JP2008052929A - 車両電装品用の接続端子 - Google Patents
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Abstract
【課題】締結手段による接続端子の締結後、締結を緩めるか解除した際に、接続端子から締結手段が脱落するのを防止することができる車両電装品用の接続端子を提供する。
【解決手段】接続端子1を構成する締結部3の挿通孔3aにボルトAを挿通し、ナットBを挿通孔3a上方に突出するネジ軸Aaに螺着して、ボルトA及びナットBの締結力により締結部3を締結前の湾曲した状態から締結後の略平坦な状態に塑性変形させる。締結部3の長さ方向と対応する挿通孔3aの前後対向周面3b,3cを中心部に向けて変形させ、ボルトAのネジ軸Aaに噛み込ませて抜止め固定する。
【選択図】図2
【解決手段】接続端子1を構成する締結部3の挿通孔3aにボルトAを挿通し、ナットBを挿通孔3a上方に突出するネジ軸Aaに螺着して、ボルトA及びナットBの締結力により締結部3を締結前の湾曲した状態から締結後の略平坦な状態に塑性変形させる。締結部3の長さ方向と対応する挿通孔3aの前後対向周面3b,3cを中心部に向けて変形させ、ボルトAのネジ軸Aaに噛み込ませて抜止め固定する。
【選択図】図2
Description
この発明は、例えば車両内に搭載される各種電装品の配線に用いられる車両電装品用の接続端子に関する。
従来、車両のエンジンルーム内に搭載されたリレーボックスに端子ボルト及びバスバーを取り付ける場合、取付け時にボルトが脱落すると、複雑なエンジンルーム内においては紛失するおそれがある。そこで、例えば接続端子の一例であるLA端子をボルトにより固定する際に、スプリングワッシャーを介することにより、ボルトの緩み防止する方法が用いられているが、部品点数が多くなるため、取り付け作業に手間が掛かる。
また、ボルトの脱落を防止する方法としては、例えば接続端子の湾曲した締結部をボルトにより平坦状に弾性変位させ、元の形状へ戻ろうとする締結部の復元力により、ボルトの緩みを防止する特許文献1の車両電装品用の接続端子がある。
しかし、特許文献1の車両電装品用の接続端子は、ボルトによる締結を緩めるか、解除すると、接続端子の締結部が元の湾曲状に戻ってしまうので、ボルトの脱落を防止するという課題を解決するには到っていない。
この発明は上記問題に鑑み、締結手段による接続端子の締結後、締結を緩めるか解除した際に、接続端子から締結手段が脱落するのを防止することができる車両電装品用の接続端子の提供を目的とする。
請求項1に記載した発明の車両電装品用の接続端子は、締結手段の挿通部を挿通可能な挿通孔が設けられた締結部と、電線を接続可能な接続部を備えた車両電装品用の接続端子において、前記締結部は、前記挿通孔に挿通した締結手段の締結力により略平坦な状態に塑性変形可能な材料で形成され、該締結手段による締結前において厚さ方向に対して略平坦以外の状態に予め変形され、前記挿通孔は、前記塑性変形前の状態で前記締結手段の挿通部の挿通を許容し、且つ、塑性変形後に少なくとも一部が前記挿通部に当接する程度の大きさに形成されていることを特徴とする。
この発明によると、締結手段の挿通部を接続端子の締結部に設けた挿通孔に挿通して、締結手段の締結力を締結部に対して厚さ方向に加えて、締結部を締結前の変形した状態から略平坦な状態に塑性変形させる。その塑性変形により、締結部の挿通孔側面を中心部に向けて変形させ、挿通孔側面が締結手段の挿通部に当接して抜止めする。
前記締結手段は、例えばボルト、ネジ等で構成することができる。また、接続端子は、例えばLA端子、BA端子、LE端子等で構成することができる。また、締結部は、締結手段の締結力が厚さ方向に加えられた際に、略平坦となる状態に押し潰し可能に形成され、その略平坦な状態に塑性変形したままとなるような金属で構成することができる。或いは、接続端子の全体を、締結部と同じ金属で構成してもよい。また、締結前における締結部の変形した状態は、例えば弧状、半球形状等の湾曲形状、或いは、V字状、W字状、上下逆台形状等の斜面形状で構成することができる。
請求項2に記載した発明の車両電装品用の接続端子は、上記請求項1に記載の構成と併せて、前記挿通孔の側面が、前記塑性変形前の締結部において前記締結手段の挿通方向に対して平行であることを特徴とする。
