JP2008056552A - 金属硫化物の製造方法、及び金属硫化物 - Google Patents

金属硫化物の製造方法、及び金属硫化物 Download PDF

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Abstract

【課題】出発原料がシンプルで、不純物の生成が抑制され、低コストで、高収率の金属硫化物の製造方法を提供する。
【解決手段】出発原料として、Cu、Ni、Fe、Co、Zn、Ag、Cd、Sb、Ga、In、Sn、Ge、Pb、Bi、Ru、Ti、Al、Cr、Mn、Ir、V、希土類元素、Zr、Hf、Ta、Nb、Tl、Re、W、As、Si及びMo等からなる群から選ばれる少なくとも一つの元素の酸化物(金属酸化物)又は、Ni、Fe、Co、Zn、Ag、Cd、Sb、Ga、In、Sn、Ge、Pb、Bi、Ru、Ti、Al、Cr、Ir、V、希土類元素、Rh、Pd、Pt、Os、Au、Tl、Re、W、Hg、As,Si及びMoからなる群から選ばれる少なくとも一つの金属単体と、硫黄原料とを用いる。そして、上記出発原料を水熱反応条件下又はソルボサーマル反応条件下で反応させて金属硫化物を得る。
【選択図】なし

Description

本発明は、金属単体又は金属酸化物から金属硫化物を製造する方法に関し、同製造方法を用いて得られる金属硫化物に関する。
金属硫化物は、優れた物理的・化学的性質があり、EL(electro−luminescence)、半導体、蛍光体等に用いられている。通常、金属硫化物の合成には金属塩の水溶液に硫化水素を通じる方法や単体を真空封入して高温で反応させる方法が知られている。
一方、金属化合物において、サブミクロン・ナノスケールで結晶サイズ・形状を制御できれば、様々な応用に道が開かれる。このような結晶サイズ・形状が制御された粒子を合成する方法の一つとして水熱反応が注目されている。水熱反応を用いた合成は、金属酸化物に関しての研究は盛んであるが、金属硫化物についてはわずかな報告がなされているのみである(非特許文献1〜3)。
Bo Xie、他6名、"Synthesis of NiS Nanowhiskers via Surfactant−aid Hydrothermal Reaction"、Chemistry Letters,31,p.254−255(2002) J.H.Zhan、他5名、"Hydrazine−controlled hydrothermal synthesis of Co9S8 from a homogeneous solution"、Journal of Materials Research,14(11),p.4418−4420(1999) Hongliang Zhu、他4名、"Novel CuS hollow spheres fabricated by a novel hydrothermal method"、Microporous and Mesoporous Materials,80(1−3),p.153−156(2005)
しかしながら、上記非特許文献1〜3の報告における硫化物の水熱合成方法は、出発物質として複雑な金属塩や何種類もの化合物を用いているために、反応が複雑であるという問題がある。また、水に溶ける金属塩を使用するために金属硫化物の収率も悪く、コスト面でも問題がある。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、簡便で低コストな金属硫化物の合成方法及びこの合成方法により得られる金属硫化物を提供することにある。
上記目的の下、本発明者等は鋭意検討を行った結果、水熱反応条件又はソルボサーマル反応条件下で、金属酸化物と硫黄原料とを反応させる、又は、金属単体と硫黄原料とを反応させることで、上記課題を解決することができることを見出し、本発明を完成させた。
つまり、本発明の要旨は、水熱反応条件下又はソルボサーマル反応条件下で、金属酸化物と硫黄原料とを反応させることを特徴とする金属硫化物の製造方法、にある。
この発明によれば、出発原料を金属酸化物及び硫黄原料とシンプルにすることができ、不純物の生成が抑制されやすくなり、低コストで、高収率の金属硫化物の製造方法が提供される。
また、上記金属硫化物の製造方法においては、前記金属酸化物が、長周期型の周期表の第3族〜第15族の元素の酸化物であることが好ましい。
上記元素の酸化物を用いることにより、金属硫化物を高収率で得やすくなる。
さらに、上記金属硫化物の製造方法においては、前記金属酸化物が、Cu、Ni、Fe、Co、Zn、Ag、Cd、Sb、Ga、In、Sn、Ge、Pb、Bi、Ru、Ti、Al、Cr、Mn、Ir、V、希土類元素、Zr、Hf、Ta、Nb、Tl、Re、W、As、Si及びMoからなる群から選ばれる少なくとも一つの元素の酸化物であることが好ましい。
