウエイト34の傾動が増しクラッチアウタ35に作用してクラッチが係合しクラッチアウタ35を回転させる。
この遠心クラッチ30に隣接して配設されるトルクコンバータ40は、前記クラッチアウタ35の基端を保持するアウタボス部36に一体的に結合されるポンプ羽根車41と、これに対向するタービン羽根車42と、これら羽根車41,42間に配置されるステータ羽根車43とから構成されるものである。
ステータ羽根車43の基端を保持するステータボス部44は円筒状のステータ軸45にスプライン嵌合し、同ステータ軸45はクランク軸15にベアリング46を介して軸支されるとともに右クランクケース13Rに対してフリーホイール47を介して支持され、ステータ羽根車43はステータ軸45と一体に一方向に回転可能である。
タービン羽根車42の基端を保持する円筒状のタービン軸48は、前記ステータ軸45にベアリング49を介して回転自在に支持され、このタービン軸48の左端部に前記1次減速駆動ギヤ48aが形成されている。
ポンプ羽根車41には、タービン羽根車42の背面を覆うサイドカバー50が一体的に連結され、このサイドカバー50とタービン軸48との間にバックロード伝達用のフリーホイール51が介装されている。
クランク軸15の回転速度が所定速度を越え遠心クラッチ30が係合してクラッチアウタ35とともにポンプ羽根車41が回転すると、トルクコンバータ40内の作動オイルがポンプ羽根車41の外周側からタービン羽根車42、およびフリーホイール47により回転規制されたステータ羽根車43を順に流れて、ポンプ羽根車41の内周側に戻るように循環してポンプ羽根車41の回転トルクをタービン羽根車42に伝達し、タービン羽根車42と一体のタービン軸48およびタービン軸48と一体の1次減速駆動ギヤ48aを回転駆動する。
タービン羽根車42が高速になりポンプ羽根車41の速度に近づくとフリーホイール47によりステータ羽根車43が空転して羽根車41,42,43が一体となって流体継手としての効率を高くして回転する。このようにトルクコンバータ40は自動変速機能を果す。
減速時のバックロードが動力伝達機構12側から1次減速機構を介してタービン軸48に入力されたときは、その回転トルクはフリーホイール51の係合によりサイドカバー50を介してポンプ羽根車41に直接伝達され、ポンプ羽根車41と一体のアウタボス部36の回転が一方向クラッチ38を介してクランク軸15に伝達されエンジンブレーキが働く。
クランク軸15の左クランクケース13Lから左方へ突出した左側部には、カムチェーン55が巻き掛けられるカムチェーン駆動スプロケット56が設けられ、その外側に、後述のセルモータに連なる大径歯車85aと、ワンウエイクラッチ87が設けられ、更にその外側に、ACジェネレータ60が取り付けられている。ワンウエイクラッチ87およびACジェネレータ60のアウタロータ61は共に、保持部材59に接続されている。同保持部材59はクランク軸15の左端部にキー58を介して嵌入され、ボス部材65を介装してクランク軸15の左端に螺入されるボルト64によって、クランク軸15に固定されている。ACジェネレータ60を左方から覆う左クランクケースカバー14Lが、左クランクケース13Lの左端面に接合されている。
この左クランクケースカバー14Lは、クランク軸15の軸端に対向する部分に開口63が形成されていて、この開口周縁部にACジェネレータ60のインナステータ62が支持されている。したがってACジェネレータ60は、インナステータ62が左クランクケースカバー14Lを介して左クランクケース13Lに固定支持され、アウタロータ61がクランク軸15と一体に回転するという構成になっている。クランク軸15の左端においてアウタロータ61を固定するボス部材65は、左クランクケースカバー14Lの開口63を貫通して外側に突出した端部があり、その部分に、後述のキック式始動装置70に関連する環状ラチェット歯65aが左方へ突出形成されている。ACジェネレータ60より左方で左クランクケースカバー14Lのさらに外側にキック式始動装置70が設けられている。
図3は、上記内燃機関を左側から見た外観図である。図の左方(内燃機関の前部)に、シリンダヘッド20、シリンダブロック17が、図の右方(内燃機関の後方)に、出力軸26の位置、後輪チェーン駆動スプロケット26bの位置、後輪駆動用チェーン27、およびリアカバー39が示してある。後輪チェーン駆動スプロケット26bと上記スプロケット26bに掛けまわされている後輪駆動用チェーン27の上記スプロケット26bの近傍はリアカバー39によって覆われている。図の中央部のキック軸76から後方へ向けてキックアーム79が伸び、先端にキックペダル79aが設けてある。キックアーム79はキック軸76と共に回動する。キック軸76に連なる歯車装置は、キック式始動装置カバー71によって覆われている。内燃機関10の上部に、セルモータ81の一部が見える。13Lは左クランクケース、14Lは左クランクケースカバーである。
