JP2008056815A - ポリインジゴの製造方法 - Google Patents

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幸浩 阿部
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Masashi Harada
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Abstract

【課題】本発明は、高強度といった優れた特性を有するポリインジゴを効率的に製造することができ、工業的な大量生産にも適用し得る方法を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明に係るポリインジゴの製造方法は、合成中間体であるジグリシン化合物のアルカリ金属塩を製造するに当たり、ジグリシン化合物の無機酸塩を二段階で中和することを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、ポリインジゴを製造するための方法に関するものである。
極めて優れた耐熱性や耐溶剤性などを有する樹脂として、ポリインジゴが知られている。かかるポリインジゴは、特許文献1に開示されている。
特許文献1には、ポリインジゴの合成経路の1つとして下記が記載されており、その実施例もある。
Figure 2008056815
しかし、本発明者らが上記合成経路を追試しようとしたところ、フェニレンジアミンに酢酸基を導入する最初の工程で、目的化合物を単離さえすることができなかった。実際、特許文献1には、当該反応の例が実施例8として記載されているものの、目的化合物が含まれている濾液を減圧濃縮しているのみで精製は行われておらず、当該未精製物がそのまま次工程の実施例12で用いられている。よって、特許文献1の実施例で得られたポリインジゴには、多量の不純物が含まれていると考えられる。
その原因を明らかにすべく、上記最初の工程の反応終了後における反応液をNMRにより分析したところ、一方のアミノ基に2つの酢酸基が結合した化合物や、3つ或いは4つの酢酸基が結合した化合物が副生しており、目的化合物の生成率はせいぜい30%程度であった。この様に、当該工程の目的化合物はその生成率が低い上に、副生成物と構造が近いことから、単離が困難であると考えられる。
また、特許文献1には、2,5−ジクロロテレフタル酸を出発原料とし、これをグリシル化した後に閉環する方法も開示されている。しかし、出発原料である2,5−ジクロロテレフタル酸は非常に高価で且つ入手し難いので、当該方法を工業的な大量合成に適用するには問題がある。
米国特許第3,414,545号明細書(第3カラムのルートA、第4カラムのルートB、実施例8)
上述した様に、従来、ポリインジゴを製造する方法は知られていた。しかし、いずれの方法も収率が極めて悪かったり出発原料が非常に高価であるといった問題を有しており、ポリインジゴを工業的に生産する方法としては不適であった。
そこで、本発明が解決すべき課題は、高強度など優れた特性を有するポリインジゴを効率的に製造することができ、工業的な大量生産にも適用し得る方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく、ポリインジゴの製造条件につき鋭意研究を重ねた。その結果、以下の知見を見出して本発明を完成した。
・原料化合物のアミノ基に酢酸基を導入するに当たり、いったん酢酸エステル基を導入した上で加水分解すれば、副生物の量も少なく効率的な合成が可能となる。
・導入した酢酸エステル基を加水分解するに当たり、触媒として無機酸を用い、無機酸の塩としてジグリシン化合物を得れば、純度の高いものが得られる。
・ジグリシン化合物の無機酸をジアルカリ金属塩に誘導するに当たっては、先ず無機酸を中和して析出したジグリシン化合物を濾別すれば、副生物である無機塩の溶解性は高いため、ジグリシン化合物への無機塩の混入を抑制できる。
・さらに、得られたジグリシン化合物をジアルカリ金属塩にすれば、無機塩の混入のない純度の高いジアルカリ金属塩化合物が得られる。
・純度の高いジアルカリ金属塩化合物を用いれば、以降の閉環反応や重合反応を効率よく進行させることができる。
・本発明方法では工程数は増えるものの、全体的な収率と、目的化合物およびその合成中間体の純度が顕著に向上する。
本発明方法は、下記式(1)のポリインジゴを製造するための方法であって、
Figure 2008056815
[式中、Arはアリール基を示し;XはC=Oを示し且つYはNHを示すか、またはXはNHを示し且つYはC=Oを示す]
