JP2008048786A - 医療業務支援システム - Google Patents

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Abstract

【課題】効率的かつ適切に手術室内に必要な要員(医療従事者)を配置し、効果的かつ迅速に手技等の医療業務を支援する。
【解決手段】システムコントローラ22aは、シリアルI/F部221、音声認識部222、リモコンI/F部223、タッチパネルI/F部224、集中表示画像生成部225、システム制御部226、対応要員情報格納部227及び機器対応情報格納部228を備えて構成される。システム制御部226は、システムコントローラ22aの各部を制御する制御部であり、機器異常検知部226a、異常解析部226b、要員抽出部226cを備えて構成される。
【選択図】図3

Description

本発明は、医療業務を支援する医療業務支援システムに関する。
近年、内視鏡を用いて手技を行う内視鏡手術システムが広く普及し、用いられる医療機器も多岐に及んでいる。
このよう内視鏡手術システムで用いられる医療機器は、電子内視鏡システムの他に、電気メス装置、超音波装置、気腹装置等を備えており、例えば特開2003−76786号公報あるいは特開2003−70746号公報に提案されているように、これらの機器がシステムとして統合管理され、システムコントローラ下に配置された操作機器により制御される。
特開2003−76786号公報 特開2003−70746号公報
上述した内視鏡手術システム等が配備される手術室において、手技を実施する場合、術者並びに複数の補助者である看護士が配置される。
従来は、手術室に配置させる人員を効率的に管理するために、例えば同時進行している手技を実施している2つの手術室に配置する看護士は1手術室毎に1看護士配置といった管理を行う場合等は、手術室外の複数の外回り看護士は、複数の手術室を掛け持ちで担当することになる。
このため、医療業務に支障が生じた場合、例えば手術室内の医療機器に異常が発生した場合、機器異常に対応できる看護士が必ずしも手術室に配置されるとは限らない。
すなわち、機器異常に対応できる看護士が手術室の外回りを担当していると、手術室内の術者及び看護士のみで異常処理を行わなければならず、異常処理の対応に時間を要するといった問題や、特に手術室内の術者及び看護士が異常処理に不慣れな場合、適切な異常処理ができないといった問題ある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、効率的かつ適切に手術室内に必要な要員(医療従事者)を配置し、効果的かつ迅速に手技等の医療業務を支援することのできる医療業務支援システムを提供することを目的としている。
本発明の医療業務支援システムは、
医療機器の異常を検知する機器異常検知手段と、
前記機器異常検知手段が検知した前記医療機器の異常状態を解析する異常状態解析手段と、
少なくとも、複数の医療従事者の情報を前記医療機器の異常状態に応じた対応レベルに分類して記憶する医療従事者情報格納手段と、
前記異常状態解析手段の解析結果に基づき、前記医療従事者情報格納手段からの前記対応レベルに分類された前記医療従事者を抽出する医療従事者情報抽出手段と、
医療従事者所在管理手段からの前記複数の医療従事者毎の所在情報に基づき、前記医療従事者情報抽出手段にて抽出された前記医療従事者の所在位置を検出する所在位置検出手段と、
前記医療従事者に呼び出し情報を通知するための、複数の医療業務実施エリア毎に設けられた複数の通知手段と、
前記所在位置検出手段の検出結果に基づき、前記通知手段による前記医療従事者に呼び出し情報の通知を制御する通知制御手段と、
を備えて構成される。
本発明によれば、効率的かつ適切に手術室内に必要な要員(医療従事者)を配置し、効果的かつ迅速に手技等の医療業務を支援することができるという効果がある。
以下、図面を参照しながら本発明の実施例について述べる。
図1ないし図12は本発明の実施例1に係わり、図1は医療業務支援システムの構成を示す構成図、図2は図1の手術システムとしての一例である、内視鏡手術システムの構成を示す構成図、図3は図2のシステムコントローラの構成を示すブロック図、図4は図3の対応要員情報格納部に格納されるデータを第1の説明図、図5は図3の機器異常情報格納部に格納されるデータを第1の説明図、図6は図3の機器異常情報格納部に格納されるデータを第2の説明図、図7は図3の対応要員情報格納部に格納されるデータを第2の説明図、図8は図2のシステムコントローラの処理の流れを示すフローチャート、図9は図8の対応要員抽出処理の流れを示すフローチャート、図10は図8の呼び出し要員抽出処理の流れを示すフローチャート、図11は図1の医療業務支援システムの変形例を説明する第1の図、図12は図1の医療業務支援システムの変形例を説明する第2の図である。
