JP2006112005A - ナノカーボン複合体およびナノカーボン複合体の製造方法 - Google Patents

ナノカーボン複合体およびナノカーボン複合体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】強度が高く、軽量であり、また、樹脂材料との密着性に優れるナノカーボン複合体、および、かかるナノカーボン複合体の製造方法を提供すること。
【解決手段】ナノカーボン複合体1は、ナノカーボン2の表面の少なくとも一部を、結晶化したポリイミド系樹脂3で被覆してなるものである。このナノカーボン複合体1は、ポリアミド酸系化合物とナノカーボン2とを含有する分散液を加熱することにより、この分散液中において、ポリアミド酸系化合物をポリイミド系樹脂に変化(イミド化)させるとともに、ナノカーボン2の表面の少なくとも一部において結晶化させることにより製造される。
【選択図】図1

Description

本発明は、ナノカーボン複合体およびナノカーボン複合体の製造方法に関するものである。
カーボンナノチューブは、炭素原子が筒状につながった炭素繊維であり、グラファイトシートを丸めたような形状をなしている。
このカーボンナノチューブは、直径がナノオーダーと小さく、繊維長が長い。また、一般的な炭素繊維に比べて強度が高く、軽量である。
このため、カーボンナノチューブは、例えば、樹脂成形体に強度を付与するフィラーへの適用が期待されている(例えば、特許文献1参照。)。
しかしながら、炭素繊維の中でも、カーボンナノチューブは、その表面が不活性であるため、樹脂材料との密着性が小さい。
このため、カーボンナノチューブをフィラーとして用いた樹脂成形体では、外部応力を付与すると、カーボンナノチューブが樹脂材料から抜けてしまうという問題がある。
このような理由から、カーボンナノチューブ(ナノカーボン)は、前述のような優位点があるものの、フィラーとして十分な機能が得られないのが実情である。
特開2004−075706号公報
本発明の目的は、強度が高く、軽量であり、また、樹脂材料との密着性に優れるナノカーボン複合体、および、かかるナノカーボン複合体の製造方法を提供することにある。
このような目的は、下記の本発明により達成される。
本発明のナノカーボン複合体は、ナノカーボンの表面の少なくとも一部を、結晶化したポリイミド系樹脂で被覆してなることを特徴とする。
これにより、強度が高く、軽量であり、また、樹脂材料との密着性に優れるナノカーボン複合体が得られる。
本発明のナノカーボン複合体では、前記ナノカーボンは、主として気相成長炭素繊維で構成されていることが好ましい。
このものは、特に、微細な構造と高アスペクト比を有し、強度が高く、軽量であり、例えば、樹脂成形体のフィラーとして特に適した特性を有している。
本発明のナノカーボン複合体では、前記ポリイミド系樹脂は、全芳香族ポリイミド系樹脂を主成分とするものであることが好ましい。
全芳香族ポリイミド系樹脂は、いずれも耐熱性に優れるため、ナノカーボン複合体を、特に、耐熱性の高いものとすることができる。
本発明のナノカーボン複合体では、前記ポリイミド系樹脂で構成された部分は、多孔質であることが好ましい。
これにより、空孔内に樹脂材料が入り込むこと(アンカー効果)により、ナノカーボン複合体と樹脂材料との密着性をより向上させることができる。
本発明のナノカーボン複合体では、棒状粒子であることが好ましい。
かかるナノカーボン複合体を、例えば、樹脂成形体のフィラーとして用いることにより、樹脂成形体の機械的強度をより向上させることができる。
本発明のナノカーボン複合体では、前記棒状粒子の長さは、30μm以下であることが好ましい。
これにより、ナノカーボンに対してポリイミド系樹脂の量が適度なものとなり、例えば、樹脂成形体のフィラーとしての特性がより向上する。
本発明のナノカーボン複合体では、前記棒状粒子の外径は、10μm以下であることが好ましい。
これにより、ナノカーボンに対してポリイミド系樹脂の量が適度なものとなり、例えば、樹脂成形体のフィラーとしての特性がより向上する。
本発明のナノカーボン複合体では、樹脂材料に混合して使用するものであることが好ましい。
これにより、例えば、樹脂材料やその成形体の導電率、熱伝導率、熱放射率等の特性の調整を行うことができる。
本発明のナノカーボン複合体では、樹脂成形体の機械的強度を向上させるためのフィラーとして使用するものであることが好ましい。
これにより、機械的強度に優れる樹脂成形体が得られる。
本発明のナノカーボン複合体の製造方法は、ポリアミド酸系化合物とナノカーボンとを含有する分散液を加熱することにより、該分散液中において、前記ポリアミド酸系化合物をポリイミド系樹脂に変化させるとともに、前記ナノカーボンの表面の少なくとも一部において結晶化させることを特徴とする。
