JP2008044906A - ビフェニル類の製造方法 - Google Patents

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【課題】 ベンゼン環を含んでなる芳香族化合物を、パラジウム塩を含む触媒の存在下に、分子状酸素の存在する雰囲気中で、酸化カップリング反応させてビフェニル類を製造する方法において、改良された製造方法を提供すること。
【解決手段】 ベンゼン環を含んでなる芳香族化合物を、パラジウム塩と、酸化銅(I)と、パラジウム塩と錯体を形成する配位子化合物との存在下に、且つ分子状酸素の存在する雰囲気中で、酸化カップリング反応させることを特徴とするビフェニル類の製造方法。
【選択図】 なし

Description

本発明はベンゼン環を含んでなる芳香族化合物を酸化カップリング反応させてビフェニル類を製造する改良された製造方法に関する。特に、本発明はフタル酸ジエステルを酸化カップリング反応させてビフェニルテトラカルボン酸テトラエステルを製造する改良された製造方法に関する。
特許文献1には、反応液中に有機パラジウム塩と有機銅塩とを存在させて、分子状酸素雰囲気中で、ベンゼン環を含んでなる芳香族化合物を酸化カップリング反応させて、ビフェニル類を製造する方法が提案されている。
特許文献2には、オルソフタル酸エステルをパラジウム塩と塩基性二座配位子化合物と銅塩とから得られる触媒の存在下に分子状酸素を含む気体を反応系に供給して高温で酸化カップリング反応させ、次いで前記触媒を逐次添加して、ビフェニルテトラカルボン酸エステルを製造する方法が提案されている。銅塩としては有機酸または無機酸の銅塩あるいはβ−ジケトン類の銅キレート塩であり、実施例では酢酸銅一水和物が用いられている。
特許文献3には、フタル酸ジエステルと、パラジウム化合物、二座配位子及び銅塩とを含む触媒とを均一に撹拌した混合物を連続的または断続的に反応槽へ供給する工程と、前記反応槽に分子状酸素を供給しながら酸化カップリング反応させる工程と、前記反応槽から反応混合物の一部を連絡的または断続的に取出す工程とを、同時並行で行うビフェニルテトラカルボン酸テトラエステルの製造方法が提案されている。銅塩の一つとして酸化銅が挙げられているが何ら具体的説明はない。ここでは、酢酸銅、プロピオン酸銅、ノルマルブチル酸銅、ビバル酸銅、およびビス(アセチルアセトナト)銅が酸化カップリング反応を促進する効果が高いので好適である旨記載され、なかでもプロピオン酸銅、ノルマルブチル酸銅、ビバル酸銅、およびビス(アセチルアセトナト)銅は原料のフタル酸ジエステルに容易に溶解することから極めて好適な旨記載されている。
特開昭55−141417号公報 特開昭60−51150号公報 特開2004−131470号公報
本発明は、ベンゼン環を含んでなる芳香族化合物を、パラジウム塩を含む触媒の存在下に、分子状酸素の存在する雰囲気中で、酸化カップリング反応させてビフェニル類を製造する方法において、触媒能(収率や触媒回転数)を向上させた改良された製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、ベンゼン環を含んでなる化学式(1)で示される芳香族化合物を、パラジウム塩と、酸化銅(I)と、パラジウム塩と錯体を形成する配位子化合物との存在下に、且つ分子状酸素の存在する雰囲気中で、酸化カップリング反応させることを特徴とするビフェニル類の製造方法に関する。ここで、Rは置換基であり、mは0〜4の整数である。
Figure 2008044906
また、本発明は、好ましくは、パラジウム塩と錯体を形成する配位子化合物が窒素原子により錯体を形成する二座配位子であること、化学式(1)で示される芳香族化合物がフタル酸ジエステルであることに関し、さらに、大気圧下、反応温度50〜300℃で酸化カップリング反応させることに関する。
本発明の製造方法によって、ベンゼン環を含んでなる芳香族化合物を酸化カップリング反応させて、より効率的にビフェニル類を製造することができる。
本発明で原料として使用する化学式(1)で示される芳香族化合物は、ベンゼン環を含んでなる芳香族化合物である。ここで、Rは置換基であり、mは0〜4の整数、好ましくは0〜3の整数、より好ましくは1〜3の整数である。Rで示される置換基としては、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシル基、炭素数1〜5のアルコシキカルボニル基、炭素数1〜5のアルカノイルオキシ基、炭素数1〜5のアルカノイルオキシアルキル基、水素原子がアセチル基又はハロゲン原子で置換された炭素数1〜5のアルキル基、ニトロ基、ハロゲン原子などを挙げることができる。