下記工程A〜Fを含み、
Figure 2008056815
[式中、Ar、XおよびYは上記と同義を示し;Zはハロゲン原子を示し;R1はカルボキシル基の保護基であって、無機酸により除去可能なものを示し;Mはアルカリ金属原子を示す]
工程Cにおいて、化合物(5)の無機酸塩の溶液または懸濁液に約2倍当量のアルカリ金属化合物を加えることにより化合物(5)を析出させて分離した後、さらに、析出させた化合物(5)の溶液または懸濁液に約2倍当量のアルカリ金属化合物を加えることにより化合物(6)を得ることを特徴とする。
上記方法中、工程Cにおいて、最初のアルカリ金属化合物添加終了時における化合物(5)の濃度を30質量%以下とすることが好ましい。かかる範囲の濃度であれば、副生する無機塩を析出させることなく化合物(5)が良好に得られるからである。
上記工程Cにおいて、アルカリ金属化合物としては、ナトリウムまたはカリウムの水酸化物、炭酸塩、または炭酸水素塩が好適である。
本発明方法によれば、高い耐熱性や耐溶剤性といった優れた特性を有するポリインジゴを、極めて効率的に製造することができる。従って本発明は、ポリインジゴの工業的な大量生産を可能にするものとして、産業上極めて有用である。
本発明において、「アリール基」とは芳香族炭化水素基をいい、例えば、フェニル、ナフチル、ビフェニル、インデニルを挙げることができる。
アリール基は、可能であれば一般的な置換基を有していてもよい。置換基としては、C1−C6アルキル、ハロゲン原子、フェニル、およびベンジルからなる群より選択される1または2以上を挙げることができる。上記置換基のうち、フェニルおよびベンジルは、さらに、C1−C6アルキルおよびハロゲン原子からなる群より選択される1または2以上で置換されていてもよい。なお、置換基の数は、置換可能であれば特に制限されないが、好適には1〜4個であり、さらに1または2個が好ましく、さらに2個が好ましい。また、置換基が複数存在する場合、それらは互いに同一であってもよいし、異なっていてもよい。
本発明において「C1−C6アルキル」は、炭素数が1〜6の直鎖状または分枝鎖状の脂肪族炭化水素を意味する。例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル等である。好ましくは(C1−C4)アルキルであり、より好ましくはメチル、エチル、またはt−ブチルであり、さらに好ましくはメチルである。
「ハロゲン」にはフッ素原子、塩素原子、臭素原子およびヨウ素原子が含まれ、好ましくはフッ素原子、塩素原子、または臭素原子である。
本発明方法の製造目的化合物であるポリインジゴ(1)は、下記の通りである。
Figure 2008056815
[式中、Arはアリール基を示し;XはC=Oを示し且つYはNHを示すか、またはXはNHを示し且つYはC=Oを示す]
なお、nは正の整数を示し、具体的な数値は特に特定されないが、本願発明によれば、分子量が3000以上の高分子量のポリインジゴを良好に製造できると考えられる。
上記式中のアリール基は、上記定義の通りである。従って、ポリインジゴ(1)としては、以下のものを例示できる。
Figure 2008056815
上記全ての例においては、2つのピロリジン−3−オン構造が点対称の関係にあるが、原料化合物を選択することによって、当該構造が線対称の関係にあるポリインジゴも合成可能である。また、点対称のモノマーと線対称のモノマーを混合して重合させることによって、それらのランダム共重合体を製造することも可能である。
各モノマー間は炭素−炭素二重結合により結合されており自由回転が阻害されている。よって、ポリインジゴ内には上下が逆のまま重合しているモノマーが存在し、実際には、各モノマーの上下はランダムに重合されていると考えられる。
ポリインジゴ(1)において、「n」は正の整数を表す。本発明方法によれば、重合度の高いポリインジゴを効率よく製造することができる。
本発明方法は、下記工程A〜Fを含み、
Figure 2008056815
[式中、Ar、XおよびYは上記と同義を示し;Zはハロゲン原子を示し;R1はカルボキシル基の保護基であって、酸により除去可能なものを示し;Mはアルカリ金属原子を示す]
工程Cにおいて、化合物(5)の無機酸塩の溶液または懸濁液に約2倍当量のアルカリ金属化合物を加えることにより化合物(5)を析出させて分離した後、さらに、析出させた化合物(5)の溶液または懸濁液に約2倍当量のアルカリ金属化合物を加えることにより化合物(6)を得ることを特徴とする。
以下、各工程につき説明する。
・工程A