これら元素の酸化物とすれば、水熱反応条件下又はソルボサーマル反応条件下における金属硫化物の合成をより高収率にしやすくなる。
本発明の他の要旨は、水熱反応条件下又はソルボサーマル反応条件下で、Ni、Fe、Co、Zn、Ag、Cd、Sb、Ga、In、Sn、Ge、Pb、Bi、Ru、Ti、Al、Cr、Ir、V、希土類元素、Rh、Pd、Pt、Os、Au、Tl、Re、W、Hg、As、Si及びMoからなる群から選ばれる少なくとも一つの金属単体と硫黄原料とを反応させることを特徴とする金属硫化物の製造方法、にある。
この発明によれば、出発原料を金属単体及び硫黄原料とシンプルにすることができ、不純物の生成が抑制されやすくなり、低コストで、高収率の金属硫化物の製造方法が提供される。
また、上記金属硫化物の製造方法においては、前記硫黄原料として硫黄を用いることが好ましい。
硫黄を用いることにより、出発原料をシンプルにできる。
また、上記金属硫化物の製造方法においては、400℃以下の温度で反応を行うことが好ましい。
上記温度とすれば低温での合成が可能となる。
本発明のさらに他の要旨は、上記の金属硫化物の製造方法により得られる金属硫化物、にある。
本発明においては、水熱合成条件下又はソルボサーマル反応条件下でのシンプルな化合物からの合成を行うため、良好な金属硫化物を得ることができる。
本発明によれば、出発原料をシンプルにすることができ、不純物の生成が抑制されやすくなり、低コストで、高収率の金属硫化物の製造方法が提供される。
次に、本発明の実施の形態について詳細に説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
本発明においては、水熱反応条件下又はソルボサーマル反応条件下にて、金属酸化物又は金属単体と、硫黄原料と、を反応させて金属硫化物を得る。
[出発原料]
出発原料としては、金属酸化物又は金属単体と、硫黄原料とを用いる。なお、本発明における「金属単体」は、純金属のみでなく、他の元素(金属の場合も含む)を所定量含む金属をも包含する概念として用いている。用いる元素や用途等の条件によって変化しうるので、主体となる金属以外の元素の量を一義的に定義することは困難であるが、例えば、他の元素を数%含有する金属も本発明の「金属単体」の概念に含まれる。
金属酸化物としては、種々のものを用いることができるが、周期表(長周期型)の第3族〜第15族の元素の酸化物を用いることが好ましく、より好ましくは第6族〜第15族の元素の酸化物を用いる。これら元素の酸化物は、一般に常温常湿においては水に難溶性である。このため、これら元素の酸化物を用いることによって不純物の抑制の利点が発揮されやすくなる。金属酸化物としてより好ましいのは、Cu、Ni、Fe、Co、Zn、Ag、Cd、Sb、Ga、In、Sn、Ge、Pb、Bi、Ru、Ti、Al、Cr、Mn、Ir、V、希土類元素、Zr、Hf、Ta、Nb、Tl、Re、W、As、Si及びMoからなる群から選ばれる少なくとも一つの元素の酸化物である。さらに好ましくは、Cu、Ni、Fe、Co、Zn、Ag、Cd、Sb、Ga、In、Sn、Ge、Pb、Bi、Ru、Al、Cr、Mn、Ir、Tl、Re、W、As、Si及びMoからなる群から選ばれる少なくとも一つの元素の酸化物である。これら元素の酸化物を用いると、さらに高収率の利点が発揮されやすくなる。反応性の観点から特に好ましい酸化物は、Cu、Ni、Fe、Co、Zn、Ag、Cd、Sb、Ga、In、Sn、Ge、Pb、Bi、Cr、及びMnからなる群から選ばれる少なくとも一つの元素の酸化物である。なお、本発明においては、国立天文台(編) 理科年表1998年度版(丸善 1997年11月)に掲載されている周期表を用いている。また、希土類元素とは、Sc,Yとランタノイド元素を指す。
一方、金属単体としては、Ni、Fe、Co、Zn、Ag、Cd、Sb、Ga、In、Sn、Ge、Pb、Bi、Ru、Ti、Al、Cr、Ir、V、希土類元素、Rh、Pd、Pt、Os、Au、Tl、Re、W、Hg、As、Si及びMoからなる群から選ばれる少なくとも一つの金属単体を用いる。これら金属単体の中でも好ましいのは、Ni、Fe、Co、Zn、Ag、Sb、及びInである。このような金属単体を用いることにより、不純物抑制の利点が発揮されやすくなる。