図1に示すように、本実施例の医療業務支援システム100は、複数、例えば6つの第1ないし第6手術室2a〜2fに配備された第1ないし第6手術システム1a〜1fと、これら第1ないし第6手術システム1a〜1fに設けられている各システムコントローラ22a〜22fと院内LAN110にて接続された医療従事者所在管理手段としての入退室管理システム101とから構成される。
第1ないし第6手術室2a〜2fは、室内への入退ための入退室ゲート50a〜50fを有している。これら入退室ゲート50a〜50fは、RF-RDタグ(図示せず)に対してデータを読み書きするRF-RDリード/ライト装置54a〜54fを設けている。そして、RF-RDリード/ライト装置54a〜54fは、入退室管理システム101に接続されている。RF-RDリード/ライト装置54a〜54fは、医療従事者(以下、要員ともいう)が携帯しているRF-RDタグ(図示せず)内のデータを読み出し、そのデータを入退室管理システム101に出力する。
RF-RDタグ(図示せず)内のデータは、医療従事者を識別する識別情報、RF-RDリード/ライト装置54a〜54fにアクセスされた時刻データ等からなる入退室情報である。
これにより、入退室管理システム101は、この識別情報及び時刻データ等からなる前記入退室情報に基づき、第1ないし第6手術室2a〜2fに入退室している医療従事者の所在位置を、少なくとも手術室レベルにて、医療従事者毎にリアルタイムに管理している。
第1ないし第6手術システム1a〜1fは、ほぼ同様な構成であるので、図2を用いて、例えば第1手術室2aに配置される手術システム1aとしての一例である、内視鏡手術システム3について説明する。
図1に示すように、手術室2a内には、患者48が横たわる患者ベッド10と、内視鏡手術システム3が配置される。この内視鏡手術システム3は、第1カート11及び第2カート12を有している。また、患者ベッド10の上部天井部には、術中の術者の手元を照らす、無影灯55が設けられている。この無影灯55の近傍には、シーリングカメラ103が配置されており、シーリングカメラ103は、必要に応じて術中の術者の手元の画像を撮像する。また、手術室2の天井部には、ルームカメラ102が配置されており、このルームカメラ102は、手術中の手術室2の全景を撮像するようになっている。
前記第1カート11は、被制御装置である医療機器として例えば電気メス装置13、気腹装置14、内視鏡用カメラ装置15及び光源装置16と、二酸化炭素等を充填したガスボンベ18を搭載配置している。内視鏡用カメラ装置15は、カメラケーブル31aを介して第1の内視鏡31に接続される。光源装置16は、ライトガイドケーブル31bを介して第1の内視鏡31に接続される。
また、第1カート11は、表示装置19、第1の集中表示パネル20、出力画像表示手段としての操作パネル21等も搭載配置している。表示装置19は、内視鏡用カメラ装置15からの内視鏡画像等を表示する、例えばTVモニタである。集中表示パネル20は、手術中のあらゆるデータを選択的に表示させることが可能な表示手段となっている。操作パネル21は、例えば液晶ディスプレイ等の表示部とこの表示部上に一体的に設けられた例えばタッチパネルにより構成され、非清潔域(非滅菌域)にいる看護師等が操作する集中操作装置になっている。
更に、第1カート11は、制御装置であるシステムコントローラ22aを搭載配置している。このシステムコントローラ22aは、上述の電気メス装置13、気腹装置14、内視鏡用カメラ装置15及び光源装置16の各装置と、図示しない通信線を介して接続しており、これらの装置をシリアル通信により制御するようになっている。また、システムコントローラ22aはヘッドセット型のマイク33が接続でき、システムコントローラ22aはマイク33から入力された音声を認識し、術者の音声により各機器を制御できるようになっている。
一方、前記第2カート12は、被制御装置である内視鏡用カメラ装置23、光源装置24、麻酔装置51、輸血装置52、表示装置26及び第2の集中表示パネル27を搭載配置している。内視鏡用カメラ装置23はカメラケーブル32aを介して第2の内視鏡32に接続される。光源装置24はライトガイドケーブル32bを介して第2の内視鏡32に接続される。表示装置26は、内視鏡用カメラ装置23でとらえた内視鏡画像等を表示する。第2の集中表示パネル27は、手術中のあらゆるデータを選択的に表示させることが可能になっている。