工程Aは、ジアミノ化合物の2つのアミノ基へ酢酸エステル基を導入することにより化合物(4)を製造するための工程である。本工程では、触媒の存在下、溶媒中でジアミノ化合物(2)と酢酸エステル化合物(3)を反応させる。
ジアミノ化合物(2)は、比較的シンプルな構造を有することから、市販のものを購入して用いることができ、或いは有機化学分野の当業者に周知の方法で市販化合物から合成してもよい。
化合物(2)は、所望のポリインジゴ(1)に応じたものを用いればよいが、後述する閉環反応のために、アミノ基に隣接する炭素原子のうち少なくとも一方は、無置換である必要がある。
また、目的化合物のポリインジゴにおいて、2つのピロリジン−3−オン構造がAr基を中心として点対称の関係にあるか線対称の関係にあるかは、使用するジアミノ化合物(2)の構造により制御することができる。例えば、ジアミノ化合物(2)としてp−フェニレンジアミンを用いれば、ポリインジゴにおける2つのピロリジン−3−オン構造は点対称の関係となる。一方、m−フェニレンジアミンを用いれば、2つのピロリジン−3−オン構造は線対称の関係となる。
本発明方法で使用できるジアミノ化合物(2)としては、例えば、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、2,5−ジメチルフェニレン−1,4−ジアミン、2,5−ジエチルフェニレン−1,4−ジアミン、2,5−ジ−t−ブチルフェニレン−1,4−ジアミン、2,5−ジクロロフェニレン−1,4−ジアミン、2,5−ジブロモフェニレン−1,4−ジアミン、2,5−ジフェニルフェニレン−1,4−ジアミン、2,5−ジトリルフェニレン−1,4−ジアミン、ベンジジン、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジエチル−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジ−t−ブチル−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジフェニル−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジトリル−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジクロロ−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジブロモ−4,4’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジヨウ化−4,4’−ジアミノビフェニル、1,5−ジアミノナフタレン、2,6−ジアミノナフタレンを例示することができる。
酢酸エステル化合物(3)も、比較的シンプルな構造を有することから、市販のものを購入して用いることができ、或いは有機化学分野の当業者に周知の方法で市販化合物から合成してもよい。
酢酸エステル化合物(3)のR1は、工程Aの反応において安定である一方で、比較的容易に除去できるものであれば、その種類は特に制限されない。例えば、メチル、エチル、イソプロチル、t−ブチル、ベンジル、フェニル等を挙げることができる。また、Zも特に制限されず、脱離基として一般的な塩素原子や臭素原子、ヨウ素原子であればよい。
よって、本発明方法で使用できる酢酸エステル化合物(3)としては、例えば、クロロ酢酸メチル、クロロ酢酸エチル、クロロ酢酸ベンジル、クロロ酢酸フェニル、ブロモ酢酸メチル、ブロモ酢酸エチル、ブロモ酢酸ベンジル、ブロモ酢酸フェニル、ヨウ化酢酸メチル、ヨウ化酢酸エチル、ヨウ化酢酸ベンジル、ヨウ化酢酸フェニルを例示することができる。
本工程で用いる溶媒は、原料化合物を適度に溶解することができ且つ本工程において不活性なものであれば特に制限されないが、ジメチルホルムアミドやジメチルアセトアミド等のアミド;1,4−ジオキサンやテトラヒドロフラン等のエーテル;アセトン;ピリジン;水;これらの混合溶媒が含まれる。
本工程で触媒として用いる塩基には、トリエチルアミン等の有機アミン;水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物;水酸化カルシウム等のアルカリ土類金属の水酸化物;炭酸ナトリウムや炭酸カリウム等のアルカリ金属の炭酸塩;炭酸カルシウム等のアルカリ土類金属の炭酸塩;炭酸水素ナトリウムや炭酸水素カリウム等のアルカリ金属の炭酸水素塩が含まれる。