これら金属酸化物や金属単体は、常温常湿では、通常粉末の性状を有する。粉末の性状を有する場合における、金属酸化物及び金属単体の粒径は、金属酸化物や金属単体の材料の種類、反応条件、得られる金属硫化物等により最適な範囲は異なるが、通常1μm以上200μm以下とする。好ましくは、2μm以上100μm以下とする。この範囲とすれば、高純度の利点が発揮されやすくなる。
本発明の利点の一つは、従来の金属塩を用いる硫化物の水熱合成と異なり、合成される金属硫化物の粒径に対して、出発原料の粒径を反映させやすくなる点にある。この結果、出発原料の粒径と形状を選ぶことによって生成物の粒径や形状の制御が行いやすくなる。このような利点が発揮される理由は、本発明においては、反応の際の高温下においても出発原料が完全に溶解しないためと推測される。上記粒径制御の利点は、出発原料の粒径を50μm以上と大きくするとより発揮されやすくなる。
また、金属酸化物や金属単体の密度は、通常2g/cm以上25g/cm以下の範囲とされる。密度は、好ましくは20g/cm以下、より好ましくは10g/cm以下である。これは、一般に、密度が小さい金属酸化物や金属単体は反応性が高い傾向にあるためである。
なお、本発明の要旨の範囲内において、金属酸化物と金属単体とを任意の割合で混合して用いてもよい。混合する場合には、金属酸化物に用いる金属と金属単体とを共通の元素とすることが好ましい。また、金属単体を出発原料とする場合には、金属単体を一種類用いるのが通常であるが、複数種類の金属単体を用いてもよい。同様に、出発原料を金属酸化物とする場合も複数種類の金属酸化物を用いてもよいことはいうまでもない。例えば、得られる金属硫化物を蛍光体として用いる場合には、金属硫化物に所定の元素をドープすることが一般的に行われるが、この場合、出発原料中にドープする所望の元素を所定量含有させればよい。このように、出発原料の配合は、工業生産の際の生産手法や製造装置との関係、求められる金属硫化物の純度、得られた金属硫化物の用途等を考慮して適宜調整すればよい。
硫黄原料も特に制限はない。硫黄原料としては、チオ尿素、硫化カリウム、硫化ナトリウム、二硫化炭素、硫黄等を挙げることができるが、好ましくは硫黄が用いられる。硫黄原料は、通常粉末の性状を有する。粉末の性状を有する場合における、硫黄原料の粒径は、金属酸化物や金属との反応性を考慮して、通常1μm以上200μm以下とする。好ましくは、2μm以上100μm以下とする。この範囲とすれば、高反応性の利点が発揮される。
また、硫黄原料の密度は、通常1.2g/cm以上2.5g/cm以下の範囲とされる。
なお、本発明の要旨の範囲内において、複数種類の硫黄原料を任意の割合で混合して用いてもよいことはいうまでもない。
[合成]
水熱反応条件下又はソルボサーマル条件下での反応に先立ち、金属酸化物又は金属単体と、硫黄原料とは混合されるのが一般的である。混合の方法は特に制限されず、メノウ乳鉢を用いて手動で行う方法や、所定の攪拌機を用いて行う方法や、反応容器内で直接攪拌して混合する方法等を挙げることができる。反応を効率的かつ高収率に行うことができるように、金属酸化物又は金属単体と硫黄原料とが十分に混ざり合うまで混合することが好ましい。
混合の際における出発原料の投入順番は、特に制限はない。また、用いる材料によっては、混合の際に、静電気の発生により飛散しやすい傾向を有するものもある。このような静電気を帯びやすい材料を用いるときは、静電気除去器具を用いて静電気を除去しながら混合を行うことが好ましい。
金属酸化物又は金属単体と、硫黄原料との混合比率は、通常は、合成する金属硫化物中の金属と硫黄との原子比率にほぼ近くなるように制御する。具体的には、金属酸化物又は金属単体の重量1とした場合に、硫黄原料の重量は、通常0.1以上、2以下とすればよい。
金属酸化物又は金属単体と、硫黄材料との混合物(単に混合物という場合がある。)は、水熱反応条件下又はソルボサーマル反応条件下で反応が行われ金属硫化物が製造される。ここで、水熱反応(「水熱法」ともいう。)とは、一般に、高温の水、特に高温高圧の水の存在下で行われる、物質の合成及び結晶育成する方法である。高温の水は常圧ではほとんど気体になってしまうが、高圧下では液相で存在できるために特殊の反応が起こる。従って、常温常圧下では水に溶けにくい物質でも、高温高圧水溶液中への溶解度が増大し、反応速度も増大するため、結晶を成長させたり合成したりすることができる。一方、ソルボサーマル反応(「ソルボサーマル法」ともいう。)は、本来は水熱反応を包含する語であるが、本発明においては、上記水熱反応において、溶媒として水以外のものを用いて行う反応をソルボサーマル反応と呼ぶこととする。水熱反応やソルボサーマル反応は、通常、硬度の高い鉱物結晶の工業的生産に利用される。水熱反応やソルボサーマル反応では、単結晶の他に、活性な高温高圧水溶液中での物質の溶解析出反応を利用したセラミックス微粒子の合成も可能である。
