JP2008051628A - 多軸ジャイロセンサ - Google Patents

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Abstract

【課題】容易に製造できるとともに、信頼性の高い多軸ジャイロセンサを提供する。
【解決手段】多軸ジャイロセンサ10は、複数のジャイロセンサ素子20を備えている。各ジャイロセンサ素子20はアイランド部40に固着してあり、各アイランド部40が曲がった連結リード44で接続してある。これによりジャイロセンサ素子20の検出軸は互いに交差する。また多軸ジャイロセンサ10は、各ジャイロセンサ素子20に固着した実装端子用リードを備えており、ジャイロセンサ素子20と実装端子用リードが導通している。そして多軸ジャイロセンサ10は、ジャイロセンサ素子20と実装端子用リードの基端部を覆う樹脂モールド14を備え、この樹脂モールド14から出ている実装端子用リードの先端部が実装端子42cになっている。
【選択図】図1

Description

本発明は、多軸ジャイロセンサに関するものである。
ジャイロセンサ素子は1つの検出軸を有しており、この検出軸に対して回転する方向の角速度を検出している。このため2方向や3方向等の多軸検出をするには、ジャイロセンサ素子が複数必要になる。そして多軸ジャイロセンサについて開示したものには特許文献1がある。この特許文献1に開示された多軸検出型ジャイロセンサは、振動体や信号処理回路を支持基板に配設したものを複数有し、1つの支持基板に対して他の2つの支持基板を垂直に起立したものをケースに収納して、全体として角柱状の構成としている。また特許文献1に開示された多軸検出型ジャイロセンサは、前述したケースに収納する形態の他に、支持基板と同じ形状、大きさの補助基板を設けて互いに連結することにより、全体として角柱状の構成としている。
特開平7−306047号公報
特許文献1に開示された多軸検出型ジャイロセンサのように、1つの支持基板を他の支持基板に対して垂直に起立させたものをケースに収容するものでは、支持基板を起立させたりケースへ収容させたりする工程が必要になるので、既存の生産ラインで対応することができず、生産ラインの新設により製造コストが高くなってしまう。また支持基板を起立させる工程やケースへ収容する工程の新設により、多軸検出ジャイロセンサの製造工程が多くなり、量産に不向きである。そして、これと同様の理由により、補助基板を用いて支持基板と互いに連結する形態であっても製造コストが高くなり、量産に不向きとなる。
また特許文献1に開示された多軸検出型ジャイロセンサでは、振動ジャイロが支持基板に配設されているだけなので、外部からの熱や衝撃に対して振動ジャイロが弱くなっている。すなわち多軸検出型ジャイロセンサの信頼性が低くなっている。
本発明は、製造を容易にでき、また信頼性の高い多軸ジャイロセンサを提供することを目的とする。
本発明に係る多軸ジャイロセンサは、ジャイロセンサ振動片をパッケージに搭載したジャイロセンサ素子を複数有し、互いの検出軸を交差させてジャイロセンサ素子を配設し、ジャイロセンサ素子を覆う樹脂モールドを設け、ジャイロセンサ振動片と導通した実装端子を樹脂モールドの外部に設けたことを特徴としている。多軸ジャイロセンサは、ジャイロセンサ素子を樹脂モールドしてあるので、外部の熱や衝撃からジャイロセンサ素子を保護できる。このため多軸ジャイロセンサは、動作温度範囲を広くできるとともに、耐衝撃性を向上できる。すなわち多軸ジャイロセンサの信頼性を向上できる。また多軸ジャイロセンサは、ジャイロセンサ素子を樹脂モールドして得られるので、既存の製造設備を用いて容易に製造できる。
また本発明に係る多軸ジャイロセンサは、ジャイロセンサ素子を曲がった連結リードで接続したことを特徴としている。これにより各ジャイロセンサ素子の検出軸を互いに交差できる。またリードフレームで形成した連結リードは、既存の製造設備を利用して容易に曲げることができる。このため多軸ジャイロセンサは、互いの検出軸が交差する角度を適宜設定できる。
