JPH06184904A - 耐熱不織布用バインダー - Google Patents

耐熱不織布用バインダー

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JPH06184904A
JPH06184904A JP4355850A JP35585092A JPH06184904A JP H06184904 A JPH06184904 A JP H06184904A JP 4355850 A JP4355850 A JP 4355850A JP 35585092 A JP35585092 A JP 35585092A JP H06184904 A JPH06184904 A JP H06184904A
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JP
Japan
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binder
heat
formula
nonwoven fabric
resistant
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Withdrawn
Application number
JP4355850A
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English (en)
Inventor
Jiyunya Ida
純哉 井田
Hiroyuki Furuya
浩行 古谷
Hidenari Tsunemi
常深  秀成
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 200℃以上の雰囲気に長時間曝されても、
その引張強度が低下せず、形態保持性の高いバインダー
付き耐熱不織布を得るため、耐熱繊維より成る不織布に
用いることのできる新規なポリイミド樹脂バインダーを
提供することにある。 【構成】 耐熱性繊維より成る不織布に主として一般式
(1)化1 【化1】 (式中、Ar1 は4価の有機基、Ar2 は2価の有機基を示
す。Ar1 、Ar2 はいずれも同種であっても良く、又は異
種であっても良い。また、式中、Xは3価の結合様式を
示し、化2 【化2】 の中から選択され、同種であっても良く、又は異種であ
っても良い。nは整数0〜15から選ばれる。Rは反応
性を有する置換基を示す。)で示されるポリイミド樹脂
からなるバインダーを付着硬化させた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は耐熱性に優れた不織布に
付着硬化させて使用される長期耐熱性に優れた耐熱不織
布用バインダーに関する。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】近年、電
気・電子産業分野や自動車・航空宇宙分野における小型
化、軽量化の技術開発が進むなかで、長期耐熱性に優れ
た不織布が求められている。また、自動車等の塗装ライ
ンの乾燥炉等には断熱材やフィルターとして長期耐熱性
のある耐熱不織布が必要になってきている。
【0003】従来、耐熱不織布としてはアラミド繊維を
フェノール樹脂,エポキシ樹脂あるいは熱可塑性ポリエ
ステルから成るバインダーで固定した不織布等が開発さ
れているが、バインダーの耐熱性が不十分なために高温
雰囲気下では長期に使用することはできなかった。ま
た、水溶性のポリイミドワニス等がバインダーとして用
いられた耐熱不織布も開発されているが、これでもまだ
200℃以上の雰囲気下では耐熱性が不十分であった。
これらの耐熱不織布は、不織布を構成する繊維の耐熱性
は十分であるにもかかわらず、バインダーの耐熱性が不
十分であることが大きな問題であった。
【0004】そこで、本発明者らは、200℃以上の雰
囲気に長期間曝されても、その引張強度が低下せず、形
態保持性の高い、耐熱繊維よりなる不織布に用いること
のできる新規なポリイミド樹脂バインダーを提供するこ
とを目的に鋭意研究を重ねた結果、本発明に至ったので
ある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明に係る耐熱不織布
用バインダーの要旨とするところは、耐熱性繊維よりな
る不織布に主として一般式(1)化7
【化7】 (式中、Ar1 は4価の有機基、Ar2 は2価の有機基を示
す。Ar1 、Ar2 はいずれも同種であっても良く、又は異
種であっても良い。また、式中、Xは3価の結合様式を
示し、化8
【化8】 の中から選択され、同種であっても良く、又は異種であ
っても良い。nは整数0〜15から選ばれる。Rは反応
性を有する置換基を示す。)で示されるポリイミド樹脂
からなるバインダーを付着硬化させることにある。
【0006】かかる耐熱不織布用バインダーにおいて、
