JP2008050611A - バインダー樹脂 - Google Patents

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Abstract

【課題】 200℃以上の雰囲気下に置いてもその引張強度が大幅には低下せず、形態保持性の高い、耐熱性不織布に適用することができ、しかも耐熱性の繊維と混合する際に水溶液の状態で使用することができる新規なポリイミド樹脂バインダ−およびそれを用いた耐熱性不織布を提供すること。
【解決手段】 耐熱性不織布に使用できる、50%以上を2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸成分とするテトラカルボン酸成分と芳香族ジアミンとから得られたポリアミック酸に、そのカルボキシル基の0.9倍モル当量以上の1,2−ジメチルイミダゾ−ル及び/又は1−メチル−2−エチルイミダゾ−ルを含有する水溶性ポリイミド前駆体から得られたポリイミドからなるバインダー樹脂に関する。
【選択図】 なし

Description

この発明は、耐熱性不織布およびバインダ−樹脂に関し、特に加熱工程において有機溶媒を実質的に使用することなく製造することができ、成形体が耐熱性および強度を保持している耐熱性不織布およびそれに使用されるバインダ−樹脂に関するものである。
近年、電気・電子産業分野や自動車・航空宇宙分野における小型化、軽量化の技術開発が進むなかで、長期耐熱性に優れた不織布が求められている。また、自動車等の塗装ラインの乾燥炉等には断熱材やフィルタ−として長期耐熱性のある耐熱不織布が必要になってきている。
従来、耐熱性不織布としてはアラミド繊維をフェノ−ル樹脂、エポキシ樹脂あるいは熱可塑性ポリエステルから成るバインダ−で固定した不織布等が開発されているが、バインダ−の耐熱性が不十分なために高温雰囲気下では長期に使用することはできなかった。また、水溶性のポリイミドワニス等がバインダ−として用いられた耐熱性不織布も開発されているが、これでもまだ200℃以上の雰囲気下では強度が大幅に低下し実用的ではなかった。これらの耐熱性不織布は、不織布を構成する繊維の耐熱性は十分であるにもかかわらず、バインダ−の耐熱性が不十分であることが大きな問題であった。
このバインダ−の耐熱性を改良したものとして、不飽和結合を有するポリイミド系バインダ−が特許文献1に記載されている。しかし、前記公報に実施例として記載のバインダ−は、有機溶媒溶液として使用されており、作業環境の点において必ずしも有利とはいえず、用途が限定されている。
特開平6−184903号公報
そこで、この発明者らは、200℃以上の雰囲気下に置いてもその引張強度が大幅には低下せず、形態保持性の高い、耐熱性不織布に適用することができ、しかも耐熱性の繊維と混合する際に水溶液の状態で使用することができる新規なポリイミド樹脂バインダ−およびそれを用いた耐熱性不織布を提供することを目的に鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成した。
すなわち、この発明は、耐熱性不織布に使用できる、50%以上を2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸成分とするテトラカルボン酸成分と芳香族ジアミンとから得られたポリアミック酸に、そのカルボキシル基の0.9倍モル当量以上の1,2−ジメチルイミダゾ−ル及び/又は1−メチル−2−エチルイミダゾ−ルを含有する水溶性ポリイミド前駆体から得られたポリイミドからなるバインダー樹脂に関する。
また、この発明は、200℃における引張り強度高温保持率が70%以上の耐熱性不織布のバインダーとして使用できることを特徴とする前記のポリイミドからなるバインダー樹脂に関する。
また、この発明は、耐熱性不織布に使用できる、50%以上を2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸成分とするテトラカルボン酸成分と芳香族ジアミンとから得られたポリアミック酸に、そのカルボキシル基の0.9倍モル当量以上の1,2−ジメチルイミダゾ−ル及び/又は1−メチル−2−エチルイミダゾ−ルを含有する水溶性ポリイミド前駆体の水溶液に関する。
さらに、この発明は、耐熱性不織布に使用できる、50%以上を2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸成分とするテトラカルボン酸成分と芳香族ジアミンとから得られたポリアミック酸に、そのカルボキシル基の0.9倍モル当量以上の1,2−ジメチルイミダゾ−ル及び/又は1−メチル−2−エチルイミダゾ−ルを含有する水溶性ポリイミド前駆体の水溶液から得られたポリイミドに関する。