また本発明に係る多軸ジャイロセンサは、リードで形成したアイランド部を有し、ジャイロセンサ素子をアイランド部にそれぞれ固着し、アイランド部に連結リードが接続したことを特徴としている。多軸ジャイロセンサはリードフレームにジャイロセンサ素子を搭載することにより製造できるので、既存の製造設備を利用できる。このため多軸ジャイロセンサの製造コストを低く抑えることができ、また多軸ジャイロセンサの生産を容易にできる。
また本発明に係る多軸ジャイロセンサは、実装端子用リードの基端部を樹脂モールド内に設けるとともに、実装端子用リードの先端部を樹脂モールドの外部に出して実装端子とし、基端部とジャイロセンサ素子とを導通したことを特徴としている。多軸ジャイロセンサは、リードフレームで実装端子を形成し、基端部とジャイロセンサ素子とを導通手段で接続することにより製造できるので、既存の製造設備を利用できる。また実装端子用リードの加工が容易なので、任意の形状の実装端子が得られる。さらに実装端子用リードの基端部が樹脂モールド内にあるので、実装端子が取れ難くなる。このため多軸ジャイロセンサの製造コストを低く抑えることができる。また多軸ジャイロセンサの生産が容易になり、信頼性が向上する。
また本発明に係る多軸ジャイロセンサは、実装端子用リードの先端部をJリード型にしたことを特徴としている。多軸ジャイロセンサと実装基板とは導電性接着剤を用いて固着するが、実装端子をJリード型にしていると、実装端子の接合面からはみ出した導電性接着剤が実装端子の側面に沿ってせり上がり、フィレットを形成する。これにより実装電極と実装端子の接合の良否を外観から簡単に確認できるとともに、固着強度を向上できる。
また本発明に係る多軸ジャイロセンサは、実装端子用リードの基端部をジャイロセンサ素子に固着したことを特徴としている。これにより実装端子用リードの基端部が樹脂モールドから抜け難くなり、多軸ジャイロセンサの信頼性を向上できる。
また本発明に係る多軸ジャイロセンサは、各ジャイロセンサ素子を覆う樹脂モールドにおける、複数のジャイロセンサ素子で形成される形状の内部に向いた部分をこの内部に向けて大きくしたことを特徴としている。このように多軸ジャイロセンサは、各ジャイロセンサ素子を覆う樹脂モールドの外形を、連結リードを曲げた方向に大きくすることにより、その内部も樹脂モールドすることができる。よって多軸ジャイロセンサは、これを実装基板に実装するときに用いるマウント装置の把持部で持ち易くできる。
また本発明に係る多軸ジャイロセンサは、複数のジャイロセンサ素子のうちいずれか1つを覆う樹脂モールドにおける、複数のジャイロセンサで形成される形状の内部に向いた部分をこの内部に向けて大きくしたことを特徴としている。このように多軸ジャイロセンサは、ある1つのジャイロセンサ素子を覆う樹脂モールドの外形を、連結リードを曲げた方向に大きくすることにより、その内部も樹脂モールドすることができる。よって多軸ジャイロセンサは、これを実装基板に実装するときに用いるマウント装置の把持部で持ち易くできる。
また本発明に係る多軸ジャイロセンサは、一のジャイロセンサ素子を覆う樹脂モールドの外部に、他の樹脂モールドの外形に倣う凹部を設けたことを特徴としている。これにより多軸ジャイロセンサは、一方のジャイロセンサに設けた凹部に他方のジャイロセンサを嵌め合わせれば、予め設定した各検出軸の交差する角度が得られる。
また本発明に係る多軸ジャイロセンサは、ジャイロセンサ素子の検出軸を互いに90°に交差したことを特徴としている。これにより一の検出軸が、他の検出軸の回転や角速度等の物理量を検出するのを防止できる。