前記耐熱性繊維が全芳香族ポリアミドから成ることにあ
る。
【0007】また、かかる耐熱不織布用バインダーにお
いて、前記Ar1 の少なくとも2モル%以上が、化9
【化9】 (式中、Ar3 は2価の有機基を示す。)で示される構造
を有することにある。
【0008】更に、かかる耐熱不織布用バインダーにお
いて、前記Ar2 が化10
【化10】 から選択される少なくとも1種であることにある。
【0009】次に、かかる耐熱不織布用バインダーにお
いて、前記Ar3 が化11
【化11】 から選択される少なくとも1種であることにある。
【0010】また、かかる耐熱不織布用バインダーにお
いて、前記Rが化12
【化12】 から選択される少なくとも1種であることにある。
【0011】
【作用】本発明に係る一般式(1)で示されるポリイミ
ド樹脂は、加熱により、末端の3重結合が3量化して、
ベンゼン環を形成したり、また、ラジカル架橋して硬化
し、3次元に架橋した網目状高分子を形成する。このよ
うな熱硬化性ポリイミド樹脂は、非常にガラス転移点T
g及び熱分解温度が高く、全芳香族ポリアミド繊維等の
耐熱繊維に用いるバインダーとして用いたときに優れた
特性を示す。特にアラミド繊維等の耐熱繊維を用いる不
織布を用いる用途では、200℃以上の温度で長時間使
用されるので、ガラス転移点Tgが200℃以上で熱分
解温度は400℃以上であることが好ましい。
【0012】また、不織布にバインダーを付着させる際
に、バインダーを溶剤に溶解させて、コーティング、含
浸あるいは噴霧する必要があり、溶剤に対する溶解性の
優れた樹脂が望まれる。ポリイミド樹脂は一般に溶剤に
対する溶解性が悪いが本発明のバインダー用ポリイミド
オリゴマーは、骨格中にエステル基を含有しているため
に有機溶剤に対する溶解性が優れており、非常に使いや
すい。
【0013】
【実施例】次に、本発明に係る耐熱不織布用バインダー
であるポリイミド樹脂バインダーとその製造方法につい
て説明する。
【0014】反応槽を充分に乾燥させて、アルゴン又は
チッ素などの不活性雰囲気中、一般式(2) H2 N−Ar2 −NH2 (2) (式中、Ar2 は2価の有機基を示す。)で表される有機
ジアミン化合物をアプロティックな極性溶媒に溶解さ
せ、その溶液中に一般式(3)化13
【化13】 (式中、Ar3 は2価の有機基を示す。)で表わされるエ
ステル基含有有機テトラカルボン酸二無水物を氷冷下に
上記と同一のアプロティックな極性溶媒に溶解させて加
える。この際、両末端アミノ基停止テレケリックなオリ
ゴエステルアミド酸溶液を得るように、予め計算量の酸
二無水物を加えておく。この時の反応温度は−15〜1
20℃の範囲が好適であり、好ましくは−15〜100
℃、更に好ましくは−5〜50℃が好適である。
【0015】ここで、共重合体を得るために、一般式
(4)化14
【化14】 (式中、Ar1 は4価の有機基を示す。)で表される酸二
無水物、あるいは一般式(5)化15
【化15】 (式中、Y1 ,Y2 ,Y3 ,Y4 は水素又は炭素数1〜
5から選ばれるアルキル基、Ar1 は4価の有機基を示
す。)で表される酸二無水物誘導体を加えておくことも
可能である。
【0016】次に、この反応溶液に上記と同一のアプロ
ティックな極性溶媒に溶解した一般式(6)化16
【化16】 (式中、Rは反応性を有する置換基を示す。)で示され
る熱硬化性基を有する第1級アミンを上記オリゴマー末
端を停止させるために添加し、反応性を有するイミドオ
リゴマーの前駆体であるオリゴアミド酸溶液を得る。
【0017】最後に、オリゴアミド酸溶液を熱的に脱水
・閉環させるために非溶媒を加えた後、還流・共沸下に
ポリイミドに変換する。ここで使用する非溶媒は芳香族
炭化水素であるキシレン、トルエン等が使用できるが、
好ましくはトルエンを使用する。反応は共沸・留去する
水をディーン・スターク還流器を用いて反応理論量の水
が集められるまで還流させる。このイミド構造への脱水
閉環反応は化学的閉環法を併用することもできる。反応
後は水あるいはアルコール系の溶媒中に激しく攪拌させ
ながらポリイミド溶液を注ぐことにより、ポリイミドを
パウダーとして沈澱させる。得られたパウダーは濾過し
て集められた後、例えば80℃、減圧下に48時間かけ
て乾燥させられる。
【0018】ここで、本発明に用いられる前記一般式
(3)で示される有機テトラカルボン酸二無水物は、た
とえば次の反応により合成することができる。すなわ
ち、化17
【化17】 で表される無水トリメリット酸あるいはその誘導体と、
対応する一般式(7) HO−Ar3 −OH (7) (式中、Ar3 は2価の有機基を示す。)で表されるジオ
ール化合物を第3級アミン触媒下にトルエン中でエステ
ル化することにより得られる。
【0019】また、ここで使用される一般式(7)で表
されるジオール化合物中のAr3 は、本質的には2価の有