これら内視鏡用カメラ装置23と光源装置24と画像処理装置25とは、第2カート12に載置された中継ユニット28に図示しない通信線を介して接続されている。そして、この中継ユニット28は、中継ケーブル29によって、上述の第1カート11に搭載されているシステムコントローラ22aに接続されている。
したがって、システムコントローラ22aは、これらの第2カート12に搭載されている内視鏡用カメラ装置23、光源装置24、麻酔装置51及び輸血装置52と、第1カート11に搭載されている電気メス装置13、気腹装置14、内視鏡用カメラ装置15及び光源装置16とを集中制御するようになっている。
このため、システムコントローラ22aとこれらの装置との間で通信が行われている場合、システムコントローラ22aは、上述の操作パネル21の液晶ディスプレイ上に、接続されている装置の設定状態や操作スイッチ等の設定画面を表示できるようになっている。
さらに、システムコントローラ22aは、操作パネル21の所望の操作スイッチが触れられて所定領域のタッチパネルが操作されることによって設定値の変更等の操作入力が行えるようになっている。
リモートコントローラ30は、清潔域(滅菌域)にいる執刀医等が操作する第2集中操作装置であり、通信が成立している他の装置を、システムコントローラ22aを介して操作することができるようになっている。
さらに、システムコントローラ22aは、中継ユニット28を介して前記麻酔装置51及び輸血装置52に接続されており、麻酔装置51及び輸血装置52による患者48の麻酔状態、輸血状態を監視し、この監視結果を所要の表示装置に表示させることができる。
システムコントローラ22aは、図3に示すように、シリアルI/F(インターフェイス)部221、音声認識部222、リモコンI/F部223、タッチパネルI/F部224、集中表示画像生成部225、所在位置検出手段及び通知制御手段としてのシステム制御部226、医療従事者情報格納手段としての対応要員情報格納部227及び、機器対応情報格納部228を備えて構成される。なお、システム制御部226は、システムコントローラ22aの各部を制御する制御部であり、機器異常検知手段としての機器異常検知部226a、異常状態解析手段としての異常解析部226b、医療従事者情報抽出手段としての要員抽出部226cを備えて構成される。
シリアルI/F部221は、第1カート11に搭載されている電気メス装置13、気腹装置14、内視鏡用カメラ装置15及び光源装置16等の各種周辺医療機器と、第2カート12に搭載されている中継ユニット28と、例えばRS−232C等のシリアル通信を行うI/F部である。中継ユニット28を介することで、シリアルI/F部221は、第2カート12に搭載されている各種周辺医療機器である内視鏡用カメラ装置23、光源装置24、麻酔装置51及び輸血装置52とデータ通信ができるようになっている。
音声認識部222は、マイク33からの音声信号をサンプリングし、音声データとして認識し、認識した音声データを例えばキャラクタデータとしてシステム制御部226に出力するものである。
リモコンI/F部223は、リモコンからのデータをシステム制御部226に出力するI/F部である。
タッチパネルI/F部224は、操作パネル21のタッチパネル機能を実現するためのI/F部である。すなわち、タッチパネルI/F部224は、操作パネル21にシステム制御部226が生成したタッチ画像を送ると共に、操作パネル21からの座標信号を入力してシステム制御部226に出力する。
集中表示画像生成部225は、シリアルI/F部221を介して入力した各種周辺医療機器の制御情報をシステム制御部226より取り込み、集中表示パネル20が表示する制御情報に応じた表示画像を生成する画像生成部である。
機器異常情報格納部228は、シリアルI/F部221を介することで、システム制御部226が各種周辺医療機器の制御状態を監視している際に、システム制御部226が各種周辺医療機器に異常を検知した場合に、その異常に関するデータをデータベース化して格納している。そして、システム制御部226は、各種周辺医療機器に異常に関する機器異常情報を機器異常情報格納部228より抽出する。
また、対応要員情報格納部227は、機器対応情報格納部228に格納している機器対応情報に基づき、機器の異常に対応できる要員(医療従事者)のデータをデータベース化して格納している。そして、システム制御部226は、各種周辺医療機器に異常に対応できる要員(医療従事者)のデータを対応要員情報格納部227より抽出する。