また本発明に係る多軸ジャイロセンサは、ジャイロセンサ素子のパッケージ内にICチップを搭載し、ジャイロセンサ振動片と実装端子とを、ICチップを介して導通したことを特徴としている。多軸ジャイロセンサは、ジャイロセンサ振動片の出力信号を処理するICチップを内部に有しているので、大型になることなく高機能にできる。
また本発明に係る多軸ジャイロセンサは、ジャイロセンサ素子を覆う樹脂モールド内にICチップを設け、ジャイロセンサ振動片と実装端子とを、ICチップを介して導通したことを特徴としている。多軸ジャイロセンサは、ジャイロセンサ振動片の出力信号を処理するICチップを内部に有しているので、大型になることなく高機能にできる。
以下に、本発明に係る多軸ジャイロセンサの最良の実施形態について説明する。図1は多軸ジャイロセンサの平面断面図である。図2はジャイロセンサ素子の概略平面図である。図3はジャイロセンサの側面断面図である。なお本実施形態に係る多軸ジャイロセンサは複数のジャイロセンサを備えているが、図3では1つのジャイロセンサのみを示している。図4は多軸ジャイロセンサを実装基板に配設したときの正面図である。
多軸ジャイロセンサ10は、図1に示すように複数のジャイロセンサ12を有している。このジャイロセンサ12は、ジャイロセンサ素子(以下「センサ素子」という。)20を樹脂モールド14で覆った構成である。この樹脂モールド14の外部に実装端子42cが設けてあり、実装端子42cとセンサ素子20が導通している。そして各ジャイロセンサ12素子は、曲がった連結リード44で接続してあるので、互いの検出軸が交差している。
以下に、多軸ジャイロセンサ10について詳しく説明する。まずセンサ素子20は、図2に示すように、ジャイロセンサ振動片(以下「振動片」という。)30をパッケージ22に収容したものである。パッケージ22は、パッケージベース24と、このパッケージベース24上に接合する蓋体(図示せず)とで構成してある。パッケージベース24は、上方へ向けて開口した凹陥部26を備えるとともに、図3に示す外部端子28を裏面に備えている。センサ素子20は、パッケージベース24の凹陥部26内に振動片30を搭載しており、この凹陥部26の開口を前記蓋体で塞ぐことにより、振動片30を気密封止している。
そして振動片30は圧電体で形成してある。振動片30は矩形の基部32を有しており、この基部32の対向する2つの側面に平面視して略T字型の駆動腕34が設けてある。この駆動腕34に駆動電極(図示せず)が設けてあり、基部32やパッケージベース24に設けた電極パターン(図示せず)を介して外部端子28と導通している。また基部32において、駆動腕34を設けていない各側面に検出腕36が設けてある。この検出腕36は、駆動腕34に対して平行に配置されており、図2に示す場合では図面の上下方向に延びている。この検出腕36に検出電極(図示せず)が設けてあり、基部32やパッケージベース24に設けた電極パターン(図示せず)を介して、前記駆動電極に接続していない外部端子28と導通している。このようなセンサ素子20の検出軸は、振動片30に対して垂直な方向である。すなわち図2に示す場合では、図面に対して垂直な方向が検出軸になっている。
そしてセンサ素子20は、外部端子28を介して前記駆動電極に電気信号を供給すると駆動腕34が屈曲振動するが、検出軸を中心とする角速度ωが加わると検出腕36にコリオリ力が発生し、検出腕36が振動する。センサ素子20は、この振動(圧電体の歪み)を前記検出電極で検出して電気信号に変換し、外部端子28を介して出力する。
そして多軸ジャイロセンサ10は、リードで形成されたアイランド部40を複数有するとともに、各アイランド部40の近傍に配置した実装端子用リード42を複数有している。このアイランド部40同士は、曲がっている連結リード44によって接続している。このアイランド部40と実装端子用リード42の基端部42aとにセンサ素子20が配設してあり、また連結リード44が曲がっているので、センサ素子20の検出軸が互いに交差する。