化学式(1)で示される芳香族化合物の具体例としては、ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、1,2,4−トリメチルベンゼン、オルトキシレン、メタキシレン、パラキシレン、アニソール、安息香酸メチル、安息香酸ブチル、トルイル酸ブチル、アセチルベンゼン、2,6−ジメチルベンゼンアセテート、キシリレンジアセテート、ニトロベンゼン、オルトクロルメチルベンゼン、クロルベンゼン、フッ化ベンゼン、オルトクロルトルエン、トリフルオロトルエン、フタル酸ジエステル、イソフタル酸ジエステル、テレフタル酸ジエステルなどを挙げることができる。なお、前記フタル酸ジエステル、イソフラル酸ジエステル、テレフタル酸ジエステルは、それらの酸、酸無水物、酸ハロゲン化物と末端に水酸基を有する化合物、例えば低級脂肪族アルコールや芳香族アルコールなどと反応して得られるジエステル化合物である。
化学式(1)で示される芳香族化合物として下記化学式(2)で示されるフタル酸ジエステルを用いると、得られるビフェニルテトラカルボン酸テトラエステルがポリイミド樹脂などの原料になるので有用である。
Figure 2008044906
ここで、R1は、それぞれ独立に、アルキル基又はアリール基であり、置換基を持っていてもよい。特に、フタル酸ジメチルエステル、フタル酸ジエチルエステル、フタル酸ジブチルエステルなどの、炭素数1〜5の低級脂肪族アルコールのジエステルが好適に用いられる。
本発明で用いるパラジウム塩としては、例えば、塩化パラジウム、臭化パラジウム、ヨウ化パラジウム、水酸化パラジウム、硝酸パラジウム、硫酸パラジウムのような無機パラジウム塩や、酢酸パラジウム、トリフルオロ酢酸パラジウム、トリフルオロメタンスルホン酸パラジウム、ビス(アセチルアセトナト)パラジウム、ビス(ヘキサフルオロアセチルアセトナト)パラジウムなどの有機パラジウム塩を挙げることができる。特に、酢酸パラジウム、トリフルオロ酢酸パラジウム、硝酸パラジウム、ビス(アセチルアセトナト)パラジウム、水酸化パラジウムが好適である。パラジウム塩の使用量は、出発物質の前記ベンゼン環を含んでなる芳香族化合物に対して5×10−5倍モル以上、より好ましくは2×10−4倍モル以上であり、0.01倍モル以下、より好ましくは0.005倍モル以下であることが好適である。5×10−5倍モル未満では反応が効率的でなくなり、0.01倍モルを越えると高価なパラジウムを多量に使用することになって経済的でなくなる。
本発明で用いるパラジウム塩と錯体を形成する配位子化合物としては、パラジウム塩と二座で配位する二座配位子が好ましく、特に2個の窒素原子によりパラジウム塩と錯体を形成することができる二座配位子が好適である。
2個の窒素原子によりパラジウム塩と錯体形成をする二座配位子としては、例えば、化学式(2)、及び、化学式(3)で示される二座配位子を好適に用いることができる。
Figure 2008044906
[ここで、R2は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、ニトロ基、アミノ基、アルキル基、アルコキシ基、又は、アリール基である。アルキル基、アルコキシ基、及び、アリール基は置換基を有することもできる。]
Figure 2008044906
[ここで、R3は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、ニトロ基、アミノ基、アルキル基、アルコキシ基、又は、アリール基である。アルキル基、アルコキシ基、及び、アリール基は置換基を有することもできる。]
これらの配位子を用いて、置換基を有する芳香族化合物を酸化カップリング反応すると、生成するビフェニル類の異性体のうち、非対称置換ビフェニル類(2つのベンゼン環上の非対称の位置に置換基を有するビフェニル類を意味する)の生成を抑制し、対称置換ビフェニル類(2つのベンゼン環上の対称の位置に置換基を有するビフェニル類を意味する)を選択的に生成させることができる。例えば、原料がフタル酸ジエステルの場合には、非対称置換生成物である2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸テトラエステルの生成を抑制し、対称置換生成物である3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸テトラエステルを選択的に生成させることができる。
化学式(3)及び化学式(4)で示される二座配位子の具体例としては、1,10−フェナントロリン、2,2’−ビピリジルを好適に挙げることができる。1,10−フェナントロリンは酸化二量化反応を促進する効果が高いので特に好適である。
これらの二座配位子は、パラジウム塩に対して0.1〜5倍モルを加えるのが好ましく、特にパラジウム塩に対して0.5〜1.5倍モル用いるのが望ましい。0.1倍モル未満の量では十分な選択性が得られない。5倍モルを越える量を用いた場合は触媒能が低下する場合がある。