対応要員情報格納部227は、図4に示すように、要員(医療従事者)を識別する要員ID毎に、
(1) 対応可能レベル
(2) 休憩時間までに残り時間
(3) 勤務終了時間
(4) 性別
(5) 年齢
(6) 個性情報(専門知識)
(7) 呼び出し許可情報(フラグ)
(8) 単位時間あたりの対処エラー回数
(9) 経験値(経験症例数)
等のデータがデータベース化して格納されている。これらデータは、操作パネル21を用いることで、システムコントローラ22aにより設定される。
なお、呼び出し許可情報(フラグ)は、手技中に手術室間の移動が困難と予想される要員(医療従事者)に対して、例えば呼び出し許可情報(フラグ)=0ならば呼び出し可能、呼び出し許可情報(フラグ)=1ならば呼び出し拒否等、操作パネル21を用いることで、システムコントローラ22aにより設定される。
また、機器異常情報格納部228は、図5に示すように、
(1) 緊急度/難易度分類テーブル
(2) 想定対処時間
(3) 再発度
等のデータがデータベース化して格納されている。これらデータは、操作パネル21を用いることで、システムコントローラ22aにより設定される。
前記緊急度/難易度分類テーブルは、図6に示すように、各種周辺医療機器の異常を、緊急度(4〜1)、難易度(4〜1)に応じて、SA:緊急異常、AA:優先度大異常、A: 優先度中異常、B:優先度小異常等に分類して、テーブルデータ化したデータである。これらデータは、操作パネル21を用いることで、システムコントローラ22aにより設定される。
要員(医療従事者)の対応可能レベルは、上記のSA:緊急異常、AA:優先度大異常、A: 優先度中異常、B:優先度小異常に対応可能なレベルを指す。以下に、これらの異常の一例を示す。
SA:緊急異常の例=麻酔装置51の重大故障、輸血装置52の重大故障、内視鏡装置(内視鏡、内視鏡用カメラ装置及び光源装置を含む)の重大故障、システムコントローラ22aの重大故障(なお、重大故障とは、システム起動時のOSエラー、電源故障、空冷ファン停止等の故障である)。
AA:優先度大異常の例=突発出血による輸血不足、電気メス装置13の重大故障、リモコン30等の操作装置の重大故障。
A: 優先度中異常の例=一般薬剤不足、気腹チューブ詰まり、電気メスハンドピース交換、光源ランプ交換等。
B:優先度小異常の例=輸血不足、記録メディア交換、手術室清掃等。
対応可能レベルaの要員(医療従事者)は、SA:緊急異常、AA:優先度大異常、A: 優先度中異常、B:優先度小異常の全ての異常に対応可能な要員として登録される。この登録は、操作パネル21を用いることで、システムコントローラ22aにより設定される。
対応可能レベルbの要員(医療従事者)は、AA:優先度大異常、A: 優先度中異常、B:優先度小異常の異常に対応可能な要員として登録される。
対応可能レベルcの要員(医療従事者)は、A: 優先度中異常、B:優先度小異常の異常に対応可能な要員として登録される。
対応可能レベルdの要員(医療従事者)は、B:優先度小異常のみ異常に対応可能な要員として登録される。
また、対応要員情報格納部227は、図7に示すような要員管理テーブルを格納している。この要員管理テーブルは、要員ID毎に、対応可能レベル、在室状態(入室時間)、在室場所、勤務終了時間、休憩時間までの残り時間等のデータをテーブル化したものである。この要員管理テーブルの在室状態(入室時間)、在室場所は、システムコントローラ22aが院内LAN110を介して入退室管理システム101より入手される。
つぎに、このように構成された本実施例の作用について、図8ないし図10のフローチャートを用いて説明する。
図8に示すように、ステップS1にて第1手術室2aに配置される手術システム1aとしての一例である、内視鏡手術システム3による手技が開始されると、システムコントローラ22aは、ステップS2にてシリアルI/F部221を介して、電気メス装置13、気腹装置14、内視鏡用カメラ装置15、光源装置16、内視鏡用カメラ装置23、光源装置24、麻酔装置51及び輸血装置52の各種周辺医療機器を監視し、機器異常検知部226aにより機器の異常が検知されたかどうか判断する。
機器の異常が検知されると、システムコントローラ22aは、ステップS3にてエラー処理を開始し、ステップS4にてシステム制御部226の異常解析部226bにより機器対応情報格納部228に格納されているデータを用いて各種周辺医療機器の異常情報を解析し、解析結果を機器対応情報格納部228に格納する。