これにより、ナノカーボンの1本毎を、ポリイミド系樹脂で被覆することができる。
本発明のナノカーボン複合体の製造方法では、前記分散液は、ジアミン系化合物を含有する溶液とナノカーボンとを混合した後、この混合液とテトラカルボン酸系化合物とを混合することにより調整されることが好ましい。
これにより、ナノカーボンは、より確実かつ効率よくポリイミド系樹脂で被覆されることとなる。また、ナノカーボンの1本毎を、ポリイミド系樹脂でより確実に被覆することができる。
本発明のナノカーボン複合体の製造方法では、前記ナノカーボンの混合量と、前記ジアミン系化合物および前記テトラカルボン酸系化合物の合計の混合量との比は、重量比で10:1〜1:20であることが好ましい。
これにより、樹脂材料に対する密着性が不十分となるのを防止しつつ、ナノカーボンの1本毎をポリイミド系樹脂で確実に被覆することができる。
本発明のナノカーボン複合体の製造方法では、前記分散液は、前記ポリアミド酸系化合物の前記ポリイミド系樹脂への変化を促進させるイミド化促進物質を含有することが好ましい。
これにより、ポリアミド酸系化合物を効率よく、ポリイミド系樹脂に変化させることができる。
本発明のナノカーボン複合体の製造方法では、前記ナノカーボンは、超音波を付与することにより、前記分散液に分散されることが好ましい。
これにより、ナノカーボン同士の絡み合いをより確実に解消することができ、ナノカーボンを混合液中により均一に分散させることができる。その結果、ナノカーボンの1本毎を、より確実にポリイミド系樹脂で被覆することができる。
本発明のナノカーボン複合体の製造方法では、前記分散液の加熱温度は、150℃以上であることが好ましい。
これにより、ポリアミド酸系化合物をポリイミド系樹脂へ効率よく変化させることができる。
本発明のナノカーボン複合体の製造方法では、前記分散液の加熱時間は、1〜15時間であることが好ましい。
これにより、ポリアミド酸系化合物をポリイミド系樹脂へ効率よく変化させることができる。
本発明のナノカーボン複合体の製造方法では、前記ナノカーボンは、予めマイクロ波により加熱処理されたものであることが好ましい。
これにより、ナノカーボンの表面に、NH基(ジアミン系化合物)がより確実に付着(または結合)するようになる。
以下、本発明のナノカーボン複合体およびナノカーボン複合体の製造方法を、添付図面に示す好適実施形態に基づいて詳細に説明する。
<ナノカーボン複合体>
まず、本発明のナノカーボン複合体について説明する。
図1は、本発明のナノカーボン複合体の実施形態を示す模式図である。
図1に示すナノカーボン複合体1は、ナノカーボン2と、ナノカーボン2の表面の少なくとも一部を被覆するように、結晶化したポリイミド系樹脂3とで構成されている。
ここで、ナノカーボン2とは、炭素原子が筒状につながった炭素繊維であり、直径(外径)がナノサイズ(1000nm以下)のものである。
ナノカーボン2としては、例えば、各種カーボンナノチューブ、各種フラーレン等が挙げられるが、これらの中でも、主としてカーボンナノチューブの一種である気相成長炭素繊維で構成されているのが好ましい。このものは、特に、微細な構造と高アスペクト比を有し、強度が高く、軽量である。このため、かかるナノカーボン2を核(芯部)とするナノカーボン複合体1は、例えば、樹脂成形体の機械的強度を向上させるためのフィラー(補強材)として特に適した特性を有している。
なお、以下では、ナノカーボン複合体1を樹脂成形体のフィラーに適用する場合を代表に説明する。
ナノカーボン2は、その表面の少なくとも一部(図1の構成では、中央部を除く部分)が、ポリイミド系樹脂3で被覆されている。このポリイミド系樹脂3は、1本のナノカーボン2を核として成長して、結晶化したものである。
ナノカーボン2は、前述したような長所を有するものの、その表面が不活性である。このため、ナノカーボン2をそのまま、樹脂成形体のフィラーとして用いた場合、樹脂材料に対する密着性が低く、フィラーとしての機能が十分に得られない。
これに対して、ナノカーボン2の表面の一部または全部を、ポリイミド系樹脂3で被覆したナノカーボン複合体1は、ポリイミド系樹脂3を介して樹脂材料と密着するようになり、フィラーとして優れた機能を発揮するようになる。
特に、ポリイミド系樹脂3が結晶化することにより、ナノカーボン2の表面に強固に固定される。このため、ナノカーボン複合体1の樹脂材料に対する密着性をより向上させることができ、樹脂成形体に外部応力を付与した場合でも、樹脂成形体からナノカーボン複合体1(ナノカーボン2)が抜けてしまうことをより確実に防止することができる。