図4は、上記内燃機関において、キックアーム79、キックペダル79a、およびキック式始動装置カバー71を除去し、キック式始動装置の内部装置が見える状態で、内燃機関を左側から見た図である。図において、点々を付して示した部分14jは、左クランクケースカバー14Lの端面に形成された、キック式始動装置カバー71に対する合わせ面である。キック式始動装置の内部装置は左クランクケースカバー14Lの外側に形成されている。キック軸76に、同キック軸と一体回動する扇形の駆動ヘリカルギヤ77が設けてある。この駆動ヘリカルギヤ77にはキック式始動装置カバー71の一部を支点とするリターンスプリング78が設けてある。上記駆動ヘリカルギヤ77は、隣接するラチェット軸72に設けられた従動ヘリカルギヤ73に噛合っている。従動ヘリカルギヤ73からクランク軸15へのキック始動力の伝達については後述する。
図5は、上記内燃機関において、更に、キック式始動装置の内部装置、左クランクケースカバー14L、およびACジェネレータ60を除去し、セルモータ81からクランク軸15に至るセル式始動装置80の始動力伝達機構が見える状態で、内燃機関を左側から見た図である。図において、点々を付して示した部分13jは、左クランクケース13Lの端面に形成された、左クランクケースカバー14Lに対する合わせ面である。セルモータ81のモータ回転軸82にピニオン82aが形成され、中間軸83に装着された2重歯車84の大径歯車84aに噛合っている。クランク軸15にローラベアリング86を介して円筒形ボス85が遊嵌され、その端部に大径歯車85aが一体形成されている。上記2重歯車84の小径歯車84bは、上記円筒形ボス85の大径歯車85aに噛合っている。円筒形ボス85からクランク軸15に至る動力伝達については後述する。
図6は、キック式始動装置70とセル式始動装置80との、クランク軸15に対する駆動力伝達機構を示す図である。キック式始動装置70の断面は、図3のA−A断面および図4のB−B断面を示し、セル式始動装置80の断面は、図5のC−C断面を示したものである。
左クランクケースカバー14Lの左端面にキック式始動装置70の駆動力伝達機構を覆ってキック式始動装置カバー71が接合されている。このキック式始動装置カバー71の内面には、クランク軸15の中心線の延長線上にクランク軸15と同軸の円筒状支持部71aが突出しており、同円筒状支持部71aにラチェット軸72が回動可能、かつ軸方向摺動可能に嵌挿支持されている。ラチェット軸72は、その中央の露出部に従動ヘリカルギヤ73が形成され、右端にはラチェットホイール74が固着されており、同ラチェットホイール74の、右方へ環状に突出した端部に形成されたラチェット歯74aが、前記クランク軸15の左端に固定されたボス部材65のラチェット歯65aに対向している。
キック式始動装置カバー71とラチェットホイール74間に介装されたフリクションスプリング75により、ラチェットホイール74とともにラチェット軸72が左方に付勢されており、フリクションスプリング75に抗してラチェットホイール74が右方に移動するとラチェットホイール74のラチェット歯74aがボス部材65のラチェット歯65aと噛み合う。
キック式始動装置カバー71の内面には、上記円筒状支持部71aに対して若干の距離を置いて、軸受ボス部71bが内側に膨出しており、同軸受ボス部71bにキック軸76が貫通して回動自在に軸支されている。キック軸76の左端は左方外部に突出し、右端は左クランクケースカバー14Lに回動自在に嵌入している。このキック軸76に、図4に示した扇形の駆動ヘリカルギヤ77が一体に嵌着されてリターンスプリング78により一方の回転方向に付勢されている。上記駆動ヘリカルギヤ77はラチェット軸72のヘリカルギヤ73に噛合している。
キック軸76の左端に基端部を固着してキックアーム79が上下に揺動可能に取り付けられている。その先端にキックペダル79aが装着されている。