なお図1では、多軸ジャイロセンサ10はアイランド部40を2つ有しており、90°に折り曲げられた連結リード44を介して各アイランド部40が接続している。またセンサ素子20は、その裏面(外部端子28が設けられている面)をアイランド部40に向けて、このアイランド部40に固着してある。これにより各センサ素子20の検出軸は、互いに直交することになる。また各センサ素子20の検出軸同士が交差する角度は、連結リード44を曲げる角度によって適宜設定することができるので、図1に示すように直交にすることができ、また略直交にしたり、他の角度に設定したりすることができる。
そして図3に示すように、実装端子用リード42の基端部42aとセンサ素子20の外部端子28にワイヤ16(導通手段)が接合しており、これらが導通している。これにより実装端子用リード42と振動片30が導通する。そしてセンサ素子20、アイランド部40、ワイヤ16および実装端子用リード42の基端部42a(インナーリード)が樹脂によってモールドしてある。
実装端子用リード42の先端部42b(アウターリード)は樹脂モールド14から突出している。この実装端子用リード42の先端部42bは実装端子42cになっている。実装端子42cは、図4に示すように、多軸ジャイロセンサ10を実装基板18に固着するときに用いられる。そして実装端子用リード42の先端部42bは、多軸ジャイロセンサ10を実装基板18に固着できればどのような形状であってもよく、棒状(ピン形状)にして実装基板18に設けた穴に差し込む形態でもよく、図3に示すように実装端子用リード42の先端部42bを折り曲げてJリード型の実装端子42cとした形態であってもよい。
そして図4に示すように、多軸ジャイロセンサ10を実装基板18に実装するときは、実装基板18の上に設けられた実装電極18aと多軸ジャイロセンサ10の実装端子42cとを、導電性接着剤19を用いて接合している。なお実装端子42cをJリード型にした場合は、実装端子42cの接合面からはみ出した導電性接着剤19が実装端子42cの側面に沿ってせり上がり、フィレット19aを形成する。これにより実装電極18aと実装端子42cの接合の良否を外観から簡単に確認できるとともに、接合の強度を向上できる。
次に、多軸ジャイロセンサ10の製造方法について説明する。まずリードフレームについて説明する。図5はリードフレームの平面図である。なお図5に示すリードフレームの右側部分は、製造方法を説明するために、アイランド部40等にセンサ素子20を固着し、実装端子用リード42の基端部42aとセンサ素子20の外部端子28とにワイヤ16を接合した形態を示している。
リードフレーム50は枠部52を備えており、その内部にアイランド部40を複数備えている。なお本実施形態に係る多軸ジャイロセンサ10は、2つのセンサ素子20を備えているので、アイランド部40が2つ設けてある。そしてアイランド部40同士は連結リード44で接続してあり、またアイランド部40と枠部52は吊りリード54で接続してある。
またリードフレーム50は、複数の実装端子用リード42を備えている。各実装端子用リード42は枠部52と接続しており、これの端部が各アイランド部40の近傍に位置している。この端部は前述した基端部42aであり、前記アウターリード等の実装端子用リード42の他部分に比べて幅が広くなっている。この端部の一方の面にワイヤ16が接合するとともに、他方の面にセンサ素子20が固着する。そして実装端子用リード42同士はダムバー56で連結してある。
なお図5では、アイランド部40同士を一本の連結リード44で接続するとともに、アイランド部40と枠部52を1本の吊りリード54で接続している。しかし実施形態によっては、2本以上の連結リード44でアイランド部40同士を接続してもよく、また2本以上の吊りリード54でアイランド部40と枠部52を接続してもよい。