本発明のようなパラジウム塩を含む触媒を用いた酸化カップリング反応において、従前、銅塩は反応時の酸素分圧を低くできる効果を有する成分として用いられてきた。すなわち、銅塩を用いると特に加圧条件でなく大気圧下でも反応を行うことが可能である。
本発明の特徴は、銅塩のなかでも特に酸化銅(I)、即ち酸化第一銅CuO、を用いるところにある。本発明は、酸化銅(I)を用いることによって、酸化カップリング反応を大気圧下で行うことができるのみならず、パラジウムあたりの触媒能(収率や触媒回転数)を向上させることができた。酸化銅(I)の使用量は、パラジウム塩に対して0.01〜10倍モルが好ましく、特にパラジウム塩に対して0.1〜2.0倍モルが好適である。酸化銅(I)の使用量が前記範囲外では本願の効果を容易に得ることが難しくなる。
本発明において、反応温度は50℃以上、好ましくは100℃以上、より好ましくは140℃以上であり、且つ300℃以下、好ましくは250℃以下である。反応温度が50℃未満では酸化カップリング反応がおこりにくいので好ましくなく、又反応温度が300℃を越えると副生物が増え、目的とするビフェニル類の生成が少なくなるので好ましくない。
本発明において、反応溶媒は用いても構わないし、用いなくても構わない。工業的には実質的に反応溶媒を用いないで反応させることが好ましい。反応溶媒を用いる場合は、例えば、エチレングリコールジアセテート、アジピン酸ジメチルなどの有機酸エステル、n−ブチルメチルケトン、メチルエチルケトン、イソプロピルエチルケトンなどのケトン化合物などを挙げることができる。その使用量は、例えば、出発物質に対して10000容量倍以下、好ましくは1000容量倍以下である。
本発明において、分子状酸素は、純酸素ガスで供給してもよいが、爆発の危険性を考慮すると、窒素ガスや炭酸ガスなどの不活性ガスで酸素含有量が約5体積%〜50体積%程度まで希釈された酸素含有混合ガス、または空気を用いることが好ましい。酸素分圧は0.01気圧以上、好ましくは0.05気圧以上、より好ましくは0.1気圧以上であり、且つ200気圧以下、好ましくは50気圧以下、より好ましくは20気圧以下である。加圧する場合には反応系は密閉されて、所定圧力の分子状酸素が反応系内に封じ込められるが、反応を大気圧下で行い酸素含有混合ガス又は空気を反応系に流通させるのが好適である。流通させる場合には、酸素含有混合ガス又は空気は、反応液1000ml当たり約1〜20000ml/分、特に10〜10000ml/分の供給速度で、反応液中に均一に行き渡るようにバブリング、好ましくはフィルターを用いたバブリングなどによって供給することが好ましい。
本発明の酸化カップリング反応は従来公知の反応槽や装置及び手法を用いて好適に行われる。例えば特許文献2に記載されているように触媒成分を逐次添加しても構わないし、特許文献3に記載されているように、原料成分と触媒成分とを均一に撹拌した混合物を連続的または断続的に反応槽へ供給する工程と、前記反応槽に分子状酸素を供給しながら酸化カップリング反応させる工程と、前記反応槽から反応混合物の一部を連絡的または断続的に取出す工程とを、同時並行で行うなどの手法を用いても構わない。
本発明の方法によって得られる生成物は、下記化学式(5)で示されるビフェニル類である。
Figure 2008044906
ここで、Rは置換基であり、mは0〜4の整数である。
すなわち、ベンゼンを出発物質とすればビフェニルが得られ、トルエンを出発物質とすればビトリルが得られ、キシレンを出発物質とすればテトラメチルビフェニルが得られ、フタル酸ジエステルを出発物質とすれば、ビフェニルテトラカルボン酸テトラエステルが得られる。
以下実施例によって本発明を更に説明する。なお、本発明は実施例に限定されるものではない。
実施例では出発物質(原料)としてフタル酸ジメチルエステルを用いて、酸化カップリングの生成物としてビフェニルテトラカルボン酸テトラメチルエステル(以下、BPTTと略記することもある)を得ている。生成物のBPTTには、異性体である3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸テトラメチルエステル(以下、S−BPTTと略記することもある)と、2,3,3,4−ビフェニルテトラカルボン酸テトラメチルエステル(以下a−BPTTと略記することもある)が含まれる。
ここで、酸化カップリング反応生成物であるBPTTの収率、触媒回転率(以下、TONと略記することもある)、生成BPTT中の異性体であるs−BPTAとa−BPTTとの生成量の比(以下、S/Aと略記することもある)は次の式に従って算出した。なお、算出式中の単位はモル数である。
Figure 2008044906
〔実施例1〕