したがってキックペダル79aが踏み込まれ、キック軸76がリターンスプリング78に抗して回転すると、キック軸76と一体となって駆動ヘリカルギヤ77が回転し、これと噛合する従動ヘリカルギヤ73がラチェット軸72とともに回転しながらフリクションスプリング75に抗して右方に摺動し、ラチェットホイール74のラチェット歯74aが、クランク軸15側のボス部材65のラチェット歯65aと噛み合ってクランク軸15を強制的に回転させ内燃機関10を始動する。この始動時のキックペダル79aの踏み込みによるクランク軸15の回転トルクは、回転数が低速回転であり遠心クラッチ30のクラッチインナのみを回転してクラッチアウタ以降の動力伝達系に伝達しないので、始動作業が軽く容易である。
図4および図6において、クランク軸15の上方にセルモータ81が搭載され、セルモータ81の左端小径部81aは、左クランクケース13Lに形成された貫通孔に嵌入され、同セルモータ81の左端から突出しているモータ回転軸82は、左クランクケース13Lと左クランクケースカバー14Lとの間の空間に突入している。モータ回転軸82の左端部にはピニオン82aが形成してある。
上記ピニオン82aとクランク軸15との間に位置して、左クランクケース13Lと左クランクケースカバー14Lとに中間軸83が回転可能に架け渡され、この中間軸83に大径歯車84aと小径歯車84bとを一体に形成した2重歯車84が取りつけられている。上記大径歯車84aは上記ピニオン82aと噛合っている。
クランク軸15には、大径歯車85aをその端部に備えた円筒形ボス85がローラベアリング86を介して遊嵌されている。上記大径歯車85aは、上記2重歯車84の小径歯車84bと噛合っている。上記円筒形ボス85の外周にワンウエイクラッチ87が形成されている。上記ワンウエイクラッチ87のアウタレースはボルト88を介して保持部材59に接続されている。同保持部材59はキー58を介してクランク軸15に固定されている。上記ワンウエイクラッチ87は、大径歯車85aの回転を保持部材59に伝えることはできるが、保持部材59の回転を大径歯車85aに伝えることは出来ない構成になっている。なお、上記保持部材には、ACG60のアウタロータ61も接続されている。セルモータ81のスイッチがONとなると、セルモータ81の回転駆動力は、上記ピニオン82a、2重歯車84、大径歯車85a、ワンウエイクラッチ87、および保持部材59を介してクランク軸15に伝達され、クランク軸15が回転し、内燃機関が始動する。。
上記の動力伝達方式は、常時噛合い方式であり、内燃機関始動後に、内燃機関側からの動力が、逆にセルモータ81に伝わるのを防ぐために、ワンウエイクラッチ87が取りつけてある。上記ワンウエイクラッチ87は、上記円筒形ボス85の外周に装着されたアウタレース内に設けられたくさび形の溝に、ローラとスプリングとが挿入された構造となっており、円筒形ボス85とアウタレースの間で、上記ローラとスプリングとによって、一方向動力伝達作用が生じるものである。
本発明の内燃機関の構成は上述の通りである。従来キック式始動装置では、動力伝達機構への干渉を避けるため、キック軸のレイアウト自由度が制限されるという問題があった。本実施形態では、キック式始動装置をクランクケースカバーの外側に設けてあるので、クランクケースカバー内の補機および動力伝達機構と干渉することが無く、運転者が操作しやすい位置にキック式始動装置の各部材を自由に配置することができる。
また、本実施形態の内燃機関は、キック式始動装置とセル式始動装置とを共に備えた内燃機関であるが、キック式始動装置を取り外した仕様に変更し、セル式始動装置だけの仕様にすることができる。図7は、図2の一部を示す縦断面図において、キック式始動装置を取り除いた仕様を示す図である。キック式始動装置を取り外した場合には、図7に示されるキック式始動装置除去時専用の左クランクケースカバー90を取りつけて、ACジェネレータ60やワンウエイクラッチ87や大径歯車85aなどを覆うので、仕様変更時の変更部分を必要最小限に抑えることができる。この場合に、クランクケース内の動力伝達機構部12のギヤ室内にキック式始動装置を設けた場合に比べ、ケース内に無駄な空間が残らないので、内燃機関を全体としてコンパクト化することができる。
さらに、本実施形態の内燃機関は、キック式始動装置70をリアカバー39と一部重なる位置に設けることができるので、キック式始動装置70のレイアウトの自由度を高めることが出来る。
また、トルクコンバータとキック式始動装置とを、自動二輪車の左右方向の互いに反対側に設けたので、内燃機関の左右バランスが良好となっている。さらに、ACジェネレータ60をトルクコンバータ40とは反対側のクランク軸端部に設けてあるので、オイル通路をトルクコンバータ40側に集約でき、オイル通路を複雑に取りまわす必要がなくなっている。