そして多軸ジャイロセンサ10を製造するために、まずセンサ素子20の裏面をリードフレーム50に向けて、アイランド部40とセンサ素子20を固着するとともに、実装端子用リード42の前記端部(基端部42a)とセンサ素子20を固着する。この後、センサ素子20の外部端子28と実装端子用リード42の基端部42aにワイヤ16を接合して、これらを導通する。なおセンサ素子20をリードフレーム50に固着したときに、センサ素子20の外部端子28が実装端子用リード42の基端部42aと重なるように配設してあれば、導電性を有する接着剤を用いて外部端子28と基端部42aを接合してもよい。
そしてモールド用の金型(図示せず)にリードフレーム50を配置し、樹脂を注入して図5の破線で示すようにセンサ素子20毎にモールドする。これによりセンサ素子20やワイヤ16、実装端子用リード42の基端部42a等(内蔵部品)が樹脂モールド14によって覆われる。なおこのとき各ジャイロセンサ12の側面、すなわちリードフレーム50の平面方向に対して交差する方向の側面を斜めに形成しておくと、前記金型からジャイロセンサ12を取り出しやすくなる。
この後、不要なリードフレーム50や樹脂を切断する。すなわち外部端子28と導通していない実装端子用リード42および吊りリード54を樹脂モールド14の表面で切断し、実装端子用リード42を枠部52から切断し、およびダムバー56を切断して実装端子用リード42を個別にする。
この後、樹脂モールド14から突出している実装端子用リード42の先端部42bに実装端子42cを形成する。これは図3等に示すJリード型にする場合は、実装端子用リード42の先端部42bを曲げ加工して形成する。最後に、連結リード44を所定の角度に曲げると、多軸ジャイロセンサ10を得る。
このような多軸ジャイロセンサ10は、既存の製造設備を使用して製造できる。すなわち多軸ジャイロセンサ10は、既存の製造設備を使用してセンサ素子20をリードフレーム50に搭載、ワイヤボンディング、樹脂モールド、リードフレーム50の切断、実装端子42cの形成および連結リード44の曲げを行えるので、製造工程を新設する必要がなく、さらに各センサ素子20の検出軸が交差する角度を連結リード44の曲げ角度によって設定できるので、容易に製造できる。よって多軸ジャイロセンサ10の製造コストを低く抑えることができ、また多軸ジャイロセンサ10を量産するのに好適な構成になっている。
また多軸ジャイロセンサ10は、センサ素子20を樹脂モールド14してあるので、外部の熱や衝撃からセンサ素子20を保護できる。このため多軸ジャイロセンサ10は、動作温度範囲を広くできるとともに、耐衝撃性を向上できる。すなわち多軸ジャイロセンサ10は、信頼性を向上できる。
なお従来技術の多軸のジャイロセンサは角柱状であるが、この角柱状を構成している支持基板に振動体や処理回路が配設してあるので、内部に空間が形成されてしまう。すなわち角柱状に振動ジャイロを配設した形態では、振動体等を高密度に搭載することができないので、多軸検出型ジャイロセンサを小型化できない。これに対し、本実施形態に係る多軸ジャイロセンサ10は、センサ素子20等を樹脂モールド14したものを曲がった連結リード44で接続した構成なので、センサ素子20等を高密度に配設でき、平面方向や垂直方向の寸法を小さくできる。
また多軸ジャイロセンサ10は、センサ素子20の検査をリードフレーム50に固着する前に行えば、良品のみを搭載できる。このため多軸ジャイロセンサ10は、センサ素子20の不具合による不良の発生を無くすことができるので、製造コストを低くできる。
またアイランド部40等に固着するセンサ素子20の仕様を変えることにより、多軸ジャイロセンサ10の仕様も変えることができる。すなわち多軸ジャイロセンサ10の仕様の変更を容易に行える。