そして、システムコントローラ22aは、システム制御部226による解析結果に基づき、ステップS5にてシステム制御部226の要員抽出部226cにより対応要員情報格納部227に格納されているデータに基づき要員(医療従事者)の対応可能レベルの、要員抽出を実行する。このステップS5の対応要員抽出処理の詳細は後述する。
そして、システムコントローラ22aは、ステップS6にて院内LAN110を介して入退室管理システム101より、ステップS5において抽出した対応可能レベルの、要員の所在情報を取得して、システム制御部226により図7に示した要員管理テーブルデータを生成し、この要員管理テーブルデータを対応要員情報格納部227に格納する。
次に、システムコントローラ22aは、ステップS7にてシステム制御部226の要員抽出部226cにより要員管理テーブルデータ(図7)を用いて、呼び出し要員抽出処理を実行する。このステップS7の呼び出し要員抽出処理の詳細は後述するが、このステップでは、対応可能レベルの、要員(医療従事者)のうち、最適な優先順位をつけて複数の要員(医療従事者)の候補を抽出すると共に、呼び出し可能な要員(医療従事者)を、該優先順位に基づいて選出する。
そして、システムコントローラ22aは、ステップS8にて、選出された要員(医療従事者)の呼び出しを実行し、ステップS9にて呼び出した要員(医療従事者)による機器の異常処理の完了を待つ。
機器の異常処理が完了すると、システムコントローラ22aは、ステップS10にてエラーを解除し、ステップS11にて手技が終了するまで、上記ステップS2〜ステップS10の処理を繰り返す。
ここで、ステップS8における選出された要員(医療従事者)の呼び出しについて説明する。要員(医療従事者)の呼び出しは、システムコントローラ22aが呼び出し情報を通知手段としての操作パネル21あるいは集中表示パネル20に表示することにより実施される。
なお、各手術室に図示しない通知手段としてのスピーカを設け、システムコントローラ22aが呼び出し情報をスピーカからの音声により通知して要員(医療従事者)の呼び出しを行うようにしてよい。また、各手術室に図示しない通知手段としての回転灯を設け、システムコントローラ22aが呼び出し情報を回転灯の点灯として通知して要員(医療従事者)の呼び出しを行うようにしてよい。
次に、ステップS5の対応要員抽出処理の詳細な処理について説明する。この対応要員抽出処理では、図9に示すように、システムコントローラ22aは、ステップS21にてシステム制御部226により対応情報格納部228に格納されている解析結果、すなわち、異常情報の分類結果を抽出する。
そして、システムコントローラ22aは、ステップS22にて異常情報の分類結果がSA(図6参照)と判断すると、ステップS23にて対応要員情報格納部227に格納されているデータより対応可能レベルがレベルaの、要員(医療従事者)抽出を実行する。この時点では、要員(医療従事者)の所在等は、考慮されておらず、対応可能レベルがレベルaの全ての要員(医療従事者)が抽出される。
また、システムコントローラ22aは、ステップS24にて異常情報の分類結果がAA(図6参照)と判断すると、ステップS25にて対応要員情報格納部227に格納されているデータより対応可能レベルがレベルbの、要員(医療従事者)抽出を実行する。この時点では、要員(医療従事者)の所在等は、考慮されておらず、対応可能レベルがレベルbの全ての要員(医療従事者)が抽出される。
さらに、システムコントローラ22aは、ステップS26にて異常情報の分類結果がA(図6参照)と判断すると、ステップS27にて対応要員情報格納部227に格納されているデータより対応可能レベルがレベルcの、要員(医療従事者)抽出を実行する。この時点では、要員(医療従事者)の所在等は、考慮されておらず、対応可能レベルがレベルcの全ての要員(医療従事者)が抽出される。
さらにまた、システムコントローラ22aは、ステップS26にて異常情報の分類結果がAではなくB(図6参照)と判断すると、ステップS28にて対応要員情報格納部227に格納されているデータより対応可能レベルがレベルdの、要員(医療従事者)抽出を実行する。この時点では、要員(医療従事者)の所在等は、考慮されておらず、対応可能レベルがレベルdの全ての要員(医療従事者)が抽出される。