水熱反応条件下又はソルボサーマル反応条件下の反応は、通常反応容器を用いて行われる。反応容器としては、例えば、耐圧性、耐熱性、かつ耐腐食性の高いオートクレーブ又はテストチューブ型の容器が用いられる。通常、数百atm、300℃程度までの水熱反応やソルボサーマル反応ではオートクレーブが用いられるが、さらに高温高圧用には試験管型ボンベなどの特殊な高圧装置が開発されており、4000atm、800℃程度までの合成反応が可能である。
水熱合成においては反応時に水の存在を必要とする。水としては、通常、蒸留水やイオン交換した蒸留水が用いられる。一方、ソルボサーマル反応においては、水以外の溶媒が用いられる。このような溶媒は、出発原料や反応温度、時間、圧力等の種々の条件によって決められるが、例えば、CS、エタノール、メタノール、アセトニトリル、エチレングリコールが用いられる。
混合物と、水又は溶媒との混合比率は、出発原料、反応条件等によって適宜制御すればよい。通常は、混合物の重量を1とした場合、水又は溶媒の重量は、10以上、100以下とする。この範囲とすることにより、溶媒の効果が発揮されやすくなる。
水熱反応又はソルボサーマル反応を行う際の反応容器の温度は、用いる原料や反応時間等の諸条件によって適宜制御すればよい。本発明の利点の一つは低温での反応であっても金属硫化物を良好に得られる点にある。より具体的には、400℃以下の温度で反応させて場合においても金属硫化物を得ることができる。低温での反応が可能であるということは、工業的に合成を行う際の大きな利点である。反応温度は、より好ましくは350℃以下、さらに好ましくは260℃以下、特に好ましくは180℃以下とする。一方、反応温度は、通常は、40℃以上とする。
反応時間は、用いる原料や反応温度等の諸条件によって適宜制御すればよい。反応時間は、通常10分以上、好ましくは60分以上とする。一方、反応時間は、通常100時間以下、好ましくは60時間以下、より好ましくは10時間以下とする。上記範囲とすれば、金属硫化物を良好に得やすくなる。
反応の際の圧力は、用いる原料や反応温度等の諸条件によって適宜制御すればよい。具体的には、反応の際の圧力は、通常、溶媒の蒸気圧と反応器の中に入っている気体の圧力とに依存し、基本的には溶媒の種類と温度で決まる。反応の際の圧力は、通常1atm以上、好ましくは10atm以上とする。一方、反応の際の圧力は、通常300atm以下、好ましくは100atm以下とする。
反応時に制御すべきその他の点としては、例えば、反応時のpHの制御が挙げられる。反応時のpHは、通常1〜10に制御される。
水熱反応条件下又はソルボサーマル反応条件下での反応が終了した後は、通常、反応容器を冷却した後に、反応生成物を取り出す。反応直後の生成物の性状は、通常、液体(反応に用いた水や溶媒等)中に固体状の反応生成物質が存在する状態となっているので、ろ過やデカンテーション等の操作を行って上記反応生成物質を分離する。工業的に好ましいのはろ過であり、より好ましくは吸引ろ過である。
分離された反応生成物質は、通常は、蒸留水やエタノール等の溶媒で洗浄された後乾燥される。反応条件の最適化により、反応生成物は、金属硫化物単相となる場合もあるが、工業的に完全な単相を得ることは容易でない場合もある。つまり、反応生成物質中に、金属硫化物以外の化合物が含まれる場合や、未反応の出発原料が残留する場合も十分にあり得る。このような場合には、得られる金属硫化物の純度を高めるために、例えば、酸やアルカリを使って不純物を溶解させた後、残留物をろ過する方法等を適宜用いればよい。
[得られる金属硫化物]
本発明の製造方法を用いると、高収率で金属硫化物を得ることができる。具体的には95%以上の収率を達成しやすくなる。より具体的には、本発明では、100%近い収率を確保できる利点が発揮される。また、水熱反応条件下又はソルボサーマル反応条件下での反応の際に、生成物質の結晶の成長もあわせて行われやすくなるので、高収率、高純度の金属硫化物の結晶を得やすくなる。特に、反応条件の最適化により単結晶を成長させることができる場合もある。
このようにして得られた金属硫化物は、EL、半導体、蛍光体等の用途に良好に使用可能となる。例えば、蛍光体としては、Ag、Cl、AlをZnSにドープして用いる例があるが、このような金属硫化物は、ドープする元素を出発原料に所定量含有させることによって得ることができる。
次に、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例の記載に限定されるものではない。
[基本実験]
(1:金属硫化物の合成(水熱反応))
