JP2008046515A - レジスト保護膜形成用樹脂組成物及びそれを用いたパターン形成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 液浸液に対しては親和性を有さず、レジスト層からの低分子成分の溶出やレジスト膜の膨潤を抑制することができるとともに、露光後のアルカリ現像のプロセスで容易に除去でき、良好なパターンプロファイルを得ることができる保護膜を形成できるレジスト保護膜形成用樹脂組成物を提供する。
【解決手段】 少なくともラクトン構造を有する繰り返し単位を有するポリマーを含むレジスト保護膜形成用樹脂組成物。この樹脂組成物においては、ラクトン構造を有する繰り返し単位とともにフッ素原子を有する繰り返し単位を有するポリマーを含むのが好ましい。また、ラクトン構造を有する繰り返し単位とともにフッ素原子を有する繰り返し単位及びスルホ基又はカルボキシル基を有する繰り返し単位を有するポリマーを含むのがより好ましい。
【選択図】 なし

Description

本発明は、半導体加工の際にレジストの上層に設ける保護膜を形成するために用いるレジスト保護膜形成用樹脂組成物とそれを用いたパターン形成方法に関する。より詳しくは、液浸露光システムを用いて露光する際の液浸用保護膜を形成するためのレジスト保護膜形成用樹脂組成物とそれを用いたパターン形成方法に関する。
近年、LSIの高集積化に伴い、半導体パターンの微細化が急速に進められている。これまではレジストパターンの形成の際に使用する露光光として、水銀灯のg線(436nm)もしくはi線(365nm)を光源とする光源光が広く用いられ、現在ではKrFエキシマレーザー(248nm)が主流となり、ArFエキシマレーザー(193nm)を用いたフォトリソグラフィーが立ち上がりつつある。しかしながら、ArFエキシマレーザーを用いても65nmノードまでは対応可能であるが、45nmノードでは十分な解像度を得ることができないため、更なる技術開発が進められている。
新技術の候補の一つとして露光光の短波長化が取り上げられ、F2(157nm)リソグラフィーの検討が行われていたが、装置・材料の両面から課題が多数持ち上がっており、現在では液浸ArFエキシマレーザーが45nmノードでの主力となるであろうと予想され、盛んに検討が行われている。
液浸露光システムにおいて浸漬する液としては空気より小さい屈折率を有する様々な化合物が検討されているが、価格、取り扱いの容易さ等の観点から水が検討されている。ここで、レジストの上に水が存在することによる様々な問題が指摘された。発生した酸や、クエンチャーとしてレジストに添加しているアミン化合物が水に溶解してしまうことによる形状変化や、膨潤によるパターン倒れなどである。そのため、レジストと水との間に保護膜を設けることが有効であることが提案されている。
保護膜として要求される特性としては、(i)液浸液へのレジスト膜からの低分子成分等の溶出の防止、(ii)レジスト膜への密着性、(iii)液浸液と親和性を有しないこと、(iv)液浸露光後に容易に除去可能であること、(v)露光光に対する透明性、等が挙げられる。
特開2006−91798号公報には、水中で露光を行った後に現像を行う液浸リソグラフィーによるパターン形成方法において、レジスト上層膜(保護膜)の材料として非水溶性でアルカリ可溶性材料を用いる方法が提案されている。この文献では、フッ素を有する繰り返し単位と、アルカリに溶解する親水性基としてスルホ基又はカルボキシル基を有する繰り返し単位とを共重合したポリマーを用いている。ところがこのような組み合わせでは、共重合される繰り返し単位の親水性と疎水性の差が大きいことから、親水性と疎水性の制御を十分に行うことができないため、ウォーターマークやアルカリ現像時のスカム等の欠陥が生じやすい。
特開2006−91798号公報
従って、本発明の目的は、液浸液に対しては親和性を有さず、レジスト層からの低分子成分の溶出やレジスト膜の膨潤を抑制することができるとともに、露光後のアルカリ現像のプロセスで容易に除去でき、良好なパターンプロファイルを得ることができる保護膜を形成できるレジスト保護膜形成用樹脂組成物と、該樹脂組成物を用いた液浸露光パターン形成方法を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討した結果、少なくともラクトン構造を有する繰り返し単位を有するポリマーを液浸露光時のレジスト上層の保護膜の材料として用いることにより、上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、少なくともラクトン構造を有する繰り返し単位を有するポリマーを含むレジスト保護膜形成用樹脂組成物を提供する。
この樹脂組成物においては、ラクトン構造を有する繰り返し単位とともにフッ素原子を有する繰り返し単位を有するポリマーを含むのが好ましい。また、ラクトン構造を有する繰り返し単位とともにフッ素原子を有する繰り返し単位及びスルホ基又はカルボキシル基を有する繰り返し単位を有するポリマーを含むのがより好ましい。
前記ラクトン構造を有する繰り返し単位において、ラクトン構造を構成するラクトン環に電子吸引性基が結合しているのが好ましい。前記電子吸引性基としては、Hammett則に準じて計算されたFの値が0.50以上である官能基が好ましい。また、前記電子吸引性基としては、NO2、CN、OCN、COCF3、OCOCF3、OSO2CF3、SO2CH3、SO2CH2CH3、SOCH3、SO2CF3、SO2CN、又はSO2Fであるのが好ましい。
本発明は、また、基板上に形成されたレジスト膜上に上記のレジスト保護膜形成用樹脂組成物により保護膜を形成し、次いでレジスト膜を液浸露光し、現像する工程を含むことを特徴とするパターン形成方法を提供する。
本発明によれば、保護膜が液浸液に対しては親和性が低く、レジスト層からの低分子成分の溶出やレジスト膜の膨潤を抑制することができるとともに、アルカリ可溶性であるため、露光後のアルカリ現像のプロセスで容易に除去でき、従って良好なパターンプロファイルを得ることができる。
本発明のレジスト保護膜形成用樹脂組成物は、少なくともラクトン構造を有する繰り返し単位を有するポリマーを含んでいる。ラクトン構造は水に対する耐性は比較的高く、その一方でアルカリに対しては加水分解により可溶化するという特性を持っている。そのため、このようなラクトン構造を有する繰り返し単位を有するポリマーをレジスト保護膜の材料として用いた場合には、液浸露光時は安定でレジスト膜の保護性に優れるとともに、現像の際には現像液に溶解して容易に除去できるという大きな利点があるだけでなく、ラクトン構造を有する単位は同じくアルカリ可溶性を有するスルホ基やカルボキシル基等を有する単位と比較してポリマーの親水性・疎水性を制御しやすく、しかもポリマーの単量体組成を均一にするという機能を有するため、ウォーターマークやアルカリ現像時のスカム等の欠陥を生じにくくできるという格別な長所を有する。ポリマー中のラクトン構造を有する繰り返し単位は1種でもよく、2種以上であってもよい。
ラクトン構造としては、ラクトン環を含む単環又は多環構造であればどのようなものでもよいが、なかでも5員のラクトン環又は6員のラクトン環を含む単環又は多環構造が好ましい。特に好ましいラクトン構造として以下のラクトン構造(1)〜(11)が挙げられる。
Figure 2008046515
上記式中、環Aは脂環式炭素環を示す。Xは、非結合(結合がないこと)、炭素数1〜3の直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基、酸素原子又は硫黄原子を示す。mは0又は1を示す。式(9)及び式(10)において、m=1の場合、式中の2つのXは同一でも異なっていてもよい。