ここで、ポリイミド系樹脂3としては、各種のポリイミド樹脂やそれらの誘導体を用いることができるが、特に、全芳香族ポリイミド系樹脂(全芳香族ポリイミド樹脂またはその誘導体)を主成分とするものが好ましい。全芳香族ポリイミド系樹脂は、いずれも耐熱性に優れるため、得られるナノカーボン複合体1を、特に、耐熱性の高いものとすることができる。かかるナノカーボン複合体1を用いることにより、樹脂成形体の耐熱性を向上させることもできる。
なお、この全芳香族ポリイミド系樹脂とは、イミド結合以外の主たる部分が芳香族環で構成される化合物の総称である。
また、ナノカーボン複合体1において、ポリイミド系樹脂3で構成された部分は、緻密質であってもよいが、図1に示すように、多孔質であるのが好ましい。これにより、空孔内に樹脂材料が入り込むこと(アンカー効果)により、ナノカーボン複合体1と樹脂材料との密着性をより向上させることができる。
また、ナノカーボン複合体1は、球状粒子、葉状粒子等であってもよいが、棒状粒子(図2〜図4参照)であるのが好ましい。かかるナノカーボン複合体1をフィラーとして用いることにより、樹脂成形体の機械的強度をより向上させることができる。
棒状粒子(針状粒子)の長さは、30μm以下であるのが好ましく、ナノカーボン複合体1をフィラーに適用する場合には、特に、20μm以下であるのが好ましい。
また、棒状粒子の外径(直径)は、10μm以下であるのが好ましく、ナノカーボン複合体1をフィラーに適用する場合には、特に、0.2〜1μm程度であるのが好ましい。
このようなサイズのナノカーボン複合体1は、ナノカーボン2に対してポリイミド系樹脂3の量が適度なものとなり、フィラーとしての特性がより向上する。これにより、樹脂成形体の機械的強度をさらに向上させることができる。
本発明のナノカーボン複合体の製造方法によれば、かかる構成のナノカーボン複合体1を好適に製造することができる。
以上のようなナノカーボン複合体1は、核(芯部)がナノカーボン2で構成されるため、サイズが微小であり、また、強度が高く、軽量である。
また、ポリイミド系樹脂3が、ナノカーボン2の表面の少なくとも一部を被覆することにより、ナノカーボン複合体1に、樹脂材料に対する優れた密着性を付与することができる。
したがって、このナノカーボン複合体1をフィラーとして用いた樹脂成形体では、外部応力が付与された場合でも、樹脂材料からナノカーボン2が抜けてしまうことが防止される。このため、樹脂成形体に対して高い機械的強度を付与することができる。
<ナノカーボン複合体の製造方法>
次に、ナノカーボン複合体1の製造方法について説明する。
本発明のナノカーボン複合体の製造方法は、[1]ポリアミド酸系化合物とナノカーボン2とを含有する分散液を調製する分散液調製工程と、[2]ポリアミド酸系化合物をポリイミド系樹脂3に変化させるイミド化工程と、[3]ナノカーボン複合体単離工程とを有している。以下、各工程について、順次説明する。
[1] 分散液調製工程
まず、ポリアミド酸系化合物とナノカーボン2とを含有する分散液を調製する。
この分散液は、例えば、A:ジアミン系化合物を溶解した溶液を調製し、この溶液とナノカーボン2とを混合した後、この混合液とテトラカルボン酸系化合物とを混合し、ジアミン系化合物とテトラカルボン酸系化合物との反応によりポリアミド酸系化合物を生成させる方法、B:テトラカルボン酸系化合物を溶解した溶液を調製し、この溶液とナノカーボン2とを混合した後、この混合液とジアミン系化合物とを混合し、ジアミン系化合物とテトラカルボン酸系化合物との反応によりポリアミド酸系化合物を生成させる方法、C:ポリアミド酸系化合物を溶解した溶液を調製し、この溶液とナノカーボン2とを混合する方法等により調製することができる。
これらの方法の中でも、Aの方法がより好ましい。
ここで、ジアミン系化合物の溶液は、ポリアミド酸系化合物の溶液よりも粘度が低く、またナノカーボン2はこの溶液に良く分散する。一般に、ナノカーボン2同士は、絡み合った状態で存在しているが、Aの方法を用いることにより、ナノカーボン2同士の絡まった状態を解消して、分散液中にナノカーボン2を分散させることができる。これにより、後工程[2]において、ナノカーボン2の1本毎を、ポリイミド系樹脂3で確実に被覆することができる。
特に、Aの方法では、ジアミン系化合物の溶液にナノカーボン2を分散させると、例えば、ナノカーボン2の表面に、ジアミン系化合物が有するNH基が分子間引力等によって付着(または結合)し、この付着したジアミン系化合物を基点としてポリアミド酸系化合物が生成(成長)すると考えられる。