粉末の金属単体と硫黄単体(高純度化学研究所製:純度:99.99%、粒径:75μm以下)を所定の比になるように秤量し、メノウ乳鉢に入れて混合して混合物を得た。混合の際に、静電気による硫黄粉末の飛散がみられる場合には、静電気除去器具を用いて静電気を除去しながら混合を行った。
混合物を反応容器に移し、水を加えて封入した。反応容器にはテフロン(登録商標)製オートクレーブを用いた。この際に、反応容器としては、反応温度が180℃以下の場合は50mlの大きさのものを、反応温度が180℃よりも高い場合は25mlの大きさのものを用いた。また、加える水の量は、それぞれ20ml、10mlとした。また混合物の量は、25mlの大きさの反応容器を用いる場合には、50mlの反応容器を用いる場合の半分とした。
反応容器をオーブンに入れ加熱を行った。反応温度は60〜240℃、反応時間は1〜60時間の範囲とした。加熱処理後、反応容器を室温まで自然冷却した。沈殿物を吸引ろ過し、櫨取された物質は蒸留水で数回洗浄した後乾燥させて生成物質を得た。
(2:生成物質の分析)
上記合成方法によって得られた生成物質については、粉末X線回折(X−Ray Diffraction spectroscopy:XRD)装置を用いて測定を行い、得られたX線回折パターンから相の同定を行った。粉末X線回折装置として、理学製RINT−2200粉末X線回折装置を用いた。X線源にはCu管球を用い、波長λは1.5418Å(CuKα線)とした。測定は、ステップ幅0.02°、スキャンスピード4°/minで行った。
また、単相の物質が得られたもののいくつかについては、電界放出型走査電子顕微鏡(Field Emission Scanning Electron Microscope:FE−SEM)にて粒子形状を観察した。電界放出型走査電子顕微鏡として、日立S−4500を用いた。また、測定は、加速電圧15kVで像の観察を行ったので、二次電子分解能は1.5nmであった。
[実施例1:NiSの合成]
上記基本実験において、Ni:S=1:1(原子数比)=0.58693g:0.32066g(重量比)の比で原料を混合し、NiSの水熱合成を行った。詳細な実験条件は以下の通りである。
(条件1)
Ni粉末の粒径:63μm;
反応温度/時間/圧力(計算値):180℃/10時間/11atm(計算値)、240℃/10時間/35atm(計算値)、240℃/60時間/35atm(計算値);
(条件2)
Ni粉末の粒径:3μm;
反応時間/温度/圧力(計算値):180℃/10時間/11atm(計算値)、240℃/10時間/35atm(計算値);
以上の条件で得られた生成物質のそれぞれのXRDパターンを図1に示す。図1は実施例1で得られた生成物質のXRDパターンである。図1の上段には63μmの粉末を用いた場合のXRDパターンを示し、同図の下段には3μmの粉末を用いた場合のXRDパターンを示す。
図1の上段のXRDパターンから以下のことがわかる。つまり、63μmのNi粉末を用いた場合においては、180℃/10時間の条件ではNiS(ICSD 40054)が生成しているが、主にNi(ICSD 73839)が生成し、未反応のNi(ICSD 44767)とS(ICSD 200453)も残っていた。温度を240℃まで上げると未反応のNiとSはなくなったが、NiS、Niの他に少量のNi(ICSD 63080)が生成した。反応温度を240℃としたまま、反応時間を60時間に伸ばした場合においてもXRDパターンに大きな変化はなく、生成物に変化は
みられなかった。
図1の下段のXRDパターンから以下のことがわかる。つまり、3μmのNi粉末を用いた場合においては、180℃/10時間では微量のNi、Niを含むものの、ほぼNiSが生成された。さらに、反応温度を240℃に上げるとNiSの単相が得られた。これは、微粉末のNiを用いることにより、反応性がよくなったためと考えられる。
図2には、粒径が3μmのNi粉末を用いて240℃/10時間の条件にて合成して得られたNiSのSEM像を示す。図2からわかるように、この条件で合成したNiSの微結晶は一方方向に成長する傾向が見られた。
[実施例2:Niの合成]
実施例1の結果からわかるように、NiSの合成の際に、Niの生成がみられたので、Ni単相の水熱合成を試みた。
Niの粉末の粒径:63μm;
Ni粉末:S粉末=3:2(原子数比)=0.29347g:0.10689g(重量比)において、S粉末を0.02gさらに過剰に加えた;
反応温度/時間/圧力(計算値):240℃/60時間/35atm(計算値);