前記環Aにおける脂環式炭素環としては、例えば、シクロプロパン環、シクロブタン環、シクロペンタン環、シクロヘキサン環、シクロヘプタン環、シクロオクタン環、シクロデカン環、シクロドデカン環等の3〜20員(好ましくは3〜10員、さらに好ましくは5〜6員)程度のシクロアルカン環;シクロペンテン環、シクロヘキセン環等の3〜20員(好ましくは3〜10員、さらに好ましくは5〜6員)程度のシクロアルケン環;アダマンタン環、ノルボルナン環、ノルボルネン環等の炭素数4〜20(好ましくは6〜15)程度の橋架け炭素環が挙げられる。これらの中でも3〜10員程度のシクロアルカン環、炭素数6〜15程度の橋架け炭素環が好ましく、特にシクロペンタン環、シクロヘキサン環、ノルボルナン環が好ましい。
ラクトン構造部分[前記式(3)〜(6)における環Aも含む]は置換基を有していてもよく、有していなくてもよい。このような置換基としては、特に限定されず、例えば、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子等)、炭素数1〜8のアルキル基(メチル、エチル基等)、炭素数1〜8のハロアルキル基(トリフルオロメチル基等)、炭素数3〜8のシクロアルキル基(シクロペンチル、シクロヘキシル基等)、ヒドロキシル基、炭素数1〜8のアルコキシ基(メトキシ、エトキシ基等)、炭素数1〜8のハロアルコキシ基(トリフルオロメチルオキシ基等)、カルボキシル基、アルコキシ部分の炭素数が1〜8のアルコキシカルボニル基、炭素数1〜8の脂肪族アシル基、炭素数1〜8の脂肪族アシルオキシ基、ニトロ基(NO2)、シアノ基(CN)、OCN、炭素数1〜8のハロアシル基(COF、COCF3等)、炭素数1〜8のハロアシルオキシ基(OCOCF3等)、炭素数1〜8のハロアルキルスルホニルオキシ基(OSO2CF3)、炭素数1〜8のアルキルスルホニル基(SO2CH3、SO2CH2CH3等)、炭素数1〜8のアルキルスルフィニル基(SOCH3等)、炭素数1〜8のハロアルキルスルホニル基(SO2CF3等)、シアノスルホニル基(SO2CN)、ハロスルホニル基(SO2F等)、アミノスルホニル基(SO2NH2)などが挙げられる。
本発明では、ラクトン構造部分(特に5員又は6員のラクトン環を構成する炭素原子)、なかでもラクトンカルボニル基のα、β、γ、δ位の少なくとも何れかの位置に、少なくとも1つの電子吸引性官能基(電子吸引性基)を有しているのが好ましい。ラクトン構造部分に電子吸引性基を有する場合には、疎水性とアルカリ現像性のバランスに特に優れる。
好ましい電子吸引性基には、例えば、ニトロ基(NO2)、シアノ基(CN)、OCN、炭素数1〜8のハロアシル基(COCF3等)、炭素数1〜8のハロアシルオキシ基(OCOCF3等)、炭素数1〜8のハロアルキルスルホニルオキシ基(OSO2CF3)、炭素数1〜8のアルキルスルホニル基(SO2CH3、SO2CH2CH3等)、炭素数1〜8のアルキルスルフィニル基(SOCH3等)、炭素数1〜8のハロアルキルスルホニル基(SO2CF3等)、シアノスルホニル基(SO2CN)、ハロスルホニル基(SO2F等)などが含まれる。
官能基を選定する際の官能基の電子吸引性の指標としてHammett則を用いることができる。ラクトン構造部分が、Hammett則の電子吸引性の序列でFの値が0.50以上の官能基で置換されていることが好ましい。Hammett則のFの値は実験的に測定することが可能であるが、より簡便には文献値を参考にすることができる。本明細書では、Chem. Rev. 1991, 91, 165−195に記載の数値を用いた。特に好ましい電子吸引性基の具体例として、NO2(F値:0.65)、CN(F値:0.51)、OCN(F値:0.69)、COCF3(F値:0.54)、OCOCF3(F値:0.58)、OSO2CF3(F値:0.56)、SO2CH3(F値:0.53)、SO2CH2CH3(F値:0.59)、SOCH3(F値:0.52)、SO2CF3(F値:0.74)、SO2CN(F値:0.97)、SO2F(F値:0.72)などの官能基が挙げられる。
ラクトン構造を有する繰り返し単位は、ラクトン構造を有する重合性単量体を重合に付すことによりポリマー中に導入できる。ラクトン構造を有する単量体としては、ラクトン構造を有し且つ重合性不飽和基を有する化合物であれば特に制限はない。ラクトン構造を有する単量体の代表的な例として、下記式(12)で表される化合物が挙げられる。
CH2=CH(R)−COO−Y−Lc (12)
上記式(12)において、Rは水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数1〜6のハロアルキル基を示す。Yは単結合又は連結基を示し、Lcはラクトン構造を示す。
Rにおけるハロゲン原子には、フッ素、塩素、臭素原子などが含まれる。炭素数1〜6のアルキル基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、ヘキシル基などが挙げられる。炭素数1〜6のハロアルキル基としては、前記炭素数1〜6のアルキル基の少なくとも1つの水素原子がフッ素原子に置換した基、例えば、モノフルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、2,2,2−トリフルオロエチル、テトラフルオロエチル、2,2,3,3,3−テトラフルオロプロピル基などが挙げられる。Rとしては、特に、水素原子、メチル基、フッ素原子、トリフルオロメチル基が好ましい。
Yにおける連結基としては、酸素原子(エーテル結合)、イオウ原子(チオエーテル結合)、カルボニル基、チオカルボニル基、−N(Z)−、置換基を有していてもよい2価の炭化水素基、置換基を有していてもよい2価の複素環式基、これらが2以上結合した2価の基(有機基等)などが挙げられる。前記Zは水素原子又は炭化水素基を示す。該炭化水素基としては、例えば、アルキル基(メチル基、エチル基、イソプロピル基等の炭素数1〜6のアルキル基等)、アルケニル基(アリル基等の炭素数2〜6のアルケニル基等)、アルキニル基(プロピニル基等の炭素数2〜6のアルキニル基等)、シクロアルキル基(シクロヘキシル基等の3〜8員のシクロアルキル基等)、アリール基(フェニル基等)、アラルキル基(ベンジル基等)などが挙げられる。
前記2価の炭化水素基(連結基)としては、例えば、メチレン、エチリデン、イソプロピリデン、エチレン、プロピレン、トリメチレン、テトラメチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレン基等の炭素数1〜10程度の直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基;エテニレン、プロペニレン、ブテニレン基等の炭素数2〜10のアルケニレン基;シクロペンチレン、シクロペンチリデン、シクロヘキシレン、シクロヘキシリデン基等のシクロアルキレン基;アダマンタンジイル、ノルボルナンジイル基等の炭素数4〜15程度の2価の橋架け環式炭化水素基;フェニレン基、ナフチレン基等の炭素数6〜15程度のアリーレン基;これらが2以上結合した2価の基などが挙げられる。前記2価の複素環式基としては、窒素原子、酸素原子及びイオウ原子からなる群より選択された少なくとも1つのヘテロ原子を含む2価の芳香族性又は非芳香族性複素環式基が挙げられる。これらの2価の炭化水素基や2価の複素環式基が有していてもよい置換基としては、特に限定されず、例えば、前記ラクトン構造部分が有していてもよい置換基と同様のものが挙げられる。