後述するように、ポリアミド酸系化合物が変化する(イミド化される)ことにより、ポリイミド系樹脂3が生成するが、このように、ポリアミド酸系化合物が予めナノカーボン2の表面に付着(または結合)していることにより、ナノカーボン2は、より確実かつ効率よくポリイミド系樹脂3で被覆されることとなる。また、ナノカーボン2の1本毎を、ポリイミド系樹脂3でより確実に被覆することができる。
以下、このAの方法について説明する。
Aの方法により分散液を調製するには、まず、ジアミン系化合物を溶媒に溶解することにより、ジアミン系化合物の溶液を調製する。
ジアミン系化合物としては、例えば、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(ODA)、p−フェニレンジアミン、メタフェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルプロパン、ビス(4−アミノフェニル)ジメチルシラン、1,4−ビス(4−アミノ−フェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノ−フェノキシ)ベンゼンのような芳香族ジアミン系化合物や、その他の各種のものが挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
なお、例えば、ナノカーボン2を全芳香族ポリイミド系樹脂で被覆する場合には、芳香族ジアミン系化合物を選択する。
溶媒としては、例えば、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、テトラヒドロフラン(THF)等が挙げられ、これらを単独または混合して使用することができる。また、場合によっては、ベンゼン等の貧溶媒と併用することも可能である。
次に、例えば、このジアミン系化合物の溶液にナノカーボン2を添加して、攪拌することにより、これらを混合して混合液を調製する。
ジアミン系化合物の溶液に、ナノカーボン2を混合すると、ナノカーボン2が溶液中に分散する。これとともに、ナノカーボン2の表面に、ジアミン系化合物が有するNH基が付着(または結合)する。
ここで、用いるナノカーボン2は、予めマイクロ波により加熱処理されたものであるのが好ましい。これにより、ナノカーボン2の表面に、ジアミン系化合物がより確実に付着(または結合)するようになる。
また、ナノカーボン2の混合量(添加量)と、ジアミン系化合物および後述するテトラカルボン酸系化合物の合計の混合量(添加量)との比は、重量比で10:1〜1:20程度であるのが好ましく、5:1〜1:15程度であるのがより好ましく、1:1〜1:10程度であるのがさらに好ましい。ナノカーボン2の量が少な過ぎると、ジアミン系化合物やテトラカルボン酸系化合物が過剰となり、ナノカーボン2を被覆しないポリイミド単体の微粒子が多量に生成するおそれがあり、一方、ナノカーボン2の量が多過ぎると、得られたナノカーボン複合体1において、ポリイミド系樹脂3で被覆された部分の割合が小さくなり、ナノカーボン複合体1の樹脂材料に対する密着性が不十分となるおそれがある。
以上のようなジアミン系化合物の溶液および分散液の調製に際して、液の温度は、5〜75℃程度であるのが好ましく、15〜50℃程度であるのがより好ましい。液の温度を前記範囲とすることにより、ジアミン系化合物の溶解、ナノカーボン2の分散、ナノカーボン2へのジアミン系化合物の付着や結合を円滑に行うことができる。
また、ナノカーボン2の混合液中(得られる分散液中)への分散は、超音波を付与することにより行なわれるのが好ましい。これにより、ナノカーボン2同士の絡み合いを、より確実に解消することができ、ナノカーボン2を混合液中により均一に分散させることができる。その結果、ナノカーボン2の1本毎を、より確実にポリイミド系樹脂3で被覆することができる。
この場合、超音波の出力は、50〜150W程度であるのが好ましく、周波数は、30〜75kHz程度であるのが好ましく、また、超音波を付与する時間は、0.1〜5時間程度であるのが好ましい。超音波の付与を、このような条件で行うことにより、ナノカーボン2を混合液(得られる分散液)に良好に分散させることができる。
次に、例えば、この混合液にテトラカルボン酸系化合物を添加して、攪拌することにより、これらを混合して分散液を得る。
テトラカルボン酸系化合物としては、例えば、テトラカルボン酸またはその無水物、あるいは、テトラカルボン酸とアルコール(特に、低級アルコール)とのジエステル誘導体等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
テトラカルボン酸の具体例としては、例えば、ピロメリト酸、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸、2,2’−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテルのような芳香族テトラカルボン酸系化合物や、その他の各種のものが挙げられる。