以上の条件で得られた生成物質のXRDパターンを図3に示す。図3は実施例2で得られた生成物質のXRDパターンである。図3からわかるように、Ni(JCPDS 44−1418)の単相が得られている。得られたNiは黒灰色であった。なお、上記実験条件においてはNiの単相が得られたが、実験条件を変化させると(例えば、反応時間を短くする、原料の仕込みの際に過剰なS粉末を添加しない等)、生成物質中に、Niの他に、NiSの生成やNiの残留物が存在することがわかった。
[実施例3:FeSの合成]
上記基本実験において、Fe:S=1:1(原子数比)=0.55845g:0.32066g(重量比)の比で原料を混合し、FeSの水熱合成を行った。詳細な実験条件は以下の通りである。
(条件1)
Fe粉末の粒径:150μm;
反応温度/時間/圧力(計算値):180℃/10時間/11atm(計算値)、180℃/60時間/11atm(計算値)、240℃/10時間/35atm(計算値);
(条件2)
Fe粉末の粒径:3〜5μm;
反応温度/時間/圧力(計算値):240℃/10時間/35atm(計算値);
以上の条件で得られた生成物質のそれぞれのXRDパターンを図4に示す。図4は実施例3で得られた生成物質のXRDパターンである。図4の上段には150μmの粉末を用い、反応温度を180℃(反応時間:10時間、60時間)とした場合のXRDパターンを示し、同図の下段には150μm及び3〜5μmの粉末をそれぞれ用いた場合に、反応条件を240℃/10時間とした場合のXRDパターンを示す。
図4の上段のXRDパターンから以下のことがわかる。つまり、150μmのFe粉末を用いた場合においては、反応時間が10時間のときは、FeS(ICSD 51002)と共にFeO(OH)(ICSD 93948)やFe(OH)(JCPDS38−0032)といった水酸化物が生成した。また、未反応のS(ICSD 200453)も検出されたが、Feは検出されなかった。一方、反応時間を60時間とすると、FeSのパターンに近いXRDパターンが得られた。ただ、FeSとともにSとFeが生成される結果となった。
図4の下段のXRDパターン(反応温度:240℃)から以下のことがわかる。つまり、150μmのFe粉末を用いた場合においては、反応温度を180℃とした場合と同様に、FeSが主に生成されるとともに、Fe(ICSD 50567)の生成も観測された。しかし、180℃での合成と比較して、XRDパターンはFeS単相の結晶に近くなっている。このため、反応温度を上げることにより結晶性が高くなっているものと推測される。一番強度の強いピークは、FeSのパターンと比べると低角度側にシフトしているが、これは、FeSよりも少しFeが欠損したFe0.985S(ICSD 68849)だと考えられる。また、3〜5μmのような微粉末のFe粉末を用いた場合においても、生成物に大きな変化はみられなかった。ただ、一番強度の高いピークはFeSのXRDパターンと一致した。その他には微量のFeS(ICSD 53529)の生成も確認された。
以上から、FeSの合成は高温で行うことが望ましいと考えられる。また、時間をかけて反応させた方が、反応が進み単相に近い生成物を得ることができると予想される。
[実施例4:Coの合成]
上記基本実験において、Co:S=9:8(原子数比)=0.58933g:0.28503g(重量比)の比で原料を混合し、Coの水熱合成を行った。詳細な実験条件は以下の通りである。なお、Coは三津和化学薬品株式会社製のものを用いた(純度99.9%)。
Co粉末の粒径:1〜2μm;
反応温度/時間/圧力(計算値):180℃/10時間/11atm(計算値);
以上の条件で得られた生成物質は黒灰色を有していた。この物質のXRDパターンを図5に示す。図5は実施例4で得られた生成物質のXRDパターンである。図5から以下のことがわかる。つまり、180℃/10時間の反応によりCoが得られた。但し、2θが12°付近においてCo(JCPDS65−6801)と一致しないピークが観測された。25°付近のピークも重なっているものの、恐らく同じ相のピークであると推測される。このピークに対応する生成物は未だ同定されていない。
[実施例5:ZnSの合成]
上記基本実験において、Zn:S=1:1(原子数比)=0.32695g:0.16033g(重量比)の比で原料を混合し、ZnSの水熱合成を行った。詳細な実験条件は以下の通りである。なお、Znは高純度化学研究所製のものを用いた(純度99.9%)。
Zn粉末の粒径:75μm以下;
反応時間/温度/圧力(計算値):240℃/1時間/35atm(計算値)、240℃/40時間/35atm(計算値)、240℃/60時間/35atm(計算値);