好ましい連結基として、酸素原子(エーテル結合);ハロゲン原子(フッ素原子等)で置換されていてもよい炭素数1〜4の直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基;ハロゲン原子(フッ素原子等)、炭素数1〜4のアルキル基、又は炭素数1〜4のハロアルキル基(フルオロアルキル基等)で置換されていてもよい2価の脂環式炭化水素基(シクロアルキレン基、橋架け環式炭化水素基等);及びこれらが2以上結合した2価の基などが挙げられる。
連結基Yはラクトン構造Lcのどの位置に結合していてもよい。例えば、連結基Yは、5員のラクトン環のカルボニル基のα位、β位又はγ位、6員のラクトン環のカルボニル基のα位、β位、γ位又はδ位の何れに結合していてもよい。また、ラクトン構造Lcが多環の場合には、5員又は6員のラクトン環を構成する炭素原子以外の部位に連結基Yが結合していてもよい。
ラクトン構造を有する単量体の代表的な例として、以下の化合物(L−1)〜(L−29)が挙げられる。これらの化合物は公知の方法により、又は公知の反応を組み合わせることにより製造できる。また、後述の製造例に記載の方法又はこの方法に準じた方法により製造することができる。
Figure 2008046515
Figure 2008046515
Figure 2008046515
本発明のレジスト保護膜形成用樹脂組成物を構成するポリマーは、ラクトン構造を有する繰り返し単位とともに他の繰り返し単位を含んでいてもよい。他の繰り返し単位としては、ポリマーの非水溶性を高める機能を有する繰り返し単位、例えば、フッ素原子を有する繰り返し単位、及びポリマーのアルカリ可溶性を高める機能を有する繰り返し単位、例えばスルホ基又はカルボキシル基を有する繰り返し単位などが挙げられる。フッ素原子を有する繰り返し単位、スルホ基又はカルボキシル基を有する繰り返し単位は、それぞれ1種使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。本発明においては、ラクトン構造を有する繰り返し単位とともにフッ素原子を有する繰り返し単位を含むポリマーがより好ましく、ラクトン構造を有する繰り返し単位とともにフッ素原子を有する繰り返し単位及びスルホ基又はカルボキシル基を有する繰り返し単位を含むポリマーがさらに好ましい。フッ素原子を有する繰り返し単位、スルホ基又はカルボキシル基を有する繰り返し単位は、それぞれ、対応する不飽和化合物(重合性単量体)を共重合に付すことによりポリマー中に導入できる。
フッ素原子を有する繰り返し単位として、下記式(13)、式(14)で表される単位が挙げられる。
Figure 2008046515
(式中、R1、R2、R3、R4は、同一又は異なって、水素原子、フッ素原子、ヒドロキシル基を有していてもよい炭素数1〜10のアルキル基、ヒドロキシル基を有していてもよい炭素数3〜15のシクロアルキル基、ヒドロキシル基を有していてもよい炭素数1〜10のフルオロアルキル基、ヒドロキシル基を有していてもよい炭素数3〜15のフルオロシクロアルキル基、ヒドロキシル基を有していてもよい炭素数1〜10のハロアルキルオキシ基、ヒドロキシル基を有していてもよい炭素数3〜10のハロシクロアルキルオキシ基を示し、R3とR4は互いに結合して隣接する2個の炭素原子とともに環を形成していてもよい。但し、R1〜R4のうち少なくとも1つはフッ素原子を含有する基である。R5は、水素原子、フッ素原子、メチル基、トリフルオロメチル基、又はカルボキシメチル基を示す。R6は、置換基を有していてもよく、またエステル基、エーテル基、ヒドロキシル基又はアミド基を有していてもよい、炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基若しくは炭素数3〜20の脂環式炭化水素基、又はこれらが2以上結合した基を示す)
前記アルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、s-ブチル、t-ブチル、ペンチル、ヘキシル、オクチル、デシル基等が挙げられる。シクロアルキル基としては、シクロペンチル、シクロヘキシル基等が挙げられる。フルオロアルキル基としては、トリフルオロメチル基、トリフルオロエチル基、ペンタフルオロエチル基などが挙げられる。ヒドロキシル基を有するフルオロアルキル基としては、−C(CF32−OH、−CH2−C(CF32−OHなどが挙げられる。フルオロシクロアルキル基としては、ヘキサフルオロシクロアルキル基などが挙げられる。ハロアルキルオキシ基としては、−OCF3、−OC37、−OC49、−OC817、−OCH2CF3、−OCH237、−OCH2CF2CF2CF2CF2Hなどが挙げられる。R3とR4は互いに結合して隣接する2個の炭素原子とともに形成する環としては、フッ素原子又はフッ素原子含有基を有していてもよいシクロブタン環、フッ素原子又はフッ素原子含有基を有していてもよいシクロヘプタン環、フッ素原子又はフッ素原子含有基を有していてもよいシクロヘキサン環、フッ素原子又はフッ素原子含有基を有していても1,3−ジオキソラン環などが挙げられる。
6における炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、s-ブチル、t-ブチル、ペンチル、ヘキシル、オクチル、デシル基等のアルキル基;アリル基等のアルケニル基;プロピニル基等のアルキニル基が挙げられる。R6における炭素数3〜20の脂環式炭化水素基としては、シクロペンチル、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;シクロペンテニル、シクロヘキセニル基等のシクロアルケニル基;ノルボルニル、アダマンチル基等の橋架け環式基などが挙げられる。これらの脂肪族炭化水素基や脂環式炭化水素基が有していてもよい置換基としては、特に限定されず、例えば、前記ラクトン構造部分が有していてもよい置換基と同様のものが挙げられる。好ましい置換基としてフッ素原子,ヒドロキシル基等が挙げられる。
式(13)で表される繰り返し単位の代表的な例として以下のものが挙げられる。
・R1=H、R2=F、R3=H、R4=Hである繰り返し単位
・R1=H、R2=F、R3=H、R4=Fである繰り返し単位
・R1=H、R2=F、R3=F、R4=Fである繰り返し単位
・R1=F、R2=F、R3=F、R4=Fである繰り返し単位
・R1=H、R2=F、R3=H、R4=CF3である繰り返し単位
・R1=F、R2=F、R3=H、R4=CF3である繰り返し単位
・R1=F、R2=F、R3=F、R4=CF3である繰り返し単位
・R1=H、R2=H、R3=H、R4=OCF3である繰り返し単位
・R1=H、R2=H、R3=H、R4=OC37である繰り返し単位
・R1=H、R2=H、R3=H、R4=OC49である繰り返し単位
・R1=H、R2=H、R3=H、R4=OC817である繰り返し単位
・R1=H、R2=H、R3=H、R4=OCH2CF3である繰り返し単位
・R1=H、R2=H、R3=H、R4=OCH237である繰り返し単位
・R1=F、R2=F、R3=F、R4=OC37である繰り返し単位
・R1=F、R2=F、R3とR4が結合して隣接する2個の炭素原子とともに、テトラフルオロブタン環を形成している繰り返し単位
・R1=F、R2=F、R3とR4が結合して隣接する2個の炭素原子とともに、ヘキサフルオロペンタン環を形成している繰り返し単位
・R1=F、R2=F、R3とR4が結合して隣接する2個の炭素原子とともに、2,2−ビス(トリフルオロメチル)−1,3−ジオキソラン環を形成している繰り返し単位