例えば、図7に示した要員管理テーブルの場合、対応可能レベルbの要員(医療従事者)(AA:優先度大異常、A: 優先度中異常、B:優先度小異常の異常に対応可能な要員)を必要とする機器異常が第1手術室で発生したとする。このような場合、図7に示すように、呼び出しの対象となる要員(医療従事者)の要員IDは、要員ID=0003,0004,0010,0011となる。
ここで、全ての呼び出し対象の要員(医療従事者)に呼び出し通知を実施すると、必要以上の人数の要員(医療従事者)が第1手術室に招集されることとなる。
そこで、本実施例では、システムコントローラ22aはステップS7の呼び出し要員抽出処理を実施する。
つぎに、ステップS7の呼び出し要員抽出処理の詳細な処理について説明する。この呼び出し要員抽出処理では、システムコントローラ22aは、図10に示すように、ステップS31にて機器の異常処理に要する推定処理時間データを対応情報格納部228より読み出し、ステップS32にて推定処理時間が10分以上かどうか判断する。
推定処理時間が10分未満であれば、システムコントローラ22aは、ステップS33にて、ステップS5の対応要員抽出処理により抽出した要員(医療従事者)の中から、対応要員情報格納部227より単位時間あたりの対処エラー回数の少ない要員(医療従事者)を抽出し、ステップS34にて「呼び出し優先順位1位」の要員(医療従事者)として選出する。
推定処理時間が10分以上であれば、システムコントローラ22aは、ステップS35にてステップS5の対応要員抽出処理により抽出した要員(医療従事者)の勤務終了時間を対応要員情報格納部227より抽出し、それぞれの要員(医療従事者)の勤務終了時間までの残り時間が10分以上かどうか判断する。
そして、システムコントローラ22aは、ステップS36にて勤務終了時間までの残り時間が10分以上の要員(医療従事者)について、ステップS37にて休憩開始時間を対応要員情報格納部227より抽出し、ステップS38にて休憩開始時間までの残り時間が10分以上かどうか判断する。そして、システムコントローラ22aは、ステップS39にて休憩開始時間までの残り時間が10分以上の要員(医療従事者)を「呼び出し優先順位2位」の要員(医療従事者)として選出する。
また、システムコントローラ22aは、ステップS40にて勤務終了時間までの残り時間が10分以上の要員(医療従事者)で、休憩開始時間までの残り時間が10分未満の要員(医療従事者)を「呼び出し優先順位3位」の要員(医療従事者)として選出する。さらに、システムコントローラ22aは、ステップS41にて勤務終了時間までの残り時間が10分未満の要員(医療従事者)を「呼び出し優先順位4位」の要員(医療従事者)として選出する。
そして、上述したように、システムコントローラ22aは、ステップS8にて、選出された要員(医療従事者)の呼び出しを実行する(図8参照)。
なお、ステップS7の呼び出し要員抽出処理では、システムコントローラ22aは、呼び出し対象の要員(医療従事者)に呼び出しの優先順位を以下のように設定して、最適な要員(医療従事者)を選定することができる。この設定は、操作パネル21を用いることで、システムコントローラ22aにより設定される。
例えば、同一の対応可能レベルの要員(医療従事者)が複数いる場合には、要員(医療従事者)の生年月日やアルファベット順等、適宜優先度をつけて優先順位を設定する。また、2回目以降の呼び出しにおいて、同一の対応可能レベルの要員(医療従事者)が複数いる場合には、システムコントローラ22aは、「時間当たりの対応エラー回数」をカウントすることにより、平均的に異常対処を行う要員(医療従事者)の優先順位を設定することが可能となる。
さらに、各要員のデータには、上述したように、年齢、性別、個性情報があるので、異常内容以外に、例えば(1)重量物の移動、(2)高位置保管物の移動、(3)専門性(個性)等の特殊な業務がある場合には、システムコントローラ22aは、これら年齢、性別、個性情報に基づき、異常対処を行う要員(医療従事者)の優先順位を設定するようにしてもよい。
さらに、操作パネル21を用いることで、システムコントローラ22aは、異常の通知だけでなく、例えば生理食塩水等の不足品の補充依頼の通知を要員(医療従事者)に行うことができる。例えばある手術室に設けられている操作パネル21をより不足品を入力することで、他の手術室に設けられている操作パネル21あるいは集中表示パネル20にこの不足品を表示することで、前記他の手術室にいる要員(医療従事者)に対して、不足品を保管している保管庫に出向かせ、不足品の補充を指示することが可能となる。