この発明によれば、加熱工程において有機溶媒を実質的に使用することなく耐熱性不織布を製造することができる。また、この発明によれば、耐熱性および強度を保持している耐熱性不織布を得ることができる。
この発明においては、1,2−ジメチルイミダゾ−ル及び/又は1−メチル−2−エチルイミダゾ−ルを、好適にはポリイミド前駆体のカルボキシル基の0.2倍モル当量以上の1,2−ジメチルイミダゾ−ル及び/又は1−メチル−2−エチルイミダゾ−ルを含有させることが適当である。前記の1,2−ジメチルイミダゾ−ル及び/又は1−メチル−2−エチルイミダゾ−ルをポリイミド前駆体とともに使用することによって、ポリイミド前駆体の水溶液が得られ、しかも得られるポリイミド成形体の熱的特性および機械的特性が良好である。
前記の1,2−ジメチルイミダゾ−ル及び/又は1−メチル−2−エチルイミダゾ−ルに代えて、他のジアミン化合物、例えばジエタノ−ルアミン、トリエタノ−ルアミン、N−メチルジエタノ−ルアミン、3−ジエチルアミノ−1−プロパノ−ルなどを使用すると、ポリイミド前駆体は水溶液となるが得られるポリイミド成形体の熱的特性および機械的特性が低下するので好ましくない。
前記の水溶性ポリイミド前駆体を与えるポリイミドは、テトラカルボン酸成分として、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2’−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパンの二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタンの二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エ−テルの二無水物やこれらのテトラカルボン酸やハ−フエステルなどを使用して得ることができる。前記芳香族テトラカルボン酸成分の一部あるいは全部を脂環式テトラカルボン酸成分で置き換えてもよい。特にテトラカルボン酸成分として、50%以上が2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸成分であるものが好ましい。
また、前記の水溶性ポリイミド前駆体を与えるポリイミドは、芳香族ジアミン成分として、任意の芳香族ジアミン、例えばパラフェニレンジアミン(p−フェニレンジアミン)、4,4’−ジアミノジフェニルエ−テル、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ジアミノジフェニルプロパン、4,4’−ジアミノジフェニルエタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、2,2’−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2’−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)フェニル〕エ−テル、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホンを使用して得ることができるが、好適には1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼンを使用して得ることができる。前記芳香族ジアミンの一部を脂環式ジアミン、ジアミノポリシロキサンで置き換えてもよい。
この発明において、ポリイミドは好適にはX線解析により非結晶性である。また、この発明におけるポリイミドは、好適には熱分解温度が500℃以上で好適にはガラス転移温度(Tg)が200より高く350℃以下、特に250〜350℃である。また、この発明において、耐熱性繊維よりなる不織布に熱圧着するバインダ−としては、前記のポリイミド前駆体をイミド化したポリイミド樹脂が主成分であることが必要であるが、樹脂あるいは樹脂前駆体が水溶性であれば他の耐熱性樹脂(あるいは樹脂前駆体)をブレンドしても良い。