フタル酸ジメチルエステル238g(1.23モル)、酸化銅(I)34.3mg(0.24ミリモル)とを300ミリリットルセパラブルフラスコに秤取し、温度計、ジムロート冷却管、メカニカルスターラー及びボールフィルターを取り付けた。攪拌しながら、ボールフィルターより空気を130ミリリットル/分で吹き込み、冷却管に冷却水を循環させながらシリコンオイルバスにフラスコを浸けて室温より昇温させた。反応液温80℃で、原料のフタル酸ジメチルエステル1.79g(9.22ミリモル)と触媒成分の酢酸パラジウム30.0mg(0.134ミリモル)と1,10−フェナントロリン26.4mg(0.147ミリモル)とから調製したペースト状黄色溶液である触媒混合物(一段目)を添加し、240℃まで昇温した。その温度で2時間撹拌を続け、次いで同じ組成からなる触媒混合物(二段目)を添加し更に2時間撹拌を続けた後で、更に同じ組成からなる触媒混合物(三段目)を加えて2時間撹拌した。反応後フラスコを空冷した。反応混合物をメタノール及び水で希釈した後、液体クロマトグラフィーで定量分析した。その結果は表1のとおりであった。
〔比較例1〕
酸化銅(I)34.3mg(0.24ミリモル)の代わりにビス(アセチルアセトナト)銅105mg(0.40ミリモル)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして反応及び分析を行った。その結果は表1のとおりであった。
〔実施例2〕
酸化銅(I)の使用量を8.59mg(0.06ミリモル)に減らしこと以外は、実施例1と同様に反応及び分析をおこなった。その結果は表1のとおりであった。
〔実施例3〕
酸化銅(I)の使用量を57.2mg(0.40ミリモル)に増やしたこと以外は、実施例1と同様に反応及び分析をおこなった。その結果は表1のとおりであった。
〔実施例4〕
触媒混合物(三段目)を加えた後の撹拌時間を4時間に延長したこと以外は、実施例1と同様に反応及び分析をおこなった。その結果は表1のとおりであった。
〔実施例5〕
酸化銅(I)の使用量を68.7mg(0.48ミリモル)に増やし、且つ触媒混合物(三段目)を加えた後の撹拌時間を8時間に延長したこと以外は、実施例1と同様に反応及び分析をおこなった。その結果は表1のとおりであった。
〔比較例2〕
ビス(アセチルアセトナト)銅の使用量を31.4mg(0.12ミリモル)に減らしたこと以外は、比較例1と同様に反応及び分析をおこなった。その結果は表1のとおりであった。
〔比較例3〕
ビス(アセチルアセトナト)銅の使用量を209mg(0.80ミリモル)に増やしたこと以外は、比較例1と同様に反応及び分析をおこなった。その結果は表1のとおりであった。
〔比較例4〕
ビス(アセチルアセトナト)銅の代わりに、同じモル数の酢酸銅一水和物を用いたほかは、比較例2と同様に反応及び分析をおこなった。その結果は表1のとおりであった。
〔比較例5〕
ビス(アセチルアセトナト)銅の代わりに、同じモル数の酸化銅(II)を用いたほかは、比較例2と同様に反応及び分析をおこなった。その結果は表1のとおりであった。
Figure 2008044906
表1から判るとおり、酸化銅(I)即ち酸化第一銅CuOを用いることによって、前記反応条件で酸化カップリング反応生成物の収率が13%以上に向上し、特にTONが200以上特に220以上に向上する。このような触媒能の向上は、パラジウムに起因して触媒が高価であるために、極めて有用である。
本発明によって、ベンゼン環を含んでなる芳香族化合物を、パラジウム塩を含む触媒の存在下に、分子状酸素の存在する雰囲気中で、酸化カップリング反応させてビフェニル類を製造する方法において、触媒能(収率や触媒回転数)を向上させた改良された製造方法を提供することができる。

Claims (4)

  1. 化学式(1)で示される芳香族化合物を、パラジウム塩と、酸化銅(I)と、パラジウム塩と錯体を形成する配位子化合物との存在下に、且つ分子状酸素の存在する雰囲気中で、酸化カップリング反応させることを特徴とするビフェニル類の製造方法。
    Figure 2008044906
    ここで、Rは置換基であり、mは0〜4の整数である。
  2. パラジウム塩と錯体を形成する配位子化合物が、窒素原子により錯体を形成する二座配位子であることを特徴とする前記請求項1に記載のビフェニル類の製造方法。
  3. 化学式(1)で示される芳香族化合物が、フタル酸ジエステルであることを特徴とする前記請求項1〜2のいずれかに記載のビフェニル類の製造方法。
  4. 大気圧下、反応温度50〜300℃で酸化カップリング反応させることを特徴とする前記請求項1〜3のいずれかに記載のビフェニル類の製造方法。
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