なお、例えば、ナノカーボン2を全芳香族ポリイミド系樹脂で被覆する場合には、芳香族テトラカルボン酸系化合物を選択する。
分散液に、テトラカルボン酸系化合物を混合すると、ジアミン系化合物とテトラカルボン酸系化合物とが反応し、ジアミン系化合物の骨格部分とテトラカルボン酸系化合物の骨格部分とが、アミド結合を介して交互に連なった構造のポリアミド酸が生成する。
例えば、ジアミン系化合物として、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(ODA)を用い、テトラカルボン酸系化合物として、無水ピロメリト酸(PMDA)を用いた場合には、下記化1に示すような構造のポリアミド酸系化合物が生成する。このポリアミド酸系化合物は、通常、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)に可溶、テトラヒドロフラン(THF)にある程度可溶である。
Figure 2006112005
ポリアミド酸系化合物を生成させる際の反応温度(混合液の温度)は、特に限定されないが、50〜100℃程度であるのが好ましく、75〜100℃程度であるのがより好ましい。反応時間も、特に限定されないが、1〜50時間程度であるのが好ましく、5〜30時間程度であるのがより好ましい。反応温度および反応時間を、それぞれ、前記範囲とすることにより、ジアミン系化合物とテトラカルボン酸系化合物とを十分に反応させることができる。
なお、Cの方法を用いる場合には、市販のポリアミド酸系化合物の溶液を用いることにより、ナノカーボン複合体1の製造工程の簡易化を図ることができる。
また、この場合も、超音波を付与することにより、ナノカーボン2を分散液中に分散させるのが好ましい。これにより、ナノカーボン2同士の絡み合いをより確実に解消し、ナノカーボン2を分散液中により均一に分散させることができる。超音波を付与する際の条件は、前述した条件と同様とすることができる。
[2] イミド化工程
次に、分散液を加熱しつつ、必要に応じて還流する。これにより、ポリアミド酸系化合物をイミド化(ポリイミド系樹脂3に変化)させるとともに、ナノカーボン2の表面において結晶化させる。
分散液を加熱すると、ポリアミド酸系化合物が有するアミド基とカルボキシル基との間で脱水反応が生じることにより閉環し、ポリアミド酸系化合物がポリイミド系樹脂3に変化して結晶化する。
例えば、前記ODAと、前記PMDAとの反応により生成したポリアミド酸系化合物の場合には、下記化2に示すようなポリイミド系樹脂3に変化して結晶化し、この結晶化したポリイミド系樹脂3でナノカーボン2の表面の一部または全部が被覆される。
Figure 2006112005
このポリイミド系樹脂3は、前記NMPや前記THFに不溶である。また、ポリイミド系樹脂3で被覆されたナノカーボン2(ナノカーボン複合体1)は、液中において沈殿する。
分散液の加熱温度は、150℃以上であるのが好ましく、150〜200℃程度であるのがより好ましい。加熱温度が低過ぎると、ポリアミド酸系化合物のポリイミド系樹脂3への変化が円滑に行われないおそれがあり、一方、加熱温度を前記上限値を超えて高くしても、それ以上、ポリアミド酸系化合物のポリイミド系樹脂3への変化の効率の向上が期待できない。
また、分散液の加熱時間も、特に限定されないが、1〜15時間程度であるのが好ましく、3〜10時間程度であるのがより好ましい。加熱時間が短過ぎると、加熱温度等によっては、ポリアミド酸系化合物のポリイミド系樹脂3への変化が不十分となるおそれがあり、一方、加熱時間を前記上限値を超えて長くすると、加熱温度等によっては、ポリイミド系樹脂3が変質・劣化するおそれがある。
また、分散液は、ポリアミド酸系化合物のポリイミド系樹脂3への変化を促進させるイミド化促進物質(イミド転化用薬剤)を含有しても構わない。これにより、ポリアミド酸系化合物を効率よく、ポリイミド系樹脂3に変化させることができる。
このイミド化促進物質としては、例えば、ピリジン、β−ピコリン、α−ピコリン、4−メチルピリジン、イソキノリン、トリエチルアミン等の3級アミン等が挙げられるが、これらの中でも、特に、ピリジンおよびβ−ピコリンの少なくとも一方を主成分とするものが好ましい。
このイミド化促進物質は、ポリアミド酸系化合物に対して、1〜5倍モル相当量程度、分散液に混合するのが好ましい。
さらに、必要に応じて、分散液には、ポリアミド酸系化合物がポリイミド系樹脂3へ変化する際に生成する水を吸収する脱水剤を混合する。これにより、ポリアミド酸系化合物のポリイミド系樹脂3への変化がより促進される。