この発明によると、締結手段を接続端子の締結部に設けた挿通孔に挿通する際に、塑性変形前の締結部の挿通孔側面は締結手段の挿通方向と略平行であるため、挿通孔に締結手段が引っ掛かることなく、スムースに挿通することができる。
請求項3に記載した発明の車両電装品用の接続端子は、上記請求項1又は2に記載の構成と併せて、前記締結部が締結前の変形した状態から締結後の略平坦な状態に塑性変形することにより、前記挿通孔の側面が前記締結手段の挿通部に当接して抜止めすることを特徴とする。
この発明によると、締結手段の締結力により締結部を締結前の予め変形した状態から締結後の略平坦な状態に塑性変形させて、挿通孔の直径を、締結前の直径よりも小さくするので、例えば締結手段の一例であるボルトの直径よりも挿通孔の直径を僅かに大きくしておけば、締結部の挿通孔側面が締結手段の挿通部に当接して抜止めすることができる。
この発明によれば、接続端子自体に、締結部の挿通孔から締結手段が脱落するのを防止する抜止め機能を持たせているので、締結手段として汎用のボルト、ネジ等を使用することができる。また、締結手段による接続端子の締結後、締結を緩めたり、締結を解除する等しても、締結部が締結前の状態に戻ったりせず、塑性変形した状態が保たれるため、締結部の挿通孔から締結手段が脱落するのを防止することができる。また、接続端子と締結手段の固定と、締結手段の抜け落ち防止とが同時に行えるので、締結手段の取付け作業が容易となり、作業性の向上を図ることができる。
また、ボルト等の締結手段を、接続端子の締結部に設けた挿通孔に挿通する際に、締結部の挿通孔側面は挿通方向と略平行であり、挿通孔の孔径もボルトの直径よりも大きいため、締結手段に引っ掛かることなく、スムースに挿通することができる。
この発明は、締結手段による接続端子の締結後、締結を緩めるか解除した際に、接続端子から締結手段が脱落するのを防止することができるという目的を、接続端子自体に、締結部の挿通孔から締結手段が脱落するのを防止する抜止め機能を持たせることで達成した。
この発明の一実施例を以下図面に基づいて詳述する。
図面は、車両内に搭載される各種電装品の配線に用いられる車両電装品用の接続端子を示し、図1〜図3において、この車両電装品用の接続端子1は、1枚の導電性を有する金属板からなる端子本体2の先端に、ボルトAのネジ軸Aaを挿通可能な挿通孔3aが設けられた締結部3を形成し、端子本体2の基端に、電線接続部として電線Cを接続可能な圧着部4を形成している。
図面は、車両内に搭載される各種電装品の配線に用いられる車両電装品用の接続端子を示し、図1〜図3において、この車両電装品用の接続端子1は、1枚の導電性を有する金属板からなる端子本体2の先端に、ボルトAのネジ軸Aaを挿通可能な挿通孔3aが設けられた締結部3を形成し、端子本体2の基端に、電線接続部として電線Cを接続可能な圧着部4を形成している。
端子本体2及び締結部3は、ボルトA及びナットBによる締結前において、先端から見て滑らかな略弧状となるように、幅方向に対して中央部から両側部に向けて徐々に高くなるように上向きに反り返らせて厚さ方向に湾曲した状態に形成している。
締結部3は、図4、図5に示すように、ボルトA及びナットBによる締結力が厚さ方向に加えられた際に、略平坦となる状態に押し潰し可能な厚さに、塑性変形可能な金属部材により形成している。
また、締結部3の中央部には、ボルトAのネジ軸Aaが挿通可能な挿通孔3aを設けている。その挿通孔3aの側面全周は、締結部3を略弧状に湾曲させた塑性変形前の状態において、締結手段であるボルトAのネジ軸Aaが挿通される挿通方向と略平行となるように形成(図4参照)されている。
また、挿通孔3aは、塑性変形前の状態でボルトAのネジ軸Aaの挿通を許容し、且つ、塑性変形後の状態で挿通孔3aの少なくとも一部側面がネジ軸Aaに当接する程度の大きさに形成されている。
すなわち、締結部3に挿通孔3aを形成する場合、締結部3を先端から見て滑らかな略弧状に湾曲させた後、ボルトAのネジ軸Aaが挿通可能な円形の挿通孔3aを厚み方向に対して穴あけ加工する。
また、締結部3を略弧状に湾曲した状態における挿通孔3aの孔径は、ネジ軸Aaの直径よりも僅かに大径で、ネジ頭Abよりも小径となる大きさに形成(図5参照)され、挿通孔3aとネジ軸Aaの間には、締結部3が略弧状に湾曲した塑性変形前の状態において、ボルトAのネジ軸Aaが挿通可能なクリアランスkを設けている。なお、ボルトAの挿通が可能であれば、挿通孔3aの孔径をネジ軸Aaの直径と略同径に形成してもよい。