この発明において、ポリイミド前駆体の水溶液は、好適には水溶性ケトンおよび/又はアミド系溶媒中で、ポリイミド前駆体の濃度が0.1〜30重量%程度となるなるように各成分を加えてテトラカルボン酸二無水物と芳香族ジアミンとを0〜40℃で30分〜24時間程度反応させて得られるポリイミド前駆体を、ポリイミド前駆体のカルボキシル基の0.7倍モル当量以上の1,2−ジメチルイミダゾ−ル及び/又は1−メチル−2−エチルイミダゾ−ルと反応させた後、反応混合物から、析出物を濾集する方法や有機系貧溶媒、例えばアセトンなどにより析出させた析出物を濾集し、ポリイミド前駆体を粉末とし、100℃以下の温度で乾燥し、水にこの粉末と更にポリイミド前駆体のカルボキシル基の0.2倍モル当量以上、特に0.7倍モル当量以上(合計量)、その中でも好ましくは0.9倍モル当量以上(合計量)の1,2−ジメチルイミダゾ−ル及び/又は1−メチル−2−エチルイミダゾ−ルとを添加し、均一に混合することによって得ることが好ましい。1,2−ジメチルイミダゾ−ル及び/又は1−メチル−2−エチルイミダゾ−ルは予め水に添加しておいてもよい。前記のポリイミド前駆体水溶液は粘度(30℃)が0.2〜800ポイズ程度であることが好ましい。
前記のアミド系溶媒としては、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルカプロラクタムが挙げられ、特にN−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミドが好適に使用される。また、前記の水溶性ケトン類としては、アセトン、γ−ブチロラクトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルn−ブチルケトン、シクロヘキサノンなどが挙げられる。
この発明において、前記のテトラカルボン酸二無水物と芳香族ジアミンとの反応時、好適には反応後にポリイミド前駆体(ポリアミック酸)と1,2−ジメチルイミダゾ−ル及び/又は1−メチル−2−エチルイミダゾ−ルとを共在させて反応させ、反応混合物からポリイミド前駆体の粉末状物を分離し、得られた粉末状物を水と混合してポリイミド前駆体水溶液を得る方法が好ましい。
前記の1,2−ジメチルイミダゾ−ル及び/又は1−メチル−2−エチルイミダゾ−ルの量は、反応混合液からポリイミド前駆体を粉末状物として分離する場合にはポリイミド前駆体のカルボキシル基の0.2倍モル当量以上の量であることが好ましい。前記の割合より少ない量では、ポリイミド前駆体がタ−ル化して反応混合物からポリイミド前駆体を粉末として分離することが容易でなくなる。また、ポリイミド前駆体の水溶液とする際に、ポリイミド前駆体のカルボキシル基の0.7倍モル当量以上(合計)の量であることが好ましい。前記の割合より少ない量では、ポリイミド前駆体の均一な水溶液を得ることが困難である。
この発明において、ポリイミド前駆体水溶液からバインダ−としてのポリイミド樹脂を得る方法としては、例えば、ポリイミド前駆体水溶液を、例えば、耐熱性繊維のEGカット(紡糸した後3mmあるいは6mm程度の長さにカットしたもの、電気絶縁性を改良したものをEGという)、チョップドファイバ−、ステ−プル、ドライパルプに含ませて、加熱してイミド化する方法が挙げられる。
この発明における耐熱性繊維としては、全芳香族ポリアミド繊維、ガラス繊維、カ−ボン繊維、全芳香族ポリエステル繊維、PPS繊維、ポリパラフェニレンスルホン繊維、ポリイミド繊維等が挙げられる。中でも、全芳香族ポリアミド繊維、全芳香族ポリエステル繊維、ポリイミド繊維等が好ましく、特に入手の容易性と性能とからケブラ−(デュポン社、東レ・デュポン社)等の芳香族ポリアミド繊維が好ましい。また、耐熱性繊維とともに、人造ダイヤモンド、シリカ、マイカ、カオリン、窒化ほう素、酸化アルミニウム、酸化鉄、グラファイト、硫化モリブデン、硫化鉄などの無機粒子状充填剤や有機あるいは無機顔料・着色剤を併用してもよい。これらの添加法としては特に制限はなく、例えばポリイミド前駆体水溶液に加えてもよい。
この発明の耐熱性不織布は、ポリイミド前駆体水溶液と耐熱性繊維、好適にはこれらの積層物とを混合し、100〜450℃程度の温度、好適にはポリイミドのガラス転移温度以上の温度、特にポリイミドのガラス転移温度より約20℃以上で450℃以下の温度で5〜120分間加熱し、加熱圧縮成形して、耐熱性不織布を形成することができる。
この発明における耐熱性不織布の製造法としては、先ず、耐熱性繊維の短繊維(チョップドファイバ−、ドライパルプ)を大量の水中に分散させて、網上に抄紙して湿潤ウエッブを作成する抄紙法、あるいは耐熱性繊維のステ−プルをロ−ラカ−ド機に通してウエッブを作成するカ−ド法によって湿潤ウエッブを得る。
次いで、この湿潤ウエッブをテトラン布のような厚手の合成樹脂製布で挟み、さらに両側から吸水性基材(例えばで濾紙)で挟み、過剰な水分を除去して後、加熱炉中で120℃程度に加熱して水分を除き乾燥ウエッブを得る。そして、ウエッブのみを金網(例えば、50メッシュ程度のSUS製金網)で挟み、前記のポリイミド前駆体水溶液であるド−プに所定時間(0.1〜5分程度)漬け、過剰なド−プ液を吸水性基材(例えばで濾紙)に挟んで除いて、ド−プ含浸ウエッブを得る。