本工程では、一般的には、ジアミン化合物(2)を溶媒に溶解し、冷却した後に塩基を加え、さらに酢酸エステル化合物(3)をそのまま或いは溶媒に溶解した上で滴下する。使用する酢酸エステル化合物(3)の添加量は、ジアミン化合物(2)の2つのアミノ基へ酢酸エステル基を導入する必要があるので、ジアミン化合物(2)に対して1.6〜2.4当量程度とすればよい。また、原料化合物の存在やモノ酢酸エステル化化合物の存在をTLC等により確認できた場合には、酢酸エステル化合物(3)をさらに追加してもよい。
塩基を添加する際の温度は、氷冷などにより10℃以下とすることが好ましく、酢酸エステル化合物(3)の添加時の温度は、30℃以下に調節することが好ましい。滴下後は、室温でさらに反応させてもよい。反応時間は特に制限されず、例えば原料化合物等の存在をTLC等で確認できなくなった時点で反応を収量させればよいが、通常は、滴下時間とその後の反応時間を合わせて2〜10時間程度とすることができる。
反応後は、一般的な方法により精製すればよい。例えば、反応混合液を氷水や氷に滴下し、析出した目的化合物を濾別し乾燥すればよい。さらに、再結晶などの方法により精製してもよい。
・工程B
工程Bは、工程Aで得られたエステル化合物(4)を無機酸により脱保護し、ジグリシル化合物(5)の無機酸塩を得る工程である。当該工程の反応条件は、保護基R1の種類に応じたものを採用すればよい。
カルボキシル基の保護基であるR1’は、酸で除去できるものである必要がある。具体的には、メチル、エチル、t−ブチル等のC1−C6アルキル基であればよい。
本工程では、一般的には、塩酸、硫酸、リン酸等を含む酸性水溶液中、室温〜100℃程度でエステル化合物(4)を加水分解する。当該反応によれば、ジカルボン酸化合物(5)は無機酸の塩の状態で精製でき、高品質なものが得られる。
反応条件は、一般的なエステルの加水分解反応の条件を用いることができる。例えば、反応時間は特に制限されず、原料化合物の消失をTLC等で確認できるまでとすることができるが、一般的には30分間〜6時間程度とすることができる。
反応後は、一般的な方法により精製すればよい。例えば、反応終了後の反応液を室温まで放冷し、一晩程度放置して結晶を析出させ、これを濾別し乾燥すればよい。さらに精製を進める場合や着色を除く場合には、例えば熱水に溶解した後に活性炭により脱色し、活性炭を濾別し、濾液を放冷して結晶を析出させてもよい。
・工程C
工程Bで得られたジカルボン酸化合物(5)の無機酸塩は、工程Cにおいて二段階で中和する。
具体的には、先ず、ジカルボン酸化合物(5)の無機酸塩を溶媒中に溶解または懸濁する。次いで、ジカルボン酸化合物(5)の無機酸塩の溶液または懸濁液に約2倍当量のアルカリ金属化合物を加える。保護基の除去に用いた無機酸の解離定数は有機カルボン酸である化合物(5)の解離定数よりも大きいため、無機酸が優先的に中和される。その結果、ジカルボン酸化合物(5)の溶解性が低下し、当該化合物が析出する。
当該反応で用いられる溶媒は、無機酸とアルカリ金属化合物との塩に対する溶解度が高いことから、水が好適である。水に、メタノールやエタノール等のアルコール;テトラヒドロフランやジオキサン等のエーテル;ジメチルホルムアミドやジメチルアセトアミド等のアミドなどの水混和性の有機溶媒を添加してもよいが、実質的に水のみとすることが好ましい。
アルカリ金属化合物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、または炭酸水素カリウムを好適に用いることができる。
アルカリ金属化合物は、固体のまま少量ずつ添加してもよいが、中和反応をより穏和に進行せしめるために、アルカリ金属化合物の水溶液を滴下してもよい。
なお、アルカリ金属化合物の添加量をジカルボン酸化合物(5)の約2倍当量とするのは、化合物(5)は2個の2級アミノ基を有しており、1価の無機酸であれば2倍当量の、2価の無機酸であれば1倍当量が結合していると考えられるため、これら無機酸を中和する必要があることによる。
本発明における「約2倍当量」は、ジカルボン酸化合物(5)に対する2倍当量に加えて秤量誤差などを加味したものであり、具体的には、ジカルボン酸化合物(5)に対して1.9〜2.1倍当量、より好適には1.95〜2.05倍当量であり、さらに好適には実質的に2倍当量である。