このように本実施例では、要員(医療従事者)の所在情報をリアルタイムで一元的に管理し、機器に異常が発生した場合には、機器の異常に対応可能な対応レベルの要員(医療従事者)を優先順位を設定して抽出し、異常が発生した機器への対処のための要員(医療従事者)の配置を、適切かつ迅速に実施することができ、手技を効率的かつ効果的に支援することができる。
なお、本実施例では、呼び出し許可情報(フラグ)=0で呼び出し可能と設定されている要員(医療従事者)であっても、例えば
(1) 異常発生時に在室している手術室で重要な作業をしていた
(2) 次のシフト要員に申し送り(引き継ぎ)作業を行っていた
(3) 担当術者と手術前のオリエンテーション(手術直前打ち合せ)をしていた
等の理由により、要員(医療従事者)が異常発生時に対応ができない場合がある。
本実施例では、要員(医療従事者)の手術室への入退室を入退室管理システム101にて一元管理しており、異常発生から所定時間内に呼び出した要員(医療従事者)の退室情報及び、異常発生した手術室への入室情報が入退室管理システム101にて管理される。そこで、呼び出し要員(医療従事者)が所定時間内に異常発生した手術室に移動できずに異常処理ができないと判断すると、入退室管理システム101から異常発生した手術室のシステムコントローラ22に呼び出し要員(医療従事者)の移動不可情報が送信される。この移動不可情報に基づき、システムコントローラ22は、次に優先順位の低い要員(医療従事者)を自動的に呼び出す。
詳細には、入退室管理システム101は、図11に示すような移動所要時間テーブルを予め格納している。入退室管理システム101は、異常発生時の呼び出し要員(医療従事者)の退室情報と、この移動所要時間テーブルによる手術室間の移動所要時間とを参照し、異常発生した手術室への入室情報を検知することで、所定時間内に呼び出し要員(医療従事者)が異常発生した手術室に移動できていないと判断すると、上記の移動不可情報を異常発生した手術室のシステムコントローラ22に送信する。
この場合、すなわち、移動不可情報を受信した手術室のシステムコントローラ22の処理の変形例の流れを図12を用いて説明する。この変形例の処理は図8とほとんど同じであるので、異なる点のみ説明する。
この変形例の処理では、例えば第1手術室2aにて機器異常が発生すると、まず、システムコントローラ22aは、図8のステップS1〜S8で説明したように、優先順位が1位の呼び出し要員(医療従事者)に対して呼び出し通知を実行する。
そして、図12に示すように、ステップS12にて上記の移動不可情報を入退室管理システム101から受信したかどうか検知する。移動不可情報を入退室管理システム101から受信すると、システムコントローラ22aは、ステップS13にて呼び出し要員(医療従事者)の優先度(優先順位)を下げて、ステップS8に戻り再度、優先度(優先順位)を下げた要員(医療従事者)の呼び出しを実行する。
この変形例の処理では、図12に示すように、異常処理の完了が検知されるまでの間に、ステップS14及びS15の処理を実施する。
すなわち、システムコントローラ22aは、ステップS14にて異常処理の完了までの時間が所定時間経過しているかどうか判断し、所定時間内ならばステップS9に戻り、所定時間経過した場合には、ステップS15に処理を移行する。ステップS15では、システムコントローラ22aは、要員(医療従事者)の対応レベルを上位のレベルに変更してステップS6に戻る。
入退室管理システム101は、呼び出し対象の要員(医療従事者)が、異常発生時に在室していた手術室から退室した後、異常発生した手術室に入室するまでを、手術室間の移動所要時間を考慮して移動不可情報をシステムコントローラ22aに送信するので、システムコントローラ22aは、図12に示すような変形例の処理を実施することで、適切なタイミングで、優先順位に従った要員(医療従事者)の呼び出しの変更を実施できる。
また、システムコントローラ22aは、図12に示すような変形例の処理を実施することで、要員(医療従事者)の呼び出しが完了したにも関わらず、異常処理が所定時間内に完了しない場合には、対応レベルが上位の要員(医療従事者)に変更して、再度要員(医療従事者)を抽出し呼び出すことができるので、短時間で、最適な対応レベルによる要員(医療従事者)による適切な異常処理が実行可能となる。
なお、本実施例では手術室の入退室の管理を入退室管理システム101が行うとしたが、これに限らず、ある手術室、例えば第1手術室2aに配置されるシステムコントローラ22aがRF-RDリード/ライト装置54a〜54fより入退室情報を読み取り、手術室の入退室の管理を行うようにしてもよい。