次いで、このド−プ含浸ウエッブを100℃程度に調節した加熱炉中で10〜30分間程度乾燥した後、熱可塑性性ポリイミド樹脂のガラス転移温度以上の温度、好適には210〜400℃、特に250〜400℃程度で10〜60分間程度加熱してイミド化して、イミド化不織布を得る。この際、バインダ−である熱可塑性性ポリイミド樹脂の量は、前記の乾燥ウエッブ重量とイミド化後の不織布重量との差から求めることができる。
次いで、予め300〜400℃程度にプレス温度設定しておき、前記のイミド化不織布を耐熱性フィルム(例えば、ポリイミドフィルム)に挟み、プレス圧1〜300Kgf/cm程度で加熱圧着して、耐熱性不織布を得ることができる。
この発明によって得られる耐熱性不織布は、バインダ−樹脂を使用するため毛羽抜けの問題が生じず、しかもバインダ−樹脂である熱可塑性ポリイミドを加熱成形して得られるものであり、良好な熱特性および機械特性を示し、特に耐熱性不織布についての200℃における引張り強度保持率が70%以上である。
以下の記載において、各略号は次の化合物を意味する。
a−BPDA:2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物
TPE−R:1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン
DMZ:1,2−ジメチルイミダゾ−ル
DMAc:N,N−ジメチルアセトアミド
以下の各例において、ポリイミドの物性は以下の方法によって求めた。
1)ポリイミドフィルムの熱分解温度
ポリイミドフィルムをセイコ−インスツルメンツ社製SSC5200 TGA320において、窒素中10℃/分で昇温し重量減少を測定した。そして、重量減が3%に達したときの温度を熱分解温度とした。
2)ポリイミドフィルムのガラス点移転温度
ポリイミドフィルムをセイコ−インスツルメンツ社製SSC5200 DSC320Cにおいて、窒素中20℃/分で昇温し示差熱を測定した。
以下の各例において、耐熱性不織布の物性は以下の方法によって求めた。
3)目付
不織布の重量を面積で除して目付(g/m)を求めた。
4)厚み
DIAL THICKNESS GAUGE(心棒の直径:10mm、最小メモリ:0.01mm)を使用して測定した。
5)強度
JIS P8113に準じて、幅25mm、つかみ間隔100mm、引張り速度:50mm/min.でNMBミネベア社製インストロン型万能試験機:型番TCM50000Dを使用し引張り強度を測定した。
6)伸度
強度と同様の方法で引張り破断時の伸度を測定した。
7)加熱雰囲気下での引張り試験
板橋理化工業社製IRK式低温度ブライン高温槽:型番LTB型を引張り試験機にセットし、所定の温度に昇温完了後引張り試験を行った。
8)裂断長計算方法
裂断長=[引張り強度]×1000/[B(mm)×W(g/m)]
W:目付、B:試料幅
9)耐熱性不織布の引張り強度高温保持率(%)
引張り強度高温保持率=200℃での引張り強度/常温での引張り強度
実施例1
[ポリイミド前駆体水溶液の製造]
TPE−R29.23g(0.1mol)とDMAc234.60gを、撹拌機、還流冷却器(水分離器付き)、温度計、窒素導入管を備えた容量1000mlの四つ口セパラブルフラスコに、室温において添加し、その混合液に窒素ガス流通と撹拌しながら、a−BPDA29.42g(0.1mol)を添加し、2時間反応しポリイミド前駆体溶液を得た。
そして、この溶液をDMAc293.25gで希釈し30℃において1.5ポイズとし、またこの溶液にDMZを5.87g(0.06mol)を添加し、この溶液をホモジナイザー(ヤマト科学株式会社製オムニミキサ−LT)を備えたアセトン浴(6.5L)に徐々に加えポリイミド前駆体化合物粉末を析出させた。この懸濁液は、濾過およびアセトン洗浄し、40℃で10時間真空乾燥して、63.42gのポリイミド前駆体の粉末を得た。このポリイミド前駆体粉末3gに対して、水26.10gおよびDMZ0.9g(0.0094mol)を加え60℃で撹拌しながら2時間で溶解し均一液とした後、加圧下7μmのフィルタ−で濾過し、ポリイミド前駆体水溶液を得た。このポリイミド前駆体水溶液に水を添加し2.5重量%及び1.5重量%の濃度のポリイミド前駆体水溶液(ド−プ)とした。
[ポリイミドの製造、物性測定]
この溶液をガラス基板上に塗布し、空気中において60℃で10分間、100℃で10分間、150℃で10分間、180℃で10分間、210℃で10分間、300℃で10分間の加熱処理しポリイミド膜を得た。このポリイミド膜は、熱分解温度が525℃であり、ガラス転移温度が257℃であり、引張破断強度が969Kgf/cmで、引張り破断伸びが70%で、X線解析により非結晶性であることが確認された。