本発明の一実施形態に係る内燃機関を搭載した自動二輪車の側面図である。 上記内燃機関の縦断面図である。 上記内燃機関を左側から見た外観図である。 上記内燃機関において、キック式始動装置の内部装置が見える状態で、内燃機関を左側から見た図である。 上記内燃機関において、セル式始動装置の動力伝達機構が見える状態で、内燃機関を左側から見た図である。 キック式始動装置とセル式始動装置との、クランク軸に対する動力伝達機構を示す図である。 キック式始動装置を取り除いた仕様を示す縦断面図である。
符号の説明
1…自動二輪車、2…車体フレーム、3…フロントフォーク、5…リヤフォーク、6…後輪、6a…後輪チェーン従動スプロケット、7…シート、10…内燃機関、11…動力発生機構、12…動力伝達機構、13L…左クランクケース、13R…右クランクケース、13j…合わせ面、14L…左クランクケースカバー、14R…右クランクケースカバー、14j…合わせ面、15…クランク軸、16L,16R…ベアリング、17…シリンダブロック、18…ピストン、19…コンロッド、20…シリンダヘッド、21…燃焼室、22…カム軸、23…排気管、24…マフラ、25…入力軸、25a…1次減速従動ギヤ、25b…駆動ギヤ(入力軸・出力軸間)、26…出力軸、26a…従動ギヤ(入力軸・出力軸間)、26b…後輪チェーン駆動スプロケット、27…後輪駆動用チェーン、29…クランク軸端部のベアリング、30…遠心クラッチ、31…クラッチインナ、32…インナボス部、33…支軸、34…クラッチウエイト、35…クラッチアウタ、36…アウタボス部、37…ベアリング、38…一方向クラッチ、39…リアカバー、40…トルクコンバータ、41…ポンプ羽根車、42…タービン羽根車、43…ステータ羽根車、44…ステータボス部、45…ステータ軸、46…ベアリング、47…フリーホイール、48…タービン軸、48a…1次減速駆動ギヤ、49…ベアリング、50…サイドカバー、51…フリーホイール、55…カムチェーン、56…カムチェーン駆動スプロケット、58…キー、59…保持部材、60…ACジェネレータ、61…アウタロータ、62…インナステータ、63…左クランクケースカバー14Lの開口、64…ボルト、65…ボス部材、65a…ラチェット歯、70…キック式始動装置、71…キック式始動装置カバー、71a…円筒状支持部、71b…キック軸軸受ボス部、72…ラチェット軸、73…従動ヘリカルギヤ、74…ラチェットホイール、74a…ラチェット歯、75…フリクションスプリング、76…キック軸、77…駆動ヘリカルギヤ、78…リターンスプリング、79…キックアーム、79a…キックペダル、80…セル式始動装置、81…セルモータ、81a…セルモータの小径部、82…モータ回転軸、82a…モータ回転軸のピニオン、83…中間軸、84…2重歯車、84a…大径歯車、84b…小径歯車、85…円筒形ボス、85a…大径歯車、86…ローラベアリング、87…ワンウエイクラッチ、88…ボルト、90…キック式始動装置除去時専用の左クランクケースカバー。

Claims (3)

  1. クランクケース内に回転自在に支承されるクランク軸と、
    出力軸と、
    上記クランク軸から出力軸へ動力を伝達する動力伝達機構と、
    該動力伝達機構の一部および上記クランク軸に固定される補機類を覆うクランクケースカバーと、
    始動の際にクランク軸を回転駆動すべく上記クランク軸に回転力伝達可能に連結されるキック式始動装置とを備えた自動二輪車用内燃機関において、
    上記クランク軸の一側にはトルクコンバータが設けられ、
    上記キック式始動装置が上記クランクケースカバーの外側に支持され、
    上記キック式始動装置は、上記トルクコンバータと反対側のクランクケースカバー外側に設けられたことを特徴とする自動二輪車用内燃機関。
  2. 上記内燃機関を自動二輪車に搭載した場合に、上記キック式始動装置は、上記内燃機関出力軸と後輪とを結ぶチェーンの前部とその駆動スプロケットを覆う内燃機関のリアカバーに対して、車両側方から見た時、一部重なる位置に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の自動二輪車用内燃機関。
  3. 上記セル式始動装置のセルモータのピニオンからクランク軸へ至る動力伝達機構が上記トルクコンバータと反対側のクランクケース内に設けられたことを特徴とする請求項1記載の自動二輪車用内燃機関。
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