機基ならなんでも使用可能であるが、具体的に例示する
と次に示す化18、化19、化20
【化18】
【化19】
【化20】 を挙げることができる。
【0020】特に、上記一般式(7)で表されるジオー
ル化合物中のAr3 は芳香族基が好ましく、化21
【化21】 に示した少なくとも一種が選択される。
【0021】更に、本発明では他の構造を有する有機テ
トラカルボン酸二無水物成分を同時に用いることも可能
である。本質的には、あらゆる構造の有機テトラカルボ
ン酸二無水物が使用可能であるが、上記一般式(4)、
(5)で表される酸二無水物誘導体が好ましく、Ar1
は4価の有機基であり、特に芳香族基であることが好ま
しい。このAr1 基を具体的に例示すると、次の化22、
化23を挙げることが出来る。
【化22】
【化23】
【0022】特に、Ar1 基は好ましくは化24
【化24】 に示した少なくとも1種が選択される。
【0023】次に、本発明に用いられる上記一般式
(2)で示されるジアミン中のAr2 基は2価の有機基な
ら何でも使用可能であり、具体的に例示すると次の化2
5、化26、化27
【化25】
【化26】
【化27】 を挙げることができる。
【0024】特に、Ar2 基は好ましくは化28
【化28】 に示した少なくとも1種が選択される。
【0025】また、末端停止用に本発明で使用される一
般式(6)で表される反応性を有する官能基Rを例示す
ると、化29
【化29】 等があるが、コスト及び取扱いの点で、好ましくは化3
【化30】 に示した1種が選択される。
【0026】更に、ポリアミド酸溶液の生成反応に使用
される有機溶媒としては、例えばジメチルスルホキシ
ド、ジエチルスルホキシド等のスルホキシド系溶媒、
N,N’−ジメチルホルムアミド、N,N’−ジエチル
ホルムアミド等のホルムアミド系溶媒、N,N’−ジメ
チルアセトアミド、N,N’−ジエチルアセトアミド等
のアセトアミド系溶媒等を挙げることができる。これら
を単独または2種あるいは3種以上の混合溶媒として用
いることもできる。また、これらの極性溶媒とともに、
メタノール,エタノール,イソプロパノール,ベンゼン
メチルセロソルブ等のポリアミック酸の非溶媒との混合
溶媒として用いることもできる。
【0027】また、本発明のオリゴマーは熱硬化反応を
誘導するときにおいて、その必要に応じていわゆるB−
ステージ化を併用することができるのは自明である。B
−ステージ化は100℃以上、好ましくは150℃以
上、更に好ましくは200℃以上で、1分以上、好まし
くは5分以上で、溶融下に熱風循環下あるいは真空下に
行なうのが良い。
【0028】本発明になる反応性を有するポリイミドが
特に高い耐熱性を有することについての機構は明確では
ないが、アセチレン/アセチレンの熱硬化によるベンゼ
ン骨格形成あるいはプロパギルエーテルの〔3、3〕シ
グマトロピー転移によるクロメン骨格形成/開環熱硬化
によるポリマーの形成による硬化であるといわれている
〔例えば、第3回国際サンペ・エレクトリック・コンフ
ァレンス(3rd. Int.SAMPE Elect. Conf. )169ペー
ジ,1989年、ダウケミカル,特開平2−85275
号〕。
【0029】また、数平均重合度〔プリンシプルズ・オ
ブ・ポリマーケミストリー(Princi-ples of Polymer Ch
emistry )91ページ,1953年〕をコントロールす
るために、重合度nは0〜30、好ましくは0〜20、
さらに好ましくは1〜15が良い。それ以上になると、
有機溶媒溶解性が落ちるという欠点が出る。また、それ
以下であると、機械的強度の点で問題が出る。
【0030】本発明の硬化性オリゴマーから熱硬化性樹
脂を得るに際し、必要に応じて公知のエポキシ樹脂やエ
ポキシ樹脂硬化剤,硬化促進剤,充填剤,難燃剤,補強
剤,表面処理剤,顔料,各種エラストマーなどを単独又
は2種以上併用することが出来る。
【0031】ポリイミド樹脂バインダーを不織布に塗布
する際には、一般的には有機溶媒に溶解させたワニスを
作製し、これを不織布にコーティング、含浸あるいは噴
霧する。その後、溶剤を乾燥させ、さらに加熱して樹脂
を硬化させる。
【0032】ポリイミド樹脂バインダーを不織布に塗布
する際に使用される有機溶剤としては、例えばジメチル
スルホキシド、ジエチルスルホキシド等のスルホキシド
系溶剤、N,N’−ジメチルホルムアミド、N,N’−
ジエチルホルムアミド等のホルムアミド系溶剤、N,
N’−ジメチルアセトアミド、N,N’−ジエチルアセ
トアミド等のアセトアミド系溶剤、ジメチルエーテル、
ジエチルエーテル、ジオキサン等のエーテル系溶剤、ア
セトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶剤、メタノ
ール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール系