240℃で反応を行った結果、生成物質は白色粉末状のものと淡黄色の板状のものが得られた。この物質のXRDパターンを図6に示す。図6は実施例5で得られた生成物質のXRDパターンである。図6の上段には、反応温度240℃で、反応時間を1、40、60時間と変化させた場合に得られた生成物質のXRDパターンをそれぞれ示してある。同図の下段には、240℃で反応させた場合に得られる生成物質に混在する、白色粉末状の物質のXRDパターン及び淡黄色の板状の物質のXRDパターンを示す。
図6の上段のXRDパターンから以下のことがわかる。つまり、240℃で反応を行うことによってZnS(JCPDS 77−2100)の単相が得られる。ただ、さらに検討を行った結果、反応時間を1時間とした場合にはZnSの単相が安定的に得られない場合があることがわかった。また、図6の下段のXRDパターンをみてわかるように、生成物質に混在する白色粉末の性状のもの、及び淡黄色の板状の性状のものは、いずれもZnSであった。
[比較例1:水熱条件下でない場合のZnSの合成]
実施例5において、水を用いずに反応を行ったこと、反応条件を240℃/60時間のみとしたこと、以外は実施例5と同様にしてZnSの合成を試みた。XRDパターンを観察したところ、ZnSはほとんど合成されなかった。
[実施例6:AgSの合成]
上記基本実験において、Ag:S=2:1(原子数比)=1.07868g:0.16033g(重量比)の比で原料を混合し、AgSの水熱合成を行った。なお、Agは高純度化学研究所製のものを用いた(純度99.9%、粒径:75μm以下)。詳細な実験条件を表−1に示す。
Figure 2008056552
生成物質は黒色であった。表−1に示す各条件で得られた生成物質のXRDパターンを観測したところ、温度を120℃以上とすれば反応時間1時間でもAgSの単相が得られた。また、反応時間10時間とすると反応温度90℃以上でAgSの単相が得られた。これら以外の条件では、未反応のAgの残留が観測された。表−1に、AgSの単相が得られた場合を「○」と、未反応のAgが残留した場合を「△」で表す。
[実施例7:酸化物からのZnSの合成]
上記基本実験において、ZnO:S=1:1(原子数比)=0.40695g:0.16033g(重量比)の比で原料を混合し、ZnSの水熱合成を行った。このとき、反応容器の大きさは25mlとし、水の量は10mlとした。但し、反応温度を180℃とした実験では反応容器の大きさを50mlとし、ZnO、S、及び水の量を2倍とした。詳細な実験条件を表−2に示す。
Figure 2008056552
生成物質は白色であった。表−2に示す各条件で得られた生成物質のXRDパターンを観測したところ、反応温度210℃、240℃/反応時間10時間、反応温度180℃、210℃、240℃/反応時間60時間とした場合にZnSの単相が得られた。これら以外の条件では、不純物を含むZnSが生成された。表−2に、ZnSの単相が得られた場合を「○」と、不純物を含むZnSが得られた場合を「△」で表す。
図7は、240℃/10時間の反応条件で得られた生成物質のXRDパターンである。同図中「水熱条件下」で示されるXRDパターンが240℃/10時間の反応条件で水熱合成を行って得られたZnSである。同図の下段に示されるデータベースのパターンと比較してわかるように、ZnSの単相が得られていることがわかる。
[比較例2:水熱条件下でない場合のZnSの合成]
実施例7において、水を用いずに反応を行ったこと、反応条件を240℃/10時間のみとしたこと、以外は実施例7と同様にしてZnSの合成を試みた。得られた物質のXRDパターンを図7の中段(同図中「水無し」で示されるXRDパターン)に示す。XRDパターンからわかるように、240℃/10時間という強い反応条件の下においても、結晶性の低いZnSしか得られなかった。
[実施例8:酸化物からのCdSの合成]
上記基本実験において、CdO:S=1:1(原子数比)=0.64205g:0.16033g(重量比)の比で原料を混合し、CdSの水熱合成を行った。このとき、反応容器の大きさは25mlとし、水の量は10mlとした。但し、反応温度を180℃とした実験では反応容器の大きさを50mlとし、CdO、S、及び水の量を2倍とした。詳細な実験条件を表−3に示す。
Figure 2008056552
生成物質は黄橙色であった。表−3に示す各条件で得られた生成物質のXRDパターンを観測したところ、反応温度240℃/反応時間1時間、反応温度210℃、240℃/反応時間10時間、反応温度180℃、210℃、240℃/反応時間60時間とした場合にCdSの単相が得られた。これら以外の条件では、不純物を含むCdSが生成された。但し、反応温度180℃/反応時間10時間、反応温度210℃/反応時間1時間の各条件においては、不純物を含むものの、ほぼ単相のCdSが生成された。表−3に、CdSの単相が得られた場合を「○」と、不純物を含むCdSが得られた場合を「△」で表す。