この脱水剤としては、例えば、無水酢酸、プロピオン酸無水物、酪酸無水物、安息香酸、蟻酸無水物、トルエン等が挙げられる。
脱水剤を分散液に混合する場合、この脱水剤は、ポリアミド酸系化合物に対して、1〜5倍モル相当量程度、分散液に混合するのが好ましい。
なお、ポリイミド系樹脂の原料であるテトラカルボン酸系化合物として、無水物を用いる場合には、これを脱水剤として機能させるようにしてもよい。
[3] ナノカーボン複合体単離工程
次に、ナノカーボン複合体1が沈殿している液を、濾過することにより、ナノカーボン複合体1を濾別する。そして、ナノカーボン複合体1を洗浄した後、乾燥させる。
ナノカーボン複合体1の洗浄に用いる洗浄液としては、例えば、N−メチル−2−ピロリドン、アセトン、水等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
例えば、N−メチル−2−ピロリドンでナノカーボン複合体1を洗浄した後、さらに、アセトン、水の順でナノカーボン複合体1を洗浄する。これにより、ナノカーボン複合体1の表面に付着している各種不純物を、より確実に除去することができる。
洗浄後のナノカーボン複合体1の乾燥温度は、特に限定されないが、50〜400℃程度であるのが好ましく、100〜300℃程度であるのがより好ましい。
また、乾燥時間は、0.1〜7.5時間程度であるのが好ましく、1〜5時間程度であるのがより好ましい。
この乾燥条件を設定することにより、ポリイミド系樹脂3で構成される部分の多孔質の度合いを調整することができる。
以上の工程を経て、ナノカーボン2の表面の少なくとも一部を、結晶化したポリイミド系樹脂3で被覆してなるナノカーボン複合体1が得られる。
本発明のナノカーボン複合体の製造方法によれば、ナノカーボン2の1本毎を、ポリイミド系樹脂3で被覆することができる。
また、得られるナノカーボン複合体1は、サイズが微小であり、また、強度が高く、軽量である。
また、ナノカーボン複合体1は、ポリイミド系樹脂3が、ナノカーボン2の表面の少なくとも一部を被覆しているので、樹脂材料に対して優れた密着性が得られる。
したがって、このナノカーボン複合体1を、樹脂成形体のフィラーに適用した場合には、樹脂成形体に外部応力を付与した場合でも、樹脂成形体からナノカーボン2(ナノカーボン複合体1)が抜けてしまうことが防止され、樹脂成形体に対して高い機械的強度を付与することができる。
また、本実施形態では、ナノカーボン複合体1を、樹脂成形体の機械的強度を向上させるためのフィラーに適用する場合を代表に説明したが、本発明のナノカーボン複合体1は、樹脂材料に混合して、例えば、樹脂材料や樹脂成形体の導電率、熱伝導率、熱放射率等の特性の調整を目的として使用することもできる。
さらには、ナノカーボン複合体1は、樹脂材料に混合することなく、そのまま樹脂成形体の成形材料として用いことができる。本発明のナノカーボン複合体1を適用した成形材料は、成形性に優れ、軽量かつ微細(複雑)な形状に加工することができる。また、ナノカーボン2の含有量を比較的大きくすることができるので、得られる樹脂成形体は、高い機械的強度と優れた耐熱性とを有するものとなる。
この場合も、ナノカーボン複合体1は、棒状粒子であるのが好ましく、その長さは、30μm以下であるのが好ましく、外径(直径)は、20μm以下であるのが好ましい。
このようなサイズのナノカーボン複合体1を使用することにより、得られる樹脂成形体は、その機械的強度が特に高いものとなる。
以上、本発明のナノカーボン複合体およびナノカーボン複合体の製造方法について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
次に、本発明の具体的実施例について説明する。
1.ナノカーボン複合体の製造
なお、以下において、特に記載しない限り、液の温度は、室温(約20℃)とする。
(実施例1)
まず、2LのN−メチル−2−ピロリドンに、ジアミン系化合物として、4,4’−ジアミノフェニルエーテルを10.012g(0.05mol)溶解することにより、ジアミン系化合物の溶液を調製した。
次に、このジアミン系化合物の溶液に、ナノカーボンとして、気相成長炭素繊維(昭和電工社製、「VGCF」)20gを混合して混合液を得た。
なお、気相成長炭素繊維は、平均外径;約200nm、平均長さ:約6μmであった。
次に、この混合液に超音波を30分間付与することにより攪拌して、混合液中に気相成長炭素繊維を均一に分散させた。
なお、付与する超音波の条件は、周波数38kHz、出力100Wとした。
次に、この混合液に、テトラカルボン酸系化合物として、無水ピロメリト酸を10.9(0.05mol)溶解し、100℃で24時間攪拌した。