また、システムコントローラ22aは、ルームカメラ102あるいはシーリングカメラ103により手術状態を監視し、画像処理により使用している医療機器の制御状態を判断し、手技の進行状況を判断/把握し、手技進行状態に応じて、要員過不足画像を操作パネル21に表示し、必要な要員(医療従事者)を呼び出し、手術室に効果的かつ効率的に配置するようにしてもよい。
本発明は、上述した実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を変えない範囲において、種々の変更、改変等が可能である。
本発明の実施例1に係る医療業務支援システムの構成を示す構成図 図1の手術システムとしての一例である、内視鏡手術システムの構成を示す構成図 図2のシステムコントローラの構成を示すブロック図 図3の対応要員情報格納部に格納されるデータを第1の説明図 図3の機器異常情報格納部に格納されるデータを第1の説明図 図3の機器異常情報格納部に格納されるデータを第2の説明図 図3の対応要員情報格納部に格納されるデータを第2の説明図 図2のシステムコントローラの処理の流れを示すフローチャート 図8の対応要員抽出処理の流れを示すフローチャート 図8の呼び出し要員抽出処理の流れを示すフローチャート 図1の医療業務支援システムの変形例を説明する第1の図 図1の医療業務支援システムの変形例を説明する第2の図
符号の説明
1a〜1f…手術システム
2a〜2f…手術室
3…内視鏡手術システム
9…通信ケーブル
10…患者ベッド
11…第1のカート
12…第2のカート
13…電気メス
14…気腹装置
15…内視鏡用カメラ装置
16…光源装置
17…VTR
18…ガスボンベ
19…表示装置
20…集中表示パネル
21…操作パネル
22a〜22f…システムコントローラ
23…内視鏡用カメラ装置
24…光源装置
26…表示装置
27…集中表示パネル
28…中継ユニット
29…中継ケーブル
30…リモートコントローラ
33…マイク
50a〜50f…入退室ゲート
51…麻酔装置
52…輸血装置
54a〜54f…RF-RDリード/ライト装置
55…無影灯
100…医療業務支援システム
101…入退室管理システム
102…ルームカメラ
103…シーリングカメラ
110…院内LAN
221…シリアルI/F部
222…音声認識部
223…リモコンI/F部
224…タッチパネルI/F部
225…集中表示画像生成部
226…システム制御部
226a…機器異常検知部
226b…異常解析部
226c…要員抽出部
227…対応要員情報格納部
228…機器対応情報格納部

Claims (3)

  1. 医療機器の異常を検知する機器異常検知手段と、
    前記機器異常検知手段が検知した前記医療機器の異常状態を解析する異常状態解析手段と、
    少なくとも、複数の医療従事者の情報を前記医療機器の異常状態に応じた対応レベルに分類して記憶する医療従事者情報格納手段と、
    前記異常状態解析手段の解析結果に基づき、前記医療従事者情報格納手段からの前記対応レベルに分類された前記医療従事者を抽出する医療従事者情報抽出手段と、
    医療従事者所在管理手段からの前記複数の医療従事者毎の所在情報に基づき、前記医療従事者情報抽出手段にて抽出された前記医療従事者の所在位置を検出する所在位置検出手段と、
    前記医療従事者に呼び出し情報を通知するための、複数の医療業務実施エリア毎に設けられた複数の通知手段と、
    前記所在位置検出手段の検出結果に基づき、前記通知手段による前記医療従事者に呼び出し情報の通知を制御する通知制御手段と、
    を備えたことを特徴とする医療業務支援システム。
  2. 前記複数の医療業務実施エリアは、複数の手術室であり、前記医療機器は前記手術室に配置されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の医療業務支援システム。
  3. 前記医療従事者情報格納手段は、前記医療従事者の属性情報を記憶し、
    前記医療従事者情報抽出手段は、前記属性情報に基づき、抽出した前記医療従事者に優先順位を設定し、
    前記通知制御手段は、前記所在位置検出手段の検出結果と前記優先順位に基づき、前記通知手段による前記医療従事者に呼び出し情報の通知を制御する
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の医療業務支援システム。
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