次に、多軸ジャイロセンサ10の変形例について説明する。図6は各センサ素子を覆う樹脂モールドの形状を変形した多軸ジャイロセンサの平面図である。図6の各図に示す多軸ジャイロセンサ60は、各センサ素子20を覆う樹脂モールド62の形状、すなわち各ジャイロセンサ12の外形を変形したものである。この変形は、複数のセンサ素子20(ジャイロセンサ12)で形成される形状の内部に向いた部分を、その内部に向けて大きくしている。例えば、複数のジャイロセンサ12よって図1に示すような平面視してL字型の形状が形成されているときは、そのL字型の内側の部分をそれぞれ内側に向けて大きくしている。
このとき一のジャイロセンサ12を構成する樹脂モールド62の側面と、他のジャイロセンサ12を構成する樹脂モールド62の側面とを接触させれば、各センサ素子20の検出軸が交差する角度を正確に得ることができる。具体的には、各検出軸が交差する角度を所望なものにするために、この交差する角度にあわせて前記金型の形状を設定しておき、この金型を用いてセンサ素子20を樹脂でモールドする。すると樹脂モールド62(ジャイロセンサ12の外形)は前記金型の形状に倣ったものとなり、連結リード44を曲げてジャイロセンサ12の側面同士を接触させると、各検出軸が交差する角度が所望なものになる。これにより互いの検出軸が交差する角度を正確に90°にすることもできる。そして前記金型の形状を適宜設定することにより、多軸ジャイロセンサ60の外形を、図6(A)に示すように平面視して三角形の頂点部分が凹んだ略三角形にすることができ、また図6(B)に示すように平面視して略四角形にすることもできる。
このように多軸ジャイロセンサ60は、各センサ素子20を覆う樹脂モールド62の外形を、連結リード44を曲げた方向に大きくすることにより、前記実装基板18に実装するときに用いるマウント装置の把持部で持ち易くなる。
またジャイロセンサ12の外形は、複数のセンサ素子20(ジャイロセンサ12)のうちいずれか1つを覆う樹脂モールドにおける、複数のセンサ素子20で形成される形状の内部に向いた部分を、その内部に向けて大きくすることもできる。図7は複数のセンサ素子のうちいずれか1つを覆う樹脂モールドの形状を変形した多軸ジャイロセンサの平面図である。これは例えば、複数のジャイロセンサ12よって図1に示すような平面視してL字型の形状が形成されているときは、いずれか1つのジャイロセンサ12におけるL字型の内側の部分を、その内側に向けて大きくしている。これにより多軸ジャイロセンサ66の外形を、平面視して略四角形にすることができる。そして図6を用いて説明した形態と同様に、一のジャイロセンサ12を構成する樹脂モールド68の側面と、他のジャイロセンサ12を構成する樹脂モールド68の側面とを接触させれば、各センサ素子20の検出軸が交差する角度を正確に得ることができる。これにより互いの検出軸間の角度を正確に90°とすることもできる。
このように多軸ジャイロセンサ66は、複数のセンサ素子20のうちいずれか1つを覆う樹脂モールド68の外形を、連結リード44を曲げた方向に大きくすることにより、前記実装基板18に実装するときに用いるマウント装置の把持部で持ち易くなる。なおセンサ素子20が3つある場合は、いずれか2つのセンサ素子20を覆う樹脂モールド68の形状を変形し、他のセンサ素子20を覆う樹脂モールド68の形状を変形しなくともよい。
さらにジャイロセンサ12の外形は、一方のセンサ素子20を覆うモールドの外部に、他方のセンサ素子20を覆う樹脂モールドの外形に倣う凹部を設けることもできる。図8は樹脂モールドに凹部を設けた多軸ジャイロセンサの平面図である。なお図8において、実線の円内は、一点鎖線の円で示す部分を拡大したものである。多軸ジャイロセンサ70は、連結リード44を曲げて各センサ素子20の検出軸を互いに交差させているので、連結リード44を正確に曲げる必要がある。また多軸ジャイロセンサ70は、連結リード44を曲げて形成してあるので、一方のジャイロセンサ12が他方のジャイロセンサ12に干渉してしまい、所定の角度に連結リード44を曲げることができないおそれがある。