これにより、4,4’−ジアミノフェニルエーテルと、無水ピロメリト酸とを反応させることにより、分散液中においてポリアミド酸系化合物を生成させた。
なお、気相成長炭素繊維の混合量と、4,4’−ジアミノフェニルエーテルおよび無水ピロメリト酸の合計の混合量との比は、重量比で約1:1である。
次に、この分散液を、200℃で4時間還流した。これにより、ポリアミド酸系化合物をポリイミド系樹脂に変化させて、気相成長炭素繊維の表面で結晶化させた。
次に、このポリイミド系樹脂で被覆された気相成長炭素繊維(ナノカーボン複合体)が沈殿した液を濾過することにより、ナノカーボン複合体を濾別した。
次に、濾別されたナノカーボン複合体を、N−メチル−2−ピロリドン、アセトン、水の順で洗浄した後、300℃で1時間乾燥した。
以上の工程を経て、ナノカーボン複合体を製造した。
得られたナノカーボン複合体は、平均外径:約0.4μm、平均長さ:約6μmであり、表面には、平均孔径:約80nmの孔が多数認められた。
(実施例2、3)
4,4’−ジアミノフェニルエーテルおよび無水ピロメリト酸の混合量を、それぞれ、下記表1に示すようにした以外は、前記実施例1と同様にして、ナノカーボン複合体を製造した。
(実施例4)
まず、無水ピロメリト酸を溶解したN−メチル−2−ピロリドンに、気相成長炭素繊維を混合し、次いで、この混合液に4,4’−ジアミノフェニルエーテルを混合した以外は、前記実施例3と同様にして、ナノカーボン複合体を製造した。
(実施例5)
4,4’−ジアミノフェニルエーテルおよび無水ピロメリト酸を溶解したN−メチル−2−ピロリドンに、気相成長炭素繊維を混合した以外は、前記実施例3と同様にして、ナノカーボン複合体を製造した。
(実施例6)
予めマイクロ波による加熱処理を行った気相成長炭素繊維を用いた以外は、前記実施例1と同様にして、ナノカーボン複合体を製造した。
なお、マイクロ波による加熱処理の条件は、100W、30分とした。
(実施例7)
分散液中に、イミド化促進物質としてピリジンを8gと、脱水剤としてトルエンを10g溶解した以外は、前記実施例1と同様にして、ナノカーボン複合体を製造した。
なお、ピリジンおよびトルエンの混合量は、それぞれ、4,4’−ジアミノフェニルエーテル(ポリアミド酸系化合物)の量に対して、2倍モル相当量より若干過剰な量である。
Figure 2006112005
なお、表1には、各実施例で得られたナノカーボン複合体の平均外径および孔の平均孔径も合わせて示した。
また、図2〜図4に、それぞれ、実施例1、2で得られたナノカーボン複合体の電子顕微鏡写真を示す。なお、図3は、図2の拡大写真である。
表1に示す結果および電子顕微鏡写真から、気相成長炭素繊維の混合量に対して、4,4’−ジアミノフェニルエーテルおよび無水ピロメリト酸の合計の混合量を多くすることにより、ナノカーボン複合体の外径が増大する傾向を示すことが判った。
2.評価
2−1.ナノカーボン複合体のフィラーとしての評価
実施例1〜7で製造されたナノカーボン複合体100gを、それぞれポリプロピレン900gとともに、連続2軸ロール混練機に投入、混練し、ペレット状に加工した。
次に、各ペレットを、それぞれ、射出成形機を用いてJIS K 7113に記載の1号形試験片(サンプルNo.1A〜7A)を作成した。
また、ナノカーボン複合体に代えて、気相成長炭素繊維をそのまま用いて、前記と同様にして、試験片(サンプルNo.8A)を作成した。
また、ナノカーボン複合体を混合せず、ポリプロピレン1000gを用いて、前記と同様にして、試験片(サンプルNo.9A)を作成した。
なお、各サンプルNo.の試験片は、それぞれ、10個ずつ作成した。
そして、各試験片について、それぞれ、引っ張り強度を測定した。
なお、引っ張り強度は、島津製作所製万能引張試験機により測定した。
その結果を表2に示す。
Figure 2006112005
なお、表2に示す引っ張り強度の値は、それぞれ、各サンプルNo.の試験片の10個の平均値である。
表2に示すように、本発明のナノカーボン複合体をフィラーとして用いたサンプルNo.1A〜7Aの試験片では、いずれも、高い引っ張り強度が得られた。
また、サンプルNo.1A〜3A、6Aおよび7Aの試験片では、特に高い引っ張り強度が得られた。これは、4,4’−ジアミノフェニルエーテルを溶解した溶液に、気相成長炭素繊維を混合し、その後、無水ピロメリト酸を混合するようにしたためであると考えられる。
また、予め気相成長炭素繊維にマイクロ波による加熱処理を行ったサンプルNo.6Aの試験片では、引っ張り強度が高くなる傾向を示した。これは、気相成長炭素繊維がポリイミド系樹脂で覆われない部分が通常の方法では存在するが、マイクロ波加熱を行なったものについては行なわないものに比べてポリイミド系樹脂で完全に覆われる確率が高くなるためであると考えられる。