無機酸の中和後においては、ジカルボン酸化合物(5)を優先的に析出させるために、反応混合液における化合物(5)の濃度を、無機酸の塩が十分に溶解性を保ちつつ且つジカルボン酸化合物(5)が十分に析出する程度に調節することが好ましい。具体的には、無機酸の中和のためのアルカリ金属化合物添加終了時における化合物(5)の濃度を38質量%以下とすることが好ましく、より好ましくは30質量%以下、さらに好ましくは25質量%以下、さらに好ましくは15質量%以下とする。生じる副生物が塩化カリウムである場合、25℃における塩化カリウムの水に対する溶解度は25.5g/溶液100gであるので、化合物(5)の上記濃度を38質量%以下にすれば、その2倍モル当量の塩化カリウムは析出しないと考えられる。化合物(5)の上記濃度が30質量%であれば、当該効果は十分に発揮され、純度の高い化合物(5)が得られる。一方、化合物(5)の上記濃度が低過ぎると収率が低下するおそれがあるため、上記濃度は5質量%以上とすることが好ましい。
当該反応の条件は適宜調節すればよいが、例えば室温下5〜30分間程度反応させればよい。さらに、ジカルボン酸化合物(5)の析出を促進するために反応混合液を静置してもよいし、反応混合液を適度に冷却してもよい。
反応終了後は、析出したジカルボン酸化合物(5)を濾別する。得られた化合物(5)は、室温の水や冷水により洗浄してもよい。得られた化合物(5)は乾燥し、秤量する。
次に、得られたフリーのジカルボン酸化合物(5)を溶媒に溶解または懸濁した上で、約2倍当量のアルカリ金属化合物を加えてカルボキシル基を中和することによって、アルカリ金属塩化合物(6)を得る。当該反応の溶媒や反応条件などは、上述した無機塩の中和に用いたものと同様のものを採用することができる。
反応終了後は、無機酸の塩の混入等は極少ないと考えられることから、反応混合液を濃縮するのみで次工程に進んでもよい。但し、もちろん再結晶などの常法により精製してもよい。
・工程D〜F
本発明に係るポリインジゴ(1)は、アルカリ化金属塩化合物(6)を閉環反応に付してビスピロリジノン化合物(7)とし、これを酸化重合することにより製造することができる。
このビスピロリジノン化合物(7)では、その活性メチレン部位が空気中の酸素と反応して2量化や酸化反応等の反応が進むため、この化合物を安定に取り出すことは非常に困難である。そのため、通常、アルカリ化金属塩化合物(6)を閉環させ、ビスピロリジノン化合物(7)を単離することなく水中で酸素と接触せしめて酸化重合を行う。従って、いかに高品質のアルカリ化金属塩化合物(6)を製造できるかが重要となってくる。従来の製造方法では、高品質のアルカリ化金属塩化合物(6)は得られ難かったが、本発明方法によれば、無機酸塩などの副生物の混入を抑制しつつ、高品質のアルカリ化金属塩化合物(6)を効率的に製造することができる。
工程Dでは、アルカリ溶融反応を行うことが好ましい。具体的には、乾燥不活性ガス気流下でアルカリ金属の水酸化物を190〜350℃程度に加熱して溶融する。当該溶融物へは、好適にはナトリウムアミド等を、水酸化物に対して5〜60質量%程度、より好適には5〜30質量%程度加える。また、ナトリウムアミドの代わりに、酸化カルシウムや酸化バリウム等のアルカリ金属酸化物を添加しても、閉環反応は進行する。
上記溶融物を攪拌しながら、アルカリ化金属塩化合物(6)をゆっくり加える。添加時の温度も、190〜300℃程度に維持する。添加後、同様の温度で10〜120分間程度攪拌を継続する。次いで、反応混合物の温度を室温まで冷却した後、続いて重合工程である工程Eに移行する。具体的には、工程Dを経た反応混合物を水に加えて溶解した後、空気などの酸素含有ガスを溶液中に吹き込む。この際の反応温度は100℃以下が好ましく、80℃以下がより好ましく、さらに60℃以下が好ましい。また、反応時間は特に制限されず、例えばTLC等によりビスピロリジノン化合物(7)が検出されなくなるまでとすればよいが、通常は10分間〜48時間程度、より好ましくは30分間〜24時間程度である。
反応後は、一般的な方法により精製すればよい。例えば、塩酸や硫酸などの酸を用いて反応混合液を中和した後、中和による析出物を濾取し、多量の水で充分に洗浄する。得られたポリインジゴ(1)は、乾燥後、さらに、ジメチルホルムアミドやジメチルアセトアミド等のアミド;1,4−ジオキサンやテトラヒドロフラン等のエーテル;アセトン;メタノールやエタノール等のアルコール;などの有機溶媒により洗浄して、低分子量成分を除くことができる。
このようにして製造されたポリインジゴは、様々な成形体に加工され得る。例えば、以下の方法により繊維に加工することができる。
先ず、ポリインジゴの溶液を調整する。ポリインジゴは汎用溶媒にはほとんど不溶であるが、塩基性条件下でハイドロサルファイトを用いて還元することによって、その水溶液を得ることができる。また、メタノールやエタノール等のアルコール中で水素化ホウ素ナトリウムや水素化ホウ素カリウムを用いて還元することにより、溶液を得ることができる。これら水溶液を濾過して不溶物を濾別した後、溶液を濃縮して曳糸性のある溶液とする。