これらの解決方法の1つには、図8に示すように、一方のジャイロセンサ12aの外面に、他方のジャイロセンサ12bの形状に倣う凹部72を設ければよい。この凹部72は、他方のジャイロセンサ12bが接触するまで連結リード44を曲げれば、所望の連結リード44の曲げ角度になるように形状を設定してある。これにより多軸ジャイロセンサ70は、連結リード44を曲げて他方のジャイロセンサ12bを一方のジャイロセンサ12aの凹部72に嵌め合わせれば、予め設定した各検出軸が交差する角度が得られる。
また前述した実施形態や変形例で説明した多軸ジャイロセンサ10は、センサ素子20(振動片30)のみを備えた構成であるが、集積回路(IC)チップを備えることもできる。このICチップは、振動片30の前記駆動電極に対して電気信号を出力するとともに、前記検出電極から電気信号を入力して処理することにより、検出軸周りの回転や角速度等を求めるものである。図9はICチップを搭載したジャイロセンサの説明図である。ここで図9(A)はジャイロセンサの側面断面図であり、図9(B)はジャイロセンサの概略正面断面図である。なお図9(B)では、ワイヤの記載を省略している。
そしてICチップ82を備えた多軸ジャイロセンサは、図9(A)に示すように、各ジャイロセンサ12のアイランド部40にICチップ82を固着している。具体的には、多軸ジャイロセンサは、各ジャイロセンサ12において、アイランド部40の一方の面にセンサ素子20を固着するとともに、他方の面にICチップ82を固着している。ここでセンサ素子20をアイランド部40等に固着する方法は、図3に示す形態と同じになっている。そしてセンサ素子20の外部端子28とICチップ82のパッド電極84にワイヤ16が接合してあり、またICチップ82のパッド電極84と実装端子用リード42の基端部42aにワイヤ16が接合してあるので、ICチップ82を介してセンサ素子20と実装端子用リード42が導通している。そして多軸ジャイロセンサは、センサ素子20、ICチップ82、ワイヤ16および基端部42a等を樹脂モールド14で覆っている。
またICチップ82を備えた多軸ジャイロセンサは、図9(B)に示すように、各センサ素子20(パッケージベース24)の裏面にICチップ82を固着している。このときICチップ82は、各センサ素子20(パッケージベース24)の裏面に設けた外部端子28と干渉していない。具体的には、多軸ジャイロセンサは、各センサ素子20の裏面にICチップ82を固着し、このセンサ素子20の表面、すなわち前記蓋体をアイランド部40に固着している。そして外部端子28とパッド電極84にワイヤが接合してあり、またパッド電極84と実装端子用リード42の基端部42aにワイヤが接合してあるので、ICチップ82を介してセンサ素子20と実装端子用リード42が導通している。そして多軸ジャイロセンサは、センサ素子20、ICチップ82、ワイヤおよび基端部42a等を樹脂モールド14で覆っている。
さらにICチップを備えた多軸ジャイロセンサは、ICチップを各センサ素子20に収容してあってもよい。具体的には、この形態のセンサ素子20は、振動片30とICチップ82をパッケージ22内に搭載し、ICチップを介して振動片30と外部端子28が導通している。そして多軸ジャイロセンサは、図1等を用いて説明した実施形態と同じ形態でセンサ素子20を収容していればよい。
また前述した実施形態で説明した多軸ジャイロセンサ10は、2つの検出軸を備える形態であるが、本発明はこの形態に限定されることはなく、3つ以上の検出軸を備えていても良い。すなわち、例えば多軸ジャイロセンサは3つのジャイロセンサ12を備え、一のジャイロセンサ12と他のジャイロセンサ12とを曲がった連結リード44で接続することにより、3つの検出軸を備えることができる。