・R1=H、R2=H、R3とR4が結合して隣接する2個の炭素原子とともに、2−(2,2,2−トリフルオロ−1−トリフルオロメチル−1−ヒドロキシエチル)ノルボルナン環を形成している繰り返し単位
・R1=H、R2=H、R3とR4が結合して隣接する2個の炭素原子とともに、2−(3,3,3−トリフルオロ−2−トリフルオロメチル−2−ヒドロキシプロピル)ノルボルナン環を形成している繰り返し単位
式(14)で表される繰り返し単位の代表的な例として以下のものが挙げられる。
・R5=H、CH3、F又はCF3、R6=CH2CF3である繰り返し単位
・R5=H、CH3、F又はCF3、R6=CH2CF2Hである繰り返し単位
・R5=H、CH3、F又はCF3、R6=CH2CF2CF3である繰り返し単位
・R5=H、CH3、F又はCF3、R6=CH2CF2CF2Hである繰り返し単位
・R5=H、CH3、F又はCF3、R6=CH2CF(CF3)である繰り返し単位
・R5=H、CH3、F又はCF3、R6=CH2CF2CF2CF2CF3である繰り返し単位
・R5=H、CH3、F又はCF3、R6=CH2CF2CF2CF2CF2Hである繰り返し単位
・R5=H、CH3、F又はCF3、R6=CH2CH2CF2CF2CF2CF3である繰り返し単位
・R5=H、CH3、F又はCF3、R6=CH2CF2CF2CF2CF2CF2CF2CF2CF3である繰り返し単位
・R5=H、CH3、F又はCF3、R6=CH2CH2CF2CF2CF2CF2CF2CF2CF3である繰り返し単位
・R5=H、CH3、F又はCF3、R6=4−(2,2,2−トリフルオロ−1−トリフルオロメチル−1−ヒドロキシエチル)シクロヘキシル基である繰り返し単位
・R5=H、CH3、F又はCF3、R6=2−(2,2,2−トリフルオロ−1−トリフルオロメチル−1−ヒドロキシエチル)シクロヘキシル基である繰り返し単位
・R5=H、CH3、F又はCF3、R6=4−(1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−ヒドロキシ)シクロヘキシル基である繰り返し単位
・R5=H、CH3、F又はCF3、R6=4−(1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−ヒドロキシ)−4−ヒドロキシシクロヘキシル基である繰り返し単位
・R5=H、CH3、F又はCF3、R6=4−(1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−ヒドロキシ)シクロヘキシル−メチル基である繰り返し単位
・R5=H、CH3、F又はCF3、R6=4−(1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−ヒドロキシ)−4−ヒドロキシシクロヘキシル−メチル基である繰り返し単位
・R5=H、CH3、F又はCF3、R6=4−(1,1,2,2,3,3,4,4−オクタフルオロブチル)シクロヘキシル基である繰り返し単位
・R5=H、CH3、F又はCF3、R6=5−(2,2,2−トリフルオロ−1−トリフルオロメチル−1−ヒドロキシエチル)ノルボルナン−2−イル基である繰り返し単位
・R5=H、CH3、F又はCF3、R6=5−(3,3,3−トリフルオロ−2−トリフルオロメチル−2−ヒドロキシプロピル)ノルボルナン−2−イル基である繰り返し単位
・R5=H、CH3、F又はCF3、R6=5−トリフルオロメチル−5−ヒドロキシノルボルナン−2−イル基である繰り返し単位
・R5=H、CH3、F又はCF3、R6=6,6−ジフルオロ−5−トリフルオロメチル−5−ヒドロキシノルボルナン−2−イル基である繰り返し単位
・R5=H、CH3、F又はCF3、R6=6−(2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロペンチルオキシカルボニル)ノルボルナン−2−イル基である繰り返し単位
・R5=H、CH3、F又はCF3、R6=6−(2,2,3,3,4,4,5,5、5−ノナフルオロペンチルオキシカルボニル)ノルボルナン−2−イル基である繰り返し単位
スルホ基又はカルボキシル基を有する繰り返し単位としては、スルホ基又はカルボキシル基を有していれば特に限定されない。
スルホ基を有する繰り返し単位に対応する不飽和化合物(重合性単量体)の代表例として、例えば、ビニルスルホン酸(エチレンスルホン酸)、2−プロペンスルホン酸、3−ブテンスルホン酸、4−ペンテンスルホン酸、(メタ)アクリル酸スルホメチル、(メタ)アクリル酸2−スルホエチル、(メタ)アクリル酸3−スルホプロピル、(メタ)アクリル酸2−メチル−3−スルホプロピル、(メタ)アクリル酸4−スルホブチル、N−(2−スルホエチル)(メタ)アクリル酸アミド、N−(1−メチル−2−スルホエチル)(メタ)アクリル酸アミド、N−(1,1−ジメチル−2−スルホエチル)(メタ)アクリル酸アミド、N−(2−メチル−3−スルホプロピル)(メタ)アクリル酸アミド、N−(4−スルホブチル)(メタ)アクリル酸アミドなどが挙げられるが、これに限定されない。
カルボキシル基を有する繰り返し単位に対応する不飽和化合物(重合性単量体)の代表例として、例えば、(メタ)アクリル酸、3−ブテン酸、4−ペンテン酸、2−フルオロアクリル酸、2−トリフルオロメチルアクリル酸、3−ビニルオキシプロピオン酸、4−ビニルオキシ酪酸、3−カルボキシ−3−ブテン酸、(メタ)アクリル酸カルボキシシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸カルボキシノルボルニル、(メタ)アクリル酸カルボキシアダマンチル、(メタ)アクリル酸カルボキシメチル、(メタ)アクリル酸2−カルボキシエチル、(メタ)アクリル酸3−カルボキシプロピルなどが挙げられる。
本発明のレジスト保護膜形成用樹脂組成物を構成するポリマーにおいて、ラクトン構造を有する繰り返し単位の割合は、全繰り返し単位(全モノマー単位)に対して、例えば1〜90モル%、好ましくは2〜75モル%、さらに好ましくは3〜60モル%程度である。ラクトン構造を有する繰り返し単位の割合が少なすぎると、非水溶性とアルカリ可溶性の両立、バランスがうまく調整できず、またポリマーにおける単量体組成の均一性が損なわれやすく、ウォーターマークやアルカリ現像時のスカム等の欠陥が生じやすくなる。一方、ラクトン構造を有する繰り返し単位の割合が多すぎると、非水溶性が低下する場合がある。
前記ポリマーがフッ素原子を有する繰り返し単位を有する場合、その割合は、全繰り返し単位(全モノマー単位)に対して、例えば1〜99モル%、好ましくは5〜95モル%、さらに好ましくは10〜90モル%程度である。フッ素原子を有する繰り返し単位の割合が少ない場合には、非水溶性が低下することがあり、フッ素原子を有する繰り返し単位の割合が多すぎると、アルカリ可溶性が低下しやすくなる。
前記ポリマーがスルホ基又はカルボキシル基を有する繰り返し単位を有する場合、その割合は合計で、全繰り返し単位(全モノマー単位)に対して、例えば1〜90モル%、好ましくは3〜70モル%、さらに好ましくは5〜50モル%程度である。スルホ基又はカルボキシル基を有する繰り返し単位の割合が少ない場合には、アルカリ可溶性が低下することがあり、スルホ基又はカルボキシル基を有する繰り返し単位の割合が多すぎると、非水溶性が低下しやすくなる。