上記で得られたポリインジゴ溶液を紡糸口金から押し出す。紡糸口金を出たドープは、紡糸口金と洗浄バス間の空間で引き伸ばされてフィラメントとなる。この空間は一般にエアギャップと呼ばれており、空気または酸素で満たされていることが必要である。このエアギャップを通過する際に、溶液中のポリインジゴは酸化され、ロイコ体からケトン体に変化し、溶媒に対する溶解度が減じて系から析出して繊維状に成形される。成形されたフィラメントは、水やアルコール等の溶剤により洗浄され還元剤や酸化剤等が除去される。その後、フィラメントに対して、乾燥や加熱などの処理を必要に応じて行なってもよい。
その他、上記ポリインジゴ溶液をダイから押し出してキャスト成膜したり、スピンコートすることによりシートやフィルムに加工することもできる。より具体的には、基板上に塗布した溶液に空気を接触させて酸化を行うと同時に、溶媒を蒸発させる。基板上からポリインジゴフィルムを剥がし、水洗して還元剤を除去した後収縮しないように、フィルムを枠に固定して乾燥する。乾燥は、風乾または50〜300℃の加熱乾燥、または減圧下100℃以下で行うことができる。その後、ポリインジゴフィルムに対して、必要に応じて加熱処理を行ってもよい。
こうして得られたポリインジゴ成形体は、優れた耐熱性や強度、弾性率、耐溶剤性といったポリインジゴ本来の特性をそのまま享有するため、極めて有用である。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施例により制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に含まれる。
実施例1−1 工程A:ジエチル p−フェニレンジグリシネート
500mL容の四つ口フラスコに、DMF(250mL)と炭酸ナトリウム(19.6g、0.185mol)を入れ、窒素バブリング後、p−フェニレンジアミン(20.0g、0.185mol)を加えた。当該反応混合液を5℃に氷冷した。別途、ブロモ酢酸エチル(49.4g、0.296mol)をDMF(50g)に溶解した。当該溶液を、上記反応混合液へ約4時間かけて滴下した。滴下後、当該混合液の温度は10℃まで上昇した。当該混合液をTLCにより分析したところ、モノグリシネート体であるN−(エトキシカルボニルメチル)−p−フェニレンジアミンのスポットが観察されたことから、反応を完結させるために、ブロモ酢酸エチル(2.47g)をDMF(2.5g)に溶解した溶液を、さらに2回滴下した。滴下後、氷浴を外して室温で1時間攪拌した。当該反応混合液を氷(500g)中へ滴下し、析出した白黄色固体を濾取した。得られた固体を、真空下40℃で5時間乾燥した。その結果、目的化合物(37.0g、収率:82.0%)が得られた。当該化合物の1H−NMRスペクトルを、図1に示す。
実施例1−2 工程B:p−フェニレンジグリシン二塩酸塩
上記実施例1−1で得られたジエチル p−フェニレンジグリシネート(31.5g、0.112mol)を濃塩酸(250mL)に加え、90℃で100分間加熱した。未溶解物が残留していたため、温度を維持しつつ当該未溶解物を濾別した。反応混合液を一晩放置した後、析出した白色結晶を濾取し、イソプロパノールで洗浄することによって、目的化合物(22.6g、収率:68.1%)を得た。得られた目的化合物の純度をHPLCにより分析したところ、純度は92.5%であった。当該化合物の1H−NMRスペクトルを、図2に示す。
さらに当該化合物を、窒素バブリングした水(150mL)に溶解した。窒素気流下で90℃に加熱し、活性炭(0.7g)を加えて5分間した後、温度を維持したまま活性炭を濾別した。濾液を室温まで冷却した後、約80mLまで減圧濃縮した。当該反応混合液から白色晶が析出するまで濃塩酸を加えた後、加熱還流することにより析出した白色晶を再度溶解した。当該反応混合液を一晩静置した後、析出した白色晶を濾別し乾燥した。その収量は20.3g、収率は89.8%であり、HPLCにより分析した純度は98.8%であった。さらに同様にして精製を行ったところ、得られた目的化合物の収量は19.5g、収率は96.0%であり、HPLCによる純度は99.6%であった。なお、HPLCの測定条件は、以下の通りである。
カラム: GLサイエンス社製、GC−Pack
溶離液: 水/アセトニトリル=20/80(0.02Mリン酸)
検出波長: 230nm。
実施例1−3 工程C:p−フェニレンジグリシン二カリウム塩