多軸ジャイロセンサの平面断面図である。 ジャイロセンサ素子の概略平面図である。 ジャイロセンサの側面断面図である。 多軸ジャイロセンサを実装基板に配設したときの正面図である。 リードフレームの平面図である。 各センサ素子を覆う樹脂モールドの形状を変形した多軸ジャイロセンサの平面図である。 は複数のセンサ素子のうちいずれか1つを覆うモールドの形状を変形した多軸ジャイロセンサの平面図である。 樹脂モールドに凹部を設けた多軸ジャイロセンサの平面図である。 ICチップを搭載したジャイロセンサの説明図である。
符号の説明
10,60,66,70………多軸ジャイロセンサ、12………ジャイロセンサ、14………樹脂モールド、20………ジャイロセンサ素子、22………パッケージ、28………外部端子、30………ジャイロセンサ振動片、40………アイランド部、42………実装端子用リード、42c………実装端子、44………連結リード、50………リードフレーム、82………ICチップ。

Claims (12)

  1. ジャイロセンサ振動片をパッケージに搭載したジャイロセンサ素子を複数有し、
    互いの検出軸を交差させて前記ジャイロセンサ素子を配設し、
    前記ジャイロセンサ素子を覆う樹脂モールドを設け、
    前記ジャイロセンサ振動片と導通した実装端子を前記樹脂モールドの外部に設けた、
    ことを特徴とする多軸ジャイロセンサ。
  2. 前記ジャイロセンサ素子を曲がった連結リードで接続したことを特徴とする請求項1に記載の多軸ジャイロセンサ。
  3. リードで形成したアイランド部を有し、前記ジャイロセンサ素子を前記アイランド部にそれぞれ固着し、前記アイランド部に連結リードが接続したことを特徴とする請求項1または2に記載の多軸ジャイロセンサ。
  4. 実装端子用リードの基端部を前記樹脂モールド内に設けるとともに、前記実装端子用リードの先端部を前記樹脂モールドの外部に出して前記実装端子とし、前記基端部と前記ジャイロセンサ素子とを導通したことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の多軸ジャイロセンサ。
  5. 前記実装端子用リードの先端部をJリード型にしたことを特徴とする請求項4に記載の多軸ジャイロセンサ。
  6. 前記実装端子用リードの基端部を前記ジャイロセンサ素子に固着したことを特徴とする請求項4または5に記載の多軸ジャイロセンサ。
  7. 前記各ジャイロセンサ素子を覆う前記樹脂モールドにおける、前記複数のジャイロセンサ素子で形成される形状の内部に向いた部分を前記内部に向けて大きくしたことを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の多軸ジャイロセンサ。
  8. 前記複数のジャイロセンサ素子のうちいずれか1つを覆う前記樹脂モールドにおける、前記複数のジャイロセンサで形成される形状の内部に向いた部分を前記内部に向けて大きくしたことを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の多軸ジャイロセンサ。
  9. 一の前記ジャイロセンサ素子を覆う前記樹脂モールドの外部に、他の前記樹脂モールドの外形に倣う凹部を設けたことを特徴とする請求項1ないし8のいずれかに記載の多軸ジャイロセンサ。
  10. 前記ジャイロセンサ素子の検出軸を互いに90°に交差したことを特徴とする請求項1ないし9のいずれかに記載の多軸ジャイロセンサ。
  11. 前記ジャイロセンサ素子の前記パッケージ内にICチップを搭載し、前記ジャイロセンサ振動片と前記実装端子とを、前記ICチップを介して導通したことを特徴とする請求項1ないし10のいずれかに記載の多軸ジャイロセンサ。
  12. 前記ジャイロセンサ素子を覆う前記樹脂モールド内にICチップを設け、前記ジャイロセンサ振動片と前記実装端子とを、前記ICチップを介して導通したことを特徴とする請求項1ないし10のいずれかに記載の多軸ジャイロセンサ。
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