本発明のレジスト保護膜形成用樹脂組成物を構成するポリマーの重量平均分子量(Mw;ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算の値)は、例えば1000〜500000程度、好ましくは2000〜30000,さらに好ましくは2000〜15000程度である。重量平均分子量が小さすぎるとレジスト材料とミキシングを起こしたり、水に溶解しやすくなる。一方、重量平均分子量が大きすぎると、スピンコート時の成膜性に問題が生じたり、アルカリ溶解性が低下することがある。
本発明のレジスト保護膜形成用樹脂組成物を構成するポリマーを得るに際し、モノマー混合物の重合は、溶液重合、塊状重合、懸濁重合、塊状−懸濁重合、乳化重合など、アクリル系重合体等を製造する際に用いる慣用の方法により行うことができるが、特に、溶液重合が好適である。さらに、溶液重合のなかでも滴下重合が好ましい。滴下重合は、具体的には、例えば、(i)予め有機溶媒に溶解した単量体溶液と、有機溶媒に溶解した重合開始剤溶液とをそれぞれ調製し、一定温度に保持した有機溶媒中に前記単量体溶液と重合開始剤溶液とを各々滴下する方法、(ii)単量体と重合開始剤とを有機溶媒に溶解した混合溶液を、一定温度に保持した有機溶媒中に滴下する方法、(iii)予め有機溶媒に溶解した単量体溶液と、有機溶媒に溶解した重合開始剤溶液とをそれぞれ調製し、一定温度に保持した前記単量体溶液中に重合開始剤溶液を滴下する方法などの方法により行われる。
重合溶媒としては公知の溶媒を使用でき、例えば、エーテル(ジエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル等グリコールエーテル類などの鎖状エーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等の環状エーテルなど)、エステル(酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のグリコールエーテルエステル類など)、ケトン(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなど)、アミド(N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミドなど)、スルホキシド(ジメチルスルホキシドなど)、アルコール(メタノール、エタノール、プロパノールなど)、炭化水素(ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、ヘキサン等の脂肪族炭化水素、シクロヘキサン等の脂環式炭化水素など)、これらの混合溶媒などが挙げられる。また、重合開始剤として公知の重合開始剤を使用できる。重合温度は、例えば30〜150℃程度の範囲で適宜選択できる。
重合により得られたポリマーは、沈殿又は再沈殿により精製できる。沈殿又は再沈殿溶媒は有機溶媒及び水の何れであってもよく、また混合溶媒であってもよい。沈殿又は再沈殿溶媒として用いる有機溶媒として、例えば、炭化水素(ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタンなどの脂肪族炭化水素;シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンなどの脂環式炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素)、ハロゲン化炭化水素(塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素などのハロゲン化脂肪族炭化水素;クロロベンゼン、ジクロロベンゼンなどのハロゲン化芳香族炭化水素など)、ニトロ化合物(ニトロメタン、ニトロエタンなど)、ニトリル(アセトニトリル、ベンゾニトリルなど)、エーテル(ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジメトキシエタンなどの鎖状エーテル;テトラヒドロフラン、ジオキサンなどの環状エーテル)、ケトン(アセトン、メチルエチルケトン、ジイソブチルケトンなど)、エステル(酢酸エチル、酢酸ブチルなど)、カーボネート(ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネートなど)、アルコール(メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロピルアルコール、ブタノールなど)、カルボン酸(酢酸など)、これらの溶媒を含む混合溶媒等が挙げられる。
中でも、前記沈殿又は再沈殿溶媒として用いる有機溶媒として、少なくとも炭化水素(特に、ヘキサンなどの脂肪族炭化水素)を含む溶媒が好ましい。このような少なくとも炭化水素を含む溶媒において、炭化水素(例えば、ヘキサンなどの脂肪族炭化水素)と他の溶媒との比率は、例えば前者/後者(重量比)=10/90〜99/1、好ましくは前者/後者(重量比)=30/70〜98/2、さらに好ましくは前者/後者(重量比)=50/50〜97/3程度である。
本発明のレジスト保護膜形成用樹脂組成物は、通常、前記ポリマーを溶媒に溶解して調製する。用いられる溶媒としてはレジストを溶解しない溶媒が好ましい。このような溶媒として、例えば、炭素数4以上のアルコール、炭化水素、鎖状エーテル、含フッ素溶媒などが挙げられる。溶媒は単独で又は2種以上を混合して使用してもよい。また、極性の低い溶媒と極性の高い溶媒とを組み合わせて使用することもできる。
前記炭素数4以上のアルコールとして、例えば、1−ブチルアルコール、2−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、t−ブチルアルコール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、t−アミルアルコール、ネオペンチルアルコール、2−メチル−1−ブタノール、3−メチル−1−ブタノール、3−メチル−3−ペンタノール、シクロペンタノール、1−ヘキサノール、2−ヘキサノール、3−ヘキサノール、2,3−ジメチル−2−ブタノール、3,3−ジメチル−1−ブタノール、3,3−ジメチル−2−ブタノール、2−ジエチル−1−ブタノール、2−メチル−1−ペンタノール、2−メチル−2−ペンタノール、2−メチル−3−ペンタノール、3−メチル−1−ペンタノール、3−メチル−2−ペンタノール、3−メチル−3−ペンタノール、4−メチル−1−ペンタノール、4−メチル−2−ペンタノール、4−メチル−3−ペンタノール、シクロヘキサノールなどが挙げられる。前記炭化水素として、例えば、ヘキサン、ヘプタン、オクタンなどの脂肪族炭化水素;シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンなどの脂環式炭化水素;トルエン、キシレン、エチルベンゼン、イソプロピルベンゼンなどの芳香族炭化水素が挙げられる。前記鎖状エーテルとしては、例えば、アニソール、ジブチルエーテルなどが挙げられる。