上記実施例1−2で得た高純度の塩酸塩(6.9g、0.0232mol)を、10分間窒素バブリングした水(50mL)の中へ加え、10分間攪拌した。当該反応混合液を窒素バブリングしながら1N水酸化カリウム水溶液(46.3mL、0.0463mol)を滴下し、10分間攪拌した。析出した結晶を濾別し、濾紙上の結晶を水洗した上で、真空乾燥器により乾燥した。得られた結晶を熱重量測定装置(ティー・エイ・インスツルメント製、TGA2950)で分析したところ、450℃までに全て分解したことから、得られた結晶に塩化カリウムは含まれていないと判断した。
次に、得られた結晶(4.68g)を水(100mL)に懸濁し、当該結晶が全てp−フェニレンジグリシンであるとして、その2倍当量の1N水酸化カリウム水溶液(41.7mL、0.0417mol)を加えた。得られた均一溶液をさらに10分間攪拌した後、減圧濃縮して、白黄色固体(5.6g、収率:80.4%)を得た。得られた固体を実施例1−2と同様の条件のHPLCで分析したところ、純度は99.8%であった。また、熱重量測定装置で分析したところ、450℃までに全て分解したことから、得られた結晶に塩化カリウムは含まれていないと判断した。
実施例1−4 工程D〜F:ポリインジゴ
100mL容のステンレスビーカーに、水酸化カリウム(19.38g、0.35mol、53.1当量)と水酸化ナトリウム(19.28g、0.48mol、74.2当量)を入れ、約350℃に加熱して溶融させた。当該溶融物を、同温度で30分間窒素バブリングした。当該溶融物を220℃まで降温した後、ナトリウムアミド(3.27g、0.083mol、12.9当量)を少量ずつ加えた。当該溶融物へ、上記実施例1−3で得たp−フェニレンジグリシン二カリウム(1.95g、0.0065mol)を220℃で少しずつ加えた。その結果、反応混合物は黒色に変化した。当該反応混合物を220℃で1時間攪拌し、発泡が消失したところで攪拌を停止し、室温まで放冷した。次いで、当該反応混合物を水(100mL)に加えて溶解し、2時間空気を吹き込んだ後、濃塩酸を加えることによりpHを1にした。生じた析出物を濾過し、減圧乾燥することによって、黒色固体である目的化合物を得た。図3に、得られた目的化合物の13C−NMRスペクトルを示す。
図3の通り、ベンゼン環の炭素ピークの他に、ピロリジン−3−オン構造を結合する炭素−炭素二重結合を有する炭素のピークも明確に見られる。また、炭素−炭素二重結合を有する炭素のピークは比較的ブロードになっている。これは、閉環反応と重合反応が適切に進行し、高分子中における位置や、単位構造における二級アミノ基とカルボニル基のシスまたはトランス構造など、様々な環境下の二重結合を有する炭素が存在することを示している。
実施例2−1 工程A:ジエチル 4,4’−ビフェニレンジグリシネート
500mL容の四つ口フラスコに、DMFと炭酸ナトリウムを入れ、窒素バブリング後、3,3’−ジメチルベンジジンを加える。別途、ブロモ酢酸エチルをDMFに溶解する。当該溶液を滴下する。滴下後、原料化合物や中間体が存在する場合には、ブロモ酢酸エチルをさらに追加してもよい。その後、氷浴を外し、室温で撹拌する。反応液を氷中に滴下し、析出する固体を濾取する。得られた固体を乾燥することにより、目的化合物が得られる。
実施例2−2 工程B:4,4’−ビフェニレンジグリシン二塩酸塩
実施例2−1で得られるジエチル 4,4’−ビフェニレンジグリシネートを濃塩酸に加える。温度を90℃まで上げて反応させる。未溶解物が存在する場合には、温度を維持したまま濾別し、これを除去する。室温で放置した後、析出する結晶を濾取し、イソプロパノールで洗浄する。得られる結晶を、窒素バブリングした水に溶解する。窒素気流下で90℃に加熱し、活性炭を加えて撹拌した後、温度を維持したまま濾過して活性炭を濾別する。濾液を室温まで冷却後、エバポレーターによりある程度まで減圧濃縮する。結晶が析出するまで濃塩酸を加えた後、加熱還流し、全てを溶解させる。一晩静置した後、析出する結晶を濾取する。必要に応じて、さらに同様の精製を行ってもよい。
実施例2−3 工程C:4,4’−ビフェニレンジグリシン二カリウム塩
上記実施例2−2で得られる高純度の塩酸塩を、10分間窒素バブリングした水の中へ加える。窒素バブリングしながら2当量の1N水酸化カリウム水溶液を加え攪拌する。析出した結晶を濾別して水洗し、乾燥する。得られた4,4’−ビフェニレンジグリシンを水に懸濁し、2当量の1N水酸化カリウム水溶液を加え攪拌する。当該反応混合液を減圧濃縮する。
実施例2−4 工程D〜F:ポリインジゴ