溶剤、その他メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、ベ
ンゼン、トルエン、キシレン等を挙げることができる。
これらを単独で、あるいは2種以上を混合した混合溶剤
として用いることもできる。
【0033】次に、耐熱性繊維よりなる不織布に付着硬
化させるバインダーとしては、一般式(1)で示される
ポリイミド樹脂が主成分であることが必要であるが、他
の耐熱性樹脂をブレンドしても良い。例えば、エポキシ
樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、シア
ン酸エステル樹脂、ビニルエステル樹脂、ウレタンアク
リレート樹脂、ポリエステルアクリレート樹脂、ビスマ
レイミド、BTレジン等をブレンドしても良い。
【0034】また、耐熱性繊維としては、全芳香族ポリ
アミド繊維、ガラス繊維、カーボン繊維、全芳香族ポリ
エステル繊維、PPS繊維、ポリパラフェニレンスルホ
ン繊維、ポリイミド繊維等が例示される。中でも、全芳
香族ポリアミド繊維、全芳香族ポリエステル繊維、ポリ
イミド繊維等が好ましい。
【0035】更に、本発明に係る耐熱不織布用バインダ
ーを用いて耐熱性不織布を製造する製造法は特に限定さ
れない。製造法は湿式法、乾式法いずれの製法によるも
のにも適応できる。例えば、湿式法の場合は、少量の水
溶性のバインダーで仮止めした不織布を製造した後、バ
インダーのワニスをスプレーガン等により噴霧、乾燥、
硬化させることにより、耐熱性不織布を製造できる。
【0036】以上、本発明に係る耐熱不織布用バインダ
ーの実施例を詳細に説明したが、本発明はこれらの実施
例になんら限定されるものではなく、また、本発明はそ
の趣旨を何等逸脱しない範囲内で当業者の知識に基づき
種々なる修正、改良、変更を加えた態様で実施し得るも
のである。
【0037】実施例1 500mlの3口フラスコに3方コック、ディーンスター
ク蒸留器、ジムロート還流冷却器、シーラムキャップを
取り付け、反応器を減圧下に乾燥させた。1,3−ビス
(3−アミノフェノキシ)ベンゼンを21.93g(7
5mmol)加えた後、充分に窒素で置換し、続けて30ml
の乾燥ジメチルホルムアミド(以下DMFと略す)を加
えて氷冷した。次に、化31
【化31】 で示される酸二無水物86.48g(150mmol)を6
0mlのDMFに溶解させ、その溶液を滴下ロートに仕込
んだ。発熱に注意しながら一度に反応系に添加し、0℃
で1時間、80℃で0.5時間反応させた。次に、15
mlのDMFに溶解させた4−アミノフェニル−1−プロ
パギルエーテルを22.08g(150mmol)加え、1
時間反応させた。その後、200mlのトルエンを加え、
150℃(バス温)で共沸下に5.5ml(理論量:5.
4ml)の反応水を留去し、脱水閉環することによりイミ
ドオリゴマーを得た。反応後は1.5リットルのメタノ
ール中に反応溶液を投入し、生成したイミドオリゴマー
を沈澱させた。これを減圧下に濾過し、真空中,80℃
で48時間かけて乾燥させたところ、119.4g(収
率;98.4%)の淡黄色パウダーとしてオリゴマーを
得た。
【0038】〔スペクトルデータ〕IR(neat, cm-1
ν=3000,2950,1780,1750,170
0,1630,1600,1580,1495,144
0,1350,1295,1220,1160,99
0,910,860,780,735,690.
【0039】得られたイミドオリオゴマー100gを1
00gのDMFに溶解(樹脂濃度;50wt%/DMF)
させた。1m×1mのアラミド繊維不織布にオリゴマー
溶液を均一に吹き付け、熱風循環乾燥炉内で200℃で
10分間乾燥させた。更に、240℃で30分間、同じ
乾燥炉内で加熱硬化させることにより、厚さ15mmのバ
インダー付き耐熱性不織布を得た。
【0040】得られたバインダー付き不織布について、
物性として引張強度を初期値と、250℃で3ヵ月間曝
した時、同じく250℃で6ヵ月間曝した時、のそれぞ
れについて調べた。また、その不織布について、厚みを
初期値と250℃で6ヵ月間曝した時のそれぞれについ
て調べた。その結果を表1に示す。
【表1】
【0041】実施例2 21.93g(75mmol)の1,3−ビス(3−アミノ
フェノキシ)ベンゼンの代わりに、31.39g(75
mmol) の2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキシ)
フェニル〕プロパンを用いた他は、実施例1と同様にし
て、126.2g(収率;95.5%)のイミドオリゴ
マーを得た。
【0042】〔スペクトルデータ〕IR(neat, cm-1
ν=3500,3300,2940,1780,172
0,1650,1590,1520,1480,138
0,1240,1190,1100,1020,98
0,930,810,720.