図8は、240℃/10時間の反応条件で得られた生成物質のXRDパターンである。同図中「水熱条件下」で示されるXRDパターンが240℃/10時間の反応条件で水熱合成を行って得られたCdSである。同図の下段に示されるデータベースのパターンと比較してわかるように、CdSの単相が得られていることがわかる。
[比較例3:水熱条件下でない場合のCdSの合成]
実施例8において、水を用いずに反応を行ったこと、反応条件を240℃/10時間のみとしたこと、以外は実施例8と同様にしてCdSの合成を試みた。得られた物質のXRDパターンを図8の中段(同図中「水無し」で示されるXRDパターン)に示す。同図の下段に示されるデータベースのパターンと比較してわかるように、単相のCdSとはXRDパターンの強度比が異なり、CdSがほとんど合成できていないことがわかる。
[実施例9:酸化物からのAgSの合成]
上記基本実験において、AgO:S=1:2(原子数比)=0.57934g:0.16033g(重量比)の比で原料を混合し、AgSの水熱合成を行った。このとき、反応温度は240℃、反応時間は10時間、反応容器の大きさは25ml、水の量は10mlとした。なお、上記原料の混合比からわかるように、AgSを合成するためには、硫黄を化学量論比よりも過剰に用いる必要があることがわかった。
生成物質は黒色であった。図9は、本実施例で得られた生成物質のXRDパターンである。同図の下段に示されるデータベースのパターンと比較してわかるように、AgSの単相が得られていることがわかる。
この発明によれば、出発原料を金属酸化物又は金属単体と、硫黄原料と、シンプルにすることができ、不純物の生成が抑制されやすくなり、低コストで、高収率の金属硫化物の製造方法が提供される。この方法で得られた金属硫化物は、EL、半導体、蛍光体等の各分野で良好に利用することができる材料となる。
実施例1で得られた生成物質のXRDパターンである。 粒径が3μmのNi粉末を用いて240℃/10時間の条件にて合成して得られたNiSのSEM像である。 実施例2で得られた生成物質のXRDパターンである。 実施例3で得られた生成物質のXRDパターンである。 実施例4で得られた生成物質のXRDパターンである。 実施例5で得られた生成物質のXRDパターンである。 実施例7における、240℃/10時間の反応条件で得られた生成物質のXRDパターンである。 実施例8における、240℃/10時間の反応条件で得られた生成物質のXRDパターンである。 実施例9で得られた生成物質のXRDパターンである。

Claims (7)

  1. 水熱反応条件下又はソルボサーマル反応条件下で、金属酸化物と硫黄原料とを反応させることを特徴とする金属硫化物の製造方法。
  2. 前記金属酸化物が、長周期型の周期表の第3族〜第15族の元素の酸化物であることを特徴とする請求項1に記載の金属硫化物の製造方法。
  3. 前記金属酸化物が、Cu、Ni、Fe、Co、Zn、Ag、Cd、Sb、Ga、In、Sn、Ge、Pb、Bi、Ru、Ti、Al、Cr、Mn、Ir、V、希土類元素、Zr、Hf、Ta、Nb、Tl、Re、W、As、Si及びMoからなる群から選ばれる少なくとも一つの元素の酸化物であることを特徴とする請求項1又は2に記載の金属硫化物の製造方法。
  4. 水熱反応条件下又はソルボサーマル反応条件下で、Ni、Fe、Co、Zn、Ag、Cd、Sb、Ga、In、Sn、Ge、Pb、Bi、Ru、Ti、Al、Cr、Ir、V、希土類元素、Rh、Pd、Pt、Os、Au、Tl、Re、W、Hg、As、Si及びMoからなる群から選ばれる少なくとも一つの金属単体と硫黄原料とを反応させることを特徴とする金属硫化物の製造方法。
  5. 前記硫黄原料として硫黄を用いることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の金属硫化物の製造方法。
  6. 400℃以下の温度で反応を行うことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の金属硫化物の製造方法。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の金属硫化物の製造方法により得られる金属硫化物。
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