ステンレスビーカーに水酸化カリウムと水酸化ナトリウムを入れ、約350℃に加熱して溶融させ、同温度で窒素バブリングを行う。220℃まで降温させた後、ナトリウムアミドを少しずつ加える。未溶解物が存在する場合には、300℃まで昇温してもよい。当該反応混合物の温度を230℃まで降温させ、上記実施例2−3で得られるジグリシルカリウム塩を少量ずつ加える。当該反応混合物を加熱攪拌し、発泡がなくなってきたところで攪拌を停止し、放冷する。その後、当該反応混合物を水に加え溶解させる。当該反応混合物へ空気を吹き込んだ後、濃塩酸を加えてそのpHを1に調整する。析出物を濾過し、減圧乾燥することによって、目的化合物が得られる。
比較例1−1 ジエチル p−フェニレンジグリシネート
水(50mL)を10分間窒素バブリングした後、ここへ上記実施例1−2で得た高純度のp−フェニレンジグリシン二塩酸塩(3.0g、0.0101mol)を加えた。当該反応混合液を窒素バブリングしながら1N水酸化カリウム水溶液(20.1mL、0.0202mol)を加えることによって、当該反応混合液のpHを7に調節した。次いで、減圧濃縮することにより固体(4.6g)を得た。顕微鏡で観察しつつ、得られた固体の融点を測定したところ、融解するものとしないものが存在したことから、目的化合物と塩化カリウムの混合物であることが分かった。
比較例1−2 ポリインジゴ
100mL容のステンレスビーカーに、水酸化カリウム(19.38g、0.35mol、53.1当量)と水酸化ナトリウム(19.28g、0.48mol、74.2当量)を入れ、約350℃に加熱して溶融させた。当該溶融物を、同温度で30分間窒素バブリングした。当該溶融物を220℃まで降温した後、ナトリウムアミド(3.27g、0.083mol、12.9当量)を少量ずつ加えた。当該溶融物へ、上記比較例1−1で得たp−フェニレンジグリシン二カリウムと塩化カリウムとの混合物(4.6g)を220℃で少しずつ加えた。その結果、反応混合物は黒色に変化した。当該反応混合物を220℃で1時間攪拌し、発泡が消失したところで攪拌を停止し、室温まで放冷した。次いで、当該反応混合物を水(100mL)に加えて溶解し、2時間空気を吹き込んだ後、濃塩酸を加えることによりpHを1にした。生じた析出物を濾過し、減圧乾燥することによって、黒色固体である目的化合物を得た。図4に、得られた目的化合物の13C−NMRスペクトルを示す。
図4の通り、本発明方法で得られたポリインジゴの13C−NMRスペクトルである図3に比べて、他のピークの強度に対する炭素−炭素二重結合を有する炭素のピーク強度は明らかに小さくなっている。これは、原料化合物に塩化カリウムが混入していたことから、閉環反応または重合反応が阻害されたことによると考えられる。
実施例1−1で製造したジエチル p−フェニレンジグリシネートの1H−NMRスペクトルである。 実施例1−2で製造したp−フェニレンジグリシン二塩酸塩の1H−NMRスペクトルである。 実施例1−4で製造したポリインジゴの13C−NMRスペクトルである。 比較例1−2で製造したポリインジゴの13C−NMRスペクトルである。

Claims (3)

  1. 下記式(1)のポリインジゴを製造するための方法であって、
    Figure 2008056815
    [式中、Arはアリール基を示し;XはC=Oを示し且つYはNHを示すか、またはXはNHを示し且つYはC=Oを示す]
    下記工程A〜Fを含み、
    Figure 2008056815
    [式中、Ar、XおよびYは上記と同義を示し;Zはハロゲン原子を示し;R1はカルボキシル基の保護基であって、無機酸により除去可能なものを示し;Mはアルカリ金属原子を示す]
    工程Cにおいて、化合物(5)の無機酸塩の溶液または懸濁液に約2倍当量のアルカリ金属化合物を加えることにより化合物(5)を析出させて分離した後、さらに、析出させた化合物(5)の溶液または懸濁液に約2倍当量のアルカリ金属化合物を加えることにより化合物(6)を得ることを特徴とするポリインジゴの製造方法。
  2. 上記工程Cにおいて、最初のアルカリ金属化合物添加終了時における化合物(5)の濃度を30質量%以下とする請求項1に記載のポリインジゴの製造方法。
  3. 上記工程Cにおいて、アルカリ金属化合物としてナトリウムまたはカリウムの水酸化物、炭酸塩、または炭酸水素塩を用いる請求項1または2に記載のポリインジゴの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103159915A (zh) * 2011-12-09 2013-06-19 海洋王照明科技股份有限公司 异靛基共聚物及其制备方法和应用

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