前記含フッ素溶媒としては、例えば、2−フルオロアニソール、3−フルオロアニソール、4−フルオロアニソール、2,3−ジフルオロアニソール、2,4−ジフルオロアニソール、2,5−ジフルオロアニソール、5,8−ジフルオロ−1,4−ベンゾジオキサン、2,3−ジフルオロベンジルアルコール、1,3−ジフルオロ−2−プロパノール、2′,4′−ジフルオロプロピオフェノン、2,4−ジフルオロトルエン、トリフルオロアセトアルデヒドエチルヘミアセタール、トリフルオロアセトアミド、トリフルオロエタノール、2,2,2−トリフルオロエチルブチレート、エチルヘプタフルオロブチレート、エチルヘプタフルオロブチルアセテート、エチルヘキサフルオログルタリルメチル、エチル−3−ヒドロキシ−4,4,4−トリフルオロブチレート、エチル−2−メチル−4,4,4−トリフルオロアセトアセテート、エチルペンタフルオロベンゾエート、エチルペンタフルオロプロピオネート、エチルペンタフルオロプロピニルアセテート、エチルパーフルオロオクタノエート、エチル−4,4,4−トリフルオロアセトアセテート、エチル−4,4,4−トリフルオロブチレート、エチル−4,4,4−トリフルオロクロトネート、エチルトリフルオロスルホネート、エチル−3−(トリフルオロメチル)ブチレート、エチルトリフルオロピルベート、S−エチルトリフルオロアセテート、フルオロシクロヘキサン、2,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロ−1−ブタノール、1,1,1,2,2,3,3−ヘプタフルオロ−7,7−ジメチル−4,6−オクタンジオン、1,1,1,3,5,5,5−ヘプタフルオロペンタン−2,4−ジオン、3,3,4,4,5,5,5−ヘプタフルオロ−2−ペンタノール、3,3,4,4,5,5,5−ヘプタフルオロ−2−ペンタノン、イソプロピル4,4,4−トリフルオロアセトアセテート、メチルパーフルオロデナノエート、メチルパーフルオロ(2−メチル−3−オキサヘキサノエート)、メチルパーフルオロノナノエート、メチルパーフルオロオクタノエート、メチル−2,3,3,3−テトラフルオロプロピオネート、メチルトリフルオロアセトアセテート、1,1,1,2,2,6,6,6−オクタフルオロ−2,4−ヘキサンジオン、2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロ−1−ペンタノール、1H,1H,2H,2H−パーフルオロ−1−デカノール、パーフルオロ(2,5 −ジメチル−3,6− ジオキサンアニオニック)酸メチルエステル、2H−パーフルオロ−5−メチル−3,6−ジオキサノナン、1H,1H,2H,3H,3H−パーフルオロノナン−1,2−ジオール、1H,1H,9H−パーフルオロ−1−ノナノール、1H,1H−パーフルオロオクタノール、1H,1H,2H,2H−パーフルオロオクタノール、2H−パーフルオロ−5,8,11,14−テトラメチル−3,6,9,12,15−ペンタオキサオクタデカン、パーフルオロトリブチルアミン、パーフルオロトリヘキシルアミン、パーフルオロ−2,5,8−トリメチル−3,6,9−トリオキサドデカン酸メチルエステル、パーフルオロトリペンチルアミン、パーフルオロトリプロピルアミン、1H,1H,2H,3H,3H−パーフルオロウンデカン−1,2−ジオール、トルフルオロブタノール1,1,1−トリフルオロ−5−メチル−2,4− ヘキサンジオン、1,1,1−トリフルオロ−2−プロパノール、3,3,3−トリフルオロ−1−プロパノール、1,1,1−トリフルオロ−2−プロピルアセテート、パーフルオロブチルテトラヒドロフラン、パーフルオロ( ブチルテトラヒドロフラン)、パーフルオロデカリン、パーフルオロ(1,2−ジメチルシクロヘキサン)、パーフルオロ(1,3−ジメチルシクロヘキサン)、プロピレングリコールトリフルオロメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールメチルエーテルトリフルオロメチルアセテート、トリフルオロメチル酢酸ブチル、3−トリフルオロメトキシプロピオン酸メチル、パーフルオロシクロヘキサノン、プロピレングリコールトリフルオロメチルエーテル、トリフルオロ酢酸ブチル、1,1,1−トリフルオロ−5,5−ジメチル−2,4−ヘキサンジオン、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノール、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−メチル−2−プロパノール、2,2,3,4,4,4−ヘキサフルオロ−1−ブタノール、2−トリフルオロメチル−2−プロパノール、2,2,3,3−テトラフルオロ−1−プロパノール、3,3,3−トリフルオロ−1−プロパノール、4,4,4−トリフルオロ−1−ブタノールなどが挙げられる。
本発明のレジスト保護膜形成用樹脂組成物における溶媒として特に好ましい溶媒には、炭素数4以上のアルコール(なかでも炭素数4〜6の脂肪族アルコール又は脂環式アルコール)、又は炭素数2以上の脂肪族又は脂環式アルコールの炭素原子に結合する水素原子の一部又は全部がフッ素原子で置換されたフッ素化アルコール(中でも、炭素数4〜10のフッ素化アルコール)が含まれる。
本発明のレジスト保護膜形成用樹脂組成物には、必要に応じて適宜な添加剤が含まれていてもよい。
[パターン形成方法]
本発明のパターン形成方法では、基板上に形成されたレジスト膜上に、上記のレジスト保護膜形成用樹脂組成物を用いて保護膜(上層膜)を形成し、次いでレジスト膜を液浸露光し、現像する工程を含む。保護膜を形成することで、レジスト膜内部への液浸液の浸透、及びレジスト膜成分の液浸液への溶出が防止される。
基板としては、通常用いられるBareSi基板、SOG基板、表面に反射防止膜を形成した基板などを使用できる。レジスト膜の材料としては特に限定されず、公知のフォトレジスト材料を使用することができる。ポジ型、ネガ型の何れであってもよく、通常の炭化水素系の単層レジストでもよく、珪素原子などを含んだバイレイヤーレジストでもよい。本発明では特に化学増幅型レジストが好ましく用いられる。ポジ型の化学増幅型レジストは、通常、溶解抑止機能を有する保護基でブロックされた部位を持つベース樹脂と光酸発生剤を含む2成分系のものと、ベース樹脂、酸発生剤及び溶解抑止剤からなる3成分系のものとがある。一方、ネガ型の化学増幅型レジストは、通常、ベース樹脂、光酸発生剤、架橋剤の3成分系のものが用いられる。
ArF露光に用いるレジスト材料は、ベース樹脂として芳香族を含まない構造が必須であり、具体的には、ポリ(メタ)アクリル酸及びその誘導体、ノルボルネン誘導体−無水マレイン酸交互重合体及びポリ(メタ)アクリル酸又はその誘導体との3〜4元共重合体、テトラシクロドデセン誘導体−無水マレイン酸交互重合体及びポリ(メタ)アクリル酸又はその誘導体との3〜4元共重合体、ノルボルネン誘導体−マレイミド交互重合体及びポリ(メタ)アクリル酸又はその誘導体との3〜4元共重合体、テトラシクロドデセン誘導体−マレイミド交互重合体及びポリ(メタ)アクリル酸又はその誘導体との3〜4元共重合体、及びこれらの2つ以上の、あるいはポリノルボルネン及びメタセシス開環重合体から選択される1種或いは2種以上の高分子重合体が好ましく用いられる。ベース樹脂としては、少なくともラクトン構造を有する繰り返し単位とアダマンタン環を有する繰り返し単位を含む樹脂が好ましい。
保護膜の形成法(成膜法)としては特に限定されるものではなく、例えばスピンコート等の手段を用いることができる。保護膜の膜厚は、通常5〜500nm、好ましくは10〜150nmの範囲である。スピンコート等による成膜後に40〜130℃程度の範囲で10〜300秒間ベークすることによって溶媒を揮発させる。その後、例えばArF液浸リソグラフィーによって液浸液(例えば水)中で露光する。露光光としては、ArFエキシマレーザー(193nm)のほか、KrFエキシマレーザー(248nm)、F2エキシマレーザー(157nm)、X線などが挙げられる。露光後、好ましくは水をスピンドライし、60〜180℃程度の温度で10〜300秒間露光後ベーク(PEB)を行い、アルカリ現像液で10〜300秒間現像を行う。アルカリ現像液としては、2.38重量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液が一般的に広く用いられており、前記保護膜(上層膜)の剥離とレジスト層の現像が同時に行われる。なお、アルカリ現像液としては、上記に限らず、アルカリ金属水酸化物、アミン類、第四級アンモニウムヒドロキシド等の水溶液の中から適宜選択して使用できる。アルカリ現像液のアルカリ濃度は、一般に0.1〜20重量%程度である。現像後、通常、純水等によりリンス処理が施される。このようにして、微細なパターンが精度よく形成される。