【0043】得られたイミドオリゴマー100gを用い
て実施例1と同様の条件で、厚さ15mmのバインダー付
き耐熱性不織布を得た。
【0044】得られたバインダー付き不織布について、
物性として引張強度を初期値と、250℃で3ヵ月間曝
した時、同じく250℃で6ヵ月間曝した時、のそれぞ
れについて調べた。また、その不織布について、厚みを
初期値と250℃で6ヵ月間曝した時のそれぞれについ
て調べた。その結果を表1に示す。
【0045】比較例1 市販の熱硬化型イミドオリゴマー100gをDMF10
0gに溶解(樹脂濃度;50wt%/DMF)させた。1
m×1mのアラミド繊維不織布にオリゴマー溶液を均一
に吹き付け、熱風循環乾燥炉内で、200℃で10分間
乾燥させた。更に、240℃で30分間同じ乾燥炉内で
加熱硬化させることにより、厚さ16mmのバインダー付
き耐熱性不織布を得た。
【0046】得られたバインダー付き不織布について、
物性として引張強度を初期値と、250℃で3ヵ月間曝
した時、同じく250℃で6ヵ月間曝した時、のそれぞ
れについて調べた。また、その不織布について、厚みを
初期値と250℃で6ヵ月間曝した時のそれぞれについ
て調べた。その結果を表1に示す。
【0047】表1に示すように、比較例の不織布は、2
50℃で長時間曝されることにより著しく引張強度が低
下し、しかも厚みが大幅に減少し初期の形態を保持して
いなかった。それに対し本実施例の不織布は、引張強度
があまり低下せず初期の形態を保持していた。
【0048】
【発明の効果】一般式(1)で示されるポリイミド樹脂
を耐熱性繊維よりなる不織布のバインダーとして用いる
ことにより、200℃以上の温度に長時間曝されても、
引張強度が低下せず、形態保持性に優れた耐熱不織布を
得ることができる。
【0049】従って、本発明のバインダーを使用した耐
熱不織布は、例えば高度な耐熱性を必要とするフィルタ
ー、例えば、エンジンオイル用フィルター、高温乾燥炉
のエアーフィルター、自動車の排気ガス用フィルター
や、各種断熱材、プリント基板用基材等に非常に好適に
用いることができる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 耐熱性繊維よりなる不織布に主として一
    般式(1)化1 【化1】 (式中、Ar1 は4価の有機基、Ar2 は2価の有機基を示
    す。Ar1 、Ar2 はいずれも同種であっても良く、又は異
    種であっても良い。また、式中、Xは3価の結合様式を
    示し、化2 【化2】 の中から選択され、同種であっても良く、又は異種であ
    っても良い。nは整数0〜15から選ばれる。Rは反応
    性を有する置換基を示す。)で示されるポリイミド樹脂
    からなるバインダーを付着硬化させることを特徴とする
    耐熱不織布用バインダー。
  2. 【請求項2】 前記耐熱性繊維が全芳香族ポリアミドか
    ら成ることを特徴とする請求項1に記載する耐熱不織布
    用バインダー。
  3. 【請求項3】 前記Ar1 の少なくとも2モル%以上が、
    化3 【化3】 (式中、Ar3 は2価の有機基を示す。)で示される構造
    を有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載
    する耐熱不織布用バインダー。
  4. 【請求項4】 前記Ar2 が化4 【化4】 から選択される少なくとも1種であることを特徴とする
    請求項1乃至請求項3のいずれかに記載する耐熱不織布
    用バインダー。
  5. 【請求項5】 前記Ar3 が化5 【化5】 から選択される少なくとも1種であることを特徴とする
    請求項3又は請求項4に記載する耐熱不織布用バインダ
    ー。
  6. 【請求項6】 前記Rが化6 【化6】 から選択される少なくとも1種であることを特徴とする
    請求項1乃至請求項5のいずれかに記載する耐熱不織布
    用バインダー。
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Cited By (3)

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