以下の手順に従って耐熱性不織布を得た。
[耐熱性不織布の製造]
1.不織布化方法
抄紙法:KEVLAR:ケブラ−短繊維(ドライパルプ、チョップドファイバ−、EGカット)を、水10リットル中に均一に分散させ、寸法250mm×200mmのメッシュ上に抄紙して湿潤ウエッブを作成した。
カ−ド法:KEVLAR:ケブラ−ステプ−ルをロ−ラ−カ−ド機に通し、ウエッブを作成した。
なお、使用したKEVLAR短繊維の品種は以下の通りである。
KEVLARステプ−ル:970−1.7T38−7
KEVLARドライパルプ:979−S−PL−F538−A11−1
KEVLARチョップドファイバ−:970−1.7T6−7
KEVLAREGカット:965−1.7T3−01
2.ド−プ含浸条件
条件:抄紙法またはカ−ド法で得られた湿潤ウエッブをテトラン布(東レ社、品番9900)で挟み、更に両側から濾紙で挟み、過剰な水分を除去し、120℃程度に加熱したオ−ブン中で完全に水分を除く。その後、ウエッブのみを50メッシュのSUS製金網で挟み、2.5重量%または1.0重量%のポリイミド前駆体ド−プに1分間漬け込む。過剰なド−プ液を濾紙に挟んで除去する。
3.熱可塑性ポリイミド量
熱可塑性ポリイミド量:抄紙後の乾燥ウエッブ重量とイミド化後の不織布重量との差から求めた。
4.イミド化
条件:予め100℃に調節したファインオ−ブン中でド−プ含浸ウエッブを30分間乾燥した後、285℃に設定程度を上げイミド化を行った。この際の加熱条件は、100〜230℃:約30分、230〜250℃:約10分、250〜285℃:約20分であった。
5.熱圧着
条件:予め300〜400℃程度にプレス温度設定しておき、前記のイミド化不織布を耐熱性フィルム(例えば、ポリイミドフィルム)に挟み、プレス圧300Kgf/cm(最高使用圧力、面圧:300Kgf/cm)で加熱圧着し、直ぐに圧力を下げ取り出して、耐熱性不織布を得た。結果をまとめて表1に示す。
実施例2〜7
KEVLARの種類、不織布化方法、含浸ド−プ濃度および熱可塑性ポリイミド(PI)の量を表1に示すように変えた他は実施例1と同様にして、耐熱性不織布を得た。結果をまとめて表1に示す。
Figure 2008050611
Figure 2008050611
Figure 2008050611
比較例1
実施例2で合成したポリイミド前駆体粉末3gに、水16.2gおよび2MZ0.77g(0.0094mol)を加えたが、ポリイミド前駆体粉末は溶解しなかった。
この発明は以上詳述したような構成を有しているため、下記のような効果を奏する。この発明によれば、加熱工程において有機溶媒を実質的に使用することなく耐熱性不織布を製造することができる。また、この発明によれば、耐熱性および強度を保持している耐熱性不織布を得ることができる。

Claims (4)

  1. 耐熱性不織布に使用できる、50%以上を2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸成分とするテトラカルボン酸成分と芳香族ジアミンとから得られたポリアミック酸に、そのカルボキシル基の0.9倍モル当量以上の1,2−ジメチルイミダゾ−ル及び/又は1−メチル−2−エチルイミダゾ−ルを含有する水溶性ポリイミド前駆体から得られたポリイミドからなるバインダー樹脂。
  2. 200℃における引張り強度高温保持率が70%以上の耐熱性不織布のバインダーとして使用できることを特徴とする請求項1に記載のポリイミドからなるバインダー樹脂。
  3. 耐熱性不織布に使用できる、50%以上を2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸成分とするテトラカルボン酸成分と芳香族ジアミンとから得られたポリアミック酸に、そのカルボキシル基の0.9倍モル当量以上の1,2−ジメチルイミダゾ−ル及び/又は1−メチル−2−エチルイミダゾ−ルを含有する水溶性ポリイミド前駆体の水溶液。
  4. 耐熱性不織布に使用できる、50%以上を2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸成分とするテトラカルボン酸成分と芳香族ジアミンとから得られたポリアミック酸に、そのカルボキシル基の0.9倍モル当量以上の1,2−ジメチルイミダゾ−ル及び/又は1−メチル−2−エチルイミダゾ−ルを含有する水溶性ポリイミド前駆体の水溶液から得られたポリイミド。
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