圧着部4は、図2にも示すように、先端から見て略U字状に形成され、端子本体2の基端に基部4aを連設し、基部4aの両側部に一対の圧着片4b,4bを連設している。つまり、圧着部4に電線Cを接続する際には、圧着片4b,4b間に電線Cの端部を配置した後、端子圧着機、端子圧着工具等により圧着片4b,4bを加締めて電線Cの芯線に圧着させ、接続端子1と電線Cを分離不可に接続する。また、圧着接続に代えて、例えば電線Cの芯線を端子本体2の基端に半田付け接続してもよい。
上記接続端子1を、例えばボックス本体等の図示しない被取付け部に対してボルトAにより固定する場合、図4、図5に示すように、塑性変形前の締結部3の挿通孔3aはボルトAの挿通方向と略平行であり、挿通孔3aの孔径もネジ軸Aaの直径よりも大きいため、挿通孔3aにネジ軸Aaのネジ山が引っ掛かることなく、ボルトAのネジ軸Aaを締結部3の挿通孔3aに対してスムースに挿通することができる。
次に、ナットBのネジ孔Baを、挿通孔3a上方に突出するネジ軸Aaに螺着して、ボルトA及びナットBにより接続端子1の締結部3を厚み方向に締結する。
締結部3は、ボルトA及びナットBによる締結力が厚さ方向に加えられることにより、図6に示すように、締結前の湾曲した状態から締結後の略平坦となる状態に、ネジ頭Abのネジ軸Aa側の平面と、ナットBのネジ頭Ab側と対向する平面によって押し潰され、その略平坦な状態に塑性変形する。
ここで、締結前及び締結後の挿通孔3aの形状を比較すると、締結前は、図5に示すように上方から見て略円形であり、挿通孔3aの孔径はボルトAの直径よりも僅かに大きい。
しかし、締結後は、図7に示すように、挿通孔3aが上方から見て略楕円形に塑性変形する。つまり、締結部3の幅方向と対応する挿通孔3aの直径は、締結前の直径に比べて大きくなり、締結部3の長さ方向と対応する挿通孔3aの直径は、締結前の直径に比べて小さくなる。
締結部3と対応する大きさに形成したボルトAのネジ頭Ab及びナットBの締結力により、締結部3の挿通孔3aは幅方向へ拡張変形(図5に示す円形から図7に示す楕円形)するため、締結部3の長さ方向と対応する挿通孔3aの前後対向周面3b,3cは、挿通孔3aの中心部に向けて内側へ変形する。
その結果、締結前は、ボルトAの直径よりも挿通孔3aの直径が僅かに大きいだけであるため、締結後は、図6、図8に示すように、締結部3の長さ方向と対応する挿通孔3aの前後対向周面3b,3cがボルトAのネジ軸Aaに噛み込むことになるため、ボルトAは抜止め固定される。
ボルトA及びナットBによる接続端子1の締結後、締結を緩めたり、締結を解除する等しても、締結部3が締結前の状態に戻ったりせず、塑性変形した状態が保たれるため、ボルトAと接続端子1が一体化され、ナットBを取り外しても、締結部3の挿通孔3aからボルトAが脱落するのを防止することができる。
しかしながら、従来技術のようにボルトAをボルト圧入部に圧入し、さらにボルト圧入部を押圧してボルトAを固定するという構造ではなく、挿通孔3aの前後対向周面3b,3cをネジ軸Aaのネジ山間に噛み込ませて、ボルトAのネジ軸Aa円周の2点を若干の力で支持しているだけであるため、ボルトAを接続端子1から抜き取ることも容易である。
また、締結前は、締結部3の挿通孔3a側面は、ボルトAの挿通方向に対して略平行であったが、締結後は、挿通方向に対して鋭角をなす状態に変形(図6、図8参照)するため、挿通孔3aの一側周面3bがネジ軸Aaのネジ山頂部に当接する等して、ボルトAの挿通位置が左右のいずれか一方へ変位することがあっても、鋭角をなす挿通孔3aの他側周面3cがネジ軸Aaのネジ山間に噛み込むため、ボルトAが脱落するのを防止することができる。
つまり、接続端子1自体に、締結部3の挿通孔3aからボルトAが脱落するのを防止する抜止め機能を持たせているので、締結手段として汎用のボルト、ネジ等を使用することができる。また、ボルトAと接続端子1の固定と、ボルトAの抜け落ち防止とが同時に行えるので、ボルトAの取付け作業が容易となり、作業性の向上を図ることができる。
この発明の構成と、上述の実施例との対応において、
この発明の締結手段は、実施例のボルトAと、ナットBに対応し、