以下、実施例及び比較例を示して本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。
製造例1
<ヒドロキシル基を有するラクトン化合物の合成>
D−ジヒドロカルベオール38.6g、シアノ酢酸170g、酢酸2621gの混合物に、窒素下、室温で酢酸マンガン(III)二水和物134gを加え、40℃で50分加熱し反応させた。反応後、反応液を室温まで冷却し、アセトン700mlを加え撹拌した。液中の固体をろ別し、溶液を減圧濃縮した。濃縮物に酢酸エチル500mlを加え、水1.2Lで洗浄した後、減圧濃縮した。濃縮物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、さらにアセトン/ヘキサンから晶析にて精製し、下記式(15)で表されるα−シアノ−γ−(3−ヒドロキシ−4−メチルシクロヘキシル)−γ−メチル−γ−ブチロラクトン7.8g(収率13%)を得た。なお、生成物は2種の異性体(化合物A、化合物B)の混合物であり、その比率はおよそ6:4であった。
[化合物Aのスペクトルデータ]
1H-NMR(CDCl3)δ:0.84-2.10(m,15H), 2.42(m,2H), 3.18(m,1H), 3.81(t,1H)
[化合物Bのスペクトルデータ]
1H-NMR(CDCl3)δ:0.84-2.10(m,15H), 2.28(m,1H), 2.63(dd,1H), 3.13(m,1H), 3.73(m,1H)
Figure 2008046515
<ヒドロキシル基を有するラクトン化合物のメタクリル化>
冷却管、空気導入口、温度計を備えた反応器に、前記式(15)で表される化合物1.19g、モレキュラーシーブズ3A(粉末)1.20g、メチルイソブチルケトン50ml、4−メトキシフェノール30mgを入れた。この混合物に、室温にてメタクリル酸クロリド1.56gを加えた。混合溶液を、ゆっくり乾燥空気を吹き込みつつ110℃で10時間加熱した。反応後、溶液を室温まで冷却した後、溶液中の固体をろ別した。飽和重曹水50mlにろ液を加えて撹拌した後、有機層を分離し、減圧濃縮した。濃縮物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、下記式(16)で表されるα−シアノ−γ−(3−メタクリロイルオキシ−4−メチルシクロヘキシル)−γ−メチル−γ−ブチロラクトン1.07g(収率70%)を得た。この化合物は2種の異性体(化合物C、化合物D)の混合物であり、その比率はおよそ6:4であった。
[化合物Cのスペクトルデータ]
1H-NMR(CDCl3)δ: 0.94(d,3H), 1.11-2.09(m,14H), 2.45(m,2H), 3.84(dd,1H), 4.49(m,1H), 5.57(s,1H), 6.11(s,1H)
MS(FAB+) m/e 306(M+H), 220,69
[化合物Dのスペクトルデータ]
1H-NMR(CDCl3)δ:0.93(d,3H), 1.11-2.09(m,14H), 2.31(dd,1H), 2.67(s,1H), 5.57(s,1H), 6.11(s,1H)
MS(FAB+) m/e 306(M+H),220,69
Figure 2008046515
製造例2
下記の反応工程式に従って、1−シアノ−5−メタクリロイルオキシ−3−オキサトリシクロ[4.2.1.04,8]ノナン−2−オンを製造した。
Figure 2008046515
<ヒドロキシル基を有するラクトン化合物の合成>
2−シアノアクリル酸エチル(18)50g(0.33モル)をトルエン200mlに溶解させ、35℃以下の温度で冷却しながら、1,3−シクロペンタジエン(17)45g(0.68モル)を滴下して加えた。1時間撹拌後、濃縮することにより、式(19)で表される5−シアノビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−エン−5−カルボン酸エチル(粗生成物)を72g得た。
上記で得られた式(19)で表される化合物(粗生成物)69g(0.36モル換算)を塩化メチレン501gに溶解させ、5℃以下に冷却しながら、m−CPBA(m−クロロ過安息香酸)115gをゆっくり投入した。4時間後、亜硫酸ナトリウム水溶液を加えて過剰の過酸化物を分解した後、炭酸水素ナトリウム水溶液で有機層を洗浄した。有機層[式(20)で表される化合物を含む]に、ギ酸150g、水303gを仕込み、50℃まで昇温し、4時間撹拌を続けた。水層に生成物が無くなるまで酢酸エチルで抽出した。有機層を合わせ、濃縮することにより、式(21)で表される1−シアノ−5−ヒドロキシ−3−オキサトリシクロ[4.2.1.04,8]ノナン−2−オン(粗生成物)を23g得た。
[式(21)で表される1−シアノ−5−ヒドロキシ−3−オキサトリシクロ[4.2.1.04,8]ノナン−2−オンのスペクトルデータ]
1H-NMR(CDCl3)δ:4.52-4.54(1H), 3.69-3.73(2H), 2.54-2.55(1H), 2.29-2.35(2H), 2.13-2.16(1H), 1.85-1.88(1H)
<ヒドロキシル基を有するラクトン化合物のメタクリル化>
上記で得られた式(21)で表される化合物(粗生成物)23g(0.127モル換算)をテトラヒドロフラン(THF)252gに溶解させ、トリエチルアミン16.9g、ヒドロキノン0.2gを加え、5℃で冷却しながら、メタクリル酸クロリド(22)18.3gを滴下して加えた。反応混合液に水300mlを加え、酢酸エチルで抽出し、有機層を炭酸水素ナトリウム水溶液及び水で順次洗浄した後、有機層を濃縮し、濃縮物をジイソプロピルエーテルで晶析することにより、式(23)で表される1−シアノ−5−メタクリロイルオキシ−3−オキサトリシクロ[4.2.1.04,8]ノナン−2−オンを14g得た。
[式(23)で表される1−シアノ−5−メタクリロイルオキシ−3−オキサトリシクロ[4.2.1.04,8]ノナン−2−オンのスペクトルデータ]
1H-NMR(CDCl3)δ:6.12(d, 1H), 5.69(d, 1H), 4.83(1H), 4.69(1H), 3.82-3.83(1H), 2.78(1H), 2.27-2.45(3H), 2.04(1H), 1.93(3H)
実施例1
Figure 2008046515
還流管、撹拌子、3方コックを備えた300ml丸底フラスコに、窒素雰囲気下、メチルイソブチルケトン(MIBK)24gを入れ、温度を80℃に保ち、撹拌しながら、1H,1H,5H−オクタフルオロペンチルメタクリレート(MW 300.15)5.0g(16.7mmol)、前記式(16)で表されるモノマー1(MW 305.38)5.0g(16.4mmol)、開始剤(和光純薬工業製、商品名「V−601」)0.75g及びMIBK32gを混合したモノマー溶液を4時間かけて一定速度で滴下した。滴下終了後、さらに4時間撹拌を続けた。重合反応終了後、得られた反応液をヘキサンと酢酸エチルの9:1(重量比)混合液667g中に撹拌しながら滴下した。生じた沈殿物を濾別し、減圧乾燥(25℃)することによりすることにより、上記構造の樹脂8.0gを得た。回収したポリマーをGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)分析したところ、重量平均分子量(Mw)が10000、分子量分布(Mw/Mn)が2.0であった。Mnは数平均分子量(ポリスチレン換算)を示す。また、得られたポリマーの共重合比率はNMR分析によると、重合に供した比率とほぼ同じであった。