これに対して、サンプルNo.8Aの試験片の引っ張り強度の値は、サンプルN0.9Aの試験片の引っ張り強度の値と同等であり、明らかに低いものであった。これは、気相成長炭素繊維がポリプロピレンから抜けてしまうことが原因であるものと推察される。
2−2.ナノカーボン複合体の成形材料としての評価
実施例2、3で製造されたナノカーボン複合体を、粉末成形機を用いて、室温で5t/cmの圧力で1軸成形した。
次に、これを、窒素雰囲気中、500℃で無加圧焼成して、樹脂成形体(サンプルNo.1B、2B)を作成した。
また、4,4’−ジアミノフェニルエーテルと無水ピロメリト酸との重合反応により得られたポリイミド系樹脂を用いて、前記と同様にして樹脂成形体(サンプルNo.3B)を作成した。
なお、各サンプルNo.の樹脂成形体は、それぞれ、10個ずつ作成した。
そして、各樹脂成形体について、それぞれ、曲げ強度、熱変形温度を測定した。
その結果を表3に示す。
Figure 2006112005
なお、表3に示す曲げ強度および熱変形温度の値は、それぞれ、各サンプルNo.の樹脂成形体の10個の平均値である。
表3に示すように、サンプルNo.1B、2Bの樹脂成形体は、いずれも、強度が大きく、耐熱性に優れていた。
これに対して、サンプルNo.3Bの樹脂成形体は、強度が低く、耐熱性にも劣っていた。
本発明のナノカーボン複合体の実施形態を示す模式図である。 実施例1で製造されたナノカーボン複合体を示す電子顕微鏡写真である。 図2の拡大写真である。 実施例2で製造されたナノカーボン複合体を示す電子顕微鏡写真である。
符号の説明
1……ナノカーボン複合体 2……ナノカーボン 3……ポリイミド系樹脂

Claims (17)

  1. ナノカーボンの表面の少なくとも一部を、結晶化したポリイミド系樹脂で被覆してなることを特徴とするナノカーボン複合体。
  2. 前記ナノカーボンは、主として気相成長炭素繊維で構成されている請求項1に記載のナノカーボン複合体。
  3. 前記ポリイミド系樹脂は、全芳香族ポリイミド系樹脂を主成分とするものである請求項1または2に記載のナノカーボン複合体。
  4. 前記ポリイミド系樹脂で構成された部分は、多孔質である請求項1ないし3のいずれかに記載のナノカーボン複合体。
  5. 棒状粒子である請求項1ないし4のいずれかに記載のナノカーボン複合体。
  6. 前記棒状粒子の長さは、30μm以下である請求項5に記載のナノカーボン複合体。
  7. 前記棒状粒子の外径は、10μm以下である請求項5または6に記載のナノカーボン複合体。
  8. 樹脂材料に混合して使用するものである請求項1ないし7のいずれかに記載のナノカーボン複合体。
  9. 樹脂成形体の機械的強度を向上させるためのフィラーとして使用するものである請求項1ないし8のいずれかに記載のナノカーボン複合体。
  10. ポリアミド酸系化合物とナノカーボンとを含有する分散液を加熱することにより、該分散液中において、前記ポリアミド酸系化合物をポリイミド系樹脂に変化させるとともに、前記ナノカーボンの表面の少なくとも一部において結晶化させることを特徴とするナノカーボン複合体の製造方法。
  11. 前記分散液は、ジアミン系化合物を含有する溶液とナノカーボンとを混合した後、この混合液とテトラカルボン酸系化合物とを混合することにより調整される請求項10に記載のナノカーボン複合体の製造方法。
  12. 前記ナノカーボンの混合量と、前記ジアミン系化合物および前記テトラカルボン酸系化合物の合計の混合量との比は、重量比で10:1〜1:20である請求項11に記載のナノカーボン複合体の製造方法。
  13. 前記分散液は、前記ポリアミド酸系化合物の前記ポリイミド系樹脂への変化を促進させるイミド化促進物質を含有する請求項10ないし12のいずれかに記載のナノカーボン複合体の製造方法。
  14. 前記ナノカーボンは、超音波を付与することにより、前記分散液に分散される請求項10ないし13のいずれかに記載のナノカーボン複合体の製造方法。
  15. 前記分散液の加熱温度は、150℃以上である請求項10ないし14のいずれかに記載のナノカーボン複合体の製造方法。
  16. 前記分散液の加熱時間は、1〜15時間である請求項10ないし15のいずれかに記載のナノカーボン複合体の製造方法。
  17. 前記ナノカーボンは、予めマイクロ波により加熱処理されたものである請求項10ないし16のいずれかに記載のナノカーボン複合体の製造方法。
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