以下同様に、
挿通部は、ネジ軸Aaに対応し、
接続部は、圧着部4に対応するも、
この発明は、上述の実施例の構成のみに限定されるものではなく、請求項に示される技術思想に基づいて応用することができ、多くの実施の形態を得ることができる。
この発明の締結手段は、実施例のボルトAと、ナットBに対応し、
以下同様に、
挿通部は、ネジ軸Aaに対応し、
接続部は、圧着部4に対応するも、
この発明は、上述の実施例の構成のみに限定されるものではなく、請求項に示される技術思想に基づいて応用することができ、多くの実施の形態を得ることができる。
前記端子本体2と締結部3を、例えば上下逆向きに反り返らせた状態に湾曲するか、先端から見てV字状、W字状、上下逆台形状に形成するか、弧状よりも曲率半径の大きい半球形状等に形成してもよい。或いは、締結部3を、側部から見て滑らかな略弧状に湾曲するとともに、長さ方向に対して上向き又は下向きに反り返らせた状態に湾曲してもよい。
A…ボルト
Aa…ネジ軸
B…ナット
Ba…ネジ孔
1…接続端子
2…端子本体
3…締結部
3a…挿通孔
4…圧着部
Aa…ネジ軸
B…ナット
Ba…ネジ孔
1…接続端子
2…端子本体
3…締結部
3a…挿通孔
4…圧着部
Claims (3)
- 締結手段の挿通部を挿通可能な挿通孔が設けられた締結部と、電線を接続可能な接続部を備えた車両電装品用の接続端子において、
前記締結部は、前記挿通孔に挿通した締結手段の締結力により略平坦な状態に塑性変形可能な材料で形成され、該締結手段による締結前において厚さ方向に対して略平坦以外の状態に予め変形され、
前記挿通孔は、前記塑性変形前の状態で前記締結手段の挿通部の挿通を許容し、且つ、塑性変形後に少なくとも一部が前記挿通部に当接する程度の大きさに形成されていることを特徴とする
車両電装品用の接続端子。 - 前記挿通孔の側面が、前記塑性変形前の締結部において前記締結手段の挿通方向に対して平行であることを特徴とする
請求項1に記載の車両電装品用の接続端子。 - 前記締結部が締結前の変形した状態から締結後の略平坦な状態に塑性変形することにより、前記挿通孔の側面が前記締結手段の挿通部に当接して抜止めすることを特徴とする
請求項1又は2に記載の車両電装品用の接続端子。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006225387A JP2008052929A (ja) | 2006-08-22 | 2006-08-22 | 車両電装品用の接続端子 |
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JP2006225387A Pending JP2008052929A (ja) | 2006-08-22 | 2006-08-22 | 車両電装品用の接続端子 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2014109404A1 (ja) * | 2013-01-11 | 2014-07-17 | 矢崎総業株式会社 | 端子接続構造 |
CN109768398A (zh) * | 2019-01-14 | 2019-05-17 | 广东日昭电工有限公司 | 瓦状压板及其制作方法 |
-
2006
- 2006-08-22 JP JP2006225387A patent/JP2008052929A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2014109404A1 (ja) * | 2013-01-11 | 2014-07-17 | 矢崎総業株式会社 | 端子接続構造 |
CN104919656A (zh) * | 2013-01-11 | 2015-09-16 | 矢崎总业株式会社 | 端子连接结构 |
US9490598B2 (en) | 2013-01-11 | 2016-11-08 | Yazaki Corporation | Terminal connecting structure |
CN109768398A (zh) * | 2019-01-14 | 2019-05-17 | 广东日昭电工有限公司 | 瓦状压板及其制作方法 |
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