得られたポリマーをプロピレングリコールモノメチルエーテルに溶解させ、ポリマー濃度10重量%のレジスト保護膜形成用樹脂組成物を調製した。Si基板(4インチ)上にこのレジスト保護膜形成用樹脂組成物を塗布し、100℃で60秒間ベークしてレジスト保護膜(膜厚200nm)を形成した。
実施例2
Figure 2008046515
実施例1において、モノマーの仕込み割合を、1H,1H,5H−オクタフルオロペンチルメタクリレート(MW 300.15)7.0g(23.3mmol)、式(16)で表されるモノマー1(MW 305.38)3.0g(9.8mmol)に変更したほかは実施例1と同様の操作を行い、上記構造の樹脂を合成した。得られた樹脂の重量平均分子量(Mw)は10000、分子量分布(Mw/Mn)は1.95であった。
得られたポリマーをプロピレングリコールモノメチルエーテルに溶解させ、ポリマー濃度10重量%のレジスト保護膜形成用樹脂組成物を調製した。Si基板(4インチ)上にこのレジスト保護膜形成用樹脂組成物を塗布し、100℃で60秒間ベークしてレジスト保護膜(膜厚200nm)を形成した。
実施例3
Figure 2008046515
実施例1において、モノマーの種類及び仕込み割合を、1H,1H,5H−オクタフルオロペンチルメタクリレート(MW 300.15)7.5g(25.0mmol)、モノマー1(MW 305.38)2.0g(6.5mmol)、メタクリル酸(MW 86)0.5g(5.8mmol)に変更したほかは実施例1と同様の操作を行い、上記構造の樹脂を合成した。得られた樹脂の重量平均分子量(Mw)は10000、分子量分布(Mw/Mn)は1.97であった。
得られたポリマーをプロピレングリコールモノメチルエーテルに溶解させ、ポリマー濃度10重量%のレジスト保護膜形成用樹脂組成物を調製した。Si基板(4インチ)上にこのレジスト保護膜形成用樹脂組成物を塗布し、100℃で60秒間ベークしてレジスト保護膜(膜厚200nm)を形成した。
実施例4
Figure 2008046515
実施例1において、モノマーの種類及び仕込み割合を、1H,1H,5H−オクタフルオロペンチルメタクリレート(MW 300.15)8.0g(26.7mmol)、前記式(23)で表されるモノマー2(MW 247)1.5g(6.1mmol)、メタクリル酸(MW 86)0.5g(5.8mmol)に変更したほかは実施例1と同様の操作を行い、上記構造の樹脂を合成した。得られた樹脂の重量平均分子量(Mw)は10000、分子量分布(Mw/Mn)は2.02であった。
得られたポリマーをプロピレングリコールモノメチルエーテルに溶解させ、ポリマー濃度10重量%のレジスト保護膜形成用樹脂組成物を調製した。Si基板(4インチ)上にこのレジスト保護膜形成用樹脂組成物を塗布し、100℃で60秒間ベークしてレジスト保護膜(膜厚200nm)を形成した。
比較例1
Figure 2008046515
実施例1において、モノマーの種類及び及び仕込み割合を、1H,1H,5H−オクタフルオロペンチルメタクリレート(MW 300.15)8.0g(26.7mmol)、メタクリル酸(MW 86)2.0g(23.3mmol)に変更したほかは実施例1と同様の操作を行い、上記構造の樹脂を合成した。得られた樹脂の重量平均分子量(Mw)は10000、分子量分布(Mw/Mn)は1.98であった。
得られたポリマーをプロピレングリコールモノメチルエーテルに溶解させ、ポリマー濃度10重量%のレジスト保護膜形成用樹脂組成物を調製した。Si基板(4インチ)上にこのレジスト保護膜形成用樹脂組成物を塗布し、100℃で60秒間ベークしてレジスト保護膜(膜厚200nm)を形成した。
比較例2
Figure 2008046515
実施例1において、モノマーの種類及び及び仕込み割合を、1H,1H,5H−オクタフルオロペンチルメタクリレート(MW 300.15)9.5g(31.7mmol)、メタクリル酸(MW 86)0.5g(5.8mmol)に変更したほかは実施例1と同様の操作を行い、上記構造の樹脂を合成した。得られた樹脂の重量平均分子量(Mw)は10000、分子量分布(Mw/Mn)は2.01であった。
得られたポリマーをプロピレングリコールモノメチルエーテルに溶解させ、ポリマー濃度10重量%のレジスト保護膜形成用樹脂組成物を調製した。Si基板(4インチ)上にこのレジスト保護膜形成用樹脂組成物を塗布し、100℃で60秒間ベークしてレジスト保護膜(膜厚200nm)を形成した。
評価試験
(1)撥水性
実施例及び比較例で得られたレジスト保護膜の撥水性を評価するため、保護膜表面の接触角測定を行った。協和界面科学株式会社製の「接触角計DM700」を用いてSi基板上のレジスト保護膜の水に対する接触角(°)を10点測定し、その平均値を求めた。結果を表1に示す。
(2)アルカリ現像液に対する溶解性
実施例及び比較例で得られたレジスト保護膜のアルカリ現像液に対する溶解性を評価するため、アルカリ現像速度を測定した。保護膜を形成したSiウエハを0.12重量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)水溶液に浸漬して、レジスト保護膜が溶解する時間(秒)を測定した。測定はSiウエハ表面が完全に露出するまでの時間とした。結果を表1に示す。
Figure 2008046515
表より明らかなように、実施例で得られたレジスト保護膜は撥水性が高く、しかもアルカリ現像液に対して速やかに溶解する。これに対し、比較例1ではアルカリ現像液に対する溶解性は優れるものの撥水性が低く、比較例2では撥水性の点では優れているもののアルカリ現像液に対する溶解性が劣っており、従来のレジスト保護膜形成用樹脂組成物では撥水性とアルカリ現像液に対する溶解性とを両立させることが困難であることが分かる。

Claims (7)

  1. 少なくともラクトン構造を有する繰り返し単位を有するポリマーを含むレジスト保護膜形成用樹脂組成物。
  2. ラクトン構造を有する繰り返し単位とともにフッ素原子を有する繰り返し単位を有するポリマーを含む請求項1記載のレジスト保護膜形成用樹脂組成物。
  3. ラクトン構造を有する繰り返し単位とともにフッ素原子を有する繰り返し単位及びスルホ基又はカルボキシル基を有する繰り返し単位を有するポリマーを含む請求項2記載のレジスト保護膜形成用樹脂組成物。
  4. ラクトン構造を有する繰り返し単位において、ラクトン構造を構成するラクトン環に電子吸引性基が結合している請求項1〜3の何れかの項に記載のレジスト保護膜形成用樹脂組成物。
  5. 電子吸引性基が、Hammett則に準じて計算されたFの値が0.50以上である官能基である請求項4記載のレジスト保護膜形成用樹脂組成物。
  6. 電子吸引性基がNO2、CN、OCN、COCF3、OCOCF3、OSO2CF3、SO2CH3、SO2CH2CH3、SOCH3、SO2CF3、SO2CN、又はSO2Fである請求項4記載のレジスト保護膜形成用樹脂組成物。
  7. 基板上に形成されたレジスト膜上に請求項1〜6の何れかの項に記載のレジスト保護膜形成用樹脂組成物により保護膜を形成し、次いでレジスト膜を液浸露光し、現像する工程を含むことを特徴とするパターン形成方法。
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